JP3745733B2 - 冷菓の注出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイスクリームやヨーグルト等の冷菓を注出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来アイスクリームの注出装置として図11に示すようなものが知られている。このものは、冷却器101を備えた冷凍室102内に注出シリンダ103が縦向きに設けられ、ピストン104の上面側がアイスクリームのパックBが収容される収容室105とされて、コック106付きの注出部107と接続されているとともに、ピストン104の下面側が圧力室108とされて、ブライン(不凍液)Xを貯留したタンク109と可逆ポンプ110を介して接続されている。そして、コック106を開くとともに注出スイッチをオンすると、可逆ポンプ110が正転駆動されてブラインXが圧力室108に供給され、ピストン104が加圧上昇することでパックBが圧縮されてアイスクリームが注出部107から注出されるようになっている。
【0003】
一方、パックB内のアイスクリームを使い切ると、新たなパックBと交換する必要がある。ここで本願出願人は、特許文献1に記載されたように、パックの交換時期を適正に知り、かつ交換作業を能率良く行えるようにしたものを提案した。このものは、ブラインXのタンク109内の下方位置にフロートスイッチを設け、ブラインXが圧力室108側に供給されることに伴いブラインXの液位が下降してフロートスイッチがオンしたところで、ピストン104が上端位置まで移動したと擬制する。そして、上記のフロートスイッチからオン信号が出されると、パック交換ランプが点灯されるとともに、可逆ポンプ110が逆転駆動されて圧力室108内のブラインXがタンク109側に吸引され、ピストン104が下降して収容室105が大きく広げられることによって、引き続く新たなパックBとの入れ替えが迅速に行えるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−155426号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにパック交換ランプを点灯するのは、パックの交換時期を前もって作業者に知らせることを主な目的としており、またピストン104の位置の誤差も考慮すると、ピストン104が完全にその上端位置に達するよりも少し前にパック交換ランプを点灯制御することが望ましい。そうすると、先に提案したもののように、パック交換ランプが点灯されると同時に、ピストン104の下降制御を行うようにしたものでは、パックB内に未だ数回の注出分のアイスクリームが残っているにも拘わらず、パックBの交換を行わねばならない場合が起き、アイスクリームを無駄にしてしまうという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、収容室を広げるべくピストンを後退させる操作を自動的にかつ適正なタイミングで行えるようにするところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ピストンを摺動自由に嵌装したシリンダを冷却貯蔵室内に装備して、前記ピストンの一側に設けられた収容室に冷菓を収容し、ピストンの他側に設けられた圧力室に流体供給手段により作動流体を供給して加圧することで冷菓を注出するようにした冷菓の注出装置において、前記ピストンが前記収容室内の冷菓を注出し切る手前の所定の前進位置に至ったことを検知するピストン位置検知手段と、このピストン位置検知手段の検知信号に基づき前記収容室への冷菓の補充を促すべく警告を行う警告手段と、冷菓の補充動作を検知する補充動作検知手段と、前記補充動作検知手段から動作信号を受けた場合に、前記ピストンを後退させるべく作動流体を前記圧力室から吸引する流体吸引手段とを具備したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の記載において、前記補充動作検知手段が、前記冷却貯蔵室に設けられた扉の開閉状態を検知する扉スイッチであって、この扉スイッチから扉開放信号を受けた場合に前記流体吸引手段を作動させる構成となっているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1の記載において、前記補充動作検知手段が、前記シリンダにおける前記収容室側に被着されたシリンダ蓋の開閉状態を検知する蓋スイッチであって、この蓋スイッチから蓋開放信号を受けた場合に前記流体吸引手段を作動させる構成となっているところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、前記作動流体が液体であってタンク内から前記圧力室に供給されるようになっており、前記ピストン位置検知手段が前記タンクに装備されたフロートスイッチにより構成されているところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
冷菓の注出が進んで、ピストンが冷菓を注出し切る手前の所定の前進位置に至ったことがピストン位置検知手段により検知されると、警告手段により冷菓の補充を促す警告がなされる。冷菓を注出し切ったのち冷菓を補充するに当たって必要な動作がなされると、補充動作検知手段からの動作信号を受けて、流体吸引手段により圧力室内の作動流体が吸引されてピストンが戻され、収容室が大きく広げられる。
冷菓の補充時期が近づいたことが警告手段により確認されたのち、なお注出動作を続けることで冷菓を完全に注出し切ることができ、注出し切ったのち冷菓の補充に先立つ作業がなされることに伴ってピストンが自動的に戻され、引き続く冷菓の補充作業を迅速に行うことができる。すなわち、冷菓を無駄にすることなく冷菓の補充作業を能率良く行うことができる。
【0010】
<請求項2の発明>
冷菓の補充を行うべく冷却貯蔵室の扉を開くと、扉スイッチからの扉開放信号を受けて、流体吸引手段の作動によりピストンが戻されて収容室が大きく広げられる。
<請求項3の発明>
冷菓の補充を行うべくシリンダの収容室に被着されたシリンダ蓋を開けると、蓋スイッチからの蓋開放信号を受けて、流体吸引手段の作動によりピストンが戻されて収容室が大きく広げられる。
<請求項4の発明>
タンク内の作動用液体が順次に圧力室に供給され、液位が所定位置まで下がったことがフロートスイッチで検知されると、ピストンが所定の前進位置に至ったとみなされる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をアイスクリームディスペンサに適用した実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図6によって説明する。
図1及び図2において、符号1は断熱箱体からなる冷凍庫であって、内部が冷凍室2となっており、その前面には開閉可能な断熱扉3が設けられているとともに、冷凍庫1の底面側には機械室5が設けられ、四隅に配された脚6で支持されている。冷凍室2の天井部分には、機械室5に設けられた冷凍機7と接続された冷却器8と、庫内ファン9とが装備されており、冷凍室2の奥面に設けられたダクト10を介して吸引された庫内空気が、冷却器8を通過する間に熱交換されて冷気が生成され、その冷気が庫内ファン9によって冷凍室2内に循環供給されるようになっている。これにより冷凍室2内は、アイスクリームAが注出可能な状態を維持しつつ冷却保存されるような冷却温度に維持される。
【0012】
断熱扉3の裏面側には、取付具11を介して注出シリンダ12が縦向きに設置されている。この注出シリンダ12内にはピストン13が緊密にかつ摺動自由に嵌装され、作動流体がブライン(不凍液)Xとなっている。注出シリンダ12におけるピストン13の上面側にはパック収容室16が形成され、ピストン13の下面側に、ブラインXが給排される圧力室17が形成されている。注出シリンダ12における断熱扉3と対応する壁面には、上縁から縦向きのU溝18が切られている。したがって、パック収容室16内には、アイスクリームAの封入された伸縮性を有するパックBが、その取出口CをU溝18に嵌めつつ収納可能とされている。パック収容室16の上面開口には、蓋19が着脱可能に被着されている。
断熱扉3には注出管21が水平方向の貫通状に設けられ、その内方の端部がパックBの取出口Cと接続されているとともに、外方の突出端には注出部22が形成され、コック23の操作により弁体24を介して注出口20が開閉されるようになっている。
【0013】
冷凍室2内の奥側の底面上にはブラインXを貯留するタンク25が設置されているとともに、このタンク25と注出シリンダ12における圧力室17の底面との間がブライン流路26で接続され、その途中に可逆のポンプ27が介設されて機械室5内に収容されている。したがってポンプ27が正方向に駆動されると、図1の実線の矢線に示すように、タンク25内のブラインXが圧力室17内に供給され、一方ポンプ27が逆方向に駆動されると、同図の破線の矢線に示すように、圧力室17内のブラインXが吸引されてタンク25側に戻されるようになっている。
【0014】
断熱扉3の前面の上端部には操作パネル30が設けられており、この操作パネル30には、図1に示すように、上記したコック23の上げ下げの操作に応じてオンオフされる注出スイッチ31が装備されている。詳細には、図1の実線に示すようにコック23を下げて注出口20を開放することに伴い、注出スイッチ31がオンされる。また操作パネル30の前面には、図2の鎖線に示すようにパック交換ランプ32が目視可能に装備されている。断熱扉3の前面における注出部22の下方位置には、アイスクリームAを入れる容器を載せる載置台29が設けられている。
【0015】
この実施形態では、注出シリンダ12内のアイスクリームAを注出し切った場合に、自動的にピストン13を下げてパック収容室16を広げる手段が講じられており、以下その構造について説明する。
上記したブラインXのタンク25内には、ブラインXの液位を検知する上下一対のフロートスイッチ35,36が装備されている。上部フロートスイッチ35は、図3(A)に示すように、注出シリンダ12内のピストン13が下端位置にある場合のブラインXの液位を検知する。一方、下部フロートスイッチ36は、ピストン13がパックB内のアイスクリームAを出し切った場合に達する上端位置(図3(B)の鎖線参照)よりも、所定寸法下方の位置(同図の実線参照、以下、上部検知位置という)にある場合のブラインXの液位を検知するように機能する。
【0016】
また、冷凍室2の天井面の前縁側に設けられた垂下壁38には、断熱扉3の裏面と対応して扉スイッチ39が設けられている。この扉スイッチ39には、図4に示すように、常には前進付勢されたアクチュエータ40が設けられていて、断熱扉3が閉じられるとアクチュエータ40が押圧されて後退することでオンするようになっている。
また、図5に示すようにマイクロコンピュータを搭載した制御部41を有している。この制御部41の入力側には、上記した注出スイッチ31、上部及び下部フロートスイッチ35,36及び扉スイッチ39が接続されている。制御部41の出力側には、モータ駆動制御部42を介してポンプモータPMが接続されているとともに、パック交換ランプ32が接続されている。
【0017】
本第1実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。制御部41では、図6のフローチャートに示す注出ルーチンが実行される。
アイスクリームAを注出するには、容器を準備してコック23の操作により注出口20を開く。これに伴い、ピストン13が上部検知位置よりも下方にあり(ステップS1が「NO」)、断熱扉3が閉じている(ステップS2が「YES」)ことを条件に、注出スイッチ31がオンされ(ステップS3が「YES」)、ステップS4においてポンプモータPMが正転し、すなわちポンプ27が正方向に駆動される。これによりタンク25内のブラインXが汲み上げられて注出シリンダ12の圧力室17内に供給されて加圧され、ピストン13が上昇してパックBが圧縮されることで、アイスクリームAが注出口20から容器内に注出される。
適量が注出されたら、コック23を閉鎖方向に操作する(図1の鎖線)。そうすると、注出スイッチ31がオフとなってステップS5が「YES」となり、ステップS6においてポンプモータPMすなわちポンプ27が停止し、注出が終了する。これに続いて注出口20も閉じられる。以上の繰り返しにより、アイスクリームAが順次に注出される。
【0018】
アイスクリームAの注出が進んでピストン13が上昇し、図3(B)の実線に示すように上部検知位置に達すると、タンク25内のブラインXの液位が同図の位置まで下がることにより、下部フロートスイッチ36がオンとなり、ステップS1が「YES」となって、ステップS7においてパック交換ランプ32が点灯される。これにより作業者は、パックBの交換時期が近いことを知ることができる。このとき、注出シリンダ12内のパックBには、なお数回の注出分のアイスクリームAが残っているから、そののち数回にわたってアイスクリームAの注出を行うことができる。
【0019】
パックB内のアイスクリームAを使い切ったら、パックBを新たなものと交換すべく断熱扉3を開ける。そうすると、扉スイッチ39がオフとなってステップS2が「NO」となることで、ステップS8においてポンプモータPMが逆転し、すなわちポンプ27が逆転駆動される。これにより注出シリンダ12の圧力室17内のブラインXが吸引されてタンク25側に戻され、圧力室17内が負圧に傾くことでピストン13が下降し、パック収容室16が次第に広げられる。
ピストン13が図3(A)に示すように下端位置まで下がると、タンク25内のブラインXの液位が同図に示す位置まで上昇して上部フロートスイッチ35がオンするため、ステップS9が「YES」となって、ステップS6においてポンプモータPMすなわちポンプ27が停止する。そうしたら、蓋19を外して使用済みのパックBを取り出し、新たなパックBと交換すればよい。
【0020】
このように第1実施形態によれば、パックB内のアイスクリームAの残量が少なくなったら、パック交換ランプ32が点灯することでこれが知らされ、そののちアイスクリームAを注出し切って、パックBの交換をすべく断熱扉3を開けると、注出シリンダ12のピストン13が自動的に下端位置まで戻されてパック収容室16が大きく広げられた状態となり、引き続く新たなパックBとの交換を迅速に行うことができる。
【0021】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図7ないし図10によって説明する。上記第1実施形態では、パックBの交換に先だってピストン13を下げる場合のトリガとして断熱扉3の開放動作を利用したが、この第2実施形態では、パック収容室16の蓋19の開放動作をトリガとして利用している。以下には、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
蓋19の装着部分の構造は、図7及び図8に示されている。蓋19は下面側を円錐台形とした厚肉の円盤状に形成されて、注出シリンダ12の上端部内に嵌合可能となっており、上面には取っ手45が設けられている。この蓋19の外周面には、図示2本のピン46が180度間隔を開けて突設されている一方、注出シリンダ12の上縁には、上記のピン46が挿入される2本のJスロット47が形成されている。
【0022】
したがって蓋19は、両ピン46を対応するJスロット47の縦溝に合わせて押し込んだのち、各ピン46を横溝側に回らせつつ図8の時計回り方向に回動させることで抜け止め状態に装着され、図8(B)に示すように、ピン46が横溝の奥に回り込んだところが正規の閉鎖位置となっている。
また、注出シリンダ12の背面側には、ブラケット49を介してリードスイッチからなる蓋スイッチ50が取り付けられている一方、蓋19側には、ブラケット51を介してマグネット52が取り付けられている。そして、蓋19が上記した閉鎖位置に装着された場合に、マグネット52が蓋スイッチ50の直上に達し、これにより蓋スイッチ50をオンさせる設定となっている。
【0023】
また、制御機構としては、図9に示すように、制御部41Aの入力側に、第1実施形態の扉スイッチ39に代わって、蓋スイッチ50が接続されている。制御部41Aで実行される注出ルーチンのプログラムでは、図10に示すように、第1実施形態におけるステップ2に代わり、蓋スイッチ50のオンオフを識別するステップS11が組み込まれている。
その他の構造は第1実施形態と同様であって、同一機能を有する部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
【0024】
この第2実施形態の作用は以下のようである。制御部41Aでは、図10のフローチャートに示す注出ルーチンが実行される。
アイスクリームAの注出は、ピストン13が上部検知位置よりも下方にあり(ステップS1が「NO」)、パック収容室16の蓋19が閉じている(ステップS11が「YES」)ことを条件に、注出スイッチ31がオンされるごとに行われる。
注出が進んでピストン13が上部検知位置に達すると、下部フロートスイッチ36がオンとなり、パック交換ランプ32が点灯される。パックB内になお数回分の注出量が残された状態で、パックBの交換時期が近いことが知らされる。
【0025】
そののち、数回にわたる注出を行ってパックB内のアイスクリームAを使い切ったら、断熱扉3を開けて注出シリンダ12を庫外に出し、パックBを新たなものと交換すべくパック収容室16の蓋19を開ける。そうすると、蓋スイッチ50がオフとなってステップS11が「NO」となることで、ステップS8においてポンプモータPMが逆転し、すなわちポンプ27が逆転駆動され、これにより圧力室17内のブラインXがタンク25側に戻され、ピストン13が下降してパック収容室16が次第に広げられる。ピストン13が下端位置まで下がると、上部フロートスイッチ35がオンとなって、ポンプ27が停止する。そうしたら、使用済みのパックBを取り出し、新たなパックBと交換すればよい。
【0026】
第2実施形態によれば、パックB内のアイスクリームAの残量が少なくなったら、パック交換ランプ32が点灯することでこれが知らされ、そののちアイスクリームAを注出し切って、パックBの交換をすべくパック収容室16の蓋19を開けると、注出シリンダ12のピストン13が自動的に下端位置まで戻されてパック収容室16が大きく広げられた状態となり、引き続く新たなパックBとの交換を迅速に行うことができる。
【0027】
なお、第2実施形態では、第1実施形態と比べて以下のような利点が得られる。第1実施形態のように断熱扉3を開けることでピストン13が自動下降される構造であると、パック交換ランプ32が点灯したのち未だ注出が可能な状態において、例えば冷凍室2内に収容されている予備のアイスクリームAのパックBの柔らかさの確認等を行うために断熱扉3を開くと、パック交換の意志が未だ無いにも拘わらずピストン13が自動下降してしまう。
その点この第2実施形態では、ピストン13の自動下降のトリガを、パックBの取り出しに先立つ作業のうちの最終の作業となる蓋19の開放動作に基づくようにしたから、パック交換の意志をより信頼性を持って具現することが可能となる。
【0028】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、ピストンの位置を検知するのに、ブラインのタンク内に装備したフロートスイッチを利用したが、シリンダの外周にリードスイッチを配する等により直接に検知するようにしてもよい。
(2)また、ピストンの下端位置を検知するのに、シリンダ内の下端部にピストン自体で押圧操作される別のフロートスイッチを配して、このフロートスイッチを利用する構造としてもよい。
(3)パック交換を促す警告手段としては、ランプに代えてブザーを用いてもよい。
【0029】
(4)補充動作検知手段としては、その他に、断熱扉を閉状態にロックするロック手段にスイッチを設けるようにしてもよい。
(5)本発明は、作動流体としてエアーを用いる形式の注出シリンダを備え、冷凍室内のエアーをコンプレッサ等で圧力室に給排するようにしたものにも同様に適用することが可能である。
(6)上記実施形態に言うアイスクリームとは、ソフトアイスクリームとハードアイスクリームの両方を含んでおり、また本発明は、ヨーグルトやシャーベット等の他の冷菓の注出装置全般に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る全体構造を示す断面図
【図2】 断熱扉を開いた状態の冷凍庫の斜視図
【図3】 ブラインの液位とピストンの位置との関係を示す断面図
【図4】 扉スイッチの斜視図
【図5】 制御機構のブロック図
【図6】 注出ルーチンのフローチャート
【図7】 第2実施形態に係る蓋の装着部分の分解斜視図
【図8】 蓋の開閉状態を示す平面図
【図9】 制御機構のブロック図
【図10】 注出ルーチンのフローチャート
【図11】 従来例の断面図
【符号の説明】
A…アイスクリーム B…パック X…ブライン 2…冷凍室 3…断熱扉 12…注出シリンダ 13…ピストン 16…パック収容室 17…圧力室 19…蓋 25…タンク 27…(可逆)ポンプ 31…注出スイッチ 32…パック交換ランプ 35…上部フロートスイッチ 36…下部フロートスイッチ 39…扉スイッチ 41…制御部 41A…制御部 50…蓋スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイスクリームやヨーグルト等の冷菓を注出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来アイスクリームの注出装置として図11に示すようなものが知られている。このものは、冷却器101を備えた冷凍室102内に注出シリンダ103が縦向きに設けられ、ピストン104の上面側がアイスクリームのパックBが収容される収容室105とされて、コック106付きの注出部107と接続されているとともに、ピストン104の下面側が圧力室108とされて、ブライン(不凍液)Xを貯留したタンク109と可逆ポンプ110を介して接続されている。そして、コック106を開くとともに注出スイッチをオンすると、可逆ポンプ110が正転駆動されてブラインXが圧力室108に供給され、ピストン104が加圧上昇することでパックBが圧縮されてアイスクリームが注出部107から注出されるようになっている。
【0003】
一方、パックB内のアイスクリームを使い切ると、新たなパックBと交換する必要がある。ここで本願出願人は、特許文献1に記載されたように、パックの交換時期を適正に知り、かつ交換作業を能率良く行えるようにしたものを提案した。このものは、ブラインXのタンク109内の下方位置にフロートスイッチを設け、ブラインXが圧力室108側に供給されることに伴いブラインXの液位が下降してフロートスイッチがオンしたところで、ピストン104が上端位置まで移動したと擬制する。そして、上記のフロートスイッチからオン信号が出されると、パック交換ランプが点灯されるとともに、可逆ポンプ110が逆転駆動されて圧力室108内のブラインXがタンク109側に吸引され、ピストン104が下降して収容室105が大きく広げられることによって、引き続く新たなパックBとの入れ替えが迅速に行えるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−155426号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにパック交換ランプを点灯するのは、パックの交換時期を前もって作業者に知らせることを主な目的としており、またピストン104の位置の誤差も考慮すると、ピストン104が完全にその上端位置に達するよりも少し前にパック交換ランプを点灯制御することが望ましい。そうすると、先に提案したもののように、パック交換ランプが点灯されると同時に、ピストン104の下降制御を行うようにしたものでは、パックB内に未だ数回の注出分のアイスクリームが残っているにも拘わらず、パックBの交換を行わねばならない場合が起き、アイスクリームを無駄にしてしまうという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、収容室を広げるべくピストンを後退させる操作を自動的にかつ適正なタイミングで行えるようにするところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ピストンを摺動自由に嵌装したシリンダを冷却貯蔵室内に装備して、前記ピストンの一側に設けられた収容室に冷菓を収容し、ピストンの他側に設けられた圧力室に流体供給手段により作動流体を供給して加圧することで冷菓を注出するようにした冷菓の注出装置において、前記ピストンが前記収容室内の冷菓を注出し切る手前の所定の前進位置に至ったことを検知するピストン位置検知手段と、このピストン位置検知手段の検知信号に基づき前記収容室への冷菓の補充を促すべく警告を行う警告手段と、冷菓の補充動作を検知する補充動作検知手段と、前記補充動作検知手段から動作信号を受けた場合に、前記ピストンを後退させるべく作動流体を前記圧力室から吸引する流体吸引手段とを具備したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の記載において、前記補充動作検知手段が、前記冷却貯蔵室に設けられた扉の開閉状態を検知する扉スイッチであって、この扉スイッチから扉開放信号を受けた場合に前記流体吸引手段を作動させる構成となっているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1の記載において、前記補充動作検知手段が、前記シリンダにおける前記収容室側に被着されたシリンダ蓋の開閉状態を検知する蓋スイッチであって、この蓋スイッチから蓋開放信号を受けた場合に前記流体吸引手段を作動させる構成となっているところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、前記作動流体が液体であってタンク内から前記圧力室に供給されるようになっており、前記ピストン位置検知手段が前記タンクに装備されたフロートスイッチにより構成されているところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
冷菓の注出が進んで、ピストンが冷菓を注出し切る手前の所定の前進位置に至ったことがピストン位置検知手段により検知されると、警告手段により冷菓の補充を促す警告がなされる。冷菓を注出し切ったのち冷菓を補充するに当たって必要な動作がなされると、補充動作検知手段からの動作信号を受けて、流体吸引手段により圧力室内の作動流体が吸引されてピストンが戻され、収容室が大きく広げられる。
冷菓の補充時期が近づいたことが警告手段により確認されたのち、なお注出動作を続けることで冷菓を完全に注出し切ることができ、注出し切ったのち冷菓の補充に先立つ作業がなされることに伴ってピストンが自動的に戻され、引き続く冷菓の補充作業を迅速に行うことができる。すなわち、冷菓を無駄にすることなく冷菓の補充作業を能率良く行うことができる。
【0010】
<請求項2の発明>
冷菓の補充を行うべく冷却貯蔵室の扉を開くと、扉スイッチからの扉開放信号を受けて、流体吸引手段の作動によりピストンが戻されて収容室が大きく広げられる。
<請求項3の発明>
冷菓の補充を行うべくシリンダの収容室に被着されたシリンダ蓋を開けると、蓋スイッチからの蓋開放信号を受けて、流体吸引手段の作動によりピストンが戻されて収容室が大きく広げられる。
<請求項4の発明>
タンク内の作動用液体が順次に圧力室に供給され、液位が所定位置まで下がったことがフロートスイッチで検知されると、ピストンが所定の前進位置に至ったとみなされる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をアイスクリームディスペンサに適用した実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図6によって説明する。
図1及び図2において、符号1は断熱箱体からなる冷凍庫であって、内部が冷凍室2となっており、その前面には開閉可能な断熱扉3が設けられているとともに、冷凍庫1の底面側には機械室5が設けられ、四隅に配された脚6で支持されている。冷凍室2の天井部分には、機械室5に設けられた冷凍機7と接続された冷却器8と、庫内ファン9とが装備されており、冷凍室2の奥面に設けられたダクト10を介して吸引された庫内空気が、冷却器8を通過する間に熱交換されて冷気が生成され、その冷気が庫内ファン9によって冷凍室2内に循環供給されるようになっている。これにより冷凍室2内は、アイスクリームAが注出可能な状態を維持しつつ冷却保存されるような冷却温度に維持される。
【0012】
断熱扉3の裏面側には、取付具11を介して注出シリンダ12が縦向きに設置されている。この注出シリンダ12内にはピストン13が緊密にかつ摺動自由に嵌装され、作動流体がブライン(不凍液)Xとなっている。注出シリンダ12におけるピストン13の上面側にはパック収容室16が形成され、ピストン13の下面側に、ブラインXが給排される圧力室17が形成されている。注出シリンダ12における断熱扉3と対応する壁面には、上縁から縦向きのU溝18が切られている。したがって、パック収容室16内には、アイスクリームAの封入された伸縮性を有するパックBが、その取出口CをU溝18に嵌めつつ収納可能とされている。パック収容室16の上面開口には、蓋19が着脱可能に被着されている。
断熱扉3には注出管21が水平方向の貫通状に設けられ、その内方の端部がパックBの取出口Cと接続されているとともに、外方の突出端には注出部22が形成され、コック23の操作により弁体24を介して注出口20が開閉されるようになっている。
【0013】
冷凍室2内の奥側の底面上にはブラインXを貯留するタンク25が設置されているとともに、このタンク25と注出シリンダ12における圧力室17の底面との間がブライン流路26で接続され、その途中に可逆のポンプ27が介設されて機械室5内に収容されている。したがってポンプ27が正方向に駆動されると、図1の実線の矢線に示すように、タンク25内のブラインXが圧力室17内に供給され、一方ポンプ27が逆方向に駆動されると、同図の破線の矢線に示すように、圧力室17内のブラインXが吸引されてタンク25側に戻されるようになっている。
【0014】
断熱扉3の前面の上端部には操作パネル30が設けられており、この操作パネル30には、図1に示すように、上記したコック23の上げ下げの操作に応じてオンオフされる注出スイッチ31が装備されている。詳細には、図1の実線に示すようにコック23を下げて注出口20を開放することに伴い、注出スイッチ31がオンされる。また操作パネル30の前面には、図2の鎖線に示すようにパック交換ランプ32が目視可能に装備されている。断熱扉3の前面における注出部22の下方位置には、アイスクリームAを入れる容器を載せる載置台29が設けられている。
【0015】
この実施形態では、注出シリンダ12内のアイスクリームAを注出し切った場合に、自動的にピストン13を下げてパック収容室16を広げる手段が講じられており、以下その構造について説明する。
上記したブラインXのタンク25内には、ブラインXの液位を検知する上下一対のフロートスイッチ35,36が装備されている。上部フロートスイッチ35は、図3(A)に示すように、注出シリンダ12内のピストン13が下端位置にある場合のブラインXの液位を検知する。一方、下部フロートスイッチ36は、ピストン13がパックB内のアイスクリームAを出し切った場合に達する上端位置(図3(B)の鎖線参照)よりも、所定寸法下方の位置(同図の実線参照、以下、上部検知位置という)にある場合のブラインXの液位を検知するように機能する。
【0016】
また、冷凍室2の天井面の前縁側に設けられた垂下壁38には、断熱扉3の裏面と対応して扉スイッチ39が設けられている。この扉スイッチ39には、図4に示すように、常には前進付勢されたアクチュエータ40が設けられていて、断熱扉3が閉じられるとアクチュエータ40が押圧されて後退することでオンするようになっている。
また、図5に示すようにマイクロコンピュータを搭載した制御部41を有している。この制御部41の入力側には、上記した注出スイッチ31、上部及び下部フロートスイッチ35,36及び扉スイッチ39が接続されている。制御部41の出力側には、モータ駆動制御部42を介してポンプモータPMが接続されているとともに、パック交換ランプ32が接続されている。
【0017】
本第1実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。制御部41では、図6のフローチャートに示す注出ルーチンが実行される。
アイスクリームAを注出するには、容器を準備してコック23の操作により注出口20を開く。これに伴い、ピストン13が上部検知位置よりも下方にあり(ステップS1が「NO」)、断熱扉3が閉じている(ステップS2が「YES」)ことを条件に、注出スイッチ31がオンされ(ステップS3が「YES」)、ステップS4においてポンプモータPMが正転し、すなわちポンプ27が正方向に駆動される。これによりタンク25内のブラインXが汲み上げられて注出シリンダ12の圧力室17内に供給されて加圧され、ピストン13が上昇してパックBが圧縮されることで、アイスクリームAが注出口20から容器内に注出される。
適量が注出されたら、コック23を閉鎖方向に操作する(図1の鎖線)。そうすると、注出スイッチ31がオフとなってステップS5が「YES」となり、ステップS6においてポンプモータPMすなわちポンプ27が停止し、注出が終了する。これに続いて注出口20も閉じられる。以上の繰り返しにより、アイスクリームAが順次に注出される。
【0018】
アイスクリームAの注出が進んでピストン13が上昇し、図3(B)の実線に示すように上部検知位置に達すると、タンク25内のブラインXの液位が同図の位置まで下がることにより、下部フロートスイッチ36がオンとなり、ステップS1が「YES」となって、ステップS7においてパック交換ランプ32が点灯される。これにより作業者は、パックBの交換時期が近いことを知ることができる。このとき、注出シリンダ12内のパックBには、なお数回の注出分のアイスクリームAが残っているから、そののち数回にわたってアイスクリームAの注出を行うことができる。
【0019】
パックB内のアイスクリームAを使い切ったら、パックBを新たなものと交換すべく断熱扉3を開ける。そうすると、扉スイッチ39がオフとなってステップS2が「NO」となることで、ステップS8においてポンプモータPMが逆転し、すなわちポンプ27が逆転駆動される。これにより注出シリンダ12の圧力室17内のブラインXが吸引されてタンク25側に戻され、圧力室17内が負圧に傾くことでピストン13が下降し、パック収容室16が次第に広げられる。
ピストン13が図3(A)に示すように下端位置まで下がると、タンク25内のブラインXの液位が同図に示す位置まで上昇して上部フロートスイッチ35がオンするため、ステップS9が「YES」となって、ステップS6においてポンプモータPMすなわちポンプ27が停止する。そうしたら、蓋19を外して使用済みのパックBを取り出し、新たなパックBと交換すればよい。
【0020】
このように第1実施形態によれば、パックB内のアイスクリームAの残量が少なくなったら、パック交換ランプ32が点灯することでこれが知らされ、そののちアイスクリームAを注出し切って、パックBの交換をすべく断熱扉3を開けると、注出シリンダ12のピストン13が自動的に下端位置まで戻されてパック収容室16が大きく広げられた状態となり、引き続く新たなパックBとの交換を迅速に行うことができる。
【0021】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図7ないし図10によって説明する。上記第1実施形態では、パックBの交換に先だってピストン13を下げる場合のトリガとして断熱扉3の開放動作を利用したが、この第2実施形態では、パック収容室16の蓋19の開放動作をトリガとして利用している。以下には、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
蓋19の装着部分の構造は、図7及び図8に示されている。蓋19は下面側を円錐台形とした厚肉の円盤状に形成されて、注出シリンダ12の上端部内に嵌合可能となっており、上面には取っ手45が設けられている。この蓋19の外周面には、図示2本のピン46が180度間隔を開けて突設されている一方、注出シリンダ12の上縁には、上記のピン46が挿入される2本のJスロット47が形成されている。
【0022】
したがって蓋19は、両ピン46を対応するJスロット47の縦溝に合わせて押し込んだのち、各ピン46を横溝側に回らせつつ図8の時計回り方向に回動させることで抜け止め状態に装着され、図8(B)に示すように、ピン46が横溝の奥に回り込んだところが正規の閉鎖位置となっている。
また、注出シリンダ12の背面側には、ブラケット49を介してリードスイッチからなる蓋スイッチ50が取り付けられている一方、蓋19側には、ブラケット51を介してマグネット52が取り付けられている。そして、蓋19が上記した閉鎖位置に装着された場合に、マグネット52が蓋スイッチ50の直上に達し、これにより蓋スイッチ50をオンさせる設定となっている。
【0023】
また、制御機構としては、図9に示すように、制御部41Aの入力側に、第1実施形態の扉スイッチ39に代わって、蓋スイッチ50が接続されている。制御部41Aで実行される注出ルーチンのプログラムでは、図10に示すように、第1実施形態におけるステップ2に代わり、蓋スイッチ50のオンオフを識別するステップS11が組み込まれている。
その他の構造は第1実施形態と同様であって、同一機能を有する部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
【0024】
この第2実施形態の作用は以下のようである。制御部41Aでは、図10のフローチャートに示す注出ルーチンが実行される。
アイスクリームAの注出は、ピストン13が上部検知位置よりも下方にあり(ステップS1が「NO」)、パック収容室16の蓋19が閉じている(ステップS11が「YES」)ことを条件に、注出スイッチ31がオンされるごとに行われる。
注出が進んでピストン13が上部検知位置に達すると、下部フロートスイッチ36がオンとなり、パック交換ランプ32が点灯される。パックB内になお数回分の注出量が残された状態で、パックBの交換時期が近いことが知らされる。
【0025】
そののち、数回にわたる注出を行ってパックB内のアイスクリームAを使い切ったら、断熱扉3を開けて注出シリンダ12を庫外に出し、パックBを新たなものと交換すべくパック収容室16の蓋19を開ける。そうすると、蓋スイッチ50がオフとなってステップS11が「NO」となることで、ステップS8においてポンプモータPMが逆転し、すなわちポンプ27が逆転駆動され、これにより圧力室17内のブラインXがタンク25側に戻され、ピストン13が下降してパック収容室16が次第に広げられる。ピストン13が下端位置まで下がると、上部フロートスイッチ35がオンとなって、ポンプ27が停止する。そうしたら、使用済みのパックBを取り出し、新たなパックBと交換すればよい。
【0026】
第2実施形態によれば、パックB内のアイスクリームAの残量が少なくなったら、パック交換ランプ32が点灯することでこれが知らされ、そののちアイスクリームAを注出し切って、パックBの交換をすべくパック収容室16の蓋19を開けると、注出シリンダ12のピストン13が自動的に下端位置まで戻されてパック収容室16が大きく広げられた状態となり、引き続く新たなパックBとの交換を迅速に行うことができる。
【0027】
なお、第2実施形態では、第1実施形態と比べて以下のような利点が得られる。第1実施形態のように断熱扉3を開けることでピストン13が自動下降される構造であると、パック交換ランプ32が点灯したのち未だ注出が可能な状態において、例えば冷凍室2内に収容されている予備のアイスクリームAのパックBの柔らかさの確認等を行うために断熱扉3を開くと、パック交換の意志が未だ無いにも拘わらずピストン13が自動下降してしまう。
その点この第2実施形態では、ピストン13の自動下降のトリガを、パックBの取り出しに先立つ作業のうちの最終の作業となる蓋19の開放動作に基づくようにしたから、パック交換の意志をより信頼性を持って具現することが可能となる。
【0028】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、ピストンの位置を検知するのに、ブラインのタンク内に装備したフロートスイッチを利用したが、シリンダの外周にリードスイッチを配する等により直接に検知するようにしてもよい。
(2)また、ピストンの下端位置を検知するのに、シリンダ内の下端部にピストン自体で押圧操作される別のフロートスイッチを配して、このフロートスイッチを利用する構造としてもよい。
(3)パック交換を促す警告手段としては、ランプに代えてブザーを用いてもよい。
【0029】
(4)補充動作検知手段としては、その他に、断熱扉を閉状態にロックするロック手段にスイッチを設けるようにしてもよい。
(5)本発明は、作動流体としてエアーを用いる形式の注出シリンダを備え、冷凍室内のエアーをコンプレッサ等で圧力室に給排するようにしたものにも同様に適用することが可能である。
(6)上記実施形態に言うアイスクリームとは、ソフトアイスクリームとハードアイスクリームの両方を含んでおり、また本発明は、ヨーグルトやシャーベット等の他の冷菓の注出装置全般に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る全体構造を示す断面図
【図2】 断熱扉を開いた状態の冷凍庫の斜視図
【図3】 ブラインの液位とピストンの位置との関係を示す断面図
【図4】 扉スイッチの斜視図
【図5】 制御機構のブロック図
【図6】 注出ルーチンのフローチャート
【図7】 第2実施形態に係る蓋の装着部分の分解斜視図
【図8】 蓋の開閉状態を示す平面図
【図9】 制御機構のブロック図
【図10】 注出ルーチンのフローチャート
【図11】 従来例の断面図
【符号の説明】
A…アイスクリーム B…パック X…ブライン 2…冷凍室 3…断熱扉 12…注出シリンダ 13…ピストン 16…パック収容室 17…圧力室 19…蓋 25…タンク 27…(可逆)ポンプ 31…注出スイッチ 32…パック交換ランプ 35…上部フロートスイッチ 36…下部フロートスイッチ 39…扉スイッチ 41…制御部 41A…制御部 50…蓋スイッチ
Claims (4)
- ピストンを摺動自由に嵌装したシリンダを冷却貯蔵室内に装備して、前記ピストンの一側に設けられた収容室に冷菓を収容し、ピストンの他側に設けられた圧力室に流体供給手段により作動流体を供給して加圧することで冷菓を注出するようにした冷菓の注出装置において、
前記ピストンが前記収容室内の冷菓を注出し切る手前の所定の前進位置に至ったことを検知するピストン位置検知手段と、
このピストン位置検知手段の検知信号に基づき前記収容室への冷菓の補充を促すべく警告を行う警告手段と、
冷菓の補充動作を検知する補充動作検知手段と、
前記補充動作検知手段から動作信号を受けた場合に、前記ピストンを後退させるべく作動流体を前記圧力室から吸引する流体吸引手段とを具備したことを特徴とする冷菓の注出装置。 - 前記補充動作検知手段が、前記冷却貯蔵室に設けられた扉の開閉状態を検知する扉スイッチであって、この扉スイッチから扉開放信号を受けた場合に前記流体吸引手段を作動させる構成となっていることを特徴とする請求項1記載の冷菓の注出装置。
- 前記補充動作検知手段が、前記シリンダにおける前記収容室側に被着されたシリンダ蓋の開閉状態を検知する蓋スイッチであって、この蓋スイッチから蓋開放信号を受けた場合に前記流体吸引手段を作動させる構成となっていることを特徴とする請求項1記載の冷菓の注出装置。
- 前記作動流体が液体であってタンク内から前記圧力室に供給されるようになっており、前記ピストン位置検知手段が前記タンクに装備されたフロートスイッチにより構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷菓の注出装置。
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