JP2003155385A - 重合体組成物および電線被覆材 - Google Patents

重合体組成物および電線被覆材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃性に優れるとともに、引張強さ、引張伸
び、耐熱性、低温特性、耐絶縁性及び柔軟性等のバラン
スに優れ、機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆
材、絶縁テープ等の工業用材料等の用途に特に有用な難
燃性のオレフィン系重合体組成物および該組成物で形成
された電線被覆材を提供すること。 【解決手段】(イ)オレフィン系重合体1〜99重量部
と、(ロ)アルコキシシリル基及び/又はアミノ基を有
する変性水添共役ジエン系重合体99〜1重量部(ただ
し、(イ)+(ロ)=100重量部)、および(ハ)無
機系難燃剤を5〜500重量部含有することを特徴とす
る重合体組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体組成物に関
する。さらに詳しくは、難燃性に優れるとともに、燃焼
した場合であってもハロゲンガス等の有毒ガスの発生が
なく、また、リンや鉛等の環境汚染物質を含有すること
がなく、さらに、引張強さ、引張伸び、耐熱性、低温特
性、耐絶縁性及び柔軟性等の諸物性のバランスに優れ、
機器内配線や自動車用ハーネス等の電線被覆材、絶縁テ
ープ等の工業用材料等の用途に特に有用な難燃性のオレ
フィン系重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系重合体(樹脂)は、物理的
性質及び化学的性質に優れるところから、押出成形、射
出成形等の種々の方法で、フィルム、シート、パイプ、
容器、電線、ケーブル等に成形され、家庭用品及び工業
用材料として汎用されている。このようなオレフィン系
樹脂は、易燃性であるため、これを難燃化するための方
法が従来から種々開示されている。例えば、その最も一
般的な方法として、オレフィン系樹脂にハロゲン系の難
燃剤を用いる方法が知られている。しかし、これらの難
燃剤は少量の配合で難燃効果を発揮するものの、燃焼時
に腐食性で有毒なガスを発生するという問題がある。ま
た、近年、ハロゲン系難燃剤を用いない難燃性プロピレ
ン樹脂組成物が開示されている(例えば、特開平2−2
63851号公報)。しかし、この組成物は、難燃剤と
して、リン系の難燃剤を用いており、その吸湿性に基づ
くブリードを防止する必要があり、ブリードの防止につ
いては、オレフィン系合成ゴム及びシランカップリング
剤の配合によって一定の改良が認められるものの、可撓
性や柔軟性等の物性及び無公害かつ環境調和の観点から
は必ずしも十分に満足し得るものではなかった。また、
プロピレンホモ重合体、エチレン−プロピレン共重合ゴ
ム、テトラブロモビスフェノールSのビス(2,3−ジ
ブロモプロピル)エーテル及び三酸化アンチモンを有す
る難燃性ポリプロピレン組成物が開示されている(特開
昭61−183337号公報)。しかし、この組成物
は、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールSのビス
(2,3−ジブロモプロピル)エーテルを用いている
が、この化合物はいわゆる環境ホルモンの疑いがあり、
環境調和の観点から必ずしも十分に満足し得るものでは
なかった。また、この組成物は、エチレン−プロピレン
共重合ゴムを用いていることから衝撃強度においては一
定の改良が認められるものの、例えば、電線被覆材とし
て用いられる場合、配線、組み立て時に要求される柔軟
性については必ずしも十分に満足し得るものではなかっ
た。
【0003】さらに、最近、無公害かつ環境調和型の難
燃剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
等の無機系金属化合物の水和物を用いる方法が開示され
ている(例えば、特開平10−279736号公報)。
しかし、このような無機系金属化合物の水和物を用いた
難燃性組成物においては、難燃性を高めるためには無機
系金属化合物の水和物の充填量を高める必要があり、充
填量を高めると機械的特性、特に引張強度が低下し、ま
た成形加工性が低下するという問題がある。これを改良
するために、カルボン酸もしくは酸無水物で変性された
スチレン系熱可塑性エラストマーとポリオレフィン系樹
脂に金属水酸化物などのハロゲン系難燃剤を用いない難
燃性組成物が開示されている(例えば、特開平7−16
5997号公報、同2000−340034号公報)。
しかし、この組成物に用いるカルボン酸もしくは酸無水
物変性スチレン系熱可塑性エラストマーは、無水マレイ
ン酸等の変性剤を過酸化物の存在下でスチレン系熱可塑
性エラストマーにグラフトさせるため、未反応変性剤の
処理、スチレン系熱可塑性エラストマーの分子切断、架
橋等の問題があり、目的とする物性を再現性よく得るこ
とが難しい。また該変性スチレン系熱可塑性エラストマ
ーは無機系難燃剤との親和性向上には効果があるが、オ
レフィン系重合体との分子の絡み合いが少なくオレフィ
ン系重合体と無機系難燃剤との界面補強効果が少ないた
め、引張伸び、耐熱性、低温特性、柔軟性等の改良が不
十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みなされたもので、難燃性に優れるとともに、引張強
さ、引張伸び、耐熱性、低温特性、耐絶縁性及び柔軟性
等のバランスに優れ、機器内配線や自動車用ハーネス等
の電線被覆材、絶縁テープ等の工業用材料等の用途に特
に有用な難燃性のオレフィン系重合体組成物および該組
成物で形成された電線被覆材を提供することを目的とす
る。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため鋭意研究した結果、アルコキシラン化合物及
び/又は窒素原子を有する化合物で変性した水添ジエン
系重合体(以下、併せて「変性水添共役ジエン系重合
体」という)を用いることにより無機系難燃剤との親和
性、オレフィン系重合体との分子の絡み合い効果を持た
せ、上記諸特性を全て満足する重合体組成物が得られる
ことを知見し本発明を完成させた。すなわち、本発明に
よって、下記の重合体組成物が提供される。
【0006】[1](イ)オレフィン系重合体1〜99
重量部と、(ロ)アルコキシシリル基及び/又はアミノ
基を有する変性水添共役ジエン系重合体99〜1重量部
(ただし、(イ)+(ロ)=100重量部)、および
(ハ)無機系難燃剤を5〜500重量部含有することを
特徴とする重合体組成物。 [2]上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体が、次に
示す方法(a)〜(d)で製造された重合体のいずれか
であることを特徴とする上記[1]に記載の重合体組成
物。 (a)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた
共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応さ
せた変性重合体とし、その後、該変性重合体を水素添加
することにより製造された重合体。 (b)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下
で重合し、その後、該重合体を水素添加することにより
製造された重合体。 (c)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体又は
これらと芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合
物の存在下で重合し、その後、該変性重合体を水素添加
することにより製造された重合体。 (d)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた
共役ジエン系重合体に下記一般式(1)で表される化合
物を反応させた変性重合体とし、その後、該重合体を水
素添加することにより製造された重合体。 RC=N−Y・・・・(1) [上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1
〜100のオルガノシロキシ基である。また、Yは水素
原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100の
オルガノシロキシ基である。] [3]上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体のアルコ
キシシリル基及びアミノ基の含有量が0.0001〜5
mmol/gである上記[1]〜[2]に記載の重合体
組成物。 [4]上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体の不飽和
部である共役ジエンに基づく脂肪族二重結合の50%以
上が飽和されたものである上記[1]〜[3]に記載の
重合体組成物。 [5]上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体が、下記
(A)〜(D)の重合体ブロックの中から選ばれた2以
上の重合体ブロックを含むブロック共重合体であるであ
る上記[1]〜[4]に記載の重合体組成物。 (A)芳香族ビニル化合物が80重量%以上である芳香
族ビニル化合物重合体ブロック (B)ビニル結合含量が25重量%未満の共役ジエン重
合体ブロック (C)ビニル結合含量が25重量%以上90重量%以下
の共役ジエン重合体ブロック (D)芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共
重合体ブロック [6]上記(ハ)無機系難燃剤が、水酸化マグネシウム
及び水酸化アルミニウム又はそのいずれかからなるもの
である上記[1]〜[5]に記載の重合体組成物。 [7]上記[1]〜[6]に記載の重合体組成物におい
て、(ニ)エチレン―酢酸ビニル系共重合体及び/又は
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が、
上記(イ)オレフィン系重合体と上記(ロ)変性水添共
役ジエン系重合体との合計量(但し(イ)+(ロ)+
(ニ)=100重量%)のうち、99重量%以下で含有
する重合体組成物。 [8]電線被覆用であることを特徴とする上記[1]〜
[7]のいずれかに記載の重合体組成物。 [9]上記[8]の重合体組成物で形成された電線被覆
材。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の重合体組成物の実
施の形態を具体的に説明する。本発明の重合体組成物
は、(イ)オレフィン系重合体1〜99重量部と、
(ロ)アルコキシシリル基及び/又はアミノ基を有する
変性水添共役ジエン系重合体99〜1重量部(ただし、
(イ)+(ロ)=100重量部、以下、併せて「重合体
成分(M)」という)、および(ハ)無機系難燃剤を5
〜500重量部含有することを特徴とする。以下、各構
成要素ごとにさらに具体的に説明する。
【0008】1.オレフィン系重合体 本発明に用いられるオレフィン系重合体(以下「(イ)
成分」という場合がある)は、1種又は2種以上のモノ
オレフィンを高圧法又は低圧法のいずれかによる重合か
ら得られる結晶性のポリオレフィン樹脂(重合体)であ
り、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン−1が好ましい。このポリオレフィン樹脂は単独重合
体であってもよく、他のモノマーと共重合してなる共重
合体であってもよい。
【0009】共重合可能な他のモノマーとしては、例え
ば、エチレン(主たる重合体がポリエチレンの場合は除
く)、プロピレン(主たる重合体がポリプロピレンの場
合は除く)、ブテン−1(主たる重合体がポリブテン−
1である場合は除く)、ペンテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1等の直鎖状α−オレフィ
ン;4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−
1、3−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−
1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1等の分岐状α−オレフィン;並びに、前記α−オ
レフィンと共重合することができるモノマーを挙げるこ
とができる。これら共重合可能なモノマー成分の配合量
としては、20重量%以下、好ましくは15重量%以下
である。これらを共重合した場合の共重合体の様式につ
いては結晶性を有する限り特に制限はなく、例えば、ラ
ンダム型、ブロック型、グラフト型、これらの混合型等
のいずれであってもよい。
【0010】オレフィン系重合体として用いられる好ま
しい共重合体としては、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−ブテン−1共重合体、ブテン−1−エ
チレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共
重合体等を挙げることができる。これらポリオレフィン
系重合体は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いる
ことができる。
【0011】重合体成分(M)中における(イ)成分の
配合量は、1〜99重量%であり、好ましくは、10〜
90重量%、さらに好ましくは、20〜80重量%であ
る。1重量%未満であると、本発明の組成物の機械的強
度、耐熱性が低下し、99重量%を超えると、引張伸び
及び柔軟性が低下する。
【0012】2.変性水添共役ジエン系重合体 本発明に用いられる変性水添共役ジエン系重合体(以下
「(ロ)成分」という場合がある)の一つであるアルコ
キシシリル基を有する変性水添共役ジエン系重合体は、
不活性有機溶媒中、共役ジエン又は共役ジエンと芳香族
ビニル化合物を、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤
として重合し、得られた共役ジエン系重合体にアルコキ
シシラン化合物を反応させた変性重合体とし、その後、
該変性重合体を水素添加することにより容易に得ること
ができる。上記「アルコキシシリル基」としては炭素数
1〜20のアルキルオキシ、炭素数6〜20のアリール
オキシ、炭素数7〜20のアラルキルオキシから選ばれ
る少なくとも1つのアルコキシルが珪素原子と結合した
基で、具体的にはメトキシ、エトキシ、ブトキシ、プロ
ポキシ、ペンチロキシ、ネオペンチロキシ、ヘキシロキ
シ、アミロキシ、フェノキシ、好ましくはメトキシ、エ
トキシ、アミロキシ、フェノキシなどのアルコキシと珪
素原子が結合したものが挙げられる。
【0013】上記「共役ジエン」としては、例えば、
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチ
ル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、
1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,
3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエ
ン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。この中
で、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0014】また、重合させる単量体としては、上記
「共役ジエン」単独でもよいが、その他の化合物と共に
重合させることができ、例えば、上記「共役ジエン」と
「芳香族ビニル化合物」を重合させることができる。上
記「芳香族ビニル化合物」としては、スチレン、ter
t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニ
ルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチル
スチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。この中で、
スチレン及びtert−ブチルスチレンが好ましい。
尚、この場合、上記「共役ジエン」と上記「芳香族ビニ
ル化合物」と、更に他の化合物を加えて重合させてもよ
い。
【0015】重合開始剤である上記「有機アルカリ金属
化合物」としては、有機リチウム化合物、有機ナトリウ
ム化合物等が挙げられ、特に有機リチウム化合物が好ま
しい。有機アルカリ金属化合物の使用量については特に
限定はなく、必要に応じて種々の量を使用できるが、通
常はモノマー100重量%あたり0.02〜15重量%
の量で、好ましくは0.03〜5重量%の量で用いられ
る。
【0016】共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化
合物を反応させるアルコキシシラン化合物としては、共
役ジエン系重合体に反応させて、変性重合体とすること
ができる限り、その構造には限定はないが、以下の一般
式(2)で表されるアルコキシシラン化合物が用いられ
る。 R (4−m−n)Si(OR (2) [式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又
は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、R
が複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよ
い。Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であ
り、Rが複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる
基でもよい。Xは少なくともO原子、Si原子のいずれ
か1つ以上含む極性基を有する置換基であり、Xが複数
ある場合は、各Xは同じ基でも異なる基でもよく、ま
た、各Xは独立の置換基でも環状構造を形成していても
よい。mは1、2又は3であり、nは0、1、2又は3
の整数を示す。mとnの和は1〜4である。特にmは2
又は3で、nは0又は1が好ましい。]
【0017】上記一般式(2)で表されるアルコキシシ
ラン化合物としては、先に出願した特願2002−08
3931明細書に記載の化合物が挙げられる。その中
で、好ましい具体例として、テトラエトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリメトキリシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、ジメチルジフェノキシシラン、1−トリメチルシリ
ル−2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタ
ン、1−トリメチルシリル−2−ジエトキシ−1−アザ
−2−シラシクロペンタン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメトリメトキシ
シラン、トリメチルシロキシトリフェノキシシラン、ト
リメチルシロキシトリメトキシシラン、トリメチルシロ
キシトリエトキシシラン、トリメチルシロキシトリブト
キシシラン、及び1,1,3,3−テトラメチル−1−
フェノキシジシロキサン等が挙げられる。
【0018】上記アルコキシシラン化合物による変性方
法は、共役ジエン系重合体を製造するための重合反応の
重合転化率が90%〜100%になった時点で、上記ア
ルコキシシラン化合物を重合系内に添加して変性反応を
行うことが好ましい。重合転化率が90%に到達する以
前に添加しても良いし、また、重合反応が進行中に、間
欠的又は連続的にシラン化合物を添加して変性反応を行
ってもよい。
【0019】上記アルコキシシラン化合物の使用量は、
有機アルカリ金属化合物由来の活性点のモル数に対し
て、好ましくは、0.05〜5倍モル、さらに好ましく
は、0.1〜1.5倍モルである。
【0020】得られる共役ジエン系重合体中のアルコキ
シシリル基の含量は、通常、0.0001〜5mmol
/g、好ましくは、0.001〜1mmo1/g、さら
に好ましくは、0.003〜0.1mmo1/gであ
る。なお、アルコキシシリル基は、通常、重合体鎖末端
に存在するが、側鎖に存在してもよい。
【0021】本発明に用いられる変性水添共役ジエン系
重合体の一つであるアミノ基を有する変性水添共役ジエ
ン系重合体は、アミノ基を導入する方法は特に限定はな
いが、例えば以下に示す(b)〜(d)の方法により容
易に得ることができる。 (b)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下
で重合し、その後、該重合体を水素添加することにより
製造される。 (c)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体又は
これらと芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合
物の存在下で重合し、その後、該変性重合体を水素添加
することにより製造される。 (d)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた
共役ジエン系重合体に下記一般式(1)で表される化合
物を反応させた変性重合体とし、その後、該重合体を水
素添加することにより製造される。 RC=N−Y・・・・(1) [上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭
素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、Y
は水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリー
ル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜1
00のオルガノシロキシ基である。]
【0022】(b)の方法で使用するアミノ基を有する
有機アルカリ金属化合物としては、下記一般式(3)又
は(4)が挙げられる。
【0023】
【化1】
【0024】[上記一般式(3)中、R及びRは両
方とも炭素数3〜18のトリアルキルシリル基である
か、又はどちらか一方が上記トリアルキルシリル基であ
り、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
0のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しく
は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。ま
た、上記一般式(3)及び(4)中のRは、炭素数1
〜20のアルキレン基又はアルキリデン基である。更
に、上記一般式(4)中のRは炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキ
シ基である。] 上記一般式(3)又は(4)で表される有機アルカリ金
属化合物としては、先に出願した特願2002−083
931明細書に記載の化合物が挙げられる。その中で、
好ましい具体例としては、3−リチオ−1−[N,N−
ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン(CAS
No.289719−98−8)、2−リチオ−1−
[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノエタン、
3−リチオ−2,2−ジメチル−1−[N,N−ビス
(トリメチルシリル)]アミノプロパン、2,2,5,
5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−
アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5
−テトラメチル−1−(3−リチオ−2,2−ジメチル
−プロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタ
ン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(2−リチオ
エチル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、
3−リチオ−1−[N−(tert−ブチル−ジメチル
シリル)−N−トリメチルシリル]アミノプロパン、3
−リチオ−1−(N−メチル−N−トリメチルシリル)
アミノプロパン、3−リチオ−1−(N−エチル−N−
トリメチルシリル)アミノプロパンなどが挙げられる。
(c)の方法で使用するアミノ基を有する不飽和単量体
としては、下記一般式(5)又は(6)である。
【0025】
【化2】
【0026】[上記一般式(5)及び(6)中、R
びRは、両方とも炭素数3〜18のトリアルキルシリ
ル基であるか、又はどちらか一方が上記トリアルキルシ
リル基であり、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキ
ル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基で
ある。また、上記一般式(6)中、Rは、炭素数1〜
20のアルキレン基又はアルキリデン基である。更に、
上記一般式(5)及び(6)中のnは1〜3である。]
【0027】上記一般式(5)又は(6)で表される不
飽和単量体としては、先に出願した特願2002−08
3931明細書に記載の化合物が挙げられる。その中
で、好ましい具体例としては、p−[N,N−ビス(ト
リメチルシリル)アミノ]スチレン、p−[N,N−ビ
ス(トリメチルシリル)アミノメチル]スチレン、p−
{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エ
チル}スチレン、m−[N,N−ビス(トリメチルシリ
ル)アミノ]スチレン、p−(N−メチル−N−トリメ
チルシリルアミノ)スチレン、p−(N−メチル−N−
トリメチルシリルアミノメチル)スチレンなどが挙げら
れる。一般式(5)又は(6)で表される不飽和単量体
の使用量は、有機アルカリ金属由来の活性点のモル数に
対して0.01〜100倍モル、好ましくは0.01〜
10倍モル、特に好ましくは1.0〜3.0倍モルの割
合で添加する。また、反応時間は、1秒〜2時間の範囲
で行うのが好ましい。更に、不飽和単量体は、重合の開
始時、重合途中、重合終了前、重合終了後等の任意の時
に添加することができる。
【0028】(d)の方法で使用する上記一般式(1)
の化合物としては、先に出願した特願2002−083
931明細書に記載の化合物が挙げられる。その中で、
好ましい具体例としては、N−ベンジリデンメチルアミ
ン、N−ベンジリデンエチルアミン、N−ベンジリデン
ブチルアミン、N−ベンジリデンアニリンなどが挙げら
れる。上記一般式(1)で表される化合物を上記共役ジ
エン系重合体と反応させて変性する場合の使用量は特に
限定がないが、通常、有機アルカリ金属化合物由来の活
性点のモル数に対し0.2〜3倍モル、好ましくは0.
3〜1.5倍モル、更に好ましくは0.4〜1.3倍モ
ルの割合で添加する。
【0029】得られる共役ジエン系重合体中のアミノ基
の含量は、通常、0.0001〜5mmol/g、好ま
しくは、0.001〜1mmo1/g、さらに好ましく
は、0.003〜0.1mmo1/gである。なお、ア
ミノ基の位置は特に限定はなく、重合体鎖末端に存在し
てもよく、側鎖に存在してもよい。アミノ基は第1級ア
ミノ基及び/又は第2級アミノ基が好ましい。
【0030】本発明に用いられる変性水添共役ジエン系
重合体の一つであるアルコキシル基とアミノ基を有する
変性水添共役ジエン系重合体の製法は特に限定はない
が、例えば以下に示す(e)〜(g)の方法により容易
に得ることができる。 (e)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下
で重合し、得られた共役ジエン系重合体に上記一般式
(2)で表される化合物を反応させた変性重合体とし、
その後、該重合体を水素添加することにより製造され
る。 (f)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体又は
これらと芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合
物の存在下で重合し、得られた共役ジエン系重合体に上
記一般式(2)で表される化合物を反応させた変性重合
体とし、その後、該変性重合体を水素添加することによ
り製造される。 (g)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた
共役ジエン系重合体に下記一般式(7)で表される化合
物を反応させた変性重合体とし、その後、該重合体を水
素添加することにより製造される。 R (4−m−n)Si(OR10 (7) [式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又
は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、R
が複数ある場合は、各Rは同じ基でも異なる基でもよ
い。R10は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜
20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であ
り、R10が複数ある場合は、各R10は同じ基でも異
なる基でもよい。XはN原子を含む極性基を有する置換
基であり、Xが複数ある場合は、各Xは同じ基でも異な
る基でもよく、また、各Xは独立の置換基でも環状構造
を形成していてもよい。mは1、2又は3であり、nは
1、2又は3の整数を示す。mとnの和は1〜4であ
る。特にmは2又は3で、nは1が好ましい。]
【0031】上記一般式(7)で表されるアルコキシシ
ラン化合物としては、先に出願した特願2002−08
3931明細書に記載の化合物が挙げられる。その中
で、好ましい具体例としては、N,N−ビス(トリメチ
ルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N
−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプ
ロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメ
チルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、
N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−
ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシ
ラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル
トリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリ
ル)アミノエチルジメチルエトキシシラン、N,N−ビ
ス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルメトキシ
シラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチ
ルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチル
シリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N−メ
チル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチ
ルシリルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−
メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチル
メトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−メチル−N
−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルエトキ
シシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルメ
トキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリ
デン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンア
ミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエト
キシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−
3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N
−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシ
リル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメ
チルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリ
ル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブ
チリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパ
ンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリ
メトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデ
ン−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリメト
キシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N
−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリメトキシ
シリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチ
ルブチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1
−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3
−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N−エチリデン−3−(メチルジメトキシシリル)−1
−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−
3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)
−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチ
ルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1
−メチルエチリデン)−3−(メチルジエトキシシリ
ル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メ
チルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−
(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジエトキシ
シリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジ
メチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジエトキシ
シリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチ
ルブチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1
−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3
−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N−エチリデン−3−(ジメチルメトキシシリル)−1
−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−
3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)
−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメ
チルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1
−メチルエチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリ
ル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジ
メチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−
(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルエトキシ
シリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジ
メチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルエトキシ
シリル)−1−プロパンアミンなどが挙げられる。
【0032】得られる共役ジエン系重合体中のアルコキ
シシリル基とアミノ基との含量は、通常、0.0001
〜5mmol/g、好ましくは、0.001〜1mmo
1/g、さらに好ましくは、0.003〜0.1mmo
1/gである。なお、これらの基は、通常、重合体鎖末
端に存在するが、側鎖に存在してもよい。
【0033】アルコキシシラン化合物及び/またはアミ
ノ基を有する化合物と反応させる共役ジエン系重合体
は、共役ジエンを重合したものであればよいが、得られ
る組成物の物性及び成形加工性の点から、以下の(A)
〜(D)の重合体ブロックの中から選ばれた2以上の重
合体ブロックを含むブロック共重合体が好ましい。 (A)芳香族ビニル化合物が80重量%以上である芳香
族ビニル化合物重合体ブロック (B)ビニル結合含量が25重量%未満の共役ジエン重
合体ブロック (C)ビニル結合含量が25重量%以上90重量%以下
の共役ジエン重合体ブロック (D)芳香族ビニル化合物と共役ジエンのランダム共重
合体ブロック
【0034】また、上記「共役ジエン系重合体」におけ
る上記「共役ジエン」及び上記「ビニル芳香族化合物」
の組成比については特に限定はないが、通常、共役ジエ
ン5〜100重量%と芳香族ビニル化合物95〜0重量
%、好ましくは5〜95重量%と95〜5重量%、更に
好ましくは共役ジエン30〜92重量%と芳香族ビニル
化合物70〜8重量%の範囲とすることができる。
【0035】上記(D)のランダム共重合体ブロックに
おいては、芳香族ビニル化合物含量が連続的に一分子中
で変化するいわゆるテーパータイプも含まれて良い。ま
た、上記「(A)〜(D)の重合体ブロックの中から選
ばれた2以上の重合体ブロックを含むブロック共重合
体」の例としては、(A)−(B)、(A)−(C)、
(A)−(D)、(C)−(D)、(B)−(C)、
[(A)−(B)]x―Y、[(A)−(C)]x―
Y、[(A)−(D)]x―Y、[(C)−(D)]x
―Y、[(B)−(C)]x―Y、(A)−(B)−
(C)、(A)−(B)−(D)、(A)−(B)−
(A)、(A)−(C)−(A)、(A)−(D)−
(A)、(A)−(D)−(C)、(A)−(C)−
(B)、(B)−(C)−(B)、[(A)−(B)−
(C)]x―Y、[(A)−(B)−(A)]x―Y、
[(A)−(C)−(A)]x―Y、[(A)−(D)
−(A)]x―Y、[(A)−(D)−(C)]x―
Y、(A)−(B)−(A)−(B)、(B)−(A)
−(B)−(A)、(A)−(C)−(A)−(C)、
(C)−(A)−(C)−(A)、[(A)−(B)−
(A)−(B)]x―Y、(A)−(B)−(A)−
(B)−(A)、[(A)−(B)−(A)−(B)−
(A)]x―Y、[(B)−(A)]x―Y、[(C)
−(A)]x―Y、[(D)−(A)]x―Y、(B)
−(A)−(B)−(C)、(B)−(A)−(B)−
(A)、(B)−(A)−(C)−(A)、(C)−
(A)−(D)−(A)、(C)−(A)−(D)−
(C)、[(C)−(A)−(B)−(C)]x―Y、
[(D)−(A)−(B)−(A)]x―Y、[(D)
−(A)−(C)−(A)]x―Y、[(D)−(A)
−(D)−(A)]x―Y、[(D)−(A)−(D)
−(C)]x―Y、(D)−(A)−(B)−(A)−
(B)、(D)−(B)−(A)−(B)−(A)、
(D)−(A)−(C)−(A)−(C)、(D)−
(C)−(A)−(C)−(A)、[(D)−(A)−
(B)−(A)−(B)]x―Y、(D)−(A)−
(B)−(A)−(B)−(A)、[(D)−(A)−
(B)−(A)−(B)−(A)]x―Y等が挙げられ
る(但し、xは2〜8の整数であり、Yはカップリング
剤の残基である。)。ペレット形状にする場合は、水添
変性重合体の外側のブロック成分として少なくとも1つ
以上の(A)及び/又は(B)重合体ブロックを含むこ
とが好ましい。
【0036】上記カップリング剤としては、例えば、ハ
ロゲン化合物、エポキシ化合物、カルボニル化合物、ポ
リビニル化合物等が挙げられ、具体的には、例えばメチ
ルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルト
リクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタ
ン、エポキシ化大豆油、ジビニルベンゼン、テトラクロ
ロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウ
ム、ビス(トリクロロシリル)エタン、アジピン酸ジエ
チル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジ
エチルテレフタル酸、ポリイソシアネート等が挙げられ
る。
【0037】本発明のアルコキシシリル基及び/又はア
ミノ基を有する変性水添共役ジエン系重合体は、上記の
ようにして得られたアルコキシシリル基および/または
アミノ基を有する変性重合体に部分的あるいは選択的に
水添を行う。この水添の方法、反応条件については特に
限定はなく、通常は、20〜150℃、0.1〜10M
Paの水素加圧下、水添触媒の存在下に水添する事によ
って行われる。この場合、水添率は、水添触媒の量、水
添反応時の水素圧力、又は反応時間等を変えることによ
り任意に選定することができる。水添率は、不飽和部で
ある共役ジエンに基づく脂肪族二重結合の50%以上、
好ましくは80%以上、特に好ましくは95%以上であ
る。なお、脂肪族二重結合として主鎖、側鎖のいずれか
に存在するがランダムに水添されていてもよく、側鎖が
優先されて水添されていてもよく、主鎖が優先されて水
添されていても良い。上記水添触媒として通常は、元素
周期表Ib、IVb、Vb、VIb、VIIb、VII
I族金属のいずれかを含む化合物、例えば、Ti、V、
Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、P
t原子を含む化合物を用いることができる。上記水添触
媒として具体的には、例えば、Ti、Zr、Hf、C
o、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセ
ン系化合物、Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属を
カーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担
持させた担持型不均一系触媒、Ni、Co等の金属元素
の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等
の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒、R
u、Rh等の有機金属化合物又は錯体、及び水素を吸蔵
させたフラーレンやカーボンナノチューブ等が挙げられ
る。この中で、Ti、Zr、Hf、Co、Niのいずれ
かを含むメタロセン化合物は、不活性有機溶媒中、均一
系で水添反応できる点で好ましい。更に、Ti,Zr,
Hfのいずれかを含むメタロセン化合物が好ましい。特
にチタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させた
水添触媒は安価で工業的に特に有用な触媒であるので好
ましい。具体的な例として、例えば、特開平1−275
605号公報、特開平5−271326号公報、特開平
5−271325号公報、特開平5−222115号公
報、特開平11−292924号公報、特開2000−
37632号公報、特開昭59−133203号公報、
特開昭63−5401号公報、特開昭62−21840
3号公報、特開平7−90017号公報、特公昭43−
19960号公報、特公昭47−40473号公報に記
載の水添触媒が挙げられる。尚、上記水添触媒は1種の
み用いてもよく、又は2種以上を併用することもでき
る。本発明では、水添後、必要に応じて触媒の残渣を除
去し、又はフェノール系又はアミン系の老化防止剤を添
加し、その後、水添変性重合体溶液から水添変性重合体
を単離する。水添変性重合体の単離は、例えば、水添変
性重合体溶液にアセトン又はアルコール等を加えて沈殿
させる方法、水添変性重合体溶液を熱湯中に撹拌下投入
し、溶媒を蒸留除去する方法等により行うことができ
る。本発明のアルコキシシリル基及び/又はアミノ基を
有する変性水添共役ジエン系重合体の分子量は特に限定
されないが、GPC法におけるポリスチレン換算による
重量平均分子量で3万〜200万、好ましくは4万〜1
00万、更に好ましくは5万〜50万である。
【0038】重合体成分(M)中における(ロ)成分の
配合量は、1〜99重量%であり、好ましくは、10〜
90重量%、さらに好ましくは、20〜80重量%であ
る。1重量%未満であると、本発明の組成物の引張伸び
及び柔軟性が低下し、99重量%を超えると、機械的強
度、耐熱性が低下する。
【0039】3.無機系難燃剤 本発明に用いられる無機系難燃剤(以下「(ハ)成分」
という場合がある)としては、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム、酸化錫の水和物、硼砂等
の無機金属化合物の水和物等を挙げることができる。中
でも、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ま
しい。
【0040】本発明においては、無機系難燃剤の表面
を、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪
酸又はその金属塩;パラフィン、ワックス、ポリエチレ
ンワックス、又はそれらの変性物;有機ボラン、有機チ
タネート等の有機金属化合物;シランカップリング剤等
で表面処理をしたものであってもよい。中でも、シラン
カップリング剤で表面処理をしたものは、引張強度の改
良効果が著しいので好ましい。
【0041】無機系難燃剤として水酸化マグネシウム又
は水酸化アルミニウムを用いる場合は、結晶がよく成長
し、かつ凝集の少ないものが好ましい。BET比表面積
は20m/g以下、特に好ましくは3〜10m/g
の範囲にあり、かつ平均2次粒子径が0.2〜5μm、
特に好ましくは0.5〜3μmの範囲にある水酸化マグ
ネシウム又は水酸化アルミニウムである。水酸化マグネ
シウム又は水酸化アルミニウムは上記特性を充足するも
のであれば、合成品、天然品のいずれでもよい。水酸化
マグネシウムの合成品は塩化マグネシウム又は硝酸マグ
ネシウムとアンモニア又は水酸化カリウムとが十分接触
できる条件下で水性媒体中で接触せしめた後、加圧下で
加熱することにより得られる。シランカップリング剤の
水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムに対する添
加量は、0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜1重量
%である。上記範囲の下限より少ないときには、水酸化
マグネシウム又は水酸化アルミニウムの凝集力が強く、
組成物への分散性が劣ることとなり易い。上記範囲の上
限を超えても分散性がさらに向上することはなく、経済
的に好ましくない。シランカップリング剤による水酸化
マグネシウム又は水酸化アルミニウムの表面処理方法と
しては、公知の方法、すなわち乾式法または湿式スラリ
ー法を用いることができる。均一処理という点で湿式ス
ラリー法がより好ましい。また、シランカップリング剤
をその水溶液中で加水分解させたもので水酸化マグネシ
ウム又は水酸化アルミニウムの表面処理をするため、通
常の水に可溶性のものが好ましい。シランカップリング
剤の種類によっては、酢酸等でpHを約4程度まで下げ
なければ加水分解しないものもある。このようなシラン
カップリング剤を用いた場合には、表面処理の過程で酸
により水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウム表面
が侵食を受け、耐酸性の悪いものが生じたり、電線等に
用いた場合、被覆材の体積固有抵抗を下げるので好まし
くない。湿式スラリー法は水酸化マグネシウム又は水酸
化アルミニウムを水中に分散させ、高速攪拌下に、イオ
ン交換水に5重量%以下の濃度になるように溶解させた
シランカップリング剤を必要量徐徐に添加し、滴下終了
後、約15〜30分間高速攪拌を続ける。処理後のスラ
リーを濾別し、約120℃で乾燥する、または処理後の
スラリーをそのまま噴霧乾燥してもよい。高級脂肪酸又
はそのアルカリ金属塩で表面処理する場合には、水酸化
マグネシウム又は水酸化アルミニウム中に、熱または溶
剤で溶かした高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩を噴霧
し、ヘンシェルミキサー等を用いて乾式法で表面処理す
ることができる。水酸化マグネシウム又は水酸化アルミ
ニウムに対する高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩の添
加量は、BET法による比表面積の10〜80%、好ま
しくは15〜50%被覆できる量でよい。高級脂肪酸お
よびそのアルカリ金属塩としては、ステアリン酸、オレ
イン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸およ
びそれらのナトリウム塩、カリウム塩などが用いられ
る。
【0042】また、本発明においては、無機系難燃剤の
難燃効果を高めるために、必要に応じて、ポリ燐酸アン
モニウム系難燃剤、燐酸エステル等の燐系難燃剤、シリ
コーン化合物;石英硝子等を用いてもよく、また難燃助
剤として、水ガラス、フリット等を用いてもよく、さら
に、ドリップ防止のため窒化珪素短繊維等を用いてもよ
い。
【0043】(ハ)成分の組成物中の含有量は、(イ)
成分と(ロ)成分との合計量100重量部に対し、5重
量部以上、好ましくは、25重量部以上、さらに好まし
くは、50重量部以上である。5重量部未満であると、
十分な難燃性を有する組成物が得られない。上限は50
0重量部以下、好ましくは、300重量部以下である。
【0044】4.エチレン−酢酸ビニル系共重合体及び
/又はエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体 本発明の重合体組成物中の重合体成分として、重合体成
分(M)に加え、エチレン−酢酸ビニル系共重合体及び
/又はエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体(以下「(ニ)成分」という場合がある)を併用する
ことができる。かかる共重合体の具体例としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソプロピル共
重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体、エ
チレン−メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−
アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソブチル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共
重合体などが挙げられる。
【0045】(ニ)成分は(イ)成分と(ロ)成分との
合計量100重量部に対して、0〜99重量部以下、好
ましくは1〜90重量部、さらに好ましくは2〜50重
量部である。(ニ)成分が99重量部を越えて配合され
た場合、柔軟性が低下する。
【0046】本発明の重合体組成物に用いる各重合体は
以下の組み合わせが特に好ましい。 :上記(イ)オレフィン系重合体がポリプロピレンの
場合、上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体が、上記
(C)のビニル結合含量が60重量%以上90重量%以
下である重合体ブロックを少なくとも1以上有する重合
体。 :上記(イ)オレフィン系重合体がポリエチレンの場
合、上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体が、上記
(B)の重合体ブロックを少なくとも1以上有する重合
体。 :上記(イ)オレフィン系重合体がポリプロピレンと
ポリエチレンを含む場合、上記(ロ)変性水添共役ジエ
ン系重合体が上記(B)と上記(C)の重合体ブロック
を少なくともそれぞれ1以上有する重合体。 :上記(イ)オレフィン系重合体がポリプロピレンの
場合、上記(ニ)がエチレン−酢酸ビニル共重合体及び
/又はエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体であり、上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体が上
記(B)と上記(C)を少なくともそれぞれ1以上有す
る重合体。
【0047】本発明の重合体組成物は、必要に応じて、
従来公知の方法により、硫黄架橋、過酸化物架橋、電子
線架橋、紫外線架橋、放射線架橋、金属イオン架橋、シ
ラン架橋、樹脂架橋等によって架橋されたものであって
もよい。
【0048】4.重合体組成物の製造方法 本発明の重合体組成物の製造方法としては特に制限はな
く、公知の方法を用いることができる。例えば、各種押
出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の公知
の混練機、及びそれらを組み合わせた混練機により溶融
混練する方法、また射出成形機でドライブレンドする方
法等を挙げることができる。
【0049】本発明の重合体組成物は、(イ)、
(ロ)、(ハ)又は、(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)
の各成分を一括して混合してもよく、任意の成分、たと
えば(ロ)と(ハ)をあらかじめ予備混合したのち、残
りの成分を混合してもよい。
【0050】本発明の重合体組成物は、従来公知の方
法、例えば、押出成形、射出成形、二色射出成形、サン
ドイッチ成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、回転成
形、パウダースラッシュ成形、蒸気発泡成形、積層成
形、カレンダー成形、ブロー成形等によって、実用上有
用な成形品に加工することができる。また、必要に応じ
て、発泡、粉末、延伸、接着、印刷、塗装、メッキ等の
加工を施してもよい。
【0051】本発明の重合体組成物には、必要に応じて
各種添加剤、例えば、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、
金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等
の安定剤;防菌・防かび剤;分散剤;軟化剤;可塑剤;
発泡剤;発泡助剤;酸化チタン、カーボンブラック等の
着色剤;フェライト等の金属粉末;ガラス繊維;金属繊
維等の無機繊維;炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊
維;複合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウ
ィスカー;ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレ
ーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、
シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオ
リン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コット
ンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポ
リマービーズ等の充填剤又はこれらの混合物;ポリオレ
フィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉等の充填
剤;低分子量ポリマー等を配合してもよい。また、本発
明の目的の達成を損なわない程度にゴム質重合体、熱可
塑性樹脂などを適宜配合してもよい。
【0052】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限を受けるものではない。なお、実施例、比較例中の部
及び%は、特に断らない限り重量基準である。 (1)変性水添共役ジエン系重合体の製造 以下に記載の1)〜7)の方法により、変性水添共役ジ
エン系重合体を製造した。尚各種の測定は下記の方法に
拠った。
【0053】ビニル結合(1,2結合及び3,4結
合)含量 赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求めた。 結合スチレン含量 赤外吸収スペクトル法により、検量線を作成し求めた。 重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
(東ソー社製、HLC−8120)を用いてポリスチレ
ン換算で求めた。 アルコキシシリル基含量(mmol/g) 赤外吸収スペクトルにより、変性剤(a)に存在するS
i−OC結合に起因する1,250cm−1付近
の吸収量により作成した検量線から定量した。また、変
性剤に存在するアルコキシシリル基がSi−OCH
Si−OC、Si−OC(CH(C
)結合の場合は、1100cm−1付近の吸収量
により作成した検量線から定量した。但し、定量された
値をGPC法で得られたポリスチレン換算数平均分子量
Mnと、アルコキシシリル基の分子量で除して、アルコ
キシシリル基のモル数とした。 アミノ基含量(mmol/g) Analy.Chem.564頁(1952)記載のア
ミン滴定法による定量により求めた。即ち、水添変性重
合体を精製後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてメチル
バイオレットを用い、溶液の色が紫から水色に変化する
までHClO/CHCOOHを滴定することにより
求めた。 共役ジエンの水添率 四塩化炭素を溶媒に、270MHz、H−NMRスペ
クトルから算出した。
【0054】1)変性水添共役ジエン重合体(ロ−1)
〜(ロ−6)の製造 窒素置換された内容積10リットルの反応容器に、シク
ロヘキサン5000g、スチレン150g、テトラヒド
ロフラン150g、及びn−ブチルリチウム0.9gを
加え、重合開始温度50℃にて1段目重合し、反応完結
後、温度を20℃として1,3−ブタジエン690gを
添加して断熱にて2段目重合した。30分後、スチレン
150gを添加し3段目重合し、反応完結後、1,3−
ブタジエン10gを添加してさらに4段目重合を行っ
た。一部取り出したこのブロック重合体はビニル結合を
80%含有し、GPCで測定した重量平均分子量は約1
1万であった。そして、この系内にメチルトリフェノキ
シシラン3.93gを加え、30分反応させた。反応
後、反応溶液を70℃にし、ビス(η−シクロペンタ
ジエニル)チタニウム(テトラヒドロフルフリルオキ
シ)クロライド0.4g及びn−ブチルリチウム0.1
5gを加え、水素圧1.0MPaで60分反応させた。
反応後、反応液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き
出し、水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去するこ
とによって重合体(ロ−1)を得た。得られた重合体
(ロ−1)の水添率は97%、重量平均分子量は約12
万、アルコキシシリル基含量は0.0161mmol/
gであった。重合体(ロ−1)に準じて、表1に示すよ
うなアルコキシシリル基を有する変性水添共役ジエン重
合体になるように変性剤種類、単量体量などを変化させ
て重合体(ロ−2)〜(ロ−6)を得た。尚、表1に記
載する重合体の構造Aは「スチレン重合体ブロック」、
Cは「ビニル結合含量が25重量%以上90重量%以下
のブタジエン重合体ブロック」を示す。また、重合体
(ヒ−1)は、メチルトリフェノキシシランを使用しな
い以外は重合体(ロ−1)に準じて重合して得た未変性
水添共役ジエン重合体である。
【0055】2)変性水添共役ジエン系重合体(ロ−
7)〜(ロ−9)の製造 窒素置換された内容積10リットルの反応容器に、シク
ロヘキサン5000g、ブタジエン300g、テトラヒ
ドロフラン0.25g、及びn−ブチルリチウム0.9
gを加え、重合開始温度70℃にて1段目重合し、反応
完結後、一部取り出したこのブロック重合体のビニル結
合は10%であった。その後、温度を20℃としてテト
ラヒドロフラン75g添加後、1,3−ブタジエン70
0gを添加して断熱にて2段目重合した。一部取り出し
たこのブロック重合体の2段目のビニル結合は80%含
有し、GPCで測定した重量平均分子量は約14万であ
った。そして、この系内にメチルトリフェノキシシラン
2.1gを加え、30分反応させた。反応後、反応溶液
を70℃にし、ビス(η−シクロペンタジエニル)チ
タニウム(フルフリルオキシ)クロライド0.4g及び
n−ブチルリチウム0.15gを加え、水素圧1.0M
Paで60分反応させた。反応後、常温、常圧に戻して
反応容器より抜き出し、水中に撹拌投入して溶媒を水蒸
気蒸留除去することによって、重合体(ロ−7)を得
た。得られた重合体(ロ−7)の水添率は95%、重量
平均分子量は約27万、アルコキシシリル基含量は0.
003mmol/gであった。重合体(ロ−7)に準じ
て、表2に示すようなアルコキシシリル基を有する変性
水添共役ジエン系重合体になるように変性剤種類、単量
体量などを変化させて重合体(ロ−8)および(ロ−
9)を得た。尚、重合体(ヒ−2)は、メチルトリフェ
ノキシシランを使用しない以外は重合体(ロ−7)に準
じて重合して得た未変性水添共役ジエン重合体である。
【0056】3)変性水添共役ジエン系重合体(ロ−1
0)および(ロ−11)の製造 窒素置換された内容積10リットルの反応容器に、シク
ロヘキサン5000g、ブタジエン150g、テトラヒ
ドロフラン0.25g、及びn−ブチルリチウム0.9
5gを加え、重合開始温度70℃にて1段目重合し反応
完結後、一部取り出したこのブロック重合体のビニル結
合は10%であった温度を20℃としてテトラヒドロフ
ラン25g添加後、1,3−ブタジエン690gを添加
して断熱にて2段目重合した。30分後、スチレン15
0gを添加し3段目重合し、反応完結後、1,3−ブタ
ジエン10gを添加してさらに4段目重合を行った。一
部取り出したこのブロック重合体はビニル結合を65%
含有し、GPCで測定した重量平均分子量は約12万で
あった。そして、この系内にメチルトリフェノキシシラ
ン4.03gを加え、30分反応させた。反応後、反応
溶液を70℃にし、ビス(η−シクロペンタジエニ
ル)チタニウム(テトラヒドロフルフリルオキシ)クロ
ライド0.4g及びn−ブチルリチウム0.15gを加
え、水素圧1.0MPaで60分反応させた。反応後、
反応液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、水
中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによっ
て、重合体(ロ−10)を得た。得られた重合体(ロ−
10)の水添率は95%、重量平均分子量は約13万、
アルコキシシリル基含量は0.0148mmol/gで
あった。重合体(ロ−10)に準じて、表2に示すよう
なアルコキシシリル基を有する変性水添共役ジエン系重
合体になるように変性剤種類、単量体量などを変化させ
て重合体(ロ−11)を得た。尚、表2に記載する重合
体の構造Aは「スチレン重合体ブロック」、Bは「ビニ
ル結合含量が25重量%未満のブタジエン重合体ブロッ
ク」、Cは「ビニル結合含量が25重量%以上90重量
%以下のブタジエン重合体ブロック」を示す。また、重
合体(ヒ−3)は、メチルトリフェノキシシランを使用
しない以外は重合体(ロ−10)に準じて重合して得た
未変性水添共役ジエン重合体である。
【0057】(4)変性水添共役ジエン系重合体(ロ−
12)の製造 窒素置換された内容積10リットルの反応容器に、シク
ロヘキサン5000g、テトラヒドロフラン150g、
スチレン400g、及び3−リチオ−1−N,N−ビス
(トリメチルシリル)アミノプロパンを2.88gを加
え、重合開始温度50℃にて重合した。反応完結後、温
度を20℃として1,3−ブタジエン500gを添加し
て断熱重合した。30分後、スチレン100gを添加
し、さらに重合を行った。そして、反応溶液を80℃以
上にして系内に水素を導入した。次いで、ビス(η
シクロペンタジエニル)チタニウム(テトラヒドロフル
フリルオキシ)クロライド0.32g、テトラクロロシ
ラン0.39gを加え、水素圧1.0MPaを保つよう
にして1時間反応させた。反応後、反応溶液を常温、常
圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、反応溶液を
水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによ
って、重合体(ロ−12)を得た。得られた重合体(ロ
−12)の水添率は98%、重量平均分子量は約10
万、アミノ基含量は0.0095mmol/gであっ
た。
【0058】(5)変性水添共役ジエン系重合体(ロ−
13)の製造 窒素置換された内容積10リットルの反応容器に、シク
ロヘキサン5000g、テトラヒドロフラン150g、
スチレン100g、及び2,2,5,5−テトラメチル
−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジ
シラシクロペンタンを2.89gを加え、重合開始温度
50℃にて重合した。反応完結後、温度を20℃として
1,3−ブタジエン850gを添加して断熱重合した。
30分後、スチレン50gを添加し、さらに重合を行っ
た。そして、反応溶液を80℃以上にして系内に水素を
導入した。次いで、ビス(η−シクロペンタジエニ
ル)チタニウム(フルフリルオキシ)クロライド0.5
5g及びテトラクロロシラン0.39gを加え、水素圧
1.0MPaを保つようにして1時間反応させた。反応
後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出
し、次いで、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸
気蒸留除去することによって、重合体(ロ−13)を得
た。得られた重合体(ロ−13)の水添率は97%、重
量平均分子量は約12万、アミノ基含量は0.0083
mmol/gであった。
【0059】(6)変性水添共役ジエン系重合体(ロ−
14)の製造 重合開始剤にn−BuLiを用いて、表3の(ロ−1
4)に示す水添前共重合体構造になるように重合開始剤
の量、単量体種類、単量体量、重合温度、重合時間等を
変化させて、上記(1)の製法に準じ重合体を得た。そ
して、該重合体の活性点にP−{2−[N,N−ビス
(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン7.4
gを加え、30分反応させた。そして、反応溶液を80
℃以上にして系内に水素を導入した。次いで、ジクロロ
トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム2.97
gを加え、水素圧2.0MPaを保つようにして1時間
反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反
応容器より抜き出し、次いで、反応溶液を水中に撹拌投
入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、重合体
(ロ−14)を得た。得られた重合体(ロ−14)の水
添率は99%、重量平均分子量は約12万、アミノ基含
量は0.045mmol/gであった。
【0060】(7)変性水添共役ジエン系重合体(ロ−
15)の製造 重合開始剤にn−BuLiを用いて、表3の(ロ−1
5)に示す水添前共重合体構造になるように重合開始剤
の量、単量体種類、単量体量、重合温度、重合時間等を
変化させて、上記(1)の製法に準じ重合体を得た。次
いで、該重合体の活性点にN−ベンジリデンエチルアミ
ン1.56gを加え、30分反応させた。そして、反応
溶液を80℃以上にして系内に水素を導入した。次い
で、Pd−BaSO2.60gを加え、水素圧2.0
MPaを保つようにして1時間反応させた。反応後、反
応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次
いで、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留
除去することによって、重合体(ロ−15)を得た。得
られた重合体(ロ−15)の水添率は98%、重量平均
分子量は約13万、アミノ基含量は0.007mmol
/gであった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】(2)各種成分 実施例及び比較例において用いた各種の成分は、以下の
通りである。 (イ)オレフィン系重合体 (イ−1):ポリプロピレン[チッソ社製、商品名:K
8017] (イー2):ポリエチレン[日本ポリケム社製、商品
名:ZF33] (ロ)変性水添共役ジエン系重合体 表1〜表3に示す構造を有する水添共役ジエン系重合体
(ロ−1)〜(ロ−15) 尚、MAH−SEBSは無水マレイン酸変性スチレン−
エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体[旭化
成社製、商品名:タフテックM−1913] (ハ)無機系難燃剤 (ハ−1):高級脂肪酸で表面処理された水酸化マグネ
シム[協和化学社製、商品名:キスマ5A] (ハ−2):シランカップリング剤で処理された水酸化
マグネシム[協和化学社製、商品名:キスマ5J] (ハ−3):シランカップリング剤で処理された水酸化
マグネシム[協和化学社製、商品名:キスマ5PH] (ハ−4):高級脂肪酸で表面処理された水酸化マグネ
シム[神島化学社製、商品名:N−1] (ハ−5):高級脂肪酸で表面処理された水酸化マグネ
シム[神島化学社製、商品名:N−4] (ニ)エチレン−酢酸ビニル共重合体 (ニ−1):[三井デュポンケミカル社製、商品名:エ
バフレックス460]
【0065】(3)物性評価 引張破断強度及び引張破断伸び JIS C3005に従って、23℃の温度条件下で3
号ダンベルにて引張試験を行い測定した。引張強さ15
MPa以上、引張伸び150%以上を合格とした。 硬度(ショア D) 柔軟性の指標としてJIS−K6253に準拠して測定
した。ショア D硬度70以下を合格とした。 絶縁抵抗 プレスシートを70℃の温水に10日間浸積した後に、
温水から取り出し、プレスシート表面の水を拭き取った
のち体積固有抵抗を測定し、1×1013Ω・cm以上
を合格とした。 加熱巻付 4mmの円筒に長さ20cm、幅5mmのシートを6回
以上巻き付け、120℃、120hr後、ひび、割れが
生じなかったものを合格とした。 低温巻付 4mmの円筒に長さ20cm、幅5mmのシートを6回
以上巻き付け、−10℃、24時間後、ひび、白化、割
れが生じなかったものを合格とした。 加熱変形 JIS C3005に従って、プレス成形品にて測定し
た。厚さの減少率が50%以下を合格とした。 難燃性 JIS C3005に従って、傾斜試験にて測定した。
60秒以内に自然に消えたものを合格とした。
【0066】実施例1 (イ)成分として(イ−1)を70部、(ロ)成分とし
て(ロ−1)を30部、及び(ハ)成分として(ハ−
1)を100部、とを200℃に設定したシリンダー径
45mm、L/D=32の二軸押出機(池貝社製)を用
いて200rpmで溶融混練りした後、ペレット化物と
し、このペレット化物を用いて2mm厚のプレス成形に
て、200℃で2mm厚の物性評価用の試験片を作製し
た。上記記載の方法により物性評価を行った。結果を表
4に示す。
【0067】実施例2〜25、比較例1〜4 表4〜表6に示す配合処方を用い実施例1と同様に試験
片を作製し、物性評価を行った。結果を以下の表4〜表
6に示す。
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】表4〜表6より、本発明の組成物である実
施例1〜25では、引張破断強度が15MPa以上、引
張破断伸度が150%以上、体積固有抵抗値が1×10
13以上、巻き付けテストで合格、加熱変形で合格、難
燃性で合格であり、物性のバランスの取れた重合体組成
物であることが判る。これに対し、本発明の変性水添共
役ジエン系重合体ではない未変性水添重合体を用いた比
較例1〜3では、引張破断強度、耐熱性、耐絶縁性に劣
るなど、物性のバランスの取れていない重合体組成物で
あることが判る。また、無水マレイン酸変性水添共役ジ
エン系重合体を用いた比較例4では、引張破断伸び、柔
軟性、低温巻付性に劣るなど、物性のバランスの取れて
いない重合体組成物であることが判る。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
難燃性に優れるとともに、燃焼した場合であってもハロ
ゲンガス等の有毒ガスの発生がなく、また、リンや鉛等
の環境汚染物質を含有することがなく、引張強さ、引張
伸び、耐熱性、低温特性、耐絶縁性及び柔軟性等の諸物
性のバランスに優れ、各種電気・電子機器、屋内配線、
屋外配線用に使用される絶縁電線、絶縁チューブ、絶縁
テープ、電線被覆、絶縁ケーブル、絶縁保護カバー、ケ
ーブル保護カバー、電線保護カバー等の用途に有用な難
燃性重合体組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 47/00 C08L 47/00 H01B 7/295 H01B 7/34 B (72)発明者 服部 岩和 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB03W BB05W BB12W BB14W BB15W BB17W BL00X BL01X DE066 DE076 DE086 DE096 DE146 DE286 DK006 FB086 FB166 FB236 FD136 GQ01 4J100 AB07Q AS01P AS02P AS03P AS04P AS07P BA27H BA27Q BA71H BA82Q CA01 CA31 HA61 HC42 HC59 HC78 JA44 5G315 CA03 CB02 CB06 CC10 CD03 CD13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)オレフィン系重合体1〜99重量部
    と、(ロ)アルコキシシリル基及び/又はアミノ基を有
    する変性水添共役ジエン系重合体99〜1重量部(ただ
    し、(イ)+(ロ)=100重量部)、および(ハ)無
    機系難燃剤を5〜500重量部含有することを特徴とす
    る重合体組成物。
  2. 【請求項2】上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体
    が、次に示す方法(a)〜(d)で製造された重合体の
    いずれかであることを特徴とする請求項1に記載の重合
    体組成物。 (a)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
    を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた
    共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応さ
    せた変性重合体とし、その後、該変性重合体を水素添加
    することにより製造された重合体。 (b)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
    を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下
    で重合し、その後、該重合体を水素添加することにより
    製造された重合体。 (c)共役ジエンとアミノ基を有する不飽和単量体又は
    これらと芳香族ビニル化合物とを有機アルカリ金属化合
    物の存在下で重合し、その後、該変性重合体を水素添加
    することにより製造された重合体。 (d)共役ジエン又は共役ジエンと芳香族ビニル化合物
    を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた
    共役ジエン系重合体に下記一般式(1)で表される化合
    物を反応させた変性重合体とし、その後、該重合体を水
    素添加することにより製造された重合体。 RC=N−Y・・・・(1) [上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に
    水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
    0のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭
    素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、Y
    は水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、
    炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリー
    ル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜1
    00のオルガノシロキシ基である。]
  3. 【請求項3】上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体の
    アルコキシシリル基及びアミノ基の含有量が0.000
    1〜5mmol/gである請求項1〜2に記載の重合体
    組成物。
  4. 【請求項4】上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体の
    不飽和部である共役ジエンに基づく脂肪族二重結合の5
    0%以上が飽和された請求項1〜3に記載の重合体組成
    物。
  5. 【請求項5】上記(ロ)変性水添共役ジエン系重合体
    が、下記(A)〜(D)の重合体ブロックの中から選ば
    れた2以上の重合体ブロックを含むブロック共重合体で
    ある請求項1〜4に記載の重合体組成物。 (A)芳香族ビニル化合物が80重量%以上である芳香
    族ビニル化合物重合体ブロック (B)ビニル結合含量が25重量%未満の共役ジエン重
    合体ブロック (C)ビニル結合含量が25重量%以上90重量%以下
    の共役ジエン重合体ブロック (D)芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのランダム共
    重合体ブロック
  6. 【請求項6】上記(ハ)無機系難燃剤が、水酸化マグネ
    シウム及び水酸化アルミニウム又はそのいずれかからな
    るものである請求項1〜5に記載の重合体組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の重合体組成物において、
    (ニ)エチレン−酢酸ビニル系共重合体及び/又はエチ
    レン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が、上記
    (イ)オレフィン系重合体と上記(ロ)変性水添共役ジ
    エン系重合体との合計量(但し(イ)+(ロ)+(ニ)
    =100重量%)のうち、99重量%以下で含有する重
    合体組成物。
  8. 【請求項8】電線被覆用であることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載の重合体組成物。
  9. 【請求項9】請求項8の重合体組成物で形成された電線
    被覆材。
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