JP3695066B2 - マッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体を機械的刺激や電気的刺激により施療するマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマッサージ機としては、機械的刺激(もむ、たたく、押す等)の種類、強さ、刺激する位置(治療部位)等を使用者が例えばリモートコントローラ(リモコン)のスイッチで選択・設定して治療を行うものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマッサージ機では、使用者はどういう刺激を選択すれば、症状の緩和に最も効果があるのかが分からないことが多いため、誤った使用を行ってしまう可能性がある。例えば、本来なら弱くもむようにマッサージを行う必要があるのに、強くたたくマッサージを自分勝手に設定してしまう恐れがある。このような場合、症状や治療部位によっては、症状の緩和どころか、逆に症状が悪化してしまうことがある。
【0004】
この発明は、そのような問題点に着目してなされたもので、使用者の症状に応じて適切な治療を行うことができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1のマッサージ機は、使用者の症状を入力する症状入力手段と、症状に対するマッサージ方法を予め記憶させておく記憶手段と、入力された症状と予め記憶されたマッサージ方法とに基づいてマッサージプログラムを作成するマッサージプログラム作成手段と、このマッサージプログラム作成手段によって作成されたマッサージプログラムに則して使用者に施療を行う治療手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
このマッサージ機では、使用者が症状を入力すれば、その症状に基づいて症状に適したマッサージプログラムが作成され、作成されたマッサージプログラムに則して施療が行われるので、症状に応じて適切な治療を行うことができる。
なお、本発明において、使用者が入力する症状はその種類であってもよいしその程度であってもよく、種類と程度の双方ともであってもよい。また、治療手段は、人体に機械的刺激や電気的刺激を与えることができるものであれば特定されない。機械的刺激を与えるものとしては、例えば通常のマッサージ機に使用されているもみ玉式、空気を利用するエア式、振動を利用する振動式があり、電気的刺激を与えるものとしては、例えば低周波治療器があり、これらを単独で用いてもよいし、組合せて使用してもよい。又、治療手段の個数も、1個である必要はなく、人体を広範囲にわたって多様にマッサージするためには複数個を設けるのが好ましい。この治療手段により、人体に対してもむ、たたく、押す、振動させる等の機械的刺激や、低周波電流を流す等の電気的刺激が与えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
その一実施形態に係るマッサージ機の外観斜視図を図1に示す。このマッサージ機1は、腰掛け型の椅子2とリモートコントローラ(リモコン)3とで構成される。腰掛け型の椅子2は、脚部23が取付けられた座部21と、背もたれ部22と、背もたれ部22に上下方向に移動可能に設けられた一対のもみ玉25と、座部21及び背もたれ部22に膨張・収縮可能に設けられた複数の空気袋26とを有する。座部21には、大小3つの空気袋26が、背もたれ部22には、もみ玉25を挟んで左右両側にそれぞれ同サイズの3つの空気袋26が設けられている。この実施形態では、もみ玉25と空気袋26で治療手段が構成される。
【0008】
一対のもみ玉25は、従来のマッサージ機と同様に、椅子2の背もたれ部22の中央に配置され、上下方向に移動可能であると共に、もむ・たたく等の動作を行うように構成されている。空気袋26は、空気の出入を制御する空気制御手段(送気手段や排気弁等で構成されるもの、図示せず)によりそれぞれ独立して膨張・収縮するように構成されている。
【0009】
リモコン3は、操作方法や入力に関する情報を表示する表示装置31と、この表示装置31の表示内容に従って症状を入力したり、マッサージの開始や終了等を入力したりする複数の操作スイッチ32とを有する。このリモコン3は椅子2にケーブル33で接続されている。
別実施形態に係るマッサージ機の外観斜視図を図2に示す。このマッサージ機1は、図1のマッサージ機に比べて、リモコン3を備えておらず、その代わりに椅子2に音声確認・入力手段28が設けられている。このマッサージ機1では、音声確認・入力手段28により操作方法等が音声で知らされ、使用者はその音声情報に従って症状等を音声で入力する。
【0010】
図1及び図2のマッサージ機1の概略構成のブロック図を、それぞれ図3及び図4に示す。図3において、表示装置31は、前記したように使用者に対して操作方法や入力内容を表示する。操作スイッチ32は、表示装置31の表示内容に従って症状や必要な指令等を入力するためのものである。
制御手段40は、使用者が入力した症状や、その症状に基づいて決定されたマッサージ方法等を記憶する記憶機能、入力された症状に基づいて効果的なマッサージ方法(治療パターン)を演算決定する等の処理を行う演算機能、表示装置31に表示内容を出力したり、操作スイッチ32からの信号を入力したりする入出力機能、治療手段(もみ玉25や空気袋26)等に対して駆動命令を出力したりする駆動機能等を有する。但し、制御手段40の記憶機能には、各症状に対する効果的な治療パターン(種類、強さ、順序、時間等)が予め記憶されており、入力された情報から症状に最適な治療パターンが選択されるようになっている。椅子2に設けられた複数の治療手段(1,2,…)は、制御手段40からの駆動命令により、設定された機械的刺激を使用者の患部に与えて施療する。
【0011】
図4において、音声確認手段28は、音声合成手段、音声出力手段等から構成され、使用者に対して操作方法や入力内容等を音声で知らせて確認するためのものである。音声入力手段28は、マイクロホン、音声識別手段等から構成され、使用者が症状やマッサージ機への命令を音声で入力するためのものである。但し、使用者の言葉を正確に認識できるように、予め音声識別手段に多様な音声パターンを登録しておくのが好ましい。
【0012】
制御手段40は、使用者が音声により入力した症状や、その症状に基づいて決定されたマッサージ方法等を記憶する記憶機能、入力された症状に基づいて効果的なマッサージ方法(治療パターン)を演算決定する等の処理を行う演算機能、音声確認手段28に確認内容を出力したり、音声入力手段28からの信号を入力したりする入出力機能、治療手段(もみ玉25や空気袋26)等に対して駆動命令を出力したりする駆動機能等を有する。ここでも、制御手段40の記憶機能には、前記と同様に、各症状に対する効果的な治療パターン(種類、強さ、順序、時間等)が予め記憶され、入力された情報から症状に最適な治療パターンが選択されるようになっている。この制御手段40の駆動命令により、複数の治療手段(1,2,…)が使用者の患部を施療する。
【0013】
次に、上記リモコン3を備えるマッサージ機1の操作や症状等の入力について説明する。図5は、リモコン3の前面パネルの形態を示す。前面パネルには、表示装置31及び操作スイッチ32が設けられている。表示装置31には人間の模式図が表示されると共に、各種症状が表示される。操作スイッチ32は、ここでは「程度」、「症状1」、「症状2」、「症状3」、「はい」、「いいえ」、「次へ」、「前へ」、「終了」、「停止」、「開始」の文字を表記した全部で11個のスイッチからなる。この一群の操作スイッチ32により、症状(種類、程度)の入力、治療の開始・停止等の命令の入力、マッサージ機からの確認に対する返答の入力等を行う。
【0014】
このようなリモコン3を使用して実際に症状を入力すると、図6のようにして症状に適したマッサージ方法(治療パターン)が決定される。図6において、入力情報は、使用者が各患部(治療希望部位)毎に、その症状の種類とマッサージの程度を入力した結果を示している。ここでは、患部1についての症状の種類が症状2、マッサージの程度が弱いを表し、患部2についての症状の種類が症状1、マッサージの程度が強いを表している。患部3,4,…がある場合も、同様に症状の種類とマッサージの程度が対応する。
【0015】
制御手段40は、その入力情報と記憶情報を照会し、各症状に適したマッサージプログラムを作成する。その際、同一患部に同一治療が長時間続かないようにするなど、予め記憶された作成条件を考慮してプログラムが作成される。具体的に図6では、入力情報の『患部1:症状2・弱い』については、矢印で示すように記憶情報の患部1、症状2、程度:弱から、「治療(マッサージ方法)3を1分」を選択設定する。又、『患部2:症状1・強い』については、患部2、症状1、程度:強から、「治療1と2を各2分」を選択設定する。
【0016】
各患部についてのマッサージ方法が設定されると、全体のマッサージプログラムが作成される。例えば図6に示す例では、まず患部2についての治療を行うプログラムが作成される。即ち、最初の1分間は治療1を弱く行い、次の1分間は治療2を弱く行い、再び同じ治療1及び治療2を順にそれぞれ1分間弱く行う。勿論、図示されていないが、患部1については、治療3を1分間弱く行う。なお、治療1,2がそれぞれ1分ずつ分けて行われているが、これは、同一患部に同一治療が長時間続かないようにするという条件に依るものである。
【0017】
全体のマッサージプログラムが作成されると、そのプログラムに則して制御手段40から治療手段に駆動命令が出力され、使用者の患部に対して各治療が施される。
上記入力形態は、症状別に入力するものであるが、人体の部位別に入力する場合を図7及び図8に示す。この場合のリモコン3の前面パネルでも、図7に示す通り、同様に表示装置31及び操作スイッチ32が設けられる。表示装置31には人間の模式図が表示されると共に、各部位(首、肩、背、腰、…)が表示される。操作スイッチ32は、ここでは「とても」、「こり」、「だるい」、「はり」、「はい」、「いいえ」、「次へ」、「前へ」、「終了」、「停止」、「開始」の文字を表記した全部で11個のスイッチからなる。この一群の操作スイッチ32により、各部位の症状の入力、治療の開始・停止等の命令の入力、マッサージ機からの確認に対する返答の入力等を行う。
【0018】
このようなリモコン3を使用して実際に症状を入力すると、図8のようにして症状に適したマッサージ方法(治療パターン)が決定される。図8において、入力情報は、使用者が各患部(治療希望部位)毎に、その症状の種類とマッサージの程度を入力した結果を示している。ここでは、患部である首の症状がだるい、肩の症状がとてもこっていることを表している。その他の患部がある場合も、同様に症状と程度が対応している。
【0019】
制御手段40は、その入力情報と記憶情報を照会し、各症状に適したマッサージプログラムを作成する。その際、同一患部に同一治療が長時間続かないようにするなど、予め記憶された作成条件を考慮してプログラムを作成するのは、前記と同じである。具体的に図8では、入力情報の『首:だるい』については、矢印で示すように記憶情報の首、だるい、程度:弱から、「もみを1分」を選択設定する。又、『肩:とても、こり』については、肩、こり、程度:強から、「たたきともみを各2分」を選択設定する。
【0020】
各患部についてのマッサージ方法が設定されると、全体のマッサージプログラムが作成される。例えば図8に示す例では、まず肩についての治療を行うプログラムが作成される。即ち、最初の1分間は肩を弱くたたく施療を、次の1分間は肩を弱くもむ施療を行い、再び肩を弱くたたく施療及び肩を弱くもむ施療を順にそれぞれ1分間行う。図示されていないが、首については、首を弱くもむ施療を1分間行う。なお、肩のマッサージが「たたき」と「もみ」においてそれぞれ1分ずつ分けて行われているが、これは、同一患部に同一治療が長時間続かないようにするという条件に依るものである。
【0021】
全体のマッサージプログラムが作成されると、そのプログラムに則して制御手段40から治療手段に駆動命令が出力され、使用者の患部に対して各治療が施される。
一方、図5や図7のリモコン3の表示装置31において、治療希望部位を直接指し示すことができるように、タッチパネル等を用いてもよい。その具体例を図9に示す。図9のリモコン3の前面パネルでは、表示装置31はタッチパネル形式になっており、図示のような人体の形状を表面に印刷した導電性ゴムを有し、図中の円形部分35が治療部位に相当し、その円形部分35を押すことで、治療希望部位を指定することができるようになっている。操作スイッチ32は、ここでは「程度」、「症状1」、「症状2」、「症状3」、「はい」、「いいえ」、「次へ」、「前へ」、「終了」、「停止」、「開始」の文字を表記した全部で11個のスイッチからなる。この一群の操作スイッチ32により、各部位の症状の入力、治療の開始・停止等の命令の入力、マッサージ機からの確認に対する返答の入力等を行う。
【0022】
このリモコン3では、使用者が治療希望部位を導電性ゴムの円形部分35により直接指定すると、表示装置31にその部位の症状の入力指示(図9では、“肩の症状を入力して下さい。”)が表示される。そこで、症状と程度を操作スイッチ32で入力すると、表示装置31に次の治療希望部位の入力指示が表示される。この入力操作を繰り返して、全ての治療希望部位とその症状及び程度を入力する。そして、操作スイッチ32の「開始」スイッチを押すと、前記したように症状に適したマッサージ方法(治療パターン)が決定され、更に全体のマッサージプログラムが作成された後、施療が開始される。
【0023】
なお、上記実施形態において、入力した症状からマッサージ方法を決定するのにファジー推論を用いれば、よりマッサージ師が行う施療に似たマッサージを行うことができる。又、上記実施形態では、治療手段として、機械的刺激を与えるもみ玉25と空気袋26を示してあるが、低周波治療器等の電気的刺激を与えるものを使用してもよいのは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマッサージ機によれば、使用者が症状を入力すれば、その症状に基づいて症状に適したマッサージプログラムが作成され、作成されたマッサージプログラムに則して施療が行われるので、症状に応じて適切な治療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係るマッサージ機の外観斜視図である。
【図2】別実施形態に係るマッサージ機の外観斜視図である。
【図3】図1のマッサージ機の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図2のマッサージ機の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図1のマッサージ機におけるリモコンの前面パネルの形態を示す図である。
【図6】図5のリモコンの前面パネルの表示内容に従って入力した症状に基づいてマッサージ方法を決定し、更に全体のマッサージパターンを作成する過程を説明する図である。
【図7】図1のマッサージ機におけるリモコンの前面パネルの別の形態を示す図である。
【図8】図7のリモコンの前面パネルの表示内容に従って入力した症状に基づいてマッサージ方法を決定し、更に全体のマッサージパターンを作成する過程を説明する図である。
【図9】図1のマッサージ機におけるリモコンの前面パネルの更に別の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 マッサージ機
2 椅子
3 リモートコントローラ(リモコン)
21 座部
22 背もたれ部
25 もみ玉(治療手段)
26 空気袋(治療手段)
28 音声確認・入力手段
31 表示装置
32 操作スイッチ
40 制御手段(マッサージ方法決定手段)
Claims (7)
- 使用者の症状を入力する症状入力手段と、当該症状に対するマッサージ方法を予め記憶させておく記憶手段と、入力された症状と予め記憶されたマッサージ方法とに基づいてマッサージプログラムを作成するマッサージプログラム作成手段と、このマッサージプログラム作成手段によって作成されたマッサージプログラムに則して使用者に施療を行う治療手段とを備えることを特徴とするマッサージ機。
- 前記症状入力手段は、入力に関する情報を表示する表示装置と、この表示装置の表示内容に従って症状を入力するための操作スイッチとを有することを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
- 前記症状入力手段は、音声により症状を入力する音声入力手段であることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
- 使用者の入力した症状を音声により確認する音声確認手段を備えることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
- 前記症状入力手段は、治療を希望する部位を直接指し示して入力するものであることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
- 前記症状入力手段は、治療を希望する部位と対応してその症状を入力するものであることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
- 前記記憶手段はマッサージプログラムの作成条件を予め記憶しており、前記症状入力手段は、使用者の複数の患部毎に症状を入力し、前記プログラム作成手段は、前記入力された患部毎の症状と前記予め記憶されたマッサージ方法に基づいて各患部についての症状に対するマッサージ方法を選択し、前記予め記憶された作成条件に基づいて全体のマッサージプログラムを作成することを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
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