JP2001178788A - 歩行補助車 - Google Patents

歩行補助車

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JP2001178788A
JP2001178788A JP32840799A JP32840799A JP2001178788A JP 2001178788 A JP2001178788 A JP 2001178788A JP 32840799 A JP32840799 A JP 32840799A JP 32840799 A JP32840799 A JP 32840799A JP 2001178788 A JP2001178788 A JP 2001178788A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用しない時には折り畳んで自立できるよう
にする。 【解決手段】 前側キャスタ2により支持される第1の
フレーム3と後側キャスタ4により支持される第2のフ
レーム5とを有すると共に各フレーム3,5を連結軸6
によって互いに折り畳み可能に連結した歩行補助車1に
おいて、第1のフレーム3と第2のフレーム5とを折り
畳んだときに第1のフレーム3と第2のフレーム5とを
連結して自立可能にする閉脚固定手段11を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老人や身体の不自
由な人の歩行を補助する歩行補助車に関する。更に詳述
すると、本発明は、歩行補助車のみならず歩行車や歩行
訓練器としても、様々の使用の形態を採り得る歩行補助
車のフレームや座等の構造の改良に関する。尚、本明細
書中で「歩行補助車」とは、少なくともフレームとキャ
スタとハンドルを備えて特に老人や身体の不自由な人の
歩行を介助して容易に歩行できるようにするものを総括
しており、いわゆる歩行車や歩行訓練器やシルバーカー
等を全て含む概念としている。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の歩行補助車200として
は、図28および図29に示すように、第1のフレーム
201と第2のフレーム202を連結軸208を中心に
互いに折り畳み可能にX字状に連結したいわゆるXクロ
スタイプの脚を有するものが知られている。この歩行補
助車200には、いずれか一方のフレーム201、20
2から上方に延びるハンドル(図示せず)と座205と
を備え、歩行中に疲れた場合などに体の向きを変えるだ
けで左右のハンドルの間の座205に座ることができる
ものである。また、各フレーム201,202は、その
下端に旋回キャスタである前輪203と固定キャスタで
ある後輪204とをそれぞれ有し、左右に配置された縦
パイプ部と、各縦パイプ部を連結する1本または複数本
の横パイプ部とから構成されている。
【0003】この歩行補助車200を使用するときは、
図28に示すように各フレーム201,202を連結軸
208を中心に回転させて脚を拡げている。このとき、
例えば第2のフレーム202の横パイプ部209に取り
付けられたフック206が第1のフレーム201の横パ
イプ部207に係合することによりフレーム201,2
02との間で固定連鎖を構成して開脚状態が維持され
る。すなわち、フック206とこれが係合する横パイプ
部207とによりフレーム固定手段が構成されている。
ここで、フック206は座205に干渉しないように座
205の前方に配置されている。
【0004】この歩行補助車200は、使用者がハンド
ルを握って歩行することができると共に、疲れたとき等
に座205に座ることにより歩行補助車200を椅子と
して利用できるようになっている。この座205は、後
輪204よりも前に体の脚を入れて歩行する時には邪魔
にならないように引き起こし可能に設けられている。
【0005】また、この歩行補助車200は使用しない
時などには、図29に示すように連結軸208を中心に
各フレーム201,202を互いに内向きに回転させて
脚を閉じコンパクトに折り畳むことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た歩行補助車200では、フレーム201,202を畳
んだ状態で維持することができないので、フレーム20
1,202を前輪203と後輪204とで支えて自立さ
せようとしても自重で前後の車輪203、204の間隔
が開いてしまう。このため、不使用時には折り畳んだ状
態で自立させることができず横に倒すしかなく場所をと
り不便であった。特に前輪側に旋回キャスタを採用する
ためその旋回軸を鉛直方向にとらざるを得ない関係上、
脚を閉じたときに前輪の位置が後輪側寄りに向いて車輪
の接地間隔Xを狭めると共に前輪の位置が高くなって車
体が全体に前傾するため転倒しやすくなる。このため、
フレームを閉じて自立させることが困難であった。
【0007】また、脚を開いた状態で第1および第2の
フレーム201,202の関係を固定するフック206
は、使用者による直接操作によって横パイプ部207に
対して掛けられたりするので、フック206を覆うよう
な大きな座205を採用したときにはフック206の操
作が悪く難しくなってしまう。ここで、フック206の
操作用レバーを座205の外側まで伸ばすことを考えた
が、これでは座205を着座する水平位置から跳ね上げ
られるときに操作用レバーと干渉してしまう問題が生じ
た。
【0008】そこで、本発明は、使用しない時には折り
畳んで自立できると共に、開脚時の操作性を向上させ得
る歩行補助車を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、前側キャスタにより支持さ
れる第1のフレームと後側キャスタにより支持される第
2のフレームとを連結軸によって互いに折り畳み可能に
連結されて成る脚とフレームのいずれか一方に備えられ
るハンドルとを有する歩行補助車において、第1のフレ
ームと第2のフレームとを連結軸を中心に回転させて折
り畳んで閉脚したときに第1のフレームと第2のフレー
ムとを連結して自立可能にする閉脚固定手段を備えるよ
うにしている。
【0010】したがって、歩行補助車を使用しない時に
第1のフレームと第2のフレームとを折り畳むと閉脚固
定手段により各フレームが閉じた状態で固定される。こ
れにより、歩行補助車を畳んで閉じたまま自立させても
第1フレームと第2フレームとの関係が変わらないので
脚が開きにくいことがない。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の歩行補助車において、前側キャスタはキャスタ旋回
軸を中心に旋回可能であると共に、この旋回可能なキャ
スタを歩行補助車の前後方向に向けて固定可能な直進固
定手段を備えるようにしている。
【0012】したがって、全キャスタを前後方向に向け
て固定することができるので、歩行補助車の直進性を確
保することができる。すなわち、傾斜面を歩行するとき
には前側キャスタが旋回可能であると車輪が下方を向き
易く真っ直ぐ歩き難いが、全キャスタの前後方向への固
定により車輪の旋回を防止して歩き易さを確保できる。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の歩行補助車において、前側キャスタをその
キャスタ旋回軸よりも前方へ車輪中心が配置される位置
に旋回させた状態で固定可能な逆向き固定手段を備える
ようにしている。
【0014】したがって、歩行補助車を畳んだときに前
輪の旋回キャスタを前向きにし固定することにより前後
の車輪の接地間隔を広げると共に前輪の高さを下げて車
体全体が前傾するのを防ぐので、倒れにくく安定して自
立することができる。
【0015】さらに、請求項4記載の発明は、請求項1
から3のいずれかに記載の歩行補助車において、第1の
フレームと第2のフレームとが開脚状態にあるときに第
1のフレームと第2のフレームとを連結して互いの関係
を固定する開脚固定手段を備えるようにしている。
【0016】したがって、開脚固定手段によりフレーム
が使用状態に固定されるので、歩行補助車の移動時に例
えば前側キャスタが障害物にぶつかったとき等に歩行補
助車が不用意に畳まれてしまうことを防止できる。
【0017】また、請求項5記載の発明は、請求項1か
ら4までのいずれかに記載の歩行補助車において、歩行
時に前方側となるフレームの横パイプ部に回転可能に支
持され着座位置と退避位置との間で回転可能な座を備え
るようにしている。
【0018】したがって、座を上げることによって車体
の中へ体・脚を入れることができ、歩行車としても使え
る。しかも、跳ね上げ位置を、ハンドルを備えるフレー
ムに平行な位置とすれば、座を跳ね上げ位置に持ち上げ
フレームと座とが側方から見て重なるので、見栄えを良
くすることができる。
【0019】また、請求項6記載の発明は、請求項5記
載の歩行補助車において、開脚固定手段を座の下側に備
えて、尚かつ開脚固定手段は、座よりも外側に突出して
開脚固定手段を解放操作可能な位置と座を起こしても干
渉しない位置との間で回転可能な解放レバーを備えるよ
うにしている。
【0020】したがって、開脚固定手段の解放レバーが
座よりも外側に突出しているので、開脚固定手段を解除
操作するときの操作性を向上することができる。また、
解放レバーは座に干渉しない位置に回転移動できるの
で、座を引き起こしても解放レバーに干渉することを防
止できる。
【0021】また、請求項7記載の発明は、請求項5ま
たは6記載の歩行補助車において、ハンドルよりも前方
に向けて突出した背凭れベルトを備えるようにしてい
る。
【0022】したがって、ハンドルの開放端が後方を向
いた形状に形成できるので、歩行補助車の外観を良くす
ることができる。また、使用者の体格に応じて例えば太
っている人や痩せている人でも背凭れベルトの調整によ
り位置調整が可能であり、かつ背凭れベルトにより使用
者が座に腰掛けたときの安定性を高くすることができ
る。
【0023】また、請求項8記載の発明は、請求項1か
ら4のいずれかに記載の歩行補助車において、歩行時に
後方側となるフレームの横パイプ部に回転可能に支持さ
れ上へ開閉回転可能な前向きの座を備えるようにしたも
のである。この場合、いわゆるシルバーカーが折り畳み
可能でかつ自立可能となる。
【0024】さらに、請求項9記載の発明は、請求項1
から8までのいずれか記載の歩行補助車において、フレ
ームに対して脱着可能な袋体を有するようにしている。
【0025】したがって、使用者は荷物を袋体に収容し
て持ち運ぶことができる。しかも、袋体は着脱可能なの
で、使用者が歩行補助車から離れるときには袋体をフレ
ームから取り外して持ち運ぶことができるので荷物が盗
難にあうことがなく、安定性に優れると共に良好な使用
性を得ることができる。
【0026】また、請求項10記載の発明は、請求項5
または8記載の歩行補助車において、座の着座者の臀部
を包囲する部分が着座面より盛り上がった形状であるよ
うにしている。したがって、着座者の臀部が周囲から包
み込まれるように支持されるので、座り心地を良くする
ことができる。
【0027】更に、請求項11記載の発明は、請求項1
から6のいずれかに記載の歩行補助車において、ハンド
ルを有するフレームに肘当て部を設け、歩行訓練器とし
ても用いることができるようにしている。この場合、歩
行訓練器が折り畳み可能でかつ自立可能となる。
【0028】この歩行訓練器では、請求項12記載の発
明のように、後側キャスタが車輪の回転に常に負荷を付
与可能な負荷機構を備えるようにすることが好ましい。
したがって、後側キャスタが常に負荷を有するように調
整することにより、歩行訓練器が軽い力で移動すること
を防止できるので、例えば足の不自由な人が使用すると
きに歩行訓練器だけが先に進んでしまうことを防止でき
る。また、負荷を常時与えることにより、歩行しようと
する者がこの歩行訓練器を動かそうとすることで歩行の
訓練になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】図1〜図16に本発明の歩行補助車1の一
実施形態を示す。この歩行補助車1は、前側キャスタ2
により支持される第1のフレーム3と後側キャスタ4に
より支持される第2のフレーム5とを有すると共に、各
フレーム3,5を連結軸6によって互いに折り畳み可能
に連結したものである。すなわち、この歩行補助車1
は、図1及び図2に示すように各フレーム3,5を互い
に折り畳み可能にX字状に連結したXクロスタイプの脚
を備えている。また、この歩行補助車1は、第1のフレ
ーム3に取り付けられ斜後上方へ延びるハンドル支持フ
レーム91の上端に後ろ向きに突出するように設けられ
たハンドル7と、左右のハンドル7の前側を結ぶように
前方へ向けて突出するように張り渡された背凭れベルト
8と、ハンドル7の下に設けられたブレーキ操作装置9
と、第2のフレーム5に取り付けられた引き起こし可能
な座10とを備えている。また、前側キャスタ2と後側
キャスタ4は、いずれも左右の第1及び第2のフレーム
3,5の下端にそれぞれ設けられている。
【0031】この歩行補助車1は、第1のフレーム3と
第2のフレーム5とを連結軸6を中心に折り畳んだとき
に第1のフレーム3と第2のフレーム5とを連結して自
立可能にする閉脚固定手段11を備えている。また、第
1のフレーム3と第2のフレーム5とを折り畳んで閉じ
たときに、前側キャスタ2をキャスタ旋回軸CFよりも
前方へ車輪中心WFが配置される位置に旋回させた状態
で固定可能な逆向き固定手段34を備えるようにしてい
る。このため、歩行補助車1の不使用時に第1のフレー
ム3と第2のフレーム5とを折り畳むと、図2に示すよ
うに閉脚固定手段11により各フレーム3,5が閉じた
状態で固定されると共に、前後の車輪の接地間隔Xが前
輪を後ろ向きにするときの間隔よりも広くかつ車輪高さ
も低くなり車体の前傾を防ぐので、前後輪の接地間隔X
(車輪中心WF,WRの間)に車体の重心を配置するこ
とができる。歩行補助車1を閉じたまま転倒させること
なく自立させることができる。よって、歩行補助車1を
不使用時に横にしたり壁等に立て掛けることなく僅かな
広さの場所に自立させて放置できるのでより便利にな
る。尚、後側キャスタ4はキャスタ軸CRが配置されか
つそれよりも後方へ車輪中心WRが配置されるように装
着されている。
【0032】本実施形態の逆向き固定手段34は、図9
に示すように旋回可能なキャスタ本体35に形成された
自立用ロック凹部107と、第1のフレーム3に旋回不
能に取り付けられたロック部材51とを備えており、ロ
ック部材51が自立用ロック凹部107に嵌合すること
により前側キャスタ2が前側に向いて旋回不能に固定さ
れるように構成されている。
【0033】第1のフレーム3は、図3に示すように左
右両側に配置された縦パイプ部12,12と、各縦パイ
プ部12,12同士を連結する水平な2本の横パイプ部
13,14と、各縦パイプ部12に設けられてハンドル
7・ハンドル支持フレーム91を昇降可能に支持する昇
降部15とを備えている。各縦パイプ部12は、上部が
後方に曲がった形状で、その先端部に連結軸6が取り付
けられている。また、各縦パイプ部12の下側の先端
は、使用時に鉛直方向となるように僅かに曲げられ、旋
回軸CFが鉛直となるように前側キャスタ2が取り付け
られている。
【0034】第2のフレーム5は、例えば1本のパイプ
をほぼコ字形状に折り曲げて形成されており、左右両側
に配置される縦パイプ部16,16と、各縦パイプ部1
6,16の上端部を結ぶ横パイプ部17とを備えてい
る。各縦パイプ部16は、前半部が水平で、後半部が急
な角度の傾斜となるように折り曲げられている。各縦パ
イプ部16の下端には、後側キャスタ4が取り付けられ
ている。第1のフレーム3と第2のフレーム5とは、図
4に示すように左右それぞれ幅方向を回転中心とする例
えばボルトから成る連結軸6により回転可能に連結され
ている。
【0035】閉脚固定手段11は、本実施形態の場合、
図4及び図5に示すように、第1のフレーム3に取り付
けられた係合機構18と、第2のフレーム5に取り付け
られたアーム19とを備えている。係合機構18は例え
ば先端に半球状の突起を有するプランジャであり、第1
のフレーム3の縦パイプ部12の上部に設けられたサイ
ドカバー20に取り付けられている。この係合機構18
は、歩行補助車1の幅方向に摺動可能な突起部21と、
該突起部21を歩行補助車1の幅方向内側に向けて押圧
する圧縮コイルばねから成る付勢手段22(以下、付勢
ばねと呼ぶ)とを備えている。
【0036】係合機構18に係合可能なアーム19は、
第2のフレーム5の縦パイプ部16にねじ止めされてい
る。このアーム19の先端部には、各フレーム3,5の
閉脚時に係合機構18の突起部21に係合する凹部23
が形成されている。このため、歩行補助車1の不使用時
に第1のフレーム3と第2のフレーム5とを折り畳む
と、図2に示すようにアーム19の凹部23が係合機構
18の突起部21に係合して付勢ばね22により固定さ
れるので、各フレーム3,5を閉じた状態に維持するこ
とができる。また、各フレーム3,5を拡げるときは、
付勢ばね22に抗して突起部21を凹部23から離脱さ
れる力を各フレーム3,5の間に加えれば良い。よっ
て、各フレーム3,5の閉脚状態の維持およびその解除
をワンタッチ操作で行うことができるので、良好な操作
性を得ることができる。
【0037】さらに、この歩行補助車1は、第1のフレ
ーム3と第2のフレーム5とを開いた使用状態にあると
きに第1のフレーム3と第2のフレーム5とを連結して
互いの関係を固定する開脚固定手段24を備えている。
このため、フレーム3,5を開いて使用状態に固定され
るので、歩行補助車1の使用時に例えば前側キャスタ2
が障害物にぶつかったときに歩行補助車1が不用意に畳
まれてしまうことを防止できる。
【0038】開脚固定手段24は、図6および図7に示
すように座10の下側に取り付けられた解放レバー25
を備えている。この解放レバー25は、座10よりも外
側に突出した形状で、開脚固定手段24を解放操作可能
な位置Pと座10を引き起こしても干渉しない位置Qと
の間で回転可能なものとしている。このため、開脚固定
手段24の解放レバー25が座10よりも外側に突出し
ているので、開脚固定手段24を解除操作するときの操
作性を向上することができる。また、解放レバー25は
座10に干渉しない位置Qに回転移動できるので、解放
レバー25に干渉することなく座10を引き起こすこと
ができる。
【0039】この開脚固定手段24は、第2のフレーム
5の横パイプ部17に取り付けられた爪部26と、該爪
部26にねじりを付勢する捩りコイルばねから成る付勢
手段(以下、捩り付勢ばねと呼ぶ)27とを備えてい
る。爪部26は、横パイプ部17の中央部分に回転可能
に取り付けられると共に、第1のフレーム3の上側の横
パイプ部(以下、ロックパイプ部という)13に係合可
能に設けられている。また、付勢ばね27は、爪部26
がロックパイプ部13に係合する方向に付勢する。この
捩り付勢ばね27の他端部は、固定具28によって横パ
イプ部17に固定されている。爪部26には、ロックパ
イプ部13が外側から当接したときに爪部26を該ロッ
クパイプ部13を通過させるようにばね27の力に抗し
て回転させる力を発生させる案内面29が形成されてい
る。このため、フレーム3,5を開くことにより、ロッ
クパイプ部13が案内面29に当たると、爪部26が開
かれてロックパイプ部13を通過させ、その後爪部26
の内側にロックパイプ部13が入ると爪部26が捩り付
勢ばね27により閉じてロックされる。
【0040】解放レバー25は爪部26に対して回転可
能に取り付けられると共に捩りコイルばねから成る付勢
手段(以下、捩り付勢ばねと呼ぶ)31を介在させて一
定方向に常時押しつけられている。解放レバー25に対
して外力が加わらないとき、解放レバー25はその上面
が爪部26のストッパ面30に当接する。したがって、
この状態から解放レバー25を引き上げると、爪部26
をロックパイプ部13から外す方向に一体回転可能に成
る。この解放レバー25の位置が解放操作可能な位置P
となる。また、解放レバー25は解放操作可能な位置P
に捻り付勢ばね31で付勢されている。このため、解放
レバー25に外力が加わらないときは解放レバー25は
爪部26のストッパ面30に当接している。この状態
で、解放レバー25を引き上げると、爪部26が横パイ
プ部17を中心に図6で時計回転方向に回転してロック
パイプ部13から外れ、フレーム3,5の固定関係(開
脚状態)を解除する。ここで、解放レバー25を引き上
げる動作は第2のフレーム5の横パイプ部17を持ち上
げることになるので、そのまま続けて連結軸6を中心に
各フレーム3,5を畳むことができ、開脚状態の解除と
折り畳み操作があたかもワンタッチ操作できるようにな
る。
【0041】また、開脚状態の時に座10を引き起こす
と、座10の後端が捩り付勢ばね31に抗して解放レバ
ー25を押し下げる。これにより、解放レバー25が座
10に干渉しない位置Qに退避するので、座10を引き
起こすことができる。
【0042】座10は、いずれか一方のフレーム、例え
ば第2のフレーム5に回転可能に支持されている。そし
て、座10が第2のフレーム5の横パイプ部17から外
れないように、開脚固定手段24の両側方に座10を回
転可能に挟み付ける挟持部材32が取り付けられてい
る。
【0043】座10は、図8に示すように着座のために
水平にした使用位置(着座位置)Sと歩行のために跳ね
上げられた退避位置Tとの間で回転可能にされている。
使用位置Sにある座10は、第2のフレーム5と開脚固
定手段24の上部に載って支持されている。このため、
着座者の体重を確実に支持することができる。挟持部材
32の一部には、座10が退避位置Tにあるときにロッ
クパイプ部13に係合して座10の位置をロックするロ
ック爪部33が形成されている。このため、座10を退
避位置Tに維持することができる。また、この座10
は、退避位置Tにあるときにハンドル支持フレーム91
と平行に成る傾きでロックされる。このため、歩行のた
めに座10を上方に回転して退避位置Tに位置させたと
きに第1のフレーム3と座10が側方から重なって見え
るので、見栄えを良くすることができる。
【0044】さらに、座10は例えばプラスチック製
で、座の着座者の臀部を包囲する部分10bが着座面1
0aより盛り上がった形状となるように形成されてい
る。したがって、着座者の臀部が周囲から包み込まれる
ように支持されるので、座り心地を良くすることができ
る。また、本実施形態では座10をプラスチック製にし
ているが、これには限られず硬質の心材の上面にクッシ
ョンを貼り付けたものにしたり、心材とクッションを上
張り地で覆ったものにすることができる。また、着座面
10aには滑り止めの小さな凸起が設けられている。
【0045】旋回可能な前側キャスタ2は、図9に示す
ようにキャスタ本体35と、該キャスタ本体35と第1
のフレーム3の縦パイプ部12を連結する連結部36
と、前側キャスタ2を歩行補助車1の前後方向に向けて
固定可能な直進固定手段106とを備えている。キャス
タ本体35は、車輪37およびタイヤ38と、車輪37
を回転可能に支持するヨーク39とを備えている。ヨー
ク39は、旋回中心CFに対して車輪中心WFをオフセ
ットするように形成されている。このため、図2に示す
ように、前側キャスタ2と後側キャスタ4とを互いに反
対に向けて固定することにより、前後車輪の接地間隔
(車輪中心WF,WRの間隔に等しい)Xを旋回軸C
F,CRの間隔よりも必ず広くすることができ、フレー
ム3,5を閉じて自立させた時の安定性を更に向上させ
ることができる。
【0046】連結部36は、縦パイプ部12の下端に嵌
合して固定されるベースキャップ40と、ベアリング4
1および旋回軸を構成するボルト(以下、ターンボルト
と呼ぶ)42とを備えている。ベアリング41は円筒形
状でヨーク39の上部に形成された嵌合穴43に嵌合さ
れている。ターンボルト42は、第1のフレーム3に固
定される頭部44と、断面四角形状でベースキャップ4
0に対して旋回しないように嵌合する回転ロック部45
と、断面円形状でベアリング41に嵌合する回転部46
と、ヨーク39を貫通するねじ部47とを備えている。
そして、縦パイプ部12とターンボルト42とベースキ
ャップ40とは、止めねじ48により固定されている。
また、このターンボルト42は、ベースキャップ40と
ベアリング41とヨーク39とを貫通してナット49に
よりねじ止めされている。このため、ベアリング41が
回転することにより、キャスタ本体35は第1のフレー
ム3に対して旋回することができる。
【0047】直進固定手段106は、前側キャスタ2を
歩行補助車1の前後方向に向けて固定可能にするもので
あり、本実施形態の場合、旋回可能なキャスタ本体35
に180°の間隔をあけて形成された一対のロック凹部
52,107と、第1のフレーム3に旋回不能に取り付
けられた少なくとも1個のロック部材51とで構成され
ており、ロック部材51がいずれかのロック凹部52,
107に嵌合することにより前側キャスタ2が前あるい
は後方向に向いて旋回不能に固定される。したがって、
全てのキャスタ2,4を固定することにより、歩行補助
車1の直進性を確保することができ、例えば傾斜面など
を歩行するときでも、真っ直ぐ歩ける。尚、本実施形態
の場合、一対のロック凹部52,107を180°間隔
で設けることにより、本来の直進固定手段106と逆向
き固定手段34とを兼ねるようにされている。もとも
と、直進固定手段106としては、旋回可能な前側キャ
スタ2が進行中には必然的に後向き(旋回軸CFよりも
車輪中心WFが後になること)となることから、ロック
凹部52さえあれば足りる。
【0048】ベースキャップ40には、外側に突出した
形状の取付部50が形成されている。この取付部50に
は、旋回をロックするロック部材51が回転可能に取り
付けられている。このロック部材51は、ヨーク39の
外周に形成された2つのロック凹部52,107および
ベースキャップ40の外周に形成された係合溝55の両
者に跨って係合可能な凸部53と、使用者が例えば足を
利用して操作可能な操作部54とを備えている。
【0049】ロック部材51は、取付部50に対して有
る程度の摩擦抵抗を有して取り付けられており、凸部5
3がロック凹部52,107および係合溝55に係合し
た位置(図9中、二点鎖線で示す)と外れた位置(同図
中、実線で示す)とに維持可能にされている。本実施形
態ではロック部材51の位置を維持するために摩擦抵抗
を利用しているが、これには限られず位置ロック用のば
ねや凹凸の係合手段等を利用するようにしても良い。
【0050】凸部53がロック凹部52,107および
係合溝55に跨って係合することにより、前側キャスタ
2の旋回がロックされる。このとき、凸部53がロック
凹部52,107および係合溝55に跨るので、ロック
部材51がキャスタ本体35のロック凹部52,107
のみに係合する場合に比べてロック力を大きくすること
ができる。
【0051】ロック凹部52,107はヨーク39の前
後部に形成されると共に、ロック部材51の凸部53は
車輪37が前後方向を向いたときに各ロック凹部52,
107に嵌合する位置に配置されている。そして、ヨー
ク39が後方に反るように(即ち、図1中実線で示す状
態に)固定されるときに凸部53が嵌合する凹部を直進
用ロック凹部52とし、またヨーク39が前方に反るよ
うに(即ち、図1中二点鎖線で示す状態に)固定される
ときに凸部53が嵌合する凹部を自立用ロック凹部10
7としている。ここで、凸部53をいずれの凹部52,
107に嵌合しても前側キャスタ2を前後方向に向けて
固定することができるので、歩行補助車1の直進性を確
保することができる。
【0052】後側キャスタ4は、図10に示すように、
車輪37およびタイヤ38と、車輪37を回転可能に支
持するヨーク56と、後側キャスタ4を第2のフレーム
5の縦パイプ部16に連結するロックボルト57とを備
えた固定キャスタである。ヨーク56は、前側キャスタ
2のヨーク39と同様に、旋回中心(後側キャスタ4は
旋回しないので、ここでは第2のフレーム5の縦パイプ
部16の中心線)CRに対して車輪中心WRをオフセッ
トするように形成されている。このため、前側キャスタ
2と後側キャスタ4とを互いに反対に向けることによ
り、フレーム3,5を閉じて自立させた時の安定性を向
上することができる。
【0053】ロックボルト57は、縦パイプ部16に固
定される頭部58と、断面四角形状でヨーク56に対し
て旋回しないように嵌合する回転ロック部59と、ヨー
ク56を貫通するねじ部60とを備えている。そして、
第2のフレーム5とロックボルト57とは、止めねじ6
1により固定されている。また、このロックボルト57
は、ヨーク56を貫通してナット62によりねじ止めさ
れている。このため、第2のフレーム5とロックボルト
57とヨーク56とが互いに回転できないので、後側キ
ャスタ4は旋回不能になる。
【0054】さらに、ヨーク56の上部には、外側に突
出した形状の取付部63が形成されている。この取付部
63には、ブレーキ操作用のケーブル64の外管68が
ねじ止めされている。また、このヨーク56には、ブレ
ーキシュー65が回転可能に取り付けられている。この
ブレーキシュー65は、ヨーク56に対して回転して制
動面66がタイヤ38を押圧することによりタイヤ38
の回転を抑制することができる。そして、ブレーキシュ
ー65の制動面66と反対側の端部には、ブレーキシュ
ー65を遠隔操作するためのケーブル64のワイヤ69
が連結されている。取付部63とブレーキシュー65と
の間には、制動面66をタイヤ38から離す方向に付勢
する圧縮コイルばねから成る戻りばね67が挟持されて
いる。このため、ワイヤ69に張力を与えない状態で
は、ブレーキシュー65は戻りばね67によりブレーキ
を掛けないように維持される。そして、ワイヤ69に張
力を与えることにより、ブレーキシュー65は張力に応
じた押圧力でタイヤ38を押圧してブレーキを掛ける。
【0055】一方、この歩行補助車1では、図1〜図3
に示すように第1のフレーム3に上方に延在するハンド
ル支持フレーム91が取り付けられている。そして、こ
のハンドル支持フレーム91には、前方へ向けて突出し
た背凭れベルト8と後方へ向けて突出したハンドル7と
が設けられている。これにより、ハンドル7の開放端を
後方を向いた形状に形成できるので、ハンドル7の間に
体を入れることができる。また、ハンドル7には、図1
1に示すように人間の手の形状に合わせた所謂エルゴノ
ミクスデザインのグリップ105が嵌合されている。こ
のため、使用者はハンドル7のグリップ105を握るこ
とにより手との密着感を得ることができ、快適な操作性
を得ることができる。
【0056】また、背凭れベルト8を備えているので、
使用者が座10に腰掛けたときに背中を凭れかけること
ができる。このため、より効果的に休息することができ
る。さらに、背凭れベルト8の中央部は、他の部位に比
べて幅広な形状にしている。これにより、着座者が凭れ
たときに広い面積で背中を支持することができるので、
座り心地を向上することができる。
【0057】ここで、図1に示すようにハンドル支持フ
レーム91の上部にはパイプを覆うハンドルカバー70
が取り付けられている。そして、このハンドルカバー7
0に対して背凭れベルト8とブレーキ操作装置9が取り
付けられている。背凭れベルト8とハンドルカバー70
とは、連結部材71により連結されている。
【0058】連結部材71は、図12に示すように背凭
れベルト8が取り付けられる取付溝72と、ハンドルカ
バー70に挿入して支持される挿入部73とを備えてい
る。そして、取付溝72に背凭れベルト8の端部を収容
した状態で蓋部材74により背凭れベルト8を挟持し
て、ボルト等により連結部材71と背凭れベルト8と蓋
部材74とを貫通してねじ止めする。これにより、背凭
れベルト8と連結部材71とが連結される。背凭れベル
ト8の貫通穴75は複数形成されている。このため、ね
じ止めする貫通穴75を変更することにより背凭れベル
ト8の長さを変更することができるので、使用者の体形
に合わせて座り心地を最適にすることができる。
【0059】さらに、取付溝72の内壁の上下面には突
起76が形成されている。また、背凭れベルト8の端部
の両縁には凹部77が形成されている。これら取付溝7
2の突起76と背凭れベルト8の凹部77とが係合する
ことにより、背凭れベルト8の抜け止めを図っている。
このため、背凭れベルト8の貫通穴75に掛かる負担を
軽減することができる。そして、連結部材71と背凭れ
ベルト8とは、ボルトなどによる止め付けと凹凸76,
77の係合により強固に連結されている。
【0060】連結部材71の挿入部73には複数の貫通
穴78が形成されている。そして、いずれかの貫通穴7
8をハンドルカバー70に形成された貫通穴に合わせて
ボルト等を貫通させて止め付ける。これにより、連結部
材71とハンドルカバー70とを連結することができ
る。また、ねじ止めする挿入部73の貫通穴78を変更
することにより背凭れベルト8の長さを変更することが
できるので、使用者の体形に合わせて調整することがで
きる。
【0061】そして、ハンドル7の下方に設けられたブ
レーキ操作装置9は、図13〜図15に示すように、ハ
ンドル7に対して回転可能に取り付けた上下方向に操作
可能な操作レバー79を備えて、該操作レバー79の操
作によりブレーキ操作用のワイヤ69を引っ張るもので
ある。このブレーキ操作装置9は、ハンドル7に対して
回転可能に支持されると共にワイヤ69が固定されるカ
ム部材80と、操作レバー79を下方向Dに回転させた
状態をロックするロック機構85とを有している。
【0062】そして、操作レバー79は、第1の押圧部
81と第2の押圧部82とを備えている。第1の押圧部
81は、操作レバー79を上方向Uに操作したときにカ
ム部材80をワイヤ69を引く方向に回転させる。第2
の押圧部82は、操作レバー79を下方向Dに操作した
ときにカム部材80をワイヤ69を引く方向に回転させ
る。さらに、カム部材80は、操作レバー79の第1の
押圧部81により押圧される第1の受け部83と、操作
レバー79の第2の押圧部82により押圧される第2の
受け部84とを備えている。本実施形態では、操作レバ
ー79は、ハンドル7のフレーム91に固定されたハン
ドルカバー70に対してレバー支軸111により回転可
能に支持されている。このため、操作レバー79の回転
中心が操作方向U,Dに関わらず常に一定であるので、
安定した操作感を得ることができる。
【0063】さらに、ワイヤ69は後側キャスタ4のブ
レーキシュー65に連結されている。このため、操作レ
バー79の操作によりワイヤ69を引き上げるとブレー
キシュー65を作動させてブレーキを掛けることができ
る。
【0064】また、図14に示すように、操作レバー7
9を中立位置M(図中、二点鎖線で示す)から上方向U
に徐々に引き上げると(実線で示す)、第1の押圧部8
1が第1の受け部83を押圧して、カム部材80を回転
させてワイヤ69を徐々に引き上げる。そして、操作レ
バー79への外力を無くすと、後側キャスタ4の戻りば
ね67によりワイヤ69が引き下げられて操作レバー7
9が中立位置Mに戻される。
【0065】また、図15に示すように、操作レバー7
9を中立位置M(図中、二点鎖線で示す)から下方向D
に押し下げて押し下げ位置N(実線で示す)に位置させ
ると、第2の押圧部82が第2の受け部84を押圧し
て、カム部材80を回転させてワイヤ69を引き上げ
る。このとき、ロック機構85が作動して操作レバー7
9が押し下げ位置Nで固定される。
【0066】ロック機構85は、操作レバー79に形成
されたロック突起86と、ロック突起86が当たって乗
り越えるロックピン87およびその周囲に回転可能に嵌
合されたカラー88とを備えている。ロックピン87お
よびカラー88は、ハンドルカバー70に取り付けられ
ると共に操作レバー79が中立位置Mと押し下げ位置N
との間で移動するときにロック突起86が当たって乗り
越える。
【0067】ここでのロック突起86がカラー88を乗
り越えるのに必要な力の大きさは、後側キャスタ4の戻
りばね67のばね力よりも大きくしている。このため、
操作レバー79を中立位置Mと押し下げ位置Nとで変更
するときにクリック感を得ることができると共に押し下
げ位置Nで戻りばね67に抗してロックすることができ
る。これにより、ブレーキを掛けたままにできるので、
歩行補助車1のパーキングブレーキとして機能すること
ができる。また、ロックピン87には回転可能なカラー
88を取り付けているので、ロック突起86とロックピ
ン87との摩擦を軽減することができる。
【0068】よって、操作レバー79の操作方向を上下
に変えることによりブレーキを徐々に掛ける操作とブレ
ーキを掛けたままロックする操作とを切り換えることが
できるので、多機能でありながら容易な操作性を得るこ
とができる。
【0069】また、操作レバー79は環状の操作部89
を有している。このため、使用者は例えば人差し指から
小指までの4本の指を操作部89に入れた状態でハンド
ル7を持って歩行する。そして、ブレーキを掛けるとき
はハンドル7および操作部89を握りしめて操作レバー
79を引き上げる。また、パーキングブレーキを掛ける
ときは、例えば親指をハンドル7から外して4本の指で
操作レバー79を押し下げてロックする。このため、操
作レバー79の引き上げおよび押し下げの度にハンドル
7を握り直す必要が無いので、良好な操作性を得ること
ができる。
【0070】他方、第1のフレーム3の上部に設けられ
てハンドル7を昇降可能に支持する昇降部15は、図2
及び図16に示すように、第1のフレーム3の縦パイプ
部12に取り付けられた外パイプ90と、該外パイプ9
0に対して摺動可能に嵌合されたパイプ状のハンドル支
持フレーム(以下内パイプと呼ぶ)91と、これら外パ
イプ90および内パイプ91を固定可能な操作ねじ92
とを備えている。外パイプ90は、第1のフレーム3の
縦パイプ部12に溶接などにより一体化されている。操
作ねじ92は、外パイプ90および内パイプ91を貫通
すると共に外パイプ90に対して螺合して、尚かつ先端
が内パイプ91の内周面を外に向けて押圧する。内パイ
プ91の上端にハンドル7が形成されている。また、内
パイプ91には、操作ねじ92を貫通させる止め孔93
が数カ所に形成されている。
【0071】そして、操作ねじ92を弛めて内パイプ9
1から外すことにより、内パイプ91を昇降することが
できる。また、操作ねじ92を内パイプ91の止め孔9
3に貫通させて内パイプ91の内周面を外パイプ90に
向けて押圧するよう締め付けることにより、内パイプ9
1の位置を固定することができる。この昇降部15によ
れば、操作ねじ92の先端が内パイプ91の内面に当接
するので、操作ねじ92と内パイプ91との接触部分に
傷が付いても外部に露出せず見栄えを悪くないようにす
ることができる。さらに、歩行中の振動などにより操作
ねじ92が弛んでも内パイプ91が落ち込むことはない
ので、高い安全性を得ることができる。しかも、内パイ
プ91に複数の止め孔93を形成しているので、ハンド
ル7の高さを段階的に変更することができ、使用者の身
長に合わせて適した高さに調整することができる。しか
も、高さが段階的であるため、右ハンドルと左ハンドル
とを異なる高さに設定して使えば一見して判別できるの
で、そのような使用を防ぎ得る。
【0072】さらに、この歩行補助車1は、図17に示
すように例えば第1のフレーム3に対して脱着可能な袋
体94を有するようにしている。このため、使用者は荷
物を袋体94に収容して持ち運ぶことができる。しか
も、袋体94は着脱可能なので、使用者が歩行補助車1
から離れるときに袋体94ごと取り外して持ち運ぶこと
ができ盗難などに対する安全性と使用性を向上すること
ができる。
【0073】この袋体94は、上下にいわゆるマジック
テープ(面ファスナー)等から成る取付ベルト95を有
している。各取付ベルト95は、第1のフレーム3の2
本の横パイプ部13,14にそれぞれ巻き付けて固定さ
れている。本実施形態では、取付ベルト95は上下共に
左右に取り付けられており、各横パイプ部13,14に
それぞれ2箇所ずつ合計4箇所で固定されている。ま
た、袋体94の蓋の開閉用にもマジックテープを使用し
ている。さらに、この袋体94の上部には、取っ手96
が取り付けられている。このため、袋体94を歩行補助
車1から外したときに使用者は取っ手96を把持して容
易に持ち運ぶことができる。
【0074】上述した歩行補助車1を使用するときは、
ハンドル7の高さや背凭れベルト8の長さを予め適した
量に設定しておく。そして、図1に示すように各フレー
ム3,5を開く。このとき、開脚固定手段24により各
フレーム3,5が開放した状態を維持することができ
る。この時、座10を退避位置Tに引き起こして、この
状態を挟持部材32のロック爪部33により固定する
と、使用者の両足が後側キャスタ4よりも前側に入るこ
とができるので、歩行車としても利用することができ
る。使用者はハンドル7を把持して第2のフレーム5の
内側に入り込んで後側キャスタ4の間あるいはその前側
に位置して歩行することができる。
【0075】このとき、前側キャスタ2のロック部材5
1を外して旋回可能にしておく。これにより、歩行の方
向を容易に変更することができる。また、傾斜面などを
歩行するときは、ロック部材51を操作して前側キャス
タ2を後側キャスタ4と同じ向きにして固定する。これ
により、傾斜面でも前側キャスタ2が旋回して傾斜面を
落ちることを防止して直進性を確保できる。
【0076】また、歩行中はブレーキ操作装置9を操作
することにより、握った力に応じたブレーキ力を与えた
り若しくはパーキングブレーキを作動させることができ
る。このため、例えば目的の店の前でパーキングブレー
キを掛けて歩行補助車1を置いておき、袋体94を取り
外して店に入ることができる。さらに、使用者が休息す
るときは、座10を水平な使用位置Sに戻す。これによ
り、使用者は着座することができるようになる。
【0077】歩行補助車1を収容するときは、前側キャ
スタ2を前向きに固定する。そして、開脚固定手段24
を外して各フレーム3,5を折り畳む。この折り畳んだ
状態で閉脚固定手段11を作動させてロックする。これ
により、歩行補助車1を畳んだまま自立させることがで
きる。
【0078】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では、閉脚固定手段11の係
合機構18が第1のフレーム3に取り付けられると共に
アーム19が第2のフレーム5に取り付けられている
が、これには限られず係合機構18が第2のフレーム5
に取り付けられると共にアーム19が第1のフレーム3
に取り付けられるようにしても良い。この場合も係合機
構18とアーム19との係合により各フレーム3,5を
閉じた状態に維持することができる。
【0079】また、本実施形態では、閉脚固定手段11
を係合機構18とアーム19とを備えたものにしている
が、これには限られず図18に示すように第2のフレー
ム5の一方の縦パイプ部16の上部に固定されると共に
各フレーム3,5を閉じたときに第1のフレーム3のロ
ックパイプ部13に係合可能な爪部97を有するものに
しても良い。この場合、各フレーム3,5を閉じたとき
に、第2のフレーム5に固定された閉脚固定手段11の
爪部97が第1のフレーム3のロックパイプ部13に係
合することにより各フレーム3,5が折り畳まれた状態
を維持できる。
【0080】さらに、本実施形態では、着脱可能な袋体
94を備えているが、これには限られず例えば図19に
示すようにワイヤ材などから成るかご98を着脱可能に
取り付けるようにしても良い。この場合、使用者は荷物
などをかご98に入れて運搬することができると共に、
かご98を取り外して持ち歩くこともできる。ここでの
かご98は、例えば第1のフレームの各横パイプ部1
3,14に着脱可能に組み付けるようにする。また、上
述した各実施形態では袋体94やかご98を着脱可能に
しているが、これには限られず袋体94やかご98を歩
行補助車1に取り付けたまま固定したものとしても良
い。この場合も袋体94やかご98に荷物を入れて歩行
補助車1と共に運搬することができる。
【0081】また、本実施形態における背凭れベルト8
は、連結部材71を利用して長さを変更可能に設けてい
るが、これには特に限られず、背凭れベルト8と連結部
材71とハンドルカバー70とを長さ調整できないよう
に一体的に組み付けるようにしても良い。この場合、部
品の形状などを簡易化することができる。
【0082】そして、本実施形態では、閉脚固定手段1
1と逆向き固定手段34との併用により歩行補助車1を
畳んで自立可能にしているが、これには限られず歩行補
助車1を畳んだときに重心が前後のキャスタ2,4の間
に入れば閉脚固定手段11のみの利用により自立させる
ことができる。
【0083】さらに、本実施形態では、前側キャスタ2
および後側キャスタ4は車輪37とタイヤ38以外の部
材を別形状の専用品にして形成しているが、これには限
られず図20と図21に示すように前側キャスタ2およ
び後側キャスタ4をキャスタ本体35と連結部36とを
備えるものにして各キャスタ本体35の全体と連結部3
6の一部を共用するようにしても良い。これにより、必
要な部品の種類を減らすことができるので、部品コスト
の削減を図ることができる。
【0084】この場合、キャスタ本体35は、車輪37
およびタイヤ38と、車輪37を回転可能に支持するヨ
ーク39とを備えている。このキャスタ本体35は連結
部36を介して各フレーム3,5に連結されているの
で、前後のキャスタ2,4に共用することができる。ま
た、ヨーク39の上部には、図22に示すように連結部
36を取り付けるための嵌合穴43が形成されている。
この嵌合穴43は、円形の穴部に対して同心の正方形を
その角部43aのみが円穴部43bより大きくなるよう
に重ねた形状にしている。
【0085】前側キャスタ2の連結部36は、図20に
示すように、第1のフレーム3の下端に嵌合して固定さ
れるベースキャップ40と、キャスタ本体35を第1の
フレーム3に対して旋回可能にするベアリング41およ
びターンボルト42とを備えている。そして、ベースキ
ャップ40は、後側キャスタ4の連結部36においても
共用できる。なお、前側キャスタ2の他の部材について
は、上述した図9に示す実施形態と同様の構成であるの
で、符号を同じくして説明を省略する。
【0086】後側キャスタ4の連結部36は、図21に
示すように、第2のフレーム5の下端に嵌合して固定さ
れるベースキャップ40と、キャスタ本体35を第2の
フレーム5に対して旋回できないように固定するカラー
99およびロックボルト57を備えている。カラー99
は、図23に示すように嵌合穴43と同じ形状および大
きさの角部99aと円形部99bを有しており、該嵌合
穴43に填り込んでいる。このため、カラー99と嵌合
穴43の角部99a,43a同士が引っ掛かることによ
り、カラー99はヨーク39に対して回転不能に固定さ
れる。このカラー99の中心部には断面正方形の貫通孔
から成る固定孔100が形成されている。この固定穴1
00にはロックボルト57の回転ロック部59が嵌合す
るので、カラー99とロックボルト57とは互いに回転
できない。
【0087】ロックボルト57は、第2のフレーム5に
止めねじ61で固定されると共に、ベースキャップ40
とカラー99とヨーク39とを貫通してナット62によ
りねじ止めされている。カラー99がヨーク39とロッ
クボルト57のいずれに対しても回転できないように固
定されるので、キャスタ本体35は第2のフレーム5に
対して旋回できないように固定される。
【0088】さらに、ベースキャップ40の取付部50
には、ケーブル64の外管68がねじ止めされている。
また、キャスタ本体35のヨーク39には、ブレーキシ
ュー65が回転可能に取り付けられている。なお、後側
キャスタ4の他の部材については、上述した図10に示
す実施形態と同様の構成であるので、符号を同じくして
説明を省略する。
【0089】一方、上述した各実施形態では、前側キャ
スタ2と後側キャスタ4がいずれも単輪の場合について
説明したが、これには特に限られず双輪構造としても良
い。この場合、歩行の直進安定性を更に得ることができ
る。
【0090】また、上述の各実施形態では使用者は歩行
補助車1に後側から後向きに着座するようにしている
が、これには限られず前側から前向きに着座する所謂シ
ルバーカーと呼ばれる車両に構成するようにしても良
い。例えば図24に示すように、第2のフレーム5の縦
パイプ部16の上部に背支桿101を溶接などにより一
体化する。この背支桿101には、上部に背凭れ102
を取り付けると共に中央部に座10を回転可能に取り付
ける。この歩行補助車1では、図1等に示す歩行補助車
1と異なって背凭れベルト8を採用せずに、第1のフレ
ーム3の左右の昇降部15,15の間に使用者が前側か
ら入れるようにする。これにより、使用者は歩行補助車
1に前側から前向きに座って背凭れ102に凭れること
ができる。ここで、背凭れ102および座10の内部に
は、クッションが含まれている。このため、座り心地を
向上することができる。
【0091】また、このような前向き着座のケースにお
いて、座10の支持構造を図1〜図9に示す実施形態の
ようにしても良い。この場合、背凭れ102を座10に
対して前方には折曲げ可能な構造とすれば、背凭れ10
2を前方へ折り曲げると同時に後から座10を持ち上げ
ることができる。
【0092】さらに、この実施形態では、座10の下方
に袋体94を設けると共に、座10が袋体94の蓋を兼
用するようにしている。このため、座10を水平に位置
させることにより袋体94の蓋が閉められる。また、図
24中、二点鎖線で示すように座10を上側に回転させ
ることにより袋体94が開いて荷物を出し入れすること
ができる。
【0093】また、この実施形態では、歩行補助車1の
後方から座ることがないので、左右のハンドル7,7を
連結部103により連結している。また、左右のブレー
キ操作装置9,9の操作部89,89も連結部104に
より連結している。このため、使用者は両手を左右に開
かなくてもハンドル7の連結部103を持ちやすい幅で
握ることができるので、良好な使用感を得ることができ
る。しかも、ハンドル7の連結部103のどの場所を握
っていてもその下側に操作部89の連結部104が存在
するので、ブレーキ操作を容易に行うことができる。
【0094】そして、上述した各実施形態では第1のフ
レーム3の昇降部15で操作ねじ92が内パイプ91を
貫通するようにしているが、これには限られず操作ねじ
92が内パイプ91を貫通せずにその外面を押圧するよ
うにしても良い。この場合は、内パイプ91が外パイプ
90に対して回転しないように長手方向に反った回転防
止溝を形成することが好ましい。この昇降部15によれ
ば、内パイプ91の高さを無段階に調整できるようにな
る。また、高さ調整が不要な場合にはハンドル支持フレ
ーム91は、第1のフレーム3あるいは第2のフレーム
5と一体的に設けることも可能である。
【0095】更に、図25に示すように、本発明の歩行
補助車は、歩行訓練器として構成することも可能であ
る。この場合、ハンドル7及びハンドル支持フレーム9
1に代えて、肘当て部108を有するフレーム109を
昇降部15の外パイプ90に嵌入させて支持するように
している。この肘当て部108は昇降部15の操作ねじ
92を弛めてフレーム109を出入りさせることによっ
て、高さ調整可能としている。
【0096】この歩行訓練器の後側キャスタ4は、車輪
37の回転に常に負荷を付与可能な負荷機構112を備
えるようにしている。このため、歩行訓練器が軽い力で
動くことを防止できるので、例えば足の不自由な人が使
用するときに歩行訓練器だけが先に進んでしまうことを
防止して安全性を高めることができる。また、負荷を常
時与えることにより、歩行しようとする者がこの歩行訓
練器を動かそうとすることで歩行の訓練になる。なお、
図25中、その他の部材は上述した歩行補助車1のもの
と同様であるので、符号を同じくして説明を省略する。
【0097】この負荷機構112は、図26に示すよう
にヨーク56に対して揺動可能なブレーキシュー65
と、該ブレーキシュー65の制動面66の反対側の端部
に取り付けられた張力付与部材114とを備えている。
ブレーキシュー65の制動面66は凹凸面とされてい
る。このため、タイヤ38との摩擦を大きくして効果的
に負荷を与えることができる。
【0098】張力付与部材114は、図27に示すよう
に、操作部119と、調整ねじ部115と、調整ねじ部
115に一体化されたワイヤ部116と、ワイヤ部11
6の先端に形成された係合球部117とを有している。
そして、調整ねじ部115がヨーク56の取付部63に
ナット118により位置を調整可能にねじ止めされてい
る。また、係合球部117がブレーキシュー65に係止
されている。このため、張力付与部材114がブレーキ
シュー65に常に張力を与えるようにできるので、歩行
訓練器を動かすために常に負荷が生ずるようにできる。
【0099】そして、操作部119および調整ねじ部1
15の操作により張力付与部材114の位置を長手方向
に調整することによって、ワイヤ部116の張力を調整
することができる。これにより、ブレーキシュー65へ
の張力を変更して、制動面66のタイヤ38への押圧
力、即ち負荷の大きさを調整することができる。また、
張力付与部材114を大きく弛めることにより、制動面
66のタイヤ38への押圧力を無くすようにもできる。
【0100】また、本実施形態では、ワイヤ部116の
周囲に付勢ばね113が設けられている。この付勢ばね
113は例えば圧縮コイルばねから成ると共に、ブレー
キシュー65の制動面66がタイヤ38から離れる方向
に付勢している。このため、張力付与部材114をブレ
ーキシュー65側に移動させてワイヤ部116が弛んで
ブレーキシュー65がタイヤ38に負荷を与えないよう
に成ったときに制動面66がタイヤ38から離れたまま
維持されるので、ブレーキシュー65がフリーに成って
しまうことを防止できる。
【0101】さらに、操作部119はボルトの頭部から
成るものにしている。このため、操作部119が簡単に
回ってしまうことが無いので、例えば操作部119に対
して使用者が足を当てて負荷の大きさを変えてしまうこ
とを防止できる。
【0102】この負荷機構112によれば、張力付与部
材114がブレーキシュー65の制動面66を常にタイ
ヤ38に押圧するようにできるので、歩行訓練器の移動
に対して負荷を与えることができる。そして、操作部1
19およびナット118を調節することにより負荷の大
きさを調整することができるので、例えば利用者の歩行
能力や訓練の程度に合わせた最適な大きさの負荷を得る
ことができる。
【0103】図26に示す実施形態では、操作部119
はボルトの頭部から成るようにしているが、これには限
られず例えば操作レバーにしても良い。この場合、取付
部63にナット118を固定しておく。また、使用者が
操作レバーに足を当てたりしないように操作レバーの自
由端を例えば歩行訓練器の外側に向けるようにする。こ
のような操作部によれば、負荷の大きさを容易に調整す
ることができるので、操作性を良好にすることができ
る。
【0104】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の歩行補助車によれば、閉脚固定手段により各フ
レームを閉じた状態で固定することができるので、歩行
補助車を畳んだまま自立させることができる。このた
め、歩行補助車を使用しない時に狭い場所でも自立させ
ておくことができるようになる。
【0105】また、請求項2記載の歩行補助車によれ
ば、全キャスタを前後方向に向けて固定することができ
るので、坂道などにおいても歩行補助車の直進性を確保
することができる。
【0106】また、請求項3記載の歩行補助車によれ
ば、前後のキャスタを互いに反対向きにして車輪の接地
間隔の拡大を図るときに旋回キャスタの車輪高さを下げ
ることにより車体の前傾を防ぐことができるので、歩行
補助車を畳んだときに倒れにくくし安定した自立を図る
ことができる。
【0107】さらに、請求項4記載の歩行補助車によれ
ば、開脚固定手段によりフレームが開いた状態に固定さ
れるので、歩行補助車の移動時に例えば前側キャスタが
障害物にぶつかったときに歩行補助車が不用意に畳まれ
てしまうことを防止できる。
【0108】そして、請求項5記載の歩行補助車によれ
ば、座を上方に回転させて跳ね上げたときに、後輪より
も前に足・脚が入るので、歩行車として使用することが
できる。更に、歩行中に疲れなどで腰掛けたくなったと
きには、体の向きを変えるだけでそのまま座に腰掛ける
ことができる。しかも、フレームと座とが側方から見て
重なるので、見栄えを良くすることができる。
【0109】また、請求項6記載の歩行補助車によれ
ば、開脚固定手段の解放レバーが座よりも外側に突出し
ているので、開脚固定手段を解除操作するときの操作性
を向上することができる。また、解放レバーは座に干渉
しない位置に回転移動できるので、座を引き起こしても
解放レバーに干渉することを防止できる。
【0110】一方、請求項7記載の歩行補助車によれ
ば、背凭れベルトにより使用者が座に腰掛けたときの安
定性を高めることができる。
【0111】また、請求項8記載の歩行補助車によれ
ば、折畳み可能でかつ折畳んだ状態で自立可能なシルバ
ーカーを提供できる。
【0112】さらに、請求項9記載の歩行補助車によれ
ば、使用者は荷物を袋体に収容して持ち運ぶことができ
る。しかも、袋体は着脱可能なので、使用者が歩行補助
車から離れるときに貴重品等を入れた袋体ごと取り外し
て持ち運ぶことができ安全でかつ使用し易い。
【0113】また、請求項10記載の歩行補助車によれ
ば、座の着座者の臀部を包囲する部分が着座面より盛り
上がった形状であるようにしているので、着座者の臀部
が周囲から包み込まれるように支持されるので、座り心
地を良くすることができる。
【0114】更に、請求項11記載の歩行補助車によれ
ば、折畳み可能でかつ折畳んだ状態で自立可能な歩行訓
練器として利用できる。
【0115】ここで、請求項12記載の歩行補助車によ
れば、歩行訓練器が軽い力で移動することを防止できる
ので、例えば足の不自由な人が使用するときに歩行訓練
器だけが先に進んでしまうことを防止して安全性を高め
ることができる。また、負荷を常時与えているので、利
用者が歩行訓練器を動かすために前向きに押さなければ
ならず歩行訓練を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歩行補助車の使用状態を示す側面図で
ある。
【図2】歩行補助車を畳んで自立させた状態を示す側面
図である。
【図3】歩行補助車の使用状態を示す正面図である。
【図4】図5のIV−IV線で切断した状態を示す縦断
面図である。
【図5】閉脚固定手段を示す側面図である。
【図6】開脚固定手段を示す側面図である。
【図7】開脚固定手段を示す正面図である。
【図8】座を示す側面図である。
【図9】前側キャスタを示す側面図である。
【図10】後側キャスタを示す側面図である。
【図11】ハンドルの右手用のグリップを示す図であ
り、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図12】背凭れベルトの連結部材を示す斜視図であ
る。
【図13】ブレーキ操作装置の操作レバーが中立位置に
あるときを示す側面図である。
【図14】ブレーキ操作装置の操作レバーを引き上げた
ときを示す側面図である。
【図15】ブレーキ操作装置の操作レバーが押し下げ位
置にあるときを示す側面図である。
【図16】昇降部を示す中央縦断面側面図である。
【図17】袋体を示す側面図である。
【図18】閉脚固定手段の他の実施形態を示す側面図で
ある。
【図19】かごを示す側面図である。
【図20】前側キャスタの他の実施形態を示す側面図で
ある。
【図21】後側キャスタの他の実施形態を示す側面図で
ある。
【図22】ヨークの他の実施形態を示す平面図である。
【図23】カラーを示す平面図である。
【図24】座およびハンドルの他の実施形態を示す側面
図である。
【図25】歩行訓練器として構成した実施形態を示す側
面図である。
【図26】歩行訓練器として構成したときの後側キャス
タを示す側面図である。
【図27】張力付与部材を示す側面図である。
【図28】従来の歩行補助車のフレームを開いた状態を
示す側面図である。
【図29】従来の歩行補助車のフレームを閉じた状態を
示す側面図である。
【符号の説明】
1 歩行補助車 2 前側キャスタ 3 第1のフレーム 4 後側キャスタ 5 第2のフレーム 6 連結軸 7 ハンドル 8 背凭れベルト 10 座 10a 着座面 10b 着座面より盛り上がった部分 11 閉脚固定手段 24 開脚固定手段 25 解放レバー 34 逆向き固定手段 51 直進固定手段及び逆向き固定手段を構成するロッ
ク部材 52,107 直進固定手段及び逆向き固定手段を構成
するロック凹部 91 ハンドル支持フレーム 94 袋体 106 直進固定手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前側キャスタにより支持される第1のフ
    レームと後側キャスタにより支持される第2のフレーム
    とを連結軸によって互いに折り畳み可能に連結されて成
    る脚と前記フレームのいずれか一方に備えられるハンド
    ルとを有する歩行補助車において、前記第1のフレーム
    と前記第2のフレームとを前記連結軸を中心に回転させ
    て折り畳んで閉脚したときに前記第1のフレームと前記
    第2のフレームとを連結して自立可能にする閉脚固定手
    段を備えることを特徴とする歩行補助車。
  2. 【請求項2】 前記前側キャスタはキャスタ旋回軸を中
    心に旋回可能であると共に、この旋回可能な前記キャス
    タを前記歩行補助車の前後方向に向けて固定可能な直進
    固定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の歩行
    補助車。
  3. 【請求項3】 前記前側キャスタをそのキャスタ旋回軸
    よりも前方へ車輪中心が配置される位置に旋回させた状
    態で固定可能な逆向き固定手段を備えることを特徴とす
    る請求項1または2記載の歩行補助車。
  4. 【請求項4】 前記第1のフレームと前記第2のフレー
    ムとが開脚状態にあるときに前記第1のフレームと前記
    第2のフレームとを連結して互いの関係を固定する開脚
    固定手段を備えることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれかに記載の歩行補助車。
  5. 【請求項5】 歩行時に前方側となるフレームの横パイ
    プ部に回転可能に支持され着座位置と退避位置との間で
    回転可能な座を備えることを特徴とする請求項1から4
    のいずれかに記載の歩行補助車。
  6. 【請求項6】 前記開脚固定手段を前記座の下側に備え
    て、尚かつ前記開脚固定手段は、前記座よりも外側に突
    出して前記開脚固定手段を解放操作可能な位置と前記座
    を起こしても干渉しない位置との間で回転可能な解放レ
    バーを備えることを特徴とする請求項5記載の歩行補助
    車。
  7. 【請求項7】 前記ハンドルよりも前方に向けて突出し
    た背凭れベルトを備えることを特徴とする請求項5また
    は6記載の歩行補助車。
  8. 【請求項8】 歩行時に後方側となるフレームの横パイ
    プ部に回転可能に支持され上へ開閉回転可能な前向きの
    座を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    に記載の歩行補助車。
  9. 【請求項9】 前記フレームに対して脱着可能な袋体を
    有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記
    載の歩行補助車。
  10. 【請求項10】 前記座の着座者の臀部を包囲する部分
    が着座面より盛り上がっていることを特徴とする請求項
    5または8記載の歩行補助車。
  11. 【請求項11】 前記ハンドルを有するフレームに肘当
    て部を設け、歩行訓練器としても用いることができるこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の歩行
    補助車。
  12. 【請求項12】 前記歩行訓練器の前記後側キャスタ
    は、車輪の回転に常に負荷を付与可能な負荷機構を備え
    ることを特徴とする請求項11記載の歩行補助車。
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