JP2006111300A - 粘稠物用包装フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘稠で剥離しやすい被膜(薄皮)を有する被包装体を包装しても、被膜の付着や剥離を確実に防止しつつ、円滑に開封できる包装用フィルムを提供する。
【解決手段】 包装フィルムは、表面が粘着性又は粘性を有する粘稠物を包装するためのフィルムであって、基材フィルムの少なくとも一方の面に、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選択された多価アルコール脂肪酸エステルで構成された被覆層が形成されている。基材フィルムの表面のうち表面処理されていない面に、被覆層を形成してもよい。被覆層は、多価アルコール脂肪酸エステル単独で構成でき、多価アルコール脂肪酸エステルの塗布量は、2〜100mg/m2程度であってもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粘稠物(例えば、蒸し饅頭、中華饅頭、おにぎり、スライスチーズなど)を包装するのに有用なフィルムに関する。
蒸し饅頭や中華饅頭は、成形して蒸すと、饅頭の表層に薄くて柔らかい被膜(薄皮)が形成され、この被膜は未乾燥状態では粘着性を有している。そのため、前記饅頭を包装フィルムで包装すると、被膜が包装フィルムに付着し、開封すると、包装フィルムと同時に被膜が饅頭本体から剥がれ、商品価値を損なう。
また、おにぎり(又はおむすび)は、成形して所定形状の包装フィルムに充填したり包装フィルムで包装すると、フィルムに対する滑り性が悪く作業性を損なう。また、包装したおにぎりを開封すると、おにぎりの米粒が包装フィルムに付着し、商品価値を損なう。
さらに、スライスチーズは、高温のチーズをフィルム上でシート状に成形し、冷却することにより調製されるが、冷却後、包装フィルムを剥離すると、包装フィルムと同時にチーズの表層が剥離し、商品価値を損なう。
特開平10−128924号公報(特許文献1)には、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエステルフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、アクリル樹脂100重量部に対してイソシアネート化合物10〜50重量部、イソシアネート化合物と反応する化合物50〜300重量部の割合で含む接着剤層を積層し、さらにその上に塩化ビニリデン樹脂100重量部に対してHLBが7以下のショ糖脂肪酸エステル2〜100重量部を含む塩化ビニリデン層を積層したチーズ包装用フィルムが開示されている。この文献には、チーズがフィルムに残存することなく剥がれることが記載されている。
特開平3−38339号公報(特許文献2)には、ポリエステル樹脂フィルムの片面に滑剤が塗着された包装材において、前記滑剤の水滴接触角が95度以上である高含水率食品用包装材と、前記滑剤が、脂肪酸アミドワックス及び/又はポリエチレンワックスからなるワックス分量を7重量%以上含有するポリアミド樹脂と硝化綿との混合揮発性塗膜である高含水率食品用包装材が開示されている。この文献には、含水率が高く軟質なチーズなどの高含水率食品(被包装物質)との離型性が高いことも記載されている。
しかし、これらのフィルムは構造及び構成成分が複雑であるだけでなく、饅頭などを包装すると、表層の被膜が饅頭から剥離し、商品価値を低下させる。特に、これらのフィルムでは、脂肪酸エステルなどの離型剤成分が樹脂層からブリードアウトすることを利用しているため、雰囲気温度や時間の経過により離型剤のブリードアウトの程度が変動し、均一なブレードアウトが困難である。そのため、高い剥離性を確実に付与できない。
特開2001−48229号公報(特許文献3)には、熱収縮性の基材層とポリオレフィン系樹脂のシーラント層とを有する積層フィルムにより、前記シーラント層が最内側となるように製袋し、内部に粘稠物を充填した後、積層フィルムを熱収縮した包装体において、粘稠物の接するシーラント層の表面に、非イオン系界面活性剤の膜を形成した包装体が開示されている。この文献には、練り餡またはショートニングからなる粘稠物の充填収縮包装用積層フィルムにおいて、積層フィルムの粘稠物が接するシーラント層の表面に、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選択された界面活性剤の膜が形成された積層フィルムも開示されている。さらに、シーラント層にポリオレフィン系樹脂当たり0.03〜5重量%の非イオン系界面活性剤を含有させ、界面活性剤が包装体の内面に移行して膜を形成することも記載されている。なお、この文献には、包装体の内面に予め界面活性剤を塗工して膜を形成することもでき、界面活性剤の塗工量は0.4g/m2以下で、JIS−K−6768濡れ指数値で70dyn/cm以上の純水が均一に濡れる表面状態を有していることも記載されている。さらには、粘稠物が袋の内面に付着しにくく、袋の開封時に粘稠物を容易に袋から剥離でき取り出し作業性に優れることも記載されている。
しかし、このフィルムで、表層が剥離しやすい被包装体(饅頭など)を包装しても、シーラント層との親和性が高いためか、開封に伴って表層が剥離しやすい。特に、このフィルムでも界面活性剤のブリードアウトを利用しているため、界面活性剤のブリードアウトに時間を要するとともに、前記のように均一なブリードアウトが困難であり、高い剥離性を確実に付与できない。さらに、フィルムを熱収縮させるため、被包装体との密着性が高くなり、被包装体の表層が剥離しやすくなる。
特開平10−128924号公報(特許請求の範囲、段落番号[0001]) 特開平3−38339号公報(特許請求の範囲、発明の効果の欄) 特開2001−48229号公報(特許請求の範囲、段落番号[0023][0024]、発明の効果の欄)
従って、本発明の目的は、粘稠な被包装体を包装しても容易に開封できる包装用フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、未乾燥状態(又は含水状態)では粘着性又は粘性を有し、かつ剥離しやすい被膜(薄皮)を有する被包装体を、被膜の付着や剥離を確実に防止しつつ、円滑に開封できる包装フィルムを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、基材フィルムの表面(特に、非表面処理面)にショ糖脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル単独の被覆層を形成すると、粘稠な被包装体と接触しても、基材フィルムから多価アルコール脂肪酸エステル又は被覆層が剥離して被包装体に転移し、被包装体が付着することなく、包装体を効率よく開封できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の粘稠物用包装フィルムは、表面が粘着性又は粘性を有する粘稠物を包装するためのフィルムであって、基材フィルムの少なくとも一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルで構成された被覆層が形成されている。この包装フィルムにおいて、基材フィルムからの被覆層の剥離性を高めるため、基材フィルムの表面のうち表面処理されていない面に、被覆層を形成してもよい。多価アルコール脂肪酸エステルは、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどであってもよい。さらに、被覆層は、多価アルコール脂肪酸エステル単独で構成でき、多価アルコール脂肪酸エステルの塗布量は、2〜100mg/m2程度であってもよい。
より具体的には、基材フィルムは、表面処理された一方の面と、表面処理されていない他方の面とを有するポリプロピレン系二軸延伸フィルムで構成でき、この基材フィルムの他方の面に、ショ糖脂肪酸エステルの被覆層を塗布量2〜40mg/m2で形成してもよい。さらに、基材フィルムは、結晶性ポリプロピレンと石油樹脂又はテルペン樹脂とを75/25〜94/6(重量%)の割合で含むコア層(C)と、このコア層の一方の面に形成され、かつプロピレン系共重合体を含むスキン層(S1)と、他方の面に形成され、かつプロピレン単独重合体を含むスキン層(S2)とを有するポリプロピレン系二軸延伸積層フィルムであり、前記一方の面のスキン層(S1)がコロナ放電処理され、他方の面のスキン層(S2)が表面処理することなくショ糖脂肪酸エステルで被覆されている包装フィルムであってもよい。本発明では、粘稠物と接する面に前記被覆層が形成されており、例えば、粘稠物としての饅頭と接触する面に多価アルコール脂肪酸エステルで構成された被覆層を形成できる。
本発明の方法では、表面が粘着性又は粘性を有する粘稠物を包装するためのフィルムの製造方法であって、基材フィルムの少なくとも一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルを含むコーティング剤を塗布し、被覆層を形成し、粘稠物用包装フィルムを製造する。
このような包装フィルムでは、多価アルコール脂肪酸エステルの被覆層が基材フィルムの表面に形成されているため、被包装体である粘稠物を被覆層と接触させて包装し、開封すると、樹脂と少量の多価アルコール脂肪酸エステルとを組み合わせた被覆層と異なり、被覆層の多価アルコール脂肪酸エステルが基材フィルムから剥離して被包装体に転位する。特に、基材フィルムの被処理面に前記被覆層を形成すると、被覆層が基材フィルムから効率よく剥離し、被包装体に転位する。そのため、被包装体から基材フィルムが円滑に剥離し、被包装体の表層(又は薄皮)が剥離することがない。
なお、本明細書において、「粘稠物」とは未乾燥状態(又は含水状態)で表面が粘性又は粘着性を有する被包装体を意味する。
本発明では、基材フィルムの被処理面に多価アルコール脂肪酸エステルの被覆層が形成されているため、基材フィルムからの多価アルコール脂肪酸エステル又は被覆層の剥離を利用して、粘稠な被包装体を円滑に開封できる。特に、被包装体の表層(又は薄皮)を剥離することなく開封できる。さらに、未乾燥状態(又は含水状態)では粘着性又は粘性を有し、かつ剥離しやすい被膜(薄皮)を有する被包装体であっても、フィルムに対する被膜の付着や剥離を確実に防止しつつ、円滑に開封できる。
[基材フィルム]
基材フィルムを構成する樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの縮合系熱可塑性樹脂;オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂(ハロゲン含有樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂など)などのビニル重合系熱可塑性樹脂などの熱可塑性樹脂で構成できる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの樹脂のうち、腰及び/又は引張り強度とを付与する観点から、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)などが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを用いた芳香族ポリエステル系樹脂が挙げられる。芳香族ポリエステル系樹脂には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50モル%以上、例えば、75〜98モル%、さらに好ましくは80〜95モル%)として含むコポリエステルなどが含まれる。
オレフィン系樹脂としては、例えば、C2-6オレフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂など)、C2-6オレフィンと共重合性単量体との共重合体[エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など]などが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂のうち、耐熱性の観点からポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー;プロピレンと共重合性C2-6オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体であってもよく、共重合性オレフィンの割合は、2〜25モル%程度であってもよい。さらに、ポリプロピレン系樹脂は、結晶性ポリプロピレン系樹脂であってもよく、非結晶性ポリプロピレン系樹脂であってもよい。
基材フィルムは、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、可塑剤又は軟化剤、滑剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、着色剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤(ブロッキング防止剤)などを含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、基材フィルムは単層構造に限らず積層構造を有していてもよい。積層フィルムは、通常、コア層(C)と、このコア層の少なくとも一方の面に形成されたスキン層(S)とで構成されている。前記ポリプロピレン系積層フィルムでは、結晶性ポリプロピレン系樹脂と石油樹脂及びテルペン樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂とを含むコア層(C)と、コア層(C)の面に形成され、かつプロピレン系共重合体を含むスキン層(S1)とを有する少なくとも二層構造の積層フィルムで構成できる。
石油樹脂又はテルペン樹脂により、プロピレン系積層フィルムの水蒸気に対するバリア性を向上できる。石油樹脂又はテルペン樹脂は、極性基を含まない樹脂であるのが好ましい。石油樹脂としては、シクロペンタジエン系や高級オレフィン系炭化水素を主原料とする樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン樹脂など)、又はこれらの水添樹脂(例えば、水添率80%以上の樹脂)が例示できる。このような石油樹脂としては、例えば、荒川化学(株)製の商品名「アルコンP−120」、トーネックス社製の商品名「エスコレッツE5320HC」が挙げられる。石油樹脂の軟化点は、125℃以上、ガラス転移温度は、60℃以上(65〜85℃程度)である。
テルペン樹脂としては、ピネン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ピサボレン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレンなどのテルペン類を原料とした樹脂又はこの水添樹脂(水添率80%以上の樹脂など)が例示できる。
コア層には、さらに、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核成長剤、炭化水素系重合体(スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂などのクマロン樹脂、フェノール樹脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂など)、可塑剤、充填剤などを含有させてもよい。なお、コア層(C)は、透明性やラミネート強度の点から、ブロッキング防止剤及び/又は帯電防止剤を含有しないのが好ましい。
コア層は単層又は複数層で形成してもよい。コア層の厚みは、特に制限されず、5〜100μm、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜40μm程度である。
さらに、スキン層(S)は、コア層(C)の少なくとも一方の面に形成すればよく、コア層(C)の一方の面(コロナ放電処理などの表面処理してもよい面)に、プロピレン系共重合体を含むスキン層(S1)を形成し、他方の面にプロピレン単独重合体を含むスキン層(S2)を形成してもよい。
前記プロピレン系共重合体としては、プロピレンと、アルケン類(エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどのα−C2-6オレフィンなど)とのランダム共重合体、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブチレンランダム三元共重合体などが挙げられる。特にエチレンとプロピレンのランダムコポリマーが好ましい。なお、エチレン及び/又はブテンをプロピレン系共重合体全体の16重量%以下(特に16〜1重量%)含んでいてもよい。
さらに、コア層(C)の他方の面のスキン層(S2)は、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)で構成されている。なお、0.5重量%以下のエチレン含量を有するプロピレンも、プロピレン単独重合体ということができる。
スキン層(S)のプロピレン系樹脂のMFRは、特に制限されないが、3g/10分以上、好ましくは3〜20g/10分、さらに好ましくは3〜16g/10分である。
スキン層(S1,S2)には、ブロッキング防止剤(アンチブロッキング剤)を添加してもよい。ブロッキング防止剤としては、フィルム成形時の温度より高い融点又は軟化点を有する成分、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機系微粉末、エンジニアリングプラスチックなどの高耐熱性熱可塑性樹脂、架橋樹脂(架橋アクリル系樹脂、架橋メラミン系樹脂など)、熱硬化性樹脂などが例示できる。好ましいブロッキング防止剤は、無機微粉末(シリカなど)、架橋樹脂(架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)など)であり、コア層(C)の一方の面のスキン層(S1)には架橋樹脂(架橋PMMAなど)、他方のスキン層(S2)には無機微粉末(シリカなど)を添加してもよい。
ブロッキング防止剤は、不定形でもよいが、真球状であるのが好ましい。ブロッキング防止剤の平均粒子径は、スキン層の厚みに応じて選択でき、0.1〜7.5μm、好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜4μm程度である。
ブロッキング防止剤の含有量は、特に制限されるものではないが、透明性を維持する観点から、例えば、重量基準で、30000ppm以下(例えば、10〜20000ppm)、好ましくは15000ppm以下(例えば、10〜10000ppm)であり、30〜2000ppm程度であってもよい。
スキン層(S1,S2)の厚みは特に制限されず、例えば、0.3〜5μm、好ましくは0.5〜1.5μm程度であってもよい。
コア層及びスキン層には、酸化防止剤を添加できる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが挙げられ、フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(例えば、日本チバガイギー社、イルガノックス1010)などが例示できる。
基材フィルムは、通常、一軸又は二軸延伸されている。延伸基材フィルムは、慣用のフィルム製造方法、例えば、混合又は混練された樹脂組成物を、1軸又は2軸押出機に供給し、溶融混練してダイ[フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)など]から押出して成形し、得られた未延伸フィルムを、慣用の方法で一軸又は二軸延伸することにより調製できる。二軸延伸は、同時二軸延伸であってもよく、逐次二軸延伸であってもよい。二軸延伸ポリオレフィン系フィルムにおいて、フィルム引取方向(MD方向)の延伸倍率は、例えば、2〜10倍、好ましくは3〜9倍、さらに好ましくは4〜8倍程度である。また、フィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率は、例えば、5〜15倍、好ましくは6〜13倍、さらに好ましくは7〜10倍程度である。また、延伸後、必要に応じて、応力を緩和させるためにヒートセットを行ってもよい。ヒートセット温度は、樹脂の種類などに応じて適宜選択でき、例えば、80〜250℃、好ましくは90〜240℃、さらに好ましくは100〜230℃程度であってもよい。
基材フィルムの表面(片面又は両面)は、表面処理されていてもよく、表面処理されていなくてもよい。基材フィルム(ポリプロピレン系フィルムなど)は、表面処理された一方の面と、表面処理されていない他方の面とを有する場合が多い。例えば、前記ポリプロピレン系積層フィルムにおいて、一方の面に形成されたスキン層(S1)には、通常、表面処理が施される。表面処理としては、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理などが利用でき、コロナ放電処理が好ましい。表面処理により表面張力が36dyne/cm以上(例えば、37〜45dyne/cm)、好ましくは38〜42dyne/cm程度となるのが望ましい。表面処理は、フィルムの延伸処理に先立って行ってもよいが、延伸後に行う場合が多い。
なお、基材フィルム(又は二軸延伸フィルム)の表面(積層フィルムでは、例えば、前記スキン層)には、所望によりアンカー層を用いることなく又はアンカー層を介して、ヒートシール層、ガスバリア層(酸素ガスバリア、水蒸気ガスバリア層など)、帯電防止層、滑性層、防曇層、印刷層などの被覆層を形成してもよい。ガスバリア層は、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)を含む塗布層、例えば、前記ポリビニルアルコール系樹脂と無機層状化合物(モンモリロナイトなど)とを含む塗布層で形成できる。これらの被覆層の厚さは、例えば、0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは1〜3μm程度であってもよい。また、基材フィルムは、熱収縮性であってもよく、非熱収縮性であってもよい。さらに、基材フィルムには、易カット処理が施されていてもよい。本発明では、このような表面特性や基材特性を有する基材フィルムを何ら支障なく使用できる。
特に、ガスバリア性が付与された基材フィルムは、内容物を酸素や湿気などによる腐敗・劣化などから保護するために有効であり、本発明での剥離性能と組み合わせることにより、機能性をさらに高めることができる。また、最近では、ユニバーサルデザインという観点から、易カットフィルムとの組合せによる機能向上や、ヒートシール性を有する基材フィルムと組み合わせることにより、シール性を阻害することなく易剥離性が付与でき、しかも内容物を密封できるという利点を有する。なお、基材フィルムは、二軸延伸ポリプロピレン系フィルム(OPPフィルム)を用いる場合が多いものの、OPPフィルムに限定されるものではない。なお、OPPフィルムでは、通常、帯電防止性や防曇性として機能が付与されている場合が多く、これらの機能を有するフィルムと組み合わせても、前記機能・特性を特に損なうことなく、さらに易剥離性などの機能を向上できる。
基材フィルム(又は二軸延伸フィルム)の厚みは、包装可能な範囲で選択でき、通常、10〜200μm、好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは15〜60μm(例えば、15〜30μm)程度であってもよい。
[被覆層]
基材フィルムの少なくとも一方の面には、多価アルコール脂肪酸エステルで構成された被覆層が形成されている。この被覆層は、基材フィルムの表面のうち表面処理された面に形成してもよく、表面処理されていない面に形成してもよい。好ましい態様では、被包装体への多価アルコール脂肪酸エステルの転移又は剥離(特に、被覆層の転移)性を高めるため、基材フィルムの表面のうち、表面処理されていない面(例えば、前記プロピレン系二軸延伸フィルムでは他方のスキン層(S2)の面)に被覆層が形成されている。
多価アルコール脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが利用できる。これらの脂肪酸エステルは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの脂肪酸エステルのうち、少なくともショ糖脂肪酸エステルで被覆層を形成するのが好ましい。これらの脂肪酸エステルは、食品添加物であり、被包装体に転移したとしても安全性が高い。
多価アルコール脂肪酸エステルは、例えば、プロピレングリコールモノステアリン酸エステルなどのプロピレングリコールC8-24飽和脂肪酸エステルであってもよく、グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリントリステアリン酸エステルなどのグリセリンC8-24飽和脂肪酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどのグリセリンC12-24不飽和脂肪酸エステル、ジグリセリンモノ乃至テトララウリン酸エステル、ジグリセリンモノ乃至テトラステアリン酸エステル、トリグリセリンモノ乃至ヘキサステアリン酸エステルなどのポリグリセリンC8-24飽和脂肪酸エステル又はC12-24不飽和脂肪酸エステルなどが例示できる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンテトラステアレートなどのC8-24飽和脂肪酸エステル、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンテトラオレートなどのC12-24不飽和脂肪酸エステルなどが例示できる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖とC8-24飽和脂肪酸(特にC10-22飽和脂肪酸)とのモノ乃至オクタエステル類、例えば、ショ糖モノ乃至オクタカプリル酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタラウリン酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタパルミチン酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタステアリン酸エステル、ショ糖モノ乃至オクタベヘン酸エステルなど;ショ糖とC12-24不飽和脂肪酸(特にC16-22不飽和脂肪酸)とのモノ乃至オクタエステル類、例えば、ショ糖モノ乃至オクタオレイン酸エステルなどが例示できる。ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖トリステアリン酸エステル、ショ糖テトラステアリン酸エステル、ショ糖ヘキサステアリン酸エステルなどのように、ショ糖モノ乃至ヘキサC10-22飽和脂肪酸エステルであってもよい。
さらに、これらの脂肪酸エステルは、エチレンオキサイドが付加した(ポリ)オキシエチレン脂肪酸エステルであってもよい。エチレンオキサイドの付加モル数は、例えば、1〜5モル程度であってもよい。
これらの脂肪酸エステルは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの脂肪酸エステルのうちショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
これらの多価アルコール脂肪酸エステルは、通常、室温(15〜25℃)において、固体である場合が多い。なお、単一の脂肪酸エステルが室温で液体であっても、他の脂肪酸エステルと組み合わせることにより室温で固体の脂肪酸エステルとして使用できる。また、多価アルコール脂肪酸エステルのHLBは、例えば、1.5〜12、好ましくは1.5〜8、さらに好ましくは1.5〜6程度である。
被覆層は、多価アルコール脂肪酸エステルを主成分としており、多価アルコール脂肪酸エステルと他の成膜成分と組み合わせて構成してもよい。成膜成分としては、安全性の高い成分(生理的に許容可能な成分)、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリエチレングリコール、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル類)などが例示できる。多価アルコール脂肪酸エステルと成膜成分との割合(重量比)は、前者/後者=60/40〜100/0程度の範囲から選択でき、通常、70/30〜100/0、好ましくは80/20〜100/0、さらに好ましくは90/10〜100/0程度である。被覆層は、多価アルコール脂肪酸エステル単独で構成する場合が多い。被覆層の主成分が多価アルコール脂肪酸エステルであるため、離型剤成分のブリードアウトを利用する従来のフィルムと異なり、本発明では確実かつ安定した離型性を付与できる。特に、多価アルコール脂肪酸エステル単独や多価アルコール脂肪酸エステルの濃度が高濃度(例えば、70重量%以上)の場合には、粘稠物(剥離しやすい薄皮を有する被包装体など)に対しても高い離型性を確実に付与できる。
なお、必要であれば、被覆層は、ラウリル硫酸塩(特にラウリル硫酸ナトリウムなどのラウリル硫酸アルカリ金属塩)を含んでいてもよい。
被覆層、特に多価アルコール脂肪酸エステルの塗布量は、粘稠物の種類などに応じて、固形分換算で、2〜100mg/m2、好ましくは2〜70mg/m2、さらに好ましくは2〜50mg/m2程度の範囲から選択できる。多価アルコール脂肪酸エステルの塗布量が2mg/m2未満であると、粘稠物に対する離型性を高めることが困難であり、100mg/m2を越えると、フィルムが白化して内容物の視認性が損なわれる。さらに、塗布量100mg/m2を越えて、基材フィルムの機能層(例えば、ヒートシール層)に多価アルコール脂肪酸エステルを塗布すると、前記機能層の機能(例えば、ヒートシール性)が損なわれる。饅頭などの薄皮を有する粘稠物(被包装体)を包装する場合、多価アルコール脂肪酸エステルの塗布量は、固形分換算で、2〜40mg/m2、好ましくは2〜30mg/m2、さらに好ましくは2〜20mg/m2(例えば、3〜15mg/m2)、程度であり、通常、2〜10mg/m2(例えば、3〜8mg/m2)程度である。このような塗布量では、内容物の視認性を損なうことがないだけでなく、饅頭などの薄皮の剥離を確実に防止しつつフィルムを開封でき、商品価値を高めることができる。
[製造方法]
本発明の包装フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面(特に、表面処理されていない面)に、多価アルコール脂肪酸エステルを含むコーティング剤を塗布し、被覆層を形成することにより製造できる。コーティング剤は、多価アルコール脂肪酸エステル単独で構成されたホットメルトコーティング剤又は液状コーティング剤であってもよいが、通常、多価アルコール脂肪酸エステルと適当な溶媒とを含んでいる。前記溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類やこれらの混合溶媒が例示される。
前記コーティング剤の塗布には、慣用の塗布手段、例えば、スプレー、ロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター、ディップコーターなどが利用できる。また、必要であれば、ホットメルトコーターを用いてもよい。なお、必要であれば、前記コーティング剤は複数回に亘り塗布してもよい。前記コーティング剤を基材フィルムに塗布した後、通常、塗布層を乾燥することにより被覆層を形成できる。
本発明の包装フィルムは、表面が粘着性又は粘性を有する粘稠物(被包装体)を包装するのに有用である。前記粘稠物としては、饅頭類(蒸し饅頭、中華饅頭など)、糖菓などの菓子パン類、おにぎり、カステラ、スライスチーズ、餡類などが例示でき、室温で固形、半固形又は流動物であってもよい。被包装体は、通常、室温で、半固体又は固体食品である。これらの粘稠物のうち、表面が粘着性又は粘性を有する粘稠物、特に表層に薄くて柔らかい被膜(薄皮)が形成される粘稠物、例えば、饅頭類などの包装に好適である。なお、包装の形態は、饅頭類やカステラ、スライスチーズなどのように個装であってもよい。また、包装の一形態として、前記粘稠物(被包装体)の下敷きとしても有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
両面に熱接着性を有するポリプロピレン系共押しフィルム(サン・トックス(株)製HL82 20μm)の非コロナ放電処理面に、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製「リョートーシュガーエステルS−570」)0.2重量%、トルエン99.8重量%のコーティング剤を乾燥重量4mg/m2にグラビアロールで塗布し、熱風で乾燥した。
実施例2
両面に熱接着性を有するポリプロピレン系共押しフィルム(サン・トックス(株)製HL82 20μm)のコロナ放電処理面に実施例1と同様にしてショ糖脂肪酸エステルを塗布した。
実施例3
ポリプロピレン系共押しフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンST6181」25μm)の非コロナ放電処理面に、実施例1と同様にしてショ糖脂肪酸エステルを塗布した。
実施例4
ポリプロピレン系共押しフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンST6181」25μm)のコロナ放電処理面に実施例1と同様にしてショ糖脂肪酸エステルを塗布した。
これらの実施例で得られた包装フィルムの特性とともに、これらの方向フィルムで(i)蒸し饅頭、(ii)おにぎり及び(iii)チーズを包装し、フィルムに対する粘稠物の付着の程度を評価した。なお、多価アルコール脂肪酸エステルの被覆層を粘稠物と接触させて包装フィルムで包装した。
比較例1
実施例1で用いたポリプロピレン系共押しフィルムに多価アルコール脂肪酸エステルを塗布することなく、非コロナ放電処理面を粘稠物と接触させて包装フィルムで包装した。
比較例2
実施例1で用いたポリプロピレン系共押しフィルムに多価アルコール脂肪酸エステルを塗布することなく、コロナ放電処理面を粘稠物と接触させて包装フィルムで包装した。
比較例3
ポリプロピレン系共押しフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンST6181」25μm)に多価アルコール脂肪酸エステルを塗布することなく、非コロナ放電処理面を粘稠物と接触させて包装フィルムで包装した。
比較例4
ポリプロピレン系共押しフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンST6181」25μm)に多価アルコール脂肪酸エステルを塗布することなく、コロナ放電処理面を粘稠物と接触させて包装フィルムで包装した。
試験方法
(1)熱収縮性
実施例1〜4、比較例1〜4のフィルムを、JIS C2318に従い、空気中において120℃で15分間熱処理し、熱収縮率を、MD方向及びTD方向について測定した。
(2)各フィルムの接触角
自動接触計(協和界面科学(株)製)を用い、温度20℃において、フィルム上に蒸留水を滴下し、接液部分の角度θを接触角として測定した。
(3)ぬれ張力
各フィルムのぬれ張力を、JIS K6768に従い、和光純薬工業(株)製のぬれ張力試験用混合液を用いて測定した。
(4)すべり性
各フィルムのすべり性を、JIS K7125に従い、すべり試験機(テスター産業(株)製)を用いて評価した。
(5)粘稠物に対する剥離性
(i)饅頭に対する剥離性を次のようにして評価した。すなわち、成形した饅頭を各フィルムで包装し、蒸し上がり後、包装フィルムを剥がし、饅頭の表層の薄くて柔らかい被膜(薄皮)の付着の程度を目視で観察し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:饅頭の表層の被膜(薄皮)がフィルムに付着することなく、フィルムが円滑に剥離した
△:饅頭と表層の被膜(薄皮)がフィルムに僅か付着した
×:饅頭と表層の被膜(薄皮)がフィルムに付着した
(ii)おにぎりに対する剥離性を次のようにして評価した。すなわち、包装フィルムを100mm×100mmにカットし、フィルム上におにぎりを乗せ、更に100mm×100mmにカットしたフィルムを重ね一定の重量(27.5g/cm2)を掛けた状態で1時間放置し、フィルムに付着した米粒で評価した。
[評価基準]
○:米粒が付着しない
△:米粒が1粒〜5粒未満付着する
×:米粒が5粒以上付着する
(iii)チーズに対する剥離性の評価は、包装フィルムを100mm×100mmにカットし、フィルム上にスライスしたチーズを乗せ、更に100mm×100mmにカットしたフィルムを重ね一定の重量(13.5g/cm2)を掛けた状態で1時間と24時間放置し、剥離性を目視で評価をした。
[評価基準]
○:粘稠物とフィルムが円滑に剥離する
△:粘稠物がフィルムに僅か付着する
×:粘稠物がフィルムに付着する
結果を表に示す。
Figure 2006111300
表1から明らかなように、比較例に比べ、実施例では粘稠物に対して高い剥離性を示した。

Claims (7)

  1. 表面が粘着性又は粘性を有する粘稠物を包装するためのフィルムであって、基材フィルムの少なくとも一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルで構成された被覆層が形成されている粘稠物用包装フィルム。
  2. 基材フィルムの表面のうち表面処理されていない面に、被覆層が形成されている請求項1記載の包装フィルム。
  3. 多価アルコール脂肪酸エステルが、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種である請求項1記載の包装フィルム。
  4. 被覆層が多価アルコール脂肪酸エステル単独で構成されており、多価アルコール脂肪酸エステルの塗布量が2〜100mg/m2である請求項1記載の包装フィルム。
  5. 基材フィルムが、表面処理された一方の面と、表面処理されていない他方の面とを有するポリプロピレン系二軸延伸フィルムで構成されており、この基材フィルムの他方の面に塗布量が2〜40mg/m2であるショ糖脂肪酸エステルの被覆層が形成されている請求項1記載の包装フィルム。
  6. 粘稠物としての饅頭と接触する面に多価アルコール脂肪酸エステルで構成された被覆層が形成されている請求項1記載の包装フィルム。
  7. 表面が粘着性又は粘性を有する粘稠物を包装するためのフィルムの製造方法であって、基材フィルムの少なくとも一方の面に、多価アルコール脂肪酸エステルを含むコーティング剤を塗布し、被覆層を形成する粘稠物用包装フィルムの製造方法。
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