JP3695887B2 - 多孔中空芯鞘複合繊維 - Google Patents

多孔中空芯鞘複合繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保温性が要求される衣料用途等に好適な蓄熱保温性能を有する芯鞘複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
保温性が要求される防寒衣料や野外でのスポーツ、レジャー用衣料に好適な繊維として、炭化ジルコニウム微粒子等を配合させ、太陽光を吸収する蓄熱保温性の繊維が開発されている(特公平3−9202号公報)。
しかしながら、この繊維は着色しているため白度の要求される用途に使用しがたいという問題があり、この問題を解決するものとして、特開平3−51312 号公報には、炭化ジルコニウム微粒子と、酸化錫と酸化アンチモンで表面被覆した酸化チタン微粒子とを含有する熱可塑性ポリマーを芯部に用いた芯鞘構造の蓄熱保温性繊維が提案されている。
【0003】
この繊維は、炭化ジルコニウム微粒子と酸化錫と酸化アンチモンで表面被覆した酸化チタン微粒子とを併用することによって、炭化ジルコニウム微粒子の量を減じても、蓄熱保温性を低下させることがなく、また、炭化ジルコニウム微粒子を芯部に配合しているので、炭化ジルコニウムの着色が鞘成分で隠蔽され、白度を向上させることができるものである。しかしながら、この繊維の白度の向上は十分でないという問題があった。
【0004】
また、特開平2−269808号公報には、芯部のポリマーが炭化ジルコニウム微粒子を含有し、鞘部のポリマーはこれらの粒子を含有しない芯鞘構造の繊維であって、さらに、芯部に独立気泡が形成されているものが提案されている。この繊維は芯部の独立気泡によって入射光が乱反射され、白度が向上するものである。
【0005】
しかしながら、この繊維の独立気泡は芯部に形成されており、しかも独立気泡は小さいので入射光が十分に乱反射されない。したがって、ある程度は白度が向上するが十分ではなく、独特の光沢を有する繊維とはならないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点を解決し、白度が向上し、独特の光沢を有するとともに、保温性も向上した布帛を得ることができる、蓄熱保温性繊維である多孔中空芯鞘複合繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究の結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、芯部が炭化ジルコニウム微粒子と、酸化錫及び酸化アンチモンで表面被覆した酸化チタン微粒子(以下、被覆酸化チタン微粒子という。)とを含有する熱可塑性ポリマー、鞘部が繊維形成性の良好な熱可塑性ポリマーからなり、中空部を2つ以上有する芯鞘複合繊維であって、中空部は、外周が芯部と鞘部の両部に接しており、かつ外周の20〜80%が芯部に接する位置に設けられており、中空率が20〜60%であることを特徴とする多孔中空芯鞘複合繊維を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について詳細に説明する。
本発明の芯鞘複合繊維を構成する熱可塑性ポリマーとしては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610等及びこれらを主成分とするポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等及びこれらを主成分とするポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等及びこれらを主成分とするポリオレフィン等が挙げられる。
【0009】
芯成分と鞘成分の重合体は、同種のものでも異種のものでもよく、鞘成分の重合体は繊維形成性の良好なものでなければならないが、芯成分の重合体は繊維形成性の乏しいものでもよい。
【0010】
また、本発明の芯鞘複合繊維の芯部を構成する熱可塑性ポリマーには、炭化ジルコニウム微粒子と被覆酸化チタン微粒子とを含有させる。
炭化ジルコニウム微粒子は、繊維に蓄熱保温性を付与するために含有させるものであるが、繊維の表面である鞘部に含有させると、繊維を著しく着色させるとともに、製糸工程において、各種の機器を摩耗するため、繊維の芯部に含有させることが必要である。
【0011】
炭化ジルコニウム微粒子と共に被覆酸化チタン微粒子を含有させることが必要である。被覆酸化チタン微粒子を含有させると、炭化ジルコニウム微粒子の量を減じても繊維の蓄熱保温性能はあまり低下しないので、白度の向上した繊維とすることができる。
【0012】
次に、本発明の繊維の形状について図面を用いて説明する。図1(A)〜(D)は、本発明の多孔中空芯鞘複合繊維の実施態様を示す断面模式図であり、(A)は中空部を4つ有する丸断面形状の繊維、(B)は中空部を4つ有する四角断面形状の繊維、(C)は中空部を3つ有する丸断面形状の繊維、(D)は中空部を2つ有する四角断面形状の繊維を示すものである。
本発明の芯鞘複合繊維は、中空部1を2つ以上有し、中空部1は、外周2が芯部3と鞘部4の両部に接しており、かつ外周2の20〜80%が芯部3に接する位置に設けられている。そして、複数の中空部1を合わせた中空率が20〜60%であることが必要である。
【0013】
このように、全中空部を合わせた中空率が20〜60%となる中空部1が、芯部3と鞘部4の両部にわたり、外周2の20〜80%が芯部3に接する位置に形成されているので、外部からの入射光は中空部1にあたる確率が高く、十分に乱反射される。したがって、芯部3の炭化ジルコニウム微粒子の着色は隠蔽されて繊維の外部には現れず、白度が向上するとともに、独特の光沢を呈する繊維となる。
【0014】
そして、中空部1が形成されていることにより、中空部1がデッドエアー部となるため、芯部3の炭化ジルコニウム微粒子により蓄熱された熱を逃がしにくくなる。したがって、中空部を有していない芯部に炭化ジルコニウム微粒子を含有する芯鞘複合繊維に比べて、保温性が向上する。さらには、中空部を有することによって、軽量感にも優れるものとなる。
【0015】
繊維に形成される中空部が1つであると、たとえ中空率を満足したとしても、外部からの入射光が中空部によって十分に乱反射されないため、白度も上がらず、独特の光沢を有する繊維とならない。さらに、蓄熱保温性も低下するので、中空部を2つ以上形成することが必要である。
【0016】
また、中空部の外周の20%未満しか芯部に接しない場合、鞘部の繊維表面に近い位置に中空部が形成されるため、繊維表面が破れて芯部の着色が現れ、繊維の白度が低下する。
一方、芯部に接する中空部の外周の割合が80%を超える場合、外部からの入射光を乱反射する中空部の外周部が少なくなり過ぎ、十分に乱反射されなくなり、白度が低下し、独特の光沢を有する繊維とならない。
【0017】
さらに、複数の中空部を合わせた中空率が20%未満であると、外部からの入射光を乱反射する中空部が少なくなり過ぎるため、白度が低下し、独特の光沢を有する繊維とならず、また、芯部の炭化ジルコニウム微粒子により蓄熱された熱を外部に逃がさないように保つデッドエアー部が少なくなり過ぎるため、保温性能に劣り、また、軽量感にも劣る繊維となる。
【0018】
一方、中空率が60%を超えると、芯部と鞘部の割合が少なくなり過ぎ、鞘部が少なくなり過ぎると、繊維表面が破れやすくなり、芯部の着色が現れて繊維の白度が低下する。また、芯部が少なくなり過ぎると、蓄熱保温性能に劣る繊維となる。
【0019】
また、本発明の複合繊維においては、芯部に炭化ジルコニウム微粒子と被覆酸化チタン微粒子とを含有させることによって蓄熱保温性能を発揮するものであるが、十分な蓄熱保温性能を有する繊維とするためには、繊維の横断面における芯部の面積の割合を20〜50%とすることが好ましい。
芯部の割合が20%未満であると、十分な蓄熱保温性を有する繊維となりにくく、芯部の割合が50%を超えると、鞘部の割合が小さくなり過ぎ、芯部の着色を隠蔽する作用が乏しくなったり、繊維の物性が低下しやすくなる。
【0020】
さらに、本発明の複合繊維においては、図3(A)〜(D)に示すような、鞘部4の外周部に複数個の突起部5を有するものとし、横断面における鞘部4の面積の割合を30〜70%とし、鞘部4の全面積のうち、突起部5の面積の割合を10〜60%とすることが好ましい。図3(A)、(B)は中空部1を2つ又は4つ有する井型断面形状の芯鞘複合繊維(突起部8個)、図3(C)、(D)は中空部1を3つ又は4つ有する丸断面形状の芯鞘複合繊維(突起部3又は4個)である。
【0021】
なお、上記のような鞘部の外周部に形成する突起部は2個以上の複数個とするが、それぞれの突起部の面積にあまり差をつけることなく、外部への突出が大きい形状のものとすることが好ましい。
【0022】
このような形状の複合繊維とすることにより、外部からの入射光は突起部により乱反射されるので、芯部の炭化ジルコニウム微粒子の着色は隠蔽されて繊維の外部には現れなくなり、白度が向上するとともに、独特の光沢を呈する繊維となる。
そして、この複合繊維を製編織して布帛とすると、突起部を有することで嵩高となり、繊維間にできるデッドエアー部が多くなり、さらに、芯部の炭化ジルコニウム微粒子により蓄熱された熱を逃がしにくくなり、保温性が向上する。
【0023】
したがって、横断面における鞘部の面積の割合が30%未満であったり、鞘部の全面積のうち、突起部の面積の割合が10%未満であると、突起部の割合が少なくなり、上記のように白度や保温性を向上させる効果が少なくなる。
一方、鞘部の面積の割合が70%を超えると、芯部の面積の割合が少なくなり、十分な蓄熱保温性を有する繊維となりにくい。また、横断面における鞘部の全面積のうち、突起部の面積の割合が60%を超えると、非突起部である鞘部の面積が少なくなり、中空部が繊維表面に近い部分に形成され、繊維表面に破れが生じやすくなる。
【0024】
本発明の複合繊維の断面形状は、図1、3に示した形状のほか、突起部を有している場合と有していない場合ともに、用途に応じてトリローバル、ヘキサローバル等の多葉状や偏平状等の異形断面とすることができる。また芯部の数を複数にした、いわゆる海島型繊維としてもよい。
【0025】
また、本発明の複合繊維の芯部に用いる被覆酸化チタン微粒子としては、例えば特公昭60−21553 号公報に開示されているような白色導電性微粒子として知られているものを使用することができる。微粒子の粒径は0.1 〜3μm、繊維に対する炭化ジルコニウム微粒子と被覆酸化チタン微粒子の合計配合量は1〜20重量%が適当であり、良好な蓄熱保温性を維持し、かつ白度の向上した繊維を得るためには、芯成分の炭化ジルコニウム微粒子の含有量が全微粒子の20〜80重量%となるようにすることが好ましい。
【0026】
本発明の繊維は、芯鞘型複合繊維製造の常法に従って製造することができ、図1(A)〜(D)に示す形状の繊維を得るには、図2(A)〜(D)に示すようなスリット形状を有する紡糸口金を、図3(A)〜(D)に示す突起部を有する形状の繊維を得るには、図4(A)〜(D)に示すようなスリット形状を有する紡糸口金を用いればよい。また、生産性よく製造するために、高速溶融紡糸法を採用することが望ましい。
【0027】
【作用】
本発明の繊維は、炭化ジルコニウム微粒子と、酸化錫及び酸化アンチモンで表面被覆した酸化チタン微粒子とが芯部に配合されており、かつ中空部を2つ以上有する芯鞘複合繊維であって、中空部の外周が芯部と鞘部の両部に接しているので、外部からの入射光は中空部にあたる確率が高く、十分に乱反射される。したがって、芯部の炭化ジルコニウム微粒子の着色は隠蔽されて繊維の外部には現れず、白度が向上するとともに、独特の光沢を呈する繊維となる。そして、中空部が形成されていることにより、中空部がデッドエアー部となるため、芯部の炭化ジルコニウム微粒子により蓄熱された熱を逃がしにくくなり、この複合繊維を製編織して布帛とすると、保温性に優れ、さらには軽量感にも優れるものとなる。
そして、鞘部の外周部に突起部を有する複合繊維とすることによって、外部からの入射光は突起部により乱反射され、さらに白度が向上し、独特の光沢を呈する繊維となる。また、製編織した布帛は、突起部により嵩高となり、繊維間にできるデッドエアー部が多くなり、芯部の炭化ジルコニウム微粒子により蓄熱された熱を逃がしにくくなり、さらに保温性が向上する。
【0028】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、蓄熱保温性と白度の評価、繊維の断面形状の測定は次のようにして行った。
〔蓄熱保温性〕
試料の糸条を経、緯糸として用い、経密度116 本/2.54cm,緯密度78本/2.54cmの平織物を製織し、20℃、60%RHの恒温室内において1.5 mの距離から500 W白色電球の光を照射し、照射開始約3分後に反対側の表面温度を日本電子社製赤外センサー:サーモビュアによって測定した。
〔白度〕
試料の糸条を20ゲージの靴下編み機により筒編み地とし、3重に重ねて、日立製作所製228 A型積分球分光光度計を用いて白度(L値)を測定した。
〔繊維の形状〕
ニコン社製マイクロフォトS光学顕微鏡に顕微鏡写真撮影装置を取り付け、6本の単糸について、単糸の横断面形状を撮影し、中空部の外周の長さ等を測定し、それぞれの長さの平均を求めた後、中空部の外周が芯部に接する割合や中空率を算出した。
【0029】
実施例1〜2、比較例1〜2
ナイロン6ペレット96重量部と平均粒径0.7 μmの炭化ジルコニウム微粒子を2重量部、平均粒径0.2 μmの被覆酸化チタン微粒子〔三菱金属社製白色導電性微粒子W1(cTiO2)〕を2重量部を添加し、均一に溶融混合してマスターペレットを得た。このマスターペレットを芯成分とし、通常の酸化チタンを0.25%含有したセミダルナイロン6ペレットを鞘成分として、それぞれ別々のエクストルーダーに供給した。そして、複合紡糸口金装置に導入して、図2(A)に示すスリット形状の紡糸口金を用い、紡糸温度255 ℃で紡糸し、4000m/分の速度で巻き取り、図1(A)に示す4つ穴中空芯鞘複合繊維(70d/24f)を得た。このとき、吐出量を変更して表1に示すような断面形状を有する繊維を得た。
得られた繊維の単糸の断面形状として、中空部の外周が芯部に接する割合、中空率、横断面における芯部の面積の割合及び得られた繊維からなる布帛の蓄熱保温性、白度(L値)の評価を表1に示す。
【0030】
実施例3
図2(D)に示すスリット形状の紡糸口金を用い、図1(D)に示す2つ穴中空芯鞘複合繊維とした以外は実施例1と同様にして行った。
得られた繊維の単糸の断面形状として、中空部の外周が芯部に接する割合、中空率、横断面における芯部の面積の割合及び得られた繊維からなる布帛の蓄熱保温性、白度(L値)の評価を表1に示す。
【0031】
比較例3〜4
紡糸温度を 265℃(比較例3)、 250℃(比較例4)とし、中空率を変化させた以外は実施例1と同様にして行った。
得られた繊維の単糸の断面形状として、中空部の外周が芯部に接する割合、中空率、横断面における芯部の面積の割合及び得られた繊維からなる布帛の蓄熱保温性、白度(L値)の評価を表1に示す。
【0032】
比較例5
中空部が1つの芯鞘中空複合繊維とした以外は、実施例1と同様にして行った。
得られた繊維の単糸の断面形状として、中空部の外周が芯部に接する割合、中空率、横断面における芯部の面積の割合及び得られた繊維からなる布帛の蓄熱保温性、白度(L値)の評価を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003695887
【0034】
表1より明らかなように、実施例1〜3の複合繊維は、蓄熱保温性に優れ、白度も向上し、独特の光沢を有する布帛を得ることができた。
一方、比較例1の繊維は、中空部の外周が芯部に接する割合が少な過ぎたため、鞘部の繊維表面に近い位置に中空部が形成され、繊維表面に破れが生じ、得られた布帛は、蓄熱保温性が低く、白度も低下したものとなった。比較例2の繊維は中空部が芯部に存在するものであったため、比較例3の繊維は中空率が低過ぎたため、光が十分に乱反射されず、得られた布帛は、白度が低下し、独特の光沢を有していないものとなった。比較例4の繊維は中空率が高過ぎたため、繊維表面に破れが生じ、得られた布帛は白度の低下したものとなった。比較例5の繊維は、中空部を1つしか有していないため、この繊維より得られた布帛は、蓄熱保温性、白度ともに低いものとなった。
【0035】
実施例4〜5
実施例4においては、図4(A)に示すスリット形状の紡糸口金を用い、図3(A)に示すような、鞘部の外周部に8個の突起部を有する2つ穴井型中空芯鞘複合繊維(70d/24f)を、実施例5においては、図4(B)に示すスリット形状の紡糸口金を用い、図3(B)に示すような、鞘部の外周部に8個の突起部を有する4つ穴井型中空芯鞘複合繊維(70d/24f)を得た以外は、実施例1と同様にして行い、表2に示すような断面形状を有する繊維を得た。
得られた繊維の単糸の断面形状として、中空部の外周が芯部に接する割合、中空率、横断面における鞘部の面積の割合、鞘部における突起部の面積の割合及び得られた繊維からなる布帛の蓄熱保温性、白度(L値)の評価を表2に示す。
【0036】
実施例6〜7
実施例6においては、図4(C)に示すスリット形状の紡糸口金を用い、図3(C)に示すような、鞘部の外周部に3つの突起部を有する3つ穴中空芯鞘複合繊維(70d/24f)を、実施例7においては、図4(D)に示すスリット形状の紡糸口金を用い、図3(D)に示すような、鞘部の外周部に4つの突起部を有する4つ穴中空芯鞘複合繊維(70d/24f)を得た以外は、実施例1と同様にして行い、表2に示すような断面形状を有する繊維を得た。
得られた繊維の単糸の断面形状として、中空部の外周が芯部に接する割合、中空率、横断面における鞘部の面積の割合、鞘部における突起部の面積の割合及び得られた繊維からなる布帛の蓄熱保温性、白度(L値)の評価を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0003695887
【0038】
表2より明らかなように、実施例4〜7は、鞘部の外周部に複数個の突起部を有する多孔中空芯鞘複合繊維であったため、さらに白度が向上し、独特の光沢を有し、また、嵩高性にも優れ、蓄熱保温性も向上した布帛を得ることができた。
【0039】
【発明の効果】
本発明の多孔中空芯鞘複合繊維によれば、白度が向上し、独特の光沢を有するとともに、保温性、軽量感に優れた布帛を得ることができる。
そして、鞘部の外周部に突起部を有する複合繊維とすることによって、さらに白度が向上し、独特の光沢を呈するとともに、保温性も向上し、嵩高感も有する布帛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)は、本発明の多孔中空芯鞘複合繊維の実施態様を示す断面模式図である。
【図2】(A)〜(D)は、図1の多孔中空芯鞘複合繊維を得ることができる紡糸口金のスリットの形状を示す説明図である。
【図3】(A)〜(D)は、突起部を有する本発明の多孔中空芯鞘複合繊維の実施態様を示す断面模式図である。
【図4】(A)〜(D)は、図3の突起部を有する多孔中空芯鞘複合繊維を得ることができる紡糸口金のスリットの形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1 中空部
2 外周
3 芯部
4 鞘部
5 突起部

Claims (3)

  1. 芯部が炭化ジルコニウム微粒子と、酸化錫及び酸化アンチモンで表面被覆した酸化チタン微粒子とを含有する熱可塑性ポリマー、鞘部が繊維形成性の良好な熱可塑性ポリマーからなり、中空部を2つ以上有する芯鞘複合繊維であって、中空部は、外周が芯部と鞘部の両部に接しており、かつ外周の20〜80%が芯部に接する位置に設けられており、中空率が20〜60%であることを特徴とする多孔中空芯鞘複合繊維。
  2. 横断面における芯部の面積の割合が20〜50%である、請求項1記載の多孔中空芯鞘複合繊維。
  3. 鞘部の外周部に複数個の突起部を有し、横断面における鞘部の面積の割合が30〜70%であり、鞘部の全面積のうち、突起部の面積の割合が10〜60%である、請求項1記載の多孔中空芯鞘複合繊維。
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