JP3695977B2 - ポリプロピレン系フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気バリアー性が改善されたポリプロピレン系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリプロピレン系フィルムは、優れた透明性、光沢性等の光学特性、引張特性、ヤング率に代表される機械特性、実質上の無毒性及び無臭性等の特性を備えているため、特に食品用の包装材料として広く用いられている。食品用の包装材料として適用するとき、食品の種類によっては乾燥を防止する観点から水蒸気バリア性を具備することが要求される場合があるが、ポリプロピレン系フィルムに対して、塩化ビニリデン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、エチレン−ビニルアルコール系重合体、シロキサン系重合体をコーティングする方法では水蒸気バリアー性の改善効果は十分ではない。また、アルミやシリカ等の金属又は金属酸化物を蒸着する方法は水蒸気バリアー性を改善することはできるが、製造工程が煩雑になるし、回収後の再資源化も困難となる。
【0003】
特開昭58−213037号公報、特開昭60−210647号公報には、水蒸気バリアー性が改良されたポリプロピレンフィルムが開示されているが、これらはいずれもテルペン樹脂又は石油樹脂を添加することのみによって水蒸気バリアー性を向上させている。これらの技術では、テルペン樹脂や石油樹脂が表面にブリードして透明性が悪化したり、ラミネート強度、印刷インキのにじみ、外観や触感不良を起こすという不具合があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、ポリプロピレン系フィルムの優れた特性を維持しつつ、水蒸気バリアー性を改善したポリプロピレン系フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、フィルムの表面層にのみ特に結晶化度の高いポリプロピレン系樹脂を存在させることにより、他の樹脂等との積層体又は複合体とすることなく、水蒸気バリアー性を改善できることを見出した。
即ち本発明は、基材層と基材層の一面又は両面に形成された表面層を有しているフィルムであり、基材層と表面層がポリプロピレン系樹脂を含有し、表面層に含有されるポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10min以上で、かつアイソタクチック指数(II)が95%以上のものであるポリプロピレン系フィルムを提供する。
なお、本発明において「フィルム」は、実質的に二次元的構造を有する「シート」も含む。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルムは、基材層と、基材層の一面又は両面の全部又は一部に存在する表面層からなる。
【0007】
基材層は、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含む樹脂組成物からなる。ポリプロピレン系樹脂は、結晶性ポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、プロピレンと、エチレン、ブテン−1,3−メチルペンテン、4−メチルペンテン等との共重合体でもよいが、プロピレン以外の構成単位の含有率は1重量%以下がよく、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.3重量%未満である。
【0008】
ポリプロピレン系樹脂のアイソタクチック指数(II)は、フィルムの特性を損なわない範囲である限り特に制限されないが、好ましくは90%以上がよく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは95〜98.5%である。防湿性の点からは規則性は高い方がよいが、基材層用樹脂として延伸適性を損なわせないため、98.5%以下が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上である。
MFRは、成形のしやすさの点から、Tダイ成形用では1.8〜4g/10minがよく、インフレーション成形用では7〜10g/10minがよい。
【0009】
基材層中には、テルペン樹脂及び石油樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を配合することができる。
石油樹脂としては、シクロペンタジエン系や高級オレフィン系炭化水素を主原料とする樹脂又はこれらに80%以上の水添率で水素添加したものを挙げることができる。この石油樹脂は、極性基を含まないものであることが好ましい。
テルペン樹脂としては、ピネン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ピサボレン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレン等又はこれらに80%以上の水添率で水素添加したものを挙げることができる。これらのテルペン樹脂は、極性基を含まないものであることが好ましい。
基材層中におけるテルペン樹脂及び石油樹脂の含有量は、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは4〜20重量%である。
【0010】
基材層には、さらに紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核成長剤、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、クマロニンデン樹脂等のクマロン樹脂、フェノール樹脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂等の炭化水素系重合体、可塑剤、充填剤を配合することができる。なおフィルムを、後加工の工程に供する場合には、これらの添加剤のブリード等によってコーティング層、蒸着層、ラミネート層、インキ層等との適性を損なわないように条件設定する必要がある。
【0011】
基材層は単層であってもよく、2層以上のポリプロピレン系樹脂層が積層されたものであってもよい。
基材層の厚みは特に制限されず、好ましくは1〜250μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは15〜50μmである。また、シートの場合の基材層の厚みは0.1〜5mmが好ましい。
【0012】
表面層は、基材層と同じポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物からなるものであるが、表面層を構成するポリプロピレン系樹脂は、MFR及びアイソタクチック指数(II)が下記の数値範囲を有するものである。
MFRは5g/10min以上、好ましくは10〜50g/10minである。MFRが5g/10min以上であると、フィルム成形時に表面層の結晶化度を十分に向上させることができる。なお、表面層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRは、基材層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRよりも大きくする方が、メルトフラクチャーを起こし難くなるので好ましい。
【0013】
アイソタクチック指数(II)は、結晶性を高めて防湿性を向上させるという点から、95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。表面層に使用するポリプロピレン系樹脂は、高規則性のものを用いても延伸適性を損なうことが少ない。
【0014】
このように表面層を結晶化度の高いポリプロピレン系樹脂で構成すると、防湿性が向上するだけでなく、基材層への添加剤が表面にブリードするのを防げられることから、基材層に水蒸気バリアー性向上剤として、テルペン樹脂、石油樹脂を効果的に添加することも可能になる。
【0015】
基材層及び表面層を構成するポリプロピレン系樹脂には、酸化防止剤を配合することができる。表面層中における酸化防止剤の含有量は、200ppm以下がよく、好ましくは100ppm以下である。酸化防止剤の含有量を200ppm以下にすると、押出機内でポリプロピレン系樹脂の分子量分解が発生し、結晶化しやすい大きさに分断される。
【0016】
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系等が挙げられるが、フェノール系としては2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(例えば、日本チバガイギー社、イルガノックス1010)等が好ましい。
【0017】
基材層及び表面層を構成するポリプロピレン系樹脂には、ブロッキング防止剤を配合することができる。ブロッキング防止剤としては、シリカ、アルミナ、合成ゼオライト、カオリン、タルク、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、石英粉、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等の無機系微粉末、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂等から選ばれる1種以上が挙げられる。なお、ブロッキング防止剤は、フィルム成形時に加えられる熱によっても変形することなく形状を保持するために、フィルム成形時の温度より高い融点又は軟化点を有するものが好ましい。
【0018】
ブロッキング防止剤は、真球状でも不定形でもよいが、真球状のブロッキング防止剤を用いると、透明性を低下させることなく、高い耐ブロッキング性を付与できるため好ましい。
ブロッキング防止剤の平均粒子径は、表面層の厚みに応じて、耐ブロッキング性、すべり性、透明性を損なわない範囲で選択でき、好ましくは0.1〜7.5μm、より好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜4μmである。
【0019】
ブロッキング防止剤の含有量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部がよく、より好ましくは0.02〜0.4重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量部である。ブロッキング防止剤の含有量が0.01重量部以上であると巻取時におけるフィルムのブロッキングを防止でき、0.5重量部以下であると透明性の低下を防止できる。
【0020】
本発明のポリプロピレン系フィルムは、表面層の厚み(両側に表面層がある場合はそれらの合計)Tsが好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1〜15μmである。
【0021】
また、本発明のポリプロピレン系フィルムの表面層の厚みTsと、フィルムの総厚みTfとの比(Ts/Tf)は、0.04〜0.60がよく、好ましくは0.05〜0.5である。Ts/Tfが0.04以上であると表面層による防湿性を十分に向上させることができ、0.60以下であるとフィルムとしての外観や触感に不具合が生じることもない。
【0022】
さらに、本発明のポリプロピレン系フィルムは、フィルムの総厚みTf(μm)と、40℃における水蒸気透過速度WV−TR{g/(m2・day)}との積が、80μm・g/(m2・day)未満がよく、好ましくは70μm・g/(m2・day)である。
【0023】
本発明のポリプロピレン系フィルムは、表面層の上にコーティング層、蒸着層、ラミネート層、インキ層等を形成する場合には、表面層には上記以外の成分を含まないことが好ましいが、層間の密着性が損なわれない範囲であれば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、ワックス等を含んでいてもよい。また、このような表面処理は、密着性を向上させるため、好ましくは36dyne/cm以上、より好ましくは37〜45dyne/cm、さらに好ましくは38〜42dyne/cmの表面張力となるように行うことが望ましい。
【0024】
本発明のポリプロピレン系フィルムは、未延伸であってもよいが、延伸されている方が水蒸気バリアー性発現の点から好ましい。延伸フィルムは一軸延伸であってもよいが、二軸延伸されている方が好ましい。また、必要に応じて延伸フィルムは熱処理されていてもよい。
【0025】
本発明のポリプロピレン系フィルムは、例えばチタン系、ポリエチレンイミン系、ウレタン系等の接着剤を用いるドライラミネート法によっても可能であるが、共押出法を適用することが好ましい。得られたフィルムは、その結晶化がさらに進むように、120℃前後で熱処理することが好ましい。
【0026】
本発明のポリプロピレン系フィルムの延伸は、Tダイ法においては、ダイから押し出したフィルムを冷却した後に行うことができ、インフレーション法においては、ダイからの溶融押出と共に行うこともできる。延伸法としては、慣用の延伸法、例えばロール延伸、テンター延伸、チューブ延伸やこれらを組み合わせた延伸法等が挙げられる。延伸倍率は、所望するフィルムの特性に応じて適宜設定でき、一方向の延伸倍率が、好ましくは2倍以上、より好ましくは5〜10倍程度である。
【0027】
フィルムの表面処理は、慣用の表面処理、例えばコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理等が採用できるが、コロナ放電処理が好ましい。表面処理は、フィルムの延伸処理に先立って行ってもよいが、延伸後に行うことが望ましい。
【0028】
本発明のポリプロピレン系フィルムは、組成及び構造が簡単であるにもかかわらず、高い水蒸気バリアー性を示す。そのため、防湿フィルムとして単体で使用したり、コーティング用や蒸着用のフィルムとしたり、別素材とラミネートして使用したりするなど、包装材料等の広い分野で好適に使用できる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、水蒸気透過速度は、温度40℃、相対湿度90%の条件で、水蒸気過率測定装置(PERMATRAN W200,MOCON社製)により行った。
【0030】
参考例1
基材層の原料(A)及び表面層の原料(B)として、下記組成物を用いた。
基材層の原料(A):ポリプロピレン(MFR=2g/10min、アイソタクチック指数(II)98%)100重量部に、水添石油樹脂(軟化点125℃)を20重量部、酸化防止剤としてBHTを0.2重量部、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを0.05重量部、ブロッキング防止剤として平均粒径2.2μmのシリカ0.13重量部を加えた組成物。
表面層の原料(B):ポリプロピレン(MFR=10g/10min、アイソタクチック指数(II)95%)100重量部に、ブロッキング防止剤として平均粒径2.2μmのシリカ0.13重量部を加えた組成物。酸化防止剤は無添加とした。
前記原料(A)と(B)をTダイを備えた押出機にそれぞれ供給し、250〜260℃の温度で共押出しして、層構造が(B)/(A)/(B)の厚さ1mmのシートを成形した。なお成形時には、表面層が120℃で熱処理されるように、ロールの配置と温度を設定した。得られたシートを、130〜160℃で縦方向に5倍に延伸し、続いて160℃で横方向に10倍に延伸した。得られたポリプロピレン系フィルムの厚みは、20μm(基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは各1μm)であった。
このフィルムの水蒸気透過速度を測定したところ、3.9g/(m・day)という優れた防湿性を示した。
【0031】
実施例
表面層の原料(B)をポリプロピレン(MFR=15g/10min、アイソタクチック指数(II)99%)100重量部に、酸化防止剤としてBHTを0.02重量部、ブロッキング防止剤として平均粒径2.2μmのシリカ0.13重量部を加えた組成物に代えた以外は、参考例1と同じ条件でポリプロピレン系フィルムを作成した。得られたフィルムの厚みは、20μm(基材層の厚みは18μm、表面層の厚みは各1μm)であった。このフィルムの水蒸気透過速度を測定したところ、3.8g/(m・day)という優れた防湿性を示した。
【0032】
実施例
表面層の厚みを各5μmとし、基材層を10μmとした以外は、実施例と同じ条件でポリプロピレン系フィルムを作成した。得られたフィルムの水蒸気透過速度を測定したところ、2.9g/(m・day)という優れた防湿性を示した。
【0033】
実施例
基材層の原料(A)から石油樹脂を取り除き、表面層の厚みを各5μmとし、基材層を10μmとした以外は、参考例1と同じ条件でポリプロピレン系フィルムを作成した。得られたフィルムの水蒸気透過速度を測定したところ、3.9g/(m・day)という優れた防湿性を示した。
【0034】
比較例1
表面層の原料(B)を、ポリプロピレン(MFR=3g/10min、アイソタクチック指数(II)94%)100重量部、酸化防止剤としてBHTを0.2重量部、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを0.05重量部、ブロッキング防止剤として平均粒径2.2μmのシリカ0.13重量部を加えた組成物に代えた以外は、参考例1と同じ条件でポリプロピレン系フィルムを作成した。得られたフィルムの水蒸気透過速度を測定したところ、4.4g/(m・day)であった。
【0035】
比較例2
表面層の原料(B)として、原料(A)と同じものを使用し、参考例1と同じ条件でポリプロピレン系フィルムを作成した。得られたフィルムの水蒸気透過速度を測定したところ、4.2g/(m2・day)であった。
【0036】
【表1】
Figure 0003695977
【0037】
実施例1〜3は、表面層に結晶化度の高いポリプロピレンが存在しているため、水蒸気バリアー性が優れていた。また、参考例1は、表面層のポリプロピレンの方が基材層のポリプロピレンよりも結晶化度が小さいものであったが、表面層には酸化防止剤が含有されていないので分解による分子量の低下が生じ、それにより結晶化が促進されたため、実施例1〜3と同程度まで水蒸気バリアー性を高めることができた。
【0038】
【発明の効果】
本発明のフィルムは、本来ポリプロピレン系フィルムが持つ特性を損なうことなく、防湿性に優れているので、食品分野、医薬品分野、精密電子部品分野等の各種包装用材料として好適に用いることができ、内容物の長期保存に効果を発揮する。

Claims (6)

  1. 基材層と基材層の一面又は両面に形成された表面層を有しているフィルムであり、基材層と表面層がポリプロピレン系樹脂を含有し、
    基材層に含有されるポリプロピレン系樹脂のアイソタクチック指数( II )が90%以上であり、
    表面層に含有されるポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10min以上で、かつアイソタクチック指数(II)が95%以上のものであり、
    表面層のポリプロピレン系樹脂のアイソタクチック指数( II )が基材層のポリプロピレン系樹脂のアイソタクチック指数( II )よりも高いポリプロピレン系フィルム。
  2. 基材層と基材層の一面又は両面に形成された表面層を有しているフィルムであり、基材層と表面層がポリプロピレン系樹脂を含有し、
    基材層に含有されるポリプロピレン系樹脂のMFRが1.8〜4g/ 10min 以上で、かつアイソタクチック指数( II )が90%以上であり、
    表面層に含有されるポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/ 10min 以上で、かつアイソタクチック指数( II )が95%以上のものであり、
    表面層のポリプロピレン系樹脂のMFR及びアイソタクチック指数( II )が基材層のポリプロピレン系樹脂のMFR及びアイソタクチック指数( II )よりも高いポリプロピレン系フィルム。
  3. 表面層を構成するポリプロピレン系樹脂が、酸化防止剤を200ppm以下含有している請求項1又は2記載のポリプロピレン系フィルム。
  4. 基材層中に、テルペン樹脂及び石油樹脂から選ばれる1種以上の樹脂が2〜30重量%含有されている請求項1〜3のいずれか1記載のポリプロピレン系フィルム。
  5. 表面層の厚みTsが0.8μm以上で、フィルム総厚みTfとの比Ts/Tfが0.04〜0.60である請求項1〜4のいずれか1記載のポリプロピレン系フィルム。
  6. フィルムの総厚みTf(μm)と、40℃における水蒸気透過速度WV−TR{g/(m2・day)}との積が、80μm・g/(m2・day)未満である請求項1〜のいずれか1記載のポリプロピレン系フィルム。
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