JP3585604B2 - プロピレン共重合体フィルム - Google Patents

プロピレン共重合体フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン共重合体フィルムに関するものであり、更に詳しくは、各種基材と貼合して使用する場合に貼合後の滑り安定性が良好であり、かつ透明性、ヒートシール性の優れたプロピレン共重合体フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無延伸ポリプロピレン系フィルムは透明性、耐熱性、防湿性、機械適性、光沢等が良好であり、単層あるいは各種基材と貼合して多層フィルムとして包装分野で広く利用されている。
これら無延伸ポリプロピレン系フィルムに要求される特性としては、第1にヒートシール安定性(低温ヒートシール性)が挙げられる。近年の包装機の高速化に伴い、ヒートシール安定性は特に重要な課題となっている。例えば、包装フィルムが2軸延伸ポリプロピレン/無延伸ポリプロピレンの構成の場合には、基材とシーラント層の融点差が小さいために高速化を行う際にヒートシール温度を高めることが困難であり、非常に狭い温度レンジの中でシール温度管理を行う必要がある。
第2の要求特性としては、滑り安定性が挙げられる。滑り安定性とは、印刷後あるいは貼合後の滑り性が良好であることは勿論のこと、夏場の高温下で保管された場合にも滑り性が低下しにくいことが必要である。
フィルムの滑り性が不十分の場合には、製袋・充填工程での加工速度を著しく低下させるため好ましくない。また、袋の開口不良等の問題が発生する場合があり、作業性を大幅に低下させる場合がある。当然、季節的な滑り性の変動は、なるべく少なくすることが重要である。
【0003】
従来から、無延伸ポリプロピレン系フィルムに滑り性を付与する方法としては、シリカ、タルク等の無機化合物よりなるブロッキング防止剤を添加する方法が知られている。しかしながら、これらのブロッキング防止剤は耐ブロッキング性の面ではある程度の効果を発揮するが、近年の高度な要求を満足できるものではない。すなわち、耐ブロッキング性を高めるためにブロッキング防止剤の添加量を高めると、透明性が悪化するという問題が生じる。また、ブロッキング防止剤単独ではフィルムの滑り性が不足しており、高速化した最近の包装機にはほとんど対応できないという問題点もある。したがって、無延伸ポリプロピレン系フィルムについては、脂肪酸アミド系スリップ剤とブロッキング防止剤とを併用して、脂肪酸アミド系スリップ剤をフィルム表面にブリードアウトさせるといった方法で滑り性を改良している場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、無延伸ポリプロピレンフィルムは、接着剤層を介して他の基材フィルムと積層された場合(いわゆるラミネートフィルム)、高温下の保管により滑り性が大きく低下することが知られている。したがって、夏場の保管には非常に注意を払う必要性があり、その改善が強く望まれている。そこで本発明の目的は、低温シール性に優れ、包装機械適性が良く、季節的な滑り性の変動の少ない、かつ、透明性のよいプロピレン共重合体フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み、鋭意研究の結果、本発明者らは特定のプロピレン共重合体に特定のブロッキング防止剤と特定の脂肪酸アミド系スリップ剤を定量配合した組成物を多層共押出法により製膜したフィルムとして用いることにより上記の欠点が解決されることを見出し、本発明に想到した。すなわち、本発明のプロピレン共重合体フィルムは、下記(1)〜(3)の発明を含むものである。
(1)全体厚みの10%以上の厚みを有するシール層と、全体厚みの90%未満の厚みを有する支持層にて構成され、
また、次に挙げる樹脂成分、すなわち、
(A)DSC法による融解ピーク温度が 140℃以下のエチレン含量 3〜 8重量%のプロピレンーエチレンランダム共重合体および/またはエチレン含量 0.5〜 5重量%かつブテンー1含量 3〜25重量%のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体からなるプロピレンーαオレフィン共重合体樹脂 100重量部。
(B)DSC法による融解ピーク温度が 150℃以下のエチレン含量 2〜 8重量%のプロピレンーエチレンランダム共重合体および/またはエチレン含量 0.5〜 5重量%かつブテンー1含量 3〜25重量%のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体からなるプロピレンーαオレフィン共重合体樹脂 100重量部。
(C)シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される平均粒径 0.5〜 8μmの真球状微粒子であり、
微粒子粉末の断面積mmをM、微粒子粉末の断面の最長径mmをNmax とした時、
f={M/(π/4 )}0.5 /Nmax
で表される真球度fが0.8 以上のブロッキング防止剤0.01〜1 重量部。
(D)エルカ酸アミドとベヘニン酸アミドの混合物であり、その混合比率(エルカ酸アミドの重量/ベヘニン酸アミドの重量)が0.2 〜5 である脂肪酸アミド系スリップ剤0.01〜 0.2重量部。
を、前記シール層の形成材料は少なくとも上記(A)、(C)および (D)成分から構成され、かつ支持層の形成材料は少なくとも上記(B)および(D)成分から構成されることを特徴とするプロピレン共重合体フィルム。
(2)(A)のDSC法による融解ピーク温度℃をTとし、、(B)のDSC法による融解ピーク温度℃をTとした時に、
ΔT=T−T
で表される融解ピーク温度差ΔTの値が、− 5℃以上、15℃未満であることを特徴とする(1)記載のプロピレン共重合体フィルム。
(3)前記支持層側の表面にコロナ放電処理が施された後、接着剤層を介して基材フィルムと積層されてなることを特徴とする(1)または(2)記載のプロピレン共重合体フィルム。
【0006】
【発明の実施の態様】
図1は、本発明のプロピレン共重合体フィルムを用いた1実施例を示す積層フィルムの断面図である。
本発明のプロピレン共重合体フィルムが貼合されて用いられる場合の基材5としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのプラスチックの延伸又は未延伸フィルム、あるいは、これらのフィルムに塩化ビニリデンをコートしたフィルム、又はこれらのフィルムにアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの極微薄膜を蒸着したフィルム、紙、アルミニウム箔と上記プラスチックフィルムとを2種以上貼合したものが使用できる。
また、これらの基材フィルムの積層面に、接着を強化安定するためのコロナ放電処理、火炎処理等を施すこともできる。
本発明において、シール層1の形成材料として用いるプロピレン共重合体としては、DSC法による融解ピーク温度が 140℃以下のエチレン含量 3〜 8重量%のプロピレンーエチレンランダム共重合体および/またはエチレン含量0.5 〜5 重量%かつブテンー1含量3 〜25重量%のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体からなるプロピレンーαーオレフィン共重合体樹脂が低温ヒートシール性の面から好ましい。なお、該温度が 140℃を越えるものは、低温シール性が不良であり、高速包装適性が不足する。(前記DSC法は、JIS K7121 プラスチックの転移温度測定方法に準拠した方法である。以下、同じ)
また、支持層2の形成材料として用いるプロピレン共重合体樹脂としては、DSC法による融解ピーク温度が 145℃以下のエチレン含量 2〜 8重量%のプロピレンーエチレンランダム共重合体および/またはエチレン含量 0.5〜 5重量%かつブテンー1含量 3〜25重量%のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体からなるプロピレンーαーオレフィン共重合体樹脂が望ましい。
【0007】
ここで、シール層に用いるプロピレンーαーオレフィン共重合体樹脂のDSC法における融解ピーク温度(T℃)と、支持層に用いるプロピレンーαーオレフィン共重合体樹脂の融解ピーク温度(T℃)との差(T−T)の値ΔT℃では、− 5℃以上、15℃未満であることが好ましく、特に好ましくは、−2 ℃以上、10℃未満である。ここでΔT℃の値が15℃を越える場合には、シール層のみが溶融し、支持層が溶融しない状態でヒートシールされる場合があり、ヒートシール強度が不安定になる場合があり好ましくない。また、ΔT℃の値が− 5℃未満の場合には、低温シール性を考慮して支持層とシール層の形成材料を入れ換えた方が好ましく、現実的でない。
【0008】
シール層の形成材料中に添加されるブロッキング防止剤としては、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される平均粒径0.5 ミクロン〜 8ミクロンの真球状微粒子3が好ましい。ここで、ブロッキング防止剤の形状としては、下記式(a)で表される真球度fの値が0.80以上のもの、好ましくは、0.85以上のものが好ましい。なお、支持層の形成材料中にはこれらブロッキング防止剤を添加する必要はない。これは、これらブロッキング防止剤を添加してもコスト高になり、また透明性も低下するためである。
f={M/(π/4 )}0.5 /Nmax
(Mは微粒子粉末の断面積mm、Nmax は同断面の最長径mm)
シール層の形成材料に、ブロッキング防止剤として前記有機系微粒子を用いることで、下記の効果が期待できる。
▲1▼粒子表面が疎水性のため、ポリプロピレン中での分散性が高く、フィッシュアイの発生が少ない。
▲2▼屈折率がポリプロピレンに近いため、透明性を阻害しにくい。
▲3▼無機系のブロッキング防止剤よりも柔らかい素材であるため、フィルム表面にコスレ傷が付きにくく、加工による透明性低下が少ない。
【0009】
これら、ブロッキング防止剤としては、例えば、シリコーン樹脂真球体「トスパール」(東芝シリコーン株式会社製 商品名)、シリコーン樹脂真球体「トレフィル」(トーレ・シリコーン株式会社製 商品名)、ポリスチレン樹脂真球体、ポリメタクリル酸メチル樹脂真球体「ファインパウダー」(綜研化学株式会社製 商品名)、ポリスチレン樹脂真球体、ポリメタクリル酸メチル樹脂真球体「テクポリマー」(積水化成品工業株式会社製 商品名)等のなかから粒径および樹脂系を選択して用いることができる。
【0010】
また、シール層1の形成材料中への添加割合は、前述のプロピレンーαーオレフィン共重合体 100重量部に対してこれらブロッキング防止剤を0.01〜 1重量部、好ましくは0.03〜 0.5重量部である。ブロッキング防止剤の配合量が0.01重量部より少ないと後述の脂肪酸アミド系スリップ剤単独での滑り安定性しか得られず好ましくない。また配合量が 1重量部を越えると、透明性が低下するばかりでなくコスト高になり好ましくない。当然、これら有機系のブロッキング防止剤の他に、従来公知の無機系ブロッキング防止剤、例えばシリカ、タルク、ゼオライト、珪藻土等の併用も可能である。
シール層1に前述のブロッキング防止剤を添加しただけでは、滑り性の付与が十分でないため、本発明ではシール層1および支持層2の形成材料中に添加される脂肪酸アミド系スリップ剤としては、炭素数22のエルカ酸アミドとベヘニン酸アミドの混合物を用いることが必須である。
【0011】
ここで、高温下での保管により滑り性が大きく低下する原因としては、以下のように考えられる。脂肪酸アミド系スリップ剤は、極性の強いアミド基と長鎖のアルキル基を有し、フィルム表面にブリードアウトした際に水素結合により会合して結晶化することで滑り性を発現するものである。しかしながら、高温下で保管された場合には、脂肪酸アミドの分子運動が激しくなるため、結晶構造が破壊され、極性の大きい層(接着剤層)に移行してしまう。
不飽和脂肪酸アミドであるエルカ酸アミドは、ベヘニン酸アミドに比較するとブリードアウトの速度が速く、即効性の高いスリップ剤である。しかし、結晶性が低い点(融点が低い)およびベヘニン酸アミドに比較して極性が大きいことより、フィルムに形成される印刷インキ層または接着剤層の影響を受けやすいという欠点を有する。また、飽和脂肪酸アミドであるベヘニン酸アミドは、エルカ酸アミドに比較してブリードアウトの速度が遅く遅効性であるが、結晶性が高い点(融点が高い)およびエルカ酸アミドよりも極性が小さく、フィルムに形成される印刷インキ層または接着剤層4の影響を受けにくいという特徴を有する。
【0012】
本発明では、上述のようにエルカ酸アミドとベヘニン酸アミドの混合物をスリップ剤として用いることで、安定したブリード速度および耐印刷インキ適性および耐接着剤適性を向上せしめる。また、その混合比率(エルカ酸アミドの重量/ベヘニン酸アミドの重量)は0.2 〜5 の範囲内が好ましい。混合比率が0.2 以下である場合には、ベヘニン酸アミド主体となり初期の滑り性が不足する場合があり好ましくない。また、混合比率が5 を越えると、エルカ酸アミド主体となり、耐印刷インキ適性および耐接着剤適性が低下するため、高温下の滑り安定性が低下して好ましくない。
好ましい比率としては、0.2 〜 5の範囲である。また、これら脂肪酸アミド系スリップ剤の好ましい添加濃度としては、シール層および支持層を形成するプロピレンーαーオレフィン共重合体樹脂 100重量部に対して0.01〜 0.2重量部である。脂肪酸アミド系スリップ剤の添加割合が0.01重量部以下の場合には、目的とする滑り性が得られない場合があり、また 0.2重量部を越えてもブリードアウトしたスリップ剤による透明性の低下および印刷またはドライラミの際に加工機のロール上にスリップ剤が蓄積して、フィルムを汚染する可能性が高くなるため好ましくない。
【0013】
これらの脂肪酸アミド系スリップ剤と、前述の有機系真球状微粒子よりなるブロッキング防止剤とを併用することによる相乗効果は大きなものがあるが、その機構については明らかではない。しかし、通常のブロッキング防止剤の表面が親水性であるのに対して、有機真球状微粒子の表面が疎水性である点が大きく関与していると推定される。
すなわち、フィルム表面に親水性のブロッキング防止剤がある場合、高温下での保管により脂肪酸アミドの分子運動が激しくなった際には、ブロッキング防止剤の影響を受け(脂肪酸アミドのアミド基がブロッキング防止剤に引き寄せられる)、結晶性が阻害されることは容易に想像できる。しかし、フィルム表面のブロッキング防止剤表面が疎水性である場合には、脂肪酸アミドの分子運動が激しくなっても、ブロッキング防止剤に引き寄せられることもなく、結晶性の阻害も起こりにくいと考えられる(シール層と接着剤の影響のみとなる).
【0014】
[実施例1]
下記の樹脂構成にて、2層共押出フィルムをTダイキャスト法にて製膜し、支持層側に常法によりコロナ放電処理を施した。
(1)シール層: 5μm
▲1▼エチレン含量 2%、ブテンー1含量 7.5%、融解ピーク温度 138℃のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体100 重量部。
▲2▼平均粒径 5μmのシリコーン樹脂真球状微粒子よりなるブロッキング防止剤0.15重量部。
▲3▼エルカ酸アミド 0.04重量部。
▲4▼ベヘニン酸アミド 0.08重量部。
▲5▼平均粒径 5μmのシリカ0.15重量部。
(2)支持層:20μm
▲1▼エチレン含量 2%、融解ピーク温度 152℃のプロピレンーエチレンランダム共重合体100 重量部。
▲2▼エルカ酸アミド 0.06重量部。
▲4▼ベヘニン酸アミド 0.04重量部。
▲5▼平均粒径 5μmのシリカ0.20重量部。
基材層フィルムとして、20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、ウレタン系の2液反応型接着剤を塗布した後、先に得られた2軸共押出フィルムのコロナ放電処理面とのドライラミネートを行い、37℃の雰囲気下で24時間エージングを行った。
[実施例2]
実施例1と同様に、下記樹脂組成よりなる2層共押出フィルムをTダイキャスト法にて製膜し、支持層側に常法によりコロナ放電処理を施し、基材フィルムとドライラミネートを行った。
(1)シール層: 5μm
▲1▼実施例1のシール層に用いたプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体100 重量部。
▲2▼平均粒径 5μmのシリコーン樹脂真球状微粒子よりなるブロッキング防止剤0.15重量部。
▲3▼エルカ酸アミド 0.04重量部。
▲4▼ベヘニン酸アミド 0.08重量部。
▲5▼平均粒径 5μmのシリカ0.15重量部。
(2)支持層:20μm
▲1▼実施例1のシール層に用いたプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体100 重量部。
▲2▼エルカ酸アミド 0.06重量部。
▲4▼ベヘニン酸アミド 0.04重量部。
▲5▼平均粒径 5μmのシリカ0.20重量部。
[比較例1]
実施例1と同様に、下記樹脂組成よりなる2層共押出フィルムをTダイキャスト法にて製膜し、支持層側に常法によりコロナ放電処理を施し、基材フィルムとドライラミネートを行った。
(1)シール層: 5μm
▲1▼実施例1に用いたプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体10 0 重量部。
▲2▼エルカ酸アミド 0.04重量部。
▲3▼ベヘニン酸アミド 0.08重量部。
▲4▼平均粒径 5μmのシリカ0.30重量部。
(2)支持層:20μm
▲1▼エチレン含量2 %、ブテンー1含量7.5 %のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム 共重合体100 重量部。
▲2▼エルカ酸アミド 0.06重量部。
▲3▼ベヘニン酸アミド 0.04重量部。
▲4▼平均粒径 5μmのシリカ0.20重量部。
[比較例2]
実施例1と同様に、下記樹脂組成よりなる2層共押出フィルムをTダイキャスト法にて製膜し、支持層側に常法によりコロナ放電処理を施し、基材フィルムとドライラミネートを行った。
(1)シール層: 5μm
▲1▼実施例1に用いたプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体10 0 重量部。
▲2▼平均粒径 5μmのシリコーン樹脂真球状微粒子よりなるブロッキング防止剤0.15重量部。
▲3▼エルカ酸アミド 0.04重量部。
▲4▼ベヘニン酸アミド 0.08重量部。
▲5▼平均粒径 5μmのシリカ0.15重量部。
(2)支持層:20μm
▲1▼エチレン含量0.5 %、融解ピーク温度160 ℃のプロピレンーエチレンランダム共重合体 100重量部。
▲2▼エルカ酸アミド 0.06重量部。
▲3▼ベヘニン酸アミド 0.04重量部。
▲4▼平均粒径 5μmのシリカ0.20重量部。
【0015】
上記実施例1、2および比較例1、2で得られたフィルムおよびラミネート後のフィルムを下記の評価方法にて評価した。
<評価方法>
(1)透明性:ASTM−D1003に準拠してフィルム1枚を測定。
(2)滑り性:ドライラミネート前のフィルム、37℃で 2日間エージングしたフィルム、エージング後さらに37℃で7 日間保存したフィルム、エージング後さらに45℃で3 日間保存したフィルムについて、シール層側同士の滑り性をASTM−D1894の静摩擦係数測定法に準拠して測定した。
(3)融解ピーク温度:セイコー電子社製DSCを用い、 200℃にて 5分間保持した後、10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度で評価。
(4)ヒートシール性:15mm×300mm のヒートシールバーを用い、各設定温度(120℃〜 160℃) において、ヒートシール圧力1Kg/cm、ヒートシール時間 1秒の条件でヒートシールし、15mm巾のサンプルを切り取り、テンシロン引張試験機を使用して引張速度300mm/分で引き剥がし、その最大荷重にて評価。
(5)ピロー密封性:下記手順に従い、実施した。
▲1▼背シール部分は温度 150℃、ヒートシール圧力1Kg/cm、ヒートシール時間 1秒の条件でヒートシールした。
▲2▼ボトムシール部分を各温度( 140℃〜 160℃) においてヒートシール圧力 1Kg/cmm、ヒートシール時間 1秒の条件でヒートシールし、袋体を作製した。但し、ヒートシール温度が 160℃を越えると、基材の2軸延伸ポリプロピレンフィルムが収縮するため、 160℃までの条件において評価した。
▲3▼得られた袋体の内側に、シールチェック液9を噴霧し、背シール部とボトムシール部の合わせ目8の部分の長さにより、密封性の確認をした(図2)。すなわち、前記チェツク液の滲み込みの長さが長いほど、密封性としては不良となる。
使用したシールチェック液は、
エージレスチェッカー(三菱瓦斯化学株式会社製 商品名)。
【0016】
(結果)
透明性、静摩擦計数の測定結果は、表1に、ヒートシール強度、ピロー密封性はそれぞれ表2および表3に示した。
【0017】
【表1】
Figure 0003585604
(以下余白)
【0018】
【表2】
Figure 0003585604
(以下余白)
【0019】
【表3】
Figure 0003585604
表1、2および3より明らかな通り、本発明による実施例1、2のフィルムは良好な密封性と安定した滑り性を有しているのに対し、シール層にシリコーン樹脂真球状微粒子を用いなかった比較例1は滑り安定性に劣り、また支持層に融解ピーク温度の高いポリプロピレンを用いた比較例2は、シール密封性に劣る。
【0017】
【発明の効果】
本発明のプロピレン共重合体フィルムによれば、安定した滑り性と良好なシール密封性を付与することができ、産業上寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロピレン共重合体フィルムを用いた1実施例を示す積層フィルムの断面図である。
【図2】ピロー密封性評価の際の測定箇所を示す概略図である。
【符号の説明】
1 シール層
2 支持層
3 樹脂真球状微粒子
4 接着剤層
5 基材層
6 背シール部
7 ボトムシール部
8 背シール部とボトムシール部の合わせ目
9 シールチェック液

Claims (3)

  1. 全体厚みの10%以上の厚みを有するシール層と、全体厚みの90%未満の厚みを有する支持層にて構成され、
    また、次に挙げる樹脂成分、すなわち、
    (A)DSC法による融解ピーク温度が140℃以下のエチレン含量3〜8重量%のプロピレンーエチレンランダム共重合体および/またはエチレン含量0.5〜5重量%かつブテンー1含量3〜25重量%のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体からなるプロピレンーαオレフィン共重合体樹脂100重量部。
    (B)DSC法による融解ピーク温度が150℃以下のエチレン含量2〜8重量%のプロピレンーエチレンランダム共重合体および/またはエチレン含量0.5〜5重量%かつブテンー1含量3〜25重量%のプロピレンーエチレンーブテンー1ランダム共重合体からなるプロピレンーαオレフィン共重合体樹脂100重量部。
    (C)シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される平均粒径0.5〜8μmの真球状微粒子であり、微粒子粉末の断面積mm2をM、微粒子粉末の断面の最長径mmをNmaxとした時、
    f={M/(π/4)}0.5 /Nmax
    で表される真球度fが0.8以上のブロッキング防止剤0.01〜1重量部。
    (D)エルカ酸アミドとベヘニン酸アミドの混合物であり、その混合比率(エルカ酸アミドの重量/ベヘニン酸アミドの重量)が0.2〜5である脂肪酸アミド系スリップ剤0.01〜0.2 重量部。
    を、前記シール層の形成材料は少なくとも上記(A)、(C)および(D)成分から構成され、かつ支持層の形成材料は少なくとも上記(B)および(D)成分から構成されることを特徴とするプロピレン共重合体フィルム。
  2. (A)のDSC法による融解ピーク温度℃をTaとし、(B)のDSC法による融解ピーク温度℃をTbとした時に、
    ΔT=Tb−Ta
    で表される融解ピーク温度差ΔTの値が、−5℃以上、15℃未満であることを特徴とする請求項1記載のプロピレン共重合体フィルム。
  3. 前記支持層側の表面にコロナ放電処理が施された後、接着剤層を介して基材フィルムと積層されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプロピレン共重合体フィルム。
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