JP6702068B2 - 半透明性延伸フィルム - Google Patents

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本発明は、紙に比べて高い耐湿性、耐水性、耐油性および機械強度を有するプラスチック製フィルムでありながら、半透明性をも有し、好ましくは優れた印刷適性およびヒートシール性を有し所望により鉛筆筆記性や手切れ性をも有する延伸フィルムに関する。
従来、透写紙、グラシン紙、パラフィン紙および硫酸紙といった半透明性を有する紙は、その表面に印刷等された文字や絵柄の視認性に優れ、内容物の確認も可能であることから、薬包紙、食品の包装紙、クッキングシート、ブックカバー等に用いられている。しかしながら、それらの半透明性を有する紙は、強度を得るために厚みを大きくすると半透明性が失われ、半透明性を得るために厚みを小さくすると機械強度が不十分となる。また印刷・断裁・包装等の際に紙粉が発生し、印刷性や断裁作業性の悪化、包装物の汚染といった問題を生ずることがある。またプラスチック製フィルムと比べると耐湿性、耐水性および耐油性は低く、水分や油分を含む食品等の包装や、冷やされて結露する可能性の有る包装等には使用できない場合がある。さらには、紙は一般にヒートシール性を有さず、ヒートシール性を要する包装形態には使用できない。
一方、プラスチック製フィルムは、耐湿性、耐水性および耐油性に優れ、良好な機械強度を有することから、食品や薬品等の包装紙等に用いられている。しかしながら、プラスチック製フィルムは透明性が高く、その全面に印刷しなければ文字や絵柄等を視認しにくく、加えて質感が均一であるため高級感や意匠性が得られにくい。このため、プラスチック製フィルムは消費者の注目を集めにくく、菓子等の包装に用いられる和紙等の紙の代替には使用しにくいという課題がある。
加えて、半透明性を有する紙は一般に、切り口等を有しなくとも手で引き裂くことが可能であり、包装袋等に使用した場合に手で開封可能であるという手切れ性を有している。また、透写紙等ではその用途から鉛筆筆記性が必要とされる。
しかし、一般的なプラスチック製フィルムは、切り口等の特別な形状を備えなければ手切れ性を有さず、およびフィルム表面が滑らかすぎるために鉛筆等による筆記ができない。また、紙に比べてプラスチック製フィルムは外観につやがあるため、紙の代替として用いることができない場合がある。
特許文献1には、ポリプロピレンおよび特定の炭酸カルシウム粉末を含有するポリプロピレン樹脂組成物から形成されたパール光沢を有するポリプロピレン二軸延伸フィルムが提案されている。また、特許文献2には、結晶性オレフィンと環状オレフィン系樹脂からなる樹脂組成物製フィルムを少なくとも一方向に3倍以上延伸してなり、光線透過率が50%以下であることを特徴とする不透明ポリオレフィン系フィルムが提案されている。
特許文献3には、ポリマーマトリックス、およびシンジオタクチックポリスチレン重合体からなる固体、非中空粒子を含むキャビテーション化剤を含む基材層と、少なくとも1種の追加の層とを含む不透明なポリマーフィルムが提案されている。特許文献3には、上記ポリマーフィルム中にエチレンノルボレンコポリマーがキャビテーション化剤として更に含まれることが記載されている。
特開平11−005852号公報 特開平8−73618号公報 特表2003−522054号公報
しかしながら、特許文献1に記載のポリプロピレン二軸延伸フィルムに用いられる炭酸カルシウムは不透明であることから、半透明な外観を有するフィルムは得られない。また、粒子の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れが発生することがあり、断裁作業性についても良好であるとはいえない。さらに手切れ性についても有さないものである。また、特許文献2に記載の不透明ポリオレフィン系フィルムは、非晶性環状オレフィン系樹脂を用いているが、本発明の結晶性熱可塑性樹脂Bに相当する樹脂を用いておらず、半透明な外観や白さの不均一性(紙様の質感)が得られにくく、鉛筆等による筆記性や手切れ性についても有さないものである。
特許文献3に記載のポリマーフィルムは不透明性であり、半透明性を有するものではなく、本発明のような白さの不均一性(紙様の質感)を示すものではない。
このような状況下、紙に比べて高い耐湿性、耐水性、耐油性、および機械強度を有するプラスチック製フィルムでありながら半透明性で且つ紙のような外観をも有し、好ましくは優れた印刷適性およびヒートシール性を有し、所望により鉛筆筆記性や手切れ性をも有するフィルムが望まれている。
本発明の目的は、半透明性延伸フィルムであって紙のような外観を有し、好ましくは優れた印刷適性およびヒートシール性を有し、所望により鉛筆筆記性や手切れ性をも有する半透明性延伸フィルムを提供することである。
本発明者らは、フィルムを構成する2種類の結晶性熱可塑性樹脂の融点および非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度に着目した結果、特定の融点を有する2種類の結晶性熱可塑性樹脂と特定のガラス転移温度を有する非晶性熱可塑性樹脂とを組み合わせて用いることにより得られる全光線透過率が35〜85%である半透明性延伸フィルムによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1]融点が135℃〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂Aと、融点が200℃〜280℃である結晶性熱可塑性樹脂Bと、ガラス転移温度が135℃〜185℃である非晶性熱可塑性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し、全光線透過率は35〜85%である半透明性延伸フィルム。
[2]非晶性熱可塑性樹脂Cを、前記層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に1〜20質量%含有する、前記[1]に記載の半透明性延伸フィルム。
[3]非晶性熱可塑性樹脂Cは環状オレフィン共重合体である、前記[1]または[2]に記載の半透明性延伸フィルム。
[4]結晶性熱可塑性樹脂Bはシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[5]結晶性熱可塑性樹脂Aは結晶性ポリオレフィン系樹脂である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[6]結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を、さらに1層以上有する、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[7]結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有する層を、さらに1層以上有する、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[8]少なくとも片面にヒートシール層を有する、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[9]少なくとも片面のぬれ張力は36〜45mN/mである、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
本発明の半透明性延伸フィルムは、白色で半透明性を有すると共に、機械強度、耐湿性、耐水性および耐油性に優れることから、ラベル、テープ用基材、印刷用基材、ポスター用紙、感熱紙基材、記録用紙基材等に好適に用いることができる。また、紙の地合いのように白さが不均一で、つや消しされた外観を有するため、紙の質感(紙のような外観)を有しており、その結果、紙の代替品として使用しやすい。本発明のある好適な態様では、本発明の半透明性延伸フィルムは優れた印刷適性およびヒートシール性を有するため、食品包装用途に好ましく用いることができる。また本発明のある好適な態様では、本発明の半透明性延伸フィルムは、手切れ性を有し得ることから、手切れ性が必要な食品や薬品等の包装紙にも用いることができる。さらに、そのような本発明の半透明延伸フィルムは、結晶性熱可塑性樹脂の微細分散物を含有する効果と思われるが、無機粒子を含有しなくても紙の様に鉛筆筆記が可能である。このような実施形態では、無機粒子の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れが無く、断裁時に切断面が荒れることや断裁刃の消耗が早い等の問題が起こらない。
本明細書において、「〜」とは、以上と以下を意味する。即ち、α〜βという表記は、α以上β以下またはβ以上α以下を意味し、範囲としてαとβを含む。
本発明の半透明性延伸フィルムは、全光線透過率が35%〜85%である。全光線透過率が35%未満であると、不透明になり、包装に用いた場合、内容物の確認が困難となる。また、85%を超えると、透明性が余りに高くなり、フィルム表面に印字された文字や絵柄等の視認性が悪化する。本発明の半透明性延伸フィルムは、全光線透過率が好ましくは40%〜80%、より好ましくは50%〜75%、さらに好ましくは52〜70%である。全光線透過率が上記範囲内であれば、延伸フィルムが半透明性となるため好ましい。本発明では、全光線透過率は、JIS−K7361に準拠して測定される値のことであり、例えば日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−5000等を用いて測定された値である。
本発明の半透明性延伸フィルムは、樹脂成分として、135℃〜175℃の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂A(以下、結晶性樹脂Aと称する)と、200℃〜280℃の融点を有する結晶性熱可塑性樹脂B(以下、結晶性樹脂Bと称する)と135℃〜185℃のガラス転移温度を有する非晶性熱可塑性樹脂C(以下、非晶性樹脂Cと称する)とを少なくとも含有する層を、一層以上有する。ここで結晶性熱可塑性樹脂とは、DSCを用いて、窒素流下、−40℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持し、20℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した後、再び20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線に、明確な溶融ピークが現れる熱可塑性樹脂をいう。一方、非晶性熱可塑性樹脂とは、DSCを用いた上記測定において明確な溶融ピークが現れない熱可塑性樹脂をいう。半透明性延伸フィルムが結晶性樹脂AおよびBに加えて非晶性樹脂Cを含有することにより、紙の地合いのような白さの不均一性(紙様の質感)が得られやすくなり、紙の代替として使用しやすくなる。
結晶性樹脂Aの融点は、135℃〜175℃である。結晶性樹脂Aの融点が135℃未満である場合には、得られる延伸フィルムの耐熱性が低下し、延伸フィルムの生産性が低下する虞がある。結晶性樹脂Aの融点が175℃を超える場合には、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを制御することが困難となり、半透明な外観および白さの不均一性(紙様の質感)が得られない虞がある。結晶性樹脂Aの融点は、好ましくは138℃〜170℃、より好ましくは140℃〜166℃、特に好ましくは145℃〜164℃、より特に好ましくは150℃〜163℃である。結晶性樹脂Aの融点が上記範囲内であれば、延伸フィルムの生産性および得られる延伸フィルムの耐熱性が良好となり、および結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを制御することが容易となるため好ましい。
結晶性樹脂Aのガラス転移温度は、50℃以下が好ましく、−30℃〜30℃がより好ましい。結晶性樹脂Aのガラス転移温度が上記要件を満たし、後に記載するように結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cが特定のガラス転移温度を有すると、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bとの界面間、および結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Cとの界面間に適度な空隙部が形成されやすく好ましい。また、延伸フィルムの生産性や得られる延伸フィルムの耐熱性、柔軟性、低温もろさ等が良好となるため好ましい。本発明では、結晶性樹脂Aの融点およびガラス転移温度は、示差走査熱量計(例えば、パーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSC)を用いて測定された値である。
結晶性樹脂Aの、JIS K−7210(1999)に準拠し、230℃、21.18Nで測定したメルトマスフローレートは、好ましくは0.5g/10分〜8g/10分、より好ましくは1g/10分〜6g/10分である。メルトマスフローレートを上記範囲とすることで、樹脂の流動性が適度な範囲となり、延伸フィルムの厚みを精度良く作製することができる。また、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを制御しやすくなり、所望の全光線透過率が得られやすくなる。
結晶性樹脂Aとしては、融点が135℃〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、融点が135℃〜175℃である、結晶性ポリオレフィン系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂、結晶性アセタール系樹脂等を例示することができる。これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
なかでも、結晶性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、上述の結晶性樹脂Aの融点や好ましくはガラス転移温度を示す結晶性ポリオレフィン系樹脂が、延伸性に優れ、適当なフィルム延伸温度で所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易くなるため好ましい。結晶性ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を重合した単独重合体または共重合体等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
これらのなかでも、結晶性ポリプロピレン系樹脂、特に結晶性のプロピレンの単独重合体(結晶性プロピレン単独重合体または結晶性ポリプロピレン単独重合体)および結晶性のプロピレンとエチレンとの共重合体(結晶性プロピレン−エチレン共重合体)からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。結晶性樹脂Aに結晶性プロピレン単独重合体を用いると、フィルムの機械強度や耐熱性が向上しやすい傾向があり、結晶性プロピレン−エチレン共重合体を用いると低温での折り割れ性が良化し、かつ表面光沢度を下げやすい傾向がある。
したがって、結晶性樹脂Aとしては、結晶性プロピレン単独重合体のみを使用したり、結晶性プロピレン単独重合体と、プロピレンとエチレン等の共重合体および/または他の重合体とを混合して使用したり、プロピレンとエチレン等の共重合体および/または他の重合体のみを使用したりすることができる。あるいは多層構成の場合は、要求される品質を得るために、層によって使い分けたりしてもよい。上記他の重合体は、結晶性樹脂Aとして用いることができる任意の重合体であってよく、上述の結晶性プロピレン単独重合体およびプロピレンとエチレン等との共重合体以外の結晶性ポリオレフィン系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂、結晶性アセタール系樹脂等であってよい。一態様では、結晶性樹脂Aとして、結晶性プロピレン単独重合体と結晶性プロピレン−エチレン共重合体の2成分を組み合わせて使用することが好ましい。これらの2成分を組み合わせて使用する場合、耐熱性と低温での折り割れ性が共に優れたフィルムが得られやすい。この場合、結晶性プロピレン単独重合体と結晶性プロピレン−エチレン共重合体の好ましい質量比率は、結晶性プロピレン単独重合体(P1):結晶性プロピレン−エチレン共重合体(P2)=70:30〜99:1であり、より好ましい質量比率はP1:P2=75:25〜98:2であり、さらに好ましい質量比率はP1:P2=78:22〜97:3である。
結晶性プロピレン単独重合体としては、結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂が好ましい。本発明では、結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂は、好ましくは、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率([mmmm])が92%〜98%であり、さらに好ましくは93%〜97%である。メソペンタッド分率[mmmm]が92%以上であると、高い立体規則性成分により、樹脂の結晶性が向上し、高い熱安定性、機械強度が得られる。一方、メソペンタッド分率[mmmm]を98%以下とすることで、延伸性が良好となる。
上記メソペンタッド分率([mmmm])を測定するための高温NMR装置には、特に制限はなく、ポリオレフィン類の立体規則性度が測定可能な一般に市販されている高温型核磁気共鳴(NMR)装置、例えば日本電子株式会社製高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)JNM−ECP500を用いることができる。観測核は13C(125MHz)であり、測定温度は135℃、溶媒にはオルト−ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(体積混合比=4/1))が用いられる。高温NMRによる方法は、公知の方法、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、610頁」に記載の方法により行うことができる。測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅9.1μsec(45°パルス)、パルス間隔5.5sec、積算回数4500回、シフト基準はCH(mmmm)=21.7ppmとされる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrm等)に由来する各シグナルの強度積分値より百分率で算出される。mmmmやmrrm等に由来する各シグナルの帰属に関し、例えば「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」等のスペクトルの記載が参照される。上記メソペンタッド分率([mmmm])は、ポリプロピレン樹脂の重合条件や触媒の種類、触媒量等の重合条件を、適宜調整することによってコントロールすることができる。
結晶性プロピレン単独重合体としては、公知の方法、例えばチタン、アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒系を用い、炭化水素溶媒中プロピレンを重合する方法、液状プロピレン中で重合する方法(バルク重合)、気相で重合する方法等により製造したものを用いてよく、市販されているものを用いてもよい。代表的な市販品としては、例えば、株式会社プライムポリマー製のプライムポリプロ(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの、サンアロマー株式会社製のPC412A等、日本ポリプロ株式会社製のノバテック(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの、Borealis社製Daployシリーズ、大韓油化工業株式会社製5014Lシリーズ、住友化学株式会社製の住友ノーブレン(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの等が挙げられる。
結晶性プロピレン−エチレン共重合体としては、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとのブロック共重合体がいずれも好ましく用いられ、エチレン50質量%以下を共重合体中に含有するものがより好ましい。代表的な市販品としては、例えば株式会社プライムポリマー社製プライムポリプロ(登録商標)シリーズのうち共重合体のもの、日本ポリプロ株式会社製のノバテックPP(登録商標)シリーズのうち共重合体のものおよびウインテック(登録商標)シリーズ、住友化学株式会社製の住友ノーブレン(登録商標)シリーズのうち共重合体のもの等が挙げられる。
結晶性ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。結晶性ポリアミド系樹脂としては、開環重合系脂肪族ポリアミド、アミド系エラストマー等が挙げられ、例えばナイロン12(PA12)も挙げられる。結晶性ポリスチレン系樹脂としては、アイソタクチックポリスチレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂等が挙げられる。結晶性アセタール系樹脂としては、ポリオキシメチレン樹脂、ポリオキシエチレン樹脂等の単独重合体、これらの共重合体等が挙げられる。これらの各樹脂のうち、135〜175℃の範囲に融点を有するものを用いることができる。これらの各樹脂(結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂、結晶性アセタール系樹脂等)は、それぞれ、単独または2種以上を混合して用いることができる。
結晶性樹脂Bの融点は、200℃〜280℃である。結晶性樹脂Bの融点が200℃未満である場合および280℃を超える場合には、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御することが困難となり、白さの不均一性(紙様の質感)が得られない虞がある。結晶性樹脂Bの融点は、好ましくは230℃〜270℃、より好ましくは240℃〜260℃である。結晶性樹脂Bの融点が上記範囲内であれば、溶融押出の際に結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを結晶性樹脂A中で制御することが容易となり、および結晶性樹脂Bの変形が適度に抑制されるため、得られる延伸フィルムの全光線透過率が低下し、所望の半透明性を有する延伸フィルムが得られ易くなるため好ましい。
結晶性樹脂Bのガラス転移温度は、60℃〜130℃が好ましく、70℃〜120℃がより好ましく、80℃〜110℃がさらに好ましい。結晶性樹脂Bのガラス転移温度が上記範囲内であり、先に記載したように結晶性樹脂Aが特定のガラス転移温度を有し、後に記載するように非晶性樹脂Cが特定のガラス転移温度を有すると、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bとの界面間、および結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Cとの界面間に適度な空隙部が形成されやすく好ましい。また、延伸フィルムの生産性や得られる延伸フィルムの耐熱性、柔軟性、低温もろさ等が良好となるため好ましい。本発明では、結晶性樹脂Bの融点およびガラス転移温度は、示差走査熱量計(例えば、パーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSC)を用いて測定された値である。
結晶性樹脂Bは、300℃および1.2kg又は260℃および5kgにおけるメルトマスフローレートが好ましくは1〜60g/10分、より好ましくは1〜40g/10分、さらに好ましくは5〜35g/10分であり、特に好ましくは10〜20g/10分である。メルトマスフローレートが上記範囲内である場合、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Cとの混合性および分散性に優れ、および所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。本発明では、結晶性樹脂Bのメルトマスフローレートは、JIS K 7210:1999に準拠し、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定された値である。
結晶性樹脂Bとしては、融点が200℃〜280℃である結晶性熱可塑性樹脂Bであれば特に限定されないが、融点が200℃〜280℃である、結晶性ポリカーボネート系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリメチルペンテン樹脂(例えば、4−メチルペンテン−1を主構成単位とする樹脂)等を例示することができる。これらのなかでも、結晶性樹脂Aへの分散性が適度で所望の全光線透過率に制御しやすく、および水、酸、アルカリ、塩等への耐性に優れるため食品包装用途等にも使用しやすいことから、融点が200℃〜280℃である、結晶性ポリエステル系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、および結晶性ポリスチレン系樹脂が好ましい。
特に結晶性ポリスチレン系樹脂を用いると、好適な全光線透過率が得られ、および後述の鉛筆筆記性や手切れ性を付与することができるため好ましい。その理由は必ずしも定かではないが、結晶性ポリスチレン系樹脂は上述の好ましい融点および好ましくはガラス転移温度を有する樹脂であるにもかかわらず、一般的に比重が1.05以下とさほど高くないため、結晶性樹脂A中で占める体積が適度に大きくなり、好適な全光線透過率、鉛筆筆記性および手切れ性が得られ易いものと推測される。
結晶性樹脂Bとしてはこれらの樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上の結晶性樹脂Bを併用することもできる。2種以上の結晶性樹脂Bを併用することで、結晶性樹脂A中での結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさや、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bとの界面間に生じる空隙部の大きさにばらつきが生じやすくなり、紙の地合いのような白さの不均一性(紙様の質感)が得られやすくなり好ましい。
結晶性ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、式:〔−O−Ph−C(CH−Ph−O−C(=O)−〕で表される繰り返し単位を含み、上述のDSC測定において融点が観察されるポリカーボネート系樹脂が挙げられる。ここで、Phとは、2価のフェニレン基(−C−)を示す。
結晶性ポリカーボネート系樹脂としては、JIS K−7210(1999)に準拠し、300℃、11.77Nで測定したメルトボリュームフローレートが20〜50cm/10分であると、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Cとの混合および分散性に優れ、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。
結晶性ポリアミド系樹脂としては、例えば開環重合系脂肪族ポリアミド、重縮合系ポリアミド、半芳香族ポリアミド、アミド系エラストマー等が挙げられる。ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の重縮合反応で合成される、所謂ナイロン66を用いると、融点が適度なものとなり、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られるため好ましい。また、ナイロン6(PA6)等を用いることもできる。
ポリフェニレンサルファイド樹脂としては、ASTM−D792に準拠して測定した比重が1.4以下であり、ASTM−D638に準拠して測定した引張弾性率が3.5GPa以下であるものが、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。
ポリメチルペンテン樹脂としては、例えば4−メチルペンテン−1を主構成単位とする樹脂等が挙げられる。ポリメチルペンテン樹脂として、ASTM−D638に準拠して23℃で測定した引張弾性率が1.8GPa以上であり、ASTM−D1525に準拠して測定したビカット軟化温度が165℃以上、好ましくは170℃以上のものを用いると、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。
ポリメチルペンテン樹脂の代表的な市販品の例としては、三井化学株式会社製TPX(登録商標)DX845、DX231、DX820、RT18、RT31等が挙げられる。
結晶性ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。結晶性ポリエステル系樹脂は、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。とりわけ、結晶性ポリエステル系樹脂としては、その共重合成分のうち、酸成分はテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分はエチレングリコールを主成分とするものが好ましい。主成分であるテレフタル酸とエチレングリコールはそれぞれ、酸成分およびジオール成分中に51mol%以上、好ましくは70mol%以上、さらに好ましくは80mol%以上の割合で含まれる。また、結晶性ポリエステル系樹脂は、酸成分および/またはジオール成分中に49mol%以下、好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは20mol%以下のその他の共重合成分を含んでいてもよい。
上記共重合可能なその他の酸成分の例としては、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等から誘導される芳香族ジカルボン酸成分や、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等から誘導される脂肪族ジカルボン酸成分が挙げられる。なかでもイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分が好ましい。
また、上記共重合可能なその他のジオール成分の例としては、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等から誘導されるジオール成分が挙げられる。なかでもジエチレングリコールおよび1,3−プロパンジオールが好ましい。
これらの結晶性ポリエステル系樹脂は、1種のみを単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。結晶性ポリエステル系樹脂の市販品としては、例えば、三菱化学株式会社製ノバペックス(登録商標)シリーズ、帝人株式会社製TR−8550FF等が挙げられる。
結晶性ポリスチレン系樹脂の構造としては、アイソタクチック構造またはシンジオタクチック構造のいずれであってもよいが、結晶性ポリスチレン系樹脂としては、主にシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂を用いるのが好ましい。本発明では、シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものをいう。
結晶性ポリスチレン系樹脂のタクティシティーは、同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量することができる。13C−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができる。本発明に用いるポリスチレン系樹脂Bは通常、ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミトリアッドで60%以上、好ましくは75%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するスチレン系ポリマーである。
結晶性ポリスチレン系樹脂の種類としては、ポリスチレン(スチレン単独重合体)、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、ならびにこれらを主成分とする共重合体が挙げられる。
ポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)等が挙げられる。ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等が挙げられる。ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)等が挙げられる。ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等が挙げられる。
これらの構造単位を含む共重合体のコモノマー成分としては、上記スチレン系重合体のモノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマー、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマーが挙げられる。好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレンおよびこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
結晶性ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系モノマーとして少なくともスチレンとp−メチルスチレンを共重合させて得られた樹脂が好ましく、スチレン系モノマー中のp−メチルスチレンの含有率は1〜30モル%であることが好ましく、3〜15モル%であることがより好ましい。スチレン系モノマー中のp−メチルスチレンの含有率を上記範囲とすることで、結晶性樹脂A中でポリスチレン系樹脂の微細分散物の大きさを制御することが容易となる。そのため全光透過率を低くして所望の範囲とし、かつ後述の手切れ性を得ることができる。さらにはフィルムの柔軟性も好適なものとなり、かつ延伸性も良化して破断等が発生しにくくなる。
本発明に用いる結晶性ポリスチレン系樹脂の分子量は、特に制限されないが、好ましくは重量平均分子量が1万以上、より好ましくは5万以上である。重量平均分子量を1万以上とすることで、得られる延伸フィルムの熱的性質や機械強度を向上させることができる。また、本発明に用いるポリスチレン系樹脂の分子量の上限は、結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Cとの混合および分散性の観点から、好ましくは300万以下、より好ましくは150万以下である。
本発明では、結晶性ポリスチレン系樹脂は、公知の方法、例えばスチレンをモノマーとし、メタロセン触媒を用いて重合する方法等により製造したものを用いてよく、または市販されているものを用いてもよい。代表的な市販品としては、例えば出光興産株式会社製ザレック(登録商標)142ZE、ザレック(登録商標)300ZC、ザレック(登録商標)130ZCおよびザレック(登録商標)90ZC等が挙げられる。これらの結晶性ポリスチレン系樹脂は、1種のみを単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
非晶性樹脂Cは、上述のDSC測定において融点は確認されないがガラス転移温度は確認される樹脂である。非晶性樹脂Cのガラス転移温度は、135℃〜185℃である。非晶性樹脂Cのガラス転移温度が135℃未満である場合および185℃を超える場合には、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Cとの界面間に適度な空隙部が形成されることが困難となり、半透明な外観および白さの不均一性(紙様の質感)が得られない虞がある。結晶性樹脂Cのガラス転移温度は、好ましくは140〜180℃、より好ましくは140℃〜168℃、さらに好ましくは148℃〜164℃である。非晶性樹脂Cのガラス転移温度が上記範囲内であれば、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと非晶性熱可塑性樹脂Cとの界面間に適度な空隙部が形成されやすいため好ましい。本発明では、結晶性樹脂Aの融点およびガラス転移温度は、示差走査熱量計(例えば、パーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSC)を用いて測定された値である。
非晶性樹脂Cは、230℃および21.18Nにおけるメルトマスフローレートが好ましくは1〜8g/10分、より好ましくは1.5〜7g/10分、特に好ましくは2〜6g/10分であると、結晶性樹脂Aとの混合および分散性に優れ、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。本発明では、非晶性樹脂Cのメルトマスフローレートは、JIS K−7210(1999)に準拠して測定された値である。
非晶性樹脂Cとしては、環状オレフィンと直鎖オレフィンの共重合体等の非晶性環状オレフィン共重合体、共重合したポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエン等のような直鎖状、分岐状または環状のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、フッ素系樹脂等を例示することができる。これらのなかでも、共重合するモノマー種が多様であり、モノマー種による材料物性の調整が容易であることから、非晶性環状オレフィン共重合体、共重合したポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物が好ましい。特に、結晶性樹脂A中に良好に微分散され、所望の全光線透過率の範囲の半透明性を得ることができるため、非晶性環状オレフィン共重合体が好ましい。その理由は必ずしも定かではないが、非晶性環状オレフィン共重合体は、溶融密度と固体密度の密度比が小さく、溶融押出から冷却までの過程における樹脂収縮性が結晶性樹脂Aとは大きく異なるため、適度な空隙部が形成され易く、結果として好適な全光線透過率が得られ易いものと推測される。
非晶性樹脂Cとしてはこれらの樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上の非晶性樹脂Cを併用することもできる。
非晶性環状オレフィン共重合体とは、シクロアルケン、ビシクロアルケン、トリシクロアルケンおよびテトラシクロアルケンからなる群から選択される少なくとも1種の環状オレフィンと、エチレンおよびプロピレン等の直鎖オレフィンとからなる共重合体である。環状オレフィンとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−i−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、2−メチル−トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、5−メチル−トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−デセン、10−メチル−トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−デセン等およびそれらの誘導体を例示することができる。
非晶性環状オレフィン共重合体のガラス転移温度は、例えば、環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン成分の含有量を多くし、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量を少なくすることにより、上記範囲内に調節することができる。好ましくは、環状オレフィン成分の含有量は70〜90質量%であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は30〜10質量%である。より好ましくは、環状オレフィン成分の含有量は75〜85質量%であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は25〜15質量%である。さらに好ましくは、環状オレフィン成分の含有量は77〜83質量%であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は23〜17質量%である。
環状オレフィンとしては、生産性、透明性および容易な高Tg化の観点から、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンともノルボルネンともいう)およびその誘導体が好ましい。直鎖オレフィン成分としては、反応性の観点から、エチレンが好ましい。
また、環状オレフィンおよび直鎖オレフィンの他に本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、他の共重合可能な不飽和単量体成分を共重合させることもできる。そのような他の共重合可能な不飽和単量体は、分子量調整剤として作用してよく、その例として、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の3〜20個の炭素原子を有するα−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネル、テトラシクロドデセン、2−メチルテトラシクロドデセン、2−エチルテトラシクロドデセン等を挙げることができる。
さらに、非晶性樹脂Cとして、非晶性環状オレフィン共重合体の水素添加物を使用することもできる。向上した耐熱劣化性および耐候劣化性がもたらされることから、二重結合のほぼ全てが水素添加により飽和された水素添加物が好ましい。水素添加物の水素添加率は、好ましくは90%以上、より好ましくは99%以上である。
本発明では、非晶性樹脂Cとして市販されているものを用いてもよい。代表的な市販品としては、例えばTopas Advanced Polymers GmbH製TOPAS(登録商標)6015S−04、6017S−04等、三井化学株式会社製アペル(登録商標)APL6015T等、JSR株式会社製JSR ARTON(登録商標)F4520等が挙げられる。
結晶性樹脂Aは、好ましくは、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に96〜45質量%、より好ましくは90〜52質量%、さらに好ましくは86〜57質量%、特に好ましくは86〜59質量%の量で用いることができる。結晶性樹脂Aを上記範囲で用いることにより、延伸性や機械強度に優れたフィルムが得られやすくなる。結晶性樹脂Bは、好ましくは、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に3〜35質量%、より好ましくは8〜31質量%、さらに(又は特に)好ましくは11〜27質量%で用いることができる。結晶性樹脂Bを、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に3質量%以上とすることで、全光線透過率を低くして所望の範囲内とし、および後述の手切れ性や鉛筆筆記性を向上させやすい。また、結晶性樹脂Bを、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に35質量%以下とすることにより、全光線透過率を余りに低くすることなく所望の範囲内とし、および延伸性を向上し、破断の発生等を抑制しやすい。非晶性樹脂Cは、好ましくは、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に1〜20質量%、より好ましくは2〜17質量%、さらに好ましくは3〜16質量%、特に好ましくは4.5〜14質量%の量で用いることができる。非晶性樹脂Cを上記範囲で用いることにより、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性(紙様の質感)が得られやすくなる。
本発明の半透明性延伸フィルムには、結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの他に樹脂成分として、結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cとは異なった融点やガラス転移温度を示す結晶性樹脂または非晶性樹脂(即ち、結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cのいずれにも該当しない樹脂であり、以下、当該樹脂を「他の樹脂」とも称する)を、延伸性の調整、低温耐衝撃性の調整、表面粗さの調整、剛度、強度、伸度等の各種物性の調整等を目的に、本発明の効果を損なわない範囲内で含有させてもよい。
他の樹脂としては、特に限定されず、延伸フィルム用途に適したものとされる従来公知の樹脂を本発明においても適宜用いることができる。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリイソブテン、ポリ(1−ペンテン)、ポリメチルペンテン(例えばポリ(4−メチル−1−ペンテン))等のポリオレフィン系樹脂や、それらの共重合体樹脂、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等の、α−オレフィン同士の共重合体等が例示できる。また、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂やそれらの共重合体、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体等のビニル単量体−ジエン単量体共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体等のビニル単量体−ジエン単量体−ビニル単量体共重合体等が挙げられる。
他の樹脂を使用する場合、このような他の樹脂の含有量は、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。他の樹脂の含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば0質量%、1質量%などである。
本発明の半透明性延伸フィルムには、必要に応じて、任意成分として、添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、有機および無機滑剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤等を含有させてもよい。本発明の効果を損なわない範囲内の量で、このような添加剤を用いることができる。
なお、上述の通り、本発明の半透明性延伸フィルムは炭酸カルシウム等の無機物を含有しなくても紙の質感を有する。よって、本発明の上記特徴を妨げないよう、無機物の含有量は、それが含まれる層の全質量を基準に1質量%以下、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.01質量%以下または0質量%(無機物を含有しない)等であることが好ましい。
熱安定剤および酸化防止剤の例としては、フェノール系、ヒンダードアミン系、ホスファイト系、ラクトン系、トコフェロール系の熱安定剤や酸化防止剤が例示される。さらに具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン株式会社製「Irganox(登録商標)1010」)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ)ベンゼン(BASFジャパン株式会社製「Irganox(登録商標)1330」)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン株式会社製「Irgafos(登録商標)168」)等が挙げられる。これらのなかでも、フェノール系酸化防止剤系から選ばれた少なくとも1種あるいはそれらの組み合わせ、あるいはフェノール系とホスファイト系との組み合わせ、およびフェノール系とラクトン系、フェノール系とホスファイト系とラクトン系の組み合わせが、フィルムの化学的な安定性を付与する観点から好ましい。
滑剤の例としては、有機系滑剤として、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド、シリコーン架橋ポリマー、また無機系滑剤として、シリカ、アルミナ等が挙げられるが、印刷用途での印刷版の汚れの少ない有機系滑剤が好ましい。
塩素捕獲剤の例としては、ステアリン酸カルシウムや金属石鹸類、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
帯電防止剤の例としては、アルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノールおよび/またはアルキルアミンエタノールエステルおよび/またはアルキルアミンジエタノールジエステル等が挙げられる。これらのうち2種類以上の帯電防止剤を併用しても良く、さらに脂肪族アルコールを併用しても良い。
それらのなかでも、ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステルとステアリルジエタノールアミンを併用すると、帯電防止性能に優れ、印刷適性が向上することから好ましい。
帯電防止剤の代表的な市販品の例としては、花王株式会社製エレクトロストリッパー(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、従来公知の方法を用いて製造することができる。例えば、まず結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cを、必要に応じて他の樹脂および/または添加剤と共にブレンドした後、これを押出成形し、二軸延伸を施すことにより製造することができる。
結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cをブレンドする方法としては、例えば結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cのペレットや粉体等を、必要に応じて他の樹脂のペレットや粉体および/または添加剤と共に、タンブラーやミキサー等のバッチ式混合装置や、あるいは連続計量式混合装置を用いてドライブレンドする方法がある。また、結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cのペレットや粉体等を、必要に応じて他の樹脂のペレットや粉体および/または添加剤と共に混練機に供給し、溶融混練してメルトブレンド樹脂組成物を得る方法等が挙げられる。
本発明においては、溶融混錬することで、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bと非晶性樹脂Cの混合・分散性が優れ、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを制御し易くなり、全光線透過率を下げて所望の範囲とすることができるため好ましい。溶融混練に用いる混練機としては公知の混錬機を使用でき、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いてよく、さらに、2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のいずれの混練タイプをも用いてよいが、同方向回転の2軸スクリュータイプの混錬機が、微細分散物の大きさを制御し易いため好ましい。
溶融混錬の混練温度は、220℃〜300℃の範囲が好ましく、240℃〜280℃がより好ましい。上記温度範囲とすることで、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの微細分散物の大きさを制御し、所望の全光線透過率を得ることができるため好ましい。溶融混錬の際の樹脂の劣化防止のため、窒素等の不活性ガスをパージしてもよい。
溶融混練された樹脂は、一般的に公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズすることによってメルトブレンド樹脂組成物ペレットを得ることができる。
本発明の半透明性延伸フィルムを得るための延伸方法としては、周速差を設けたロール間で延伸する方法、テンター法、チューブラー法等公知の方法を用いることができる。延伸方向としては、一軸延伸、二軸延伸、斜め方向への二軸延伸等が可能であり、二軸以上の延伸では、逐次延伸および同時延伸がいずれも適用可能である。これらのうち全光線透過率の均一なフィルムが得られ易い点から、テンター法による同時二軸延伸法、テンター法による逐次二軸延伸法、および周速差を設けたロール間で縦(流れ、MD)延伸した後テンター法にて横(巾、TD)延伸する逐次二軸延伸法が好ましい。
延伸は通常、フィルム温度(Ts)が主樹脂である結晶性樹脂Aの融点Tm(A)とガラス転移温度Tg(A)の間の温度となるように行う。ここで、フィルム温度Tsはフィルムが延伸開始される時点のフィルムの温度であるが、逐次二軸延伸等の多段延伸において各段でのフィルム温度が異なる場合は、それらのうち最も低いフィルム温度をTsとする。
Tsが結晶性樹脂Bのガラス転移温度Tg(B)と近い温度またはそれ以下であると、延伸時に結晶性樹脂Bが十分に変形できず、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bとの界面間に大きな空隙部を形成して不透明化し、所望の全光線透過率を満たす半透明延伸フィルムが得られない場合がある。また、TsがTm(B)と近い温度またはそれ以上であると、延伸時に結晶性樹脂Bが結晶性樹脂Aの変形に容易に追随して透明フィルムとなり、全光透過率が高まり易い傾向があり、所望の全光線透過率を満たす半透明延伸フィルムが得られない場合がある。
加えて、Tsが非晶性樹脂Cのガラス転移温度Tg(C)以下であると、延伸時に非晶性樹脂Cが変形できず、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bとの界面間に形成される空隙部と、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Cとの界面間に形成される空隙部の大きさに差ができやすくなり、紙の地合いのような白さの不均一性(紙様の質感)が得られやすくなる。
したがって、本発明では以下の関係式:
Tm(B)>Tm(A)>Tg(C)>Ts>Tg(B)>Tg(A)
が満たされることにより、所望の全光線透過率および紙の地合いのような白さの不均一性(紙様の質感)を備えた半透明性延伸フィルムが得やすいため好ましい。
Tsは、Tg(B)より10℃以上高い場合より好ましく、Tg(B)より20℃〜70℃高い場合さらに好ましい。この場合、延伸時の結晶性樹脂Bが適度に変形し、全光透過率が高くなりやすい傾向があり、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易くなる。また、Tsは、Tm(B)より80℃〜130℃低い場合、延伸時に結晶性樹脂Bの変形が適度に抑制され、そのため全光透過率が低くなり易い傾向があり、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易くなるため好ましい。
またTsは、好ましくはTg(C)より3℃以上低いと、より好ましくはTg(C)より5℃〜30℃低いと、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易く好ましい。
以下、逐次二軸延伸法により本発明の半透明性延伸フィルムを得る方法を説明するが、これに限定されるものではない。
上述の通り得られた結晶性樹脂A、結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cのドライブレンド品および/またはメルトブレンド樹脂組成物ペレットを押出機に供給し、加熱溶融して、フィルター等により微小異物等を除去した後、Tダイよりシート状に溶融押出する。
押出機のスクリュータイプに制限は無く、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いて良いが、樹脂の混合方法をドライブレンドとした場合は、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いると混合・分散性に優れる。
押出温度は、220℃〜300℃の範囲が好ましく、240℃〜280℃がより好ましい。押出の際の樹脂の熱劣化防止のため、窒素等の不活性ガスをパージしてもよい。
溶融押出された樹脂シートは、例えば、25〜120℃の温度に設定した少なくとも1個以上の金属ドラム上にエアナイフや他のロール、または静電気等により密着させるといった公知の方法により、シート状に成形され、原反シートとなる。金属ドラムの温度が上記範囲内であれば、分散された結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの合一を制御したり、結晶性樹脂Bの結晶成長を制御したりして延伸時の変形を抑制し、所望の全光線透過率が得られやすくなる。金属ドラムのより好ましい温度は30〜80℃である。
本発明の半透明性延伸フィルムは、ドライブレンドおよび/またはメルトブレンド樹脂組成物を単層ダイから押出成形し、延伸を施したフィルムであってよいが、所望のフィルム厚みを得ること等を目的に、複数の層および/またはフィルムを従来公知の積層方法、例えば共押出法、ラミネート法、ヒートシール法等を用いて積層することにより得られるフィルムであってもよい。したがって、本発明のフィルムが2層以上積層されたフィルムである場合、2以上のドライブレンドおよび/またはメルトブレンド樹脂組成物(各樹脂組成物の組成は異なっていても同じであってもよい)を共押出して積層し延伸させて得た多層フィルムであってもよいし、本発明の延伸フィルムと他のフィルムとのラミネートであってもよいし、単層として押出しされた無延伸フィルムの2層以上を互いに貼り合わせて得られる多層無延伸フィルム(各層を構成する樹脂組成物の組成は異なっていても同じであってもよい)を延伸して得られる多層フィルムであってもよい。
共押出法としては、溶融樹脂を金型手前のフィードブロック内で接触させるダイ前積層法、金型、例えばマルチマニホールドダイの内部の経路で接触させるダイ内積層法、同心円状の複数リップから吐出し接触させるダイ外積層法等が挙げられる。例えばダイ内積層法の場合には、3層マルチマニホールドダイ等の多層ダイを用いて、表層(スキン層:層b)とコア層(中間層:層a)からなる、層b/層a/層bの3層の層構成、さらに別の層と積層した層b/層a/層cの3層の層構成(層cはスキン層であり、且つ成分、厚み、形態等のいずれか一点以上で層bとは異なる層)などとすることができる。
ラミネート法としては、Tダイ法に用いる溶融押出成型法の設備を使用し、溶融樹脂のフィルムを別のフィルム上に直接押し出して積層フィルムを成型する押出ラミネート法等が挙げられる。
ヒートシール法としては、貼り合わせた複数のフィルムに加熱した金属体をフィルム外部から押し当て、伝導した熱がフィルムを溶融させて接着する外部加熱法、および高周波の電波や超音波によってフィルムに熱を発生させ接合する内部発熱法等が挙げられる。
本発明では、上記の積層方法を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
積層する場合、各層の結晶性熱可塑性樹脂A、結晶性熱可塑性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの種類および添加量は、同じであってもよいし、または異なっていてもよい。異なる場合、結晶性熱可塑性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの添加量が多い層で所望の全光線透過率を得やすくし、添加量が少ない層で延伸性を良化させる等、品質と生産性を両立させやすく好ましい。2層以上を積層する場合、少なくとも1層は結晶性熱可塑性樹脂Aを、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に96〜75質量%含有し、および少なくとも1層は結晶性熱可塑性樹脂Aを、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に75〜45質量%含有するのが好ましい。
半透明性延伸フィルムは、結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を、さらに1層以上有してよい。半透明性延伸フィルムは、このような層を、表層、中間層またはコア層として有してよい。半透明性延伸フィルムがこのような層を表層として有する場合、紙のような外観を有し且つ厚さが安定した本発明のフィルムが得られやすい。結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bとしては、それぞれ先に記載した樹脂を使用してよい。そのような層は、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、結晶性樹脂Aを好ましくは90質量%〜60質量%、より好ましくは80質量%〜65質量%含有し、結晶性樹脂Bを好ましくは10質量%〜40質量%、より好ましくは20質量%〜35質量%含有する。
半透明性延伸フィルムは、結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有する層を、さらに1層以上有してよい。半透明性延伸フィルムは、このような層を、表層、中間層またはコア層として有してよい。半透明性延伸フィルムがこのような層を表層として有する場合、印刷適性が良化し易い傾向がある。結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Cとしては、それぞれ先に記載した樹脂を使用してよい。そのような層は、その層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、好ましくは結晶性樹脂Aを98質量%〜70質量%および非晶性樹脂Cを2〜30質量%、より好ましくは結晶性樹脂Aを96質量%〜80質量%および非晶性樹脂Cを4〜20質量%含有する。
本フィルムを包装用途等で使用する場合には、本フィルムの片面および/または両面に、必要に応じてヒートシール層を積層することもできる。
好ましくは、本発明の半透明性延伸フィルムは、少なくとも片面にヒートシール層を有する。
ヒートシール層に用いる樹脂は、融点が150℃以下の熱可塑性樹脂であって、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素数が2〜10のα−オレフィン系モノマーから選ばれた2種以上を重合して得たランダム共重合体またはブロック共重合体が好ましい。これらの共重合体は単独で、または混合して使用することができる。
特に好ましいのは結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、α−オレフィンとしてはエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィン等が挙げられ、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を用いることが好ましく、エチレンもしくはブチレンを用いたコポリマーもしくはターポリマーを用いることが特に好ましい。例えばプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業株式会社製FL6741G)が好ましい。ヒートシール層には本発明の効果を損なわない範囲内で、アクリル樹脂系微粒子やシリカ等のブロッキング防止剤を併用してよい。
本発明の半透明性延伸フィルムが、上述の、結晶性熱可塑性樹脂Aと結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有するさらなる層、結晶性熱可塑性樹脂Aと非晶性熱可塑性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有するさらなる層、および/またはヒートシール層を有する場合、積層方法としては、先に記載した積層方法を使用してよい。
本発明のフィルムは、結晶性熱可塑性樹脂Aと結晶性熱可塑性樹脂Bと非晶性熱可塑性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有する層(層α)を1層以上、表層、中間層またはコア層として有するフィルムである。本発明のフィルムはまた、結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層(層β)を、さらに1層以上有してよく、結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有する層(層γ)を、さらに1層以上有してよい。
したがって、本発明のフィルムは、層構成として、例えば、
(i)層αのみからなる1層の構成、
(ii)表層としての層βと層αとからなる層β/層αの2層の構成、
(iii)表層としての層γと層αとからなる層γ/層αの2層の構成、
(iv)表層を構成する2層のうちの1層を、層αとは別の樹脂組成を有する層α’とした、層α/層α’の2層の構成、
(v)層αを2層有する層β/層α/層αの3層の構成、
(vi)層αを2層有する層γ/層α/層αの3層の構成、
(vii)層βを2層有する層β/層α/層βの3層の構成、
(viii)層γを2層有する層γ/層α/層γの3層の構成、
(ix)表層を構成する2層のうちの1層を、層βとは別の樹脂組成を有する層β’とした層β/層α/層β’の3層の構成、
(x)表層を構成する2層のうちの1層を層γとは別の樹脂組成を有する層γ’とした層γ/層α/層γ’の3層の構成、
(xi)片側の表層をさらに別の層(層δ)とした層β/層α/層δの3層の構成、
(xii)片側の表層をさらに別の層(層δ)とした層γ/層α/層δの3層の構成、
(xiii)中間層としての層αを2層有する層β/層α/層α/層δの4層の構成、
(xiv)中間層としての層αを2層有する層γ/層α/層α/層δの4層の構成、
(xv)中間層を構成する2層のうちの1層を層α’とした層β/層α/層α’/層δの4層の構成、
(xvi)中間層を構成する2層のうちの1層を層α’とした層γ/層α/層α’/層δの4層の構成、
などとすることができる。
層δとしては、例えば、上記したヒートシール層や、防曇性、帯電防止性、粘着性、平滑性、光沢性、印刷適性、耐ブロッキング性、滑り性、強度付与性、酸素ガス、エチレンガス等のガスバリア性、水蒸気バリア性、匂い成分のバリア性、包装内容物の成分移行の防止性、抗菌性、抗カビ性等の各種機能を一つ以上有する層、これら各種機能を一つ以上とヒートシール性を有する層等が挙げられる。
逐次二軸延伸方法としては、使用する樹脂の融点およびガラス転移温度により延伸温度や延伸倍率を調整する必要があるが、まず原反シートを好ましくは100〜180℃、より好ましくは120〜170℃の温度に保ち、周速差を設けたロール間に通して、あるいはテンター法にて、縦方向に好ましくは2〜10倍、より好ましくは2.5〜8倍、さらに好ましくは3〜6倍に延伸する。引き続き、当該延伸フィルムをテンター法にて、好ましくは100〜180℃、より好ましくは120〜175℃の温度で、横方向に好ましくは2〜12倍、より好ましくは2.5〜11.5倍、さらに好ましくは3〜11倍に延伸した後、緩和、熱セットを施し巻き取る。フィルムを延伸することにより、層中において、結晶性樹脂A中に分散している結晶性樹脂Bおよび非晶性樹脂Cの周囲に様々な大きさの空隙部が形成され、これにより、透過率に部分差が生じ、紙の地合いのような白さの不均一性を得られると考えられる。なお、延伸時の温度を上げると全光線透過率が上がりやすく、かつ後述の手切れ性が向上しやすくなり、温度を下げると全光線透過率が下がりやすくなる。また、延伸倍率が高いと、その方向の手切れ性が良化し易い傾向がある。
巻き取られたフィルムは、好ましくは20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施した後、所望の製品幅に断裁することができる。こうして機械的強度、剛性に優れた延伸フィルムが得られる。
フィルムには、オンラインもしくはオフラインにて、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等を少なくとも片面に行うことができる。特に、本フィルムを印刷用途で使用する場合には、本フィルムの片面および/または両面に、印刷インキの濡れ広がりや密着性の改善等を目的に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の処理を行うことが好ましい。本発明では、フィルム表面のJIS K6768:1999のぬれ張力が36〜45mN/mであると好ましく、38〜44mN/mであるとより好ましい。
あるいは、同様のぬれ張力を有し、さらに平滑性を有する印刷適性付与層を設けてもよい。
本発明の半透明性延伸フィルムは、少なくとも一方の面の60度鏡面光沢度が、好ましくは5%〜35%、より好ましくは8%〜30%、さらに好ましくは10〜25%である。60度鏡面光沢度が5%〜35%であると、風合いが紙調であり、かつ印字された文字や絵柄の視認性が良好となるため好ましい。本発明では、60度鏡面光沢度は、JIS−Z8741(方法3)に準拠して測定した値である。
本発明の半透明性延伸フィルムは、無機物の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れ、また、断裁時に切断面が荒れることや断裁刃の消耗が早い等の問題を防ぐために、灰分が好ましくはフィルムの全質量を基準に1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。灰分の下限値は、特に制限されないが、少ないほど好ましく、例えば0.01質量%、0質量%等である。本発明では、灰分は、JIS−K7250−1(2006)A法に準じて測定することができる。
本発明の半透明性延伸フィルムの厚みは、その使用用途にもよるが、10μm〜150μmであることが好ましく、より好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは20〜60μmである。フィルムの厚みが10μm以上であると、十分な強度が得られやすい。また、フィルムの厚みが150μm以下であると、延伸性や生産性に優れる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、好ましくは手切れ性を有する。一般にプラスチック製フィルムは、切り口等の特別な形状を備えなければ手切れ性を有さないのに対し、食品や薬品等の包装紙に用いられる半透明性を有する紙は切り口等を有しなくとも手で引き裂くことが可能であり、包装袋等に使用した場合に手で開封可能であるという手切れ性を有する。したがって、本発明の半透明性延伸フィルムが手切れ性を有する場合には、手切れ性が必要な食品や薬品等の包装紙にも用いることができる。
本発明の半透明延伸フィルムは、好ましくは鉛筆筆記性を有する。一般にプラスチック製フィルムは、フィルム表面が滑らかすぎるために鉛筆等による筆記ができないが、透写紙等の用途では鉛筆筆記性が必要となる。本発明の半透明延伸フィルムが鉛筆筆記性を有する場合には、無機粒子を含有しなくても紙の様に鉛筆筆記が可能となり、透写紙等の用途に用いることができる。なお、鉛筆筆記性は、結晶性熱可塑性樹脂の微細分散物を含有する効果と思われる。
本発明の半透明延伸フィルムは、好ましくはヒートシール性および/または印刷適性を有する。本発明の半透明延伸フィルムがヒートシール性および/または印刷適性を有する場合には、食品包装用途に好ましく用いることができる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、包装用、食品包装用、薬品包装用、装飾用(ファッション用含む)、ラベル用、テープ用基材、印刷用基材、文具用、家電用、ポスター用紙、感熱紙基材、記録用紙基材、住宅の内装用および外装用、自動車用、等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[樹脂のメルトマスフローレート(MFR)]
JIS K−7210(1999)に準じて、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。結晶性樹脂Aおよび非晶性樹脂Cは、測定温度230℃および荷重21.18Nの条件で測定し、結晶性樹脂Bは、測定温度300℃および荷重11.77Nの条件で測定した。
[樹脂の融点、ガラス転移温度]
パーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSCを用い、以下の手順により算出した。各樹脂を5mg量り取り、アルミニウム製のサンプルホルダーに詰め、DSC装置にセットした。窒素流下、−40℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持し、20℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した。その後再び20℃/分で300℃まで昇温する際のDSC曲線より、融点およびガラス転移温度を求めた。JIS−K7121の9.1(1)に定める溶融ピーク(複数の溶融ピークを示す場合は最大の溶融ピーク)を融点とし、JIS−K7121の9.3(1)に定める中間点ガラス転移温度をガラス転移温度とした。
[フィルムの厚み]
シチズンセイミツ株式会社製紙厚測定器MEI−11を用いて、JIS−C2330に準拠して測定した。
[フィルムの全光線透過率]
日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−5000を用いて、JIS−K7361に準拠して測定した。
[フィルムの60度鏡面光沢度]
株式会社村上色彩技術研究所製変角光沢計GM−3D型を用いて、JIS−Z8741(方法3)に準拠して、60度鏡面光沢度を測定した。なお測定は、フィルムの縦方向および横方向について測定し、両者を平均した値である。
[白さの不均一性(紙様の質感)]
蛍光灯の光を透かしてフィルムを目視観察し、白さのムラの程度を下記のように評価した。
◎:白さに十分なムラがあり、紙の代替として使用可能。
○:白さのムラがあり、紙の代替として使用可能。
△:白さのムラが若干見られるが、紙の代替として不十分。
×:白さのムラは見られず均一である。
[フィルムの灰分]
JIS−K7250−1(2006)A法に準じて、測定試料量200gで測定した。
[ヒートシール性評価法]
23℃、50%RHの環境下において、MD方向250mm、TD方向50mmにカットしたサンプル2枚のヒートシール面同士を重ね合わせた状態で、熱傾斜式ヒートシーラー HG−100−2(株式会社東洋精機製作所製)を用い、シール温度110℃、シール圧力200KPa、シール時間2秒、ヒートシール部の幅(フィルムのMD方向に相当)1cmの条件でヒートシール処理を行った。次いで23℃に調温したサンプルのTD方向を25mmにカットした後、引張試験機 テクノグラフTGI−1kN(ミネベア株式会社製)を用いて、2枚のフィルムのそれぞれの端部を上部および下部のチャックで挟み、引っ張り速度300mm/分で180°剥離し、その際の応力の最大値を測定した。上記測定3回の平均値をヒートシール部の接着強度(N/25mm)とした。
接着強度について、下記のように評価した。
◎:4N以上〜6N未満:ヒートシール強度が適度であり、開封性に優れる。
○:6N以上〜8N未満:ヒートシール強度が若干強いが、実用可能な程度に開封性が良好である。
○:3N以上〜4N未満:ヒートシール強度が若干弱いが、実用可能な程度に開封性が良好である。
△:8N以上:ヒートシール強度が強く、開封に難あり。
×:3N未満:ヒートシール強度が弱く、実用不可。
[印刷適性評価法]
グラビア輪転印刷機((株)オリエント総業製OSG−550HDX)にて、DICグラフィックス株式会社製インク アルティマ(登録商標)NT805を用いて4色グラビア印刷を実施した。CMYKの4色それぞれにつき、100%、90%、80%、70%、60%の5諧調を印刷し、印刷部(4色×5諧調の20桝)を目視観察し、下記のように評価した。
◎:いずれの枡にもドット抜けが見られず、良好。
○:ドット抜けが見られる枡が1枡以上6枡以下あるが、実用上問題ない。
△:ドット抜けが見られる枡が7枡以下12枡以下あり、実用上好ましくない。
×:ドット抜けが見られる枡が13枡以上あり、実用不可。
[手切れ性]
指先でフィルムを引裂いた際の引裂き具合を評価した。評価はフィルムの縦方向・横方向それぞれについて行なった。評価基準は以下の通りである。
◎:簡単に引裂き可能。
○:多少の力は必要だが引裂き可能で、実用上問題ない。
△:爪を立て、力を入れることで引裂けることが可能で、実用上問題ない。
×:フィルムが粘り強く、引裂けない。
なお、手切れ性評価については、フィルムの縦方向手切れ性・横方向手切れ性のうち評価基準の高い方の評価を表1に示すものとした。
[鉛筆筆記性]
各フィルムにHBの鉛筆にて筆記し、筆記状態を下記基準にて評価した。
◎:濃くはっきりと筆記されており、筆記性に優れる。
○:読み取り可能な濃度で筆記でき、実用上問題ない。
△:筆記できるが薄く、実用上問題あり。
×:筆記できない。
[ぬれ張力]
フィルム表面のぬれ張力は、JIS K6768:1999に従って測定した。フィルムにコロナ処理を行った場合は、コロナ処理してから1日後に、コロナ処理を施した面について測定した。
〔実施例1〕
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP(株式会社プライムポリマー製、結晶性ポリプロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−7℃)、結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移温度95℃)および非晶性樹脂CとしてTOPAS(登録商標)6015S−04(Topas Advanced Polymers GmbH製、非晶性ノルボルネン−エチレン共重合体、ガラス転移温度158℃)のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして混合原料ペレットを調製した。
株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル(登録商標)(モデル4C150)にストランドダイを備えた2軸押出機(L/D=25)を接続した装置に、得られた混合原料ペレットをホッパーから投入し、設定温度260℃にて溶融混錬した。混合樹脂をストランド状に押し出し、水冷後、ストランドカッターにてペレット状に断裁して、メルトブレンド樹脂組成物ペレットを得た。
メルトブレンド樹脂組成物ペレットを、一軸スクリュータイプ押出機aにホッパーから投入して溶融し、単層ダイより押し出した。押し出された樹脂層を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、ブルックナー社製バッチ式二軸延伸機KAROを用いて延伸を行った。延伸方法は、縦方向に延伸した後横方向に延伸する逐次二軸延伸法にて実施した。設定温度150℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を135℃まで予熱し、まず縦方向に延伸速度6倍/秒にて5倍まで延伸した。次いで設定温度165℃のオーブン内にてフィルム温度を145℃まで予熱し、横方向に延伸速度1倍/秒にて10倍まで延伸した。次いで同オーブン内にて、緩和速度0.5倍/秒にて横方向を9.5倍まで緩和し、次いで10秒間熱セットした後、オーブンより排出して室温へ冷却し、厚さ30μmの延伸フィルムを得た。
〔実施例2〕
非晶性樹脂Cとしてアペル(登録商標)APL6015T(三井化学株式会社製、非晶性ノルボルネン−エチレン共重合体、ガラス転移温度145℃)を使用し、原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔実施例3〕
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP、結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE、および非晶性樹脂CとしてTOPAS(登録商標)6015S−04のペレット、および帯電防止剤エレクトロストリッパー(登録商標)TS−15B(ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、ステアリルジエタノールアミン等の混合物、花王株式会社製)をそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして、a層用の混合原料ペレットを調製した。また、結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP、結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE、および非晶性樹脂CとしてTOPAS(登録商標)6015S−04のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして、b層用の混合原料ペレットを調製した。
実施例1と同様に株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル(登録商標)(モデル4C150)にストランドダイを備えた2軸押出機(L/D=25)を接続した装置を用いて、a層用の混合原料ペレットよりメルトブレンド樹脂組成物ペレットaを得た。同様にしてb層用の混合原料ペレットよりメルトブレンド樹脂組成物ペレットbを得た。
メルトブレンド樹脂組成物ペレットaを、a層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機aにホッパーから投入し、メルトブレンド樹脂組成物ペレットbを、b層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bにホッパーから投入した。投入された上記ペレットa、上記ペレットbをそれぞれ溶融させ、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−bの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押し出した。一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機bの押出樹脂量の比率は2:1とした。押し出された樹脂層を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、実施例1と同様に延伸し、厚さ30μmの延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例3のフィルムを得た。コロナ処理の強さは、処理から1日後の処理面のぬれ張力が40mN/mとなるように調節した。
〔実施例4〕
b層において非晶性樹脂Cを使用せず、b層の原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例3と同様にして、延伸フィルムを得た。また、実施例3と同様の方法により、得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例4のフィルムを得た。
〔実施例5〕
b層における結晶性樹脂Aとしてウインテック(登録商標)WFW5T(日本ポリプロ株式会社製、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、MFR=2.5g/10分、融点142℃、ガラス転移温度−19℃)を使用した以外は実施例4と同様にして、延伸フィルムを得た。また、実施例3と同様の方法により、得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例5のフィルムを得た。
〔実施例6〕
a層における結晶性樹脂BとしてTPX(登録商標)DX845(三井化学株式会社製、ポリメチルペンテン樹脂、融点232℃、ガラス転移温度23℃、引張弾性率1.9GPa、ビカット軟化温度168℃)を使用し、a層の原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例4と同様にして、延伸フィルムを得た。また、実施例3と同様の方法により、得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例6のフィルムを得た。
〔実施例7〕
a層における結晶性樹脂BとしてTR−8550FF(帝人株式会社製、結晶性ポリエステル系樹脂、融点252℃)を使用し、a層の原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例4と同様にして、延伸フィルムを得た。また、実施例3と同様の方法により、得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例7のフィルムを得た。
〔実施例8〕
実施例4と同様にしてa層用およびb層用それぞれの混合原料ペレットを調製した。
ヒートシール層用樹脂として、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学株式会社製 FL6741G)90質量部、およびプロピレン−ブテン共重合体(三井化学株式会社製 タフマー(登録商標)MX7070)10質量部、ブロッキング防止剤として非晶質シリカ(富士シリシア化学株式会社製 サイリシア(登録商標)730)0.2質量部をミキサーにてドライブレンドして、ヒートシール層用混合原料を調製した。
実施例4と同様のメルトブレンド樹脂組成物ペレットbを、b層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bにホッパーから投入し、実施例4と同様のメルトブレンド樹脂組成物ペレットaを、a層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機aにホッパーから投入し、上記ヒートシール(HS)層用混合原料を、HS層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機HSにホッパーから投入した。次いで、投入された上記ペレットb、上記ペレットa、上記混合原料をそれぞれ溶融させ、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−HSの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押し出した。一軸スクリュータイプ押出機bと一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機HSの押出樹脂量の比率は1:4:1とした。押し出された樹脂層のHS層側を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例8のフィルムを得た。コロナ処理の強さは、処理から1日後の処理面のぬれ張力が40mN/mとなるように調節した。
〔実施例9〕
a層における結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SPおよびウインテック(登録商標)WFW5Tを使用し、a層の原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例8と同様にして、延伸フィルムを得た。また、実施例8と同様の方法により、得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例9のフィルムを得た。
〔実施例10〕
b層における結晶性樹脂Aとしてウインテック(登録商標)WFW5TおよびノバテックPP(商標)BC4FC(日本ポリプロ株式会社製、プロピレン−エチレンブロック共重合体、融点157℃)を使用し、b層の原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例8と同様にして、延伸フィルムを得た。また、実施例8と同様の方法により、得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例10のフィルムを得た。
〔実施例11〕
b層において、結晶性樹脂Bを使用せず、非晶性樹脂CとしてTOPAS(登録商標)6015S−04を使用し、b層の原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例10と同様にして、延伸フィルムを得た。また、実施例8と同様の方法により、得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行い、実施例11のフィルムを得た。
〔比較例1〕
結晶性樹脂Aとしてのプライムポリプロ(登録商標)F−300SPを、ドライブレンドおよび溶融混合を実施せずに単独で使用した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例2〕
結晶性樹脂Bとしてのザレック(登録商標)142ZEを、ドライブレンドおよび溶融混合を実施せずに単独で使用した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例3〕
結晶性樹脂Aとしてのプライムポリプロ(登録商標)F−300SP、および非晶性樹脂Cとしてのアペル(登録商標)APL6015Tを表1に示す割合で使用した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例4〕
結晶性樹脂Aとしてのプライムポリプロ(登録商標)F−300SP、および結晶性樹脂Bとしてのザレック(登録商標)142ZEを表1に示す割合で使用した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例5〕
非晶性樹脂Cに関して、TOPAS(登録商標)6015S−04に代えて、TOPAS(登録商標)5013S−04(Topas Advanced Polymers GmbH製、非晶性ノルボルネン−エチレン共重合体、ガラス転移温度134℃)を使用する以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例6〕
非晶性樹脂CであるTOPAS(登録商標)6015S−04に代えて、結晶性樹脂であるTOPAS(登録商標)エラストマーE−140(Topas Advanced Polymers GmbH製、結晶性ノルボルネン−エチレン共重合体、ガラス転移温度6℃、融点84℃)を使用する以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
各実施例においた得られた延伸フィルムの測定および評価結果を、各延伸フィルムに用いた樹脂の組成と共に示す。
Figure 0006702068
表1に示される通り、実施例1〜11において得られた延伸フィルムは、全光線透過率が35〜85%の間であり、光沢度が低い半透明延伸フィルムであった。また、これらのフィルムは、無機顔料(無機粒子)を有しなくとも鉛筆筆記性を有するものであった。したがって、実施例1〜11において得られた本発明の半透明フィルムは、紙に比べて優れた耐湿性、耐水性、耐油性、機械強度をも有するフィルムでありながら、適度な半透明性と低い光沢度により紙のような外観を示し、さらに鉛筆筆記性を有するため、紙の代替として使用可能であることが理解される。
また、実施例1〜11において得られた延伸フィルムは、少なくとも片方の延伸方向について良好な手切れ性を有し、手切れ性を要する包装形態等にも好適に使用可能である。
また、実施例3〜11おいて得られた延伸フィルムは、印刷適性を有し、食品類等の印刷適性を要する包装形態等にも好適に使用可能である。
また、実施例8〜11おいて得られた延伸フィルムは、ヒートシール適性を有し、例えばパン等の食品類のヒートシール性を要する包装形態等にも好適に使用可能である。
これに対し、結晶性樹脂を単独で用いた比較例1および2では、手切れ性も鉛筆筆記性も有さない、高透明性フィルムしか得られなかった。また、結晶性樹脂Bを含有しない比較例3では透明性が低く、紙様の質感も手切れ性も鉛筆筆記性も得られなかった。さらに、結晶性樹脂Cを含有しない比較例4において得られたフィルムは、手切れ性および鉛筆筆記性は有したものの、十分な紙様の質感は得られず、紙の代替として不十分であった。また、非晶性樹脂Cに代えてガラス転移温度が135℃未満である非晶性樹脂を使用した比較例5、及び非晶性樹脂Cに代えて結晶性樹脂を使用した比較例6で得られたフィルムは、いずれも手切れ性は有したものの、十分な紙様の質感は得られず、紙の代替として不十分であった。

Claims (8)

  1. 融点が135℃〜175℃である結晶性熱可塑性樹脂Aと、融点が200℃〜280℃である結晶性熱可塑性樹脂Bと、ガラス転移温度が135℃〜185℃である非晶性熱可塑性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有する層を1層以上有し、該結晶性熱可塑性樹脂Aは結晶性ポリオレフィン系樹脂であり、該結晶性熱可塑性樹脂Bは、結晶性ポリカーボネート系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及びポリメチルペンテン樹脂からなる群から選択された少なくとも一種であり、前記層は、前記層に含まれる樹脂成分の全質量を基準に、結晶性熱可塑性樹脂Aを96〜45質量%、結晶性熱可塑性樹脂Bを3〜35質量%、及び非晶性熱可塑性樹脂Cを1〜20質量%含有し、全光線透過率は35〜85%である半透明性延伸フィルム。
  2. 非晶性熱可塑性樹脂Cは環状オレフィン共重合体である、請求項1に記載の半透明性延伸フィルム。
  3. 結晶性熱可塑性樹脂Bはシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂である、請求項1または2に記載の半透明性延伸フィルム。
  4. 結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有する層を、さらに1層以上有する、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
  5. 結晶性熱可塑性樹脂Aと、非晶性熱可塑性樹脂Cとを樹脂成分として少なくとも含有する層を、さらに1層以上有する、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
  6. 少なくとも片面にヒートシール層を有する、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
  7. 少なくとも片面のぬれ張力は36〜45mN/mである、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
  8. 結晶性熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度は50℃以下であり、該結晶性熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度は60℃〜130℃である、請求項1〜7のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
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