JP3697495B2 - ダイヤモンド紫外線発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光計測、殺菌、医療、情報処理等に使用されるダイヤモンド紫外線発光素子に関し、特に、高輝度の紫外線を効率よく発光するダイヤモンド紫外線発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンドは耐熱性が優れ、エネルギーギャップが5.5eVと大きいことが特徴であり、通常は絶縁体であるが、不純物をドーピングすることにより半導体化することができる。また、ダイヤモンドは絶縁破壊電圧及び飽和ドリフト速度が大きいと共に、誘電率が小さいという優れた電気的特性を有する。このような電気的特性を利用して、ダイヤモンドは、高温、高周波、高電界又は高出力用の電子デバイス及びセンサの材料として使用されることが期待されている。
【0003】
また、ダイヤモンドのエネルギーギャップが大きいことを利用した紫外線等の短波長領域にも対応する光センサ及び発光素子への応用、熱伝導率が大きく、比熱が小さいことを利用した放熱基板材料への応用、物質中において最も硬いという特性を利用した表面弾性波素子への応用並びに高い光透過性及び屈折率を利用したX線窓及び光学材料への応用等が研究されている。更に、ダイヤモンドは、工具の耐摩耗部にも使用されている。
【0004】
このような優れた特徴を有するダイヤモンドを人工的に形成する方法として、CVD(気相成長)法によりダイヤモンド薄膜を形成する方法及びダイヤモンド中にB等の不純物をドーピングしてp型半導体ダイヤモンドを形成する方法が従来公知である。そして、特開平7−307487号公報(以下、従来例1という。)及び特開平10−81591号公報(以下、従来例2という。)には、このようにして形成されたダイヤモンドを使用した紫外線発光素子の技術が開示されている。
【0005】
図10は、従来例1に記載の短波長発光素子を示す断面図である。図10に示すように、短波長発光素子100は、Bがドープされた低抵抗のp型ダイヤモンドからなる第1ダイヤモンド層102と、この第1ダイヤモンド層102上に形成された第1ダイヤモンド層102より高抵抗のダイヤモンドからなる第2ダイヤモンド層103とから構成されている。そして第1ダイヤモンド層102の下面側には金属製の第1電極104が形成されており、第2ダイヤモンド層103上の所定領域には第2電極105が形成されている。第1ダイヤモンド層102及び第2ダイヤモンド層103は、いずれも室温におけるカソードルミネッセンススペクトルにおいて、励起子の再結合発光観測される高品質なダイヤモンドで形成されている。
【0006】
この短波長発光素子100の第1電極104に正、第2電極105に負の電圧を印加すると、第2電極105中のフェルミレベルにある電子がトンネリング等の機構を経て第2ダイヤモンド層103を通過し、第1ダイヤモンド層102へ注入される。そして、この電子が価電子帯に存在する正孔と再結合して光を放出する。この従来例1に記載の短波長発光素子は、第2電極105に対して−80Vの電圧を印加することにより、波長約238nmに発光強度のピークを有するスペクトルが得られている。
【0007】
また、従来例2に記載のダイヤモンド膜及びその形成方法においては、白金、白金合金、イリジウム、イリジウム合金、ニッケル、ニッケル合金、シリコン又は金属シリサイド等からなる基板又は膜上に気相合成することにより、ダイヤモンド膜を形成することができる。このとき、基板又は膜表面の結晶方位は、(111)若しくは(100)の単結晶であるか、又は(111)若しくは(100)結晶面に対して10゜以下の傾きを有するものであると、この基板上に形成されたダイヤモンド膜の結晶方位は、ダイヤモンド膜表面において隣接する(111)結晶面又は(100)結晶面が融合したダイヤモンド膜となる。そして、このようにして、白金膜上にp型ダイヤモンド膜を気相合成し、その上にアンドープダイヤモンド層を積層し、更にその上にフォトリソグラフィによりAlの薄膜電極を形成し、金属/真性半導体/半導体(MiS)接合ダイオードを作製して順方向に電圧を印加することにより、バンド端(紫外線)発光が観測されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのダイヤモンドを使用した紫外線発光素子は発光効率が低く、輝度が十分に得られないという問題点がある。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ダイヤモンドを使用し、発光効率が高く、高輝度である紫外線発光素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子は、Bを添加した半導体ダイヤモンド層と、このダイヤモンド層上に形成され比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである誘電体層と、前記ダイヤモンド層及び前記誘電体層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とする。
【0011】
本願の第2発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子は、Bを添加した半導体ダイヤモンド層と、このダイヤモンド層の両面に夫々形成され比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである第1及び第2誘電体層と、前記第1及び第2誘電体層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とする。
【0012】
本願の第3発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子は、比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである誘電体層と、その両面に夫々積層されBを添加した第1及び第2半導体ダイヤモンド層と、前記第1及び第2ダイヤモンド層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とする。
【0013】
本願の第4発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子は、比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである誘電体層と、この誘電体層の一方の面に積層されBを添加した半導体ダイヤモンド層と、前記誘電体層の他方の面に積層されたn型半導体層と、前記ダイヤモンド層及び前記n型半導体層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本願の第1乃至第4発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子は、前記ダイヤモンド層の側面部に反射面を有し、前記ダイヤモンド層で誘導放出された光を前記反射面により共振して放射するものとすることができる。
【0015】
ダイヤモンドはそのバンドギャップが5.5eVと大きいため、ダイヤモンド結晶内の格子欠陥を低減し、結晶品質を向上させたダイヤモンドを発光素子に使用すると、再結合発光により波長が300nm以下の紫外線を発光することができる。本願発明者等は、ダイヤモンドから短波長の紫外線発光がみられることから、高濃度のBを添加した半導体ダイヤモンド層を使用して、更に発光効率及び輝度の高い紫外線を発光させる紫外線発光素子を形成するべく鋭意実験研究した結果、高濃度のBを添加した半導体ダイヤモンド層に隣接した比誘電率30以上の高誘電体又は強誘電体からなる誘電体層を形成し、このダイヤモンド層及び誘電体層に電極を形成して、誘電体側の電極に負の電圧を印加すると、半導体ダイヤモンド層の誘電体層との界面近傍に正孔蓄積層(正孔ガス)が形成されるということを見い出した。また、誘電体層を適切な薄さにすることにより、トンネリング効果によって半導体ダイヤモンド層のホールと、金属電極又はn型半導体層の電子とが誘電体層側のダイヤモンド層の界面近傍で集中的、且つ多量に再結合するため、高効率で高輝度の紫外線発光現象が生じるという知見を得た。本発明はこれらの知見によりなされたものである。なお、紫外線発光素子としては、必要な駆動電圧、発光強度及び製造方法を勘案して、適宜の本願第1発明乃至第4発明の素子構造を選択することができる。
【0016】
本願の第1発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子においては、Bを添加した半導体ダイヤモンド層と、このダイヤモンド層上に形成され比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなる誘電体層と、前記ダイヤモンド層及び前記誘電体層に夫々接する第1及び第2電極とを有するため、第1電極に正の電圧を、第2電極に負の電圧を与えることにより、第2電極のフェルミレベルにある電子のトンネリング効果が生じ、電子が誘電体層を通過してダイヤモンド層へ流れ込む。同時に、ダイヤモンド層の誘電体層と接する界面近傍において、フェルミレベルを超えた価電子帯の領域で正孔蓄積層が形成され、誘電体層を通過した第2電極の電子とダイヤモンド層の正孔蓄積層の正孔とが再結合するため、ダイヤモンド層の誘電体層に接する界面近傍の局所領域で高効率で高輝度の紫外線を得ることができる。また、発光素子の構造が簡便であるため、容易に製造することができ、紫外線の発光を得ることができる。
【0017】
本願の第2発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子においては、Bを添加した半導体ダイヤモンド層と、このダイヤモンド層の両面に夫々形成され比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなる第1及び第2誘電体層と、前記第1及び第2誘電体層に夫々接する第1及び第2電極とを有するため、第1電極に正の電圧を、第2電極に負の電圧を印加することにより、第2電極のフェルミレベルにある電子のトンネリング効果が生じ、電子が第2誘電体層を通過し、この電子と、ダイヤモンド層の第2誘電体層と接する界面近傍に形成された正孔蓄積層の正孔とが再結合して紫外線を発光する。また、ダイヤモンド層の第1誘電体層と接する界面においては、第1誘電体層の伝導帯底部準位がダイヤモンド層の伝導帯底部準位よりも高く、界面近傍の電子はこの障壁により第2誘電体層を通過することができないため、第1電極の正孔がダイヤモンド層の第1誘電体層と接する界面近傍において電子と再結合して紫外線を発光する。これにより、ダイヤモンド層の両誘電体層と接する界面近傍の2箇所の局所領域において高効率で高輝度の紫外線を得ることができる。また、この発光素子は電界型ルミネッセンスであり、発光には高電圧が必要であるが、高周波駆動が可能であるため、極めて高い輝度を得ることができる。
【0018】
本願の第3発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子においては、比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなる誘電体層と、その両面に夫々積層されBを添加した第1及び第2半導体ダイヤモンド層と、前記第1及び第2ダイヤモンド層に夫々接する第1及び第2電極とを有するため、第1電極に正の電圧を、第2電極に負の電圧を印加することにより、第1ダイヤモンド層のフェルミレベルが第2ダイヤモンド層のフェルミレベルより低下し、これにより、第2ダイヤモンド層の誘電体層との界面近傍にて蓄積された電子が誘電体層をトンネリング効果により通過する。そして、この電子の波動関数と、第1ダイヤモンド層の誘電体層との界面近傍に形成された正孔蓄積層の正孔の波動関数とが重なることにより、電子と正孔とが再結合して紫外線を発光する。こうして、第2ダイヤモンド層の局所領域において、更に高効率で高輝度の紫外線を発光させることができる。また、誘電体層が半導体ダイヤモンド層により両側から挟み込まれた構造のため、両方向の電圧を印加することができる。
【0019】
本願の第4発明に係るダイヤモンド紫外線発光素子においては、比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなる誘電体層と、この誘電体層の一方の面に積層されBを添加した半導体ダイヤモンド層と、前記誘電体層の他方の面に積層されたn型半導体層(n型半導体ダイヤモンド層を含む)と、前記ダイヤモンド層及び前記n型半導体層に夫々接する第1及び第2電極とを有するため、第1電極に正、第2電極に負の電圧を印加することにより、第1ダイヤモンド層のフェルミレベルが低下し、同時に、n型半導体層の誘電体層と接する界面近傍に電子の蓄積層が形成され、ダイヤモンド層の誘電体層と接する界面近傍に正孔蓄積層が形成される。そして、電子が蓄積層からトンネリング効果により誘電体層を通過して正孔蓄積層の正孔と再結合することにより紫外線を発光する。この発光素子はn型半導体を使用するため、n型半導体の電子と、p型の半導体ダイヤモンド層の正孔との再結合による発光を効率的に行うことができ、第1乃至第3発明よりも高い発光強度を得ることができる。
【0020】
また、前記誘電体層の膜厚が1μmを超えると、誘電体層の両側の電子及び正孔の波動関数が誘電体膜を通介して重なり合うことができず、電子と正孔とが再結合できない。一方、膜厚が10Åより薄くなると、誘電体が連続した膜にならず、ダイヤモンド層に直接、電極又は他のダイヤモンド層等が接する箇所が生じて紫外線が発光されなくなってしまう。従って、電子と正孔とを再結合させることができ、連続膜を形成するために、誘電体層の膜厚は10Å乃至1μmとすることが好ましい。
【0021】
また、前記誘電体層は比誘電率が30以上と高く、更に膜を形成することができるものからなる。このような誘電体層に使用する誘電体として、例えば、チタン酸バリウム(比誘電率:1500)、PZT(Pb(Zr−Ti)O3(比誘電率:460乃至3400):米国ヴァーニトロン社商標)、PLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3(比誘電率:200))及びニオブ酸リチウム(LiNbO3(比誘電率:30乃至39))等がある。なお、本発明で絶縁層として比誘電率が高い強誘電体又は高誘電体を使用するのは、高濃度のBを添加したダイヤモンド半導体層と誘電体層との界面に、誘電体層が分極することを利用して効果的に正孔蓄積層を形成するためであり、このような効果を有する比誘電率が高い誘電体であれば上記以外の誘電体も誘電体層として使用することができる。
【0022】
更に、半導体ダイヤモンド層から室温で紫外線領域の発光を得るために、B原子密度が1×1020cm-3以上であることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る紫外線発光素子について、添付の図面を参照して、更に具体的に説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係る紫外線発光素子を示す断面である。図1に示すように、本実施例に係る紫外線発光素子1は、Bを添加したp型半導体ダイヤモンド層2と、この上に形成され比誘電率が30以上の高誘電体又は強誘電体からなる誘電体層3とから構成されている。そして、ダイヤモンド層2の下面側には、金等からなる金属製の第1電極4が形成されており、誘電体層3上の所定の領域には、金等からなる金属製の第2電極5が形成されている。
【0024】
次に、このように構成された紫外線発光素子の動作について説明する。紫外線発光素子1のダイヤモンド層2側に形成された第1電極4に正の電圧を、誘電体層3側に形成された第2電極5に負の電圧を印加する。このとき、誘電体層3は比誘電率が30以上と大きいため、誘電体層3の分極が大きく、p型半導体ダイヤモンド層側の表面には正の電荷が、第2電極側には負の電荷が誘起されてp型の半導体ダイヤモンド層2との界面近傍に効果的に正孔蓄積層を形成することができる。これにより、第2電極5の電子が誘電体層3を通過してダイヤモンド層2へ注入され、ダイヤモンド層2の正孔と極めて効率的に再結合発光して短波長の紫外線を発光する。このような機構は紫外線発光素子1のエネルギーバンド構造により説明することができる。図2は、本実施例の紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前を示す図、(b)は電圧を印加した後を示す図である。
【0025】
図2(a)に示すように、第2電極6は、誘電体層8と接しており、そのフェルミレベル7は誘電体層8の価電子帯のトップ準位(以下、価電子帯レベルという。)9より大きく、伝導帯の底部準位(以下、伝導帯レベルという。)10より小さい。また、本実施例の誘電体層8は比誘電率が高く、禁止帯の幅が誘電体層8に接するダイヤモンド層11より広く、このため、ダイヤモンド層11の価電子帯レベル12は価電子帯レベル9よりも高く、ダイヤモンド層11の伝導帯レベル14は伝導帯レベル10より低い。従って、誘電体層6とダイヤモンド層7との界面はバンドギャップの障壁が形成されている。また、ダイヤモンド層11はp型半導体であるので、不純物添加量と同じ量だけできる正孔によるアクセプタ準位ができ、フェルミレベル13が価電子帯レベル近傍まで低下している。
本実施例のダイヤモンド層11のアクセプタ準位は、Bによるもので、価電子帯レベル12近傍の電子がアクセプタ準位に容易に励起することができ、これによりダイヤモンド層11では価電子帯に正孔が残り、正電荷をもつ正孔がキャリアとなる。これらのエネルギ準位は電圧印加前においては一定値となっている。
【0026】
このようなバンド構造を有する紫外線発光素子の第2電極6に負の電圧を印加すると、図2(b)に示すように、ダイヤモンド層11のフェルミレベル13が低下し、誘電体層8の価電子帯レベル9及び伝導帯レベル10は第2電極6側が高くなって傾斜する。また、ダイヤモンド層11の価電子帯レベル12及び伝導帯レベル14も誘電体層8側のエネルギ準位が高くなっている。そして、これらのエネルギ準位は、バンドギャップのため、第2電極6及びダイヤモンド層11が誘電体層8と夫々接する界面において不連続となっている。ここで、ダイヤモンド層11の誘電体層8と接する界面近傍において、価電子帯レベル12が上昇してフェルミレベル13を超えるため、この領域において正孔蓄積層15が形成される。一方、誘電体層8は極めて薄いため、第2電極7の電子16はトンネリング効果により誘電体層8を通過し、電子16の電子波がダイヤモンド層11側に浸透してゆく。そして、この電子16がダイヤモンド層11の禁止帯である価電子帯レベル12と伝導帯レベル14との間のバンド間を遷移して正孔蓄積層15の正孔と再結合することにより、第2電極6のフェルミレベル7とダイヤモンド層11のフェルミレベル13とのエネルギー差Egに相当する振動数νの光(hν)を放出する。
【0027】
このようにして構成された第1の実施例においては、高濃度のBを添加した半導体ダイヤモンド層を使用しても誘電体層8の禁止帯が広いため、また、誘電体層の誘電率が高いため、半導体ダイヤモンド層の誘電体層との界面近傍に正孔蓄積層(正孔ガス)を形成することができ、正孔蓄積層の正孔と電子との再結合が生じて、その局所領域で生じる高効率かつ高輝度の紫外線発光を得ることができる。
【0028】
また、この紫外線発光素子1は構造が簡便であるため、製造方法も容易である。更に、半導体ダイヤモンド層上に形成した誘電体層上には金電極を真空蒸着法等により形成するのみで素子を完成することができ、誘電体層の膜厚及び結晶性の制御がしやすい。
【0029】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図3は、本実施例に係る紫外線発光素子を示す断面図である。なお、図3に示す第2の実施例において、図1に示す第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0030】
図3に示すように、本実施例に係る紫外線発光素子20は、Bを添加したp型半導体ダイヤモンド層2と、この両面に夫々形成され誘電率が30以上の高誘電体又は強誘電体からなる第1誘電体層3a及び第2誘電体層3bとから構成されている。そして、第1誘電体層3a及び第2誘電体層3bに夫々接する金等からなる金属製の第1電極4及び第2電極5が形成されている。
【0031】
次に、このように構成された紫外線発光素子20の動作について説明する。紫外線発光素子20の第1電極4に正の電圧を、第2電極5に負の電圧を印加することにより、第2電極の電子が第2誘電体層3bを通過してダイヤモンド層2の正孔とダイヤモンド層2の第2誘電体層3bと接する界面近傍にて再結合し、第1誘電体層3aの正孔とダイヤモンド層2の電子がダイヤモンド層2の第1誘電体層3aと接する界面近傍にて再結合する。これにより、紫外線発光素子20はダイヤモンド層2の誘電体層3a及び3bと接する両界面近傍にて短波長の紫外線を発光する。このような機構は紫外線発光素子20のエネルギーバンド構造により説明することができる。図4は、本実施例に係る紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前、(b)は電圧を印加した後の構造を示す。
【0032】
図4(a)に示すように、ダイヤモンド層26は夫々その両側の第1誘電体層30及び第2誘電体層23より禁止帯が狭いため、第1誘電体層30及び第2誘電体層23の価電子帯レベル31及び24より高い価電子帯レベル27と、第1誘電体層30及び第2誘電体層23の伝導帯レベル32及び25より低い伝導帯レベル29を有しており、従って、ダイヤモンド層26と第1誘電体層30及び第2誘電体層23との界面にはエネルギ順位の差による障壁が夫々形成されている。また、ダイヤモンド層26は、Bが添加されたp型半導体であるため、価電子帯レベル27と伝導帯レベル29との間の禁止帯内のフェルミレベル28が価電子帯レベル27近傍に低下している。更に、誘電体層23及び30に夫々接した第2電極21及び第1電極33のフェルミレベル22及び34は第1及び第2誘電体30、23の禁止帯内に位置している。
【0033】
このような構造を有する紫外線発光素子20に、第1電極が正で第2電極が負となる電圧を印加すると、図4(b)に示すように、エネルギレベルのうちフェルミレベル28以外は第2電極21側の誘電体層23から第1電極側の誘電体層30にかけて、第2電極側が高くなって傾斜する。なお、ダイヤモンド層26の両側は夫々誘電体層23、30とは連続しておらず、従って、その界面は障壁となっている。また、ダイヤモンド層26の誘電体層界面近傍以外の価電子帯レベル27及び伝導帯レベル29は一定値となっているため、ダイヤモンド層26の誘電体層23と接する界面近傍において、価電子帯レベル27がフェルミレベル28を上回り、この領域で正孔蓄積層35を形成している。そして、第2電極21の電子36がトンネリング効果により誘電体層23を通過し、電子36の波動関数と、正孔蓄積層35の正孔の波動関数とが重なり、電子36と正孔とが再結合して紫外線を発光する。また、ダイヤモンド層26の誘電体層30と接する界面近傍付近において、第1電極33から注入され誘電体層30を通過したホール37の波動関数と、界面の障壁によって拡散が止められた電子38の波動関数とが重なり、ホール37と電子38とが再結合発光する。
【0034】
このように構成された第2の実施例においては、ダイヤモンド層の両面に比誘電率の高い誘電体層が形成されているため、ダイヤモンド層内に電子及び正孔が効率よく蓄積され、紫外線がその障壁近傍の局所領域であるダイヤモンド層26の両端部の2箇所において発光する。また、電界型ルミネッセンスであり、高電圧を必要とするが、高周波駆動が可能である。周波数の上昇と共に発光強度は上昇するため、第1及び後述する第3の実施例と比較すると高い輝度を得ることができる。また、製造方法も比較的容易である。
【0035】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図5は本実施例に係る紫外線発光素子を示す断面図である。なお、図5に示す第3の実施例において、図1に示す第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
図5に示すように、本実施例に係る紫外線発光素子40は、比誘電率が30以上の高誘電体又は強誘電体からなる誘電体層3と、その両面に夫々高濃度のBを添加して積層されたp型半導体である第1ダイヤモンド層2a及び第2ダイヤモンド層2bとから構成されている。そして、第1ダイヤモンド層2a及び第2ダイヤモンド層2bには夫々金等の金属製の第1電極4及び第2電極5が形成されている。
【0037】
次に、このように構成された紫外線発光素子40の動作について説明する。第1電極に正、第2電極に負を印加すると、第2ダイヤモンド層の誘電体層に接する界面近傍に蓄積された電子がトンネリング効果により誘電体層を通過し、第1ダイヤモンド層に形成された正孔蓄積層の正孔と再結合発光する。こうして、紫外線発光素子40から高輝度及び高効率の紫外線が発光される。このような機構は紫外線発光素子40のエネルギーバンド構造により説明することができる。図6(a)及び(b)は紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前、(b)は電圧を印加した後を示す図である。
【0038】
図6(a)に示すように、誘電体46の両側に積層された第1及び第2ダイヤモンド層49及び41は夫々一定の価電子帯レベル50及び42並びに伝導帯レベル52及び44を有している。このダイヤモンド層はBが添加されたp型半導体であるため、価電子帯レベル50及び42近傍まで夫々フェルミレベル51及び43が低下している。また、誘電体層46はダイヤモンド層49及び41より禁止帯が広いため、価電子帯レベル47が隣接するダイヤモンド層の価電子帯レベルより低く、誘電体層46の伝導帯レベル48は隣接するダイヤモンド層の伝導帯レベルよりも高く、誘電体層46の両端には障壁が形成されている。
【0039】
このようなバンド構造を有する紫外線発光素子40の第1ダイヤモンド層49側が正で、第2ダイヤモンド層側41が負となるように電圧を印加すると、図6(b)に示すように、第1ダイヤモンド層49のフェルミレベルが低下し、誘電体層46の価電子帯レベル47及び伝導帯レベル48は第2ダイヤモンド層41側が高くなって傾斜する。また、第1ダイヤモンド層49では、フェルミレベル51が一定値であるのに対して、誘電体層46と接する界面近傍において、価電子帯レベル50及び伝導帯レベル52が夫々上昇し、これにより、価電子帯レベル50がフェルミレベル51を超える領域において正孔蓄積層53が形成される。また、第2ダイヤモンド層41の誘電体層46の界面近傍においては、伝導帯レベル44が誘電体層46のエネルギ準位に引かれて低下し、ダイヤモンド層41の誘電体層46との界面の障壁において電子が蓄積されている。そして、蓄積されている電子54が誘電体層46をトンネリング効果により通過し、電子54の波動関数が第1ダイヤモンド層49の正孔蓄積層53の正孔の波動関数と重なって再結合することにより、紫外線が発光される。
【0040】
このように構成された第3の実施例においては、膜厚が薄い誘電体層をBを添加した半導体ダイヤモンド薄膜により挟み込む構造となっているため、両方向の電圧を印加することができ、これにより第1の実施例と同程度の発光強度を得ることができる。
【0041】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図7は、本実施例の紫外線発光素子を示す断面図である。なお、図7に示す第4の実施例において、図1に示す第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本実施例の紫外線発光素子60は、高濃度のBを添加したp型半導体ダイヤモンド層2と、その上面に形成され比誘電率が30以上の高誘電体又は強誘電体からなる誘電体層3と、更にその上面に形成されたn型の半導体層61との3層から構成されている。そして、ダイヤモンド層2及びn型半導体層61に夫々接する金等の金属製の第1電極4及び第2電極5が形成されている。なお、n型半導体層は、n型の半導体ダイヤモンド層であってもよい。
【0042】
次に、この紫外線発光素子60の動作について説明する。ダイヤモンド層2側に接続する第1電極4に正の電圧を、n型半導体層61に接続する第2電極に負の電圧を印加することにより、n型半導体層61に蓄積された電子がトンネル効果により誘電体層3を通過してダイヤモンド層2に蓄積された正孔蓄積層の正孔と再結合することにより高輝度及び高効率の紫外線を発光する。このような機構は紫外線発光素子60のエネルギーバンド構造により説明することができる。図8は、紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前、(b)は電圧を印加した後を示す図である。
【0043】
図8(a)に示すように、誘電体層66の一方に接するp型ダイヤモンド層69の価電子帯レベル70近傍のフェルミレベル71と、誘電体層66の他方に接するn型半導体層62の伝導体レベル65近傍のフェルミレベル64とが同一のエネルギレベルになるよう、ダイヤモンド層69の価電子帯レベル70及び伝導帯レベル72はn型半導体層62の価電子帯レベル63及び伝導帯レベル65より夫々高くなっている。また、誘電体層66の禁止帯は広いため、その価電子帯レベル67はダイヤモンド層69の荷電子帯レベル70より低く、伝導体レベル68はダイヤモンド層69の伝導体レベル72より高くなっており、誘電体層66の両端部ではこれらのエネルギレベルの差による障壁が形成されている。
【0044】
このような構造を有する紫外線発光素子の第1電極に正、第2電極に負の電圧を印加すると、図8(b)に示すように、ダイヤモンド層69のフェルミレベル71が低下し、価電子帯レベル70及び伝導帯レベル72が夫々n型半導体層62の価電子帯レベル63及び伝導帯レベル65より低くなる。そして、n型半導体層62中で電子の伝導帯レベル65が誘電体層66との界面近傍にてフェルミレベル64より低下し、ここに蓄積された電子74がトンネリング効果により誘電体層66を通過し、ダイヤモンド層69に注入される。一方、ダイヤモンド層69では、価電子帯レベル70が誘電体層66との界面近傍にてフェルミレベル71を超え、ここに正孔蓄積層73が形成さている。従って、ダイヤモンド層69に注入された電子74と正孔蓄積層73の正孔との波動関数が重なって電子74と正孔とが再結合して紫外線を発光する。
【0045】
このように構成された第4の実施例においては、n型半導体層を使用するため、n型半導体層の電子とp型ダイヤモンド層の正孔との再結合による発光を極めて効率的に行うことができ、第1の実施例乃至第3の実施例よりも高い発光強度を有する。
【0046】
【実施例】
第1実施例
白金純度が99.99%、直径が10mm、厚さが2mmで、(111)結晶面を有する単結晶白金基板上に、無機材研型のマイクロ波CVD装置を使用して、ダイヤモンド膜を気相合成した。気相合成時のガス成分は、水素希釈したメタン(メタン濃度0.3%)にジボラン(B26)を添加したものを使用した。合成時の原料ガス中のBの原子濃度と炭素の原子濃度の比(以下、B/Cという。
)は4000ppmとした。また、マイクロ波投入電力及び基板の位置を調整して基板温度を800乃至890℃とした。このような条件で、30時間気相合成を実施した結果、膜厚が約6μmの(111)結晶面が方位整合した高濃度Bドープダイヤモンド膜が得られた。
【0047】
次に、スパッタリング蒸着により、高濃度Bドープダイヤモンド膜上に、比誘電率が30以上の高誘電体又は強誘電体からなる誘電体層を形成するため、チタン酸バリウムを膜厚が約50Åになるように蒸着した。なお、この誘電体層を形成する高誘電体又は強誘電体としては、PZT、SrTiO及びLiNbO3を使用してもよい。そして、フォトリソグラフィにより格子状の金電極をチタン酸バリウム上に500Å蒸着した。その後、白金電極を接地し、格子状の金電極に負の電圧を20V印加したところ、発光ピーク位置が250nmの紫外線発光が得られた。
【0048】
第2実施例
図9は本実施例に係る紫外線発光素子を示す断面図である。先ず、1辺が3mmの正方形状であるTypeIIa(窒素の不純物含有量が1ppm以下である高純度の単結晶ダイヤモンド)のダイヤモンド単結晶基板81の(100)面上に、無機材研型のマイクロ波CVD装置を使用して、マイクロ波投入電力及び基板の位置を調整し、基板温度を750乃至950度とし、7時間、気相合成を実施して約2μmのホモエピタキシャル高濃度Bドープダイヤモンド膜2を形成した。
気相合成時の原料ガスとしては水素希釈したメタン(メタン濃度0.5%)にジボランを添加したものを使用し、合成時のB/Cは4000ppmとした。この上に、フォトリソグラフィ技術を使用して、スパッタリング蒸着により1対のPZT膜3a及び3bを約100Å蒸着した。
【0049】
更に、PZT膜3a及びPZT膜3b上にスパッタリング装置を使用して、膜厚約50Åの金からなる第1電極4及び第2電極5を蒸着し、紫外線発光素子80を形成した。そして、両電極間に周波周が500Hz、ピーク電圧が50Vの交流電圧を印加したところ、発光ピークが250nmの紫外線発光が得られた。
【0050】
第3実施例
白金純度が99.99%、直径10mm、厚さが2mm、(111)結晶面を有する単結晶白金基板上に、無機材研型のマイクロ波CVD装置を使用してダイヤモンド膜を気相合成した。気相合成時のガス成分は、水素希釈したメタン(メタン濃度0.3%)にジボランを添加したものを使用した。合成時のB/Cは4000ppmとした。また、マイクロ波投入電力及び基板の位置を調整して基板温度を800乃至890℃とした。このような条件で、30時間気相合成を実施した結果、膜厚が約6μmの(111)結晶面が方位整合した高濃度Bドープダイヤモンド膜が得られた。
【0051】
次に、スパッタリング蒸着により、高濃度Bドープダイヤモンド膜上に、チタン酸バリウムを膜厚が約50Åになるように蒸着した。更に、この上に膜厚2μmのn型c−BN膜をホローカソード放電ガンを使用した活性化反応性蒸着法により形成した。原料には、固体ホウ素、窒素、水素及びシランを使用し、基板温度は500乃至600℃とした。そして、スパッタリング装置を使用してn型c−BN膜上に約50Åの金電極を蒸着し、紫外線発光素子を形成した。形成した紫外線発光素子の両電極間に50Vの電圧を印加したところ、発光ピーク位置が250nmの紫外線発光が得られた。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、高濃度のBを添加したp型半導体層と、高誘電体又は強誘電体からなる誘電体層とを有するため、これらが接する界面のエネルギ準位の障壁を利用して正孔を蓄積させ、電子と再結合させることにより、ダイヤモンドの大きなエネルギーギャップを利用して高輝度な紫外線を効率よく発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る紫外線発光素子を示す断面である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前を示す図、(b)は電圧を印加した後を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る紫外線発光素子を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前を示す図、(b)は電圧を印加した後を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係る紫外線発光素子を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前を示す図、(b)は電圧を印加した後を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施例に係る紫外線発光素子を示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係る紫外線発光素子のエネルギーバンド構造を示す模式図であって、(a)は電圧を印加する前を示す図、(b)は電圧を印加した後を示す図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る紫外線発光素子を示す断面図である。
【図10】従来の紫外線発光素子を示す断面図である。
【符号の説明】
1、20、40、60、80、100;紫外線発光素子
2、2a、2b、11、26、41、49、69、102、103;ダイヤモンド層
3、3a、3b、8、23、30、46、66;誘電体層
4、5、6、21、33、104、105;電極
7、13、22、28、34、43、51、64、71;フェルミレベル
9、12、24、27、31、42、47、50、63、67、70;価電子帯レベル
10、14、25、29、32、44、48、52、65、68、72;伝導帯レベル
15、35、53、73;正孔蓄積層
16、36、38、54、74;電子
37;ホール
61、62;n型半導体層
81;ダイヤモンド基板

Claims (7)

  1. Bを添加した半導体ダイヤモンド層と、このダイヤモンド層上に形成され比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである誘電体層と、前記ダイヤモンド層及び前記誘電体層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とするダイヤモンド紫外線発光素子。
  2. Bを添加した半導体ダイヤモンド層と、このダイヤモンド層の両面に夫々形成され比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである第1及び第2誘電体層と、前記第1及び第2誘電体層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とするダイヤモンド紫外線発光素子。
  3. 比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである誘電体層と、その両面に夫々積層されBを添加した第1及び第2半導体ダイヤモンド層と、前記第1及び第2ダイヤモンド層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とするダイヤモンド紫外線発光素子。
  4. 比誘電率が30以上である強誘電体又は高誘電体からなり、厚さが10Å乃至1μmである誘電体層と、この誘電体層の一方の面に積層されBを添加した半導体ダイヤモンド層と、前記誘電体層の他方の面に積層されたn型半導体層と、前記ダイヤモンド層及び前記n型半導体層に夫々接する第1及び第2電極とを有することを特徴とするダイヤモンド紫外線発光素子。
  5. 前記誘電体層はチタン酸バリウム、PZT、PLZT、チタン酸ストロンチウム及びニオブ酸リチウムからなる群より選択された1種の材料からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
  6. 前記半導体ダイヤモンド層のB原子密度が1×1020cm−3以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
  7. 前記ダイヤモンド層の側面部に反射面を有し、前記ダイヤモンド層で誘導放出された光を前記反射面により共振して放射するものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のダイヤモンド紫外線発光素子。
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