JP3694595B2 - イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムの混練り方法 - Google Patents

イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムの混練り方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成ゴムであるイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物を混練りする方法、さらに詳しくはイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物にエポキシ化合物を添加して混練りする方法、該方法によって製造された未架橋ゴムコンパウンド並びに該未架橋ゴムコンパウンドに有機過酸化物を添加して架橋する方法およびそれから製造されるゴム製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム(以下部分架橋ブチルゴムと略称することがある)は、イソプレンとイソブチレンとジビニルベンゼンの共重合によって製造され、重合中にジビニルベンゼンが、架橋構造を生成するように反応し、その結果として分子構造中に網状構造を持つ合成ゴムである。
【0003】
そしてイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムは例えば市販の商品として、バイエル社の商品名ポリサーブチルXL-10000として公知の合成ゴムである。架橋度は、シクロヘキサンに対する溶解度が、15〜35wt%である程度であり、この部分架橋ブチルゴムは、30重量部以上のポリブテンのような可塑剤と100重量部以上の炭酸カルシウムと混合して、未架橋の状態でシーラントとして使用されるのが一般的である。そしてシーラントとして使用する場合、可塑剤として液状のポリブテン、流動パラフィン、パラフィン系プロセスオイル等を任意に添加し、柔らかい未架橋のゴムのコンパウンドとして使用される。
【0004】
このような用途においては、粘着が問題になるが該未架橋ゴムコンパウンドを製造する際の混練り工程の作業にはほとんど問題はない。
【0005】
部分架橋ブチルゴムは、有機過酸化物で架橋可能であり、この有機過酸化物架橋については、1972年10月3日〜4日のロンドンのゴム工業会において、プラスチックとポリマー部門で、該ゴムに酸化マグネシウム、カーボンブラック等を添加してジクミルペルオキシドで架橋する方法がポリサー社によって発表されている。
【0006】
部分架橋ブチルゴムを有機過酸化物で架橋して得られる架橋ゴムの特徴は、圧縮永久歪が低いことと、架橋時間が極めて短いので、架橋成型時間の短縮から経済効果が期待できることである。そして該架橋ゴムはブチルゴムのパッキンとして使用されている。
【0007】
しかしながら、部分架橋ブチルゴムを架橋して使用する目的で、未架橋ゴムコンパウンドを効率よく製造する場合には、次のような問題点がある。すなわち部分架橋ブチルゴム自体がかなり高い割合で架橋されている為に、混練りが極めて困難なことである。
【0008】
即ち、混練り時間が長くかかることと、それから得られる未架橋ゴムコンパウンドは加工成型するのに重要なシーティング特性が極めて悪いことである。
【0009】
経済性を考えると、混練り時間を短縮し、架橋剤を添加する時点で平滑な未架橋のゴムシートが得られるのが理想である。
【0010】
部分架橋ブチルゴムを、有機過酸化物で架橋し、架橋ゴムとして使用するのを目的として、未架橋ゴムのコンパウンドを製造する場合、部分架橋ブチルゴムにカーボンブラック、炭酸カルシウム、タルクおよびクレー等の充填剤を添加して混練りするが、この混練り作業を実施するのは極めて至難である。例えば約60キログラムの未架橋ゴムのコンパウンドを製造するのに、オープンロールで作業をすると、数時間を要する。そして充填剤を分散させた後の該コンパウンドからは平滑な未架橋のゴムシートは得られない。
【0011】
架橋剤としての有機過酸化物を除く部分架橋ブチルゴムと各種充填剤をインターナルミキサーで混練りする場合に使用される機械は、ミストロンBBシリーズ(株式会社神戸製鋼所製)、インテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製)、GKシリーズミキサー(三菱重工業製)、インターミックス(日立機械エンジニアリング株式会社製)およびヘビーバンバリー(株式会社佐藤製作所)等あるいはニーダーと呼ばれているゴム業界で一般的に使用されている密閉式混練機であり、練り作業効率の高いのが特徴である。
【0012】
しかしながら、部分架橋ブチルゴムを可塑剤の使用量が少ないかあるいは全く添加されていない状態で、混練り作業をする場合、20分以上機械で混合しても十分に均一な混合物は得られない。混練り時間が短いと、時々密閉式混練機から取り出された配合ゴムは、クレー、タルクの分散不良が目視によって、混練りしたゴムコンパウンドの断面に小さな白い固形物として確認される。
【0013】
更に粉状に粉砕されたゴムの表面が、充填剤として添加された粉体で被覆されたような状態となる場合すらある。そして10分以内で混練り作業を終了するのは至難である。
【0014】
更に密閉式混練機で充填剤を分散させた後、オープンロールによって架橋剤を添加する工程において、オープンロールに巻き付かせ、切り出したゴムは平滑なシートにならない。これはプレス架橋をして成型する原料としては致命的な欠点である。
【0015】
密閉式混練機による混練り時間の長短と混合状態の善し悪しについてはゴムの練り工程中の混練機械のモーターにかかる消費電力の変化を、混練時間の経過と共に観察すること、練りを終了させた時に、密閉式混練機から取り出された混練りしたゴムコンパウンドの断面の状態を観察すること、および架橋剤をオープンロールで添加する時点のコンパウンドのシーティング状態(シートにしたときのシートの状態)の善し悪しを観察することの3つを観察することで混合状態の良否を判別できる。消費電力と時間の関係を示すチャートは、株式会社オースギ製のピコメーターを密閉式混練機に設置することによって得られる。
【0016】
以上の観点から密閉式混練機による混練り時間の長短と充填剤の分散状態は、密閉式混練機から混練りされて取り出されたゴムコンパウンドを観察することによって判断される。さらに重要なシーティング特性(シートにしたときのシートの状態)の善し悪しの判断は、密閉式混練機から混練りされて取り出されたゴムコンパウンドを、オープンロールに投入してシート状となし、それに架橋剤を添加する作業工程で明白となる。
【0017】
前記のように架橋ブチルゴムと他の充填剤との練り作業時間は極めて長いのみならず、充填剤の分散及び得られるゴムコンパウンドのシーティング特性が極めて悪いことがわかる。このように従来は架橋を目的として部分架橋ブチルゴムを混練りし、工業製品を量産製造する場合には、生産工程の経済性に問題があり、従って部分架橋ブチルゴムと充填剤を短時間で混練りし、得られたコンパウンドから平滑な未架橋のゴムシートを製造する方法が特に望まれているのである。
【0018】
混練り時間の短縮方法として、部分架橋ブチルゴムと充填剤を結びつける作用の想定される物質を併用することが考えられるが、その場合添加される物質は、有機過酸化物の架橋に影響を与えないことが条件となる。
【0019】
密閉式混練機から取り出されたゴム混合物は、架橋剤の添加をオープンロールで実施するので、オープンロールへの粘着が少ないことも要求される。
【0020】
更に架橋剤を含む未架橋のゴムコンパウンドは、シーティングされて伝熱プレスによって架橋成型するのであるから、コンパウンドがなめらかなシート状態になることは、極めて重要な条件である。
【0021】
従来混練り時間の短縮方法としては、イソプレン・イソブチレンゴムを添加する方法が知られているがイソプレン・イソブチレンゴムを添加すると、10重量部程度の添加では効果がなく、30〜50重量部の添加で効果が顕著であるが、混練り時間短縮の為に添加したイソプレン・イソブチレンゴムは、有機過酸化物によって架橋時に分解される。これは架橋温度が高い程顕著であり、表面の粘着が激しい。すなわちこの方法は未架橋ゴムのままで使用されるシーリング材等の原料を製造する場合は有効な方法であるが、部分架橋ブチルゴムを架橋して、良好な圧縮永久歪を架橋ゴム製品に付与するのを目的とする場合、好ましい方法ではなく不適当である。また、ポリブテンを5〜25重量部添加した場合、混練り時間が短縮されることも知られているが、10重量部以上の添加によって、極めて粘着の激しい混合物となり、架橋ゴムの製造工程における練り生地(ゴムコンパウンド)のシーティング作業、架橋剤のオープンロールでの添加作業は、コンパウンドがロールの表面に粘着し、作業が極めて困難となる。このようなポリブテンの添加は、未架橋のシーリング材として使用する場合の手法であり、架橋を目的とした場合好ましい方法ではなく不適当である。更に、液状ポリブタジエンの様な液状ゴムを併用する方法も知られているが、この場合液状ポリブタジエンの添加量が増えるに従い、ポリブタジエンによる気体透過率の上昇、耐熱性の低下を来し、添加量に限界がある。10重量部以下の添加では混練り時間の短縮の効果はなく、適当な方法ではない。
このように部分架橋ブチルゴムを原料ゴムとして、架橋ゴム製品を製造する場合、混練りの時間の短縮と同時に、充填剤の分散状態の良いコンパウンドを製造する適当な方法がなく更に該コンパウンドに有機過酸化物をオープンロールで添加した後、良好なシート状となるようなコンパウンドが得られる混練り方法がないのが現状である。
【0022】
本発明は、部分架橋ブチルゴムの密閉式混練機による混練り時間を10分以内に短縮する新規な方法と、該方法によって混練りすることによって、シーティング特性の良好な未架橋ゴムコンパウンドを製造する方法を提供することにより、前記の混練りの問題を解決するものである。
【0023】
更に本発明の方法は経済効率の良い混練り作業性を有するので、新規な架橋ゴム製品の製造を可能にするものである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、部分架橋ブチルゴムに各種の充填剤を加えて密閉式混練機によって混練りして未架橋ゴムコンパウンドを製造する場合混練り時間を短縮できる経済性の高い新規な混練り方法を提供することである。また本発明の第2の目的は、該方法による混練り後オープンロールによる架橋剤の添加工程において、平滑なシートが得られる未架橋ゴムコンパウンドを提供することである。次に本発明の第3の目的は、前記未架橋ゴムコンパウンドの部分架橋ブチルゴムの特性を損なわない有機過酸化物による架橋方法を提供することである。そして本発明の第4の目的は該架橋方法によって新規なゴム製品を提供することである。
【0025】
このような新規な部分架橋ブチルゴムの混練り方法と、該方法によって得られる未架橋ゴムの架橋方法の提供は極めて望ましいものである。
【0026】
本発明の更に他の目的は以下の説明から一層明らかとなるであろう。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前述の本発明の目的は、イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムにエポキシ化合物を添加して混練りする方法、該方法により混練りして得られる未架橋ゴムコンパウンド、該未架橋ゴムコンパウンドに有機過酸化物を添加して架橋する方法および該架橋方法により得られる架橋ゴム製品により達成される。更に詳しくは、
(1)イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型乃至AD型エポキシ樹脂、AD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2乃至12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ化合物、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上のエポキシ化合物5〜50重量部を添加したイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法、及び該方法によって得られる未架橋ゴムコンパウンド。
【0028】
(2)イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型乃至AD型エポキシ樹脂、AD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2乃至12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ化合物、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上のエポキシ化合物5〜50重量部を添加したイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法によって得られる未架橋ゴムコンパウンドに、未架橋ゴムに含まれるイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部を基準として、ペルオキシエステル型、ジアルキルペルオキシド型乃至ペルオキシケタール型の有機過酸化物の群から選ばれる1種類又は2種類以上の有機過酸化物0.3〜4重量部(純度100%)を添加して架橋する方法、及び該方法によって架橋して得られる架橋ゴムによって達成される。
【0029】
本発明で用いられるイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムとは、イソプレンとイソブチレンとジビニルベンゼンの共重合によって製造され、重合工程中にジビニルベンゼンは、ポリマーに架橋構造を付与するものであり、シクロヘキサンによる溶解度が15〜35wt%程度のゴムである。
【0030】
イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムは、例えば商品名、XL10000としてバイエル社から上市されている公知の合成ゴムである。
【0031】
本発明で使用されるエポキシ化合物は、エポキシ樹脂および低分子量のエポキシ化合物を含む意味で用いられ、本発明の目的を達成しうるものであればいかなるものでも用いられるが具体的には例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型乃至AD型エポキシ樹脂、AD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2乃至12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ化合物及びナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂およびフタル酸(o−、m−、p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−、p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上のエポキシ化合物であり、その使用量は部分架橋ブチルゴム100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは5〜25重量部である。
【0032】
エポキシ当量(1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数)は900g/eq以下であり、300g/eq以下であるエポキシ化合物は望ましいものである。
【0033】
エポキシ化合物の使用量が5重量部より少ないと、コンパウンドのシーテイング特性が低下する(シート状態が悪くなる)ため望ましくなく、また50重量部より多くなると、強度の低下が大となるので好ましくない。
【0034】
特に、混練りに対して効果のあるエポキシ化合物は前述のエポキシ当量の内、軟化点が環球法で40℃〜110℃のエポキシ化合物が好ましい。そして、液状エポキシ化合物は、特に常温で固形のエポキシ化合物と併用すると、混練りによって得られる未架橋ゴムのコンパウンドにシーティング特性を付与するのに効果がある。
【0035】
以下に本発明で使用されるエポキシ化合物について更に詳細に説明する。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂とは、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの反応生成物であって、下記の構造式で示されるものである。
【0036】
液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂があるが、エポキシ当量は900g/eq以下であり、500g/eq以下であるエポキシ樹脂が好ましい。軟化点(℃)は環球法で110℃以下が好ましい。
【0037】
【化1】
Figure 0003694595
【0038】
ビスフェノールF型及びAD型のエポキシ樹脂とは、ビスフェノールFあるいはAD、あるいはビスフェノールADの骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応生成物であって、下記の構造式で示されるものである。
【0039】
【化2】
Figure 0003694595
【0040】
本発明はビスフェノールAD型の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂も包含する。エポキシ当量は300g/eq以下が好ましい。
【0041】
フェノールノボラック型エポキシ樹脂とは、フェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンの反応生成物であって、下記の構造式で示されるものである。
【0042】
エポキシ当量は300g/eq以下であり、軟化点(℃)は環球法で110℃以下が好ましい。
【0043】
【化3】
Figure 0003694595
【0044】
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とは、o−クレゾールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンの反応生成物であって、下記の構造式で示されるものである。エポキシ当量は300g/eq以下であり、軟化点(℃)は環球法で110℃以下が好ましい。
【0045】
【化4】
Figure 0003694595
【0046】
ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂とは、例えばエポキシ当量は
225g/eq〜245g/eqであり、商品名NC−7000及び7020シリーズ(日本化薬株式会社製品)として販売されているナフトール変性タイプのノボラック型エポキシ樹脂が使用できる。軟化点(℃)は環球法で110℃以下である。これらは下記の構造式で示されるものである。
【0047】
【化5】
Figure 0003694595
【0048】
トリフェニルメタン型エポキシ樹脂とは、例えば下記の構造式で示され、
EPPN500シリーズ,FAEシリーズ(日本化薬株式会社製品)の商品名で上市されているようなエポキシ樹脂である。エポキシ当量は300g/eq以下であり、軟化点(℃)は環球法で100℃以下である。
【0049】
【化6】
Figure 0003694595
【0050】
環式脂肪族エポキシ化合物とは、シクロヘキセン環の二重結合を酸化してエポキシ化したタイプのエポキシ化合物であり例えばアリシクリックジエポキシアセタール、アリシクリックジエポキシアジペート、アリシクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド等の環式脂肪族エポキシ化合物である。エポキシ当量は300g/eq以下の液状の化合物である。アリシクリックジエポキシアジペート、アリシクリックジエポキシカルボキシレートの構造式を下記に示す。
【0051】
【化7】
Figure 0003694595
【0052】
フタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物とは、フタル酸(o−、m−,p−)または芳香族環を水素添加したヒドロフタル酸(o−、m−,p−)とエピクロルヒドリンの反応生成物であり、例えばジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジメチルグリシジルフタレート、ダイマー酸グリシジルエステル、 ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルグリシジルヘキサヒドロフタレート等の化合物を挙げることができる。エポキシ当量は300g/eq以下の化合物が好ましい。ジグリシジルテトラヒドロフタレートの構造式を下記に示す。
【0053】
【化8】
Figure 0003694595
【0054】
本発明において、エポキシ化合物を部分架橋ブチルゴムと充填剤との混合物に添加し、密閉式混練機によって混合すると、10分以内の短時間で良好に充填剤が分散した未架橋のゴムコンパウンドを製造することができる。特に軟化点が環球法で40℃〜110℃のエポキシ化合物は、部分架橋ブチルゴムに通常添加されるカーボンブラック、タルクまたはクレー等の充填剤を短時間で分散させる効果が特に優れ、好ましいものである。本発明で用いられる特に優れたエポキシ化合物としては、 フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、及びナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂などの、軟化点が環球法で40℃〜110℃のエポキシ化合物を挙げることができる。
【0055】
本発明に使用されるエポキシ化合物の量は、部分架橋ブチルゴム100重量部あたり、5重量部〜50重量部、好ましくは5〜25重量部である。
【0056】
液状のエポキシ化合物は、未架橋のゴムコンパウンドにしなやかさを付与し、架橋ゴムを製造する工程に必要な生地のシーティング特性を改良する作用がある。本発明では、固形エポキシ化合物または、液状のエポキシ化合物のいずれも使用でき、またこれらのエポキシ化合物を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0057】
本発明の未架橋ゴムコンパウンドの製造方法は特に限定はなく、いかなる方法でもよい。そして該コンパウンドは有機過酸化物によって架橋して使用されることを目的としているものであり、本発明のコンパウンドに使用される薬品は、特に限定されるものではない。
【0058】
本発明の未架橋ゴムコンパウンドの製造に使用される充填剤とは、強度や耐久性などの諸性質を改善するために基材として加えられる物質、あるいは増量、増容、製品の価格低減を目的として添加される物質であり、具体的には例えばチャンネルブラック、ファーネスブラックのような各種のカーボンブラック、乾式法ホワイトカーボン(シリカ)、湿式法ホワイトカーボン(シリカ)等の微粒子けい酸、けい酸塩、炭酸カルシウム、カオリナイト(クレー)またはカオリナイト(クレー)を焼成した焼成クレー、カオリナイトの表面をシラン系カップリング剤で処理したシラン改質クレー、含水けい酸マグネシウム(タルク)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の粉末状で市販されている公知の補強材、増量剤などを挙げることができる。
【0059】
本発明で用いられる充填剤の添加量は、目的とするゴム製品によっても異なるが、部分架橋ブチルゴム100重量部あたり、添加される充填剤の合計量は100〜250重量部である。
【0060】
その他ステアリン酸、老化防止剤、ビニルシラン等のシランカップリング剤等を任意に添加して使用することができる。
【0061】
密閉式混練機による本発明の混練方法の手順は、例として下記のように実施する。
第一の例は、アップサイド・ダウン・ミキシングと言われる公知の方法のように、原料ゴム以外の充填剤とエポキシ化合物を含む薬品全量を機械に投入し約30秒混合する。つぎに部分架橋ブチルゴムを投入し加圧する。この時、ピコメーターの消費電力/時間曲線において、部分架橋ブチルゴムの投入により消費電力は急激に上昇する。 その後徐々に消費電力は低下していく。 この場合、5分〜7分で、混練りゴムを取り出し終了する。
【0062】
部分架橋ブチルゴムの投入により消費電力が急激に上昇した後、急激に消費電力が低下する場合がある。この時は、密閉式混練機への仕込み量の約5%〜10%の同一配合の練りゴムを投入する。その瞬間、消費電力は急激に上昇する。 その後徐々に消費電力は低下していく。 この場合の混練り時間は約7分〜9分となる。
【0063】
第二の例は、 部分架橋ブチルゴムとエポキシ樹脂を密閉式混練機へ投入する。ピコメーターの消費電力/時間曲線は瞬間上昇し、約1分後に消費電力は、負荷の殆どかからないゼロに近付く。その時点で、他の充填剤の全量を投入する。消費電力は急激に上昇する。 その後徐々に消費電力は低下していく。 この場合、5分〜7分で、混練りゴムを取り出し終了する。
他の充填剤の全量を投入して、消費電力が急激に上昇した後、急激に消費電力が低下する場合がある。 この時は、 前記のアップサイド・ダウン・ミキシングの例と同じように、密閉式混練機への仕込み量の約5%の同一配合の練りゴムを投入する。 その瞬間、消費電力は急激に上昇する。 その後徐々に消費電力は低下していく。 この場合の混練り時間は7分〜9分となる。
ピコメーターの設置されていない機械の場合、アップサイド・ダウン・ミキシングでは、部分架橋ブチルゴムを投入した1分〜1.5分後、第二の例では、充填剤の全量を投入した1分〜1.5分後に密閉式混練機への仕込み量の約5%〜10%の同一配合の練りゴムを投入するように混練りの工程を設定すれば、ピコメーターによる確認をせずに安定した混練りが可能となり、7分〜9分の混練り時間で、良好に分散した未架橋ゴムコンパウンドが得られる。
【0064】
密閉式混練機へ混練りの安定化のために投入する混練りゴムは、第1回の混練りの時のみオープンロールによって製造する必要があるが、エポキシ化合物を添加した配合は、無添加の配合と違い比較的容易にコンパウンドを製造できる。第2回目以降の混練りについては、その必要はなく、密閉式混練機によって第1回目の製造によって得られたコンパウンドを、以降の混練りで使用すれば極めて効率がよい。
【0065】
部分架橋ブチルゴムの混練りについては、原料ゴムが架橋部分の含まれていない通常のゴムと違い、充填剤のゴム内部への分散が進行しない状態が発生する。これは原料ゴムのゲル分が高いのに起因しているのは確かであるが、混練りの順調と不調の原因を配合剤の総量、練り温度等等と推定しても、目的とする製品の物性から、配合剤の添加量については調整は困難であり、練り温度については、温度コントロールの可能な機械もあるが温度と混練りの関連の有無については、解析できないばかりでなく、殆どの機械は任意の温度調整は困難であり、いずれの場合も対応ができない。本発明は、エポキシ化合物を添加することにより安定した部分架橋ブチルゴムの混練りを可能にするものである。工業生産に適する方法は、前記の混練り方法のように、エポキシ化合物を併用し、さらに混練り安定化のために既に練られてあるコンパウンドの使用は、ピコメーターのような管理機器の設置されていない機械であっても、安定した混練りを可能にするものである。
【0066】
上記の例の第一及び第二の混練り方法によって得られるコンパウンドは、視覚的にはスコーチ(焼け)を発生させているゴムと全く同様の、ゴムシートには、まとまり難い状態である。 このコンパウンドを室温まで冷却する。そして、オープンロールに投入する。該方法によって、密閉式混練機により製造されたコンパウンドは、極めて容易にロールに巻き付き、表面の滑らかなシートになり、成型工程に必要な良好なシート状態になる。オープンロールでの変化は急激であり、密閉式混練機より取り出された時のコンパウンドと比較し、オープンロールで瞬間に良好な状態に変化するのは予想し難い現象である。
【0067】
オープンロールでの良好なコンパウンドの巻き付きは、架橋剤の添加を容易にする。そして、かかる工程を可能にするのは、本発明のエポキシ化合物を添加して混練りすることにより初めて達成されるものである。
【0068】
更に本発明の方法によって得られた未架橋ゴムコンパウンドに有機過酸化物を添加して架橋することにより良好な架橋ゴムが得られる。これらの効果は実施例によって明らかにされよう。
【0069】
本発明の方法によって得られた未架橋ゴムコンパウンドの架橋剤として使用される有機過酸化物は、ペルオキシエステル型、ジアルキルペルオキシド型およびペルオキシケタール型の有機過酸化物の群から選ばれる1種類又は2種類以上の有機過酸化物であり、その添加量は、本発明の方法によって得られた未架橋ゴムコンパウンド中のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部を基準として、純度100%の有機過酸化物として0.3〜5重量部である。また有機過酸化物の安全性や取り扱い性を改良する為に、シリカや炭酸カルシウム等の無機質に吸着させて有効成分を40%に調整した有機過酸化物の場合の添加量は、0.5〜10重量部である。
【0070】
以下に本発明で使用される有機過酸化物について更に詳細に説明する。
イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムに添加されるペルオキシエステル型の有機過酸化物は具体的には例えば、
t−ヘキシルペルオキシ・イソプロピルモノカーボネート,
t-ブチルペルオキシマレイン酸,t-ブチルペルオキシ・ラウレート
t-ブチルペルオキシ3、5、5-トリメチルヘキサネート,
2、5、-ジメチル-2、5-ビス(m-トルオイルペルオキシ)ヘキサン,
t-ブチルペルオキシ・イソプロピルモノカーボネート,
t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシル・モノカルボネート,
t-ヘキシルペルオキシ・ベンゾエート,t-ブチルペルオキシ・アセテート,
2、5、-ジメチル-2、5-ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン,
t-ブチルペルオキシベンゾエート,ビス(t-ブチルペルオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物を挙げることができる。
【0071】
イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムに添加されるジアルキルペルオキシド型の有機過酸化物は具体的には例えば、
α,α´-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン,
ジクミルペルオキシド, 2、5、-ジメチル-2、5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン,
t-ブチルクミルペルオキシド,ジ-tブチルペルオキシド,2、5、-ジメチル-2、5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3等の有機過酸化物を挙げることができる。
【0072】
またイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムに添加されるペルオキシケタール型の有機過酸化物は具体的には例えば、
1,1-ビス(t-ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン,
1,1-ビス(t-ヘキシルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン,
1,1-ビス(t-ブチルぺルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン,
ジ-t-ブチルぺルオキシ-2-メチルシクロヘキサン,1,1-ビス(t-ブチルぺルオキシ)シクロヘキサン,1,1-ビス(t-ブチルぺルオキシ)シクロドデカン,
2,2-ビス(t-ブチルぺルオキシ)ブタン,n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルぺルオキシ)バレレイト,2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルぺルオキシシクロヘキシル)プロパン等の有機過酸化物を挙げることができる。
【0073】
前記の有機過酸化物による架橋条件は、必ずしも限定されないが、例えば1分の半減期を得る温度一般には150〜200℃で4分〜20分程度架橋するのが良く、また二次架橋は、有機過酸化物の残留分を除去するために、適宜実施してよい。
【0074】
前記の有機過酸化物は、本発明の方法によって混練りして得られる未架橋ゴムを架橋するのに適している。有機過酸化物をオープンロールで添加する場合、密閉式混練機によって10分以内混練りした未架橋ゴムコンパウンドは、これを一昼夜以上熟成すると、架橋剤をオープンロールで添加する際に、特に良好な状態でオープンロールに巻き付き、成型工程に重要な良好な未架橋ゴムシートが得られる。
【0075】
本発明は部分架橋ゴムの混練り時間の大幅な時間の短縮が可能でそのため極めて経済性に優れているのみならず、本発明は成型加工に必要なシーティング特性に優れたゴムコンパウンドが得られるので、ダイヤフラムのような肉厚の薄い製品の製造も可能になる。また時計の小さな0−リングを製造する場合に要求されるプレスへ装填する前の薄い未架橋の生地(未架橋ゴムシート)も容易に得られる。
【0076】
コンデンサーの封口ゴムを製造する場合においても、成型加工に必要なシーティング特性に優れているコンパウンドを使用し、架橋時間の短い成型が可能になることは好ましいことである。そして、本発明によって成型された架橋ゴムは、金属によってゴムをかしめて封口すると、金属とゴムが癒着する性質があり、内部の電解液が容器と封口ゴムの間から漏れる可能性を低減できる。
【0077】
更にインクジェツトプリンターのノズル部分のカバーゴムは、良好な圧縮永久歪が要求される。そして該カバーゴムは、経済性にすぐれた本発明による方法と、本発明の方法によってえられるコンパウンドを有機過酸化物によって架橋して得られるゴム製品の最適な例である。
【0078】
【発明の実施の形態】
本発明について以下実施例及び比較例によって更に詳細に説明する。なお実施例の原料配合量の数字はすべて重量部を表す。混練り特性を確認するために、株式会社オースギ製造のピコメーターを使用した。実施例及び比較例の練り特性を表す消費電力対時間曲線(ピコメーターチャート)は、記録紙の曲線の中間値をトレースした曲線である。
【0079】
架橋ゴム物性の測定は、JIS K6301に準拠して行った。
【0080】
【実施例】
実施例1〜2
表1の実施例1の配合で、配合の合計量27.9Kg.の2.51倍になるように各原料を配合に従い秤量した。次いで株式会社佐藤製作所の3号ヘビーバンバリーを使用して下記の手順で混練りした。なお実施例1のピコメーターチャートを図1に示した。図1のピコメーターチャートのa点で、25.1Kg.の部分架橋ゴムと3.012Kg.のエポキシ化合物を添加した。消費電力が一旦上昇し下降したb点で、残量のクレー、カーボンブラック、酸化マグネシウム、ステアリン酸、老化防止剤の全量を投入した。消費電力は急激に上昇した。c点を経由したd点において、投入口を開き、混合機室周辺の付着している充填剤を掃きいれ、e点において投入口を閉じた。消費電力は再度急上昇し、f点において混合されたコンパウンドを取り出した。a点の最初の投入開始より、約5分10秒程度経過した。取り出した(放出した)熱い未架橋ゴムコンパウンドは、視覚上は粗い表面の生地であった。
【0081】
同コンパウンドを一昼夜放置し自然冷却した。23インチのオープンロールにコンパウンドを投入した。コンパウンドは良好な状態でオープンロールに巻き付き、表面の平滑な良好な未架橋ゴムシートが得られた。当実施例によって、部分架橋ブチルゴムは、エポキシ樹脂を併用することにより、密閉式の混練り機によって、短時間で配合剤の分散の良好なかつ、平滑な未架橋ゴムシートを製造できることがわかる。
【0082】
表1の実施例2の配合で、実施例1と同様な手順で、配合の合計量28.9Kg.の2.46倍の各原料を配合に従い秤量して混練りをした。実施例1と同様な時間で混練りを終了し、配合剤の分散の良好なかつ、平滑な未架橋ゴムシートを製造できた。
【0083】
実施例2のピコメーターのチャートを図2に示した。
【0084】
【表1】
Figure 0003694595
【0085】
比較例1
実施例1と比較のため、表1の実施例1の配合からエポキシ樹脂を除いた配合処方である比較例1の配合で混練り試験をした。比較例1のピコメーターチャートを図3に示した。配合の合計量26.7Kg.の2.62倍になるように各原料を配合に従い秤量した。図3に示したピコメーターチャートのa点で、実施例1と同じ株式会社佐藤製作所の3号ヘビーバンバリーに、25.5Kg.の部分架橋ブチルゴムを投入した。消費電力は一旦上昇し、下降したb点で、その他の充填剤の全量を投入した。消費電力は急激に上昇しc点に到達したが、急激に降下しd点に至った。d点において、投入口を開き、混合機室周辺の付着している充填剤を掃きいれ、e点において投入口を閉じた。しかしその後消費電力の上昇はおこらなかった。約5.5分(f点)、7.5分(g点)及び11分後(h点)において、投入口を開き、混合機室周辺の付着している充填剤を掃きいれ、投入口を閉じたが、混合機室内の状態は、粉類とゴムが分離していて、空転している様に見受けられた。混練り開始より20分後まで、練りを継続したが、消費電力の上昇は認められなかった。 機械から放出したコンパウンドは、ほとんど混合されていなかった。比較例で明らかなようにエポキシ樹脂の添加されていない配合処方では、混練りが困難であることが分かる。
【0086】
実施例3
(1) 表2の実施例3の配合で、配合の合計量30.7Kg.の2.04倍になるように各原料を配合に従い秤量した。次いで、表2の実施例3の配合の合計量3.07Kg.の3倍量の9.21Kg.のコンパウンドを、オープンロールで製造した。実施例3のピコメーターチャートを図4に示した。
【0087】
図4のピコメーターのチャートのa点で、20.4Kg.の部分架橋ブチルゴムと3.06Kg.のエポキシ樹脂を投入した。消費電力が一旦上昇した後、b点に降下した時点で残量の全充填剤を投入した。消費電力はc点まで急上昇したが、即降下してd点に到達した。投入口を開き、混合機の周辺に付着している充填剤を掃き入れると同時に、オープンロールで製造した9.21Kg.のコンパウンドを投入した(e点)。消費電力はf点まで上昇し、投入口を開口し、再度混合機の周辺に付着している充填剤を掃き入れると同時に、内部を観察すると、充填剤の混合が進行していることが確認できた。閉じたあと、消費電力は上昇し、h点でコンパウンドを放出した。a点の最初の投入開始より、約9分20秒程度経過した。取り出した(放出した)熱いコンパウンドは、視覚上は粗い表面の生地であった。
【0088】
一昼夜放置し自然冷却した同コンパウンドを23インチのオープンロールに投入した。 コンパウンドは良好な状態でオープンロールに巻き付き、表面の平滑な良好な未架橋ゴムシートが得られた。本実施例によって、部分架橋ブチルゴムは、エポキシ樹脂を併用することにより、密閉式の混練り機によって、短時間で配合剤の分散の良好なかつ、平滑な未架橋ゴムシートを製造できることがわかる。
【0089】
(2) 表2の実施例3の配合で、配合の合計量30.7Kg.の2.04倍になるように各原料を配合に従い秤量した。次いで、実施例3で製造したコンパウンドを9.21Kg.秤量した。図4のe点で添加するコンパウンドを(1)によって製造したコンパウンドを使用する以外、(1)と同様な手順で実施した。混練りを開始して6分〜7分までのピコメーターのチャートは、図4とほぼ同様であった。図4のh′点(破線部分)で混練りしたコンパウンドを放出した。混練りして8分経過した。その後の工程は(1)と同様に実施した。一昼夜経過してからオープンロールへ投入することによって、平滑な未架橋ゴムシートを製造できた。
【0090】
本実施例によって、第1回の混練りの場合のみe点で添加するコンパウンドをオープンロールで製造しさえすれば、第2回以降は密閉式混練機で製造したコンパウンドを使用できる。本実施例によって容易に短時間で混練りし、分散の良好な平滑な未架橋ゴムシートを製造できることがわかる。
【0091】
比較例2
実施例2及び3と比較のため、比較例2を実施した。表2の比較例2の配合で、配合の合計量29.2Kg.の2.39倍になるように各原料を配合に従い秤量した。比較例2のピコメーターチャートを図5に示した。
【0092】
図5に示したピコメーターのa点で29.2Kg.の部分架橋ブチルゴムを投入した。消費電力は一旦上昇し、下降したb点で、その他の充填剤の全量を投入した。消費電力は急激に上昇しc点に到達したが、急激に降下しd点に至った。d点において、投入口を開き、混合機室周辺の付着している充填剤を掃きいれ、e点(練り開始5分後)において投入口を閉じた。しかしその後消費電力の上昇はおこらなかった。練り開始9分後(f点)、投入口を開き内部を確認した。充填剤が表面に浮いている状態であった。投入口を閉じた後、混練りを20分経過するまで継続したが、消費電力の上昇は認められなかった。機械から放出したコンパウンドは、充填剤をゴムの表面にまぶしたような状態であった。
【0093】
【表2】
Figure 0003694595
【0094】
実施例4〜9
実施例1によって製造した部分架橋ブチルゴムのコンパウンド279重量部に対して、添加した有機過酸化物を表3に、架橋した条件と得られた架橋ゴムの物性を表4に示す。表4から明白に、良好な圧縮永久歪が得られることがわかる。
【0095】
有機過酸化物をオープンロールで添加する工程において、コンパウンドは表面の平滑な状態でロールに巻き付き、過酸化物添加後にオープンロールより切り出した生地(未架橋ゴムシート)は、架橋ゴム製品の製造に好ましいシート状態であった。
【0096】
実施例4、実施例5及び実施例8のオシレーティング・レオメーター(東洋精機株式会社製ASTM−100型)による190℃で測定した架橋曲線を図6に示す。
【0097】
【表3】
Figure 0003694595
【0098】
【表4】
Figure 0003694595
【0099】
実施例10〜11
実施例2によって製造した部分架橋ブチルゴムのコンパウンド289重量部に対して、添加した有機過酸化物を表5に、架橋した条件と得られた架橋ゴムの物性を表6に示す。有機過酸化物をオープンロールで添加する工程において、コンパウンドは表面の平滑な状態でロールに巻き付き、添加後にオープンロールより切り出した生地は、架橋ゴム製品の製造に好ましい状態であった。
【0100】
【表5】
Figure 0003694595
【0101】
【表6】
Figure 0003694595
【0102】
実施例10及び実施例11のオシレーティング・レオメーターによる190℃で測定した架橋曲線を図7に示す。
【0103】
実施例12〜13
実施例3によって製造した部分架橋ブチルゴムのコンパウンド307重量部に対して、添加した有機過酸化物を表7に架橋条件と得られた架橋ゴムの物性を表8に示す。有機過酸化物をオープンロールで添加する工程において、コンパウンドは表面の平滑な状態でロールに巻き付き、添加後にオープンロールより切り出した生地は、架橋ゴム製品の製造に好ましい状態であった。表8に示すように圧縮永久歪の良好な架橋ゴムが得られる。
【0104】
実施例12のオシレーティング・レオメーターによる190℃で測定した架橋曲線を図8に示す。架橋曲線から明らかなように、エポキシ樹脂を含む部分架橋ブチルゴムのコンパウンドは有機過酸化物で良好に架橋できることがわかる。
【0105】
【表7】
Figure 0003694595
【0106】
【表8】
Figure 0003694595
【0107】
実施例14〜15
表9の実施例14の有機過酸化物を除く配合で、実施例3の混練りの手順と同様にして、混練り時間8分でコンパウンドを製造した。該コンパウンドのシーティング特性は良好であった。該コンパウンドに表9に示した有機過酸化物を添加して、架橋して得られたゴムの物性を表10に示す。表10に示すように圧縮永久歪の良好な架橋ゴムが得られた。
【0108】
実施例14〜15のオシレーティング・レオメーターによる190℃で測定した架橋曲線を図9に示す。架橋曲線から明らかなように、エポキシ樹脂を含む架橋ブチルゴムのコンパウンドは有機過酸化物で良好に架橋できることがわかる。
【0109】
【表9】
Figure 0003694595
【0110】
【表10】
Figure 0003694595
【0111】
実施例16〜17
表11の実施例16の有機過酸化物を除く配合に基づき、配合の合計量29.7Kg.の2.09倍になるように各原料を秤量した。次いで、配合の合計量2.97Kg.の3.5倍量の10.39Kg.のコンパウンドを、オープンロールで製造した。実施例16のピコメーターチャートを図10に示した。
【0112】
図10のピコメーターのチャートのa点で、20.9Kg.の部分架橋ブチルゴムと4.18Kg.のエポキシ樹脂を投入した。消費電力が一旦上昇した後、
b点で残量の全充填剤を投入した。消費電力はc点まで急上昇した。d点において投入口を開き、オープンロールで製造した10.39Kg.のコンパウンドを投入した(e点)。再度消費電力は上昇した。f点で混合機の周辺に付着している充填剤を掃き入れた。g点でコンパウンドを放出した。a点の最初の投入開始より、約8分経過した。取り出した(放出した)熱いコンパウンドは、視覚上は粗い表面の生地であった。
【0113】
一昼夜放置し自然冷却した同コンパウンドを23インチのオープンロールに投入した。コンパウンドは良好な状態でオープンロールに巻き付き、表面の平滑な良好な未架橋ゴムシートが得られた。本実施例によって、部分架橋ブチルゴムは、エポキシ樹脂を併用することにより、密閉式の混練り機によって、短時間で配合剤の分散の良好なかつ、平滑な未架橋ゴムシートを製造できた。
【0114】
ピコメーターのチャートを図10に示す。
【0115】
該コンパウンドに表11に示した有機過酸化物を添加して、架橋して得られたゴムの物性を表12に示す。表12に示すように圧縮永久歪の良好な架橋ゴムが得られた。
【0116】
【表11】
Figure 0003694595
【0117】
【表12】
Figure 0003694595
【0118】
実施例18〜19
表13の配合処方で、実施例14と同様に、コンパウンドを製造し、架橋したゴムの物性を表14に示す。未架橋ゴムコンパウンドのシーティング状態は極めて良好であった。
【0119】
【表13】
Figure 0003694595
【0120】
【表14】
Figure 0003694595
【0121】
実施例20〜22
表15の配合処方で、実施例14と同様に、コンパウンドを製造し、架橋したゴムの物性を表16に示す。未架橋ゴムコンパウンドのシーティング状態は極めて良好であった。表16から明らかなように、エポキシ樹脂と併用して、有機過酸化物で架橋した部分架橋ブチルゴムは、パッキンの重要な特性である優れた圧縮永久歪を有することがわかる。
【0122】
【表15】
Figure 0003694595
【0123】
【表16】
Figure 0003694595

【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のピコメーターチャートを示したものである。
【図2】実施例2のピコメーターチャートを示したものである。
【図3】比較例1のピコメーターチャートを示したものである。
【図4】実施例3のピコメーターチャートを示したものである。
【図5】比較例2のピコメーターチャートを示したものである。
【図6】実施例4、5および8のオシレーティング・レオメーターによる190℃で測定した架橋曲線を示す。
【図7】実施例10および11のオシレーティング・レオメーターによる190℃で測定した架橋曲線を示す。
【図8】実施例12のオシレーティング・レオメーターによる190℃で測定した架橋曲線を示す。
【図9】実施例14および15のオシレーティング・レオメーターによる190℃で測定した架橋曲線を示す。
【図10】実施例16のピコメーターチャートを示したものである。

Claims (22)

  1. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部と充填剤との混合物に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型乃至AD型エポキシ樹脂、AD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ化合物、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上のエポキシ化合物5〜50重量部を添加し、イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法
  2. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、ビスフェノールA型、F型、AD型エポキシ樹脂又はAD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法。
  3. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法。
  4. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法。
  5. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法。
  6. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、アリシクリックジエキシアセタール、アリシクリックジエキシアジペート、アリシクリックジエキシカルボキシレート又はビニルシクロヘキセンジオキサイドの環式脂肪族エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法。
  7. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法。
  8. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、フタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載のイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法。
  9. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部と充填剤との混合物に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型乃至AD型エポキシ樹脂、AD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ化合物、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上のエポキシ化合物5〜50重量部を添加したイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りして得られる未架橋ゴムコンパウンド。
  10. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、ビスフェノールA型、F型、AD型エポキシ樹脂又はAD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項記載の未架橋ゴムコンパウンド。
  11. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項記載の未架橋ゴムコンパウンド。
  12. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項記載の未架橋ゴムコンパウンド。
  13. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項記載の未架橋ゴムコンパウンド。
  14. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、アリシクリックジエキシアセタール、アリシクリックジエキシアジペート、アリシクリックジエキシカルボキシレート又はビニルシクロヘキセンジオキサイドの環式脂肪族エポキシ化合物であることを特徴とする請求項記載の未架橋ゴムコンパウンド。
  15. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項記載の未架橋ゴムコンパウンド。
  16. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムと充填剤との混合物に添加されるエポキシ化合物が、フタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物であることを特徴とする請求項記載の未架橋ゴムコンパウンド。
  17. 請求項記載の未架橋ゴムコンパウンドに有機過酸化物を添加して、該未架橋ゴムコンパウンドを架橋する方法。
  18. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部と充填剤との混合物に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型乃至AD型エポキシ樹脂、AD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ化合物、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上のエポキシ化合物5〜50重量部を添加したイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法によって得られる未架橋ゴムコンパウンドに、未架橋ゴムコンパウンドに含まれるイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部を基準として、ペルオキシエステル型、ジアルキルペルオキシド型乃至ペルオキシケタール型の有機過酸化物の群から選ばれる1種類又は2種類以上の有機過酸化物0.3〜5重量部(純度100%)を添加して架橋する請求項17記載の方法。
  19. 有機過酸化物がt−ヘキシルペルオキシ・イソプロピルモノカーボネート,
    t-ブチルペルオキシマレイン酸,t-ブチルペルオキシ・ラウレート
    t-ブチルペルオキシ3、5、5-トリメチルヘキサネート,
    2、5、-ジメチル-2、5-ビス(m-トルオイルペルオキシ)ヘキサン,
    t-ブチルペルオキシ・イソプロピルモノカーボネート,
    t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシル・モノカルボネート,
    t-ヘキシルペルオキシ・ベンゾエート,t-ブチルペルオキシ・アセテート,
    2、5、-ジメチル-2、5-ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン,
    t-ブチルペルオキシベンゾエート又はビス(t-ブチルペルオキシ)イソフタレートのパーオキシエステル型の有機過酸化物であることを特徴とする請求項17または18記載の架橋方法。
  20. 有機過酸化物がα,α´-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン,
    ジクミルペルオキシド, 2、5、-ジメチル-2、5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン,
    t-ブチルクミルペルオキシド, ジ-tブチルペルオキシド又は2、5、-ジメチル-2、5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3のジアルキルぺルオキシド型の有機過酸化物であることを特徴とする請求項17または18記載の架橋方法。
  21. 有機過酸化物が1,1-ビス(t-ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン,
    1,1-ビス(t-ヘキシルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン,
    1,1-ビス(t-ブチルぺルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン,
    ジ-t-ブチルぺルオキシ-2-メチルシクロヘキサン, 1,1-ビス(t-ブチルぺルオキシ)シクロヘキサン, 1,1-ビス(t-ブチルぺルオキシ)シクロドデカン,
    2,2-ビス(t-ブチルぺルオキシ)ブタン, n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルぺルオキシ)バレレイト又は2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルぺルオキシシクロヘキシル)プロパンのペルオキシケタール型の有機過酸化物であることを特徴とする請求項17または18記載の架橋方法。
  22. イソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部と充填剤との混合物に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型乃至AD型エポキシ樹脂、AD型エポキシ樹脂の骨格に付加されている1個のメチル基をカーボン数2〜12のアルキル基で置換したビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型多官能エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ化合物、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸(o−、m−,p−)乃至ヒドロフタル酸(o−、m−,p−)のグリシジルエステル系エポキシ化合物の群から選ばれる1種類又は2種類以上のエポキシ化合物5〜50重量部を添加することによってイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴムを混練りする方法によって得られる未架橋ゴムコンパウンドに、未架橋ゴムコンパウンドに含まれるイソプレン・イソブチレン・ジビニルベンゼン3元共重合体ゴム100重量部を基準として、ペルオキシエステル型、ジアルキルペルオキシド型、乃至ペルオキシケタール型の有機過酸化物の群から選ばれる1種類又は2種類以上の有機過酸化物0.3〜5重量部(純度100%)を添加して架橋して得られる架橋ゴム製品。
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