JP3520441B2 - 水廻設備用椅子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水廻設備に備えら
れる椅子の改良に関するものである。水廻設備とは、水
栓を備えた洗面化粧台、流し台等を言う。

【０００２】

【従来の技術】洗面化粧台又は流し台等は、椅子に座っ
て使用する場合がある。このときに用いる椅子として
は、ひじ掛けの無い椅子やひじ掛け付きの椅子が用いら
れている。洗面や流し作業を行うときには、着座した状
態で左右に向きを替えることがある。従って、椅子とし
ては、座部が回転するものが便利である。また、足腰の
弱い高齢者の場合には、椅子から立ち去るきに腕の支え
となるものがあると便利なため、ひじ掛け付きの椅子を
用い、ひじ掛けを立ち去るときの腕の支えとしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、座部が回転する
ひじ掛け付きの椅子としては、座部にひじ掛けを一体的
に取り付け、ひじ掛けと座部とが共に回転する事務用の
ものがあり、ひじ掛け付きの前端部を座部の前縁部まで
延ばして、ひじ掛けし易いようになっている。

【０００４】しかし、足腰の弱い高齢者がこの事務用の
椅子等を用いた場合には、ひじ掛けを腕の支えにして立
ち上がるときに、ひじ掛けが回転して危険な状態となる
ことがある。また、立ち上がるときにひじ掛けを用いる
ことなく足を横にずらしながら立ち上る場合には、座部
の前縁部まで延びたひじ掛けが却って邪魔となる。殊
に、椅子を後方へ移動し難い洗面室等のように狭い空間
では、足を横にずらしながら立ち上る動作が多くなるこ
とから、事務用の椅子では不便である。そこで、本発明
は、着座した状態で左右に向きを替えるのに便利で、更
に安全且つ容易に立ち上がることができる水廻設備に備
えられる椅子の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】着座した状態で左右に向
きを替えるのに便利で、更に安全に立ち上がることがで
きるようにするために請求項１記載の本発明が採用した
手段は、水廻設備に備えられる椅子であって、着座空間
の両側に設けた握り部と滑止具付き脚部とを一体化した
フレームと、フレームに回転自在に支持させた座部とを
備えたことを特徴とする水廻設備用椅子である。計量化
を図るために、該フレームは、両脚部と両握り部と背部
とを１本のパイプで形成することもある。本発明にあっ
ては、座部が回転できるため、着座した状態で左右に向
きを替えことができ、更に着座空間の両側に握り部が有
るため、両側の握り部を握ることにより、床面に滑止め
具を介して接地した移動しないフレームに両腕を支持さ
せながら安全に立ち上がることができる。

【０００６】立ち上がり及び立ち去りが容易にできるよ
うにするために請求項２記載の本発明が採用した手段
は、前記握り部は、前記座部の前後中央より後方の位置
に、水平面に対して１０〜３０°（好ましくは１５〜２
５°、更に好ましくは１８〜２２°）の傾斜角度で前方
へ下り傾斜状態で設けられ、握って着座状態から立ち上
がることができるようにしてある請求項１記載の水廻設
備用椅子である。本発明にあっては、握り部が握った両
腕で突っ張るようにして立ち上がるのに最適な状態に傾
斜していると共に握り部が座部の前後中央より後方に位
置しているため、立ち上がりが容易にでき、更に握り部
が座部の前後中央より後方に位置しているため、立ち上
がりに伴い座面から離れた臀部を左右方向へ容易に移動
させて立ち去ることが可能となり、足を横にずらしなが
ら立ち上る動作がし易くなる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水廻設備用椅
子（以下、「本発明椅子」と言う。）を図１乃至図４に
示す実施の形態に基づいて説明する。図１は椅子の全体
を示す斜視図、図２は椅子の右側面図、図３は椅子の正
面図、図４は座部を取り外した状態の平面図である。

【０００８】本発明椅子１は、水廻設備（例えば、洗面
化粧台を備えた洗面室）に備えられるものであり、フレ
ーム２及び座部３を備えている。該フレーム２は、フレ
ーム本体４と、フレーム本体４に両端を接合した連結底
板部５と、連結底板部５に下端を接合した座部支持部６
と、フレーム本体４及び座部支持部６に接合した補強連
結部７と、フレーム本体４に取付けた複数個の滑り止具
１２とを備えている。各滑り止具１２は、脚部９に取付
けられている。フレーム本体４は、計量化のために、着
座空間Ｓの両側に設けられる握り部８，８と脚部９，９
と背部１０とを１本のパイプで形成することもある。

【０００９】前記握り部８，８は、座部３の前後中央
（前後寸法Ｂの半分となる箇所）より後方に位置するよ
うに設けられると共に、水平面（脚部９，９が接地する
床面Ｆと平行な仮想面）に対して１０〜３０°（好まし
くは１５〜２５°、更に好ましくは１８〜２２°）の傾
斜角度Ａで前方へ下り傾斜状態に設けられており、両手
で握った状態で立ち上がることができるようにしてあ
る。握り部８，８は、握った両腕で突っ張るようにして
立ち上がるのに最適な傾斜角度Ａとなっていると共に座
部３の前後中央より後方に位置させてあるため、立ち上
がりを容易にし、更に、座部３の前後中央より後方に位
置させてあるため、立ち上がりに伴い座面３ａから離れ
た臀部（図示略）を左右方向へ容易に移動させて立ち去
ることを可能とし、足を横にずらしながら立ち上る動作
をし易くさせる。

【００１０】前記座部３は、フレーム２の座部支持部６
に対して回転自在に支持され、座部支持部６の縦軸を中
心として回転できるようになっている。座部３は、必要
に応じて昇降自在となっており、昇降調節レバー１１を
操作して任意高さに停止できるようすることもある。ま
た、座部３は、前かがみ姿勢のときの臀部がフイットす
るように、前後縁部３ｂ，３ｃが座面３ａと共に上下方
向へ若干揺動できるように取付けられることもある（図
示略）。座面３ａの大きさとしては、前後長さＢが３０
０ｍｍ程度で、左右長さＣが３８０ｍｍ程度が採用され
る。

【００１１】本発明椅子１の使用者は、座部３が回転自
在であるため、着座した状態で左右に向きを替えことが
でき、更に着座空間Ｓの両側に握り部８，８を握ること
により、床面Ｆに接地した移動しないフレーム２に両腕
を支持させながら安全に立ち上がることができる。

【００１２】

【発明の効果】請求項１記載の本発明椅子は、回転する
座部により着座した状態で左右に向きを替えることがで
きると共に、握り部を握りながら安全に立ち上がること
ができるため、足腰の弱い高齢者等にも水廻設備を快適
に使用させることができる。請求項２記載の本発明椅子
は、立ち上がり及び立ち去りが容易となるため、使用者
に水廻設備を更に快適に使用させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明椅子の実施の形態を示すものてあって、
椅子の全体を示す斜視図である。

【図２】同実施の形態における椅子の右側面図である。

【図３】同実施の形態における椅子の正面図である。

【図４】同実施の形態において座部（二点鎖線で示す）
を取り外した状態の平面図である。

【符号の説明】

２…フレーム、３…座部、８…握り部、９…脚部、１２
…滑止め具、Ａ…傾斜角度、Ｓ…着座空間

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水廻設備に備えられる椅子であって、着座
   空間の両側に設けた握り部と滑止具付き脚部とを一体化
   したフレームと、フレームに回転自在に支持させた座部
   とを備えたことを特徴とする水廻設備用椅子。
2. 【請求項２】前記握り部は、前記座部の前後中央より後
   方の位置に、水平面に対して１０〜３０°（好ましくは
   １５〜２５°、更に好ましくは１８〜２２°）の傾斜角
   度で前方へ下り傾斜状態で設けられ、握って着座状態か
   ら立ち上がることができるようにしてある請求項１記載
   の水廻設備用椅子。