JP3698971B2 - 固体高分子型燃料電池用改質器の起動及び停止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池(PEFC)用改質器の起動方法及び停止方法に関し、より具体的にはPEFCに付設した改質器、すなわち燃料水素の製造装置である改質器を起動する方法及び停止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池には、PEFCやリン酸型燃料電池、あるいは固体電解質型燃料電池といったものが知られている。中でもPEFCは、作動温度が80〜100℃程度という低温で、(1)出力密度が高く、小型化、軽量化が可能である、(2)電解質が腐食性でなく、しかも作動温度が低いため、耐食性の面から電池構成材料の制約がないか少ないので、コスト低減が容易である、(3)常温で起動できるため、起動時間が短い、といった優れた特長を有している。このためPEFCは、以上のような特長を活かして、業務用や産業用ばかりでなく、一般家庭用などへの適用が期待されている。
【0003】
燃料電池の燃料である水素(水素ガス)は、水蒸気改質法や部分燃焼法により得られる。このうち、例えば水蒸気改質法は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、都市ガス、LPガス、天然ガス、その他の炭化水素ガス(2種以上の炭化水素の混合ガスを含む)やメタノール等のアルコール類を水蒸気により改質して水素リッチな改質ガスを生成させる方法である。水蒸気改質法では改質器が用いられ、改質触媒による接触反応によりそれら炭化水素ガスやアルコール類が水素リッチな改質ガスへ変えられる。
【0004】
図1は水蒸気改質器を模式的に示す図である。概略、バーナあるいは燃焼触媒を配置した燃焼部(加熱部)と改質触媒を配置した改質部とにより構成される。改質部では炭化水素ガスやアルコール類が水蒸気と反応して水素リッチな改質ガスが生成される。改質触媒としてはNi系、Ru系等の触媒が用いられる。改質部で起こる接触反応は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部から熱の供給が必要であり、600℃程度以上の温度が必要である。
【0005】
このため燃焼部で、燃料ガスを空気により燃焼させ、発生した燃焼熱(ΔH)を改質部に供給する。燃焼触媒としては白金等の貴金属触媒が用いられる。ここで、燃焼部に供給される燃料ガスは、空気による燃焼で燃焼熱を得るためのものである。燃焼部に供給する燃料ガスも改質部で改質ガスへ変えられる炭化水素ガスと同じく通常都市ガス等の炭化水素ガスであるので、本明細書及び図面中、両者を区別するため、燃焼部に供給する炭化水素ガスを燃料ガスと指称し、改質部へ供給する炭化水素ガスを原料ガスと指称している。
【0006】
図2は、上記のような水蒸気改質器を用い、原料ガスからPEFCに至るまでの態様例を示す図である。都市ガスやLPガスにはメルカプタン類、サルファイド類、あるいはチオフェン類などの付臭剤が添加されている。改質触媒は、これら硫黄化合物により被毒し性能劣化を来してしまうので、それらの硫黄化合物を除去するために脱硫器へ導入される。次いで、別途設けられた水蒸気発生器からの水蒸気を添加、混合して改質器の改質部へ導入され、改質器改質部中での都市ガスやLPガスの水蒸気による改質反応により水素リッチな改質ガスが生成される。
【0007】
原料ガスが例えばメタンである場合の改質反応は「CH4+2H2O→CO2+4H2」で示されるが、生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、炭酸ガスのほか、一酸化炭素(CO)が副生して8〜15%(容量、以下同じ)程度含まれている。このため改質ガスは、この副生COを炭酸ガスへ変えて除去するためにCO変成器にかけられる。CO変成器では銅ー亜鉛系や白金触媒等の触媒が用いられるが、その触媒を機能させるには200〜250℃程度の温度が必要である。CO変成器中での反応は「CO+H2O→CO2+H2」で示され、この反応で必要な水蒸気としては改質器において未反応の残留水蒸気が利用される。
【0008】
CO変成器から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気を除けば、水素と炭酸ガスとからなっている。このうち水素が目的とする成分であるが、CO変成器を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、微量のCOが含まれている。PEFCに供給する燃料水素中のCO含有量は100ppm(容量、以下同じ)程度が限度であり、これを越えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分はPEFCへ導入する前にできる限り除去しておく必要がある。
【0009】
このため、改質ガスはCO変成器によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO酸化器にかけられる。ここでは空気等の酸化剤ガスが添加され、COの酸化反応(CO+1/2O2=CO2)により、COを100ppm程度以下、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下というように低減させる。CO酸化器の作動温度は100〜150℃程度である。こうして精製された水素がPEFCの燃料極に供給される。
【0010】
ところで、PEFCは電力の需要に応じて起動させ、停止させることが必要である。これに対応して改質器の起動、停止を行い、これに連なるCO変成器及びCO酸化器の起動、停止を行う必要がある。なお、本明細書中、改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む水素製造装置を適宜「改質器系」と指称している。
【0011】
従来、改質器系を備えたPEFCでは、その停止時に、改質器系内に可燃性ガスを残存させず、またPEFCの燃料極側、空気極側のガス圧バランスを維持して保護するために、改質器系内を窒素などの不活性ガス(図2参照)や水蒸気(スチーム)を用いてパージしている。一方、その起動時には、改質器、CO変成器及びCO酸化器を作動温度に昇温する必要があるが、空気や燃焼排ガスによる昇温は、改質触媒が酸化され性能劣化を来たしてしまう。したがって、別途そのための電気ヒータを付設する場合を除いて、窒素などの不活性ガスや水蒸気を熱媒体として昇温している。
【0012】
図3はその起動時、停止時に水蒸気を用いる場合の態様を説明する図である。改質器の起動時に、露点以下の温度で水蒸気を導入すると、触媒表面あるいは触媒内部で水蒸気が凝縮する。加熱を継続することにより、凝縮した水分の気化、蒸発が起こるが、この際の体積膨張により、改質触媒に割れ等のダメージが現れる。したがって、露点以上の温度で水蒸気を導入することが必要である。
一方、改質器の停止時には、改質部に水蒸気を通すことにより原料ガス及び改質ガスをパージし、露点温度付近で水蒸気の流通を停止する。しかしながら、この方法では、改質部に水蒸気が凝縮して残り、再起動時に、触媒表面あるいは触媒内部で凝縮した水分の気化、蒸発が起こり、改質触媒に割れ等のダメージが現れる。
【0013】
このような事実からすると、改質器の起動、停止には窒素などの不活性ガスを用いるほかはないが、一般家庭向けなどに用いられるPEFCにおいては、不活性ガスを用いることができない。すなわち、不活性ガスを用いるには、別途そのための設備が必要となり、不活性ガスの残量管理も必要となる。
【0014】
これらの問題は、主として改質触媒の酸素に対する性質及び水蒸気の相変化(凝縮及び気化)に起因するものであるが、本発明者等は、改質器の起動時、停止時における、以上のような事情を前提に、低温域から高温域に至る各種温度条件下で、改質触媒に対して、空気、燃焼排ガス、窒素、水蒸気などがどのような影響を与えるのかについて実験、研究を続けたところ、それらガスの種類ごとに、温度条件如何により、改質触媒に対して影響を与える場合と与えない場合とがあることがわかった。
【0015】
例えば、300℃以下では、空気、燃焼排ガス等の酸素含有ガスでも改質触媒は酸化されない。窒素については、400℃を越えると、高純度の窒素ガスを用いても、これに含有される微量の酸素により改質触媒は酸化される。このことからして、改質器の起動、停止時に窒素を用いさえすれば十分というのではなく、窒素についても所定の配慮が必要であることを示唆している。さらに、水蒸気については、改質触媒は、300℃以下では酸化されず、300〜400℃では短時間では酸化されず、400℃を越えると水蒸気によって酸化される。いずれにしても、改質触媒が酸化されると性能劣化を来してしまい、その性能を回復させるには水素による還元が必要であり、また水蒸気の凝縮に対する配慮を欠けば触媒劣化を来してしまう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、改質触媒に係る上記のような事実を利用し、PEFCの起動、停止に伴う改質器の起動時、停止時における上記のような諸問題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、PEFC用改質器の起動時において、改質触媒の昇温用のガスの種類を選び、またその停止時にパージ及び降温用のガスの種類を選ぶことにより、改質触媒の酸化を防止ないし可及的に防止し、且つ、水蒸気の凝縮、蒸発によるダメージを防止するようにしてなるPEFC用改質器の起動方法及び停止方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、空気、燃焼排ガス等の酸素含有ガス、水蒸気、原料ガス及び窒素によりなる群より選ばれた1種以上の流通ガス種を、改質触媒の温度如何により変更しながら、改質触媒に流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法を提供する。
【0018】
本発明は、(2)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が300℃までは空気、燃焼排ガス等の酸素含有ガス又は水蒸気を流通させて昇温し、300〜400℃では水蒸気を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法を提供する。
【0019】
本発明は、(3)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が400℃以下の所定温度までは水蒸気を流通させて昇温し、該所定温度以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法を提供する。
【0020】
本発明は、(4)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が400℃までは水蒸気を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法を提供する。
【0021】
本発明は、(5)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が400℃までは窒素を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法を提供する。
【0022】
本発明は、(6)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却し、400〜300℃では水蒸気を流通させて原料ガスをパージしながら冷却し、300℃以下では空気を流通させて水蒸気をパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法を提供する。
【0023】
本発明は、(7)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気及び原料ガスを停止して自然冷却により冷却し、400〜300℃では水蒸気を流通させて原料ガスをパージしながら冷却し、300℃以下では空気を流通させて水蒸気をパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法を提供する。
【0024】
本発明は、(8)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却し、400℃以下では窒素を流通させて水蒸気及び原料ガスをパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法を提供する。
【0025】
本発明は、(9)固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部中の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気及び原料ガスを停止して自然冷却により冷却し、400℃以下では窒素を流通させて水蒸気及び原料ガスをパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法を提供する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明は、固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に、改質器内に流通させるガスの種類を選ぶことにより改質触媒の酸化を防止することを特徴とする。
また、本発明は、固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に、改質器内に流通するガスの種類を選ぶことにより改質触媒の酸化を防止し、且つ、水蒸気の残留を防止することを特徴とする。
【0027】
改質触媒は、酸化されると性能劣化を来たし、その性能を回復させるには還元処理が必要である。この回復処理は還元用の水素を必要とするなど甚だやっかいで大変な作業が必要となるので、改質触媒の酸化は極力回避する必要がある。
本発明においては、改質触媒がその雰囲気ガスの種類、温度条件によりどのような影響を受けるかについて詳細な実験によりつきとめることができた。本発明においては、この事実を基に、改質器の起動時及び停止時に、改質器の改質部に流通させるガスの種類を選ぶことで改質触媒の酸化を防止するものである。
【0028】
以下は、その実験経過及びその結果の概略である。改質触媒としてアルミナにNiを担持した触媒を例に述べるが、アルミナにRuを担持した触媒など他の改質触媒についても同様である。
【0029】
《実験1:電気炉中での熱処理》
磁製皿(磁製坩堝)に水素還元後の改質触媒数g(約4g)を入れ、これを電気炉中に配置した。電気炉での熱処理温度を300℃、400℃、500℃、600℃及び800℃の各温度に設定した。電気炉中の雰囲気を、▲1▼空気雰囲気と▲2▼窒素雰囲気との2通りとし、それぞれの雰囲気で熱処理した。加熱速度はそれら各設定温度まで1時間とし、各設定温度に▲1▼空気雰囲気下では3時間、▲2▼窒素雰囲気下では200時間保持した。表1はその結果である。
【0030】
【表 1】
【0031】
表1中左列は上記▲1▼空気雰囲気の場合である。改質触媒は、熱処理前(▲1▼空気雰囲気での熱処理を行う前=磁製皿に入れた時点の改質触媒)は黒色で、Niの存在形態はNi、すなわち還元された状態であった。電気炉中を▲1▼空気雰囲気とした場合、300℃では黒色で、Niの存在形態はNi、すなわち還元された状態であったが、400℃、500℃及び600℃の各温度における熱処理後は灰色で、Niの存在形態はNi+NiO、すなわち一部酸化された状態であった。800℃での熱処理では緑色へ変わっていることから、Niは同じ酸化状態でも、完全に酸化状態となったものと解される。
【0032】
表1中、右列は上記▲2▼窒素雰囲気での熱処理の場合である。改質触媒は、熱処理前(▲2▼窒素雰囲気での熱処理を行う前)の段階では同じく黒色で、Niの存在形態はNi、すなわち還元された状態であった。次に、電気炉中を窒素雰囲気とした場合、熱処理温度300℃でもその状態は黒色で、Niの存在形態はNi、すなわち還元された状態であった。同じく、熱処理温度400℃では、黒色と灰色とが混ざった色を呈しており、Niの存在形態はNiの一部が酸化された状態であった。同じく、熱処理温度500℃及び600℃では、改質触媒は灰色となり、Niの存在形態はNiがさらに酸化された状態であった。800℃での熱処理では緑色へ変わっていることから、Niは同じ酸化状態でも、完全に酸化状態となったものと解される。
【0033】
実験1は予備的な実験であるが、特に、上記▲2▼窒素雰囲気での熱処理実験の結果、窒素気流での熱処理でも高温域では酸化されることが窺知される。すなわち、一般には、加熱された窒素雰囲気は不活性状態であることが知られているが、改質触媒に対しては必ずしも不活性状態であるとは限らないという現象が生起している。実験2は、上記実験1の結果をも踏まえて、改質触媒が各種雰囲気ガス、温度条件によりどのような影響を受けるかについてさらに追求したものである。
【0034】
《実験2:マイクロリアクター中での熱処理》
マイクロリアクター中に数g(約4g)の改質触媒を充填し、窒素雰囲気中で加熱速度40℃/minで400℃、600℃及び800℃の各温度まで昇温した後、窒素と水素の混合気流中で1時間水素還元した(以下「水素還元処理A」とする)。次いで、以下(1)〜(5)の各実験を実施した。
【0035】
(1)〈上記水素還元処理A後、窒素気流でパージ〉
上記水素還元処理Aの後、窒素気流でパージしながら冷却した。この結果、400℃、600℃及び800℃での各水素還元処理により触媒は黒色に変化していた。すなわち触媒は還元されていることが確認された。これは窒素中の微量酸素に対して、水素が優位に作用していることによるものと考えられる。
【0036】
(2)〈上記水素還元処理A後、窒素気流中で熱処理〉
上記水素還元処理Aの後、窒素気流中で熱処理した。すなわち、窒素流2L/minを流通させながら、400℃、600℃及び800℃の各設定温度に保持した。保持時間は40時間と200時間の2通りとした。次いで、窒素でパージしながら冷却した。この結果、設定温度400℃では触媒の外表面が灰色に変化し若干酸化されていることが観察された。また、設定温度600℃及び800℃では触媒の外表面が緑色に変化し、さらに酸化されていることが確認された。この結果は、実験1と同列の結果であり、改質触媒がこのように酸化されたのは、窒素中の微量の酸素、水分、あるいはそれら両者によるものと解される。処理時間についての比較では、200時間の方が40時間よりも触媒の内部まで変色していることが観察された。
【0037】
(3)〈上記水素還元処理A後、窒素気流中で熱サイクル処理〉
上記水素還元処理Aの後、窒素気流中で熱サイクル処理した。すなわち、窒素流2L/minを流通させながら、400℃、600℃及び800℃の各設定温度に2時間保持した。次いで自然冷却で冷却した。4時間経過後、昇温し(該4時間経過後の時点でいずれの設定温度の場合も、触媒は100℃以下に低下していた)、約10〜15分で設定温度に復帰した。これを20サイクル実施した。この結果、上記(2)の試験と同様に、いずれの設定温度でも触媒は酸化されていた。
【0038】
(4)〈上記水素還元処理A後、水蒸気流中で熱処理〉
上記水素還元処理Aの後、水蒸気流中で熱処理した。すなわち、水蒸気を流通させながら、400℃、600℃及び800℃の各設定温度に40時間保持した。次いで自然冷却で冷却した。触媒の温度が140℃以下になった時点で水蒸気の供給を停止した。この結果、触媒は水蒸気によっても酸化されていることが明らかとなった。熱処理温度800℃では緑色で、触媒内部まで完全に酸化されていた。熱処理温度600℃、400℃では灰色で、触媒は部分的に酸化されていた。上記(2)の実験との比較として、水蒸気流中での800℃の熱処理では、窒素処理よりも酸化力が強く、水蒸気流中での600℃の熱処理では、窒素処理よりも酸化力が弱いことが観察された。
【0039】
このように、改質触媒は水蒸気流中の熱処理でも酸化される。この原因としては、水蒸気もしくは水に溶解していた空気による酸化である可能性もあり得る。しかし、水に対する空気中の酸素の溶解度を6.4μL/cc(20℃)とすると、水蒸気中の酸素濃度は約5ppmとなるが、この量は市販の高純度窒素ガス中の酸素よりも少量である。このことからして、水蒸気自体が酸化に関与しているものと考えられる。なお、水蒸気発生用に使用した水は、イオン交換樹脂を通過させた後、蒸留し、容量50Lのタンクに貯蔵したものである。表2にこれらを整理して示している。
【0040】
【表 2】
【0041】
(5)〈上記水素還元処理A後、水蒸気流中で熱サイクル処理〉
上記水素還元処理Aの後、水蒸気流中で熱サイクル処理した。すなわち、水蒸気流2L/minを流通させながら、400℃、600℃及び800℃の各設定温度に2時間保持した。次いで自然冷却で冷却した。触媒の温度が140℃以下になった時点で水蒸気の供給を停止した。4時間経過後、昇温した(該4時間経過後の時点でいずれの設定温度の場合も、触媒は100℃以下に低下していた)。約10〜15分で設定温度に復帰した。これを20サイクル実施した。この結果は、(4)の水蒸気流中での熱処理の場合とほぼ同等であった。熱処理温度800℃では触媒内部まで完全に酸化され、熱処理温度600℃では触媒は部分的に酸化されていた。
【0042】
表3は、以上実験1及び実験2の結果、および、これらに関する補足実験の結果を含めて纏めたものである。表3のとおり、改質触媒の酸化如何について、流通ガスの種類と温度との間に相関関係があることが分かる。すなわち、空気、燃焼排ガスでは、300℃までは酸化されないが、それを超えると酸化される。窒素では、300℃までは酸化されないが、それを超え400℃までは一部が酸化され、500℃以上では全体として酸化される。水蒸気では、300℃までは酸化されないが、それを超えると一部が酸化される。これに対して、水蒸気と都市ガス(13A)との混合ガスでは何れの温度でも酸化されない。
【0043】
【表 3】
【0044】
以上の事実からして、改質触媒に通すガスの種類を改質触媒の温度に対応して選ぶことで、改質触媒の酸化を回避できることが明らからである。本発明においてはこの事実を利用する。すなわち、これらの事実をPEFC用改質器の起動時及び停止時に利用することにより、改質触媒の酸化を防止ないし可及的に防止し、その起動、停止を円滑に行うようにするものである。
【0045】
すなわち、改質器の起動時においては、改質器の改質触媒を昇温する必要がある。昇温は改質器燃焼部を作動させながら行われるが、昇温時の流通ガス種と改質触媒の酸化特性により、改質触媒の温度によって改質部に流通するガス種を適宜変更することで触媒の酸化を防ぐことができる。また、改質器の停止時においては、改質器改質部に残留する原料ガス、改質ガス及び水蒸気をパージするとともに、改質部を降温(冷却)させる必要があるが、流通ガス種と改質触媒の酸化特性により、改質触媒の温度によって流通するガス種を適宜変更することで触媒の酸化を防ぐことができる。
【0046】
図4は上記事実を利用して実施する本発明の態様例を説明する図である。以下、改質器の起動時と停止時に分け、表3及び図4を参照して説明する。流通ガスは、起動時には改質触媒の昇温時に必要であり、停止時には改質部の降温及びパージのために必要である。特に、停止時については、改質部に水蒸気が残留し凝縮して残ると、再起動時に、触媒表面あるいは触媒内部で凝縮した水分の気化、蒸発が起こり、改質触媒に割れ等のダメージが生じて触媒劣化を来たしてしまうが、本発明においては、改質触媒の温度に対応して流通させるガスの種類を選ぶことでそのダメージも回避することができる。なお、触媒温度の計測は、改質部にセンサーを配置しておくなど常法に従い行うことができる。
【0047】
〈1、起動時について〉
▲1▼改質触媒は、300℃以下では、空気、窒素、水蒸気のいずれによっても酸化されないので、これらを利用する。改質器の燃焼部から排出される燃焼排ガスは酸素を含むが、この段階では空気と同様に使用することができる。
▲2▼改質触媒は、400℃以下では、窒素、水蒸気のいずれによっても実質上酸化されないので、これらを利用する。改質器の燃焼部から排出される燃焼排ガスは酸素を含むため、この段階では空気と同様に使用することができない。
▲3▼改質触媒は、300℃以上でも、400℃以上でも、水蒸気と原料ガスとの混合ガスでは酸化されないので、これを利用する。なお、原料ガスは改質部へ供給される炭化水素ガスで、都市ガスの場合には脱硫済みのものが供給される。
【0048】
〈2、停止時について〉
▲4▼改質触媒は、400℃以上では、水蒸気と原料ガスの混合ガスでは酸化されないので、これを改質部に流通させて降温する。なお、400℃までは流通ガスなしで、すなわち自然冷却で降温してもよい。
▲5▼改質触媒は、400℃から300℃までは、窒素、水蒸気では実質上酸化されないので、これらを流通させて原料ガスをパージする。水蒸気と原料ガスの混合ガスはパージされるべきガスであるので、この段階では使用できない。
▲6▼改質触媒に水分が存在すると、改質器の起動時に、触媒表面で水分の気化、蒸発が起こり、改質触媒に割れ等のダメージが生じる。そこで、これを回避するために、300℃以下では空気、窒素により水蒸気をパージする。すなわち、改質触媒は300℃以下では空気、窒素により酸化されないので、これらを水蒸気のパージに利用する。
【0049】
なお、これらに関連して、その停止時に窒素を用いる従来法では、改質器の停止時において、窒素は、通常、その改質部中に直ちに流通させている。しかしこれでは、改質器の作動温度700℃程度から400℃までの間に窒素中の微量酸素、水分、あるいはそれら両者により改質触媒が酸化され、触媒劣化を来してしまい、その作動、停止を繰り返している間にさらに劣化してしまう。本発明によれば、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは改質部中に水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却するか、または自然冷却により冷却し、改質部中への窒素の流通を400℃以下で行うことにより、改質触媒の酸化を実質上防止し、その触媒能を長期にわたり維持することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもちろんである。各実施例に関連する図5〜12において、各図中に示す線は導管を示している。そのうち、矢印(→)のない導管はガスが流通していないことを示し、矢印(→)のある導管は当該矢印方向に、対応するガスが流通していることを示している。また、改質器の起動例1〜4は改質器燃焼部を作動させながら行った。
【0051】
〈改質器の起動例1〉
図5は本例を示す図である。PEFC用改質器の起動時に、改質器改質部中の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の温度が300℃以下までは改質部中に空気(例えば改質器燃焼部へ供給する空気を分岐して供給することができる。この点、以下の、空気を用いる例でも同様である)、改質器燃焼部からの燃焼排ガス、あるいは水蒸気(例えば改質用水蒸気の導管と兼用し該導管から供給することができる。この点、以下の、水蒸気を用いる例でも同様である)を流通させて昇温し、300〜400℃では水蒸気を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温する。本例では、改質触媒の温度が400℃以下までは原料ガスを流通させずに昇温するので、昇温時における流通原料ガス量を少なくすることができる。こうして改質触媒の酸化を防止して改質器を起動することができる。
【0052】
上記温度のうち300℃及び400℃は流通ガス種の切り替え温度であるが、この温度は、正に300℃、400℃とする場合のほか、300℃前後、400℃前後というように幅をもたせることができる。また、触媒温度の計測は、常法に従い、改質部にセンサーを配置しておくなど適宜な手段で行うことができる。これらの点は以下の例においても同様である。
【0053】
〈改質器の起動例2〉
図6は本例を示す図である。PEFC用改質器の起動時に、改質器改質部中の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の温度が400℃以下の所定温度までは改質部中に水蒸気を流通させて昇温し、該所定温度以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温する。該所定温度としては、改質触媒の昇温速度、水蒸気の露点温度(すなわち凝縮が起こらない温度)などの諸条件を考慮して、例えば300℃、250℃、あるいは200℃というような温度に設定することができる。こうして改質触媒の酸化を防止して改質器を起動することができる。
【0054】
〈改質器の起動例3〉
図7は本例を示す図である。PEFC用改質器の起動時に、改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の温度が400℃以下までは改質部中に水蒸気を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温する。改質触媒は400℃以下までは水蒸気で実質上酸化されないので、本例はこの事実を利用した例である。本例では、改質触媒の温度が400℃以下まで改質部中に水蒸気のみを流通させて昇温するので、昇温時における流通原料ガス量を少なくすることができる。こうして改質触媒の酸化を防止して改質器を起動することができる。
【0055】
〈改質器の起動例4(窒素が利用できる場合)〉
図8は本例を示す図である。PEFC用改質器の起動時に、改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の温度が400℃以下までは改質部中に窒素を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温する。こうして改質触媒の酸化を防止して改質器を起動することができる。
【0056】
この点、起動時に窒素を用いる従来法では、400℃から改質器の作動温度700℃程度までの間に改質触媒が窒素中の微量酸素、水分、あるいはその両者により酸化されるが、本例によれば改質触媒の温度が400℃以上では改質部中に水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させるので、改質触媒の酸化を実質上防止することができる。本例は、例えばPEFC用改質器の設置箇所近辺に窒素ボンベ等の既設の窒素貯蔵設備があり、その窒素が利用できる場合などに適用できる。
【0057】
〈改質器の停止例1〉
図9は本例を示す図である。PEFC用改質器の停止時に、改質器改質部を降温(冷却)させるに際し、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは改質部中に水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却し(この場合、燃焼部への燃料ガス及び空気の供給を停止する)、400〜300℃では水蒸気を流通させて原料ガスをパージしながら冷却し、300℃以下では空気を流通させて水蒸気をパージしながら冷却する。こうして改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止して改質器を停止させることができる。
【0058】
〈改質器の停止例2〉
図10は本例を示す図である。PEFC用改質器の停止時に、改質器改質部を降温(冷却)させるに際し、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気及び原料ガスの供給を停止して(燃焼部への燃料ガス及び空気の供給も停止する)、自然冷却により冷却させ、400〜300℃では改質部中に水蒸気を流通させて原料ガスをパージしながら冷却し、300℃以下では空気を流通させて水蒸気をパージしながら冷却する。こうして改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止して改質器を停止させることができる。
【0059】
〈改質器の停止例3(窒素が利用できる場合)〉
図11は本例を示す図である。PEFC用改質器の停止時に、改質器改質部を降温(冷却)させるに際し、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは改質部中に水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却し(この場合、燃焼部への燃料ガス及び空気の供給は停止している)、400℃以下では窒素を流通させて水蒸気及び原料ガスをパージしながら冷却する。こうして改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止して改質器を停止させることができる。本例は、例えばPEFC用改質器の設置箇所近辺に窒素ボンベ等の既設の窒素貯蔵設備があり、その窒素が利用できる場合などに適用できる。
【0060】
〈改質器の停止例4(窒素が利用できる場合)〉
図12は本例を示す図である。PEFC用改質器の停止時に、改質器改質部を降温(冷却)させるに際し、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気と原料ガスを停止して(燃焼部への燃料ガス及び空気の供給も停止させている)、自然冷却により冷却し、400℃以下では改質部中に窒素を流通させて水蒸気及び原料ガスをパージしながら冷却する。こうして改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止して改質器を停止させることができる。本例は、例えばPEFC用改質器の設置箇所近辺に窒素ボンベ等の既設の窒素貯蔵設備があり、その窒素が利用できる場合などに適用できる。
【0061】
この点、停止時に窒素を用いる従来法では、改質器の作動温度700℃程度から400℃までの間に改質触媒が窒素中の微量酸素により酸化されるが、上記改質器の停止例3及び4によれば、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは改質部中に水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却するか、または自然冷却により冷却し、改質部中への窒素の流通を400℃以下で行うことで、改質触媒の酸化を実質上防止し、その触媒能を長期にわたり維持することができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、PEFC用改質器の起動時及び停止時において、それぞれ、改質触媒の昇温用、またパージ、降温用のガスの種類を選ぶことにより、改質触媒の酸化を防止ないし可及的に防止し、その起動、停止を円滑に行うことができる。また、特にその停止時については、改質触媒の温度に対応して流通させるガスの種類を選ぶことで、改質部に水蒸気が残留し凝縮して残ることに起因する触媒劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水蒸気改質器を模式的に示す図。
【図2】水蒸気改質器を用い、炭化水素ガス(原料ガス)からPEFCに至るまでの態様例を示す図。
【図3】水蒸気改質器の起動時、停止時に水蒸気を用いる場合の態様を説明する図(従来例)。
【図4】本発明の態様例を示す図。
【図5】本発明における改質器の起動例1を示す図。
【図6】本発明における改質器の起動例2を示す図。
【図7】本発明における改質器の起動例3を示す図。
【図8】本発明における改質器の起動例4を示す図。
【図9】本発明における改質器の停止例1を示す図。
【図10】本発明における改質器の停止例2を示す図。
【図11】本発明における改質器の停止例3を示す図。
【図12】本発明における改質器の停止例4を示す図。
Claims (8)
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が300℃までは空気、燃焼排ガス等の酸素含有ガス又は水蒸気を流通させて昇温し、300〜400℃では水蒸気を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法。
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が400℃以下の所定温度までは水蒸気を流通させて昇温し、該所定温度以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法。
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が400℃までは水蒸気を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法。
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の起動方法であって、その起動時に改質器改質部の改質触媒を昇温させるに際し、改質触媒の酸化を防止するため、改質触媒の温度が400℃までは窒素を流通させて昇温し、400℃以上では水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて昇温することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の起動方法。
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却し、400〜300℃では水蒸気を流通させて原料ガスをパージしながら冷却し、300℃以下では空気を流通させて水蒸気をパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法。
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気及び原料ガスを停止して自然冷却により冷却し、400〜300℃では水蒸気を流通させて原料ガスをパージしながら冷却し、300℃以下では空気を流通させて水蒸気をパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法。
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気と原料ガスの混合ガスを流通させて冷却し、400℃以下では窒素を流通させて水蒸気及び原料ガスをパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法。
- 固体高分子型燃料電池に連結した改質器、CO変成器及びCO酸化器を含む改質器系における改質器の停止方法であって、その停止時に改質器改質部中の改質触媒を降温させるに際し、改質触媒の酸化を防止し且つ水蒸気の残留を防止するため、改質触媒の温度が400℃に低下するまでは水蒸気及び原料ガスを停止して自然冷却により冷却し、400℃以下では窒素を流通させて水蒸気及び原料ガスをパージしながら冷却することを特徴とする固体高分子型燃料電池用改質器の停止方法。
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