JP5472561B2 - 熱可塑性樹脂組成物、導電性フィルムおよび導電性シート - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、導電性フィルムおよび導電性シート Download PDF

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Description

本発明は、変性共役ジエン系重合体と非ゴム変性スチレン系重合体および導電性カーボン、場合によってはさらに耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体を含む、耐衝撃性、低温特性、導電性のバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物、およびこれより得られる導電性フィルムおよび導電性シートに関する。さらに詳しくは、表面抵抗性に優れるとともに、導電性カーボンの脱落が少なく、低温特性および衝撃性などの諸物性のバランスに優れ、ICトレー、キャリアテープなどの半導体や電子部品用包装材料などの用途に特に有用な導電性の熱可塑性樹脂組成物、導電性フィルムおよび導電性シートに関する。
ポリスチレンなどのスチレン系樹脂は、安価で加工性に優れ、しかも成形品の透明性と外観に優れているが、耐衝撃性に欠けるため、単独ではその用途を著しく限定されている。このポリスチレンの耐衝撃性を改良する目的で製造されたゴム変性ポリスチレンは、耐衝撃性がかなり改良されるものの、ポリスチレン本来の特性である透明性が著しく劣る。耐衝撃性と透明性とのバランス向上のために、特許文献1(特開昭61−200151号公報)、特許文献2(特開平4−209615号公報)、特許文献3(特公昭56−54022号公報)などのような共役ジエンと芳香族ビニル化合物からなるブロック共重合体とポリスチレンとの組成物や、特許文献4(特開昭60−65044公報)などのようなブロック共重合体とポリスチレンとゴム変性ポリスチレンの組成物や特許文献5(特開昭61−252265号公報)、特許文献6(特開2000−26698号公報)などのような分子量や共役ジエンと芳香族ビニル化合物との重量比を規定した共役ジエンと芳香族ビニル化合物からなるブロック共重合体による改良が行われている。
さらに、これらのポリスチレン系樹脂組成物をICトレー、キャリアテープなどの半導体や電子部品用包装材料などに用いる場合は、導電性を付与しなければならない。導電性を付与するための方法が、従来から種々開示されている。例えば、その最も一般的な方法として、特許文献7(特開昭57−78439号公報)などのように、導電性付与のために導電性カーボンをポリスチレンと共役ジエンと芳香族ビニル化合物からなるブロック共重合体中に含有させる方法が知られている。しかし、導電性カーボンは、樹脂組成物中で凝集しやすく、静電防止用ケース材料に適用するには多量に添加する必要がある。導電性カーボンの凝集を極力防ぐには、特許文献8(特開昭55−94948号公報)などのように、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体を添加する方法があるが、必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
特開昭61−200151号公報 特開平4−209615号公報 特公昭56−54022号公報 特開昭60−65044公報 特開昭61−252265号公報 特開2000−26698号公報 特開昭57−78439号公報 特開昭55−94948号公報
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、特定の官能基を有する変性共役ジエン系重合体をスチレン系樹脂と導電性カーボンに配合することにより、導電性カーボンの脱落がなく、耐衝撃性、低温特性および導電性のバランスに優れる熱可塑性樹脂組成物、およびこれより得られる導電性フィルムおよび導電性シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、ICトレー、キャリアテープなどの半導体や電子部品用包装材料などの用途に特に有用な熱可塑性樹脂組成物、および導電性フィルムおよび導電性シートを提供することを目的とする。
本発明は、(イ)アルコキシシリル基、アミノ基、酸無水物基、およびカルボキシル基の群から選ばれた少なくとも1種の基を有する変性共役ジエン系重合体(以下、「変性共役ジエン系重合体」ともいう)2.5〜35重量部、
(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体0〜50重量部、
(ハ)非ゴム変性スチレン系重合体40〜90重量部、ならびに
(ニ)導電性カーボン1〜15重量部[ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)=100重量部]
を主成分とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
ここで、上記(イ)変性共役ジエン系重合体は、次に示す方法(a)〜(e)の群から選ばれた少なくとも1種で製造された重合体のいずれかが好ましい。
(a)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させることにより製造された重合体。
(b)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下で重合することにより製造された重合体。
(c)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体と芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合物の存在下で重合することにより製造された重合体。
(d)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(1)で表される化合物を反応させることにより製造された重合体。
C=N−Y・・・・(1)
[上記一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、Yは水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。]
(e)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に、ケトン化合物、エステル化合物およびアルデヒド化合物の群から選ばれた少なくとも1種を反応させた後、酸無水物および/または酸ハライドと反応させることにより製造された重合体。
ここで、上記(イ)変性共役ジエン系重合体のうち、アルコキシシリル基とアミノ基を有する変性共役ジエン系重合体は、下記(f)〜(h)の群から選ばれた少なくとも1種の方法により製造された変性共役ジエン系重合体が好ましい。
(f)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(2)で表される化合物を反応させた変性重合体。
(4−m−n)Si(OR ……(2)
[式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、Rが複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよい。Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であり、Rが複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよい。Xは少なくともO原子、Si原子のいずれか1つ以上含む極性基を有する置換基であり、Xが複数ある場合は、各Xは同じ基でも異なる基でもよく、また、各Xは独立の置換基でも環状構造を形成していてもよい。mは1、2または3であり、nは0、1、2または3の整数を示す。mとnの和は1〜4である。]
(g)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体と芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に上記一般式(2)で表される化合物を反応させた変性重合体。
(h)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(7)で表される化合物を反応させた変性重合体。
12 (4−p−q)Si(OR13 ……(7)
[式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、R12が複数ある場合は、各R12は同じ基でも異なる基でもよい。R13は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であり、R13が複数ある場合は、各R13は同じ基でも異なる基でもよい。ZはN原子を含む極性基を有する置換基であり、Zが複数ある場合は、各Zは同じ基でも異なる基でもよく、また、各Zは独立の置換基でも環状構造を形成していてもよい。pは1、2または3であり、qは1、2または3の整数を示す。pとqの和は1〜4である。]
また、(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体としては、耐衝撃性ゴム変性スチレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、および耐衝撃性ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体の群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
さらに、(ハ)非ゴム変性スチレン系重合体としては、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、およびアクリロニトリル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体の群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
さらに、(ニ)導電性カーボンとしては、ケッチェンブラックが好ましい。
次に、本発明は、以上の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる導電性フィルムおよび導電性シートに関する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記(イ)アルコキシシリル基、アミノ基、酸無水物基、およびカルボキシル基の群から選ばれた少なくとも1種の基を有する変性共役ジエン系重合体と(ハ)非ゴム変性スチレン系重合体と(ニ)導電性カーボン、さらに必要に応じて(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体を配合した組成物であり、非常に導電性カーボンの分散性に優れている。このような熱可塑性樹脂組成物は、導電性カーボンの脱落が無く、耐衝撃性、透明性、剛性、低温特性のバランスに優れ、ひいては、導電性を付与したシート・フィルムなどに有用な熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(イ)変性共役ジエン系重合体
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体は、以下に記載する製造方法(a)〜(h)において、それぞれ変性化合物として、(a)ではアルコキシシラン化合物を、(b)ではアミノ基を有する有機アルカリ金属化合物を、(c)ではアミノ基を有する不飽和単量体を、(d)では式(1)で表される化合物を、(e)ではケトン化合物、エステル化合物およびアルデヒド化合物の群から選ばれた少なくとも1種と酸無水物および/または酸ハライドを、(f)ではアミノ基を有する有機アルカリ金属化合物と一般式(2)で表される化合物を、(g)ではアミノ基を有する不飽和単量体と一般式(2)で表される化合物を、(h)では一般式(7)で表される化合物を、それぞれ、用いることにより得ることができる。以下に、製造方法(a)〜(h)について説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられるアルコキシシリル基を有する変性共役ジエン系重合体は、(a)不活性有機溶媒中、共役ジエンと芳香族ビニル化合物を、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として重合し、得られた共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させることにより容易に得ることができる。
上記「アルコキシシリル基」としては、炭素数1〜20のアルキルオキシ、炭素数6〜20のアリールオキシ、炭素数7〜20のアラルキルオキシから選ばれる少なくとも1つのアルコキシが珪素原子と結合した基で、具体的にはメトキシ、エトキシ、ブトキシ、プロポキシ、ペンチロキシ、ネオペンチロキシ、ヘキシロキシ、アミロキシ、フェノキシ、好ましくはメトキシ、エトキシ、アミロキシ、フェノキシなどのアルコキシと珪素原子が結合したものが挙げられる。
上記「共役ジエン」としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレンなどが挙げられる。この中で、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記「芳香族ビニル化合物」としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。この中で、スチレンおよびtert−ブチルスチレンが好ましい。なお、この場合、上記「共役ジエン」と上記「芳香族ビニル化合物」と、さらにアクリロニトリル、メチルメタクリレートなどの他の不飽和化合物を、全モノマーに対し5重量%以下程度加えて重合させてもよい。
重合開始剤である上記「有機アルカリ金属化合物」としては、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物などが挙げられ、特に有機リチウム化合物が好ましい。有機アルカリ金属化合物の使用量については特に限定はなく、必要に応じて種々の量を使用できるが、通常はモノマー100重量部あたり0.02〜15重量部の量で、好ましくは0.03〜5重量部の量で用いられる。
共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させるアルコキシシラン化合物としては、共役ジエン系重合体に反応させて、変性重合体とすることができる限り、その構造には限定はないが、以下の一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物が用いられる。
(4−m−n)Si(OR ……(2)
[式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、Rが複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよい。Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であり、Rが複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよい。Xは少なくともO原子、Si原子のいずれか1つ以上含む極性基を有する置換基であり、Xが複数ある場合は、各Xは同じ基でも異なる基でもよく、また、各Xは独立の置換基でも環状構造を形成していてもよい。mは1、2または3であり、nは0、1、2または3の整数を示す。mとnの和は1〜4である。特に、mは2または3で、nは0または1が好ましい。]
上記一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキリシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジエトキシ(t−アミロキシ)シラン、メチルトリフェノキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、1−トリメチルシリル−2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、1−トリメチルシリル−2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトリメトキシシラン、トリメチルシロキシトリフェノキシシラン、トリメチルシロキシトリメトキシシラン、トリメチルシロキシトリエトキシシラン、トリメチルシロキシトリブトキシシラン、および1,1,3,3−テトラメチル−1−フェノキシジシロキサンなどが挙げられる。
上記アルコキシシラン化合物による変性方法は、共役ジエン系重合体を製造するための重合反応の重合転化率が90%〜100%になった時点で、上記アルコキシシラン化合物を重合系内に添加して変性反応を行うことが好ましい。重合転化率が90%に到達する以前に添加しても良いし、また、重合反応が進行中に、間欠的または連続的にアルコキシシラン化合物を添加して変性反応を行ってもよい。
上記アルコキシシラン化合物の使用量は、有機アルカリ金属化合物由来の活性点のモル数に対して、好ましくは、0.05〜5倍モル、さらに好ましくは、0.1〜1.5倍モルである。
得られる共役ジエン系重合体中のアルコキシシリル基の含量は、通常、0.0001〜5mmol/g、好ましくは、0.001〜1mmo1/g、さらに好ましくは、0.003〜0.1mmo1/gである。なお、アルコキシシリル基は、通常、重合体鎖末端に存在するが、側鎖に存在してもよい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられるアミノ基を有する変性共役ジエン系重合体は、アミノ基を導入する方法は特に限定はないが、例えば以下に示す(b)〜(d)の方法により容易に得ることができる。
(b)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下で重合することにより製造される。
(c)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体と芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合物の存在下で重合することにより製造される。
(d)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(1)で表される化合物を反応させることにより製造される。
C=N−Y・・・・(1)
[上記一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、Yは水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。]
上記(b)の方法で使用するアミノ基を有する有機アルカリ金属化合物としては、下記一般式(3)または(4)が挙げられる。
[上記一般式(3)中、RおよびRは両方とも炭素数3〜18のトリアルキルシリル基であるか、またはどちらか一方が上記トリアルキルシリル基であり、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、上記一般式(3)および(4)中のRは、炭素数1〜20のアルキレン基またはアルキリデン基である。さらに、上記一般式(4)中のRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。]
上記一般式(3)または(4)で表される有機アルカリ金属化合物としては、3−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン、2−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノエタン、3−リチオ−2,2−ジメチル−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオ−2,2−ジメチル−プロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(2−リチオエチル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、3−リチオ−1−[N−(tert−ブチル−ジメチルシリル)−N−トリメチルシリル]アミノプロパン、3−リチオ−1−(N−メチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパン、3−リチオ−1−(N−エチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパンなどが挙げられる。
また、上記(b)の方法で使用する共役ジエンと芳香族ビニル化合物は、上記(a)の方法で使用するものが使用可能である。
(c)の方法で使用するアミノ基を有する不飽和単量体としては、下記一般式(5)または(6)が挙げられる。
[上記一般式(5)および(6)中、RおよびR10は、両方とも炭素数3〜18のトリアルキルシリル基であるか、またはどちらか一方が上記トリアルキルシリル基であり、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、上記一般式(6)中、R11は、炭素数1〜20のアルキレン基またはアルキリデン基である。さらに、上記一般式(5)および(6)中のn’は1〜3である。]
上記一般式(5)または(6)で表される不飽和単量体としては、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチル]スチレン、p−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン、m−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノ)スチレン、p−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノメチル)スチレンなどが挙げられる。
一般式(5)または(6)で表される不飽和単量体の使用量は、有機アルカリ金属由来の活性点のモル数に対して0.01〜100倍モル、好ましくは0.01〜10倍モル、特に好ましくは1.0〜3.0倍モルの割合で添加する。
また、反応時間は、1秒〜2時間の範囲で行うのが好ましい。さらに、不飽和単量体は、重合の開始時、重合途中、重合終了前、重合終了後などの任意の時に添加することができる。
上記(c)の方法で使用する共役ジエン、芳香族ビニル化合物および有機アルカリ金属化合物は、上記(a)の方法で使用するものが使用可能である。
(d)の方法で使用する上記一般式(1)の化合物としては、N−ベンジリデンメチルアミン、N−ベンジリデンエチルアミン、N−ベンジリデンブチルアミン、N−ベンジリデンアニリンなどが挙げられる。上記一般式(1)で表される化合物を上記共役ジエン系重合体と反応させて変性する場合の使用量は特に限定がないが、通常、有機アルカリ金属化合物由来の活性点のモル数に対し0.2〜3倍モル、好ましくは0.3〜1.5倍モル、さらに好ましくは0.4〜1.3倍モルの割合で添加する。
得られる変性共役ジエン系重合体中のアミノ基の含量は、通常、0.0001〜5mmol/g、好ましくは、0.001〜1mmo1/g、さらに好ましくは、0.003〜0.1mmo1/gである。なお、アミノ基の位置は特に限定はなく、重合体鎖末端に存在してもよく、側鎖に存在してもよい。アミノ基は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基が好ましい。
なお、上記(d)の方法で使用する共役ジエン、芳香族ビニル化合物および有機アルカリ金属化合物は、上記(a)の方法で使用するものが使用可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられるアルコキシシリル基とアミノ基を有する変性共役ジエン系重合体の製法は特に限定はないが、例えば以下に示す(f)〜(h)の方法により容易に得ることができる。
(f)上記共役ジエンと上記芳香族ビニル化合物を、上記アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に上記一般式(2)で表される化合物を反応させた変性重合体とすることにより製造される。
(g)上記共役ジエンと上記アミノ基を有する不飽和単量体と上記芳香族ビニル化合物とを上記有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に上記一般式(2)で表される化合物を反応させた変性重合体とすることにより製造される。
(h)上記共役ジエンと上記芳香族ビニル化合物を上記有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(7)で表される化合物を反応させた変性重合体とすることにより製造される。
12 (4−p−q)Si(OR13 ……(7)
[式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、R12が複数ある場合は、各R12は同じ基でも異なる基でもよい。R13は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であり、R13が複数ある場合は、各R13は同じ基でも異なる基でもよい。ZはN原子を含む極性基を有する置換基であり、Zが複数ある場合は、各Zは同じ基でも異なる基でもよく、また、各Zは独立の置換基でも環状構造を形成していてもよい。pは1、2または3であり、qは1、2または3の整数を示す。pとqの和は1〜4である。特にpは2または3で、qは1が好ましい。]
上記一般式(7)で表されるアルコキシシラン化合物としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどが挙げられる。
得られる共役ジエン系重合体中のアルコキシシリル基とアミノ基との含量は、それぞれ、通常、0.0001〜5mmol/g、好ましくは、0.001〜1mmo1/g、さらに好ましくは、0.003〜0.1mmo1/gである。なお、これらの基は、通常、重合体鎖末端に存在するが、側鎖に存在してもよい。
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる酸無水物基および/またはカルボキシル基を有する変性共役ジエン系重合体の製法は特に限定はないが、例えば以下に示す(e)の方法により容易に得ることができる。
(e)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を、有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に、ケトン化合物、エステル化合物およびアルデヒド化合物の群から選ばれた少なくとも1種を反応させた後、酸無水物および/または酸ハライドと反応させることにより容易に製造される。
上記「ケトン化合物」としては、その構造に限定はないが、例えばアセトン、ジエチルケトン、n−ブチルエチルケトン、エチルアミルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、4−アセトジフェニル、メチルエチルケトン、ベンゾフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、4−メチルベンゾフェノン、4−オクチルベンゾフェノン、プロピオフェノンなどが挙げられる。
上記「エステル化合物」としては、その構造に限定はないが、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、安息香酸メチル、トルイル酸メチル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
上記「アルデヒド化合物」としては、その構造に限定はないが、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、α−トリルアルデヒド、o−トルアルデヒド、クミンアルデヒド、p−トリルアセトアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド、アルデヒドピリジン、α−ナフトアルデヒド、フルフラールなどが挙げられる。
上記ケトン化合物、エステル化合物およびアルデヒド化合物の使用量は合計で、有機アルカリ金属化合物由来の活性点のモル数に対して、好ましくは、0.1〜2倍モル、さらに好ましくは0.5〜1.3倍モルである。
上記「酸無水物」としては、その構造に限定はないが、例えば無水プロピオン酸、無水ラク酸、無水カプロン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、3−メチル無水フタル酸、4−メチル無水フタル酸、シス−ヘキサヒドロ無水フタル酸、トランス−ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ−4−メチル無水フタル酸、シス−1,2,3,6―テトラヒドロ無水フタル酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物などが挙げられる。
上記「酸ハライド」としては、その構造に限定はないが、例えばベンゼンジカルボン酸クロライド、フタル酸クロライド、イソフタル酸ジクロライド、トリメリト酸トリクロライドなどが挙げられる。
また、酸無水物と酸ハライドの両方を有する化合物としては、その構造に限定はないが、例えば無水トリメリト酸クロライドなどが挙げられる。
上記酸無水物および/または酸クロリドの使用量は、有機アルカリ金属化合物由来の活性点のモル数に対して、合計で、好ましくは、0.05〜5倍モル、さらに好ましくは0.1〜1.5倍モルである。
得られる共役ジエン系重合体中の酸無水物基および/またはカルボキシル基の含量は、通常、合計で、0.0001〜5mmol/g、好ましくは、0.001〜1mmo1/g、さらに好ましくは、0.003〜0.1mmo1/gである。
また、上記(e)の方法で使用する共役ジエン、芳香族ビニル化合物および有機アルカリ金属化合物は、上記(a)の方法で使用するものが使用可能である。
(イ)アルコキシシリル基、アミノ基、酸無水物基、およびカルボキシル基の群から選ばれた少なくとも1種の基を有する変性共役ジエン系重合体は、その他の成分と配合するためペレットやクラムが好ましい。そのため、以下の(A)、(B)および(C)の重合体ブロックの中から選ばれた1以上の重合体ブロックを含むブロック共重合体が好ましい。
(A)芳香族ビニル化合物が80重量%以上である芳香族ビニル化合物重合体ブロック
(B)共役ジエン重合体ブロック
(C)芳香族ビニル化合物と共役ジエンのランダム共重合体ブロック
上記(C)のランダム共重合体ブロックにおいては、芳香族ビニル化合物含量が連続的に一分子中で変化するいわゆるテーパータイプも含まれて良い。
また、上記「(A)と、(B)および(C)の重合体ブロックの中から選ばれた1以上の重合体ブロックを含むブロック共重合体」の例としては、(A)−(B)、(A)−(C)、[(A)−(B)]Y’、[(A)−(C)]Y’、(A)−(B)−(A)、(A)−(C)−(A)、[(A)−(B)−(C)]Y’、[(A)−(B)−(A)]Y’、[(A)−(C)−(A)]Y’、(A)−(B)−(A)−(B)、(B)−(A)−(B)−(A)、(A)−(C)−(A)−(C)、(C)−(A)−(C)−(A)、(A)−(B)−(C)−(A)などが挙げられる(ただし、xは2〜8の整数であり、Y’はカップリング剤の残基である)。
ペレット形状にする場合は、変性共役ジエン系重合体の外側のブロック成分として少なくとも1つ以上の(A)重合体ブロックを含むことが好ましい。
また、上記(a)で使用される不活性有機溶媒としては、脂肪族、脂環式、アルキル置換脂環式、芳香族およびアルキル置換芳香族の炭化水素、エーテルおよびそれらの混合物が挙げられる。具体的には、脂肪族炭化水素(例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、脂環式炭化水素(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなど)、アルキル置換脂環式炭化水素(例えば、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタンなど)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン)、アルキル置換芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンなど)、ならびにエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルなど)が含まれる。
また、上記「共役ジエン系重合体」における上記「共役ジエン」および上記「芳香族ビニル化合物」の組成比については特に限定はないが、通常、共役ジエン5〜99重量%と芳香族ビニル化合物95〜1重量%、好ましくは5〜95重量%と95〜5重量%、さらに好ましくは共役ジエン30〜92重量%と芳香族ビニル化合物70〜8重量%、最も好ましくは共役ジエン40〜80重量%と芳香族ビニル化合物60〜20重量%(ただし、共役ジエン+芳香族ビニル化合物=100重量%)の範囲とすることができる。
上記「共役ジエン系重合体」の共役ジエンのビニル結合含有量は80重量%未満、好ましくは3〜60重量%、さらに好ましくは5〜55重量%である。
ビニル結合含有量を調節するのに、通常、エーテル類、第3級アミン類、アルカリ金属アルコキシドなどの極性化合物を使用することができる。
例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシベンゼン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、カリウム−tert−アミルオキシド、カリウム−tert−ブチルオキシドなどが挙げられ、これらの化合物は単独または2種以上の混合物として使用できる。かかる極性化合物の使用量は、有機リチウム化合物1モルに対して300モル以下、好ましくは0〜100モルである。
上記ブロック共重合体には、必要であれば、カップリング剤も使用できる。カップリング剤としては、例えば、ハロゲン化合物、エポキシ化合物、カルボニル化合物、ポリビニル化合物などが挙げられ、具体的には、例えばメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、ジビニルベンゼン、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジエチルテレフタル酸、ポリイソシアネートなどが挙げられる。
得られた(イ)変性共役ジエン系重合体は、必要に応じて触媒の残渣を除去し、またはフェノール系またはアミン系の老化防止剤を添加し、その後、変性共役ジエン系重合体溶液から変性共役ジエン系重合体を単離する。変性共役ジエン系重合体の単離は、例えば、変性共役ジエン系重合体溶液にアセトンまたはアルコールなどを加えて沈殿させる方法、変性共役ジエン系重合体溶液を熱湯中に撹拌下投入し溶媒を蒸留除去する方法、変性共役ジエン系重合体溶液をベント付押し出し機にて溶媒を蒸留除去する方法などにより行うことができる。本発明に用いられる(イ)アルコキシシリル基、アミノ基、酸無水物基、カルボキシル基の少なくとも1種類の基を有する変性共役ジエン系重合体の分子量は特に限定されないが、GPC法におけるポリスチレン換算による重量平均分子量で3万〜200万、好ましくは4万〜100万、さらに好ましくは5万〜50万である。
(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用する(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体は、スチレン系単量体もしくはこれと共重合可能なモノマーとエラストマーとの混合物を重合することにより得られ、重合方法としては懸濁重合、乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合などが一般に行われている。
ここで、スチレン系単量体としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレンなどが挙げられる。
また、スチレン系単量体と共重合可能なモノマーとしては、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸などが挙げられる。また、エラストマーとしては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ポリブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ポリブテンゴム、ゴム状エチレン−プロピレン共重合体、ゴム状ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブチルゴム、各種ニトリル系ゴム、ゴム状エチレン−酢酸ビニル共重合体、ゴム状エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ゴム状アタクチックポリプロピレン樹脂、ゴム状エチレン−アクリル酸アイオノマーなどが使用される。
特に好ましい耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体としては、耐衝撃性ゴム変性スチレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、耐衝撃性ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられ、これらは単独もしくは二種以上の混合物として使用することもできる。
なお、(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体における「耐衝撃性」とは、当該重合体自体をICトレーやエンボスキャリアテープに使用した場合、輸送時の衝撃や落下に耐え得ることをいう。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体を添加しない場合でも、耐衝撃性と剛性のバランスは良好であるが、該(ロ)成分を加えることで、経済的にさらに耐衝撃性と剛性のバランスを向上させることができる。
(ハ)非ゴム変性スチレン系重合体
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用する(ハ)非ゴム変性スチレン系重合体は、(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体およびスチレン系熱可塑性エラストマー以外のスチレン系重合体であり、エラストマーの非存在下、スチレン系単量体もしくはこれと共重合可能なモノマーを重合することにより得られるものである。スチレン系単量体と共重合可能なモノマーとしてはアクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸などが挙げられる。
特に好ましい非ゴム変性スチレン系重合体としては、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体などが挙げられ、これらは単独もしくは二種以上の混合物として使用することができる。
(ニ)導電性カーボン
(ニ)導電性カーボンとして、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ガスブラック、アセチレンブラック、アークブラック、ケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを用いることで導電性が向上する。中でも、比表面積が大きく、導電性に優れたファーネスブラック、ケッチェンブラック、特にケッチェンブラックが好ましい。さらに、これらの導電性カーボンブラックを組み合わせた導電性複合カーボンブラックでもよい。導電性カーボンブラックの比表面積としては、100〜1,500m/g、特に500〜1,500m/g程度が好ましい。導電性カーボンブラックの市販時の平均粒径は、(イ)成分の割合と密接な関係を有し、一概には規定できないが、通常、1nm〜10μm、好ましくは5nm〜1μm、さらに好ましくは10〜100nm程度である。
熱可塑性樹脂組成物の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の配合割合は、(イ)が2.5〜35重量部、(ロ)が0〜50重量部、(ハ)が40〜90重量部、(ニ)が1〜15重量部であり、好ましくは(イ)が2.5〜25重量部、(ロ)が0〜45重量部、(ハ)が50〜90重量部、(ニ)が2〜13重量部、さら好ましくは(イ)が2.5〜20重量部、(ロ)が0〜40重量部、(ハ)が50〜90重量部、(ニ)が3〜13重量部[ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)=100重量部]である。
(イ)が2.5重量部未満では耐衝撃性、低温特性、導電性に劣り、一方、35重量部を超えると流動性、剛性に劣る。(ロ)が50重量部を超えるとコストパフォーマンス、剛性に劣り、(ハ)が40重量部未満ではコストパフォーマンス、剛性に劣り、一方、90重量部を超えると耐衝撃性に劣り、(ニ)が1重量部未満では導電性に劣り、一方、15重量部を超えるとコストパフォーマンスに劣る。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来公知のあらゆる配合方法によって製造することができる。例えば、オープンロール、インテンシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、2軸ローター付きの連続混練機、1軸押出機、2軸押出機などの一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶剤に溶解または分散混合後溶剤を加熱除去する方法が用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来公知の方法、例えば、押出成形、射出成形、二色射出成形、サンドイッチ成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、回転成形、パウダースラッシュ成形、蒸気発泡成形、積層成形、カレンダー成形、ブロー成形などによって、実用上有用な成形品に加工することができる。また、必要に応じて、発泡、粉末、延伸、接着、印刷、塗装、メッキなどの加工を施してもよい。
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、他のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を少量併用することができる。また、他の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アタクチックポリプロピレン、1,2−ポリブタジエン、あるいはエチレン−プロピレンゴムなどの他の重合体を併用することが可能である。この場合、あらかじめ本発明の熱可塑性樹脂組成物と上記他の重合体とを、任意の割合で混練りしたのち、ペレット化およびまたは粉体化して使用することもできる。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤、例えば、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤などの安定剤;防菌・防かび剤;分散剤;軟化剤;可塑剤;発泡剤;発泡助剤;着色剤;フェライトなどの金属粉末;ガラス繊維;金属繊維などの無機繊維;炭素繊維、アラミド繊維などの有機繊維;複合繊維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィスカー;ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズなどの充填剤またはこれらの混合物;ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉などの充填剤;低分子量ポリマーなどを廃合してもよい。その他にもシリカ、タルク、炭酸カルシウム、導電性カーボン以外のカーボンブラックなどの充填剤、架橋剤、水酸化マグネシウムなどの難燃剤などの添加剤を配合することもできる。また、本発明の目的の達成を損なわない程度にゴム質重合体、熱可塑性樹脂などを適宜配合してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、薄膜状に成形することにより、導電性が付与されたフィルムおよびシートが得られる。
ここで、フィルムおよびシートの成形条件としては、T−ダイ法等を用いた公知の成型法を用いて、樹脂温度180℃以上にて行う。また基材との多層成型を用いても成形できる。
ここで、このようにして得られるフィルムおよびシートの厚さは、通常、10〜1,000μm、好ましくは50〜800μmである。
得られる導電性フィルムおよびシートは、特にICトレー、キャリアテープ(エンボスキャリアテープ)、ICコンテナー、トップカバーテープ、電磁波シールドシートなどの用途に有用である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。なお、実施例、比較例中の部および%は、特に断らない限り重量基準である。
<変性共役ジエン系重合体の製造>
以下に記載の1)〜12)の方法により、変性共役ジエン系重合体を製造した。
なお、各種の測定は下記の方法に拠った。
(i)ビニル結合(1,2結合および3,4結合)含量
赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求めた。
(ii)結合スチレン含量
赤外吸収スペクトル法により、検量線を作成し求めた。
(iii)重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製、HLC−8120)を用いてポリスチレン換算で求めた。
(iv)カルボキシル基および酸無水物基含量(mmol/g)
Macromol.synth.,4,9(1972)記載の滴定法により求めた。
すなわち、変性重合体を精製後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてフェノールフタレインを用い、溶液の色が無色から淡紅色に変化するまで、水酸化カリウム溶液で滴定することにより求めた。
(v)アルコキシシリル基含量(mmol/g)
赤外吸収スペクトルにより、変性化合物に存在するSi−OC結合に起因する1,250cm−1付近の吸収量により作成した検量線から定量した。また、変性剤に存在するアルコキシシリル基がSi−OCH、Si−OC、Si−OC(CH(C)結合の場合は、1,100cm−1付近の吸収量により作成した検量線から定量した。ただし、定量された値をGPC法で得られたポリスチレン換算数平均分子量Mnと、アルコキシシリル基の分子量で除して、アルコキシシリル基のモル数とした。
(vi)アミノ基含量(mmol/g)
Analy.Chem.564頁(1952)記載のアミン滴定法による定量により求めた。すなわち、変性重合体を精製後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてメチルバイオレットを用い、溶液の色が紫から水色に変化するまで、過塩素酸の酢酸溶液(HClO/CHCOOH)で滴定することにより求めた。
1)変性共役ジエン系重合体(イ−1)の製造
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kgおよびsec−ブチルリチウム9.5gを加え、重合開始温度50℃にて1段目重合し、反応完結後、温度を70℃として1,3−ブタジエン5.9kgを添加して断熱にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合し、反応完結後、1,3−ブタジエン0.1kgを添加してさらに4段目重合を行った。この系内にメチルトリフェノキシシラン43.0gを加え、30分反応させた。反応後、反応液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、老化防止剤としてイルガノックス1010を100g添加後、水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表1に記す重合体(イ−1)を得た。得られた重合体(イ−1)のアルコキシシリル基含量は0.0187mmol/gであった。
また、重合体(ヒ−1)は、メチルトリフェノキシシランを使用しない以外は、重合体(イ−1)に準じて重合して得た未変性共役ジエン系重合体である。
2)変性共役ジエン系重合体(イ−2)の製造
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kgおよび3−リチオ−1−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロパン31.1gを加え、重合開始温度50℃にて1段目重合し、反応完結後、温度を70℃として1,3−ブタジエン6.0kgを添加して断熱にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合を行った。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表1に記す重合体(イ−2)を得た。得られた重合体(イ−2)のアミノ基含量は0.0092mmol/gであった。
3)変性共役ジエン系重合体(イ−3)の製造
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kg、および2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタンを30.8g加え、重合開始温度50℃にて1段目重合し、反応完結後、温度を70℃として1,3−ブタジエン6.0kgを添加して断熱にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合を行った。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表1に記す重合体(イ−3)を得た。得られた重合体(イ−3)のアミノ基含量は0.0095mmol/gであった。
4)変性共役ジエン系重合体(イ−4)の製造
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kgおよびsec−ブチルリチウム9.5gを加え、重合開始温度50℃にて1段目重合し、反応完結後、温度を70℃として1,3−ブタジエン6.0kgを添加して断熱にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合を行った。その後、該重合体の活性点にp−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン86.9gを加え、30分反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表1に記す重合体(イ−4)を得た。得られた重合体(イ−4)のアミノ基含量は0.0254mmol/gであった。
5)変性共役ジエン系重合体(イ−5)の製造
重合開始剤にsec−ブチルリチウムを用いて、表2の(イ−5)に示す共重合体構造になるように重合開始剤の量、単量体種類、単量体量、重合温度、重合時間などを変化させて、上記1)の製法に準じ重合体を得た。次いで、該重合体の活性点にN−ベンジリデンエチルアミン15.9gを加え、30分反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表2に記す重合体(イ−5)を得た。得られた重合体(イ−5)のアミノ基含量は0.0095mmol/gであった。
6)変性共役ジエン系重合体(イ−6)の製造
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kgおよびsec−ブチルリチウム9.5gを加え、重合開始温度50℃にて重合した。反応完結後、温度を80℃としてブタジエン6.0kgをゆっくり添加して等温にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合した。反応完結後、ケトン化合物および/またはエステル化合物および/またはアルデヒド化合物としてベンズアルデヒドをリビングリチウムの橙色が無色になるまで添加したところ、14.1g必要であった。その後、無水フタル酸19.7g添加した。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表2に記す重合体(イ−6)を得た。得られた重合体(イ−6)の酸無水物基とカルボキシル基含量は0.0085mmol/gであった。
7)変性共役ジエン系重合体(イ−7)の製造
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kg、およびsec−ブチルリウム9.5gを加え、重合開始温度50℃にて重合した。反応完結後、温度を80℃としてブタジエン6.0kgをゆっくり添加して等温にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合した。反応完結後、ケトン化合物および/またはエステル化合物および/またはアルデヒド化合物としてアセトンをリビングリチウムの橙色が無色になるまで添加したところ、7.7g必要であった。その後、無水トリメリト酸クロリド28.1g添加した。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表2に記す重合体(イ−7)を得た。得られた重合体(イ−7)の酸無水物基とカルボキシル基の合計が0.016mmol/gであった。
8)変性共役ジエン系重合体(イ−8)の製造
重合体(イ−3)に準じて重合後、この系内にメチルトリフェノキシシラン31.7gを加え、30分反応させた。反応後、反応液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表2に記す重合体(イ−8)を得た。得られた重合体(イ−8)のアルコキシシリル基含量は0.0190mmol/g、アミノ基含量は0.0085mmol/gであった。
9)変性共役ジエン系重合体(イ−9)〜(イ−12)の製造
重合体(イ−1)に準じて、表2,3に示すようなアルコキシシリル基を有する変性共役ジエン系重合体になるように変性化合物の種類と量およびスチレン、ブタジエン、sec−ブチルリウムの量を変化させて、表2または3に記す重合体(イ−9)〜(イ−12)を得た。
なお、重合体(ヒ−2)は、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを使用しない以外は重合体(イ−12)に準じて重合して得た未変性共役ジエン系重合体である。
10)変性共役ジエン系重合体(イ−13)
共役ジエンとしてブタジエンの代わりにイソプレンを使用し、その他は重合体(イ−1)に準じて行い、表3に記す重合体(イ−13)を得た。
11)変性共役ジエン系重合体(イ−14)〜(イ−15)
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kg、エチレングリコールジエチルエーテル16.3gおよびsec−ブチルリチウム9.5gを加え、重合開始温度50℃にて1段目重合し、反応完結後、温度を70℃としてブタジエン5.9kgをゆっくり添加して断熱にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合し、反応完結後、1,3−ブタジエン0.1kgを添加してさらに4段目重合を行った。この系内にメチルジエトキシ(t−アミロキシ)シラン29.5gを加え、30分反応させた。反応後、反応液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表4に記す重合体(イ−14)を得た。得られた重合体(イ−14)のアルコキシシリル基含量は0.0180mmol/gであった。
(イ−15)は、(イ−14)に準じて、表4に示すようなアルコキシシリル基を有する変性共役ジエン系重合体になるようにエチレングリコールジエチルエーテル量、変性化合物の種類と量を変化させて重合体(イ−15)を得た。
なお、重合体(ヒ−3)は、メチルジエトキシ(t−アミロキシ)シランを使用しない以外は重合体(イ−14)に準じて重合して得た未変性共役ジエン系重合体である。
12)変性共役ジエン系重合体(イ−16)
窒素置換された内容積100リットルの反応容器に、シクロヘキサン50kg、スチレン2.0kgおよびsec−ブチルリチウム9.0gを加え、重合開始温度50℃にて1段目重合し、反応完結後、温度を80℃としてブタジエン4.9kgおよびスチレン1kgをゆっくり添加して等温にて2段目重合した。30分後、スチレン2.0kgを添加し3段目重合し、反応完結後、1,3−ブタジエン0.1kgを添加してさらに4段目重合を行った。一部取り出したこのブロック重合体の2段目のビニル結合は12%含有し、GPCで測定した重量平均分子量は10万であった。そして、この系内にメチルトリフェノキシシラン40.7gを加え、30分反応させた。反応後、常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、(イ−1)と同様に、老化防止剤を添加後、水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、表4に記す重合体(イ−16)を得た。得られた重合体(イ−16)のアルコキシシリル基含量は0.0185mmol/gであった。
なお、重合体(ヒ−4)は、メチルトリフェノキシシランを使用しない以外は、重合体(イ−16)に準じて重合して得た未変性共役ジエン系重合体である。
(a)メチルトリフェノキシシラン
(b)3−リチオ−1−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロパン
(c)2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン
(d)p−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン






(a)メチルトリフェノキシシラン
(c)2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン
(e)N−ベンジリデンエチルアミン
(f)無水フタル酸
(g)無水トリメリト酸クロリド
(h)メチルジエトキシ(t−アミロキシ)シラン
(a)メチルトリフェノキシシラン
(i)N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン
(j)N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン
(k)N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン
(a)メチルトリフェノキシシラン
(h)メチルジエトキシ(t−アミロキシ)シラン
(k)N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン
(2)各種成分
実施例および比較例において用いた各種の成分は、以下のとおりである。
(イ)変性共役ジエン系重合体
表1〜表4に示す構造を有する水添共役ジエン系重合体(イ−1)〜(イ−16)、(ヒ−1)〜(ヒ−4)
(ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体
日本ポリスチレン社製 HIPS M220
(ハ)非ゴム変性スチレン系重合体
日本ポリスチレン社製 GPPS G440K
(ニ)導電性カーボン
花王社製 ケッチェンブラックEC
熱可塑性樹脂組成物の特性
(1)表面固有抵抗性(導電性)
JIS K7194に準じて、低抵抗率計を用いて、表面抵抗値を測定した。
(2)耐衝撃性
(2)−1 DuPont衝撃強さ
DuPont衝撃試験器(東洋精機社製)にてJIS K7211の落錘衝撃試験方法に沿って50%破壊エネルギーを求めた。0.5mmのシートを用いて、荷重は300g、撃心突端の半径は7.9mm、撃心受台の半径は8.1mmで行った。
(2)-2 フィルム衝撃強さ
フィルムインパクトテスター(東洋精機社製)にて、0.25mmのシートを用いて、衝撃球面直径12.7mm、振り子重量15kg・cmの条件で測定した。
(3)導電性カーボンの脱落性
縦15cm×横15cmのシートを固定し、その上にコピー用紙を20mmスパンで10回往復運動させて、摩擦によるコピー用紙の色の変化を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:カーボンの付着がない。
×:カーボンが付着する。
(4)低温特性
0℃におけるDuPont衝撃強さにて評価した。
(5)剛性
JIS K7127に準拠し、引張試験を行い弾性率で評価した。
実施例1
変性共役ジエン系重合体(イ−1)/耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体/非ゴム変性スチレン系重合体/導電性カーボン(重量比)=10/20/60/10の割合でドライブレンドし、ナカタニ機械社NVC−50の押出機を使用しシリンダー温度200℃にてコンパウンドしストランドカットし、ペレット化した。その後、このコンパウンドペレット品を15cm巾のT−ダイ金型、押出機およびフィルム・シート引取装置F1−T3付属のラボプラストミル100C100(東洋精機社製)にて厚み0.25mmおよび0.5mmのシートを作製した。このシートを用い、各特性の評価結果を表5に示す。
実施例2〜28、比較例1〜4
表5〜表10に示す配合処方を用い実施例1と同様に試験片を作製し、物性評価を行った。結果を以下の表5〜表10に示す。




















表5〜表9より、本発明の組成物である実施例1〜28では、物性のバランスの取れた熱可塑性樹脂組成物であることが分かる。
これに対し、表10から、本発明の変性共役ジエン系重合体ではない未変性重合体を用いた比較例は導電性に劣り、導電カーボンの脱落があり、実施例に比べて劣っていた。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、自動車内装材用、電気・電子部品用、建築材用などの用途に有用であり、特に半導体や電子部品用包装材料などとして用いられる。特に、本発明により得られる導電性が付与されたフィルム・シートは、ICトレー、キャリアテープなどの用途に有用である。

Claims (8)

  1. (イ)アルコキシシリル基、アミノ基、酸無水物基、およびカルボキシル基の群から選ばれた少なくとも1種の基を有する変性共役ジエン系重合体2.5〜35重量部、
    (ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体0〜50重量部、
    (ハ)非ゴム変性スチレン系重合体40〜90重量部、ならびに
    (ニ)導電性カーボン1〜15重量部[ただし、(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)=100重量部]
    を主成分とする導電性熱可塑性樹脂組成物。
  2. (イ)変性共役ジエン系重合体が、次に示す方法(a)〜(e)の群から選ばれた少なくとも1種で製造された重合体のいずれかである請求項1に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
    (a)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させることにより製造された重合体。
    (b)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下で重合することにより製造された重合体。
    (c)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体と芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合物の存在下で重合することにより製造された重合体。
    (d)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(1)で表される化合物を反応させることにより製造された重合体。
    C=N−Y・・・・(1)
    [上記一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、Yは水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。]
    (e)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に、アセトン、ジエチルケトン、n−ブチルエチルケトン、エチルアミルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、4−アセトジフェニル、メチルエチルケトン、ベンゾフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、4−メチルベンゾフェノン、4−オクチルベンゾフェノンおよびプロピオフェノンの群から選ばれた少なくとも1種のケトン化合物、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、安息香酸メチル、トルイル酸メチル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジルおよびγ−ブチロラクトンの群から選ばれた少なくとも1種のエステル化合物、ならびにホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、α−トリルアルデヒド、o−トルアルデヒド、クミンアルデヒド、p−トリルアセトアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド、アルデヒドピリジン、α−ナフトアルデヒドおよびフルフラールの群から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド化合物を反応させた後、無水プロピオン酸、無水ラク酸、無水カプロン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、3−メチル無水フタル酸、4−メチル無水フタル酸、シス−ヘキサヒドロ無水フタル酸、トランス−ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ−4−メチル無水フタル酸、シス−1,2,3,6―テトラヒドロ無水フタル酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物およびピロメリット酸二無水物の群から選ばれた少なくとも1種の酸無水物ならびに/またはベンゼンジカルボン酸クロライド、フタル酸クロライド、イソフタル酸ジクロライドおよびトリメリト酸トリクロライドの群から選ばれた少なくとも1種の酸ハライドと反応させることにより製造された重合体。
  3. (イ)変性共役ジエン系重合体が、アルコキシシリル基とアミノ基を有する変性共役ジエン系重合体であり、かつ下記(f)〜(h)の群から選ばれた少なくとも1種の方法により製造された変性共役ジエン系重合体である、請求項1に記載の導電性熱可塑性重合体組成物。
    (f)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(2)で表される化合物を反応させた変性重合体。
    (4−m−n)Si(OR ……(2)
    [式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、Rが複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよい。Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であり、Rが複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよい。Xは少なくともO原子、Si原子のいずれか1つ以上含む極性基を有する置換基であり、Xが複数ある場合は、各Xは同じ基でも異なる基でもよく、また、各Xは独立の置換基でも環状構造を形成していてもよい。mは1、2または3であり、nは0、1、2または3の整数を示す。mとnの和は1〜4である。]
    (g)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体と芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に上記一般式(2)で表される化合物を反応させた変性重合体。
    (h)共役ジエンと芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に下記一般式(7)で表される化合物を反応させた変性重合体。
    12 (4−p−q)Si(OR13 ……(7)
    [式中、R12は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、R12が複数ある場合は、各R12は同じ基でも異なる基でもよい。R13は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であり、R13が複数ある場合は、各R13は同じ基でも異なる基でもよい。ZはN原子を含む極性基を有する置換基であり、Zが複数ある場合は、各Zは同じ基でも異なる基でもよく、また、各Zは独立の置換基でも環状構造を形成していてもよい。pは1、2または3であり、qは1、2または3の整数を示す。pとqの和は2〜4である。]
  4. (ロ)耐衝撃性ゴム変性スチレン系重合体が、耐衝撃性ゴム変性スチレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、および耐衝撃性ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  5. (ハ)非ゴム変性スチレン系重合体が、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、およびアクリロニトリル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜4いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  6. (ニ)導電性カーボンが、ケッチェンブラックである請求項1〜5いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物を成形してなる導電性フィルム。
  8. 請求項1〜6いずれかに記載の導電性熱可塑性樹脂組成物を成形してなる導電性シート。

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