JP3698509B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ装置等におけるカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来のカラー画像形成装置の一例を説明するための要部構成図で、周知のように、各々異なる色(イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K))の画像を形成する画像形成部1Y,1M,1C,1Kが、記録紙11を搬送する搬送ベルト7に沿って一列に配置されている。搬送ベルト7は、その一方が駆動回転する駆動ローラと他方が従動回転する従動ローラである搬送ローラ8,9によって架設されており、搬送ローラの回転により矢印方向に回転駆動される。搬送ベルト7の下部には、記録紙11´が格納された給紙トレイ12が備えられている。格納された記録紙11´のうち最上位置にある記録紙11は、画像形成時に給紙され、静電吸着によって搬送ベルト7上に吸着される。吸着された記録紙11は、第1の画像形成部(イエロー)1Yに搬送され,ここで、イエローの画像形成が行われる。
【0003】
第1の画像形成部1Yは、感光体ドラム2Yと、感光体ドラムの周囲に配置された帯電器3Y,露光器4Y,現像器5Y,クリーニング装置6Y等から構成されている。感光体ドラム2Yの表面は、帯電器3Yで一様に帯電された後、露光器4Yにより各色の画像に対応したレーザ光16Yで露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器5Yで現像されて、感光体ドラム2Y上にトナー像が形成される。このトナー像は感光体ドラムと搬送ベルト上の記録紙と接する位置(転写位置)で転写器13Yによって転写されて、記録紙上に単色(イエロー)の画像を形成する。転写が終った感光体ドラムは、ドラム表面に残ったトナーをクリーニング装置6Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備えることになる。
【0004】
このように、第1の画像形成部1Yで単色画像(イエロー)を転写された記録紙11は、搬送ベルト7によって第2の画像形成部(マゼンタ)1Mに搬送される。ここでも、同様に感光体ドラム2M上に形成されたトナー像(マゼンタ)は、記録紙上に重ねて転写される。記録紙は、更に、第3の画像形成部(シアン)1C,第4の画像形成部(ブラック)1Kに搬送され,同様に形成されたトナー像を転写されてカラー画像を形成していく。第4の画像形成部を通過してカラー画像が形成された記録紙は、搬送ベルト7から剥離され、定着器14で定着された後、排紙トレイ15に排紙される。
【0005】
図15は、露光器4(4Y,4M,4C,4K)と感光体ドラム2(2Y,2M,2C,2K)を示した構成図の一例を説明するための図である。レーザ光源31には、カラー画像を4色の画像パタンに色分解した単色の画像パタンに対応する画像信号が、画像処理部40(図14)から画像形成タイミングに合わせて順次送られてくる。レーザ光源31は、画像信号に同期してレーザ光16を発生する。レーザ光16は、回転するポリゴンミラー30で反射された後、反射ミラー32で反射され、感光体ドラム2上を回転軸に平行な方向(主走査方向:矢印A方向)に走査する。このレーザ光は、主走査と同時に感光体ドラムの回転によって主走査方向に垂直な方向(副走査方向:矢印B方向)の走査も行っている。
【0006】
図6は、図5に示す画像形成装置の露光器と感光体ドラム部分の斜視図である。上記従来の光書き込み系では、反射ミラー32の傾きを補正するために、反射ミラー32を矢印方向に駆動させることができるアクチュエータ33を備えており、アクチュエータ33の駆動によってレーザ光の傾きを補正する。
【0007】
以上に述べたカラー画像形成装置では、各画像形成部間の設置間隔や設置位置,設置角度などが理想位置からズレると、出力画像の色ズレ(レジスト位置ズレ)となり出力画像品質を低下させていた。そこで、通常の画像形成を行う前に、各画像形成部は、搬送ベルト上にレジストマークを形成し、このレジストマークの検知結果から各色のレジスト位置ズレ量を求め、レジスト位置補正を行う方法を行っている。
【0008】
図16は、このレジスト位置補正方法を説明するための模式図である。各画像形成部1(1Y,1M,1C,1K)は、搬送ベルト7上に各色のレジストマーク18を形成する。形成されたレジストマーク18は、最下流の画像形成部1Kの更に下流部に配置したレジストマーク検知センサ10によって検知され、各色のレジスト位置のズレ量を求めるのに用いられる。レジストマーク用のパタンは、図14において、画像処理部40内のメモリに格納されている。画像形成装置全体を制御している図示しないコントローラは、通常の画像形成の前に、このメモリよりレジストマーク用のパタン(1)を読み出し、各画像形成部にレジストマークを発生するように画像信号を送る。
【0009】
各画像形成部1(1Y〜1K)は、この信号によってレジストマーク18を搬送ベルト7上に形成し、形成されたレジストマーク18はレジストマーク検知センサ10によって検知される。レジストマーク検知センサ10で検知された検知信号は、レジスト位置補正部20に送られる。レジスト位置補正部20では、入力された検知信号を、信号処理して各色の位置ズレ量を求め、求めた位置ズレ量に基づいて補正信号を画像処理部40及び各画像形成部1(1Y,1M,1C,1K)に送る。画像形成部40では、補正信号に基づいて、画像形成部に送る各色画像信号の書き出しタイミングを補正する。また、画像形成部1では、補正信号に基づいて、感光体ドラム2に走査するレーザ光の走査角度(傾き)を補正する。
【0010】
ここで、カラー画像形成装置のレジスト位置補正法を説明する前に、画像形成部が並置されたタイプのカラー画像形成装置の色ズレ(レジスト位置ズレ)の要因について述べておく。
図17は、色ズレ要因を説明するための模式図で、図17において、矢印A方向は出力画像の主走査方向,矢印B方向は副走査方向の位置を示している。また、実線は、理想的な(正規の)画像の位置を示し、破線は理想値からのズレた画像の位置を示している。図17(A)は、正規の書き出し位置から矢印B方向に位置ズレが発生した場合(副走査方向の位置ズレ)を示しており、各画像形成部の書き出しタイミングのズレに起因するものである。図17(B)は、正規の書き出し位置から矢印A方向に位置ズレが発生した場合(主走査方向の位置ズレ)を示しており、各画像形成部の主走査における走査開始タイミングのズレに起因するものである。図17(C)は、正規の主走査方向に対して、斜め方向にズレた場合(スキュ)を示しており、露光器の取り付け角度のズレや感光体ドラムの回転軸の傾きなどによって感光体ドラム上を走査するレーザ光の走査線が傾いたことに起因するものである。図17(D)は、正規の書き出し方向において、倍率誤差が生じた場合を示しており、レーザ光源と感光体ドラムの周面との光路長に誤差などに起因するものである。
【0011】
次にレジスト位置補正法の具体的な方法について述べる。
図18は、レジスト位置補正部20で行われるレジスト位置補正法を説明するブロック図で、レジスト位置補正部20には、検知されたレジストマーク検知信号が入力される。この検知信号には様々なノイズ成分が含まれているので、信号処理部21で位置ズレ検知に不要な信号成分を除去する。更に、この信号より副走査方向の位置ズレ量23a,主走査方向の位置ズレ量23b,倍率誤差23c,スキュ量23dの算出を行う。なお、これらの位置ズレ成分の算出において、各位置ズレ量の算出しやすいように、レジストマークのパタン形成を適宜変えるようにしてもよい。算出された各位置ズレ量は、各位置ズレを補正するように信号処理をされ、補正信号として出力される。
【0012】
図18の副走査方向の位置補正部24aは、補正信号を画像処理部40に出力し、副走査方向の画像書き込みタイミングの補正を行うことになる。また、主走査方向の位置補正部24bは、同様に補正信号を画像形成部40に出力し、主走査方向の書き込みタイミングの補正を行う。倍率誤差補正部24cも同様に、補正信号を画像処理部40に出力し、書き込みクロックの周波数を補正する。スキュ補正部24dでは、補正信号を画像形成部1に出力する。画像形成部(の露光器4)は、入力される補正信号に基づいて、反射ミラー32の傾きを補正し、感光体ドラム上を走査するレーザ光の走査の傾きを補正する。図15では、反射ミラー32の傾きを補正するために、反射ミラーを矢印C方向に駆動させることのできるアクチュエータ33を備えており、アクチュエータの駆動によってレーザ光走査の傾きを補正する。
【0013】
なお、レジストマーク補正は、基準となるレジストマーク(例えば、ブラック)に対して、残りの3色のレジストマークの位置ズレを検知することによって行われる。ブラックのレジスト位置に対して、イエロー,マゼンタ,シアンのレジスト位置のズレを検知し、検知結果より3色のレジスト位置を合わせ込むようにレジスト位置補正を行う。つまり、イエロー,マゼンタ,シアンの各色において、図18に示した処理を各色に対して行うことによって、ブラックのレジスト位置に対して、残りの3色のレジスト位置は合致することになる。このように、通常のカラー画像形成の前に、レジストマークを形成、,検知して、レジスト位置補正を行うと、以後の画像形成時には、色ズレのないカラー画像が得られることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上に、画像形成部が並置されたタイプのカラー画像形成装置において、従来のレジスト位置補正法について説明した。而して、従来のレジスト位置補正は、定常的なレジスト位置ズレに対するものに限られていたが、実際にはレジストマーク検知センサによって検出されるレジスト位置ズレ,各ユニットの取り付け精度や環境温度変動などによる定常的なレジスト位置ズレに限定されるものではない。つまり、各々の感光体ドラムの回転速度の変動や搬送ベルトの搬送速度の変動などによって生じる特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレも含まれている。これが各色のドット位置ズレとなる場合があった。
【0015】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、従来技術で行われていた定常的なレジスト位置ズレを補正するのみでなく、このような特定の周期をもった変動的なドット位置ズレやピッチムラに関しても積極的に位置補正を行い、従来の定常的な位置補正のみの場合より、更にレジスト位置ズレがない高画質なカラー画像を得ることを目的としてなされたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ベルトに沿って配設された複数の画像形成手段によりレジスト位置補正用のレジストマークをベルト上に形成するとともに、形成されたレジストマークを読み取る検知センサと、この検知センサの出力に基づいてレジスト位置ズレを検出し、各画像形成手段により形成される画像のレジスト位置を補正するレジスト位置補正手段とを備えたカラー画像形成装置において、定常的なレジスト位置ズレ補正のための第1のレジストマークのパターンの他に、変動的なレジスト位置ズレ補正のための第2のレジストマークのパターンを格納する画像処理手段と、前記第1及び第2のレジストマークの検出結果より、定常的なレジスト位置ズレ成分と特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分を検出し、検出した各レジスト位置ズレに対して位置補正するレジスト位置補正手段とを備えたことを特徴とし、もって、定常的なレジスト位置ズレを補正するのみでなく、特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレも補正し、レジスト位置ズレの無い高画質なカラー画像を得るようにしたものである。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1記載のカラー画像形成装置において、前記第1のレジストマークと第2のレジストマークを独立して発生させるようにしたことを特徴とし、もって、定常的なレジスト位置ズレ成分及び変動的なレジスト位置ズレ成分の抽出を確実なものとし、独立にレジスト位置補正を行うことによって高精度なレジスト位置補正を行うことができるようにしたものである。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載のカラー画像形成装置において、前記画像処理手段はまず前記第2のレジストマークのパターンを出力し、前記レジスト位置補正手段はこのパターンに基づいて変動的位置ズレを補正し、次いで前記画像形成手段は前記第1のレジストマークのパターンを出力し、前記レジスト位置補正手段はこのパターンに基づいて定常的な位置ズレを補正することを特徴とし、もって、変動的位置ズレを補正した後、定常的な位置ズレ補正を行うことにより、変動的な位置ズレが無い状態で、定常的な位置ズレ検知を行うことで、精度のよい位置ズレ検知を行うことができ、結果的に定常的な位置ズレ補正も高精度に行うことができるようにしたものである。
【0019】
請求項4の発明は、複数の画像形成手段をベルトに沿って配設し、カラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、各画像形成手段よりレジスト位置補正用のレジストマークをベルト上に形成し、形成されたレジストマークを読み取る検知センサを備え、該検知センサの出力に基づいてレジスト位置ズレを検出し、各画像形成手段のレジスト位置を補正するレジスト位置補正手段を備えたカラー画像形成装置において、前記レジストマークの検出結果より、定常的なレジスト位置ズレ成分と特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分を検出する手段と、検出した各レジスト位置ズレに対して位置補正するレジスト位置補正手段を備え、定常的なレジスト位置ズレ成分は第1のレジストマークを前記検知センサで読み取ることで検出を行ない、特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分は前記第1のレジストマークとは異なる第2のレジストマークを前記検知センサで読み取ることで検出を行なうことを特徴とし、もって、定常的なレジスト位置ズレを補正するのみでなく、特定の周期をもった変動的なレジスト位置ズレやピッチムラに関しても積極的に位置補正を行い、従来の定常的な位置補正のみの場合より、更にレジスト位置ズレがない高画質なカラー画像を得るようにしたものである。
【0020】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1のレジストマークと第2のレジストマークを独立して発生させるようにしたことを特徴とし、もって、定常的なレジスト位置ズレを検知するレジストマークと、変動的なレジスト位置ズレ検知するレジストマークを独立に発生することによって、定常的なレジスト位置ズレ成分及び変動的なレジスト位置ズレ成分の抽出を確実なものとし、独自にレジスト位置補正を行うことによって高精度なレジスト位置補正を行うことができるようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるカラー画像形成装置の一実施例を説明するための全体構成図で、図中、図14に示した従来技術と同様、各々異なる色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)の画像を形成する画像形成部1(1Y,1M,1C,1K)が、記録紙11を搬送する搬送ベルト7に沿って一列に配置されている。搬送ベルト7は、その一方が駆動回転する駆動ローラ、他方が従動回転する従動ローラである搬送ローラ8,9によって架設されており、搬送ローラ8,9の回転により矢印方向に回転駆動されるようになっている。搬送ベルト7の下部には、記録紙11′が格納された給紙トレイ12が備えられている。
【0029】
画像形成部1は、感光体ドラム2(2Y,2M,2C,2K)及びその周囲に配置された帯電器3(3Y,3M,3C,3K),露光器4(4Y,4M,4C,4K),現像器5(5Y,5M,5C,5K),クリーニング器6(6Y,6M,6C,6K)から構成されており、露光器4からはレーザ光16(16Y,16M,16C,16K)が感光体ドラム2に出射されるようになっている。これらの画像形成部1は、画像処理部40とレジスト位置補正部20によって制御されるようになっている。搬送ベルト7の下流側には、定着器14と排紙トレイ15が設置してある。また、搬送ベルト7の下流側端部上面には、レジストマーク検知センサ10が設置してある。
【0030】
格納された記録紙11′のうち最上位置にある記録紙11は、画像形成時には給紙され、静電吸着によって搬送ベルト7上に吸着される。吸着された記録紙11は、第1の画像形成部(イエロー)1Yに搬送され、ここでイエローの画像形成が行われる。即ち、感光体ドラム2Yの表面は、帯電器3Yで一様に帯電された後、露光器4Yにより各色の画像に対応したレーザ光16Yで露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器5Yで現像されて、感光体ドラム2Y上にトナー像が形成される。
【0031】
このトナー像は、感光体ドラム2Yと搬送ベルト7上の記録紙11と接する位置(転写位置)で転写器13Yによって転写されて、記録紙11上に単色(イエローの画像を形成する。転写が終った感光体ドラム2Yは、ドラム表面に残ったトナーをクリーニング装置6Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備えることになる。
【0032】
このように、第1の画像形成部1Yで単色画像(イエロー)を転写された記録紙11は、搬送ベルト7によって第2の画像形成部1Mに搬送される。ここでも同様に、感光体ドラム2M上に形成されたトナー像(マゼンタ)は、記録紙11上に重ねて転写される。記録紙11はさらに、第3の画像形成部1C,第4の画像形成部1Kに搬送され、同様に形成されたトナー像を転写されてカラー画像を形成していく。第4の画像形成部1Kを通過してカラー画像が形成された記録紙11は、搬送ベルト7から剥離され、定着器14で定着された後、排紙トレイ15に排紙される。
【0033】
而して、本発明においては、レジスタ位置補正部20及び画像処理部40の動作及び構成が図14に示した従来技術と異なっているので、以下、これらについて説明する。図1において、画像処理部40は、内部メモリにレジストマーク用のパタンを2種類格納している。2つのパタンのうち一方のパタン(レジストマークパタン(1))は、従来技術と同様なパタンであり、定常的なレジスト位置ズレに対して位置補正をするのに用いられる。もう一方のパタン(レジストマークパタン(2))は、変動的なレジスト位置ズレを検知するためのレジストマークパタンである。
【0034】
カラー画像形成装置は、通常の画像形成の前にレジストマークを発生し、レジストマークの検知結果からレジスト位置補正を行う。本発明は、最初に、レジストマークパタン(2)の発生を行う。レジストマークパタン(2)は、感光体ドラムなどの駆動系の周期的な速度変動などによる周期をもった変動的なレジスト位置ズレの補正を行うためのパタンである。つまり、周期的な位置変動要因が大きい感光体ドラム2や搬送ローラ8,9などの回転駆動による位置変動の補正を行うものである。従って、レジストマークパタン(2)は、回転駆動する回転体の周長に値する長さのレジストマークとすることが望ましい。本具体例では、感光体ドラム2の周長より多少長いレジストマークを発生させている。
【0035】
図4は、発生させたレジストマーク41の一例を示し、このレジストマーク41は、理想的には副走査方向にラインが等間隔に形成されたパタンである。変動的なレジスト位置ズレがある場合、各ラインのピッチ間隔の変動が生じるため、このピッチ変動を計測することによって、変動的な位置ズレ量が検出できることになる。尚、この変動的な位置ズレは、感光体ドラムの周期などに一致する特定の周期をもった連続的な関数であることが前提である。
【0036】
図2は、レジスト位置補正部20の内部処理を示すブロック図で、図中、22は第2の信号処理部、25は位置ズレ変動量格納部、26は位置変動補正部で、その他、図18に示した従来技術と同様の作用をする部分には、図18の場合と同一の参照番号が付してある。
【0037】
まず、従来通りのレジストマークパターン(1)に基づく補正動作を説明する。
レジスト位置補正部20は、検知されたレジストマーク検知信号が入力される。この検知信号には様々なノイズ成分が含まれているので、信号処理部21により位置ズレ検知に不要な信号成分を除去する。さらに、この信号より、副走査位置ズレ算出部23a,主走査位置ズレ算出部23b,倍率誤差算出部23c,スキュー算出部23dを利用して、副走査方向の位置ズレ量,主走査方向の位置ズレ量,倍率誤差,スキュー量の算出を行う。
【0038】
なお、これらの位置ズレ成分の算出において、各位置ズレ量を算出しやすいように、レジストマークのパターン形成を適宜変えるようにしてもよい。算出された各位置ズレ量は、各位置ズレを補正するように信号処理をされ、副走査位置補正部24a,主走査位置補正部24b,倍率誤差補正部24c,スキュー補正部24dから補正信号として出力される。
【0039】
図2の副走査方向の位置補正部24aは、補正信号を画像処理部40に出力し、副走査方向の画像書き込みタイミングの補正を行うことになる。また、主走査方向の位置補正部24bは、同様に、補正信号を画像処理部40に出力し、主走査方向の書き込みタイミングの補正を行う。倍率誤差補正部24cも同様に、補正信号を画像処理部40に出力し、書き込みクロックの周波数を補正する。スキュー補正部24dでは、補正信号を画像形成部1に出力する。画像形成部(の露光部4)は、入力される補正信号に基づいて、反射ミラー32の傾きを補正し、感光体ドラム2上を走査するレーザ光の走査の傾きを補正する。
【0040】
次に、レジストマークパターンに基づく補正動作について説明する。このレジストマークパタン(2)の処理は、図2の下部のブロック22,25,26で行われる。レジストマークパタン(2)の検知信号は、信号処理部22に入力され、ここで信号処理される。この信号処理部22では、検出したパタン信号からピッチ間隔の変動を求め、周期的な位置変動を算出する。算出された周期的な位置変動データは、一旦、内部メモリである位置ズレ変動量格納部25に格納される。格納された位置ズレ変動を示すデータは、その周期に同期して格納部から出力され、位置変動補正部26に送られる。位置変動補正部26では、周期的な位置変動に同期して図3に示す画像形成部(の露光器)の反射ミラー32の角度を微調する。
【0041】
図3は、図1に示す画像形成装置の露光器と感光体ドラム部分の斜視図で、レーザ光源31には、カラー画像を4色の画像パターンに色分解した単色の画像パターンに対応する画像信号が、画像処理部40から画像形成タイミングに合わせて順次送られてくる。レーザ光源31は、画像信号に同期してレーザ光16を発生する。レーザ光16は、回転するポリゴンミラー30で反射された後、反射ミラー32で反射され、感光体ドラム2を回転軸に平行な方向(主走査方向:矢印A方向)に走査する。このレーザ光は、主走査と同時に感光体ドラム2の回転によって主走査方向に垂直な方向(副走査方向:矢印B方向)の走査も行っている。そして、上述したレーザ光の走査の傾きを補正するために、アクチュエータ33により反射ミラー32を矢印C方向に駆動させている。
【0042】
更に、図3に示した露光器と感光体ドラムの構成では、反射ミラー32の角度を微調するためにアクチュエータ35を備えている。アクチュエータ35は、反射ミラー32を矢印D方向に微回転させることによって、感光体ドラム2に走査するレーザ光の副走査位置を可変することができる。この反射ミラー32の角度調整は、画像形成時に定常的に行われるので、感光体ドラムなどの駆動系の周期的な位置ズレが補正できることになる。
【0043】
なお、このレジストマークパターン(2)に基づく補正は、前述したレジストマークパターン(1)に基づく補正に先行して行われ、レジストマークパターン(2)に基づいて変動的位置ズレを補正した後、従来技術と同様に、レジストマークパターン(1)を発生し、前述した定常的な位置ズレ補正を行う。このとき、変動的な位置ズレが無い状態で、定常的な位置ズレ検知を行うことになるので、従来技術より精度のよい位置ズレ検知を行うことができる。つまり、定常的な位置ズレ補正の精度も高精度に行われることに他ならない。
【0044】
上述のように、本発明によると、定常的なレジスト位置ズレを補正するのみでなく、特定の周期をもった変動的なレジスト位置ズレに関しても積極的に位置補正を行うので、従来技術に対してレジスト位置ズレが少ない高画質なカラー画像を得ることができる。
【0045】
図5は、本発明の参考例を説明するための構成図で、図中、図14に示した従来技術と同様の作用をする部分には、図14の場合と同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略し、以下、本発明の参考例において、新規の部分に注目して説明をする。以後、カラー画像形成装置における例であり、通常の画像形成の前に行うレジスト位置補正の方法について述べる。
【0046】
図5に示すように、画像形成部1(1K,1C,1M,1Y)内の感光体ドラム2(2K,2C,2M,2Y)の回転軸に、その回転速度変動を検出するエンコーダ等の速度検出17(17K,17C,17M,17Y)を設けている。速度検出部17は、それぞれの感光体ドラムに取り付けられており、対応した感光体ドラムの回転軸の速度変動を検出する。感光体ドラムの速度変動があると、露光器4(4K,4C,4M,4Y)による書き込み位置がその速度変動に応じてズレたり、感光体ドラムに形成されたトナー像を転写紙11に転写する際に転写位置がズレたりするため、出力されるカラー画像の副走査方向のドット位置ズレやピッチムラとなって現れる。また、この出力画像の位置ズレやピッチムラは、感光体ドラムの回転周期とほぼ一致した特定の周期をもった関数として現れる。図5では、速度検出部によって感光体ドラムの回転変動を検出し、この検出信号をレジスト位置補正部20に出力している。
【0047】
図6は、レジスト位置補正部20の内部処理を示すブロック図で、感光体ドラムの回転変動の検出信号は、図6の下部のブロックで処理される。先ず、入力される検出信号は、信号処理部27に入力され、ここで信号処理される。この信号処理部27では、検出した速度変動信号からノイズ成分や高周波成分を除去し、低周波成分の周期的な回転変動成分のみを算出する。算出された周期的な速度変動データは、一旦、内部メモリである速度変動量格納部28に格納される。格納された速度変動データは、その感光体ドラムの回転位置に同期して格納部から出力され、位置変動補正部29に送られる。位置変動補正部29では、周期的な速度変動に同期して、画像形成部1(の露光器4)の反射ミラー32(図3)の角度を微調する。
【0048】
露光器と感光体ドラムの関係は、図3に示したように、反射ミラー32の角度を微調するためにアクチュエータ35を備えている。アクチュエータ35は、反射ミラー32を矢印D方向に微回転させることによって、感光体ドラム2に走査するレーザ光の副走査位置が可変することができる。つまり、位置変動補正部29は、格納された速度変動データに基づいて、出力画像の特定周期の変動的な位置ズレを補正するように反射ミラー32の角度を調整するように動作する。なお、図6における処理は、各速度検出器17(17K,17C,17M,17Y)で検出される検出信号に対してそれぞれ行われるものである。この変動的なドット位置補正は、通常の画像形成時や後述の定常的な位置補正時に常に行われるものであり、一旦、速度変動量格納部28に格納されたデータを常に用いて位置補正する。
【0049】
このように変動的なドット位置ズレを補正しながら、従来技術と同様にレジストマークパタン(1)を発生し、定常的な位置ズレ補正を行う。この時、変動的な位置ズレがない状態で、定常的な位置ズレ検知を行うことになるので、従来技術より精度のよい位置ズレ検知を行うことができる。つまり、定常的な位置ズレ補正の精度も高精度に行われる。
【0050】
以上に述べたように、本発明は定常的なレジスト位置ズレを補正するのみでなく、特定の周期をもった変動的なドット位置ズレに関しても積極的に位置補正を行うので、従来技術に対してレジスト位置ズレが少ない高画質なカラー画像を得ることができることになる。
【0051】
また、以上には、感光体ドラムの回転軸の速度変動を検出して、周期的なドット位置補正を行う実施例について述べたが、搬送ベルト7を回転駆動する搬送ローラ8,9の回転軸に同様に回転変動を検出する速度検出器を備え、この検出結果に基づいて位置補正してもよい。更に、感光体ドラム2(2K,2C,2M,2Y)のドラム表面の速度変動や搬送ベルトの搬送速度を検出して、この検出結果に基づいて位置補正しても同様である。
【0052】
図5及び図6に示した例は、変動的な位置ズレを検出する手段が直接的であるという利点がある。出力されるカラー画像の変動的なドット位置ズレは、感光体ドラムや搬送ベルトの速度変動に起因する割合が最も大きい。そのため、レジストパタンより変動的な位置ズレを抽出するより、本発明のように、変動的な位置ズレの発生源を直接検出するようにすると、検出精度が高く、その繰り返し周期も明らかであり、結果的に、変動的な位置ズレ補正を高精度に行うことができ、高画質なカラー画像を得ることが出来る。
【0053】
図7は、他の参考例を説明するための要部構成図で、同図は、画像形成部1の一部の構成を示し、各画像形成部1(1K,1C,1M,1Y)において各々行われ、画像形成部の各々の感光体ドラムの速度変動に対して、個別に露光位置の補正を行うものである。
【0054】
図7において、感光体ドラム2(2K,2C,2M,2Y)の回転軸には、その回転速度を検出するためのエンコーダ50が備えられている。このエンコーダ50は、感光体ドラム2の回転に応じてパルス信号(エンコーダ信号ENC)を発生するものであり、そのパルスの周波数を検出することによって感光体ドラム2の回転速度を得ることができる。エンコーダ50より出力されたエンコーダ信号ENCは、周波数/速度変換器(F/V変換器)51に入力され、F/V変換器51ではエンコーダ信号ENCを速度信号V1に変換して回転制御回路52に出力する。回転制御回路52では、入力した速度信号V1に応じたパルスPLSを発生し、モータ駆動回路36に出力する。モータ駆動回路36は、パルス信号PLSに同期してポリゴンモータ37を回転させて、ポリゴンミラー30を感光体ドラム2の回転速度変動に応じた回転速度で回転させる。
【0055】
ここで、回転制御回路52に入力する速度信号V1は、例えば、図8(A)に示すように、感光体ドラムを駆動する駆動モータの速度変動や感光体ドラムの偏心に起因する速度変動等の比較的大きい速度変動分(低周波成分)と感光体ドラムを駆動しているギャのピッチムラ等に起因する速度変動等の比較的小さい速度変動分(高周波成分)の2つの成分からなっている。また、高周波成分の速度変動には速度検出の検出信号に含まれたノイズ等も含まれている。この速度信号V1を、例えば、図9に示すローパスフィルタ52aを用いて低周波成分のみを通過させることによって、図8(B)に示すような速度信号V2が得られる。なお、図8においては、縦軸の速度変動分を拡大して示しているが、実際の変動分は非常に小さいものである。
【0056】
ローパスフィルタ52aからの速度信号V2は基準パルス発生器52cに入力される。基準パルス発生器52cは、図8(B)のV2(a)に示すように感光体ドラムの平均速度V0よりローパスフィルタからの速度信号V2が速い場合は、例えば、図10(A)に示すようにパルスの周期PLS(a)を平均速度V0に対する平均的なパルスPLS(平均)より短くする。モータ駆動回路36に入力する基準パルスの周期を短くすることはポリゴンモータ37の回転速度を速くしていることになり、書き込みタイミングも速くなる。逆に、図8(B)のV2(b)に示すように感光体ドラムの平均速度V0よりローパスフィルタからの速度信号V2が遅い場合には、基準パルス発生器52Cは、図10(B)に示すようにパルスPLS(b)の周期を長くし、ポリゴンモータの回転速度を遅くする。
【0057】
なお、基準パルス発生器52cは、基準クロック発生器52bからの高速や基準クロック信号を分周してポリコンモータの回転速度の基準パルスPLSを発生する発生器であり、入力される検出速度V2に対応して分周する分周比を変えることができるデジタル回路で構成されている。また、上記説明では、検出速度の速い場合、検出速度の遅い場合の2つの場合のみについて説明したが、検出した速度変動に応じてポリゴンモータの回転速度を逐次制御することによって副走査方向の書き込み位置の補正が可能となる。
【0058】
感光体ドラムの速度変動に応じてポリゴンモータの速度を制御する場合、ポリゴンモータの回転速度に応じて主走査方向の走査速度も変化するので、例えば、図11に示すようにしてレーザ光の書き込みタイミングを決める基準周波数を感光体ドラムの回転速度に応じて制御するようにしてもよい。感光体ドラム2上の速度変動を示す速度信号V1は、画周波数制御回路60に入力される。画周波数制御回路60は速度信号V1に応じて主走査方向のデータの書き込み周波数である画周波数を変化させ、クロック信号WCLKとしてLD駆動回路61に出力する。また、LD駆動回路61は同期検知センサ34からの同期検知信号DETを入力する。LD駆動回路61は、同期検知信号DETに基づいて主走査方向の書き込みタイミングを決め、クロック信号WCLKに基づいて主走査方向の1ドット毎の書き込みタイミングを決める。LD駆動回路61は、これらのタイミヲクに従って画像処理部40より出力される画像信号を、LD駆動のための駆動信号とする。LD31はこの駆動信号に従ってレーザ光を感光体ドラム2に送り露光する。
【0059】
ここで、画周波数制御回路60では、例えば、図12に示すように、入力した速度信号V1をローパスフィルタ60aに入力し、速度信号V1の低周波成分のみからなる速度信号V3を抽出する。速度信号V3は画周波数を決めるクロック発生器60bに入力し、クロック発生器62bは速度信号V3を基にクロック信号WCLKを発生する。ここで、クロック発生器60bは、速度信号V3が平均速度V0より速い速度を示すときにはポリゴンモータの回転を速くするので、図13(A)に示すように書き込み周波数も大きくする(クロック信号WCLKの周期を短くする)。逆に、速度信号V3が平均速度V0より遅い速度を示すときにはポリゴンモータが遅く回転するので、クロック発生器は、図13(B)に示すように書き込み周波数を小さくする(クロック信号WCLKの周期を長くする)。なお、クロック発生器からのクロック信号の発生には、高速なクロック信号を制御出来るような周波数シンセサイザまたはVCO等を用いる。
【0060】
以上、感光体ドラムの回転速度を検出して、その速度変動に応じてポリゴンモータの回転速度、画周波数を制御する方法について述べてきた。同様に、搬送ベルトの速度変動を検出して、その速度変動に応じてポリゴンモータの回転速度、画周波数を制御する方法も可能である。搬送ベルトの速度変動の検出は、感光体ドラムの速度変動の検出法と同様に搬送ローラの回転軸にエンコーダを取り付け、そのエンコーダ信号を用いて速度検出する。
【0061】
また、搬送ベルト7上のベルトの移動速度を直接検出してもよい。この方法は、搬送ベルトの速度変動が大きく、その速度変動に起因する位置ズレやピッチムラが大きい場合に有効な方法である。更に、感光体ドラムの速度変動と搬送ベルトの速度変動の2つの速度変動に対して同時に上記の補正を行うと更に有効な補正が可能となる。
【0062】
以上、本発明の補正法を従来技術で行われていた定常的なレジスト位置ズレ補正法と併用することによって、従来技術の場合より位置ズレがない高画質なカラー画像を得ることが出来る。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ベルトに沿って配設された複数の画像形成手段によりレジスト位置補正用のレジストマークをベルト上に形成するとともに、形成されたレジストマークを読み取る検知センサと、この検知センサの出力に基づいてレジスト位置ズレを検出し、各画像形成手段により形成される画像のレジスト位置を補正するレジスト位置補正手段とを備えたカラー画像形成装置において、定常的なレジスト位置ズレ補正のための第1のレジストマークのパターンの他に、変動的なレジスト位置ズレ補正のための第2のレジストマークのパターンを格納する画像処理手段と、前記第1及び第2のレジストマークの検出結果より、定常的なレジスト位置ズレ成分と特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分を検出し、検出した各レジスト位置ズレに対して位置補正するレジスト位置補正手段とを備えたことを特徴としているので、定常的なレジスト位置ズレを補正するのみでなく、特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレも補正し、レジスト位置ズレの無い高画質なカラー画像を得ることができる。
【0064】
請求項2の発明は、請求項1記載のカラー画像形成装置において、前記第1のレジストマークと第2のレジストマークを独立して発生させるようにしたことを特徴としたので、定常的なレジスト位置ズレ成分及び変動的なレジスト位置ズレ成分の抽出を確実なものとし、独立にレジスト位置補正を行うことによって高精度なレジスト位置補正を行うことができる。
【0065】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載のカラー画像形成装置において、前記画像処理手段はまず前記第2のレジストマークのパターンを出力し、前記レジスト位置補正手段はこのパターンに基づいて変動的位置ズレを補正し、次いで前記画像形成手段は前記第1のレジストマークのパターンを出力し、前記レジスト位置補正手段はこのパターンに基づいて定常的な位置ズレを補正することを特徴としたので、変動的位置ズレを補正した後、定常的な位置ズレ補正を行うことで、変動的な位置ズレが無い状態で、定常的な位置ズレ検知を行うことになるので、精度のよい位置ズレ検知を行うことができ、結果的に定常的な位置ズレ補正も高精度に行うことができる。
【0066】
請求項4の発明は、複数の画像形成手段をベルトに沿って配設し、カラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、各画像形成手段よりレジスト位置補正用のレジストマークを搬送ベルト上に形成し、形成されたレジストマークを読み取る検知センサを備え、該検知センサの出力に基づいてレジスト位置ズレを検出し、各画像形成手段のレジスト位置を補正するレジスト位置補正手段を備えたカラー画像形成装置において、前記レジストマークの検出結果より、定常的なレジスト位置ズレ成分と特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分を検出する手段と、検出した各レジスト位置ズレに対して位置補正するレジスト位置補正手段を備えたことを特徴としたので、定常的なレジスト位置ズレを補正するのみでなく、特定の周期をもった変動的なレジスト位置ズレやピッチムラに関しても積極的に位置補正を行い、従来の定常的な位置補正のみの場合より、更にレジスト位置ズレがない高画質なカラー画像を得ることができる。また、定常的なレジスト位置ズレ成分を検出するためのレジストマークと、特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分を検出するためのレジストマークを各々独立に発生することを特徴としたので、定常的なレジスト位置ズレを検知するレジストマークと、変動的なレジスト位置ズレ検知するレジストマークを独立に発生することによって、定常的なレジスト位置ズレ成分及び変動的なレジスト位置ズレ成分の抽出を確実なものとし、独自にレジスト位置補正を行うことによって高精度なレジスト位置補正を行うことができる。
【0068】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1のレジストマークと第2のレジストマークを独立して発生させるようにしたことを特徴としたので、変動的位置ズレを補正した後、定着的な位置ズレ補正を行うことで、変動的な位置ズレがない状態で、定常的な位置ズレ検知を行うようにし、精度のよい位置ズレ検知を行うことができるようにし、結果的に定着的な位置ズレ補正の精度を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるカラー画像形成装置の一実施例を説明するための全体構成図である。
【図2】 レジスト位置補正部20の内部処理を示すブロック図である。
【図3】 露光器と感光体ドラムとの関係を示す図である。
【図4】 発生させたレジストマークの一例を示す図である。
【図5】 本発明の参考例を説明するための全体構成図である。
【図6】 レジスト位置補正部20の内部処理を示すブロック図である。
【図7】 本発明の参考例を説明するための要部構成図である。
【図8】 周波数/速度変度変換器51の出力電圧波形(V1)を示す図である。
【図9】 回転制御回路の詳細を説明するための図である。
【図10】 基準パルス発生器の出力信号(PLS)を説明するための図である。
【図11】 LD駆動回路の動作説明をするための図である。
【図12】 画周波数制御回路の詳細を説明するための図である。
【図13】 クロック発生器の出力信号(WCLK)を説明するための図である。
【図14】 従来のカラー画像形成装置の一例を説明するための要部構成図である。
【図15】 露光器と感光体ドラムの関係を説明する構成図の一例を示す図である。
【図16】 レジスト位置補正方法を説明するための模式図である。
【図17】 色ズレ要因を説明するための模式図である。
【図18】 レジスト位置補正部で行われるレジスト位置補正法を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1(1K,1C,1M,1Y)…画像形成部、2(2K,2C,2M,2Y)…感光体ドラム、3(3K,3C,3M,3Y)…帯電器、4(4K,4C,4M,4Y)…露光器、5(5K,5C,5M,5Y)…現像器、6(6K,6C,6M,6Y)…クリーニング装置、7…搬送ベルト、8,9…搬送ローラ、10…レジストマーク検知センサ、11…記録紙、12…給紙トレイ、13(13K,13C,13M,13Y)…転写器、14…定着器、15…排紙トレイ、16(16K,16C,16M,16Y)…レーザ光、20…レジスト位置補正部、30…ポリゴンミラー、31…レーザ光源(LD)、32…反射ミラー、33…アクチュエータ、34…同期検知センサ、35…アクチュエータ、37…ポリゴンモータ、40…画像処理部。
Claims (5)
- ベルトに沿って配設された複数の画像形成手段によりレジスト位置補正用のレジストマークをベルト上に形成するとともに、形成されたレジストマークを読み取る検知センサと、この検知センサの出力に基づいてレジスト位置ズレを検出し、各画像形成手段により形成される画像のレジスト位置を補正するレジスト位置補正手段とを備えたカラー画像形成装置において、定常的なレジスト位置ズレ補正のための第1のレジストマークのパターンの他に、変動的なレジスト位置ズレ補正のための第2のレジストマークのパターンを格納する画像処理手段と、前記第1及び第2のレジストマークの検出結果より、定常的なレジスト位置ズレ成分と特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分を検出し、検出した各レジスト位置ズレに対して位置補正するレジスト位置補正手段とを備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
- 請求項1記載のカラー画像形成装置において、前記第1のレジストマークと第2のレジストマークを独立して発生させるようにしたことを特徴とするカラー画像形成装置。
- 請求項1または請求項2記載のカラー画像形成装置において、前記画像処理手段はまず前記第2のレジストマークのパターンを出力し、前記レジスト位置補正手段はこのパターンに基づいて変動的位置ズレを補正し、次いで前記画像形成手段は前記第1のレジストマークのパターンを出力し、前記レジスト位置補正手段はこのパターンに基づいて定常的な位置ズレを補正することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 複数の画像形成手段をベルトに沿って配設し、カラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、各画像形成手段よりレジスト位置補正用のレジストマークをベルト上に形成し、形成されたレジストマークを読み取る検知センサを備え、該検知センサの出力に基づいてレジスト位置ズレを検出し、各画像形成手段のレジスト位置を補正するレジスト位置補正手段を備えたカラー画像形成装置において、前記レジストマークの検出結果より、定常的なレジスト位置ズレ成分と特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分を検出する手段と、検出した各レジスト位置ズレに対して位置補正するレジスト位置補正手段を備え、定常的なレジスト位置ズレ成分は第1のレジストマークを前記検知センサで読み取ることで検出を行ない、特定の周期を持った変動的なレジスト位置ズレ成分は前記第1のレジストマークとは異なる第2のレジストマークを前記検知センサで読み取ることで検出を行なうことを特徴とするカラー画像形成装置。
- 請求項4のカラー画像形成装置において、前記第1のレジストマークと第2のレジストマークを独立して発生させるようにしたことを特徴とするカラー画像形成装置。
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