JP3699233B2 - 冷菓の注出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイスクリームやヨーグルト等の冷菓を注出する装置に関し、特に注出用シリンダの取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアイスクリームディスペンサの一例を図20によって説明する。このものは、内部に冷却器100を装備した冷凍庫101を有し、この冷凍庫101に備えられた扉102の内側に、シリンダ103内にピストン104を摺動自由に嵌装したエアーシリンダ105が、取付金具106を介して縦向きで固定的に取り付けられている。このエアーシリンダ105は、ピストン104の上面側がアイスクリームのパックBが収容される収容室107で、下面側が圧力室108とされている。上記のパックBは、図21に示すように、一端側に設けられた取出口Cをシリンダ103の上縁に切られたU溝109に挿入しつつ収容室107に収容され、シリンダ103の上端にはキャップ110が装着される。パックBの取出口Cは、扉102に設けられた注出コック112付きの注出部111の接続口113に嵌合接続される。そして、加圧機器116により庫内のエアーが作動エアーとして圧力室108に供給されることでピストン104が上昇してパックBが圧縮され、注出コック112を開くことでパックB内のアイスクリームが注出されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パックB内のアイスクリームを使い切った場合は新たなパックBと交換する必要があり、従来は以下のような手順で行われていた。まず扉102を開けてエアーシリンダ105を庫外に出すと、それに伴い加圧機器116が逆転駆動されて圧力室108内の作動エアーが吸引されることでピストン104が下降し、収容室107が広げられる。そうしたら、キャップ110を外してパックBを交換するのであるが、パックBの取出口Cが注出部111の接続口113に嵌合接続されているため、まずそれを外す必要がある。そのため従来では、図21に示すようにねじ117を外して注出部111全体を抜き出して、パックBの取出口Cとの嵌合接続を外し、それから使用済みのパックBを抜き取るようにしていた。また、新たなパックBを収容したら、接続口113をパックBの取出口Cに嵌合しつつ再度ねじ止めにより注出部111を取り付ける必要がある。
すなわち従来では、パックBの交換が面倒で長時間を要していた。この交換の間、扉102は開放されたままであるので庫内温度の上昇を招き、アイスクリームの品質に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0004】
また、扉102の内面とエアーシリンダ105の間隔が狭いので、取出口CをU溝109に挿入しつつパックBを収容する作業がやり難いという問題もあった。もっとも、エアーシリンダ105を扉102の内面から大きく離して取り付ければ、この不具合は解消されるのであるが、そのためには注出部111に突設された接続口113をパックBの取出口Cに届くように長くする必要がある。そうすると、注出部111全体を抜き取る作業がさらに面倒になり、また接続口113は、注出できなかったアイスクリームが残留して廃棄等をする部分であり、その部分が長くなればそれだけ残留量が多くなってしまうので、簡単には採用できない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、パックの交換作業を簡単に短時間でできるようにするところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、冷却貯蔵庫に設けられた扉の内面側には、シリンダ内にピストンを摺動自由に嵌装した注出用シリンダが取り付けられ、この注出用シリンダ内における前記ピストンの一側に構成された収容室に冷菓を充填したパックが収容され、前記ピストンを移動させて加圧することで冷菓を注出するとともに、前記扉を開放してパックの収容を行うようにした冷菓の注出装置において、前記注出用シリンダが、前記収容室側を前記扉から離間する方向へ傾動可能に取り付けられている構成としたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記扉と前記注出用シリンダの間にはダンパ手段が介設されている構成としたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記扉と前記注出用シリンダの間には、この注出用シリンダを注出時の起立姿勢に保持すべくラッチ機構が設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
パックの交換を行う場合は、扉を開いて注出用シリンダを庫外に出し、注出用シリンダを傾動させる。そして使用済みのパックを収容室から出し、代わって新たなパックを収容する。パックの収容室と扉の間が大きく広げられているので、パックの出し入れの作業がし易い。パックの収容後、注出用シリンダを元の姿勢に起こして扉を閉めれば、注出可能な状態となる。
このように本発明によれば、注出用シリンダを傾動可能に取り付けたから、傾倒した場合に収容室と扉の間を大きく広げることができて、パックの出し入れがし易くなり、もってパックの交換作業を簡単に短時間で行うことができる。
【0008】
<請求項2の発明>
注出用シリンダの傾動動作を衝撃を受けることなくスムーズに行うことができる。
<請求項3の発明>
注出用シリンダを注出時の起立姿勢に保持することをワンタッチで行うことができ、使い勝手に優れたものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をアイスクリームディスペンサに適用した実施形態を添付図面にに基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図6により説明する。まず、図1によって全体構造を説明する。符号1は断熱箱体からなる冷凍庫であって、内部が冷凍室2となっており、前面には開閉可能な断熱扉3が設けられている。冷凍庫1の底部側には機械室5が設けられ、脚片6を介して設置されている。冷凍室2の天井部分には、冷却器8と庫内ファン9とが装備されており、冷凍室2の奥面に設けられたダクト10を介して吸引された庫内空気が、冷却器8を通過する間に熱交換されて冷気が生成され、その冷気が庫内ファン9によって冷凍室2内に循環供給されるようになっている。なお冷却器8は、機械室5内に装備された圧縮機、凝縮器等と接続されて周知の冷凍サイクルを構成しており、また冷凍室2内は、アイスクリームAが注出可能な状態を維持しつつ冷却保存されるような冷却温度に維持される。
上記した断熱扉の3の内面側には流体圧シリンダ11が縦向きに取り付けられている。この流体圧シリンダ11の取付構造については、後で詳述する。流体圧シリンダ11は、シリンダ12内にピストン13が緊密にかつ摺動自由に嵌装された構造であり、作動流体はブラインX(不凍液)となっている。
【0010】
流体圧シリンダ11におけるピストン13の上面側にはパック収容室20が形成され、このパック収容室20の断熱扉3と対応する壁面には、図2に示すように上縁から縦向きのU溝21が切られている。アイスクリームAのパックBは、軟質樹脂製であって伸縮可能となっており、その一端側には、硬質樹脂からなる取出口Cが設けられている。この取出口Cは円筒形であって、外周には4枚の鍔が間隔を開けて形成されている(図6参照)。このうち基端側の2枚が取付用の鍔D1であり、最先端が閉止用の鍔D2となっている。したがってパックBは、その取付用の2枚の鍔D1の間をU溝21に嵌めつつ、パック収容室20内に収容可能とされている。
また、パック収容室20の上端にはキャップ22が着脱可能に被着されるようになっており、図2に示すように、外周に突設されたピン49をシリンダ12の上縁に切られたJスロット50に嵌合して同図の時計回り方向に回動させることで装着し得るようになっている。
【0011】
ピストン13の下面側には、ブラインXが給排される圧力室24が形成されている。一方、冷凍室2の底面の奥面側にはブラインXを貯留するタンク25が装備されている。このタンク25と圧力室24の底面にはそれぞれポート26,27が開口され、両ポート26,27間が、機械室5内に配管されたブライン流路28で接続されている。詳細には、このブライン流路28には、ベーンポンプ等からなる加圧ポンプ29が介設されているとともに、4個の電磁弁SV1〜SV4が備えられて流路が2系統に切り換え可能とされている。すなわち、第1電磁弁SV1と第3電磁弁SV3を開放し、第2電磁弁SV2と第4電磁弁SV4を閉鎖した状態で加圧ポンプ29が駆動されると、タンク25内のブラインXが流体圧シリンダ11の圧力室24に供給され、一方、第2電磁弁SV2と第4電磁弁SV4を開放し、第1電磁弁SV1と第3電磁弁SV3を閉鎖した状態で加圧ポンプ29が駆動されると、圧力室24内のブラインXがタンク25側に還流されるようになっている。なお、圧力室24とタンク25との間は、別のエアー抜き管30で接続されており、そこに介設された電磁弁SV5は常には閉じられている。また、機械室5の天井部分にはドレンパン32が設けられ、上記のブライン流路28には流量センサ33が介設されている。
【0012】
断熱扉3には、アイスクリームAの注出部35が設けられている。注出部35の構造は以下のようである。断熱扉3における上記した流体圧シリンダ11に収納されたパックBの取出口Cの前方に対応する位置には、取付孔36が貫通状に形成されている。この取付孔36には、前面を閉鎖した筒体37が、断熱扉3の前方に突出して嵌着されている。この筒体37内にはT字管38がクリアランスを持って嵌装されており、その横管の後端の接続口39が断熱扉3の内面側に所定寸法突出している。この接続口39には、上記したパックBの取出口Cが嵌合され、先端側の鍔D2が接続口39の口縁に当接することで閉止されるようになっている(図3参照)。また、縦管の上下両端はそれぞれ筒体37を貫通して上下に突出しており、下端が注出口40となっているとともに、上端側に注出コック41が装備されている。注出コック41はレバー42の回動操作によって弁体43を上げ下げするものであって、レバー42を図1の鎖線位置から実線位置に回動することにより注出口40が開放されるようになっている。
【0013】
また、断熱扉3の表面における注出部35の上方位置には、上記したブライン供給用の加圧ポンプ29のモータ(図示せず)の起動とその停止とを制御する常開式のマイクロスイッチ45が設けられている。そして、注出コック41の弁体43には操作板46が設けられており、注出口40を開口すべく弁体43が上昇操作されると、操作板46がアクチュエータを押圧してマイクロスイッチ45をオンさせる設定となっている。なお、断熱扉3の前面における注出部35の下方位置には、アイスクリームAを入れる容器を載せる載置台48が設けられている。
【0014】
次に、上記した流体圧シリンダ11を断熱扉3に取り付ける部分の構造を図3ないし図6によって詳細に説明する。
まず、流体圧シリンダ11の下端側を受けるべく保持金具51が備えられている。この保持金具51は、全体として籠形をなしており、図5に示すように、底板52の上方に環形金具53が配されて図示3本の縦枠54で連結された構造となっており、環形金具53の内側に流体圧シリンダ11の下端部が嵌められて底板52で受けられるようになっている。この保持金具51の環形金具53の前面部分が、蝶番55を介して断熱扉3の内面の下端側に揺動可能に取り付けられている。
【0015】
また、流体圧シリンダ11の正面から見た左右の周面の上端部には、それぞれ取付板57が固定されており、各取付板57の下端部と断熱扉3の内面との間が、左右一対の折り畳み可能なステイ58で連結されている。さらに、各取付板57の上端部には一対のラッチ部材59が取り付けられている。このラッチ部材59は、図6に示すように、前方を向いて延出して設けられ、先端の内側に爪60が形成されている。一方、断熱扉3の内面の対応する位置には一対の係止片61が突設され、この係止片61は弾性変形可能であって、それぞれの先端に、外側に屈曲した係止部62が形成されている。
【0016】
以上により流体圧シリンダ11は、断熱扉3の内面側において、蝶番55を中心として、図3に示す起立位置と、図4に示す傾倒位置との間で傾動可能に取り付けられている。起立位置では、図6に示すようにラッチ部材59の爪60が係止片61の係止部62に弾性的に係止されることで起立姿勢に保持されており、このときパック収容室20に収容されたパックBの取出口Cが、注出部35の接続口39に嵌合され、先端側の鍔D2が接続口39を閉止する設定となっている。一方、流体圧シリンダ11の傾倒は、ステイ58が伸び切ることで規制される。
なお、流体圧シリンダ11の圧力室24に接続されたブライン流路28とエアー抜き管30とは、断熱扉3が開くことに伴って流体圧シリンダ11が庫外に出されてもなお接続状態が維持されるように、長さに余裕が持たされている。
【0017】
本第1実施形態は上記のような構造であって、続いてその作動を説明する。
まず、注出時について説明する。流体圧シリンダ11は、図1に示すように起立位置に保持されており、ブライン流路28の電磁弁SV1〜SV4は、タンク25から圧力室24に向かう流路を構成するように開閉制御されている。アイスクリームAを注出するには、載置台48に図示しない容器を置き、注出コック41のレバー42を図1の実線位置に回動して注出口40を開くとともに、マイクロスイッチ45をオンさせて加圧ポンプ29を駆動させる。そうすると、図1の実線の矢線に示すように、タンク25内のブラインXが汲み上げられて流体圧シリンダ11の圧力室24内に供給されて加圧される。これによりピストン13が上昇してパックBが圧縮され、パックBの取出口CからアイスクリームAが流出し、注出口40から容器内に注出される。
適量が注出されたら、注出コック41のレバー42を図1の鎖線位置に回動すると、マイクロスイッチ45がオフとなって加圧ポンプ29が停止し、また注出口40が閉じられて注出が停止される。再度、上記の動作を繰り返すことでアイスクリームAが順次に注出される。
【0018】
注出動作が繰り返されてパックB内のアイスクリームAを使い切ったら、新たなパックBと交換する。その場合は、まず断熱扉3を開く。そうすると流体圧シリンダ11が庫外に出されるとともに、図示しないパック交換スイッチがオンとなって、ブライン流路28の各電磁弁SV1〜SV4が上記とは逆の開閉態様に切り替わるとともに、加圧ポンプ29が駆動される。そうすると、図1の破線の矢線に示すように、流体圧シリンダ11の圧力室24内のブラインXが吸引されてタンク25内に戻される。これにより圧力室24内が負圧に傾くことでピストン13が下降し、パック収容室20が大きく広がる。
【0019】
そうしたら、断熱扉3の内面の一対の係止片61を狭めてラッチを外し、流体圧シリンダ11を持ちつつ蝶番55を中心に傾倒させる。これに伴い、パックBの取出口Cが注出部35の接続口39から抜き出される。そしてステイ58が伸び切ったところで、流体圧シリンダ11は図4に示す傾倒位置に保持される。そうしたらキャップ22を外して使用済みのパックBを取り出す。そして新たに用意したパックBをパック収容室20に挿入し、取出口Cの基端側の2枚の鍔D1の間をシリンダ12のU溝21に嵌める。ここで、流体圧シリンダ11が傾倒していて、U溝21の切られた部分と、断熱扉3の間が大きく開いているので、取出口CをU溝21に嵌める作業も簡単に行える。
【0020】
続いてキャップ22を取り付けたのち、流体圧シリンダ11を図3に示す起立位置に向けて起こす。流体圧シリンダ11は、ラッチ部材59が一対の係止片61を内方に撓ませつつ起こされ、鉛直姿勢となると、図6に示すように係止片61が復元しつつその係止部62にラッチ部材59の爪60が係止されることで起立位置に保持される。それとともにパックBの取出口Cが注出部35の接続口39の内側に嵌まり、先端側の鍔D2で閉止しつつ接続される。これによりパックBの交換が完了し、最後に断熱扉3を閉じることで、再度注出動作を行うことが可能となる。
【0021】
以上説明したようにこの第1実施形態によれば、流体圧シリンダ11を傾動可能に取り付けたから、その傾動動作に伴ってパックBの取出口Cを注出部35の接続口39に自動的に嵌合しまたは外すことができて、いちいち注出部35を取り外すことが不要にでき、また傾倒位置に持ち来すことで、U溝21を設けた部分と断熱扉3との間隔が広げられるので、パックBの取出口CをU溝21に嵌める作業もしやすくなり、もってパックBの交換作業を簡単に短時間で行うことができる。
また、流体圧シリンダ11を起立位置に保持するためにラッチ機構を採用したから、起立位置に保持する作業もワンタッチで行うことができ、使い勝手に優れたものとなる。
【0022】
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態を図7および図8によって説明する。この第2実施形態では、流体圧シリンダ11を傾倒位置に保持する手段として、ダンパステイ65が用いられている。すなわち、ダンパステイ65の基端部が流体圧シリンダ11の取付板57にブラケット67を介して取り付けられるとともに、ロッド66の先端が断熱扉3の内面にブラケット67を介して取り付けられている。その他の構造は、上記第1実施形態と同様であって、同一機能を有する部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
すなわち、流体圧シリンダ11が図7の起立位置にある状態からラッチ部材59のラッチを外すと、流体圧シリンダ11は図8の傾倒位置に向けて傾倒するが、その際、ダンパステイ65のロッド66をガス圧に抗して突出させつつ傾倒されることになる。このようにダンパステイ65を用いた場合は、流体圧シリンダ11を衝撃を与えることなくゆっくりと傾倒させることができる。
【0023】
<第3実施形態>
図9ないし図11は本発明の第3実施形態を示す。この第3実施形態では、流体圧シリンダ11を傾倒位置に保持するためのさらに別の手段を開示している。すなわち、流体圧シリンダ11の左右の周面に設けられた取付板71には、それぞれピン72が突設されている。一方、断熱扉3の内面には、流体圧シリンダ11の回りを囲むように平面コ字形の支持板73が取り付けられ、その支持板73の左右の側面に円弧形のスロット74が切られて、各スロット74内に対応するピン72が嵌合されている。したがって流体圧シリンダ11は、図9に示す起立位置から、ピン72がスロット74内を摺動しつつ傾倒され、図10に示すように、ピン72がスロット74における同図の右端に突き当たったところで傾倒が停止されて保持されるようになっている。
【0024】
なお、流体圧シリンダ11を傾倒位置に保持するための手段としては、上記の他に、流体圧シリンダ11と断熱扉3とをチェーンで連結したり、あるいは、断熱扉3に、傾倒した流体圧シリンダ11を単に当てて受ける受け部材を設けた構造としてもよい。
【0025】
<第4実施形態>
図12ないし図14は本発明の第4実施形態を示す。この第4実施形態では、流体圧シリンダ11を起立位置で保持する別の手段を開示している。そのため、流体圧シリンダ11の上端部の回りを囲むようにして平面コ字形をなす取付板76が断熱扉3の内面に取り付けられており、この取付板76の奥面の中央部に切られたねじ孔77に、操作部78Aを設けたねじ棒78が螺合されており、先端に押圧部79が設けられている。
すなわち、ねじ棒78を締め付ける方向に螺進させて押圧部79で流体圧シリンダ11の後面側の上部を押圧することによって、図12に示す起立位置に保持することができる。また、ねじ棒78を緩めることで流体圧シリンダ11を図13に示すように傾倒させることができる。
【0026】
<第5実施形態>
図15および図16は本発明の第5実施形態を示す。この第5実施形態では、流体圧シリンダ11を起立位置で保持するさらに別の手段を開示している。そのため、流体圧シリンダ11の左右の取付板57に、当接部81Aを有するL形の連結板81が取り付けられているとともに、断熱扉3の内面の対応位置に、上記の当接部81Aと当接可能な当接部82Aを設けたコ字形の連結板82が突設されている。そして、流体圧シリンダ11を起立位置に起こして、両連結板81,82の当接部81A,82A同士をねじ83で締め付けることによって、流体圧シリンダ11を起立位置に保持し得るようになっている。また、ねじ83を取り外すことで流体圧シリンダ11を傾倒させることができる。
【0027】
<第6実施形態>
第6実施形態ないし第8実施形態は、流体圧シリンダ11の下部を受けるべく保持金具の別の形態を示している。
図17に示す第6実施形態では、保持金具85がL字形金具により形成されており、その長辺85A側が流体圧シリンダ11の底面にねじ86等で固定されているとともに、短辺85B側が蝶番55を介して断熱扉3の内面に取り付けられている。
【0028】
<第7実施形態>
図18に示す第7実施形態では、保持金具88が流体圧シリンダ11の下端部を嵌めて受ける有底の筒形に形成されており、その筒部88Aの前面が蝶番55を介して断熱扉3の内面に取り付けられている。
【0029】
<第8実施形態>
図19に示す第8実施形態では、蝶番90における一対の揺動板91,92が大小非対称に形成されており、大きい方の揺動板91が保持金具となって流体圧シリンダ11の底面にねじ86等で固定されるとともに、小さい方の揺動板92が断熱扉3の内面に固定されている。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)第1ないし第3実施形態では、流体圧シリンダを起立位置に保持するロック手段としてラッチ部材を係止片に弾性的に係止するものを例示したが、その他に、例えば工具箱のロック機構に採用されているように、流体圧シリンダ側に、係止環の一端側を揺動自由に支持したレバーを設け、レバーを緩める方向に揺動させた状態で係止環の他端を断熱扉に突設した係止片に引っ掛けたのち、レバーを締め付ける方向に揺動させることで、トグル機能によって係止状態に保持するような構造を採用してもよい。
【0031】
(2)各実施形態に示した流体圧シリンダの下端部の保持金具、流体圧シリンダを傾倒位置に保持する構造、および流体圧シリンダを起立位置に保持する構造は、適宜に組み合わせて使用することができる。
(3)本発明は、流体圧シリンダの作動流体としてブライン以外の他の液体を用いたもの、あるいはエアーを用いたものにも同様に適用することができる。
(4)上記実施形態に言うアイスクリームとは、ソフトアイスクリームとハードアイスクリームの両方を含んでおり、また本発明は、ヨーグルトやシャーベット等の他の冷菓の注出装置全般に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の全体構造を示す断面図である。
【図2】 キャップの装着部分の分解斜視図である。
【図3】 流体圧シリンダが保持位置にある場合の側面図である。
【図4】 流体圧シリンダが傾倒位置にある場合の側面図である。
【図5】 保持金具を示す斜視図である。
【図6】 ラッチ機構を示す平面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダが保持位置にある場合の側面図である。
【図8】 流体圧シリンダが傾倒位置にある場合の側面図である。
【図9】 第3実施形態に係る流体圧シリンダが保持位置にある場合の側面図である。
【図10】 流体圧シリンダが傾倒位置にある場合の側面図である。
【図11】 流体圧シリンダが保持位置にある場合の平面図である。
【図12】 第4実施形態に係る流体圧シリンダが保持位置にある場合の側面図である。
【図13】 流体圧シリンダが傾倒位置にある場合の側面図である。
【図14】 流体圧シリンダが保持位置にある場合の平面図である。
【図15】 第5実施形態に係る流体圧シリンダが保持位置にある場合の側面図である。
【図16】 その平面図である。
【図17】 本発明の第6実施形態に係る保持金具を示す側面図である。
【図18】 第7実施形態に係る保持金具を示す側面図である。
【図19】 第8実施形態に係る保持金具を示す側面図である。
【図20】 従来例の断面図である。
【図21】 そのパックの交換動作を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
A…アイスクリーム B…パック C…接続口 X…ブライン 1…冷凍庫 2…冷凍室 3…断熱扉 11…流体圧シリンダ 12…シリンダ 13…ピストン 20…パック収容室 21…U溝 24…圧力室 25…タンク 28…ブライン流路 29…加圧ポンプ 35…注出部 39…接続口 51…保持金具 55…蝶番 58…(折り畳み式)ステイ 59…ラッチ部材 61…係止片 65…ダンパステイ 72…ピン 74…スロット 78…ねじ棒 83…ねじ 85…保持金具 88…保持金具 91…(蝶番90の)揺動板(保持金具)

Claims (3)

  1. 冷却貯蔵庫に設けられた扉の内面側には、シリンダ内にピストンを摺動自由に嵌装した注出用シリンダが取り付けられ、この注出用シリンダ内における前記ピストンの一側に構成された収容室に冷菓を充填したパックが収容され、前記ピストンを移動させて加圧することで冷菓を注出するとともに、前記扉を開放してパックの収容を行うようにした冷菓の注出装置において、
    前記注出用シリンダが、前記収容室側を前記扉から離間する方向へ傾動可能に取り付けられていることを特徴とする冷菓の注出装置。
  2. 前記扉と前記注出用シリンダの間にはダンパ手段が介設されていることを特徴とする請求項1記載の冷菓の注出装置。
  3. 前記扉と前記注出用シリンダの間には、この注出用シリンダを注出時の起立姿勢に保持すべくラッチ機構が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷菓の注出装置。
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