JP2021020366A - 積層体及び包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペースト状内容物に対して、高い滑落性能及び残存防止性能を有する包装材料を作製することができる積層体の提供。【解決手段】本発明の積層体は、基材と、ヒートシール層とを備え、ヒートシール層が、基材が設けられた面とは反対の面に、滑落層を備え、滑落層が、界面活性剤及び油系材料の少なくとも一方を含み、界面活性剤及び前記油系材料の粘度が、30〜700mPa・sであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体及びこれを備える包装材料に関する。
食品、飲料、医薬品、及び化学品等の多くの商品分野では、それぞれの内容物に応じた包装材料が開発されている。特に、液体や半固体、ゲル状物質等の粘性体を有する内容物の包装材料としては、耐水性、耐油性、ガスバリア性、軽量、フレキシブル、及び意匠性等に優れるプラスチック材料が用いられ、包装材料に求められる内容物の保護に対して機能している。
包装材料の機能の一つとして、内容物の包装材料内面への付着抑制、すなわち包装材料内部に内容物を残存させることなく、速やかに排出させることができる高い滑落性能及び残存防止性能を有することが求められている。使い切ることができず、包装体内に残存した内容物は、包装体と共に破棄されるが、この内容物の廃棄は環境面から問題視されている。このような問題は、包装材料に充填される内容物が、含水内容物である場合に特に問題となる。
例えば、特許文献1(特開2005−306415号公報)においては、歯磨き粉等の内容物が包装材料内に残存することを防止するため、包装材料に使用する樹脂の種類及びその形状に特徴のある包装材料が提案されている。
しかしながら、包装体に対する内容物の身離れ性は内容物と接する最内層の樹脂特性に大きく影響するため、特許文献1において提案される包装材料の様に形状の変更のみでは、十分な残存防止効果を得ることは難しい。
特開2005−306415号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペースト状内容物に対して、高い滑落性能及び残存防止性能を有する包装材料を作製することができる積層体を提供することである。また、該積層体を備える包装材料を提供することをその目的とする。
本発明の積層体は、基材と、ヒートシール層とを備え、
ヒートシール層が、基材が設けられた面とは反対の面に、滑落層を備え、
滑落層が、界面活性剤及び油系材料の少なくとも一方を含み、
界面活性剤及び前記油系材料の粘度が、30〜700mPa・sであることを特徴とする。
一実施形態において、積層体は、界面活性剤のHLB値が16未満である。
一実施形態において、積層体は、滑落層が界面活性剤を含み、界面活性剤がノニオン界面活性剤である。
一実施形態において、積層体は、ノニオン界面活性剤が、アルキルエーテル系界面活性剤、アルキルアミノエーテル系界面活性剤、脂肪酸エーテルエステル系界面活性剤、植物油エーテルエステル系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、脂肪酸アミド系界面活性剤及びグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤である。
一実施形態において、積層体は、滑落層が油系材料を含み、油系材料が、植物油、動物油及び潤滑油から選択される少なくとも1種の油系材料である。
一実施形態において、積層体は、ヒートシール層が、ポリオレフィン及び非晶性ポリエステルから選択される少なくとも1種の樹脂材料により構成されている。
一実施形態において、積層体は、落層の膜厚が0.1μm以上10μm以下である。
本発明の包装材料は、上記積層体を備え、ヒートシール層が備える滑落層が、内面を構成することを特徴とする。
本発明の積層体によれば、ペースト状内容物に対して高い滑落性能及び残存防止性能を発揮し、内容物を速やかに排出させることができると共に、内部への内容物の残存を防止することができる、包装材料を作製することができる。
本発明の積層体の一実施形態を示した模式断面図である。
<積層体>
本発明の積層体10は、図1に示すように、基材11と、ヒートシール層12とを備え、ヒートシール層12が、基材11が設けられた面とは反対の面に、滑落層13を備えることを特徴とする。
<基材>
上記積層体を構成する基材は、少なくとも1種の樹脂材料を含む。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂及びこれらの塩素化樹脂等が挙げられる。これらの中でも、基材の強度の観点から、ポリオレフィン、ポリエステル及びポリアミドが好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、並びにナイロン6及びナイロン6,6がより好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタアクリル」の両方を包含することを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクレート」と「メタアクレート」の両方を包含することを意味する。
基材は、その特性が損なわれない範囲において、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を含んでいてもよい。
本発明において、上記基材は、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて単層、又は多層製膜したものを用いることができる。
樹脂フィルム等との接着性を向上させるために、基材の表面には、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、又はフレーム処理等の表面活性化処理が行われていることが好ましい。
基材は、表面に画像が形成されていてもよい。形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号及びこれらの組み合わせ等が表される。
基材への画像形成に使用することのできるインキは、特に限定されるものではなく、従来公知のインキを使用することができる。また、環境負荷低減という観点からは、バイオマス由来のインキが好ましい。
画像の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の従来公知の印刷法を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷の観点から、フレキソ印刷法が好ましい。
また、基材の膜厚は、包装用途に応じて、当業者が適宜に決定することができるが、好ましくは5μm以上200μm以下であり、より好ましくは10μm以上150μm以下である。
<ヒートシール層>
ヒートシール層は、樹脂材料により構成される。樹脂材料としては、熱により融着しうる樹脂であれば特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE、密度0.9g/cm〜0.93g/cm)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.9g/cm〜0.93g/cm)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度0.931g/cm〜0.941g/cm)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度0.942g/cm〜)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体樹脂、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体樹脂、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)樹脂、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、又は、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン又は環状オレフィンコポリマー等のポリオレフィン、ポリオレフィンをアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂等が挙げられる。これらは単独でも2種以上の混合物としてもよい。これらの中でも、ヒートシール性という観点からは、LDPE及びLLDPEが好ましい。
ポリエチレンを用いる場合は、環境負荷を低減できる観点から、化石燃料由来のポリエチレン樹脂に代えて、バイオマス由来のポリエチレン樹脂を用いてもよい。
さらに、ヒートシール層を構成する樹脂材料としては、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性ポリエステルが挙げられる。非晶性ポリエステルとしては、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)が代表例として挙げられる。このような非晶性PETとしては、テレフタル酸とエチレングリコールとを主成分とし、これに、共重合成分としてテレフタル酸以外の多価カルボン酸及び/又はエチレングリコール以外の多価アルコールを、非晶性を示し且つガラス転移点が70〜90℃となるように添加し、共重合して得られる変性PETが用いられる。
なお、非晶性とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて−100℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温した際に、融解ピークを持たないことを意味する。
また、ガラス転移点は、JIS K7121:2012に準拠して測定される。
共重合成分として添加される多価カルボン酸としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸(不飽和脂肪酸の二量体又はその水素添加物を主体とするもの)、ジフェニルカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
また、共重合成分として添加される多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
非晶性PETの具体例としては、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコール、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノール、テレフタル酸とイソフタル酸とプロピレングリコール等による組み合わせの共縮合重合体からなるPETが挙げられる。
非晶性ポリエステルは、ガラス転移点が70〜90℃となるように調製された共重合ポリエステルを用いる。この調製は、原料として使用する多価カルボン酸及び多価アルコールの化学構造等に応じて、これらの混合比や重合度等を変化させることにより、当業者が適宜に行うことができる。ガラス転移点が70〜90℃である非晶性ポリエステルを用いることにより、ヒートシールによって、優れたシール強度及びヒートシール性が発揮される。
上記の要件を満たす、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性ポリエステルは商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、バイロン(登録商標)(東洋紡(株)製)、Eastar PETG(EASTMAN CHEMICAL(株)製)等が挙げられる。
ヒートシール層は、その特性が損なわれない範囲において、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を含んでいてもよい。
ヒートシールの膜厚は、包装用途に応じて、当業者が適宜に決定することができるが、好ましくは5μm以上200μm以下であり、より好ましくは10μm以上150μm以下であり、更に好ましくは15μm以上100μm以下である。
本発明において、上記ヒートシール層は、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて単層、又は多層製膜したものを用いることができる。
ヒートシール層は、基材が設けられた面とは反対の面に、滑落層を備える。本発明の積層体を用いて包装材料を作製したとき、この滑落層が、包装材料の内面に位置することにより、高い滑落性能及び残存防止性能を発揮する。
滑落層は、界面活性剤及び油系材料の少なくとも一方を含み、界面活性剤及び油系材料の粘度は、30〜700mPa・sである。これにより、高い滑落性能及び残存防止性能を発揮する。界面活性剤及び油系材料の粘度は、35〜400mPa・sであることが好ましく、40〜200mPa・sであることがより好ましい。これにより、滑落性能及び残存防止性能をより向上することができる。本発明において、界面活性剤及び油系材料の粘度は、90℃において測定したものである。粘度の測定は、例えば、B型回転式粘度計等の回転式粘度測定器により測定することができる。
滑落層における界面活性剤及び油系材料の少なくとも一方の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
滑落性能及び残存防止性能という観点からは、界面活性剤のHLBは、16未満であることが好ましく、14以下であることがより好ましく、10以下であることが更に好ましい。
なお、界面活性剤のHLBは、グリフィン法(即ち、HLB=20×親水部の式量の総和/分子量)により算出することができる。
内容物が、食品であったり、歯磨き粉であったりする場合、安全性の観点から、界面活性剤はノニオン界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、アルキルエーテル系界面活性剤、アルキルアミノエーテル系界面活性剤、脂肪酸エーテルエステル系界面活性剤、植物油エーテルエステル系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、脂肪酸アミド系界面活性剤及びグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。
アルキルエーテル系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等が挙げられる。
アルキルアミノエーテル系界面活性剤としては、例えば、(ポリオキシエチレン)ラウリルアミノエーテル乳酸塩、ステアリルアミノエーテル乳酸塩、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルメチルアミノエーテルジメチルホスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルエチルアンモニウムエトサルフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルメチルアンモニウムジメチルホスフェート等が挙げられる。
脂肪酸エーテルエステル系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテルエステル等が挙げられる。
植物油エーテルエステル系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
脂肪酸アミド系界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、コマミドDEA、等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
滑落層は、油系材料を含んでいてもよく、好ましくは、植物油、動物油、及び鉱物油や合成油等の潤滑油
植物油としては、例えば、菜種油、桐油、亜麻仁油、ショートニング、コーン油、大豆油、胡麻油、ひまわり油、米油、椿油、ヤシ油、パーム油、クルミ油、オリーブ油、アーモンドオイル、カカオバター、シアバター、ニーム油、ベニバナ油、木蝋、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ヒマシ油及びサラダ油等が挙げられる。
動物油としては、例えば、ラード、牛脂、魚油、馬油、らに凜、バター、スクワラン及び蜜蝋等が挙げられる。
鉱物油としては、例えば、シリコーンオイル、ナフサ、軽油、灯油、重油、パラフィン、流動パラフィン、セレシン及び琥珀油等が挙げられる。
合成油としては、例えば、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン及び合成ナフタレン油等が挙げられる。
滑落層の膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上2μm以下であることが更に好ましい。滑落層の膜厚を上記数値範囲内とすることにより、滑落性能及び残存防止性能をより向上することができる。
滑落層は、上記界面活性剤及び油系材料を、必要に応じて適宜溶媒に溶解又は分散させ、これをヒートシール層表面に塗布、乾燥することにより形成することができる。
<包装材料>
本発明の包装材料は、上記積層体を備え、ヒートシール層が備える滑落層がその内面を構成することを特徴とする。このような構成の包装材料によれば、ペースト状内容物の滑落性及び残存防止性能を顕著に改善することができる。本発明の包装材料は、上記積層体を用いて、従来公知の方法で作製することができる。
具体的に包装材料としては、包装用袋(例えば、ピロー袋、スタンディングパウチ、4方パウチ)、蓋材や包装容器等が挙げられる。
<内容物>
本発明の包装材料に好適に充填される内容物は、高粘性や固体形状のペースト状内容物である。ペースト状内容物としては、例えば、マヨネーズ、レトルトカレー、ジャム等が挙げられる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
LLDPE((株)プライムポリマー製、商品名:UZ−2021)を、インフレーション法により押出製膜(押出温度:180℃)し、厚さ50μmのLLDPEフィルムを作製した。
続いて、厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:エスペットT4102)を準備して、PETフィルム上に、乾燥後の塗布量3.5g/mとなるように接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:RU004/H‐1、希釈溶媒:酢酸エチル)を塗布し、乾燥させ、接着層を形成した。接着層上に、上記LLDPEフィルムを積層し、積層フィルムを得た。
続いて、上記のようにして作製した積層フィルムを5cm×15cmの短冊状にカットし、短冊状の積層フィルムを得た。
続いて、粘度が20mPa・sとなるように、イソプロピルアルコールを用いてノニオン系界面活性剤(理研ビタミン(株)製、ポエムJ−0021、デカグリセリンステアレート(グリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤)、HLB=15.5、粘度=100mPa・s、液状)を希釈した。積層フィルムのLLDPEフィルム上に希釈した液体を、ワイヤーバーを用いて薄く塗布した。塗布された液体を自然乾燥し、厚さ1.0μmの滑落層を形成して積層体を作製した。
実施例2
粘度が45mPa・sの植物油(日清オイリオ(株)製、商品名:日清サラダ油)を用いて滑落層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例3
LLDPEフィルムを、厚さ20μmの非晶性PETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:バイロンSI‐173、ガラス転移点:78℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例4
LLDPEフィルムを、厚さ20の非晶性PETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:バイロンSI‐173、ガラス転移点:78℃)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして積層体を作製した。
比較例1
滑落層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
比較例2
粘度が100000mPa・s以上のシリコングリース(東レ・ダウコーティング(株)製、商品名:HVG高真空用グリース、)を用いて滑落層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
比較例3
滑落層を形成しなかったこと以外は、実施例3と同様にして積層体を作製した。
比較例4
LLDPEフィルムを、厚さ20μmの非晶性PETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:バイロンSI‐173、ガラス転移点:78℃)に変更したこと以外は、比較例2と同様にして積層体を作製した。
<<滑落性能・残存防止性能試験>>
実施例及び比較例により得られた積層体を、以下の方法により滑落性能及び内容物残存防止性能を評価した。
まず、積層体の滑落層を備える面とは反対の面を段ボールに張り付けた。続いて、積層体の長手方向の一方の端部に、ペースト状のマヨネーズ(キューピー(株)製、商品名:キューピーハーフ)を5g乗せ、該端部が上側になるよう70°に傾け、この状態で2分間静置した。更に、80°に傾けた場合においても同等にして評価を行った。
静置後、マヨネーズの積層体への付着状態を目視により観察し、下記評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1にまとめた。
(滑落性能の評価基準)
A:積層体の下部まで滑落していた。
B:積層体の中間部まで滑落していた。
C:積層体の上部で留まり、滑落していなかった。
(内容物残存防止性能の評価基準)
A:積層体上に残留物がほとんど生じていなかった。
B:積層体上に残留物が多少生じていた。
C:積層体上に残留物が多く生じていた。
10:積層体
11:基材
12:ヒートシール層
13:滑落層

Claims (8)

  1. 基材と、ヒートシール層とを備え、
    前記ヒートシール層が、前記基材が設けられた面とは反対の面に、滑落層を備え、
    前記滑落層が、界面活性剤及び油系材料の少なくとも一方を含み、
    前記界面活性剤及び前記油系材料の粘度が、30〜700mPa・sであることを特徴とする、積層体。
  2. 前記界面活性剤のHLB値が16未満である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記滑落層が前記界面活性剤を含み、
    前記界面活性剤がノニオン界面活性剤である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記ノニオン界面活性剤が、アルキルエーテル系界面活性剤、アルキルアミノエーテル系界面活性剤、脂肪酸エーテルエステル系界面活性剤、植物油エーテルエステル系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、脂肪酸アミド系界面活性剤及びグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤である、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記滑落層が、前記油系材料を含み、
    前記油系材料が、植物油、動物油及び潤滑油から選択される少なくとも1種の油系材料である、請求項1に記載の積層体。
  6. 前記ヒートシール層が、ポリオレフィン及び非晶性ポリエステルから選択される少なくとも1種の樹脂材料により構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記滑落層の膜厚が0.1μm以上10μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体を備え、
    前記ヒートシール層が備える滑落層が、内面を構成することを特徴とする、包装材料。
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