JP2000233475A - ポリプロピレン系フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系フィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水蒸気バリア性が優れたポリプロピレン系フ
ィルムを得る。 【解決手段】 基材層と基材層の一面又は両面に形成さ
れた表面層を有しているフィルムであり、基材層と表面
層がポリプロピレン系樹脂を含有し、表面層に含有され
るポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10min以上
で、かつアイソタクチック指数(II)が95%以上のも
のであるポリプロピレン系フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水蒸気バリアー性
が改善されたポリプロピレン系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレン系フィルムは、優れた透明性、光沢性等の光学
特性、引張特性、ヤング率に代表される機械特性、実質
上の無毒性及び無臭性等の特性を備えているため、特に
食品用の包装材料として広く用いられている。食品用の
包装材料として適用するとき、食品の種類によっては乾
燥を防止する観点から水蒸気バリア性を具備することが
要求される場合があるが、ポリプロピレン系フィルムに
対して、塩化ビニリデン系重合体、ポリビニルアルコー
ル系重合体、エチレン−ビニルアルコール系重合体、シ
ロキサン系重合体をコーティングする方法では水蒸気バ
リアー性の改善効果は十分ではない。また、アルミやシ
リカ等の金属又は金属酸化物を蒸着する方法は水蒸気バ
リアー性を改善することはできるが、製造工程が煩雑に
なるし、回収後の再資源化も困難となる。
【0003】特開昭58−213037号公報、特開昭
60−210647号公報には、水蒸気バリアー性が改
良されたポリプロピレンフィルムが開示されているが、
これらはいずれもテルペン樹脂又は石油樹脂を添加する
ことのみによって水蒸気バリアー性を向上させている。
これらの技術では、テルペン樹脂や石油樹脂が表面にブ
リードして透明性が悪化したり、ラミネート強度、印刷
インキのにじみ、外観や触感不良を起こすという不具合
があった。
【0004】従って、本発明の目的は、ポリプロピレン
系フィルムの優れた特性を維持しつつ、水蒸気バリアー
性を改善したポリプロピレン系フィルムを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、フィルムの表面層にの
み特に結晶化度の高いポリプロピレン系樹脂を存在させ
ることにより、他の樹脂等との積層体又は複合体とする
ことなく、水蒸気バリアー性を改善できることを見出し
た。即ち本発明は、基材層と基材層の一面又は両面に形
成された表面層を有しているフィルムであり、基材層と
表面層がポリプロピレン系樹脂を含有し、表面層に含有
されるポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10min以
上で、かつアイソタクチック指数(II)が95%以上の
ものであるポリプロピレン系フィルムを提供する。な
お、本発明において「フィルム」は、実質的に二次元的
構造を有する「シート」も含む。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のフィルムは、基材層と、
基材層の一面又は両面の全部又は一部に存在する表面層
からなる。
【0007】基材層は、ポリプロピレン系樹脂又はポリ
プロピレン系樹脂を好ましくは70重量%以上、より好
ましくは80重量%以上含む樹脂組成物からなる。ポリ
プロピレン系樹脂は、結晶性ポリプロピレン系樹脂が好
ましい。また、プロピレンと、エチレン、ブテン−1,
3−メチルペンテン、4−メチルペンテン等との共重合
体でもよいが、プロピレン以外の構成単位の含有率は1
重量%以下がよく、好ましくは0.5重量%未満、より
好ましくは0.3重量%未満である。
【0008】ポリプロピレン系樹脂のアイソタクチック
指数(II)は、フィルムの特性を損なわない範囲である
限り特に制限されないが、好ましくは90%以上がよ
く、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは95
〜98.5%である。防湿性の点からは規則性は高い方
がよいが、基材層用樹脂として延伸適性を損なわせない
ため、98.5%以下が好ましい。ポリプロピレン系樹
脂の融点は、好ましくは150℃以上、より好ましくは
160℃以上である。MFRは、成形のしやすさの点か
ら、Tダイ成形用では1.8〜4g/10minがよく、イ
ンフレーション成形用では7〜10g/10minがよい。
【0009】基材層中には、テルペン樹脂及び石油樹脂
から選ばれる1種以上の樹脂を配合することができる。
石油樹脂としては、シクロペンタジエン系や高級オレフ
ィン系炭化水素を主原料とする樹脂又はこれらに80%
以上の水添率で水素添加したものを挙げることができ
る。この石油樹脂は、極性基を含まないものであること
が好ましい。テルペン樹脂としては、ピネン、カレン、
ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピ
ネン、サビネン、トリシクレン、ピサボレン、ジンギペ
レン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレン等又
はこれらに80%以上の水添率で水素添加したものを挙
げることができる。これらのテルペン樹脂は、極性基を
含まないものであることが好ましい。基材層中における
テルペン樹脂及び石油樹脂の含有量は、好ましくは2〜
30重量%、より好ましくは4〜20重量%である。
【0010】基材層には、さらに紫外線吸収剤、帯電防
止剤、結晶核成長剤、スチレン系樹脂、ジシクロペンタ
ジエン樹脂、クマロニンデン樹脂等のクマロン樹脂、フ
ェノール樹脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂
等の炭化水素系重合体、可塑剤、充填剤を配合すること
ができる。なおフィルムを、後加工の工程に供する場合
には、これらの添加剤のブリード等によってコーティン
グ層、蒸着層、ラミネート層、インキ層等との適性を損
なわないように条件設定する必要がある。
【0011】基材層は単層であってもよく、2層以上の
ポリプロピレン系樹脂層が積層されたものであってもよ
い。基材層の厚みは特に制限されず、好ましくは1〜2
50μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ま
しくは15〜50μmである。また、シートの場合の基
材層の厚みは0.1〜5mmが好ましい。
【0012】表面層は、基材層と同じポリプロピレン系
樹脂又はポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物からな
るものであるが、表面層を構成するポリプロピレン系樹
脂は、MFR及びアイソタクチック指数(II)が下記の
数値範囲を有するものである。MFRは5g/10min以
上、好ましくは10〜50g/10minである。MFRが
5g/10min以上であると、フィルム成形時に表面層の
結晶化度を十分に向上させることができる。なお、表面
層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRは、基材層
を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRよりも大きく
する方が、メルトフラクチャーを起こし難くなるので好
ましい。
【0013】アイソタクチック指数(II)は、結晶性を
高めて防湿性を向上させるという点から、95%以上、
好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上であ
る。表面層に使用するポリプロピレン系樹脂は、高規則
性のものを用いても延伸適性を損なうことが少ない。
【0014】このように表面層を結晶化度の高いポリプ
ロピレン系樹脂で構成すると、防湿性が向上するだけで
なく、基材層への添加剤が表面にブリードするのを防げ
られることから、基材層に水蒸気バリアー性向上剤とし
て、テルペン樹脂、石油樹脂を効果的に添加することも
可能になる。
【0015】基材層及び表面層を構成するポリプロピレ
ン系樹脂には、酸化防止剤を配合することができる。表
面層中における酸化防止剤の含有量は、200ppm以下
がよく、好ましくは100ppm以下である。酸化防止剤
の含有量を200ppm以下にすると、押出機内でポリプ
ロピレン系樹脂の分子量分解が発生し、結晶化しやすい
大きさに分断される。
【0016】酸化防止剤としては、フェノール系、リン
系、硫黄系等が挙げられるが、フェノール系としては
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、
テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブ
チル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タン(例えば、日本チバガイギー社、イルガノックス1
010)等が好ましい。
【0017】基材層及び表面層を構成するポリプロピレ
ン系樹脂には、ブロッキング防止剤を配合することがで
きる。ブロッキング防止剤としては、シリカ、アルミ
ナ、合成ゼオライト、カオリン、タルク、酸化亜鉛、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、水酸
化アルミニウム、石英粉、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、硫酸バリウム等の無機系微粉末、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等の熱
可塑性樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋メラミン樹脂、ベ
ンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、フラン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポ
リイミド等の熱硬化性樹脂等から選ばれる1種以上が挙
げられる。なお、ブロッキング防止剤は、フィルム成形
時に加えられる熱によっても変形することなく形状を保
持するために、フィルム成形時の温度より高い融点又は
軟化点を有するものが好ましい。
【0018】ブロッキング防止剤は、真球状でも不定形
でもよいが、真球状のブロッキング防止剤を用いると、
透明性を低下させることなく、高い耐ブロッキング性を
付与できるため好ましい。ブロッキング防止剤の平均粒
子径は、表面層の厚みに応じて、耐ブロッキング性、す
べり性、透明性を損なわない範囲で選択でき、好ましく
は0.1〜7.5μm、より好ましくは0.5〜5μ
m、さらに好ましくは1〜4μmである。
【0019】ブロッキング防止剤の含有量は、ポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0
1〜0.5重量部がよく、より好ましくは0.02〜
0.4重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量
部である。ブロッキング防止剤の含有量が0.01重量
部以上であると巻取時におけるフィルムのブロッキング
を防止でき、0.5重量部以下であると透明性の低下を
防止できる。
【0020】本発明のポリプロピレン系フィルムは、表
面層の厚み(両側に表面層がある場合はそれらの合計)
Tsが好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1〜
15μmである。
【0021】また、本発明のポリプロピレン系フィルム
の表面層の厚みTsと、フィルムの総厚みTfとの比
(Ts/Tf)は、0.04〜0.60がよく、好まし
くは0.05〜0.5である。Ts/Tfが0.04以
上であると表面層による防湿性を十分に向上させること
ができ、0.60以下であるとフィルムとしての外観や
触感に不具合が生じることもない。
【0022】さらに、本発明のポリプロピレン系フィル
ムは、フィルムの総厚みTf(μm)と、40℃におけ
る水蒸気透過速度WV−TR{g/(m2・day)}
との積が、80μm・g/(m2・day)未満がよ
く、好ましくは70μm・g/(m2・day)であ
る。
【0023】本発明のポリプロピレン系フィルムは、表
面層の上にコーティング層、蒸着層、ラミネート層、イ
ンキ層等を形成する場合には、表面層には上記以外の成
分を含まないことが好ましいが、層間の密着性が損なわ
れない範囲であれば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑
剤、ワックス等を含んでいてもよい。また、このような
表面処理は、密着性を向上させるため、好ましくは36
dyne/cm以上、より好ましくは37〜45dyne/cm、さ
らに好ましくは38〜42dyne/cmの表面張力となるよ
うに行うことが望ましい。
【0024】本発明のポリプロピレン系フィルムは、未
延伸であってもよいが、延伸されている方が水蒸気バリ
アー性発現の点から好ましい。延伸フィルムは一軸延伸
であってもよいが、二軸延伸されている方が好ましい。
また、必要に応じて延伸フィルムは熱処理されていても
よい。
【0025】本発明のポリプロピレン系フィルムは、例
えばチタン系、ポリエチレンイミン系、ウレタン系等の
接着剤を用いるドライラミネート法によっても可能であ
るが、共押出法を適用することが好ましい。得られたフ
ィルムは、その結晶化がさらに進むように、120℃前
後で熱処理することが好ましい。
【0026】本発明のポリプロピレン系フィルムの延伸
は、Tダイ法においては、ダイから押し出したフィルム
を冷却した後に行うことができ、インフレーション法に
おいては、ダイからの溶融押出と共に行うこともでき
る。延伸法としては、慣用の延伸法、例えばロール延
伸、テンター延伸、チューブ延伸やこれらを組み合わせ
た延伸法等が挙げられる。延伸倍率は、所望するフィル
ムの特性に応じて適宜設定でき、一方向の延伸倍率が、
好ましくは2倍以上、より好ましくは5〜10倍程度で
ある。
【0027】フィルムの表面処理は、慣用の表面処理、
例えばコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾ
ンや紫外線照射処理等が採用できるが、コロナ放電処理
が好ましい。表面処理は、フィルムの延伸処理に先立っ
て行ってもよいが、延伸後に行うことが望ましい。
【0028】本発明のポリプロピレン系フィルムは、組
成及び構造が簡単であるにもかかわらず、高い水蒸気バ
リアー性を示す。そのため、防湿フィルムとして単体で
使用したり、コーティング用や蒸着用のフィルムとした
り、別素材とラミネートして使用したりするなど、包装
材料等の広い分野で好適に使用できる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、水蒸気透過速度は、温度40℃、相対湿度90%
の条件で、水蒸気過率測定装置(PERMATRAN
W200,MOCON社製)により行った。
【0030】実施例1 基材層の原料(A)及び表面層の原料(B)として、下
記組成物を用いた。 基材層の原料(A):ポリプロピレン(MFR=2g/
10min、アイソタクチック指数(II)98%)100重
量部に、水添石油樹脂(軟化点125℃)を20重量
部、酸化防止剤としてBHTを0.2重量部、テトラキ
ス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを
0.05重量部、ブロッキング防止剤として平均粒径
2.2μmのシリカ0.13重量部を加えた組成物。 表面層の原料(B):ポリプロピレン(MFR=10g
/10min、アイソタクチック指数(II)95%)100
重量部に、ブロッキング防止剤として平均粒径2.2μ
mのシリカ0.13重量部を加えた組成物。酸化防止剤
は無添加とした。前記原料(A)と(B)をTダイを備
えた押出機にそれぞれ供給し、250〜260℃の温度
で共押出しして、層構造が(B)/(A)/(B)の厚
さ1mmのシートを成形した。なお成形時には、表面層
が120℃で熱処理されるように、ロールの配置と温度
を設定した。得られたシートを、130〜160℃で縦
方向に5倍に延伸し、続いて160℃で横方向に10倍
に延伸した。得られたポリプロピレン系フィルムの厚み
は、20μm(基材層の厚みは18μm、表面層の厚み
は各1μm)であった。このフィルムの水蒸気透過速度
を測定したところ、3.9g/(m2・day)という
優れた防湿性を示した。
【0031】実施例2 表面層の原料(B)をポリプロピレン(MFR=15g
/10min、アイソタクチック指数(II)99%)100
重量部に、酸化防止剤としてBHTを0.02重量部、
ブロッキング防止剤として平均粒径2.2μmのシリカ
0.13重量部を加えた組成物に代えた以外は、実施例
1と同じ条件でポリプロピレン系フィルムを作成した。
得られたフィルムの厚みは、20μm(基材層の厚みは
18μm、表面層の厚みは各1μm)であった。このフ
ィルムの水蒸気透過速度を測定したところ、3.8g/
(m2・day)という優れた防湿性を示した。
【0032】実施例3 表面層の厚みを各5μmとし、基材層を10μmとした
以外は、実施例2と同じ条件でポリプロピレン系フィル
ムを作成した。得られたフィルムの水蒸気透過速度を測
定したところ、2.9g/(m2・day)という優れ
た防湿性を示した。
【0033】実施例4 基材層の原料(A)から石油樹脂を取り除き、表面層の
厚みを各5μmとし、基材層を10μmとした以外は、
実施例1と同じ条件でポリプロピレン系フィルムを作成
した。得られたフィルムの水蒸気透過速度を測定したと
ころ、3.9g/(m2・day)という優れた防湿性
を示した。
【0034】比較例1 表面層の原料(B)を、ポリプロピレン(MFR=3g
/10min、アイソタクチック指数(II)94%)100
重量部、酸化防止剤としてBHTを0.2重量部、テト
ラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル
−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
を0.05重量部、ブロッキング防止剤として平均粒径
2.2μmのシリカ0.13重量部を加えた組成物に代
えた以外は、実施例1と同じ条件でポリプロピレン系フ
ィルムを作成した。得られたフィルムの水蒸気透過速度
を測定したところ、4.4g/(m2・day)であっ
た。
【0035】比較例2 表面層の原料(B)として、原料(A)と同じものを使
用し、実施例1と同じ条件でポリプロピレン系フィルム
を作成した。得られたフィルムの水蒸気透過速度を測定
したところ、4.2g/(m2・day)であった。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2〜4は、表面層に結晶化度の高い
ポリプロピレンが存在しているため、水蒸気バリアー性
が優れていた。また、実施例1は、表面層のポリプロピ
レンの方が基材層のポリプロピレンよりも結晶化度が小
さいものであったが、表面層には酸化防止剤が含有され
ていないので分解による分子量の低下が生じ、それによ
り結晶化が促進されたため、他の実施例と同程度まで水
蒸気バリアー性を高めることができた。
【0038】
【発明の効果】本発明のフィルムは、本来ポリプロピレ
ン系フィルムが持つ特性を損なうことなく、防湿性に優
れているので、食品分野、医薬品分野、精密電子部品分
野等の各種包装用材料として好適に用いることができ、
内容物の長期保存に効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES (C08L 23/10 45:00 57:02) Fターム(参考) 4F071 AA20 AA69 AA88 AA89 AE05 AF07Y AF53Y BC01 BC12 BC17 4F100 AA20 AK02 AK02A AK02K AK07 AK07A AK07B AK08A AT00A AT00B BA02 CA06B CA06H CA17 DE01 EH20 EJ38 GB23 JA06B JA11B JD04 YY00A YY00B 4J002 BA002 BA012 BB111 BK002 CE002 FD076

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層と基材層の一面又は両面に形成さ
    れた表面層を有しているフィルムであり、基材層と表面
    層がポリプロピレン系樹脂を含有し、表面層に含有され
    るポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10min以上
    で、かつアイソタクチック指数(II)が95%以上のも
    のであるポリプロピレン系フィルム。
  2. 【請求項2】 表面層を構成するポリプロピレン系樹脂
    が、酸化防止剤を200ppm以下含有している請求項1
    記載のポリプロピレン系フィルム。
  3. 【請求項3】 基材層中に、テルペン樹脂及び石油樹脂
    から選ばれる1種以上の樹脂が2〜30重量%含有され
    ている請求項1又は2記載のポリプロピレン系フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 表面層の厚みTsが0.8μm以上で、
    フィルム総厚みTfとの比Ts/Tfが0.04〜0.
    60である請求項1、2又は3記載のポリプロピレン系
    フィルム。
  5. 【請求項5】 フィルムの総厚みTf(μm)と、40
    ℃における水蒸気透過速度WV−TR{g/(m2・d
    ay)}との積が、80μm・g/(m2・day)未
    満である請求項1〜4のいずれか1記載のポリプロピレ
    ン系フィルム。
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