JP3694644B2 - 便器用着座補助装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は足腰の筋力が低下した利用者が便器を利用するときに有効な便器用着座補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
足腰の筋力が弱っている利用者が排泄する場合、便器の便座に座ったり、立ち上がることが容易でないことがあり、そのような場合には介助者の介助が必要なことがある。
【0003】
しかしながら、足腰の筋力が弱っている利用者を立ち上がらせたり、座らせるなどの介助は容易でなく、介助者に掛かる負担が大きいから、介助者の負担を軽減することが望まれている。
【0004】
一般に、便器に設けられた便座は、後端部を支点として便器に回動可能に取付けられ、利用時には便器上にほぼ水平に倒伏した状態で保持されている。そのため、上記便座に着座するとき、利用者は臀部を便座の高さ位置まで深く降ろさなければならないから、その動作が足腰に大きな負担を掛けることになる。
【0005】
また、利用者が立ち上がるときには、便座に深く降ろした臀部を上げなければならず、しかも脚部を曲げた状態から伸ばさなければならないから、座るとき以上に大きな負担となる。
【0006】
そこで、便器の便座をばねで起立方向に付勢することが考えられている。このような構成にすれば、利用者が着座するときには、便座はばねの付勢力で上昇方向に回動した状態にある。
【0007】
そのため、利用者は臀部をわずかに降ろすことで上記便座に当てることができるから、比較的楽に座ることができ、立ち上がるときには上昇方向に付勢された便座によって臀部が押し上げられるから、その場合も比較的楽に立ち上がることが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構成の便器は、便座がばねの付勢力によって起立方向に付勢されている。そのため、利用者が比較的楽に立ち上がることができるようにするためには、ばねの付勢力を強くして利用者の臀部を強く押し上げるようにしなければならない。また、着座するときにも、利用者の臀部を確実に受けることができるようにするためにはばねの付勢力を十分に強くしなければならない。
【0009】
しかしながら、ばねの付勢力を強くすると、着座するときに臀部で便座をばねの付勢力に抗して強く押圧しなければならないから、臀部に床擦れが生じているような場合には利用者に掛かる負担が大きくなるということがあり、また体重の軽い利用者の場合には着座状態が安定しないということもある。
【0010】
しかも、利用者が立ち上がるときには、ばねの付勢力に応じて利用者の臀部が便座によって強く押されることになるから、足腰の弱い利用者の場合には足腰がふらつくなどして立ち上がるときの安定性が悪くなるということがある。
【0011】
この発明は、便座をばねによって起立方向に強く付勢しなくとも、利用者が比較的楽に座ったり、立ち上がることができるようにした着座補助装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、便器の便座に利用者が着座したり、着座した状態から立ち上がるときの動作を補助する便器用着座補助装置において、
上記便器に取付け固定される本体と、
上記便座が取着されるとともに上記本体に前後方向の前端部が回動可能に連結され倒伏方向に回動させることで上記便座が上記便器の上端面に対向位置するフレームと、
このフレームの中途部と上記本体とに連結して設けられたリンク機構と、
このリンク機構に一端が連結されこの一端を支点として回動操作することで上記リンク機構を作動させて上記フレームを前端部を支点として起伏回動させる操作部材と、
一端が上記本体に枢着され他端が上記フレームにこのフレームの前後方向に対して連結位置の変更可能に枢着され上記フレームを前端部を支点として起立方向に付勢するとともに上記他端の上記フレームへの連結位置に応じてこのフレームを異なる起立角度で保持するガススプリングを具備し、
上記便器の後部には便座を取付けるための取付け部が設けられ、この便座を取り外した上記取付け部に上記本体に設けられた第1の固定部材が取付け固定され、上記本体には、上記便器の前端部に圧接してこの便器に上記本体を固定する第2の固定部材が上記本体に高さ及び回動角度の位置決め調整可能に設けられていることを特徴とする便器用着座補助装置にある。
【0014】
請求項2の発明は、上記リンク機構には、倒伏した上記フレームが上記ガススプリングの付勢力によって上昇方向に回動するのを阻止するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1記載の便器用着座補助装置にある。
【0015】
請求項1の発明によれば、ガススプリングのフレームに対する連結位置を変更することで、このフレームに設けられた便座を異なる起立角度で保持できるから、その起立角度に応じて便座を倒伏方向へ回動させる際の荷重を変えることができる。
【0016】
また、請求項1の発明によれば、第1の固定部材と第2の固定部材とによって本体を便器に対して確実に固定することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、倒伏した上記フレームが上記ガススプリングの付勢力によって上昇方向に回動するのを阻止するストッパを有することで、上記フレームに設けられた便座に着座した利用者の着座状態を安定させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1はこの発明の便器用着座補助装置の全体の斜視図であって、この装置は本体1を備えている。この本体1は、図1と図2に示すように平行に離間対向した一対の側部材2を有する。この側部材2は長手方向両端に高さ調整可能な脚3aが設けられた水平部3b及びこの水平部3bの前端から立上げられた立上げ部3cとがパイプ材によって一体成形されている。一方の側部材2の立上げ部3cは水平部3bとほぼ同じ長さに形成され、他方の側部材2の立上げ部3cは水平部3bのほぼ半分の長さになっている。
【0020】
上記水平部3aの後端部には帯状の部材を角型に曲成した第1の固定部材4が上方に向かって突出するよう両端を連結固定して設けられている。この第1の固定部材4の中間部は水平部4aに形成され、この水平部4aには一対の取付け孔4bが穿設されている。上記水平部3bの中途部には、帯状の取付け部材5の下端が固着され、上端は上記立上げ部3cに固着されている。
【0021】
一対の側部材2の立上げ部3cの頂部近傍には取付け片7が固着されている。一対の取付け片7にはフレーム8の前端部の両端部が回動可能に連結されている。つまり、このフレーム8は、パイプ材をU字状に曲成するとともに、前端部となる両端部が外方に向かってほぼL字状の屈曲部8aに形成されていて、その屈曲部8aの先端が上記取付け片7に支軸9によって枢着されている。
【0022】
図1に示すように、上記フレーム8の開放端側には、円弧状の保持部材11が両端部を固定して架設され、閉塞端の外面には図2に示すように一対の取付け孔12が穿設された取付け板13が固着されている。
【0023】
上記取付け板13には便座14が回動可能に設けられている。この便座14の上記取付け板13に固定された部分には洗浄器15が一体的に設けられている。
【0024】
上記便座14は、通常、図8に示す便器21の後端部上面に形成された取付け部としての一対の貫通孔22に図示しないボルトおよびナットによって取付け固定されているが、この発明では上記便座14は便器21から取り外されて上記フレーム8に上述したように取付けられている。なお、便器21の上端部には水槽20が一体的に設けられている。
【0025】
上記便座14が取り外された便器21の後端部は、上記第1の固定部材4の水平部4aに取付け固定される。つまり、水平部4aに形成された取付け孔4bと、便器21の貫通孔22とに図示しないねじを通すことで、第1の固定部材4に便器21が固定されている。
【0026】
一対の上記側部材2の取付け部材5と上記フレーム8との間には図3と図6に示すリンク機構25が設けられている。このリンク機構25は、上記取付け部材5に下端部が枢着されたハンドル26を有する。このハンドル26の下端にはリンク27の一端が枢着されている。
【0027】
上記フレーム8の両側中途部にはブラケット28の基端が固着されている。このブラケット28の前端は本体1の前方に向かって延出されていて、その前端には上記リンク27の他端が枢着されている。つまり、上記ハンドル26、リンク27及びブラケット28によってリンク機構25を構成している。
【0028】
したがって、上記ハンドル26を図3に実線で示す状態から鎖線で示す状態へ回動させれば、このハンドル26の回動によって便座14が設けられたフレーム8を取付け片7に連結された前端部を支点として図3に鎖線で示す上昇方向へ回動させることができるようになっている。
【0029】
上記側部材2の水平部3bにはガススプリング31の一端が枢着されている。このガススプリング31の他端は上記フレーム8の両側の上記ブラケット28よりも後方に設けられた連結部32に枢着されており、それによって上記フレーム8は上記ガススプリング31によって起上方向に付勢されている。
【0030】
上記連結部32には図4(b)に示すように第1乃至第3の取付け孔33a〜33cがフレーム8の前後方向に沿って形成されている。図4(a)に示すように上記ガススプリング31の他端には連結孔34aが形成された連結片34が設けられている。上記取付け孔33a〜33cのいずれか1つには頭付のピン40が挿通されている。
【0031】
上記取付け孔33a〜33cのいずれか1つから突出したピン40には上記ガススプリング31の連結片34が連結孔34aを介して係合保持されていて、上記ピン40の突出端に形成された取付け溝35にはCリング36が着脱可能に係着されている。それによって、上記ガススプリング31の他端は、上記連結部32に設けられた3つの取付け孔33a〜33cのいずれか1つに連結できるようになっている。
【0032】
上記ガススプリング31の他端を3つの取付け孔33a〜33cのうちのどれに連結するかによってフレーム8の起上角度を調整できるようになっている。つまり、図5に示すようにガススプリング31の他端を、フレーム8の前端側に位置する第1の取付け孔33aに連結した場合には同図にAで示すようにフレーム8の起上角度が最も大きくなり、ついで中間に位置する第2の取付け孔33bに連結した場合の起上角度はBとなり、後端側に位置する第3の取付け孔33cに連結した場合には同図にCで示すように起上角度が最も小さくなる。
【0033】
なお、連結部32に形成される連結孔の数は3つに限られず、2つ或いは4つ以上であってもよいこと勿論である。
【0034】
図6に示すように、上記リンク27の中途部には先端が鉤状の係合部37に形成されたストッパ38の基端部が回動可能に連結されている。このストッパ38の係止部37は、上記フレーム8を起立状態からほぼ水平となる状態まで倒伏させたときに、上記ブラケット28の外面に突設された係止ピン39に係合する。それによって、フレーム8はガススプリング31の付勢力に抗してほぼ水平な状態で起立方向への回動が不能な状態に保持される。
【0035】
上記ストッパ38の中途部外面には操作ピン41が突設されていて、この操作ピン41によってストッパ38をその係止部37が係止ピン39から外れる方向へ回動操作できるようになっている。
【0036】
便器21の後端に第1の固定部材4によって連結固定された本体1の前端部は、第2の固定部材42によって上記便器21に固定される。この第2の固定部材42は、図1に示すように上記便器21の前端側の曲面の少なくとも左右対称に当接する左右対称の形状に曲成されたパイプ部材からなる。図7(a)、(b)に示すようにこの第2の固定部材42の両端部には通孔42aが形成され、この通孔42aにはナット43が螺合されたねじ軸44が挿通されている。
【0037】
上記ねじ軸44はパイプ材からなるスライド部材45の先端に固着されている。一対のスライド部材45は、L字状に折曲されたパイプ材からなる回動部材46の一端部にスライド可能に挿通されている。上記スライド部材45には軸方向に所定間隔で複数の位置決め孔45aが形成され、上記回動部材46の先端部には上記位置決め孔45aに嵌合する位置決めピン47が設けられている。それによって、スライド部材45は上記回動部材46の先端部から所定の突出長さで固定できるようになっている。
【0038】
上記回動部材46の他端は、上記側部材2の水平部3bの先端部に、本体1の幅方向内方に向かって突設された支軸47に回動可能に外嵌支持されている。この回動部材46の他端には止めねじ48が螺合されていて、この止めねじ48を締め込むことで、上記回動部材46を所定の角度で回動不能に固定できるようになっている。なお、一対の回動部材46は横杆49によって連結されている。
【0039】
つまり、上記第2の固定部材42はスライド部材45及びナット43によって高さ調整可能であり、また回動部材46によって回動角度の調整可能になっている。
【0040】
それによって、図7(a)に示すように第2の固定部材42を便器21の前面側の曲面1aの少なくとも左右対称の2箇所に当接して本体1を、便器21に位置決めして上記第1の固定部材4とで固定できるようになっている。すなわち、便器21に対して便座14が位置決めされることになる。
【0041】
このような構成の便器用着座補助装置を利用する場合について説明する。図9(b)に示すように、利用者Uが便座14に着座する前は、便座14はガススプリング31の付勢力によって所定の角度で起立した状態にある。
【0042】
この状態で利用者Uが便座14に着座する場合、利用者Uは図9(b)に示すように後向きになって両手で一対のハンドル26の先端部を把持し、ついで腰を下ろして臀部を便座14に当てる。その状態で臀部を徐々に下げれば、その重量によって便座14が設けられたフレーム8は、このフレーム8の下面が便器21の上面に当接するまでガススプリング33の付勢力に抗して倒伏方向へ回動する。
【0043】
したがって、利用者Uは便座14によって臀部が支えられながら着座することができるから、腰や脚部に大きな負担を掛けることなく着座することができる。
【0044】
しかも、着座時には利用者Uが把持したハンドル26が便座14の倒伏方向への回動に連動する。そのため、利用者Uはハンドル26に加える力を調整することで、便座14が倒伏方向へ回動する速度を変えることができるから、利用者Uの腰や脚部に負担が掛からないよう、便座14の倒伏方向への回動速度をさらに緩やかにして着座することもできる。
【0045】
さらに、利用者Uは腰を下ろすときにはハンドル26を把持しているから、身体がふらつくようなことなくその動作を安定して行うことができる。
【0046】
図9(a)ではガススプリング33の他端に設けられた連結片34をフレーム8に設けられた連結部32の第1の取付け孔33aに連結したため、フレーム8(便座14)はガススプリング33によって図5にAで示す角度で起上方向に付勢されている。
【0047】
利用者Uの体重が比較的重い場合には、便座14を最大の角度Aで起上させるようにしても、その体重によって比較的円滑に倒伏方向へ回動させることができる。
【0048】
しかしながら、利用者Uの体重が比較的軽い場合には、便座14が最大角度Aで起上していると、利用者の体重によって便座14を円滑に倒伏させることができなくなる虞がある。
【0049】
そのような場合には、ガススプリング33の連結片34をフレーム8に設けられた連結部32の第2又は第3の取付け孔33b,33cに連結し、便座14の起立角度をAに比べて小さなB又はCにする。
【0050】
便座14の起立角度を小さくすれば、大きな場合に比べて倒伏させ易くなるから、体重が比較的軽い利用者Uであっても、上記便座14を臀部で押圧しながら比較的容易に倒伏方向へ回動させることができる。
【0051】
一方、便座14の起立角度をAとすると、起立角度をCとした場合に比べてガススプリング33の伸びが小さくなる。そのため、便座14を起立した状態からほぼ水平な状態まで倒伏させる場合、それに要する仕事量はガススプリング33の伸びが小さな状態である、便座14が起立角度Aで起立した状態の方が起立角度Cで起立している場合に比べて小さくなる。つまり、便座14の起立角度を大きくした方が小さくした場合よりも少ない仕事量で倒伏させることができることになる。
【0052】
便座14を便器21の上面に接合する状態まで倒伏させて着座した利用者Uが起立する場合には、ハンドル26の先端部を把持し、体重をハンドル26の上方へ移動させる。それによって、ハンドル26の先端部に体重が加わるから、利用者Uはハンドル26を図9(a)に矢印で示す方向へ容易に回動させることができる。
【0053】
ハンドル26を図9(a)に矢印で示す方向へ回動させれば、その回動に便座14が設けられたフレーム8がリンク機構25によって前端側の支軸9を支点として起立する方向に回動するから、利用者Uは臀部が押し上げられることになる。そのとき、フレーム8にはガススプリング31の付勢力が加わるから、ハンドル26を前方へ押す力を軽減することができる。
【0054】
したがって、利用者Uは比較的軽い操作力でハンドル26を操作することで、臀部を斜め前方に押し上げられることになるから、足腰に大きな負担を掛けることなく立ち上がることができる。このときも、利用者Uはハンドル26を把持しているので、足腰の状態が安定するまで身体を確実に保持しておくことができる。
【0055】
便座14が設けられた本体1は、第1の固定部材4と第2の固定部材42とで便器21に固定されている。そのため、利用者Uが便座14を倒伏方向に回動させて着座するときや起立方向に回動させて立ち上がるときなどに、本体1が前後左右方向にずれ動くということがないから、そのことによっても利用者Uは安定した状態で着座したり、立ち上がったりすることができる。
【0056】
図9(a)に示すように、便座21をほぼ水平に倒伏させた状態では、リンク機構25のリンク27に設けられたストッパ38が係止ピン39に係合するから、便座21がガススプリング31の付勢力によって起上方向へ回動するのが阻止される。
【0057】
そのため、着座時にガススプリング31の付勢力によって利用者Uの臀部が便座21を介して押圧されるのが防止されるから、利用者Uは着座状態を安定した状態で維持することができるばかりか、利用者Uの臀部に辱瘡があるような場合、臀部が圧迫されて不快感や苦痛を感じるのを防止することもできる。
【0058】
上記第2の固定部材42は本体1の高さ方向と前後方向との位置調整ができるようになっている。そのため、便器21の種類によってその前端側の形状が異なっても、第2の固定部材42を便器21の前端側に確実に当接させて固定することが可能となる。つまり、本体1を便器21に確実に固定することができる。
【0059】
本体1の第1の固定部材4は、便器21に形成された便座14を取付けるために形成された貫通孔22を利用して取付けるようにした。そのため、第1の固定部材4と便器21とを固定するために、便器21に特別な加工をせずにすむ。
【0060】
また、便座14が設けられたフレーム8の前端部を、幅方向外方に向かって屈曲した屈曲部8aに形成し、この屈曲部8aの先端面を支軸9によって取付け片7に連結した。つまり、フレーム8の開放端を大きな幅寸法で開放させることができる。
【0061】
そのため、利用者Uは着座するときに、臀部をフレーム8の開放端側から便座15に接近させ易いため、臀部を便座15に容易に押し当てることが可能となる。
【0062】
この発明は上記一実施の形態に限定されるものでなく、種々変形可能である。たとえば、上記一実施の形態ではハンドルを前方へ押すことで便座を倒伏状態から起立状態へ回動させるようにしたが、リンク機構の構造を変えることで、上記ハンドルを引くことで便座を起立方向へ回動させるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ガススプリングのフレームに対する連結位置を変更できるようにした。
【0064】
そのため、このフレームに設けられた便座を異なる起立角度で保持できるから、その起立角度に応じて便座を倒伏方向へ回動させる際の荷重を変えることができる。
【0065】
また、請求項1の発明によれば、第1の固定部材と第2の固定部材とによって本体を便器に対して確実に固定することができるようにしたから、本体が便器に対してずれ動くのを防止できる。
【0066】
請求項2の発明によれば、ガススプリングが倒伏したフレームを上昇方向へ回動するのを阻止するストッパを設けるようにした。
【0067】
そのため、弁座を倒伏させて着座した状態において、ガススプリングの付勢力が便座を介して利用者の臀部に伝わるのを防止できるから、利用者の着座状態を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す全体構成の斜視図。
【図2】フレームから便座を取り外した本体の斜視図。
【図3】フレームから便座を取り外した本体の側面図。
【図4】(a)はガススプリングとフレームに設けられた連結部との連結部分の断面図、(b)はフレームに設けられた連結部の正面図。
【図5】フレームの起立角度とフレームに連結されるガススプリングとの連結位置との関係の説明図。
【図6】リンク機構の斜視図。
【図7】(a)は第1の固定部材の側面図、(b)は同じく正面図。
【図8】便器の斜視図。
【図9】(a)は利用者が便座に着座ている状態の説明図、(b)は利用者が立ち上がっている状態の説明図。
【符号の説明】
1…本体
4…第1の固定部材
8…フレーム
14…便座
21…便器
25…リンク機構
26…ハンドル(操作部材)
31…ガススプリング
38…ストッパ
42…第2の固定部材
Claims (2)
- 便器の便座に利用者が着座したり、着座した状態から立ち上がるときの動作を補助する便器用着座補助装置において、
上記便器に取付け固定される本体と、
上記便座が取着されるとともに上記本体に前後方向の前端部が回動可能に連結され倒伏方向に回動させることで上記便座が上記便器の上端面に対向位置するフレームと、
このフレームの中途部と上記本体とに連結して設けられたリンク機構と、
このリンク機構に一端が連結されこの一端を支点として回動操作することで上記リンク機構を作動させて上記フレームを前端部を支点として起伏回動させる操作部材と、
一端が上記本体に枢着され他端が上記フレームにこのフレームの前後方向に対して連結位置の変更可能に枢着され上記フレームを前端部を支点として起立方向に付勢するとともに上記他端の上記フレームへの連結位置に応じてこのフレームを異なる起立角度で保持するガススプリングを具備し、
上記便器の後部には便座を取付けるための取付け部が設けられ、この便座を取り外した上記取付け部に上記本体に設けられた第1の固定部材が取付け固定され、上記本体には、上記便器の前端部に圧接してこの便器に上記本体を固定する第2の固定部材が上記本体に高さ及び回動角度の位置決め調整可能に設けられていることを特徴とする便器用着座補助装置。 - 上記リンク機構には、倒伏した上記フレームが上記ガススプリングの付勢力によって上昇方向に回動するのを阻止するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1記載の便器用着座補助装置。
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