JP2017213869A - 半透明性延伸フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】つや消しの外観を有する半透明性延伸フィルム、好ましくは優れた印刷適性およびヒートシール性を有し、所望により鉛筆筆記性をも有する半透明性延伸フィルムを提供すること。
【解決手段】少なくとも基材層および表面層を含む半透明性延伸フィルムであって、前記基材層は、融点が120〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し、前記表面層は、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜2g/10分である結晶性熱可塑性樹脂Dを樹脂成分として少なくとも含有する、全光線透過率が35〜85%である、半透明性延伸フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも基材層および表面層を含む半透明性延伸フィルムに関する。
従来、透写紙、グラシン紙、パラフィン紙および硫酸紙といった半透明性を有する紙は、その表面に印刷等された文字や絵柄の視認性に優れ、内容物の確認も可能であることから、薬包紙、食品の包装紙、クッキングシート、ブックカバー等に用いられている。しかしながら、それらの半透明性を有する紙は、厚みを大きくすると半透明性が失われ、厚みを小さくすると機械強度が不十分となる。また印刷・断裁・包装等の際に紙粉が発生し、印刷性や断裁作業性の悪化、包装物の汚染といった問題を生ずることがある。またプラスチック製フィルムと比べると耐湿性、耐水性および耐油性は低く、水分や油分を含む食品等の包装等には使用できない場合がある。さらには、紙は一般にヒートシール性を有さず、ヒートシール性を要する包装形態には使用できない。
これに対し、プラスチック製フィルムは、耐湿性、耐水性および耐油性に優れ、良好な機械強度を有することから、食品や薬品等の包装紙等に用いられている。しかしながら、プラスチック製フィルムは透明性が高く、その全面に印刷しなければ文字や絵柄等を視認しにくく、加えて質感が均一であるため高級感や意匠性が得られにくい。このため、プラスチック製フィルムは消費者の注目を集めにくいという課題がある。
加えて、透写紙等ではその用途から鉛筆筆記性が必要とされるが、プラスチック製フィルムは表面が滑らかすぎるために鉛筆等による筆記ができない。また、紙に比べてプラスチック製フィルムは外観につやがあるため、紙の代替として用いることができない場合がある。
特許文献1には、ポリプロピレンおよび特定の炭酸カルシウム粉末を含有するポリプロピレン樹脂組成物から形成されたパール光沢を有するポリプロピレン二軸延伸フィルムが提案されている。
特許文献2には、結晶性ポリオレフィンと環状オレフィン系樹脂とからなる不透明ポリオレフィン系フィルムが提案されている。
特許文献3には、ポリマーマトリックス、およびシンジオタクチックポリスチレン重合体からなる固体、非中空粒子を含むキャビテーション化剤を含む基材層と、少なくとも1種の追加の層とを含む不透明なポリマーフィルムが提案されている。特許文献3には、上記ポリマーフィルム中にエチレンノルボレンコポリマーがキャビテーション化剤として更に含まれることが記載されている。
特開平11−005852号公報 特開平8−73618号公報 特表2003−522054号公報
しかしながら、上記特許文献1に関して、ポリプロピレン二軸延伸フィルムに用いられる炭酸カルシウムは不透明性であり、半透明性のフィルムは得られない。また、粒子の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れが発生することがあり、断裁作業性についても良好であるとはいえない。
また、上記特許文献2に関して、不透明ポリオレフィン系フィルムは、結晶性オレフィンと環状オレフィン系樹脂の単層フィルムのため、外観につやがあり紙のような質感は無く、鉛筆などによる筆記性についても有さないものである。
さらに、上記特許文献3に記載のポリマーフィルムは不透明性であり、半透明性を有するものではない。また、つや消し効果を有する表面層については記載されておらず、上記ポリマーフィルムは紙のような質感を有するものではない。
このような状況下、紙に比べて高い耐湿性、耐水性、耐油性、および機械強度を有するプラスチック製フィルムでありながら半透明性および紙のような外観をも有し、好ましくは優れた印刷適性を有し、所望により鉛筆筆記性をも有するフィルムが望まれている。
したがって、本発明の目的は、紙のような外観を有する半透明性延伸フィルム、好ましくは優れた印刷適性を有し、所望により鉛筆筆記性をも有する半透明性延伸フィルムを提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、半透明性延伸フィルムにおける紙のような外観は、表面側のつや(光沢度)および基材層による白さの不均一性が関連することを見出した。そして、本発明者らは、少なくとも基材層および表面層を含む半透明性延伸フィルムであって、前記基材層は、融点が120〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し、表面層は190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜2g/10分である結晶性熱可塑性樹脂Dを樹脂成分として少なくとも含有する、全光線透過率が35〜85%である半透明性延伸フィルムにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1]少なくとも基材層および表面層を含む半透明性延伸フィルムであって、
前記基材層は、融点が120〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し、
前記表面層は、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜2g/10分である結晶性熱可塑性樹脂Dを樹脂成分として少なくとも含有する、全光線透過率が35〜85%である、半透明性延伸フィルム。
[2]前記非晶性熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度が135〜185℃である、[1]に記載の半透明性延伸フィルム。
[3]前記基材層は、融点が200〜280℃である結晶性熱可塑性樹脂Cを樹脂成分として更に含有する、[1]または[2]に記載の半透明性延伸フィルム。
[4]前記基材層は、非晶性熱可塑性樹脂Bの含有量が基材層の樹脂成分の全質量を基準に2〜40質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[5]前記表面層は、結晶性熱可塑性樹脂A’を樹脂成分として更に含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[6]前記表面層は、前記結晶性熱可塑性樹脂Dの含有量が表面層の樹脂成分の全質量を基準に1〜60質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[7]前記表面層は、非晶性熱可塑性樹脂B’及び/又は結晶性熱可塑性樹脂C’を樹脂成分として更に含有し、非晶性熱可塑性樹脂B’及び/又は結晶性熱可塑性樹脂C’の含有量の合計が表面層の樹脂成分の全質量を基準に5〜30質量%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[8]前記非晶性熱可塑性樹脂Bは、非晶性環状オレフィン共重合体である、[1]〜[7]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[9]前記結晶性熱可塑性樹脂Dは高密度ポリエチレンである、[1]〜[8]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[10]表面層が積層された面の反対側の面にヒートシール層を有する、[1]〜[9]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[11]表面層側の60度鏡面光沢度は1〜20%である、[1]〜[10]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
本発明の半透明性延伸フィルムは、白色で半透明性を有すると共に、機械強度、耐湿性、耐水性および耐油性に優れることから、ラベル、テープ用基材、印刷用基材、ポスター用紙、感熱紙基材、記録用紙基材等に好適に用いることができる。また、紙の地合いのように白さが不均一で、つや消しされた外観を有するため、紙の質感(紙のような外観)を有しており、その結果、紙の代替品として使用しやすい。
また、つや消しの外観を得るために、表面を適度に粗面化したことで、紙の様に鉛筆筆記が可能である。
本発明の半透明性延伸フィルムは無機粒子を含有しなくても紙の質感を有する。このような実施形態では、無機粒子の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れが無く、断裁時に切断面が荒れることや断裁刃の消耗が早い等の問題が起こらない。
さらに、本発明のある実施態様では、本発明の半透明性延伸フィルムは優れた印刷適性およびヒートシール性を有するため、食品包装用途に好ましく用いることができる。
本明細書において、「〜」とは、以上と以下を意味する。即ち、α〜βという表記は、α以上β以下又はβ以上α以下を意味し、範囲としてαとβを含む。
本発明は、少なくとも基材層および表面層を含む半透明性延伸フィルムであって、前記基材層は、融点が120〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂A(以下、結晶性樹脂Aとも称する)と、非晶性熱可塑性樹脂B(以下、非晶性樹脂Bとも称する)とを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し、表面層は、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜2g/10分である結晶性熱可塑性樹脂Dを樹脂成分として少なくとも含有する、全光線透過率が35〜85%である半透明性延伸フィルムに関する。本発明の半透明性延伸フィルムは、少なくとも基材層および表面層が積層されており、複数層から構成されている。
ここで、結晶性熱可塑性樹脂とは、DSCを用いて、窒素流下、−40℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持し、20℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した後、再び20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線に明確な溶融ピークが現れる熱可塑性樹脂をいう。
また、非晶性熱可塑性樹脂とは、DSCを用いた上記測定において明確な溶融ピークが現れない熱可塑性樹脂をいう。
また、「融点が120〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し」とは、基材層が、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する(当該樹脂A及びBを併用する)層を、基材層を構成する層として単数又は複数含み得ることを意味するものであり、基材層が、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する(当該樹脂A及びBを併用する)層を、基材層に隣接した別の層として有することを意味するものではない。
本発明の半透明性延伸フィルムは、基材層を含む。基材層は、上記結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有する。つまり、基材層は、単層又は複数層のいずれであってもよく、基材層が複数層の場合、上記結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bを樹脂成分として少なくとも含有する(当該樹脂A及びBを併用する)層は、1層であってもよく、また複数層であってもよい。
半透明性延伸フィルムの基材層が上記結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bを含有することにより、結晶性樹脂A中での非晶性樹脂Bの分散状態およびその周囲に形成される空隙部が様々な大きさになることで透過率に部分差が生じ、紙の地合いのような白さの不均一性が得られることとなる。また、メルトマスフローレートが上記範囲内の結晶性熱可塑性樹脂Dを表面層に含有することにより、つや消しの外観を有する表面層が得られる。このような基材層と表面層を組み合わせることで、半透明性を有する紙のような外観の半透明性延伸フィルムを得ることができる。なお、半透明性延伸フィルムの基材層中の前記非晶性樹脂B自体は中空状態ではなく中実状態(又は非中空状態)である。
本発明の半透明性延伸フィルムは、全光線透過率が35〜85%である。全光線透過率が35%未満であると、不透明になり、包装に用いた場合、内容物の確認が困難となる。また、85%を超えると、透明性が余りに高くなり、フィルム表面に印字された文字や絵柄等の視認性が悪化する。本発明の半透明性延伸フィルムは、全光線透過率が好ましくは40%〜80%、より好ましくは50%〜75%、さらに好ましくは52〜70%である。全光線透過率が上記範囲内であれば、延伸フィルムが半透明性となるため好ましい。本発明では、全光線透過率は、JIS K 7361に準拠して測定される値のことであり、日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−5000等を用いて測定した。
結晶性樹脂Aの融点は、120〜175℃であり、好ましくは123〜170℃、より好ましくは126〜166℃、さらに好ましくは130〜164℃、特に好ましくは135〜163℃である。結晶性樹脂Aの融点が120℃未満である場合には、得られる延伸フィルムの耐熱性が低下し、延伸フィルムの生産性が低下する。結晶性樹脂Aの融点が175℃を超える場合には、結晶性樹脂A中で非晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御することが困難となる。
結晶性樹脂Aのガラス転移温度は、50℃以下が好ましく、−30℃〜30℃がより好ましい。結晶性樹脂Aのガラス転移温度が上記要件を満たし、後に記載するように非晶性樹脂Bが特定のガラス転移温度を有すると、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bとの界面間に、適度な空隙部が形成され得るため好ましい。また、延伸フィルムの生産性や得られる延伸フィルムの耐熱性、柔軟性、低温もろさ等が良好となるため好ましい。
本発明では、結晶性樹脂Aの融点およびガラス転移温度はパーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSCを用いて測定を行った。
結晶性樹脂Aの、230℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートは、好ましくは0.5〜10g/10分、より好ましくは1〜8g/10分、さらに好ましくは2〜6g/10分、特に好ましくは2.5〜6g/10分である。メルトマスフローレートを上記範囲内とすることで、樹脂の流動性が適度な範囲となり、延伸フィルムを、精度良い厚みで作製することができる。また、結晶性樹脂A中で非晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御し易くなり、所望の全光線透過率が得られやすくなる。本発明では、結晶性樹脂Aのメルトマスフローレートは、JIS K 7210:1999に準拠し、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。ここで、前記非晶性樹脂Bの微細分散物自体は中空状態ではなく中実状態(又は非中空状態ともいう)である。
結晶性樹脂Aとしては、融点が120〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば結晶性ポリオレフィン系樹脂、結晶性アセタール系樹脂、ならびに結晶性ポリエステル系樹脂および結晶性ポリアミド系樹脂のうち融点が120〜175℃であるもの等が挙げられる。これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、結晶性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、とりわけ、上述の結晶性樹脂Aの融点や好ましくはガラス転移温度を示す結晶性ポリオレフィン系樹脂が、延伸性に優れ、適当なフィルム延伸温度で所望の全光線透過率を示す半透明性延伸フィルムが得られ易くなるため好ましい。
結晶性ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を単量体とする単独重合体または共重合体等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。これらのなかでも、結晶性ポリプロピレン系樹脂が好ましく、特に結晶性プロピレン単独重合体および結晶性のプロピレンとエチレンとの共重合体(以下、結晶性プロピレン−エチレン共重合体ともいう)からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。結晶性樹脂Aに結晶性プロピレン単独重合体(結晶性ポリプロピレン単独重合体)を用いる場合、フィルムの機械強度や耐熱性が向上しやすい傾向がある。結晶性樹脂Aに結晶性プロピレン−エチレン共重合体を用いる場合、フィルムの低温での折り割れ性が良化し、かつ表面光沢度を下げやすい傾向がある。
したがって、結晶性樹脂Aは、結晶性プロピレン単独重合体のみを使用したり、結晶性プロピレン単独重合体と、プロピレンとエチレン等との共重合体および/または他の重合体との混合物を使用したり、プロピレンとエチレン等との共重合体および/または他の重合体のみを使用したりすることができる。また、結晶性樹脂Aは、要求される品質に応じて、層によって用いる樹脂の種類を使い分けることもできる。上記他の重合体は、結晶性樹脂Aとして用いることができる任意の重合体であってよく、上述の結晶性プロピレン単独重合体およびプロピレンとエチレン等との共重合体以外の結晶性ポリオレフィン系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性アセタール系樹脂等であってよい。好ましくは、結晶性樹脂Aとして、結晶性プロピレン単独重合体と結晶性プロピレン−エチレン共重合体の2成分を組み合わせて使用することが好ましい。この場合、結晶性プロピレン単独重合体と結晶性プロピレン−エチレン共重合体の好ましい質量比率は、結晶性プロピレン単独重合体(P1):結晶性プロピレン−エチレン共重合体(P2)=90:10〜99.5:0.5であり、より好ましい質量比率はP1:P2=93:7〜99:1であり、さらに好ましい質量比率はP1:P2=95:5〜97:3である。
結晶性プロピレン単独重合体としては、結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂が好ましい。本発明では、結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂は、好ましくは、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率([mmmm])が好ましくは90〜98%であり、より好ましくは91〜95%である。メソペンタッド分率[mmmm]が90%以上であると、高い立体規則性成分により、樹脂の結晶性が向上し、高い熱安定性、機械強度が得られる。一方、メソペンタッド分率[mmmm]を好ましくは98%以下とすることで、延伸性が良好となる。
上記メソペンタッド分率([mmmm])を測定するための高温NMR装置には、特に制限はなく、ポリオレフィン類の立体規則性度が測定可能な一般に市販されている高温型核磁気共鳴(NMR)装置、例えば日本電子株式会社製高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)JNM−ECP500を用いることができる。観測核は13C(125MHz)であり、測定温度は135℃、溶媒にはオルト−ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(体積混合比=4/1))が用いられる。高温NMRによる方法は、公知の方法、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、610頁」に記載の方法により行うことができる。測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅9.1μsec(45°パルス)、パルス間隔5.5sec、積算回数4500回、シフト基準はCH(mmmm)=21.7ppmとされる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrm等)に由来する各シグナルの強度積分値より百分率で算出される。mmmmやmrrm等に由来する各シグナルの帰属に関し、例えば「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」等のスペクトルの記載が参照される。上記メソペンタッド分率([mmmm])は、ポリプロピレン樹脂の重合条件や触媒の種類、触媒量等の重合条件を、適宜調整することによってコントロールすることができる。
結晶性プロピレン単独重合体としては、公知の方法、例えばチタン、アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒系を用い、炭化水素溶媒中でプロピレンを重合する方法、液状プロピレン中で重合する方法(バルク重合)、気相で重合する方法等により製造したものを用いることができる。また、市販の生成物を用いることもできる。代表的市販品としては、例えば株式会社プライムポリマー製のプライムポリプロ(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの、サンアロマー株式会社製のPC412A等、日本ポリプロ株式会社製のノバテック(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの、Borealis社製Daployシリーズ、大韓油化工業株式会社製5014Lシリーズ、住友化学株式会社製の住友ノーブレン(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの等が挙げられる。
結晶性のプロピレンとエチレンとの共重合体としては、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとのブロック共重合体がいずれも好ましく用いられ、エチレン50質量%以下を共重合体中に含有するものがより好ましい。代表的市販品としては、例えば株式会社プライムポリマー社製プライムポリプロ(登録商標)シリーズのうち共重合体のもの、日本ポリプロ株式会社製のノバテック(登録商標)シリーズのうち共重合体のものおよびウインテック(登録商標)シリーズ、住友化学株式会社製の住友ノーブレン(登録商標)シリーズのうち共重合体のもの等が挙げられる。
結晶性ポリアミド系樹脂としては、開環重合系脂肪族ポリアミド、アミド系エラストマー等が挙げられ、例えばナイロン12(PA12)のうち120〜175℃の範囲に融点を有するもの等を用いることができる。結晶性ポリアミド系樹脂は、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
結晶性アセタール系樹脂としては、ポリオキシメチレン樹脂、ポリオキシエチレン樹脂等の単独重合体、これらの共重合体等が挙げられる。結晶性アセタール系樹脂は、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
結晶性樹脂Aは、基材層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上、特に好ましくは85質量%以上の量で用いることができる。また、結晶性樹脂Aは、基材層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、好ましくは98質量%以下、より好ましくは97.5質量%以下、さらに好ましくは96質量%以下、さらに一層好ましくは94質量%以下、特に好ましくは93質量%以下の量で用いることができる。例えば基材層が結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bとを含有する層を2層以上含む場合には、前記結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bとを含有する層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、それぞれの層において、結晶性樹脂Aの質量%が上記範囲内となることが好ましい。結晶性樹脂Aを上記範囲で用いることにより、延伸性や機械強度に優れたフィルムが得られやすくなる。
次に、非晶性樹脂Bについて説明する。非晶性樹脂Bは、上述のDSC測定において融点は確認されないがガラス転移温度は確認される樹脂である。非晶性樹脂Bのガラス転移温度は、好ましくは220℃以下であり、より好ましくは190℃以下であり、さらに好ましくは185℃以下であり、さらに一層好ましくは180℃以下であり、特段好ましくは174℃以下であり、特に一層好ましくは164℃以下である。また、非晶性樹脂Bのガラス転移温度は、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは50℃以上であり、さらに好ましくは135℃以上であり、さらに一層好ましくは140℃以上であり、特段好ましくは144℃以上であり、特に一層好ましくは148℃以上である。
非晶性樹脂Bのガラス転移温度が上記範囲内であれば、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと、非晶性樹脂Bとの界面間により適度な空隙部が形成され得るため好ましい。本発明では、非晶性樹脂Bのガラス転移温度はパーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSCを用いて測定を行った。
非晶性樹脂Bは、260℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが好ましくは1〜15g/10分、より好ましくは2〜13g/10分、さらに好ましくは3〜11g/10分であると、結晶性樹脂Aとの混合および分散性に優れ、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。本発明では、非晶性樹脂Bのメルトマスフローレートは、JIS K 7210:1999に準拠し、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。
非晶性樹脂Bとしては、環状オレフィンと直鎖オレフィンの共重合体等の非晶性環状オレフィン共重合体、共重合したポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエン等のような直鎖状、分岐状または環状のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、フッ素系樹脂等を例示することができる。これらのなかでも、共重合するモノマー種が多様であり、モノマー種による材料物性の調整が容易であることから、非晶性環状オレフィン共重合体、共重合したポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、またはこれらの混合物、等が好ましい。特に非晶性環状オレフィン共重合体を用いた場合には、適度な空隙部が形成されやすく、好適な全光線透過率が得られるため好ましい。その理由は必ずしも定かではないが、非晶性環状オレフィン共重合体は、溶融密度と固体密度の密度比が小さく、溶融押出から冷却までの過程における樹脂収縮性が結晶性樹脂Aとは大きく異なるため、適度な空隙部が形成され易く、結果として好適な全光線透過率が得られ易いものと推測される。
非晶性樹脂Bとしてはこれらの樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上の非晶性樹脂Bを併用することもできる。
非晶性環状オレフィン共重合体とは、シクロアルケン、ビシクロアルケン、トリシクロアルケンおよびテトラシクロアルケンからなる群から選択される少なくとも1種の環状オレフィンと、エチレンおよびプロピレン等の直鎖オレフィンとからなる共重合体である。
環状オレフィンとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−i−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、2−メチル−トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、5−メチル−トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−デセン、10−メチル−トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−デセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等およびそれらの誘導体を例示することができる。
非晶性環状オレフィン共重合体のガラス転移温度は、例えば、環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン成分の含有量を多くし、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量を少なくすることにより、上記範囲内に調節することができる。好ましくは、環状オレフィン成分の含有量は70〜90質量%であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は30〜10質量%である。より好ましくは、環状オレフィン成分の含有量は75〜85質量%であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は25〜15質量%である。さらに好ましくは、環状オレフィン成分の含有量は77〜83質量%であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は23〜17質量%である。
環状オレフィンとしては、生産性、透明性および容易な高Tg化の観点から、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンともノルボルネンともいう)およびその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセンともいう)およびその誘導体が好ましい。直鎖オレフィン成分としては、反応性の観点から、エチレン、プロピレン及び1−ブテンからなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましく、エチレンがより好ましい。
また、環状オレフィンおよび直鎖オレフィンの他に本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、他の共重合可能な不飽和単量体成分を共重合させることもできる。そのような他の共重合可能な不飽和単量体は、分子量調整剤として作用してよく、その例として、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の3〜20個の炭素原子を有するα−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネル、テトラシクロドデセン、2−メチルテトラシクロドデセン、2−エチルテトラシクロドデセン等を挙げることができる。
さらに、非晶性樹脂Bとして、非晶性環状オレフィン共重合体の水素添加物を使用することもできる。向上した耐熱劣化性および耐候劣化性がもたらされることから、二重結合のほぼ全てが水素添加により飽和された水素添加物が好ましい。水素添加物の水素添加率は、好ましくは90%以上、より好ましくは99%以上である。
非晶性樹脂Bは市販されているものを用いてもよい。代表的市販品としては、例えばTopas Advanced Polymers GmbH製トパス(登録商標)6015S−04、6017S−04、6013M−07等、三井化学株式会社製アペル(登録商標)APL6015T、JSR株式会社製JSR ARTON(登録商標)F4520等が挙げられる。
非晶性樹脂Bは、基材層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、好ましくは2質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、さらに一層好ましくは5質量%以上、特段好ましくは6質量%以上、特に一層好ましくは7質量%以上の量で用いることができる。また、非晶性樹脂Bは、基材層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、特に好ましくは15質量%以下の量で用いることができる。また、非晶性樹脂Bの含有量は、結晶性樹脂A100質量部に対して2.1質量部以上、2.5質量部以上、3質量部以上、4質量部以上、6.5質量部以上、7.5質量部以上等はそれぞれ好ましい態様であり、また、非晶性樹脂Bの含有量は、結晶性樹脂A100質量部に対して67質量部以下、54質量部以下、33質量部以下、18質量部以下等はそれぞれ好ましい態様である。非晶性樹脂Bを上記範囲で用いることにより、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性が得られやすくなる。
本発明の半透明性延伸フィルムを構成する基材層は、樹脂成分として結晶性樹脂A及び非晶性樹脂Bの2成分とすることができる。また、本発明の半透明性延伸フィルムを構成する基材層の樹脂成分は、上記結晶性樹脂A及び非晶性樹脂Bに加えて、融点が200〜280℃である結晶性熱可塑性樹脂C(以下、結晶性樹脂Cと称する)を樹脂成分として更に含有することができる(即ち、結晶性樹脂Cの含有量は、基材層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に0質量%であってもよく、また0質量%を超えていてもよい)。本発明の半透明性延伸フィルムの基材層が、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bに加えて結晶性樹脂Cを含有する場合、紙の地合いのような白さの不均一性がさらに得られやすくなり、その結果、紙の代替として使用しやすくなる。本発明の半透明性延伸フィルムの基材層が結晶性樹脂Cを含有しない場合、全光線透過率(半透明性)、印刷適性や鉛筆筆記性の観点では好ましい態様である。
結晶性樹脂Cの融点は、好ましくは200〜280℃、より好ましくは230〜270℃、さらに好ましくは240〜260℃である。上記範囲内の融点を有する結晶性樹脂Cを用いる場合には、溶融押出の際に結晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを結晶性樹脂A中で制御することが容易となり、および結晶性樹脂Cの変形が適度に抑制されるため、得られる延伸フィルムの全光線透過率が低下し、これにより所望の半透明性を有する延伸フィルムが得られ易くなるため好ましい。
結晶性樹脂Cのガラス転移温度は、20〜130℃が好ましく、60〜120℃がより好ましく、80〜110℃がさらに好ましい。上記範囲内の融点を有する結晶性樹脂Cのガラス転移温度を用いる場合に、先に記載したように結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bが特定のガラス転移温度を有すると、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bと結晶性樹脂Cの界面間に適度な空隙部が形成され得るため好ましい。また、延伸フィルムの生産性や得られる延伸フィルムの耐熱性、柔軟性、低温もろさ等が良好となるため好ましい。
本発明では、結晶性樹脂Cの融点およびガラス転移温度はパーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSCを用いて測定を行った。
結晶性樹脂Cは、300℃および1.2kg又は260℃および5kgにおけるメルトマスフローレートが好ましくは1〜60g/10分、より好ましくは1〜40g/10分、さらに好ましくは5〜35g/10分であり、特に好ましくは10〜20g/10分である。メルトマスフローレートが上記範囲内である場合、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bとの混合性および分散性に優れ、および所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。本発明では、結晶性樹脂Cのメルトマスフローレートは、JIS K 7210:1999に準拠し、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。
結晶性樹脂Cとしては、融点が200〜280℃である結晶性熱可塑性樹脂Cであれば特に限定されないが、例えば結晶性ポリスチレン系樹脂、結晶性ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリメチルペンテン樹脂(4−メチルペンテン−1を主構成単位とする樹脂)、ならびに結晶性ポリアミド系樹脂および結晶性ポリエステル系樹脂のうち融点が200〜280℃であるもの等が挙げられる。これらのなかでも、結晶性樹脂Aへの分散性が適度で所望の全光線透過率に制御しやすく、および水、酸、アルカリ、塩等への耐性に優れるため食品包装用途等にも使用しやすいことから、融点が200〜280℃である結晶性ポリエステル系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂等が好ましい。
特に結晶性ポリスチレン系樹脂を用いた場合には、好適な全光線透過率が得られるため好ましい。その理由は必ずしも定かではないが、結晶性ポリスチレン系樹脂は上述の好ましい融点および好ましくは上述のガラス転移温度を有する樹脂であるにもかかわらず、一般的に比重が1.05以下とさほど高くないため、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂B中で占める体積が適度に大きくなり、結果として好適な全光線透過率が得られ易いものと推測される。
結晶性樹脂Cとしては上記樹脂を単独で使用してもよく、または2種以上の結晶性樹脂Cを併用することもできる。2種以上の結晶性樹脂Cを併用することで、結晶性樹脂A中での結晶性樹脂Cの微細分散物の大きさや、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bと結晶性樹脂Cとの界面間に生じる空隙部の大きさにばらつきが生じやすくなり、その結果、紙の地合いのような白さの不均一性が得られ易くなる。
結晶性ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、式:〔−O−Ph−C(CH−Ph−O−C(=O)−〕で表される繰り返し単位を含み、上述のDSC測定において融点が観察されるポリカーボネート系樹脂が挙げられる。ここで、Phとは、2価のフェニレン基(−C−)を示す。
結晶性ポリアミド系樹脂としては、例えば開環重合系脂肪族ポリアミド、重縮合系ポリアミド、半芳香族ポリアミド、アミド系エラストマー等が挙げられる。ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の重縮合反応で合成される所謂ナイロン66(PA66)樹脂が、適度な融点を有し、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られるため好ましい。また、ナイロン6(PA6)等を用いることもできる。
ポリフェニレンサルファイド樹脂としては、ASTM−D792に準拠して測定した比重が好ましくは1.4以下であり、ASTM−D638に準拠して測定した引張弾性率が好ましくは3.5GPa以下であるものが、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易い。
ポリメチルペンテン樹脂としては、ASTM−D638に準拠して23℃において測定した引張弾性率が好ましくは1.8GPa以上であり、ASTM−D1525に準拠して測定したビカット軟化温度が好ましくは165℃以上、より好ましくは170℃以上のものが、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。ポリメチルペンテン樹脂の代表的な市販品の例としては、三井化学株式会社製TPX(登録商標)DX845、DX231、DX820、RT18、RT31等が挙げられる。
結晶性ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。結晶性ポリエステル系樹脂は、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。とりわけ、結晶性ポリエステル系樹脂としては、その共重合成分のうち、酸成分はテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分はエチレングリコールを主成分とするものが好ましい。主成分であるテレフタル酸とエチレングリコールはそれぞれ、酸成分およびジオール成分中に51mol%以上、好ましくは70mol%以上、さらに好ましくは80mol%以上の割合で含まれる。また、結晶性ポリエステル系樹脂は、酸成分および/またはジオール成分中に49mol%以下、好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは20mol%以下のその他の共重合成分を含んでいてもよい。
上記共重合可能なその他の酸成分の例としては、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらのなかでも、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
また、上記共重合可能なその他のジオール成分の例としては、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等のジオールが挙げられる。これらのなかでも、ジエチレングリコールおよび1,3−プロパンジオールが好ましい。
これらの結晶性ポリエステル系樹脂は、1種のみを単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。結晶性ポリエステル系樹脂の市販品としては、例えば、三菱化学株式会社製ノバペックス(登録商標)シリーズ、帝人株式会社製TR−8550FF等が挙げられる。
結晶性ポリスチレン系樹脂の構造としては、アイソタクチック構造、シンジオタクチック構造のいずれであってもよいが、結晶性ポリスチレン系樹脂として主にシンジオタクチック構造を有する結晶性ポリスチレン系樹脂を用いるのが好ましい。本発明では、シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものをいう。
結晶性ポリスチレン系樹脂のタクティシティーは、同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量することができる。13C−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができる。本発明に用いるポリスチレン系樹脂Bは通常、ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミトリアッドで60%以上、好ましくは75%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するスチレン系ポリマーである。
結晶性ポリスチレン系樹脂の種類としては、スチレン単独重合体(ポリスチレン)、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、ならびにこれらを主成分とする共重合体が挙げられる。
ポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)等が挙げられる。ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等が挙げられる。ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)等が挙げられる。ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等が挙げられる。
これらの構造単位を含む共重合体のコモノマー成分としては、上記スチレン系重合体のモノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマー、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマーが挙げられる。好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレンおよびこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。その共重合体の具体例としては、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、およびスチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物などが例示され、これらをそれぞれ単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。前記共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を例示することができる。
結晶性ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系モノマーとして少なくともスチレンとp−メチルスチレンを共重合させて得られた樹脂が好ましく、スチレン系モノマー中のp−メチルスチレンの含有率は1〜30モル%であることが好ましく、3〜15モル%であることがより好ましい。スチレン系モノマー中のp−メチルスチレンの含有率を上記範囲とすることで、結晶性樹脂A中でポリスチレン系樹脂の微細分散物の大きさを制御することが容易となる。そのため、延伸フィルムの全光線透過率を低くして所望の範囲とすることができる。さらにはフィルムの柔軟性も好適なものとなり、かつ延伸性も良化して破断等が発生しにくくなる。
本発明に用いる結晶性ポリスチレン系樹脂の分子量は、特に制限されないが、好ましくは重量平均分子量が1万以上、より好ましくは5万以上である。重量平均分子量を1万以上とすることで、得られる延伸フィルムの熱的性質や機械強度を向上させることができる。また、本発明に用いるポリスチレン系樹脂の分子量の上限は、結晶性樹脂Aとの混合および分散性の観点から、好ましくは300万、より好ましくは150万である。
結晶性ポリスチレン系樹脂は、JIS K 7210:1999に準拠し、300℃および1.2kgで測定したメルトマスフローレートが、好ましくは1〜40g/10分、より好ましくは10〜35g/10分である。メルトマスフローレートを上記範囲とすることで、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを制御することが容易となる。そのため所望の全光線透過率が得られ易くなる。
本発明では、結晶性ポリスチレン系樹脂は、公知の方法、例えばスチレンをモノマーとし、メタロセン触媒を用いて重合する方法等により製造したものを用いてよく、または市販されているものを用いてもよい。代表的市販品としては、例えば出光興産株式会社製ザレック(登録商標)142ZE、ザレック(登録商標)300ZC、ザレック(登録商標)130ZCおよびザレック(登録商標)90ZC等が挙げられる。これらの結晶性ポリスチレン系樹脂は、1種のみを単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
基材層において結晶性熱可塑性樹脂Cを用いる場合、非晶性熱可塑性樹脂Bおよび結晶性熱可塑性樹脂Cの含有量の合計は、好ましくは基材層の樹脂成分の全質量を基準に4〜35質量%、より好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは6〜20質量%、特に好ましくは7〜15質量%、特段好ましくは10〜15質量%である。非晶性熱可塑性樹脂Bおよび結晶性熱可塑性樹脂Cの含有量の合計が上記範囲である場合、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性が得られやすく、および延伸性を向上し、破断の発生等を抑制することができる。
基材層には、結晶性樹脂A、非晶性樹脂Bおよび結晶性樹脂Cの他に樹脂成分として、結晶性樹脂A、非晶性樹脂Bおよび結晶性樹脂Cとは異なった融点やガラス転移温度を示す結晶性樹脂および/または非晶性樹脂(以下、他の樹脂Rとも称する)を、延伸性の調整、低温耐衝撃性の調整、表面粗さの調整、剛度、強度、伸度等の各種物性の調整等を目的に、本発明の効果を損なわない範囲内で含有させてもよい。
他の樹脂Rとしては、特に限定されず、延伸フィルム用途に適したものとされる従来公知の樹脂を本発明においても適宜用いることができる。他の樹脂Rとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリイソブテン、ポリ(1−ペンテン)、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂や、それらの共重合体樹脂、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等の、α−オレフィン同士の共重合体等が例示できる。また、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂やそれらの共重合体、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体等のビニル単量体−ジエン単量体共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体等のビニル単量体−ジエン単量体−ビニル単量体共重合体等が挙げられる。
基材層に他の樹脂Rを使用する場合、このような他の樹脂Rの含有量は、基材層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。他の樹脂Rの含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば0質量%、1質量%などである。
基材層は、樹脂成分に加えて、必要に応じて、任意成分として、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば熱安定剤、酸化防止剤、有機系および無機系滑剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤等が挙げられる。本発明の効果を損なわない範囲内の量で、このような添加剤を用いることができる。
なお、上述の通り、本発明の半透明性延伸フィルムは炭酸カルシウム等の無機物を含有しなくても紙の質感を有する。よって、本発明の上記特徴を妨げないよう、基材層中に無機物を基材層全質量の1質量%以下、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.01質量%以下又は0質量%(無機物を含有しない)等とすることが好ましい。
熱安定剤および酸化防止剤の例としては、フェノール系、ヒンダードアミン系、ホスファイト系、ラクトン系、トコフェロール系の熱安定剤や酸化防止剤が例示される。さらに具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン株式会社製「Irganox(登録商標)1010」)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ)ベンゼン(BASFジャパン株式会社製「Irganox(登録商標)1330」)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン株式会社製「Irgafos(登録商標)168」)等が挙げられる。これらのなかでも、フェノール系酸化防止剤系から選ばれた少なくとも1種あるいはそれらの組み合わせ、あるいはフェノール系とホスファイト系との組み合わせ、およびフェノール系とラクトン系、フェノール系とホスファイト系とラクトン系の組み合わせが、フィルムの化学的な安定性を付与する観点から好ましい。
滑剤の例としては、有機系滑剤および無機系滑剤が挙げられる。有機系滑剤として、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド、シリコーン架橋ポリマーが挙げられる。また無機系滑剤として、シリカ、アルミナ等が挙げられる。印刷用途での印刷版の汚れの少ない点で有機系滑剤が好ましい。
塩素捕獲剤の例としては、ステアリン酸カルシウムや金属石鹸類、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
帯電防止剤の例としては、アルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノールおよび/またはアルキルアミンエタノールエステルおよび/またはアルキルアミンジエタノールジエステル等が挙げられる。これらのうち2種類以上の帯電防止剤を併用しても良く、さらに脂肪族アルコールを併用しても良い。
それらのなかでも、ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステルとステアリルジエタノールアミンを併用すると、帯電防止性能に優れ、印刷適性が向上することから好ましい。
帯電防止剤の代表的な市販品の例としては、花王株式会社製エレクトロストリッパーシリーズ等が挙げられる。
次に表面層について説明する。表面層は、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜2g/10分である結晶性熱可塑性樹脂D(以下、結晶性樹脂Dと称する)を樹脂成分として少なくとも含有する。本発明では、結晶性樹脂Dのメルトマスフローレートは、JIS K 7210:1999に準拠し、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。
結晶性樹脂Dは、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜2g/10分、好ましくは0.02〜1.5g/10分であり、より好ましくは0.02〜1g/10分であり、さらに好ましくは0.03〜0.5g/10分であり、特に好ましくは0.03〜0.1g/10分である。結晶性樹脂Dは、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02g/10分未満であれば、フィッシュアイが発生してフィルムの外観が悪化する。また、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが2g/10分を超えると粗面化が不十分となり、その結果、適度なつや消しの外観が得られない。なお、結晶性樹脂Dとして、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜0.1g/10分の結晶性樹脂Dと0.11〜1.5g/10分の結晶性樹脂Dとを併用することは印刷適性及び鉛筆筆記性の観点から好ましい態様であり、0.03〜0.1g/10分の結晶性樹脂Dと0.11〜1g/10分の結晶性樹脂Dとを併用することはより好ましい態様である。
結晶性樹脂Dの融点は、特に限定的ではないが、好ましくは100℃〜160℃である。
結晶性樹脂Dとしては、例えば結晶性ポリエチレン系樹脂、結晶性ポリプロピレン系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、印刷適性及び鉛筆筆記性の観点から、結晶性樹脂Dとして結晶性ポリエチレン系樹脂を使用することが好ましく、結晶性樹脂Dが結晶性ポリエチレン系樹脂であることがより好ましい。前記結晶性ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましく、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種がより好ましく、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの二種であることがさらに好ましい。この二種を併用することで、光沢度と印刷適性を良好にし易く好ましい。ここで、高密度ポリエチレンとは、密度が0.942g・cm−3以上のポリエチレン(好ましくは0.942g・cm−3以上0.965g・cm−3以下のポリエチレン)をいい、中密度ポリエチレンとは、密度が0.930g・cm−3以上0.942g・cm−3未満のポリエチレン(好ましくは0.930g・cm−3以上0.941g・cm−3以下のポリエチレン)をいい、低密度ポリエチレンとは、0.910g・cm−3以上0.930g・cm−3未満(好ましくは0.910g・cm−3以上0.929g・cm−3以下のポリエチレン)をいう。本明細書において、低密度ポリエチレンは直鎖状低密度ポリエチレンを包含する。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数3〜20個のα−オレフィンから選択された1種以上のα−オレフィンとの共重合体であり、炭素数3〜20個のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレンとしては、メタロセン触媒で重合され、従来触媒(チーグラーナッタ触媒)と比較してシャープな分子量分布を示す、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンを用いても良い。
結晶性樹脂Dは市販されているものを用いてもよい。代表的市販品としては、例えばプライムポリマー株式会社製ハイゼックス(登録商標)7000F、ハイゼックス(登録商標)3300F、日本ポリプロ株式会社製のノバテック(登録商標)HF111K、ノバテック(登録商標)HE30、ノバテック(登録商標)LF280等が挙げられる。
表面層は、結晶性樹脂Dに加えて、結晶性熱可塑性樹脂A’(以下、結晶性樹脂A’ともいう)を樹脂成分として更に含有してもよい。表面層に結晶性樹脂A’を含有する場合、樹脂成分の流動性が向上し、紙のような外観を有し且つ厚さが安定した本発明フィルムをより好適に得ることができる。このような結晶性樹脂A’としては、基材層に用いることができる結晶性樹脂Aと同様の樹脂が挙げられる。結晶性熱可塑性樹脂A’の具体的な(i)樹脂成分の種類、(ii)メルトマスフローレート、(iii)融点、(iv)ガラス転移温度、(v)上記(i)〜(iv)等の好ましい態様、などの全ての説明については、それぞれ、基材層の説明で上述した結晶性樹脂Aの上記(i)〜(v)等と同様である。そのため、ここでは結晶性熱可塑性樹脂A’の上記(i)〜(v)等を含む説明を省略する。結晶性熱可塑性樹脂A’は、1種単独で使用してもよく、または2種以上の樹脂成分を組み合わせて使用してもよい。表面層において使用する結晶性樹脂A’と基材層において使用する結晶性樹脂Aは、それぞれ、同じ種類の樹脂を組み合わせて使用してもよいし、異なった種類の樹脂を使用してもよい。
さらに、表面層は、結晶性樹脂D(および場合により結晶性樹脂A’)に加えて、非晶性熱可塑性樹脂B’(以下、非晶性樹脂B’ともいう)および/または結晶性熱可塑性樹脂C’(以下、結晶性樹脂C’ともいう)を樹脂成分として含有することもできる。非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’を表面層の樹脂成分として含有する場合、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性がより好適に得られる。非晶性樹脂B’および結晶性樹脂C’としては、それぞれ、基材層に用いることができる非晶性樹脂Bおよび結晶性樹脂Cと同様の樹脂が挙げられる。非晶性樹脂B’および結晶性樹脂C’の具体的な(i)樹脂成分の種類、(ii)メルトマスフローレート、(iii)融点(結晶性樹脂C’の場合)、(iv)ガラス転移温度、(v)上記(i)〜(iv)等の好ましい態様、などの全ての説明については、それぞれ、基材層の説明で上述した非晶性樹脂Bおよび結晶性樹脂Cの上記(i)〜(v)等と同様である。そのため、ここでは非晶性樹脂B’および結晶性樹脂C’の上記(i)〜(v)を含む説明を省略する。非晶性樹脂B’および結晶性樹脂C’は、それぞれ、1種単独で使用してもよく、または2種以上の樹脂成分を組み合わせて使用してもよい。
表面層において使用する非晶性樹脂B’と基材層において使用する非晶性樹脂Bは、それぞれ、同じ種類の樹脂を組み合わせて使用してもよいし、異なった種類の樹脂を使用してもよい。また、表面層において使用する結晶性樹脂C’と基材層において使用する結晶性樹脂Cは、それぞれ、同じ種類の樹脂を組み合わせて使用してもよいし、異なった種類の樹脂を使用してもよい。
表面層中の結晶性樹脂Dの含有量は、表面層の樹脂成分の全質量を基準に、1〜60質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、15〜45質量%がさらに一層好ましく、35〜45質量%が特に好ましい。表面層中の結晶性樹脂Dの含有量が上記範囲内であれば、フィルムの表面を適度に粗面化して、つや消しの効果が得られる。
表面層が結晶性樹脂A’を含有する場合、表面層中の結晶性樹脂A’の含有量は、表面層の樹脂成分の全質量を基準に、好ましくは40〜99質量%、より好ましくは45〜95質量%、さらに好ましくは45〜90質量%、さらに一層好ましくは45〜80質量%、特に好ましくは45〜65質量%である。表面層中の結晶性樹脂A’の含有量が上記範囲内であれば、延伸性に優れ、粗面化も十分となるため、好ましい。表面層が結晶性樹脂A’を含有する場合、結晶性樹脂Dと結晶性樹脂A’との含有量の質量比率は、結晶性樹脂D:結晶性樹脂A’=1:99〜60:40が好ましく、5:95〜50:50がより好ましく、15:85〜45:55がさらに好ましく、25:75=45:55がさらに一層好ましく、35:65〜45:55が特に好ましい
表面層が結晶性樹脂A’を含有する場合、表面層に含まれる結晶性樹脂A’の含有量と基材層に含まれる結晶性樹脂Aの含有量はそれぞれ、同一であってもよいし、または異なっていてもよい。
表面層が非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’を含有する場合、表面層中の非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’の含有量の合計は、表面層の樹脂成分の全質量を基準に、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは7〜28質量%、さらに好ましくは9〜26質量%である。表面層中の非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’の含有量の合計が上記範囲内であれば、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性がさらに得られやすく、および粗面化が向上し、結果として破断の発生等を抑制することができる。
表面層が非晶性樹脂B’を含有する場合、表面層に含まれる非晶性樹脂B’の含有量と基材層に含まれる非晶性樹脂Bの含有量はそれぞれ、同一であってもよいし、または異なっていてもよい。また、表面層が結晶性樹脂C’を含有する場合、表面層に含まれる結晶性樹脂C’の含有量と基材層に含まれる結晶性樹脂Cの含有量とはそれぞれ、同一であってもよいし、または異なっていてもよい。
表面層には、結晶性樹脂D、ならびに任意に結晶性樹脂A’、非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’の他に樹脂成分として、結晶性樹脂D、および場合により用いる結晶性樹脂A’、非晶性樹脂Bおよび結晶性樹脂C’とは異なった融点やガラス転移温度を示す他の樹脂R’を、延伸性の調整、低温耐衝撃性の調整、表面粗さの調整、剛度、強度、伸度等の各種物性の調整等を目的に、本発明の効果を損なわない範囲内で含有させてもよい。
他の樹脂R’としては、基材層に用いる他の樹脂Rとして例示したものを用いることができる。
表面層に他の樹脂R’を使用する場合、このような他の樹脂R’の含有量は、表面層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。他の樹脂R’の含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば0質量%、1質量%などである。
表面層は、樹脂成分に加えて、必要に応じて、任意成分として、添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、有機および無機系滑剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤等を含有してもよい。本発明の効果を損なわない範囲内の量で、このような添加剤を用いることができる。表面層に用い得る添加剤としては、基材層に用い得る添加剤として例示した添加剤を用いることができる。
なお、上述の通り、本発明の半透明性延伸フィルムは炭酸カルシウム等の無機物を含有しなくても紙の質感を有する。よって、本発明の上記特徴を妨げないよう、表面層中に無機物を表面層全質量の1質量%以下、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.01質量%以下又は0質量%(無機物を含有しない)等とすることが好ましい。
本発明の半透明性延伸フィルムの密度は、好ましくは0.65〜0.95g/cm、より好ましくは0.72〜0.92g/cmであり、さらに好ましくは0.76〜0.90g/cmであり、特に好ましくは0.80〜0.88g/cmである。密度が上記範囲内であると、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。また密度を0.65g/cm以上とすることで、破断強度や層内剥離強度を向上させ易く、本フィルムを包装用途等に好適に用いることができる。本発明の半透明性延伸フィルムの密度は、JIS K 7222:2005の3.3に定義される見掛け密度であり、該規格に準拠して測定される。
本発明の半透明性延伸フィルムは、例えば、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bを、必要に応じて結晶性樹脂C、他の樹脂Rおよび/または添加剤等と共にブレンドすることにより得た基材層形成用樹脂組成物(以下、基材層用樹脂組成物ともいう)と、結晶性樹脂Dを、必要に応じて結晶性樹脂A’、非晶性樹脂B’、結晶性樹脂C’、他の樹脂R’および/または添加剤等と共にブレンドすることにより得た表面層形成用樹脂組成物(以下、表面層用樹脂組成物ともいう)とを押出成形し、二軸延伸を施すことにより製造することができる。
基材層用樹脂組成物および表面層用樹脂組成物を調製するためのブレンド法としては、例えばドライブレンド法およびメルトブレンド法等が挙げられる。例えば基材層用樹脂組成物を調製する場合、ドライブレンド法では、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bのペレットや粉体等を、必要に応じて結晶性樹脂Cや他の樹脂Rのペレットや粉体および/または添加剤と共に、タンブラーやミキサー等のバッチ式混合装置や、あるいは連続計量式混合装置を用いてドライブレンドする。また、例えば基材層用樹脂組成物を調製する場合、メルトブレンド法では、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Bのペレットや粉体等を、必要に応じて結晶性樹脂Cや他の樹脂Rのペレットや粉体および/または添加剤と共に混練機に供給し、溶融混練してメルトブレンド樹脂組成物を得る。表面層用樹脂組成物を調製する場合においても、上記基材層樹脂組成物の場合と同様である。
溶融混練に用いる混練機としては公知の混練機を使用できる。例えば1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いることができる。さらに、2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のいずれの混練タイプをも用いることができる。本発明では、同方向回転の2軸スクリュータイプの混練機が、微細分散物の大きさを制御し易いため好ましい。
溶融混練の混練温度は、220〜300℃の範囲の温度が好ましく、230〜280℃の範囲の温度がより好ましい。上記温度範囲とすることで、結晶性樹脂A中で非晶性樹脂B、場合により結晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを制御し、場合により結晶性樹脂A’中で非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’の微細分散物の大きさを制御し、結果として所望の全光線透過率を得ることができるため好ましい。溶融混練の際の樹脂の劣化防止のため、窒素等の不活性ガスをパージしてもよい。
溶融混練された樹脂は、一般的に公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズすることによってペレット状のメルトブレンド樹脂組成物を得ることができる。
上述の通り得られた基材層用樹脂組成物および/または表面層用樹脂組成物のドライブレンド樹脂組成物および/またはメルトブレンド樹脂組成物は、押出機に供給し、加熱溶融して、フィルター等により微小異物等を除去した後、Tダイよりシート状に溶融押出することができる。
押出機のスクリュータイプに制限は無く、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いることができる。樹脂の混合方法をドライブレンドとした場合は、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプが混合性能および分散性能に優れるため好ましい。
押出温度は、220〜300℃の範囲の温度が好ましく、230〜290℃の範囲の温度がより好ましい。押出の際の樹脂の熱劣化防止のため、窒素等の不活性ガスをパージしてもよい。
積層フィルムを得るための積層方法は、従来公知の方法、例えば共押出法、ラミネート法、ヒートシール法等を用いることができる。したがって、本発明の積層フィルムは、基材層用樹脂組成物および表面層用樹脂組成物を共押出して積層し延伸させて得た多層フィルムであってもよいし、本発明の延伸フィルムと他のフィルムとのラミネートであってもよいし、単層として押出しされた基材層および表面層の無延伸フィルムを互いに貼り合わせて得られる多層無延伸フィルム(基材層は複数であってよく、基材層の種類は異なっていても同じであってもよい)を延伸して得られる多層フィルムであってもよい。
共押出法としては、溶融樹脂を金型手前のフィードブロック内で接触させるダイ前積層法、金型、例えばマルチマニホールドダイの内部の経路で接触させるダイ内積層法、同心円状の複数リップから吐出し接触させるダイ外積層法等が挙げられる。本発明の半透明性延伸フィルムは、例えば表面層(b層)と基材層(a層)からなるb層/a層の2層の構成、基材層を2層としたb層/a層/a層や表面層を2層形成したb層/a層/b層の3層の構成、片側の表面層をさらに別の層(c層)としたb層/a層/c層の3層の構成、基材層を2層としたb層/a層/a層/c層の4層の構成や、基材層を構成する2層のうちの1層を他の基材層(a’層)としたb層/a層/a’層/c層の4層構成等とすることができる。
例えばb層/a層の2層の構成の場合、押し出されるb層に用いる表面層用樹脂組成物とa層に用いる基材層用樹脂組成物の質量比率b:aは、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは1:9〜3:7である。また、例えばb層/a層/c層の3層の構成の場合、押し出されるb層に用いる表面層用樹脂組成物とa層に用いる基材層用樹脂組成物とc層に用いる樹脂組成物の質量比率b:a:cは、好ましくは1:8:1〜8:1:1、より好ましくは1:8:1〜3:6:1である。
押し出された基材層は、非晶性樹脂Bが結晶性樹脂A中で様々な大きさで分散している状態となる。これにより、後の延伸工程により非晶性樹脂Bの周囲に形成される空隙部が様々な大きさとなり、透過率に部分差が生じることで、紙の地合いのような白さの不均一性が得られることとなる。
ラミネート法としては、Tダイ法に用いる溶融押出成型法の設備を使用し、溶融樹脂のフィルムを他のフィルム上に直接押し出して積層フィルムを成型する押出ラミネート法等が挙げられる。
ヒートシール法としては、貼り合わせた複数のフィルムに加熱した金属体をフィルム外部から押し当て、伝導した熱がフィルムを溶融させて接着する外部加熱法、および高周波の電波や超音波によってフィルムに熱を発生させ接合する内部発熱法等が挙げられる。
本発明では、上記の積層方法を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
基材層が2層以上の層から構成される場合、各基材層において用いる結晶性樹脂Aは、それぞれ、同じ種類の樹脂を組み合わせて使用してもよいし、異なった種類の樹脂を使用してもよく、各基材層中の結晶性樹脂Aの含有量はそれぞれ、同一であってもよいし、または異なっていてもよい。これは、基材層が2層以上の層から構成される場合、各基材層において用いる非晶性樹脂Bおよび/または結晶性樹脂Cについても同様である。それらの種類および/または含有量が異なる場合、例えば基材層中の非晶性樹脂Bおよび場合により結晶性熱可塑性樹脂Cの含有量が多い層で所望の全光線透過率を得やすくし、含有量が少ない層で延伸性を良化させる等、品質と生産性を両立させ易くすることができる。
また、表面層が2層以上であり、かつ各表面層が結晶性樹脂A’を含む場合、各表面層において用いる結晶性樹脂A’は、それぞれ、同じ種類の樹脂を組み合わせて使用してもよいし、異なった種類の樹脂を使用してもよく、各表面層中の結晶性樹脂A’の含有量はそれぞれ、同一であってもよいし、または異なっていてもよい。これは、表面層が2層以上であり、各表面層が非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’を含む場合、各表面層において用いる非晶性樹脂B’および/または結晶性樹脂C’についても同様である。
押し出された樹脂シートは、例えば、25℃以上120℃未満の温度に設定した少なくとも1個以上の金属ドラム上にエアナイフや他のロール、または静電気等により密着させるといった公知の方法により、シート状に成形され、原反シートとなる。
金属ドラムの温度が上記範囲内であれば、結晶性樹脂A、結晶性樹脂Cおよび結晶性樹脂D、場合により結晶性樹脂A’および/または結晶性樹脂C’の結晶成長を制御することが可能となり、延伸時の変形が抑制され、所望の全光線透過率が得られやすくなる。金属ドラムのより好ましい温度は30〜100℃であり、さらに好ましい温度は40〜70℃である。
本発明の半透明性延伸フィルムを得るための延伸方法としては、周速差を設けたロール間で延伸する方法、テンター法、チューブラー法等公知の方法を用いることができる。延伸方向としては、一軸延伸、二軸延伸、斜め方向への二軸延伸等が可能であり、二軸以上の延伸では、逐次延伸および同時延伸がいずれも適用可能である。これらのうち全光線透過率の均一なフィルムが得られ易い点から、テンター法による同時二軸延伸方法、テンター法による逐次二軸延伸方法、および周速差を設けたロール間で縦(流れ、MD)延伸した後テンター法にて横(巾、TD)延伸する逐次二軸延伸方法が好ましい。
延伸は通常、フィルム温度(Ts)が、基材層中に含まれる結晶性樹脂Aのうち主となる樹脂である結晶性樹脂Aの融点Tm(A)とガラス転移温度Tg(A)の間の温度となるように行う。ここで、主となる樹脂とは、基材層中に含まれる結晶性樹脂Aのうち最も含有量の多い樹脂をいう(例えば実施例1ではA1に相当する)。また、ここで、フィルム温度Tsはフィルムが延伸開始される時点のフィルムの温度であるが、逐次二軸延伸等の多段延伸において各段でのフィルム温度が異なる場合は、それらのうち最も低いフィルム温度をTsとする。
加えて、Tsが基材層中に含まれる非晶性樹脂Bのガラス転移温度Tg(B)以下であると、延伸時に非晶性樹脂Bが変形できず、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bとの界面間に形成される空隙部の大きさに差ができやすくなり、紙の地合いのような白さの不均一性が得られやすくなる。
したがって、本発明では以下の関係式:
Tm(A)>Tg(B)>Ts>Tg(A)
が満たされることにより、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性を備えた半透明性延伸フィルムが得られるため好ましい。
Tsは、好ましくはTg(B)より3℃以上低いと、より好ましくはTg(B)より5℃〜30℃低いと、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易く好ましい。
逐次二軸延伸方法としては、使用する樹脂の融点およびガラス転移温度により延伸温度や延伸倍率を調整する必要があるが、まず原反シートを好ましくは100〜180℃、より好ましくは120〜170℃のフィルム温度(Ts)に保ち、周速差を設けたロール間に通して、あるいはテンター法にて、縦方向に好ましくは2〜10倍、より好ましくは2.5〜8倍、さらに好ましくは3〜6倍に延伸する。引き続き、当該延伸フィルムをテンター法にて、好ましくは100〜180℃、より好ましくは120〜175℃のフィルム温度(Ts)で、横方向に好ましくは2〜12倍、より好ましくは2.5〜11.5倍、さらに好ましくは3〜11倍に延伸した後、緩和、熱セットを施し巻き取る。なお延伸時の温度を上げると全光線透過率が上がりやすく、温度を下げると全光線透過率が下がりやすくなる。
フィルムを延伸することにより、基材層、および場合により表面層中において、結晶性樹脂A中で分散している非晶性樹脂Bの周囲に様々な大きさの空隙部が形成される。これにより、透過率に部分差が生じ、紙の地合いのような白さの不均一性が得られることとなる。なお、結晶性樹脂A中で分散している前記非晶性樹脂B自体は中空状態ではなく中実状態(又は非中空状態ともいう)である。
本フィルムを包装用途等で使用する場合には、本フィルムの片面および/または両面に、必要に応じてヒートシール層を積層することもできる。即ち、本発明の半透明性延伸フィルムはヒートシール層を有していてもよい。
好ましくは、本発明の半透明性延伸フィルムは、表面層の反対側の面にヒートシール層を有する。表面層の反対側の面とは、例えば、基材層から見て表面層が形成されている面を本フィルムおもて側の面とした場合には、本フィルムの裏面側の面をいう。
ヒートシール層に用いる樹脂は、融点が150℃以下の熱可塑性樹脂であって、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素原子数が2〜10のα−オレフィン系モノマーからなる群から選択された2種以上のランダム共重合体またはブロック共重合体が好ましい。これらの共重合体は単独で、または混合して使用することができる。
特に好ましいのは結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、α−オレフィンとしてはエチレンまたは炭素原子数が4〜20のα−オレフィン等が挙げられ、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を用いることが好ましく、エチレンもしくはブチレンを用いたコポリマーもしくはターポリマーを用いることが特に好ましい。例えばプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業株式会社製FL6741G)が好ましい。ヒートシール層には本発明の効果を損なわない範囲内で、アクリル樹脂系微粒子やシリカ等のブロッキング防止剤を併用してよい。
巻き取られたフィルムは、好ましくは20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施した後、所望の製品幅に断裁することができる。こうして機械強度、剛性に優れた延伸フィルムが得られる。
フィルムには、オンラインもしくはオフラインにて、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等を行うことができる。特に、本フィルムを印刷用途で使用する場合には、本フィルムの片面および/または両面に、印刷インキの濡れ広がりや密着性の改善等を目的に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の処理を行うことが好ましい。本発明では、フィルム表面のJIS K 6768:1999のぬれ張力が36〜45mN/mであると好ましく、38〜44mN/mであるとより好ましい。
あるいは、同様のぬれ張力を有し、さらに平滑性をも有する印刷適性付与層を設けてもよい。
本発明の半透明性延伸フィルムは、表面層の60度鏡面光沢度が、好ましくは1〜20%、より好ましくは3〜18%であり、さらに好ましくは5〜17%であり、特に好ましくは6〜15%である。60度鏡面光沢度が上記範囲内であると、風合いが紙調であり、かつ印字された文字や絵柄の視認性が良好となるため好ましい。本発明では、60度鏡面光沢度は、JIS Z 8741(方法3)に準拠して測定した値である。
本発明の半透明性延伸フィルムは、無機物の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れ、また、断裁時に切断面が荒れることや断裁刃の消耗が早い等の問題を防ぐために、灰分が好ましくはフィルムの全質量を基準に1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。灰分の下限値は、特に制限されないが、少ないほど好ましく、例えば0.01質量%、0質量%等である。本発明では、灰分は、JIS K 7250−1:2006のA法に準じて測定することができる。
本発明の半透明性延伸フィルムの厚みは、その用途にもよるが、10〜150μmであることが好ましく、より好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは20〜60μmである。フィルムの厚みが10μm以上であると、十分な強度が得られやすい。また、フィルムの厚みが150μm以下であると、延伸性や生産性に優れる。
基材層の厚みが本発明の半透明性延伸フィルムの厚みの60〜95%で構成され、表面層の厚みがフィルムの厚みの5〜40%で構成される場合、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性が得られやすく、およびつや消しの外観も得られやすい傾向がある。
本発明の半透明性延伸フィルムは、好ましくは鉛筆筆記性を有する。一般にプラスチック製フィルムは、フィルム表面が滑らかすぎるために鉛筆等による筆記ができないが、透写紙等の用途では鉛筆筆記性が必要となる。本発明の半透明性延伸フィルムが鉛筆筆記性を有する場合には、無機粒子を含有しないにもかかわらず紙の様に鉛筆筆記が可能となり、透写紙等の用途に用いることができる。なお、鉛筆筆記性は、表面を適度に粗面化したことにより奏される効果であると思われる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、好ましくはヒートシール性および/または印刷適性を有する。本発明の半透明性延伸フィルムがヒートシール性および/または印刷適性を有する場合には、食品包装用途に好ましく用いることができる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、包装用、食品包装用、薬品包装用、装飾用、ラベル用、テープ用基材、印刷用基材、ポスター用紙、感熱紙基材、記録用紙基材等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[樹脂のメルトマスフローレート(MFR)]
JIS K 7210:1999に準じて、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂A’は、測定温度230℃および荷重2.16kgの条件で測定し、非晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂B’は、測定温度260℃および荷重2.16kgの条件で測定し、結晶性樹脂Cおよび結晶性樹脂C’は、測定温度300℃および荷重1.2kgの条件で測定した。また、結晶性樹脂Dは、測定温度190℃および荷重2.16kgにおいて測定した。
[樹脂の融点、ガラス転移温度]
パーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSCを用い、以下の手順により算出した。各樹脂を5mg量り取り、アルミニウム製のサンプルホルダーに詰め、DSC装置にセットした。窒素流下、−40℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持し、20℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した。その後再び20℃/分で300℃まで昇温する際のDSC曲線より、融点およびガラス転移温度を求めた。JIS K 7121の9.1(1)に定める溶融ピーク(複数の溶融ピークを示す場合は最大の溶融ピーク)を融点とし、JIS K 7121の9.3(1)に定める中間点ガラス転移温度をガラス転移温度とした。
[フィルムの厚み]
シチズンセイミツ株式会社製紙厚測定器MEI−11を用いて、JIS C 2330に準拠して測定した。
[フィルムの全光線透過率]
日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−5000を用いて、JIS K 7361に準拠して測定した。
[フィルムの60度鏡面光沢度]
株式会社村上色彩技術研究所製変角光沢計GM−3D型を用いて、JIS Z 8741(方法3)に準拠して、60度鏡面光沢度を測定した。なお測定は、フィルムの縦方向および横方向について測定し、両者を平均した値である。
[白さの不均一性]
蛍光灯の光を透かしてフィルムを目視観察し、白さのムラの程度を下記のように評価した。
A:白さに十分なムラがあり、紙の代替として使用可能である。
B:白さのムラがあり、紙の代替として使用可能である。
C:白さのムラが若干見られるが、紙の代替として不十分である。
D:白さのムラは見られず均一である。
[フィルムの灰分]
JIS−K7250−1(2006)A法に準じて、測定試料量200gで測定した。
[ヒートシール性評価法]
23℃、50%RHの環境下において、MD方向250mm、TD方向50mmにカットしたサンプル2枚のヒートシール面同士を重ね合わせた状態で、熱傾斜式ヒートシーラー HG−100−2(株式会社東洋精機製作所製)を用い、シール温度110℃、シール圧力200KPa、シール時間2秒、ヒートシール部の幅(フィルムのMD方向に相当)1cmの条件でヒートシール処理を行った。次いで23℃に調温したサンプルのTD方向を25mmにカットした。その後、引張試験機 テクノグラフTGI−1kN(ミネベア株式会社製)を用いて、2枚のフィルムのそれぞれの端部を上と下のチャックで挟み、引っ張り速度300mm/分で180°剥離した。その際の応力の最大値を測定した。上記測定3回の平均値をヒートシール部の接着強度(N/25mm)とした。
接着強度について、下記のように評価した。
A:4N以上〜6N未満:ヒートシール強度が適度であり、開封性に優れる。
B:6N以上〜8N未満:ヒートシール強度が若干強いが、実用可能な程度に開封性が良好である。
C:8N以上:ヒートシール強度が強く、開封に難あり。
D:4N未満:ヒートシール強度が弱く、実用不可である。
[印刷適性評価法]
グラビア輪転印刷機((株)オリエント総業製OSG−550HDX)にて、DICグラフィックス株式会社製インク アルティマNT805を用いて4色グラビア印刷を実施した。CMYKの4色それぞれにつき、100%、90%、80%、70%、60%の5諧調を印刷し、印刷部(4色×5諧調の20桝)を目視観察し、下記のように評価した。
A:いずれの枡にもドット抜けが見られず、しかも鮮明に印刷されているので、非常に良好である。
B:いずれの枡にもドット抜けが見られず、良好である。
C:ドット抜けが見られる枡が1枡以上6枡以下あるが、実用上問題ない。
D:ドット抜けが見られる枡が7枡以上12枡以下あり、実用上好ましくない。
E:ドット抜けが見られる枡が13枡以上あり、実用不可である。
[鉛筆筆記性]
各フィルムにHBの鉛筆にて筆記し、筆記状態を下記基準にて評価した。
A:濃くはっきりと筆記されており、筆記性に非常に優れる。
B:上記評価Aよりは劣るものの濃くはっきりと筆記されており、筆記性に優れる。
C:読み取り可能な濃度で筆記でき、実用上問題ない。
D:筆記できるが薄く、実用上問題あり。
E:筆記できない。
[ぬれ張力]
フィルム表面のぬれ張力は、延伸フィルムをコロナ処理してから1日後に、コロナ処理を施した面についてJIS K 6768:1999に従って測定した。
実施例および比較例において、以下の樹脂を結晶性樹脂A及び/又はA’として用いた。
・プライムポリプロ(登録商標)F−300SP(以下、樹脂A1又はA’1ともいう):株式会社プライムポリマー製、結晶性プロピレン単独重合体、230℃および2.16kgにおけるMFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−7℃
・ウインテック(登録商標)WFW5T(以下、樹脂A2又はA’2ともいう):日本ポリプロ株式会社製、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、230℃および2.16kgにおけるMFR=3.5g/10分、融点142℃、ガラス転移温度−19℃
実施例および比較例において、以下の樹脂を非結晶性樹脂B及び/又はB’として用いた。
・トパス(登録商標)6015S−04(以下、樹脂B1又はB’1ともいう):Topas Advanced Polymers GmbH製、非晶性ノルボルネン−エチレン共重合体、260℃および2.16kgにおけるMFR=4.1g/10分、ガラス転移温度158℃
・アペル(登録商標)APL6015T(以下、樹脂B2又はB’2ともいう):三井化学株式会社製、非晶性テトラシクロドデセン−エチレン共重合体、260℃および2.16kgにおけるMFR=10g/10分、ガラス転移温度145℃
・トパス(登録商標)6013M−07(以下、樹脂B3又はB’3ともいう):Topas Advanced Polymers GmbH製、非晶性ノルボルネン−エチレン共重合体、260℃および2.16kgにおけるMFR=14.3g/10分、ガラス転移温度142℃
実施例および比較例において、以下の樹脂を結晶性樹脂C及び/又はC’として用いた。
・ザレック(登録商標)142ZE(以下、樹脂C1又はC’1ともいう):出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂、300℃および1.2kgにおけるMFR=14g/10分、融点247℃、ガラス転移温度95℃
実施例および比較例において、以下の樹脂を結晶性樹脂Dとして用いた。
・ハイゼックス(登録商標)7000F(以下、樹脂D1ともいう):株式会社プライムポリマー製、高密度ポリエチレン、190℃および2.16kgにおけるMFR=0.04g/10分
・ノバテック(登録商標)HF111K(以下、樹脂D2ともいう):日本ポリエチレン株式会社製、高密度ポリエチレン、190℃および2.16kgにおけるMFR=0.05g/10分
・ノバテック(登録商標)HE30(以下、樹脂D3ともいう):日本ポリエチレン株式会社製、低密度ポリエチレン、190℃および2.16kgにおけるMFR=0.30g/10分
・ノバテック(登録商標)LF280(以下、樹脂D4ともいう):日本ポリエチレン株式会社製、低密度ポリエチレン、190℃および2.16kgにおけるMFR=0.70g/10分
〔実施例1〕
樹脂A1、樹脂A2および樹脂B1のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして、基材層用樹脂組成物を調製した。また、樹脂A’2および樹脂D1のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして、表面層用樹脂組成物を調製した。
基材層を形成するための基材層用ドライブレンド樹脂組成物を一軸スクリュータイプ押出機aに、表面層を形成するための表面層用ドライブレンド樹脂組成物を一軸スクリュータイプ押出機bに、それぞれホッパーから投入して240℃で溶融させ、これらを2層マルチマニホールドダイ内部にて表面層(b層)−基材層(a層)の2層構成に積層した2層積層樹脂層として押し出した。一軸スクリュータイプ押出機bと一軸スクリュータイプ押出機aの押出樹脂量の質量比率はb:a=2:8とした。押し出された樹脂シートの基材層側を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却することにより樹脂シートを固化した。このようにして原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、ブルックナー社製バッチ式二軸延伸機KAROを用いて延伸を行った。延伸方法は、縦方向に延伸した後横方向に延伸する逐次二軸延伸方法にて実施した。設定温度158℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を138℃まで予熱し、まず縦方向に延伸速度6倍/秒にて4倍まで延伸した。次いで同オーブン内にてフィルム温度(Ts)を141℃まで予熱し、横方向に延伸速度1倍/秒にて10倍まで延伸した。次いで同オーブン内にて、緩和速度0.5倍/秒にて横方向を9.5倍まで緩和し、次いで10秒間熱セットした後、オーブンより排出して室温へ冷却し、厚み30μmの延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの表面層側にコロナ処理を行った。コロナ処理の強さは、処理から1日後の処理面のぬれ張力が40mN/mとなるように調節した。これにより、実施例1の延伸フィルムを得た。
〔実施例2〕
表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分の割合に代えて樹脂A’2を80質量%および樹脂D1を20質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の延伸フィルムを得た。
〔実施例3〕
表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分の割合に代えて樹脂A’2を70質量%および樹脂D1を30質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の延伸フィルムを得た。
〔実施例4〕
表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂A’2を80質量%および樹脂D2を20質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の延伸フィルムを得た。
〔実施例5〕
表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂A’2を60質量%、樹脂D1を20質量%および樹脂D3を20質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の延伸フィルムを得た。
〔実施例6〕
表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂A’2を50質量%、樹脂B’1を10質量%、樹脂D1を20質量%および樹脂D3を20質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の延伸フィルムを得た。
〔実施例7〕
表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂A’2を50質量%、樹脂B’3を10質量%、樹脂D1を20質量%および樹脂D3を20質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の延伸フィルムを得た。
〔実施例8〕
表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂A’2を60質量%、樹脂D1を20質量%および樹脂D4を20質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の延伸フィルムを得た。
〔実施例9〕
基材層に関して、上記実施例1に記載された基材層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂A1を83質量%、樹脂A2を3.5質量%、樹脂B1を5.5質量%、および樹脂C1を8質量%用いた。また、表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂D1を20質量%、樹脂A’2を80質量%用いた。また、溶融温度に関して、240℃に代えて280℃で基材層用ドライブレンド樹脂組成物および表面層用ドライブレンド樹脂組成物を溶融させた。その他(上述のこと以外)は実施例1と同様にして、実施例9の延伸フィルムを得た。
〔実施例10〕
基材層に関して、上記実施例1に記載された基材層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂A1を83質量%、樹脂A2を3.5質量%、および樹脂B1を13.5質量%用いた。また、表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂D1を24.3質量%、樹脂A’2を65.7質量%、および樹脂B’1を10質量%用いた。その他(上述のこと以外)は実施例1と同様にして、実施例10の延伸フィルムを得た。
〔実施例11〕
基材層に関して、上記実施例1に記載された基材層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂A1を83質量%、樹脂A2を3.5質量%、および樹脂B1を13.5質量%用いた。また、表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂D1を20質量%、樹脂A’2を55質量%、および樹脂C’1を25質量%用いた。また、溶融温度に関して、240℃に代えて280℃で基材層用ドライブレンド樹脂組成物および表面層用ドライブレンド樹脂組成物を溶融させた。その他(上述のこと以外)は実施例1と同様にして、実施例11の延伸フィルムを得た。
〔実施例12〕
基材層に関して、上記実施例1に記載された基材層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて基材層において樹脂A1を83質量%、樹脂A2を3.5質量%、樹脂B2を13.5質量%用いた。また、表面層に関して、樹脂D1を20質量%、樹脂A’2を55質量%、および樹脂C’1を25質量%用いた。また、溶融温度に関して、240℃に代えて280℃で基材層用ドライブレンド樹脂組成物および表面層用ドライブレンド樹脂組成物を溶融させた。その他(上述のこと以外)は実施例1と同様にして、実施例12の延伸フィルムを得た。なお、実施例12の密度は0.89g/cmであった。
〔実施例13〕
樹脂A1、樹脂A2、樹脂B2、および樹脂C1のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして、基材層用樹脂組成物を調製した。また、樹脂A’2、樹脂B’1、樹脂C’1および樹脂D1のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして、表面層樹脂組成物を調製した。
ヒートシール層用樹脂として、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学株式会社製 住友ノーブレン(登録商標)FL6741G)90質量部、およびプロピレン−ブテン共重合体(三井化学株式会社製 タフマー(商標)XM−7070)10質量部、ブロッキング防止剤として非晶質シリカ(富士シリシア化学株式会社製 サイリシア730)0.2質量部をミキサーにてドライブレンドして、ヒートシール層用樹脂組成物を調製した。
基材層を形成するための基材層用ドライブレンド樹脂組成物を一軸スクリュータイプ押出機aに、表面層を形成するための表面層用ドライブレンド樹脂組成物を一軸スクリュータイプ押出機bに、ヒートシール層を形成するためのヒートシール層用樹脂組成物を一軸スクリュータイプ押出機HSに、それぞれホッパーから投入して280℃で溶融した。これらを3層マルチマニホールドダイ内部にて表面層(b層)−基材層(a層)−ヒートシール層(HS)の3層構成に積層した3層積層樹脂層として押し出した。一軸スクリュータイプ押出機bと一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機HSの押出樹脂量の質量比率は2:7:1とした。押し出された樹脂シートのヒートシール層側を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却することにより固化した。これにより原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、実施例1と同様の延伸及びコロナ処理を行うことにより、実施例13の延伸フィルムを得た。なお、実施例13の密度は0.84g/cmであった。
〔実施例14〕
基材層に関して、上記実施例1に記載された基材層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂A1を92質量%、樹脂A2を5質量%、樹脂B1を3質量%用いた。表面層に関して、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂A’2を50質量%、樹脂B’3を10質量%、樹脂D1を20質量%および樹脂D3を20質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例14の延伸フィルムを得た。
〔比較例1〕
基材層に関し、上記実施例1に記載された基材層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて樹脂A1をドライブレンドおよび溶融混練せずに単独で使用した。また、フィルムの層構成に関し、上記実施例1において表面層(b層)−基材層(a層)の2層構成に積層したことに代えて表面層(b層)を形成せずに基材層(a層)のみを形成した。その他(上述のこと以外)は実施例1と同様にして、比較例1の延伸フィルムを得た。なお、比較例1の密度は0.97g/cmであった。
〔比較例2〕
フィルムの層構成に関し、上記実施例1において表面層(b層)−基材層(a層)の2層構成に積層したことに代えて、表面層(b層)を調製せずに基材層(a層)のみを調製したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の延伸フィルムを得た。
〔比較例3〕
表面層に関し、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂A’2のペレットをドライブレンドおよび溶融混合を実施せずに単独で使用したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の延伸フィルムを得た。
〔比較例4〕
基材層に関し、上記実施例1に記載された表面層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂A1をドライブレンドおよび溶融混合せずに単独で使用した。また、表面層に関し、上記実施例1に記載された基材層を構成する樹脂成分およびその割合に代えて、樹脂D1を20質量%および樹脂A’2を80質量%用いた。その他(上述のこと以外)は実施例1と同様にして、比較例4の延伸フィルムを得た。
以下の表1及び表2に、各実施例においた得られた延伸フィルムの測定および評価結果を、各延伸フィルムに用いた樹脂の組成と共に示す。なお、表2の印刷適性において、−**は、低い光沢度と白さの不均一性の両方を兼ね備える延伸フィルムが得られなかったため、評価は行わなかったことを意味する。
Figure 2017213869
Figure 2017213869
表1及び表2に示される通り、実施例1〜14の延伸フィルムは、光沢度が著しく低い、全光線透過率が35〜85%の間である半透明の延伸フィルムであった。また、これらのフィルムは、無機顔料(無機粒子)を有しなくとも印刷適性および鉛筆筆記性を有するものであった。したがって、本発明の半透明性延伸フィルムは、紙に比べて優れた耐湿性、耐水性、耐油性、機械強度をも有するフィルムでありながら、適度な半透明性と低い光沢度により紙のような質感を示し、さらに印刷適性および鉛筆筆記性を有するため、紙の代替として使用可能であることが理解される。
また、実施例13の延伸フィルムは、ヒートシール性をも有するため、例えばパン等の食品類のヒートシール性を要する包装形態等にも好適に使用可能であることが理解できる。
これに対し、基材層において結晶性樹脂Aを単独成分で用い、表面層を形成しなかった比較例1では、白さの不均一性を有さず、光沢度が高い、透明性フィルムしか得られなかった。また、表面層を形成しなかった比較例2では、半透明性および白さの不均一性は得られたものの、光沢度が高く、つや消しの外観を有する延伸フィルムは得られなかった。さらに、表面層において結晶性樹脂Dを用いずに結晶性樹脂Aを単独成分として用いた比較例3においても、半透明性および白さの不均一性は得られたものの、光沢度が高く、つや消しの外観を有する延伸フィルムは得られなかった。また、基材層において非晶性樹脂Bを用いなかった比較例4では、白さの不均一性が得られなかった。即ち、比較例1〜4で得られたフィルムは、紙のような外観を示さなかった。

Claims (6)

  1. 少なくとも基材層および表面層を含む半透明性延伸フィルムであって、
    前記基材層は、融点が120〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し、
    前記表面層は、190℃および2.16kgにおけるメルトマスフローレートが0.02〜2g/10分である結晶性熱可塑性樹脂Dを樹脂成分として少なくとも含有する、全光線透過率が35〜85%である、半透明性延伸フィルム。
  2. 前記非晶性熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度が135〜185℃である、請求項1に記載の半透明性延伸フィルム。
  3. 前記基材層は、融点が200〜280℃である結晶性熱可塑性樹脂Cを樹脂成分として更に含有する、請求項1または2に記載の半透明性延伸フィルム。
  4. 前記表面層は、結晶性熱可塑性樹脂A’を樹脂成分として更に含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
  5. 表面層が積層された面の反対側の面にヒートシール層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
  6. 表面層側の60度鏡面光沢度は1〜20%である、請求項1〜5のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
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