JP3581359B2 - ポリプロピレン系積層フィルム、その製造方法および包装材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気バリア性とガスバリア性に優れたポリプロピレン系積層フィルム、その製造方法及び包装材に関し、更に詳しくは、防湿性、酸素ガスバリア性がよく、食品包装材料等として適しているポリプロピレン系積層フィルム、その製造方法及びそれを用いる包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系フィルムは、優れた透明性、光沢性等の光学特性、引張特性、ヤング率に代表される機械特性、実質上の無毒性及び無臭性等の特性を備えているため、特に食品用の包装材料として広く用いられている。食品用の包装材料として適用するとき、食品の種類によっては、吸湿を防止する防湿性と乾燥(脱湿)を防止する耐脱湿性の観点から水蒸気バリア性を具備することが要求される場合があるが、ポリプロピレン系フィルムに対して、ポリビニルアルコール系重合体単独、エチレン−ビニルアルコール系重合体、シロキサン系重合体をコーティングする方法では、酸素ガスバリア性は付与されるものの、水蒸気バリア性はほとんど向上しない。また、アルミやシリカ等の金属又は金属酸化物を蒸着する方法は、水蒸気バリア性を改善することはできるが、フィルムを包装材として用いた場合に中身が見えないし、一方、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)では、中身が見えるものの加工時にクラックを発生し、バリア劣化を起こす可能性があり、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)ベースで高い水蒸気バリア性を具備したものが望まれている。
【0003】
ポリプロピレン樹脂に石油樹脂およびテルペン樹脂を添加すると、ヤング率が高くなったり、防湿性が向上することが知られている。例えば、特開昭58−213037号公報や特開昭60−210647号公報には、水蒸気バリア性が改良されたポリプロピレンフィルムが開示されているが、これらはいずれもテルペン樹脂又は石油樹脂を添加することのみによって水蒸気バリア性を向上させている。これらの技術では、テルペン樹脂や石油樹脂が表面にブリードして透明性が悪化したり、ラミネート強度、印刷インキのにじみ、外観や触感不良を起こすという不具合があった。さらに、石油樹脂やテルペン樹脂がポリプロピレンおよび帯電防止剤との相溶性に優れ、低軟化点であるため、これらを添加したフイルムは熱寸法安定性に劣り、また帯電防止剤の効果の発現性に劣るために加工時の工程安定性に劣るという問題もあった。
【0004】
また、内容物保護性としての各種ガスバリア性は、食品の保存性を左右する大切な性質であり、一般プラスチック材料の弱点でもある。食品の変質要因としては、酸素、光、熱、水分等があげられ、とりわけ酸素は、その起因物質として重要である。バリア材は、酸素を有効に遮断すると同時にガス充填や真空包装などの食品の変質を制御する手段にとってもなくてはならない材料である。
ガスバリア性を有するバリア性フィルムとして、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)やポリビニルアルコールをコートした透明ポリプロピレンフィルム、シリカやアルミナなどを透明蒸着したポリエステルフィルムなどが数多く使用されてきた。例えば、特開昭64−043554号公報には、エチレン/ビニルアルコール共重合体のメタノール水溶液に、平均長さ7μmで、アスペクト比140のマイカを添加し、これを冷水中に注入して沈殿させ、濾過、乾燥し、ペレットとし、次いでフィルムを得る方法が記載されている。
しかし、ガスバリア性の樹脂をコーティングして、さらに防湿性を付与させようとしたときに、コーティング後の乾燥時の熱でフイルムが収縮してコーティング樹脂層に亀裂が入ったり、またポリプロピレンフイルムとの界面接着力が低下して、防湿性が向上しないという問題があった。また、これら従来の技術において得られるフィルムは、ガスバリア性について未だ充分なものではないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ポリプロピレン系フィルムの優れた特性を維持しつつ、水蒸気バリア性と酸素ガスバリア性を改善したポリプロピレン系積層フィルムを提供することにある。なお、本発明において「フィルム」は、実質的に二次元的構造を有する「シート」も含む。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために、積層フィルムのコア層(基材層)に、石油樹脂やテルペン樹脂を添加した結晶化度の高いポリプロピレン系樹脂を用い、コア層の少なくとも一面のスキン層(表面層)に、共重合型のポリプロピレン系樹脂を用い、或いはさらに、コロナ放電処理したスキン層に、塗布層としてポリビニルアルコールなどを積層したポリプロピレン系積層フィルムにおいて、水蒸気バリア性を改善すべく、鋭意種々検討した結果、塗布されていない積層フィルムの水蒸気透過度と厚みの積は、75g・μm/(m2・24h)以下がよいこと、かつ、水蒸気バリア性は、積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の3者の関係パラメータ(R)に影響され、さらに、その関係パラメータ(R)を特定範囲にすることにより、積層フィルムの水蒸気透過度と成形性を適性にすることができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、結晶性ポリプロピレン75〜94重量%と石油樹脂又はテルペン樹脂の少なくとも1種の樹脂25〜5重量%を含み、かつブロッキング防止剤又は帯電防止剤を配合しないコア層(C)と、コア層(C)の裏面にエチレンを0.1〜5重量%含有するランダム共重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S)と、コア層(C)の表面に単独重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S’)を有する少なくとも三層の積層フィルムであって、コア層(C)中の結晶性ポリプロピレンは、融点が160℃以上、アイソタクチック指数が97%以上であり、一方、石油樹脂又はテルペン樹脂は、ガラス転移温度が60℃以上であり、積層フィルムは、30〜55℃で12時間以上の熱処理が施されており、さらに、積層フィルムの水蒸気透過度と厚みの積は、75g・μm/(m2・24h)以下であり、かつ積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係(R)が下記の式(1)を満足することを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
式(1):
0.36<[(1−Xc)/(da/0.854)−0.125F]<0.44
【0008】
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、スキン層(S又はS’)の厚みは、1.5μm以下であることを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
【0009】
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、スキン層(S又はS’)には、ブロッキング防止剤として、シリカ又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)を100〜4000ppm配合することを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
【0010】
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、表面処理を施した裏面側のスキン層(S)に、塗布層(B)としてポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールと無機層状化合物の混合物を形成することを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、無機層状化合物は、水溶媒に膨潤又はへき開する粘土鉱物であることを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第4の発明において、無機層状化合物(a)とポリビニルアルコール(b)の混合重量比(a/b)は、15/85〜25/75であることを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
【0011】
また、本発明の第7の発明によれば、第4の発明において、全厚みは、40μm以下であることを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、ラミネート強度は、100g/15mm幅以上であることを特徴とするポリプロピレン系積層フィルムが提供される。
【0012】
一方、本発明の第9の発明によれば、表面処理を施した裏面側のスキン層(S)に塗布層(B)の形成は、溶媒に溶解又は分散して塗布液とした塗布層(B)の構成素材を、スキン層(S)の表面に塗布することにより行われることを特徴とする第4の発明のポリプロピレン系積層フィルムの製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、無機層状化合物とポリビニルアルコールとの混合は、水溶媒に膨潤又はへき開した状態での無機層状化合物をポリビニルアルコールへ高圧分散法を用いて分散させることにより行われることを特徴とする第4〜6のいずれかの発明のポリプロピレン系積層フィルムの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、ポリプロピレン系積層フィルムの製造工程において、30〜55℃で12時間以上の熱処理が施されることを特徴とする第1〜8のいずれかの発明のポリプロピレン系積層フィルムの製造方法が提供される。
【0013】
本発明の第12の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明のポリプロピレン系積層フィルムを使用することを特徴とする包装材が提供される。
【0014】
本発明は、上記した如く、結晶性ポリプロピレン75〜94重量%と石油樹脂又はテルペン樹脂の少なくとも1種の樹脂25〜6重量%を含み、かつブロッキング防止剤又は帯電防止剤を配合しないコア層(C)と、コア層(C)の裏面にエチレンを0.1〜5重量%含有するランダム共重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S)と、コア層(C)の表面に単独重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S’)を有する少なくとも三層の積層フィルム、或いはさらに、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールと無機層状化合物の混合物である塗布層(B)を有することを特徴とする水蒸気バリア性に優れたポリプロピレン系積層フィルムに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)本発明の第3の発明において、裏面側のスキン層(S)に、ブロッキング防止剤として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を100〜4000ppm含有することを特徴とするポリプロピレン系積層フィルム。
(2)本発明の第3の発明において、表面側のスキン層(S’)に、ブロッキング防止剤として、シリカを100〜4000ppm含有することを特徴とするポリプロピレン系積層フィルム。
(3)本発明の第3の発明において、スキン層(S又はS’)には、帯電防止剤と有機系滑剤(粒子型を除く)を配合しないことを特徴とするポリプロピレン系積層フィルム。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリプロピレン系積層フィルムについて、詳細に説明する。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、結晶性ポリプロピレン75〜94重量%と石油樹脂又はテルペン樹脂の少なくとも1種の樹脂25〜6重量%を含むコア層(C)と、コア層(C)の裏面に共重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S)を有する少なくとも二層の積層フィルムであって、コア層(C)中の結晶性ポリプロピレンは、融点が160℃以上、アイソタクチック指数が97%以上であり、一方、石油樹脂又はテルペン樹脂は、ガラス転移温度が60℃以上であり、さらに、積層フィルムの水蒸気透過度と厚みの積は、75g・μm/(m2・24h)以下であり、かつ積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係パラメータ(R)が下記の式(1)を満足するものである。
式(1):
0.36<[(1−Xc)/(da/0.854)−0.125F]<0.44
【0016】
上記の式(1)に係るポリプロピレン系積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係パラメータ(R)は、ポリプロピレン系積層フィルムの水蒸気バリア性と成形性の指標となるものである。
積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係パラメータ(R)が、0.36<R<0.44を満足することにより、積層フィルムの水蒸気バリア性と成形性の両性能をバランスよく、適性なものにすることができる。
【0017】
本発明においては、結晶化度(Xc)は、走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7C)を用い、昇温速度20℃/分で測定して求めた融解熱より、ポリプロピレンの結晶融解熱を209J/gとして、結晶化度を算出したものを用いている。尚、この結晶化度の算出には、添加した石油樹脂などの重量を除くポリプロピレンに対する割合として求めた。
また、非晶部密度(da)は、(1/d)=(1−Xc)/da+(Xc/dc)の関係式から算出したものを用いている。ここでdは、ニ軸延伸ポリプロピレン(OPP)の平均密度であり、その測定は、島津製作所社製のガス置換式密度計(アキュピック1330)で1cm2のセルを用い25℃で行った。また、Xcは、上記の走査型熱量計で求めた結晶化度であり、dcは、結晶部密度であり、0.943g/m3とした。
さらに、配向度(F)は、F=〔nx−(ny+nz)/2〕/0.04の関係式から算出したものを用いている。ここで、ポリプロピレン(PP)の固有複屈折を0.04とし、また、nx、ny、nzは、x(TD方向に近い主屈折率の軸)、y(MD方向に近い主屈折率の軸)、z(厚み方向に近い主屈折率の軸)方向の屈折率であり、その測定は、王子計測機器株式会社製の自動複屈折計(KOBRA−21HD)を用いて行い、その屈折率の算出ではフィルムの平均屈折率を1.51とした。
【0018】
この関係パラメータの値(R)が小さいと、積層フィルムの水蒸気バリア性がよくなり、すなわち水蒸気透過度が小さくなる。言い替えると、関係パラメータの値(R)が小さいほど、水蒸気透過度が小さくなって、水蒸気バリア性を向上させることができるが、関係パラメータの値(R)が小さすぎると、例えば、結晶化度(Xc)や非晶部密度(da)が大きくなりすぎると、積層フィルムの成形性に問題が生じてくる。
すなわち、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの構成において、積層フィルムの結晶化度(Xc)や非晶部密度(da)が大きい値をとることは、一義的ではないが、例えば、コア層の石油樹脂又はテルペン樹脂の配合量が多いことを意味し、石油樹脂などの配合量が多すぎると、水蒸気バリア性が良好となるものの、結晶化度(Xc)や非晶部密度(da)が大きくなりすぎ、その結果、関係パラメータの値(R)が小さくなりすぎて、積層フィルムの成形性に問題が生じ、成形の際には、発煙が多くなったり、耐熱性の脆さの点で配向が掛け難くなるなどの問題が生じる恐れがある。
このようにして、本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係パラメータ(R)が、0.36<R<0.44の適性な範囲を満足することにより、水蒸気バリア性と成形性の両性能をバランスよく、適性なものにすることができる。
【0019】
また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、結晶性ポリプロピレン75〜94重量%と石油樹脂又はテルペン樹脂の少なくとも1種の樹脂25〜6重量%を含むコア層(C)と、コア層(C)の裏面に共重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S)を有する少なくとも二層の積層フィルムであって、積層フィルムの水蒸気透過度と厚みの積は、75g・μm/(m2・24h)以下であることを特徴とする。
ポリプロピレン系積層フィルムにおいて、防湿性の指標として、その水蒸気透過度がフィルム厚さに逆比例するために、積層フィルムの水蒸気透過度と厚みの積で表したものであり、その水蒸気透過度としては、例えば、フィルム厚さが20μmのときに、3.75g/(m2・24h)以下であり、好ましくは3g/(m2・24h)以下であり、さらに好ましくは2.5g/(m2・24h)以下である。
【0020】
以下、項目毎に説明する。
1.コア層(C)
コア層(基材層)は、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有する樹脂組成物からなる。ポリプロピレン系樹脂は、高結晶の結晶性ポリプロピレンが好ましい。また、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、3−メチルペンテン、4−メチルペンテン等との共重合体でもよいが、プロピレン以外の構成単位の含有率は1重量%以下がよく、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.3重量%未満である。
【0021】
望ましいポリプロピレン系樹脂は、高結晶ポリプロピレン系樹脂であり、防湿性の点から規則性は高い方がよく、すなわち高立体規則性ポリプロピレン樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂のアイソタクチック指数は、積層フィルムの特性を損なわない範囲である限り特に制限されないが、好ましくは97%以上がよく、より好ましくは99%以上である。一方、アイソタクチック指数が97%未満では、フィルムの熱収縮率が大きくなって熱寸法安定性に劣るために印刷やコーティングおよびラミネート加工などの二次加工性に劣る。
尚、アイソタクチック指数及びその測定条件としては、対象となる物質をn−ヘキサン還流下で30分抽出後の残留物の重量%を表す。
【0022】
また、コア層(基材層)に用いられるポリプロピレン系樹脂の融点は、好ましくは160℃以上、より好ましくは162℃以上である。230℃でのメルトフローレート(ASTM D1238、以下MFRと略す)は、成形のしやすさの点から、好ましくは0.5〜20g/10分、より好ましくは1〜4g/10分である。
【0023】
コア層には、石油樹脂又はテルペン樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を配合することが望ましい。石油樹脂又はテルペン樹脂を含有することにより、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの水蒸気に対するバリア性が向上する。
石油樹脂としては、シクロペンタジエン系や高級オレフィン系炭化水素を主原料とする樹脂又はこれらに80%以上の水添率で水素添加したものを挙げることができる。この石油樹脂は、極性基を含まないものであることが好ましい。このような石油樹脂としては、具体的に、例えば荒川化学製の商品名「アルコンP−120」、トーネックス社製の商品名「エスコレッツE5320HC」が挙げられる。
石油樹脂は、軟化点が125℃以上のものが望ましく、また、ガラス転移温度は、60℃以上が望ましく、65〜85℃のものがより望ましい。
【0024】
テルペン樹脂としては、ピネン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ピサボレン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレン等又はこれらに80%以上の水添率で水素添加したものを挙げることができる。これらのテルペン樹脂は、極性基を含まないものであることが好ましい。
【0025】
コア層中における石油樹脂又はテルペン樹脂の少なくとも1種の樹脂の含有量は、6〜25重量%、好ましくは6〜20重量%、より好ましくは10〜20重量%である。すなわち、結晶性ポリプロピレンの含有量は、94〜75重量%、好ましくは94〜80重量%、より好ましくは90〜80重量%である。
石油樹脂などの含有量が6重量%未満であると、コア層に高結晶性ポリプロピレンを使用しているために、延伸性が悪く、破断が起こり易くなったり、厚薄精度が悪くなる。さらに、水蒸気バリア性に影響を及ぼす配向がかかり難くなり、得られたフィルムの水蒸気バリア性(水蒸気透過度)は、フィルム厚さ20μmのときに、4g/(m2・24h)を超えるものとなり、悪化する。
一方、石油樹脂などの含有量が25重量%を超えると、押出加工時に発煙が多く発生し、成形を行う上でいろいろと不具合が発生するようになる。さらに、延伸後のフィルムにおいても、石油樹脂などがブリードアウトし易くなることにより、フィルムのすべり性の阻害やブロッキング等の悪影響も懸念されるようになる。
【0026】
コア層には、本発明の目的を損なわない限り、さらに紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核成長剤、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、クマロニンデン樹脂等のクマロン樹脂、フェノール樹脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂等の炭化水素系重合体、可塑剤、充填剤を配合することができる。なお、フィルムを、後加工の工程に供する場合には、これらの添加剤のブリード等によってコーティング層、蒸着層、ラミネート層、インキ層等との適性を損なわないように条件設定する必要がある。また、コア層には、ラミネート強度の点から帯電防止剤と、透明性の点からブロッキング防止剤を含有しないことが望ましい。
【0027】
また、コア層は単層であってもよく、2層以上のポリプロピレン系樹脂層が積層されたものであってもよい。コア層の厚みは、特に制限されず、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。
【0028】
2.スキン層(S又はS’)
スキン層(表面層)(S又はS’)は、主としてコア層に含有された石油樹脂又はテルペン樹脂のブリードアウトを防止する目的、及び密着力向上、すべり性向上のためであって、コア層と同じポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物からなるものである。スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂は、望ましい態様として、コア層(C)の表面処理される裏面側のスキン層(S)には、エチレンを0.1〜5重量%含有するランダム共重合型のポリプロピレンを使用するが、加工適正の観点から好ましくはエチレン含量が0.5〜4%、さらに好ましくは1〜3%である。ここでいう加工適正とは、塗布時のロールとのすべり性を指し、エチレン含量が多くなると高温時のすべり性が悪くなり、加工適正が低下することをいう。
そして、コア層(C)の表面側のスキン層(S’)には、単独重合型のポリプロピレン、すなわちホモポリプロピレンである。但し、0.5%以下のエチレンを含有するプロピレンについても、ホモポリプロピレンの範疇と考える。
【0029】
上記のエチレンを0.1〜5重量%含有するランダム共重合型のポリプロピレンとしては、例えばエチレンとプロピレンのランダムコポリマー、エチレン−プロピレン−ブチレンターポリマーなどが挙げられ、特にエチレンとプロピレンのランダムコポリマーが好ましい。さらに、このようなポリプロピレンランダムコポリマーのコモノマー成分としては、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどの炭素数2〜6程度のアルケン等が挙げられる。さらに好ましくは、プロピレンをポリプロピレン系コポリマー全体の84重量%以上、特に好ましくは84〜99重量%含み、エチレンを0.1〜3重量%含有し、エチレンおよび/またはブテンをポリプロピレン系コポリマー全体の16重量%以下、特に好ましくは16〜1重量%含むコポリマーであるのがよい。なお、スキン層(S)を構成するポリプロピレン系コポリマーには、本発明の作用を阻害しない範囲で、添加剤等の他の成分を含有していても良い。
【0030】
スキン層(S又はS’)に用いられるポリプロピレン系樹脂のMFRは、3g/10分以上、好ましくは3〜20g/10分、さらに好ましくは3〜16g/10分である。なお、スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRは、コア層を構成するポリプロピレン系樹脂のMFRよりも大きくする方が、メルトフラクチャーを起こし難くなるので好ましい。
【0031】
コア層及びスキン層を構成するポリプロピレン系樹脂には、酸化防止剤を配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系等が挙げられるが、フェノール系としては2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(例えば、日本チバガイギー社、イルガノックス1010)等が好ましい。
【0032】
スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂には、ブロッキング防止剤(アンチブロッキング剤)を配合することが望ましい。ブロッキング防止剤としては、シリカ、アルミナ、合成ゼオライト、カオリン、タルク、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、石英粉、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等の無機系微粉末、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂等から選ばれる1種以上が挙げられる。中でも、適切にすべり性を付与する観点から、シリカやPMMA(ポリメタクリル酸メチル)が好ましく、好ましい実施態様として、コア層(C)の裏面側のスキン層(S)には、PMMAが、一方、表面側のスキン層(S’)には、シリカが挙げられる。なお、ブロッキング防止剤は、フィルム成形時に加えられる熱によっても変形することなく形状を保持するために、フィルム成形時の温度より高い融点又は軟化点を有するものが好ましい。
【0033】
ブロッキング防止剤は、真球状でも不定形でもよいが、真球状のブロッキング防止剤を用いると、透明性を低下させることなく、高い耐ブロッキング性を付与できるため好ましい。シリカなどのブロッキング防止剤の平均粒子径は、表面層の厚みに応じて、耐ブロッキング性、すべり性、透明性を損なわない範囲で選択でき、好ましくは0.1〜7.5μm、より好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜4μmである。
また、耐ブロッキング性やすべり性を良くするために、スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂には、ブロッキング防止剤と類似の無機系滑剤や粒子型の有機系滑剤などを配合してもよい。
【0034】
ブロッキング防止剤の含有量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部がよく、より好ましくは0.02〜0.4重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量部である。ブロッキング防止剤の含有量が0.01重量部以上であると巻取時におけるフィルムのブロッキングを防止でき、また、0.5重量部以下であると透明性の低下を防止できる。
【0035】
また、コア層(C)に対する表面処理される裏面側のスキン層(S)のラミネート強度は、150g/15mm幅以上あることが望ましい。
【0036】
さらに、ポリプロピレン系積層フィルムの裏面側のスキン層(S)には、通常、表面処理が施され、その表面処理としては、慣用の表面処理、例えばコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理等を採用できるが、コロナ放電処理が好ましい。表面処理は、フィルムの延伸処理に先立って行ってもよいが、延伸後に行うことが望ましい。
【0037】
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、スキン層の上にコーティング層、蒸着層、ラミネート層、インキ層等を形成する場合には、スキン層には前記(すなわち酸化防止剤とブロッキング防止剤)以外の成分を含まないことが好ましいが、すなわち、塗布層の密着強度を安定化するために帯電防止剤や有機系滑剤(粒子型を除く)を配合しないことが望ましいが、層間の密着性が損なわれない範囲であれば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、ワックス等を少量含んでいてもよい。また、このような表面処理は、密着性を向上させるため、好ましくは36dyne/cm以上、より好ましくは37〜45dyne/cm、さらに好ましくは38〜42dyne/cmの表面張力となるように行うことが望ましい。
【0038】
3.塗布層(B)
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、コア層(C)の表面処理される裏面側のスキン層(S)に、所望によりアンカー層無しに或いはアンカー層を介して、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールと無機層状化合物の混合物からなる塗布層(バリア層)(B)を少なくとも1層有することができる。
【0039】
所望により、アンカー層を介する場合、アンカー層としては、密着性を高めるものであれば特に限定されず、例えばウレタン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリエステル系等の公知あるいは慣用のアンカーコート剤などを使用できる。また、これらの中でも、接着強度及び耐水性の観点から、ポリエチレンイミン系、ウレタン系、ポリエステル系のアンカーコート剤が好ましい。なお、アンカー層には、本発明の作用を阻害しない範囲で、添加剤等の他の成分を含有していても良い。
【0040】
また、アンカー層の厚みも特に限定されず、スキン層(S)や塗布層(B)の構成、所望の接着強度等により適宜設定すればよいが、好ましくは、乾燥時の厚みで0.05〜1g/m2となるようにするのがよい。
【0041】
アンカー層は、スキン層(S)の形成後、例えば、必要に応じて溶媒に溶解あるいは分散して塗布液としたアンカー層の構成素材を、スキン層(S)の表面に塗布する方法により形成できる。上記塗布液は、溶媒が水性あるいは有機溶剤のいずれであっても良い。なお、アンカー層の形成時には、スキン層(S)の表面に、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などを施すことが望ましい。
【0042】
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、表面処理面側のスキン層(S)に対する塗布層(B)の密着強度(ラミネート強度)が300g/15mm幅以上であることが望ましい。密着強度が300g/15mm幅未満であると、塗布層が剥離しやすく、本発明のポリプロピレン系積層フィルムを用いた包装材の形成時などに、塗布層側に他のフィルムを積層した場合のラミネート強度が低下したり、塗布層側に他のヒートシール性フィルムを積層して封筒貼り形態などにヒートシールした場合のヒートシール強度が低下したりする。
また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、スキン層(S)に塗布層(B)が積層された後のラミネート強度が、100g/15mm幅以上であることが望ましい。
【0043】
本発明において、塗布層(B)として、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールと無機層状化合物の混合物を用いることができる。
上記のポリビニルアルコールとしては、ビニルアルコールを主たるモノマー成分とするビニルアルコール共重合体が挙げられ、このビニルアルコール共重合体を使用することにより、塗布層は、酸素ガスへのバリア性に優れる。好ましくは、主たるモノマー成分であるビニルアルコールが、ビニルアルコール共重合体中の全モノマー成分に対し70〜99モル%、さらに好ましくは80〜98モル%であるのがよい。上記ビニルアルコール以外のモノマー成分としては、酢酸ビニルやエチレンが挙げられる。なお、塗布層には、本発明の作用を阻害しない範囲で、添加剤等の他の成分を含有していても良い。
【0044】
また、上記の無機層状化合物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有している無機化合物であって、無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物)、カルコゲン化物〔IV族(Ti、Zr、Hf)、V族(V、Nb、Ta)およびVI族(Mo、W)のジカルコゲン化物であり、式MX2で表わされる。ここで、Xはカルコゲン(S、Se、Te)を示す。〕、粘土系鉱物などを挙げることができる。中でも、溶媒に膨潤又はへき開する無機層状化合物が好ましく用いられる。
【0045】
溶媒に膨潤又はへき開する無機層状化合物としては、溶媒に膨潤又はへき開性を有する粘土鉱物が好ましく用いることができる。粘土系鉱物は、一般に、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8面体層を有する2層構造よりなるタイプと、シリカの4面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8面体層を両側から挟んだ3層構造よりなるタイプに分類される。前者としてはカオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者としては層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等をあげることができる。これらの鉱物は、天然のクレー中より産するもの、天然品より抽出したものの層間イオン交換処理を行った半合成品、及び天然品と類似構造を有するごとく合成した純合成品などが挙げられる。中でも、溶媒、例えば水に膨潤またはへき開する層状珪酸塩が好ましく用いられ、純度が99%以上である天然物のモンモリロナイトなどが挙げられる。
【0046】
溶媒としては、無機層状化合物の密度より小さい密度を有する溶媒を用いる。無機層状化合物が天然の膨潤性粘土鉱物である場合、該溶媒としては、水を用いることが好ましい。他の溶媒として、例えばメタノールやエタノ−ル等のアルコール類が挙げられる。
【0047】
無機層状化合物の大きさとしては、フィルムとした際の製膜性ないし成形性の点から、粒径が5μm以下であることが好ましい。さらに、透明性の点からは、粒径が3μm以下であることが好ましい。本発明のポリプロピレン系積層フィルムを透明性が重視される用途(例えば食品用途)に用いる場合には、この粒径は1μm以下であることが、特に好ましい。
【0048】
ポリビニルアルコールと無機層状化合物の混合方法としては、均一に混合、分散する限り特に限定されないが、例えば、先ず、溶媒としての水に膨潤又はへき開した状態での無機層状化合物を作製し、次に、そのような状態の無機層状化合物を水に溶解させたポリビニルアルコール溶液へ高圧分散法にて、例えば高圧ホモジナイザーを用いて分散させることにより行われる方法などが挙げられる。
その溶媒としての水に膨潤またはへき開した状態での無機層状化合物の作製方法としては、水に混合分散させた無機層状化合物を高圧ホモジナイザーを用いて500kgf/cm2以上の圧力条件下で2パス以上処理させ、水溶媒に膨潤またはへき開した分散状態にする方法などが挙げられる。
さらに、無機層状化合物(a)とポリビニルアルコール(b)の混合重量比(a/b)は、15/85〜25/75であることが望ましい。
【0049】
塗布層(B)は、スキン層(S)の形成後、例えば、必要に応じて溶媒に溶解あるいは分散して塗布液とした塗布層の構成素材を、スキン層(S)の表面に塗布する方法により形成できる。上記塗布液は、溶媒が水性あるいは有機溶剤のいずれであっても良いが、好ましくは水あるいは水と親水性溶媒の混合液であるのがよい。
また、塗布層の厚みは、特に限定されず、所望のバリア性等により適宜設定すればよいが、好ましくは0.3〜3μm、さらに好ましくは0.3〜2μmである。
さらに、塗布層を複数有する場合は、塗布層同士の間にアンカー層を有していても良い。
【0050】
4.ポリプロピレン系積層フィルム(製造方法)
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの製造方法は、特に限定されず、通常一般に使用されるフィルムの成形方法および積層方法を使用できる。好ましくは、コア層(C)、スキン層(S又はS’)および塗布層(B)を共押出し法により同時に成形するのがよい。例えば、コア層とスキン層の形成に使用する樹脂等を、それぞれ個別の押出機に供給し、樹脂温度200〜260℃の範囲で融解混合させた後、スリット上の口金から共押出し法により積層することにより得られる。尚、各押出機の温度設定は、MFR及び融点によりそれぞれ別の温度設定にしても構わない。コア層(C)或いはスキン層(S又はS’)が多層構成であっても、同様の共押出し法を使用することができる。また、口金から押出された溶融樹脂が接触するチルロールの温度は、25〜65℃、好ましくは30〜60℃、さらに好ましくは30〜55℃に設定すると、シートの冷却が徐冷になり好ましい。また、好ましくは共押出し後、少なくとも一軸方向に延伸、さらに好ましくは二軸方向に延伸するのがよい。二軸延伸条件は、特に制約はないが、逐次二軸延伸が好ましい。逐次二軸延伸の際、縦方向の延伸倍率は4〜7倍、好ましくは4.5〜6倍で、横方向の延伸倍率は7〜12倍、好ましくは8〜11倍である。また、横方向の延伸時の予熱温度設定は、出来るだけ低く設定することが好ましく、設定温度範囲は150〜180℃で、好ましくは155〜175℃で、フィルムに配向がかかることが望ましい。延伸することにより、水蒸気バリア性発現効果があがる。押出し条件および延伸条件は、使用する各層の素材や厚み、所望の物性等に応じて適宜設定できる。
【0051】
上述の製造工程において、30〜55℃の比較的低温で12時間以上の熱エージング等の熱処理を施すことにより、積層フィルムの水蒸気バリア性が向上する。
【0052】
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、フィルムの全厚み(Tf)が好ましくは40μm以下であり、コア層の厚み(Tc)は、好ましくは10〜25μmであり、スキン層の厚み(Ts)(両側にスキン層がある場合はそれらの合計)が好ましくは0.5〜1.5μmである。また、塗布層の厚み(Tb)は、前述したように特に限定されず、所望のバリア性等により適宜選定される。
【0053】
また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムのスキン層の厚み(Ts)と、フィルムの総厚みTfとの比(Ts/Tf)は、0.04〜0.60がよく、好ましくは0.05〜0.5である。Ts/Tfが0.04以上であるとスキン層による防湿性を十分に向上させることができ、また0.60以下であるとフィルムとしての外観や触感に不具合が生じることもない。
【0054】
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、単独で包装材として使用可能であるが、例えばヒートシール性を有する無延伸透明ポリプロピレン系樹脂(CPP)フィルムや無延伸ポリエチレン系樹脂フィルムなどの他の素材と積層し、包装材として使用することもできる。該包装材の構成や積層方法は特に限定されない。無延伸透明ポリプロピレン系樹脂フィルムや無延伸ポリエチレン系樹脂フィルムは、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの塗布層側に積層することにより、両面にヒートシール性を有し、計量で、塗布層の基材との密着性にも優れた包装材を得ることができる。また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムには、印刷等により着色処理や画像形成処理を施しても良い。
【0055】
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、水蒸気バリア性と酸素ガス等のガスバリア性に優れているために、キャンディ、チョコレート、米菓、ビスケット、クッキー等の各種菓子類、海苔等の個別包装及び全体包装用として好適である。
【0056】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、各種性状や性能の測定、評価は下記の試験方法により評価した。
【0057】
(1)フィルムの全厚み(Tf)
実施例/比較例のポリプロピレン系積層フィルムの全厚み(Tf)をデジタル厚み計により測定した。
【0058】
(2)ラミネート強度
実施例/比較例のポリプロピレン系積層フィルムに対し、ラミネート用接着剤(東洋モートン社製、TM329)とラミネート用接着剤(東洋モートン社製、CAT−8B)と酢酸エチルとをそれぞれ重量比で4.8:4.8:10.4となるように混合したラミネート接着剤を、乾燥後の厚みで2〜2.5g/m2となるように上記フィルムのスキン層又は塗布層表面に塗布し、乾燥後、ラミネート接着剤塗布面と、表面にコロナ処理38dyne/cm以上の処理度)を施した厚さ20μmの透明ポリプロピレン系樹脂(OPP)フィルムのコロナ処理面とを圧着させた。圧着後24時間、40℃、30%RHの条件下で保存した。接着されたフィルムを、15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作成し、JIS K 7127に準じて、試験片の一方の端部側のポリプロピレン系積層フィルムとOPPフィルムのそれぞれ端部を保持して、ポリプロピレン系積層フィルムとOPPフィルムが剥離する方向に300mm/minの速度で引張った時の強度を測定し、密着強度とした。
【0059】
(3)水蒸気バリア性
水蒸気バリア性は、温度40℃、相対湿度90%の条件で、水蒸気過率測定装置(PERMATRAN W200、MOCON社製)により水蒸気透過速度を測定、評価した。
【0060】
(4)酸素ガスバリア性
酸素ガスバリア性は、酸素透過度測定装置(OX−TRAN2/20、MOCON社製)を用いて、20℃、60%RHの条件下での酸素透過率を測定、評価した。
【0061】
[実施例1]
コア層(C)として、アイソタクチック指数(I.I.)が99%の結晶性ポリプロピレン(MFR:2g/10分、融点:166℃)85重量%に、ガラス転移温度が70℃の水添石油樹脂(エスコレッツ5320HC)15重量%を添加した組成物を用い、また、表面処理面(裏面)側のスキン層(S)として、エチレン含量が2重量%のランダム共重合型ポリプロピレン(MFR:15g/10分、融点:150℃)に、ブロッキング防止剤としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)を1500ppm添加したものを用いた。さらに、非処理面側のスキン層(S’)として結晶性プロピレン(MFR:8g/10分、融点:160℃)に、ブロッキング防止剤としてシリカを2500ppm添加したものを用いた。コア層樹脂の温度は250℃に設定し、両スキン層樹脂については230℃に設定し、各押出機からダイ内部へ供給され積層された溶融樹脂が、内部を55℃の温度が循環しているチルロールに接触、反対面は空気接触する方法で冷却された多層シートを、縦5.5倍、横9.5倍、製膜速度100m/分で逐次二軸延伸することにより、厚さ20μmの積層フィルムを得た。さらに製造工程において、温度45℃で24時間の熱エージングを施した。
得られたフィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0062】
[実施例2]
実施例1と同様の組成で、逐次二軸延伸を行い、30μmの厚みのフィルムを得、実施例1と同様に熱エージングを実施した。得られたフィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0063】
[比較例1]
コア層(C)として、アイソタクチック指数(I.I.)が99%の結晶性ポリプロピレン(MFR:2g/10分、融点:166℃)95重量%に、ガラス転移温度が70℃の水添石油樹脂(エスコレッツ5320HC)5重量%を添加すること以外は、実施例1と同条件にて製膜を実施したところ、延伸時に破断が起こり、成形できなかった。その組成を表1に示す。
【0064】
[比較例2]
コア層(C)として、アイソタクチック指数(I.I.)が97%の結晶性ポリプロピレン(MFR:3g/10分、融点:161℃)95重量%に、ガラス転移温度が70℃の水添石油樹脂(エスコレッツ5320HC)5重量%を添加した組成とした以外は、実施例1と同じ条件にて、成形及び熱処理を実施し、厚み20μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0065】
[比較例3]
表面処理面側のスキン層(S)として、エチレンを含有していないホモポリプロピレンを用いた以外は、比較例1と同じ条件にて、成形及び熱処理を実施し、厚み20μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0066】
[比較例4]
製造工程において、温度45℃で2時間の熱エージングを施した以外は、実施例1と同じ条件にて、成形及び熱処理を実施し、厚み20μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0067】
[実施例3]
実施例1と同じ条件にて、厚み20μmの二軸延伸フィルムを得た後、塗布層(B)として、ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液に、無機層状化合物であるモンモリロナイトを高圧ホモジナイザーによる高圧分散法にて分散したもの(PVA:モンモリロナイト=80:20重量%)を、厚み1μmで表面処理面側のスキン層(S)に塗布、乾燥を実施し、全厚みが21μmである積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0068】
[実施例4]
PVAの水溶液を塗付した以外は、実施例3と同様の条件にて実施し、全厚みが21μmである積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0069】
[比較例5]
比較例2と同様にして、厚み20μmの二軸延伸フィルムを得た後、塗布層(B)として、PVAの水溶液に、無機層状化合物であるモンモリロナイトを高圧ホモジナイザーによる高圧分散法にて分散したもの(PVA:モンモリロナイト=80:20重量%)を、厚み1μmで表面処理面側のスキン層(S)に塗布、乾燥を実施し、全厚みが21μmである積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムの諸物性を評価し、その結果などを表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
実施例1、2は、コア層にアイソタクチック指数が97%以上の結晶性ポリプロピレンと水添石油樹脂の混合物(85:15重量%)を用い、また、スキン層にエチレン含量が2重量%のランダム共重合型ポリプロピレンにPMMAを配合しているため、さらに、積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係(R)が特定範囲内であるために、水蒸気バリア性とラミネート強度に優れている。一方、比較例1は、コア層として、アイソタクチック指数が97%以上(99%)の結晶性ポリプロピレンに、水添石油樹脂を配合しているものの、配合割合が6重量%未満(5重量%)であること等から延伸ができなかった。また、比較例2、3は、コア層に水添石油樹脂を配合しているものの、配合割合が6重量%未満(5重量%)であるため、さらに、積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係(R)が特定範囲外であるために、水蒸気バリア性が悪い。さらに、比較例3は、スキン層にランダム共重合型ポリプロピレンを用いていないため、ラミネート強度が低い。また、比較例4は、実施例1と対比すると、温度45℃で2時間(実施例1では24時間)の熱エージングを施しているため、水蒸気バリア性が悪い。
実施例3、4は、実施例1のものに塗布層を塗布したものであるために、水蒸気バリア性とラミネート強度及び酸素ガスバリア性にも優れている。一方、比較例5は、比較例3のものに塗布層を塗布したものであるために、水蒸気バリア性と酸素ガスバリア性に優れているものの、ラミネート強度が悪い。
【0072】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、本来ポリプロピレン系フィルムが持つ特性を損なうことなく、水蒸気バリア性と酸素ガスバリア性に優れているので、食品分野、医薬品分野、精密電子部品分野等の各種包装用材料として好適に用いることができ、内容物の長期保存に効果を発揮する。
Claims (12)
- 結晶性ポリプロピレン75〜94重量%と石油樹脂又はテルペン樹脂の少なくとも1種の樹脂25〜6重量%を含み、かつブロッキング防止剤又は帯電防止剤を配合しないコア層(C)と、コア層(C)の裏面にエチレンを0.1〜5重量%含有するランダム共重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S)と、コア層(C)の表面に単独重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S’)を有する少なくとも三層の積層フィルムであって、
コア層(C)中の結晶性ポリプロピレンは、融点が160℃以上、アイソタクチック指数が97%以上であり、一方、石油樹脂又はテルペン樹脂は、ガラス転移温度が60℃以上であり、積層フィルムは、30〜55℃で12時間以上の熱処理が施されており、さらに、
積層フィルムの水蒸気透過度と厚みの積は、75g・μm/(m2・24h)以下であり、かつ積層フィルムの結晶化度(Xc)と非晶部密度(da)及び配向度(F)の関係(R)が下記の式(1)を満足することを特徴とするポリプロピレン系積層フィルム。
式(1):
0.36<[(1−Xc)/(da/0.854)−0.125F]<0.44 - スキン層(S又はS’)の厚みは、1.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- スキン層(S又はS’)には、ブロッキング防止剤として、シリカ又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)を100〜4000ppm配合することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- 表面処理を施した裏面側のスキン層(S)に、塗布層(B)としてポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールと無機層状化合物の混合物を形成することを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- 無機層状化合物は、水溶媒に膨潤又はへき開する粘土鉱物であることを特徴とする請求項4に記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- 無機層状化合物(a)とポリビニルアルコール(b)の混合重量比(a/b)は、15/85〜25/75であることを特徴とする請求項4に記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- 全厚みは、40μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- ラミネート強度は、100g/15mm幅以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- 表面処理を施した裏面側のスキン層(S)に塗布層(B)の形成は、溶媒に溶解又は分散して塗布液とした塗布層(B)の構成素材を、スキン層(S)の表面に塗布することにより行われることを特徴とする請求項4に記載のポリプロピレン系積層フィルムの製造方法。
- 無機層状化合物とポリビニルアルコールとの混合は、水溶媒に膨潤又はへき開した状態での無機層状化合物をポリビニルアルコールへ高圧分散法を用いて分散させることにより行われることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のポリプロピレン系積層フィルムの製造方法。
- ポリプロピレン系積層フィルムの製造工程において、30〜55℃で12時間以上の熱処理が施されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリプロピレン系積層フィルムの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のポリプロピレン系積層フィルムを使用することを特徴とする包装材。
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