JPH085174B2 - ポリプロピレン複合積層成形体 - Google Patents

ポリプロピレン複合積層成形体

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JPH085174B2
JPH085174B2 JP62261749A JP26174987A JPH085174B2 JP H085174 B2 JPH085174 B2 JP H085174B2 JP 62261749 A JP62261749 A JP 62261749A JP 26174987 A JP26174987 A JP 26174987A JP H085174 B2 JPH085174 B2 JP H085174B2
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正信 石山
護 木岡
昭徳 豊田
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三井石油化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はヒートシール性の改善されたポリプロピレン
複合積層成形体に関する。さらに詳細には低温における
ヒートシール性、ヒートシール付与性、透明性、耐ブロ
ツキング性、溶剤溶出性及びヒートシール強度が改善さ
れたポリプロピレン複合積層成形体に関する。
[従来の技術] 結晶性ポリプロピレンフイルムは引張強度、剛性率、
表面硬度、衝撃強度などの機械的特性、光沢及び透明性
などの光学的特性ならびに無毒性、無臭性などの食品衛
生性に優れているために、包装とくに食品包装の分野に
広く利用されている。しかし、ポリプロピレンフイルム
は単層ではヒートシール可能温度が高くしかも適正な温
度範囲が狭いという欠点がある。
そこで、このポリプロピレンフイルムのヒートシール
性を改善するために、結晶性ポリプロピレンフイルムの
片面又は両面に低融点の樹脂を積層させる方法がすでに
いくつか提案されている。
たとえば、特開昭55−65552号公報には、プロピレン
を主成分とするエチレン・プロピレンランダム共重合体
とプロピレンを主成分とするプロピレン・α−オレフイ
ンランダム共重合体とからなるプロピレンランダム共重
合体組成物を結晶性ポリプロピレンフイルムに積層する
方法が開示されている。また、特開昭55−91665号公報
にはプロピレンを主成分とするエチレン・プロピレンラ
ンダム共重合体と1−ブテンを主成分とする1−ブテン
・エチレンランダム共重合体とからなるプロピレンラン
ダム共重合体組成物を結晶性ポリプロピレンフイルムに
積層する方法が開示されている。さらに、特開昭54−10
6585号公報にはプロピレンを主成分とするエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体、1−ブテンを主成分とする
1−ブテン・エチレン系不飽和単量体共重合体及び低分
子量熱可塑性樹脂からなるプロピレンランダム共重合体
組成物を結晶性ポリプロピレンフイルムに積層する方法
が開示されている。更に、上記特開昭55−91665号(特
願昭53−165137号)及び上記特開昭54−106585号(特願
昭53−13932号)に優先権を主張して米国出願された米
国特許第4.230,767号には、上記プロピレンを主成分と
するエチレン−プロピレンランダム共重合体と1−ブテ
ンを主成分とする1−ブテン・プロピレン共重合体とか
らなる組成物を包含し得るプロピレンランダム共重合体
組成物を結晶性ポリプロピレンフイルムに積層する態様
を包含し得る該プロピレンランダム共重合体組成物が開
示されている。しかしながら上記態様の具体例は全く示
されておらず、上記特開昭54−106585号に特定されてい
るように、この態様においては、更に低分子量熱可塑性
樹脂を併用する例のみが示されている。
これらの方法で得られる積層体はいずれもプロピレン
フイルムのヒートシール性は改善されるが、ヒートシー
ル可能温度はまだかなり高く、かつその適用温度範囲も
狭く、依然として充分であるとは言い難い。さらにヒー
トシール強度に関しても充分であると言い難かった。ま
た、これらのポリプロピレン複合積層体に帯電防止性能
を発現させるためには、これらに数日間低温加熱処理を
施す方法が通常採用されているが、その場合にはヒート
シール温度がかなり上昇するなどの欠点があつた。この
ようにポリプロピレンフイルムを用いた包装用途の分野
では、ヒートシール適用温度を低下させると共にヒート
シール適用範囲を広げかつヒートシール強度に優れ、な
おかつ熱処理によるヒートシール可能温度の上昇が小さ
いポリプロピレン複合積層成形体が強く要望されてい
る。
[当該発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、結晶性ポリプロピレンを基材層とする
積層成形体であって、低温ヒートシール性に優れかつヒ
ートシール強度に優れたポリプロピレン複合積層成形体
を開発することを目的として研究を行った。その結果、
プロピレンを主成分とするプロピレン系ランダム共重合
体からなる層を結晶性ポリプロピレンからなる基材層の
少なくとも片面上に積層させることにより形成させたポ
リプロピレン複合積層成形体が比較的低い温度からヒー
トシールが可能であって、且つヒートシール適用温度範
囲が広く、加えてヒートシール強度に優れており、さら
に熱処理によるヒートシール可能温度の上昇の程度も小
さいことを発見した。従って、本発明の目的は、低温ヒ
ートシール性に優れ、ヒートシール強度に優れかつ加熱
処理によるヒートシール可能温度の上昇の小さいヒート
シール性ポリプロピレン複合積層成形体を提供すること
にある。
本発明の上記目的ならびにさらに多くの他の目的なら
びに利点は以下の記載により一層明らかになるであろ
う。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明によれば、結晶性ポリプロピレンからなる基材
層の少なくとも片面上にプロピレン系ランダム共重合体
からなる層が積層されたポリプロピレン複合積層成形体
において、該プロピレン系ランダム共重合体がプロピレ
ンに由来する繰り返し単位(プロピレン成分)、エチレ
ンに由来する繰り返し単位(エチレン成分)および炭素
原子数が4ないし20のα−オレフイン成分ブテン−1に
由来する繰り返し単位からなる気相重合法で得られたプ
ロピレン系ランダム共重合体であって、下記項目 (A) プロピレンに由来する繰り返し単位(a)が96
ないし86モル%、エチレンに由来する繰り返し単位
(b)が0.5ないし6モル%および該α−オレフインに
由来する繰り返し単位(c)が2.5ないし13モル%の範
囲にあり、かつモル比c/(b+c)が0.3ないし0.9の範
囲にあること、 (B) デカリン中で135℃で測定した極限粘度[η]
が0.5ないし6dl/gの範囲にあること、 (C) 示差走査難熱量計によって測定した融点[Tm]
が115ないし133℃の範囲にあること、 (D) X線回折法によって測定した結晶化度が30ない
し60%の範囲にあること、 (E) 25℃におけるn−デカンに可溶な成分中のブテ
ン含量B1(mol%)が0.5B2≦B1≦5.0B2の範囲にあるこ
と [式中、B2は該プロピレン系ランダム共重合体中のブテ
ン含量(mol%)を示す] を充足するプロピレン系ランダム共重合体であることを
特徴とするポリプロピレン複合積層成形体が提供され
る。
本発明のポリプロピレン複合積層成形体は、結晶性ポ
リプロピレンからなる基材層の片面もしくは両面にプロ
ピレン系ランダム共重合体からなる層が積層された状態
にある複合積層成形体であり、その形状はいかなるもの
であつてもよく、積層フイルム、積層シート、積層包装
袋、積層容器、その他のヒートシール性を付与する種々
の形状の成形体などを例示することができる。
本発明のポリプロピレン複合積層成形体を構成する結
晶性ポリプロピレンからなる基材層は無延伸状態、一軸
延伸状態、二軸延伸された状態のいずれであってもよ
く、また該プロピレン系ランダム共重合体からなる層も
同様に無延伸状態、一軸延伸状態、二軸延伸状態のいず
れであつてもよい。従つて、該ポリプロピレン複合積層
成形体の結晶性ポリプロピレンからなる基材層と該プロ
ピレン系ランダム共重合体からなる層とは前記状態のい
ずれの組合せから構成されていてもよい。
該ポリプロピレン複合積層成形体を構成する結晶性ポ
リプロピレンからなる基材層の厚さは任意であり、特に
限定されないが、プロピレン系ランダム共重合体からな
るヒートシール層の厚さは一般に0.1ないし50μ、好ま
しくは0.5ないし30μの範囲である。該ポリプロピレン
複合積層成形体が複合積層フイルム又は複合積層シート
である場合には、結晶性ポリプロピレン基材層の厚さは
5ないし200μ、好ましくは10ないし70μの範囲にあ
り、該プロピレン系ランダム共重合体からなるヒートシ
ール層の厚さは通常は0.1ないし50μ、好ましくは0.5な
いし30μの範囲である。
本発明のポリプロピレン複合積層成形体を製造する方
法としては、たとえば次の方法を例示することができ
る。
(1) 結晶性ポリプロピレンからなる基材と該プロピ
レン系ランダム共重合体とを共押出しすることによつて
積層させ、必要に応じてさらに縦軸延伸及び/又は横軸
延伸を別々にあるいは同時に施す方法。
(2) 無延伸、一軸延伸あるいは二軸延伸された結晶
性ポリプロピレン基剤の表面上に該プロピレン系ランダ
ム共重合体を溶融状態で押出して積層させ、基材が無延
伸状態である場合にはさらに必要に応じて一軸延伸ある
いは二軸延伸を施す方法。また、基材が一軸延伸状態で
ある場合には、同様に押出して積層させた後に、必要に
応じて基材と同方向又は交叉方向にさらに延伸を施す方
法。
(3) 結晶性ポリプロピレンからなる基材の表面上に
該プロピレン系ランダム共重合体のフイルム接着剤によ
つて積層させる方法。
本発明のポリプロピレン複合積層成形体の基材層を構
成する結晶性ポリプロピレンは、結晶性のプロピレン単
独重合体の他に、プロピレンを主成分とする結晶性のプ
ロピレン・α−オレフインランダム共重合体、たとえば
エチレン含有率が0.1ないし5モル%のプロピレン・エ
チレンランダム共重合体、エチレン含有率が0.1ないし
4モル%及び1−ブテン含有率が0.1ないし5モル%の
プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体、
1−ブテン含有率が0.1ないし5モル%のプロピレン・
1−ブテンランダム共重合体などを例示することができ
る。該結晶性ポリプロピレンの135℃のデカリン中で測
定した極限粘度[η]は通常は1.5ないし4dl/g、好まし
くは1.7ないし3.5dl/gの範囲にあり、そのX線回折法に
より測定された結晶化度は通常は50ないし70%、好まし
くは55ないし70%の範囲である。
本発明のポリプロピレン複合積層成形体を構成する該
プロピレン系ランダム共重合体はプロピレンを主成分と
する共重合体であって、少なくともプロピレン成分
(a)、エチレン成分(b)および炭素原子数が4ない
し20のα−オレフイン成分(c)からなる共重合体であ
る。
該プロピレン系ランダム共重合体の組成(A)は、プ
ロピレン成分(a)が96ないし86モル%、好ましくは95
ないし87モル%、より好ましくは95ないし88モル%、エ
チレン成分(b)が0.5ないし6モル%、好ましくは1.0
ないし5.0モル%、より好ましくは1.5ないし4.0モル%
および炭素原子数が4ないし20のα−オレフイン成分
(c)が2.5ないし13モル%、好ましくは3ないし11モ
ル%、より好ましくは4ないし10モル%の範囲にある。
エチレン成分(b)と該α−オレフイン成分(c)に
関してモル比c/(b+c)は0.3ないし0.9、好ましくは
0.4ないし0.8、より好ましくは0.5ないし0.8の範囲にあ
る。
該プロピレン系ランダム共重合体を構成する炭素原子
数が4〜20のα−オレフインとしては1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−オクタデセンなど炭素数10以下のものが好適であり、
さらに炭素数4ないし6のものが好ましく、特に1−ブ
テンが好適である。これらα−オレフインは単独でもよ
く、または2種以上の混合物でもよい。
該プロピレン系ランダム共重合体の135℃のデカリン
中で測定した極限粘度[η](B)は0.5ないし6dl/g、
好ましくは1ないし5dl/gの範囲にある。
該プロピレン系ランダム共重合体のパーキンエルマー
社製DSC−II型の示差走査型熱量計によつて測定した融
点[Tm](C)は115℃ないし133℃、好ましくは120℃
ないし130℃範囲にある。ここで、DSC融点は、成形20時
間経過後の厚さ0.1mmのプレスシートを10℃/minの昇温
速度で0〜200℃まで設定し、最大吸収ピークをTmとし
た。
該プロピレン系ランダム共重合体のX線回折法によっ
て測定した結晶化度(D)は30ないし60%、好ましくは
35ないし55%の範囲にある。結晶化度は成形後20時間経
過後の厚さ1.5mmのプレスシートのX線回折測定により
求めた。
該プロピレン系ランダム共重合体の25℃のn−デカン
に可溶な成分中のブテン含量[B1mol%](E)は次に
一般式を満たす。
0.5B2≦B1≦5.0B2 好ましくは 0.6B2≦B1≦3.0B2 更に好ましくは 0.7B2≦B1≦1.7B2 特に好ましくは 0.7B2≦B1≦1.5B2 を満たす。
[式中B2はランダム共重合体中のブテン含量(mol%)
である] 該プロピレン系ランダム共重合体は以上に述べた
(A)ないし(E)の特性値によつて表わされる結合因
子を満足し、さらに好ましい共重合体は次の(F)を充
足する。
該プロピレン系ランダム共重合体の25℃におけるn−
デカンへの可溶分量[w1重量%](F)は、該共重合体
の融点Tmとの関係において一般式 0.03(165−Tm)≦W1≦0.15(165−Tm) 好ましくは一般式 0.04(165−Tm)≦W1≦0.13(165−Tm) 特に好ましくは一般式 0.05(165−Tm)≦W1≦0.11(165−Tm) (ここで、Tmは該共重合体の前記融点の数値であつ
て、デイメンシヨンを除いた値を示す) を充足する。
本発明において、25℃におけるn−デカン溶媒中への
共重合体の可溶分は次の方法によって採取される。すな
わち、撹拌羽根付1のフラスコに、5gの共重合体試
料、0.3gの2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフエノー
ル、500mlのn−デカンを入れ、140℃の油浴上で溶解さ
せる。溶解後約3時間室温下で自然放冷した後25℃の水
浴上で12時間冷却する。析出した共重合体と溶解ポリマ
ーを含むn−デカン溶液をG−4のグラスフイルターで
過分離し、液を10mmHgで150℃で恒量になるまで乾
燥し、25℃のn−デカンに溶解するポリマーを採取す
る。その重量を測定し、25℃におけるn−デカン溶媒中
への共重合体の可溶分量を試料共重合体の重量に対する
百分率として算出決定した。
本発明のポリプロピレン複合積層成形体を構成する該
プロピレン系ランダム共重合体は、たとえば、 (A) マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与
体を必須成分として含有しかつ平均粒径が、約5ないし
約300μで粒度分布の幾何標準偏差値が2.1未満の高活性
で高立体規則性のチタン触媒成分、 (B) 周期律表第1族ないし第3族金属の有機金属化
合物触媒成分及び (C) 電子供与体触媒成分 から形成される触媒であって、かつ該チタン触媒成分
(A)のチタン1グラム原子当たり0.5ないし30モルの
範囲の電子供与体(C)を含有する触媒の存在下に該触
媒成分(A)1グラム当たり20ないし1000gの範囲の炭
素原子数が2ないし20のα−オレフインを予備重合させ
て得られるα−オレフイン予備重合触媒の存在下に、少
なくともプロピレン、エチレンおよび炭素原子数が4な
いし20のα−オレフインをこれら気相を形成する条件下
に、50ないし130℃の重合温度において、少なくとも有
機金属化合物触媒成分(B)および電子供与体触媒成分
(C)を共存させて、共重合を行なうことにより得るこ
とができる。
触媒成分、共重合条件、その他の製造条件について
は、本出願人が出願した特願昭61−239338「プロピレン
系ランダム共重合体の製法」の特許出願明細書に記載さ
れているので、この方法に従って該プロピレン系ランダ
ム共重合体を製造することができる。製造に際しては、
特性(A)〜(E)の測定決定方法についてすでに詳し
く述べたところに従つて、これら特性(A)〜(E)を
満足するように、さらに好ましくは特性(F)を満足す
るように、触媒や重合条件を予め実験的に選択設定し
て、容易に行なうことができる。該プロピレン系ランダ
ム共重合体には、前記重合体成分の他に耐熱安定剤、耐
候安定剤、核剤、滑剤、スリップ剤、帯電防止剤、アン
チブロッキング剤、防曇剤、顔料、染料等を配合しても
差しつかえない。その配合割合はポリプロピレン複合積
層成形体の低温ヒートシール性及びヒートシール強度を
損なわない範囲で適宜である。
[発明の効果] 前記プロピレン系ランダム共重合体からなる層を結晶
性ポリプロピレンからなる基材の片面もしくは両面上に
積層することによつて形成される本発明のポリプロピレ
ン複合積層成形体は、低温におけるヒートシール性及び
ヒートシール強度に優れかつヒートシール可能温度領域
が改善されたものであり、しかも耐スクラツチ性、耐ブ
ロツキング性に優れている。従って、該ポリプロピレン
複合積層成形体は、このような特性を利用して食品包
装、衣類包装などの日用品、雑貨類の包装に適してい
る。
[実施例] 次に、本発明を実施例によつて具体的に説明する。な
お、実施例において、各評価項目は次の方法に従つて評
価した。
(1) 曇り度 ASTM D1003の方法により測定した。
(2) ヒートシール強度 JISZ1707に準じて評価した ポリプロピレン複合フイルムの低結晶性プロピレン系
共重合体組成物が積層されている面同士を重ね合わせ、
温度を100〜150℃内、5℃間隔で2kg/cm2の圧力で1秒
間巾5mmのシールバーでヒートシールした後、放冷し
た。この試料から巾15mmの試験片を切り取り、クロスヘ
ツドスピード200mm/minでヒートシール部を剥離した際
のヒートシール部外で破断する最も低いヒートシール温
度を完全ヒートシール開始温度とし、その温度での剥離
強度をヒートシール強度とした。
(3) 耐ブロツキング性 ASTM D1893に準じて評価した。ポリプロピレン複合
フイルムを巾15cm、長さ20cmに切り出し、低結晶性プロ
ピレン系共重合体組成物が積層されている面同士を重ね
合わせ、2枚のガラス板ではさみ10kgの荷重を乗せ、50
℃のエアーオーブン中に放置する。10日後にサンプルを
取出し、剥離強度を万能試験機で測定し、1cm当たりの
剥離強度をブロツキング値とした。また同フイルムの低
結晶性プロピレン系共重合体組成物表面への低分子量成
分の浮き出し程度(白化の有無)を目視で評価した。
(4) スリツプ性 ASTM D1894に準じて製膜したフイルムを40℃エアー
オーブン中で1日放置し、低結晶性プロピレン系共重合
体組成物層表面の静摩擦係数および動摩擦係数を測定し
た。
実施例 1 [高活性、高立体規則性固体状チタン触媒成分の調製] 無水塩化マグネシウム714g、デカン3.7および2−
エチルヘキシルアルコール3.5を130℃で2時間加熱反
応を行い均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸
を添加し、130℃にて更に1時間撹拌混合を行い、無水
フタル酸を該均一に溶液に溶解させる。この様にして得
られた均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に保持され
た四塩化チタン20中に1時間に亘って全量滴下装入す
る。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110
℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタ
レート0.4を添加し、これより2時間同温度にて撹拌
下保持する。2時間の反応終了後熱過にて固体部を採
取し、この固体部を28のTiCl4にて再懸濁させた後、
再び110℃で2時間、加熱反応を行う。反応終了後、再
び熱過にて固体部を採取し、110℃のデカン及びヘキ
サンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなく
なる迄充分洗浄する。以上の製造方法にて合成されたチ
タン触媒成分をドライヤーにて乾燥した。この様にして
得られたチタン触媒成分の組成はチタン2.3重量%、塩
素58.0重量%、マグネシウム18.0wt%およびジイソブチ
ルフタレート14.0重量%であった。
又チタン触媒成分は平均粒度18μで粒度分布の幾何標
準偏差(δg)が1.2の顆粒状触媒であった。
[予備重合] ヘキサン10にトリエチルアルミニウム100ミリモル
及びジフエニルジメトキシシラン20ミリモルを混合させ
た。該混合液中に前記合成法によつて合成されたチタン
触媒(乾燥品)を投入(チタン原子換算で10ミリモル)
し、2Hrリスラリーした。次にプロピレンを供給しチタ
ン触媒成分1g当り50gとなる様に3Hr予備重合した。
重合温度は、0〜8℃にコントロールした。予備重合
終了後ヘキサンにて6回洗浄し、次いでチタン触媒成分
の濃度が、Ti原子として2ミリモル/になる様に、ヘ
キサンで稀釈し、撹拌機付の容器に貯蔵した。
[重合] 直径340mm、反応容積40の流動層型重合反応器を使
用して重合反応を行なつた。該流動層型重合反応器には
触媒供給ノズルから、前記触媒を0.6ミリモルTi/Hrの割
合及びN2ガス100Nl/Hr、プロパン(液)2.5/Hの割合
からなる混合物として連続的に噴霧供給し、また、原料
オレフインとしてエチレン及びプロピレン、1−ブテン
からなる混合オレフインと分子量コントロール剤として
H2ガスを連続的に供給しながら、連続気相重合反応を行
なつた。原料オレフインのうち、1−ブテンはベーパラ
イザーにより、気化させた。供給時の原料ガス組成は、
以下の通りであり、またプロピレンの供給速度は5160Nl
/Hであつた。
C4/C3 (モル) 0.0977 C2/C3 (〃) 0.0233 H2/C3 (〃) 0.0016 N2/C3 (〃) 0.0388 気相重合反応の際の温度は90℃、圧力は8.0kg/cm2Gガ
ス空塔速度は、40cm/sで行ない、得られるエチレン、プ
ロピレン、1−ブテンランダム共重合体の生成量が5kg/
Hとなる様に予備重合した触媒の供給量を制御した。
トリエチルアルミニウムは、予めヘキサンにて200ミ
リモル/の濃度に調製し、それを15〜20ミリモル/Hに
て連続的に供給した。一方予めヘキサンにて200ミリモ
ル/の濃度に調製したジフエニルジメトキシシランも
15−20ミリモル/Hrにて連続的に供給した。その他の重
合条件及び上記重合によって得られたポリマーの基本物
性を表1に示す。
[複合フイルムの調製] 前記製法にて得た低結晶性プロピレン系共重合体組成
物を樹脂温度240℃で2層フイルム用ダイに供給した。
一方、別の押出機でアイソタクチツクインデツクス96
%、メルトインデツクス1.5の基材層となる結晶性ポリ
プロピレンを溶融し、樹脂温度240℃で前記2層フイル
ム用ダイに供給し前記低結晶性プロピレン系共重合体組
成物及び基材層用結晶性ポリプロピレンを共押出しを行
い、該結晶性ポリプロピレンからなる基材層(40μ)と
該低結晶性プロピレン系共重合体組成物からなる層(10
μ)から形成された複合フイルムを得た。このポリプロ
ピレン複合フイルムの性能評価結果を表3に示した。
実施例2〜4 実施例1と同様な方法により調製したチタン触媒成分
を用い、実施例1と同様な方法により予備重合を行なつ
た。ついで表1に示した条件で気相重合法によりランダ
ム共重合を行なつた。生成共重合体の基本物性を表1に
示す。
尚、実施例4のみ予備重合の条件をプロピレンの供給
量をチタン触媒成分1g当り96gに又、予備重合時間を5Hr
に変更した。
複合フイルムの調製は、実施例2および4は実施例1
と同様の方法で行ない、実施例3のみ以下の方法で行な
った。
実施例1で用いた結晶性ポリプロピレン基材を押出機
で溶融後、樹脂温度270℃でTダイより押出し、シート
状に冷却固化させ、ついで加熱ロールを通すことによ
り、延伸倍率が5倍になるように縦軸方向に延伸し、結
晶性ポリプロピレンの一軸シートを形成させた。この結
晶性ポリプロピレンの一軸延伸シートの片面上に、別の
押出機で溶融混練した表1記載の低結晶性プロピレン系
共重合体組成物を溶融状態で別のTダイで樹脂温度250
を押出した溶融フイルムを積層し、この複合シートを連
続的に加熱したテンター内を通し、横方向に延伸倍率が
10倍になるように延伸することにより、結晶性ポリプロ
ピレンからなる基材層(22μ)及び該低結晶性プロピレ
ン系共重合体組成物からなる層(3μ)が積層され、か
つ結晶性ポリプロピレン基材層が二軸に延伸され、該低
結晶性プロピレン系共重合体組成物からなる層が一軸に
延伸された状態のポリプロピレン複合フイルムを得た。
得られたポリプロピレン複合フイルムの性能評価結果を
表−3に示した。
比較例1 予備重合量を触媒1g当り3gにまた共重合体条件を表2
に示した条件に変更した以外は実施例1と同様な方法で
重合を行ないまた実施例1と同様な方法で複合フイルム
を調製しその評価を行なった。結果を表2および表3に
示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレンからなる基材層の少
    なくとも片面上にプロピレン系ランダム共重合体からな
    る層が積層されたポリプロピレン複合積層成形体におい
    て、該プロピレン系ランダム共重合体が少なくともプロ
    ピレンに由来する繰り返し単位(a)エチレンに由来す
    る繰り返し単位(b)および炭素原子数が4ないし20の
    α−オレフィンに由来する繰り返し単位(c)からなる
    気相重合法で得られたプロピレン系ランダム共重合体で
    あって、下記項目 (A) プロピレンに由来する繰り返し単位(a)が96
    ないし86モル%、エチレンに由来する繰り返し単位
    (b)が0.5ないし6モル%および該α−オレフィンに
    由来する繰り返し単位(c)が2.5ないし13モル%の範
    囲にあり、かつモル比c/(b+c)が0.3ないし0.9の範
    囲にあること、 (B) デカリン中で135℃で測定した極限粘度[η]
    が0.5ないし6dl/gの範囲にあること、 (C) 示差走査型熱量計によって測定した融点[Tm]
    が115ないし133℃の範囲にあること、 (D) X線回折法によって測定した結晶化度が30ない
    し60%の範囲にあること、 (E) 25℃におけるn−デカンに可溶な成分中のブテ
    ン含量B1(mol%)が0.5B2≦B1≦5.0B2の範囲にあるこ
    と [式中、B2は該プロピレン系ランダム共重合体中のブテ
    ン含量(mol%)を示す] を充足するプロピレン系ランダム共重合体であることを
    特徴とするポリプロピレン複合積層成形体。
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