JP3694257B2 - 連続した棒状食品の成形方法及び装置並びにコンベアベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばあんやジャム等の内包材をパン生地等の外皮材によって包んだ状態の連続した棒状食品の成形方法及び装置並びにコンベアベルトに係り、さらに詳細には、連続的に移送される帯状の外皮材の幅方向のほぼ中央部に棒状の内包材を連続的に載置し、前記外皮材によって前記内包材を包むことによって連続した棒状食品を成形する方法及び装置ならびに上記装置に使用するコンベアベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係る先行例として、例えば特開平8−242750号公報や特許第2896503号公報等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記先行例1(特開平8−242750号公報)に記載の発明においては、水平に走行されるベルトコンベア上に帯状に成形した外皮材を連続的に載置すると共に上記外皮材の幅方向の中央部に棒状の内包材を連続的に載置し、水平に張設してある前記ベルトコンベアの上部側の両側縁を複数のローラによって上側へ湾曲することによって前記内包材を外皮材によって包む構成である。
【0004】
したがって、先行例1においては、水平に張設してあるベルトコンベアの上部側の両側縁を上側へ湾曲する構成であることにより、ベルトコンベアの走行方向に比較的長い構成であると共に、ベルトコンベアの両側縁に大きな張力が作用することとなり、ベルトコンベアの長寿命を図る上において問題がある。
【0005】
先行例2(特許第2896503号公報)に記載の発明においてのベルトコンベアは、幅方向の中央部に設けたVベルトの外周にベースベルトを一体に設け、このベースベルトの外周に、多数の短冊ベルトを搬送方向に並べて設けた構成であるから、ベルトコンベア上に位置する外皮材でもって内包材を包もうとするとき、前記短冊ベルトを容易に上側へ湾曲することができるものの、ベルトコンベアの構成が複雑であると共に、各短冊ベルトの間に外皮材の1部や手粉の1部が挟まれて残留することがあり、清掃工程が厄介である等の問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、連続的に移送される帯状の外皮材の幅方向のほぼ中央部に棒状の内包材を連続的に載置し、前記外皮材によって前記内包材を包むことによって連続した棒状食品を成形する方法において、前記外皮材のほぼ中央部に前記内包材を載置した状態の食品素材を、エンドレス状の二層ベルトであるコンベアベルトを案内する上流側、下流側のベルト案内ローラの間において当該ベルトコンベアの上部側が下方向へ湾曲した態様の凹状通路に誘導し、前記凹状通路部分において前記二層ベルトの緩い状態の外側ベルトの両側が中央部で接合するように前記外側ベルトを筒状に変形した部分を通過せしめることにより前記食品素材の内包材を外皮材によって包む棒状食品の成形方法である。
【0007】
請求項2に係る発明は、エンドレス状の二層ベルトを走行自在に案内支持する複数のベルト案内ローラと、前記二層ベルトの上部側が凹状通路を通過するように上流側及び下流側のベルト案内ローラよりも低く配置されかつ前記二層ベルトにおける内側ベルトの上面を案内支持する複数のベルト押え案内部材と、前記凹状通路部分において前記二層ベルトにおける外側ベルトの両側を中央部で接合するように前記外側ベルトを筒状に成形するための複数の成形案内部材とを備えた構成である。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の棒状食品成形装置において、前記二層ベルトにおける外側ベルトを間にして対向した成形案内部材は、互に接近離反する方向へ振動自在に設けた構成である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、本発明の実施の形態に係る棒状食品成形装置1は、外皮材供給装置(図示省略)から連続的に供給されるパン生地等のごとき帯状の外皮材3の幅方向のほぼ中央部に内包材供給装置(図示省略)から連続的に供給載置されるあん或はジャム等のごとき棒状の内包材5を載置した状態の食品素材を搬送する搬送コンベア7を備えた搬送コンベア装置9と、連続した棒状食品11を適宜に切断する食品切断装置(図示省略)との間に配置してある。
【0011】
より詳細には、図1に概念的に示すように、前記棒状食品成形装置1は、外側のベルトである成形ベルト13と内側のベルトであるベースベルト15とを備えた二層構造のエンドレス状の二層ベルトであるコンベアベルト17を備えている。上記コンベアベルト17は、上流側である始端側及び下流側である終端側に水平に設けたベルト案内ローラ19,21に走行自在に案内支持されていると共に上記ベルト案内ローラ19,21の間で下方の適宜位置に配置した複数の中間ローラ23A,23B,23Cによってコンベアベルト17の下部側が走行自在に案内支持されている。そして、適宜位置に配置した適宜の制御モータ(図示省略)を駆動することにより、図1において食品素材を左方向へ移送するように走行駆動されるものである。
【0012】
前記エンドレス状のコンベアベルト17は前記成形ベルト13とベースベルト15の幅方向の中央部を固定具あるいは接着手段等によって一体化した構成であって、外側の成形ベルト13は、両側縁を幅方向の中央部で接合せしめることにより所定範囲において筒状に変形可能のように比較的柔軟な構成である。
【0013】
前記上流側及び下流側のベルト案内ローラ19,21の間においてベルトコンベア17の上部側が下方向へ湾曲した態様の凹状の通路を形成するように、前記ベルト案内ローラ19,21の間には、前記ベルトコンベアの走行方向に対して直交する水平方向の両側である左右両側に配置したサイドフレーム(図示省略)に片持式に支持された複数のベルト押え案内部材の1例としてのベルト押えローラ25が前記ベルト案内ローラ19,21により低い位置に設けられている。
【0014】
上記複数のベルト押えローラ25は、ベルトコンベア17を間にして左右対称に配置してあると共にベルトコンベア17の走行方向に適宜に離隔して配置してある。そして、上記各ベルト押えローラ25の先端部はベルトコンベア17における外側の成形ベルト13と内側のベースベルト15との間に挿入してあって、上記ベースベルト15の上面を案内支持している。
【0015】
したがって、ベルトコンベア17の上部側は、複数のベルト案内部材の1例としての前記押えローラ25の案内作用によって前後両側のベルト案内ローラ19,21により低い凹状の通路を通過することになる。この際、凹状通路を通過するコンベアベルト17の長さは前記ベルト案内ローラ19,21の直線距離よりも長いものである。よって、当該凹状通路においては、ベースベルト5は押えローラ25等によって適宜に張られた状態にあるものの、成形ベルト13の両側部の上面は何ら押えられることなく解放された状態にあり、大きな張力を付与することなく上方向へ容易に湾曲できる余裕を保持した態様にある。
【0016】
前記コンベアベルト17の走行方向に見て上流側のベルト押えローラ25と下流側のベルト押えローラ25との間には、コンベアベルト17における外側ベルトである成形ベルト13の両側縁を幅方向の中央部で接合するように上側へ円弧状に湾曲せしめて円弧状部分が全体として筒状を形成するように変形せしめる左右の成形案内部材の1例としての左右の成形ローラ27が互に接近離反自在かつ回転自在に設けられている。
【0017】
上記成形ローラ27は、断面形状が半円形状の周溝27Gを外周面に形成した構成であって、例えばエアシリンダ等のごとき適宜のアクチュエータ(図示省略)によって左右方向(コンベアベルト17の走行方向に対して直交する水平方向)へ往復動されるブラケット(図示省略)に垂直にかつ回転自在に支持されているものである。したがって、左右の前記アクチュエータを同期して作動することにより、左右の成形ローラ27は同期して互に接近離反する方向へ振動移動するものである。
【0018】
上述のように、左右の複数の成形ローラ27が互に同期して左右方向に接近するように移動すると、コンベアベルト17における外側の成形ベルト13の左右両側縁が各成形ローラ27の外周面すなわち周溝7Gによって上方向へ半円弧状に案内され、成形ベルト13の幅方向の中央部において左右両側縁が接合されることになり、その接合部分は円筒形状に形成されるものである。
【0019】
以上のごとき構成において、外皮材供給装置(図示省略)から搬送コンベア装置9の搬送コンベア7上にパン生地等のごとき食品生地である外皮材3を帯状に連続的に供給し、この外皮材3の移送途中で、内包材供給装置(図示省略)から例えばあん等のごとき食品である内包材5を、前記外皮材3の幅方向の中央部に連続的に供給すると、図1に示すように、帯状の外皮材3の幅方向の中央部に棒状の内包材5を載置した状態の食品素材となる。
【0020】
前記搬送コンベア7によって下流側へ搬送された食品素材は、棒状食品成形装置1におけるコンベアベルト17上へ移送される。このコンベアベルト17における上部側は凹状通路を通過する際に、外側の成形ベルト13は複数の成形ローラ27によって所定範囲に亘って筒状に成形されているので、コンベアベルト17上へ移送された食品素材における外皮材3は、上記筒状部分において内包材5を両側から包み込むように次第に湾曲成形され、外皮材3でもって内包材5を囲繞し包んだ状態の棒状食品11に連続成形されるものである。
【0021】
より詳細には、前記搬送コンベア7に近接したベルト案内ローラ19付近においてのベルトコンベア17の上部側は、図2(A)に示すように水平状態にあり、ベルトコンベア17における外側の成形ベルト13と内側のベースベルト15の左右両側縁は互に接触した状態にある。したがって、ベルトコンベア17上へ移送された食品素材は外皮材3の中央部に内包材5を載置した状態にある。
【0022】
前記ベルトコンベア17における外側の成形ベルト13は凹状通路の最も低い底部付近において複数の成形ローラ27により適宜範囲に亘って筒状に形成されているので、成形ベルト13は図2(B)に示すように次第に上方向へ傾斜し、外皮材3の左右両側縁を内包材5を両側から同時に包むように持上げる態様となる。
【0023】
そして、前記複数の成形ローラ27の位置においては、図2(C)に示すように、成形ベルト13が筒状に形成されているので、食品素材の外皮材3は内包材5を包囲した状態に成形される。この際、外皮材3の上部の接合部3Aを左右方向から圧着し確実に接合するために、複数の成形ローラ27における適数の成形ローラ27を互に接近離反する方向へ振動してある。成形ローラ27の左右方向への振動は、例えばアクチュエータとしてのエアシリンダに流体圧をパルス的に印加することにより容易に実施し得るものである。
【0024】
前記棒状食品成形装置1において終端側のベルト案内ローラ21付近においてはコンベアベルト17は水平状であり、図2(D)に示すようにこのコンベアベルト17上には内包材5を外皮材3によって被覆包囲した状態に成形された棒状食品11が支持された状態にある。
【0025】
既に理解されるように、コンベアベルト17の上部側を凹状通路としたことにより、コンベアベルト17における外側の成形ベルト13の左右両側縁は緩められた状態にあって、この緩い状態の成形ベルト13の左右両側縁を共に湾曲して筒状に形成するものであるから、成形ベルト13に無理な張力を付与することなしに容易に筒状に形成できるものである。すなわち、棒状食品成形装置1の全体的長さを短くすることができると共にコンベアベルト17の長寿命化を図ることができるものである。
【0026】
また、前記成形ベルト13は連続した構成であるから、成形ベルト13に手粉等が付着した場合であっても容易に清掃除去することができるものであり、前述したごとき従来の問題を解消することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、コンベアベルトに大きな張力を付与することなしに容易に筒状に形成することができ、全体的長さを短くでき、かつコンベアベルトの長寿命化を図ることができると共に、コンベアベルトに手粉等が付着した場合であっても容易に除去することができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る棒状食品成形装置の斜視説明図である。
【図2】同上の部分的な端面作用説明図である。
【符号の説明】
1…棒状食品成形装置
3…外皮材
5…内包材
7…搬送コンベア
11…棒状食品
13…成形ベルト(外側ベルト)
15…ベースベルト(内側ベルト)
17…コンベアベルト(二層ベルト)
19…ベルト案内ローラ
21…ベルト案内ローラ
25…ベルト押えローラ(ベルト押え案内部材)
27…成形ローラ(成形案内部材)
Claims (3)
- 連続的に移送される帯状の外皮材の幅方向のほぼ中央部に棒状の内包材を連続的に載置し、前記外皮材によって前記内包材を包むことによって連続した棒状食品を成形する方法において、前記外皮材のほぼ中央部に前記内包材を載置した状態の食品素材を、エンドレス状の二層ベルトであるコンベアベルトを案内する上流側、下流側のベルト案内ローラの間において当該ベルトコンベアの上部側が下方向へ湾曲した態様の凹状通路に誘導し、前記凹状通路部分において前記二層ベルトの緩い状態の外側ベルトの両側が中央部で接合するように前記外側ベルトを筒状に変形した部分を通過せしめることにより、前記食品素材の内包材を外皮材によって包むことを特徴とする連続した棒状食品の成形方法。
- エンドレス状の二層ベルトを走行自在に案内支持する複数のベルト案内ローラと、前記二層ベルトの上部側が凹状通路を通過するように上流側及び下流側のベルト案内ローラよりも低く配置されかつ前記二層ベルトにおける内側ベルトの上面を案内支持する複数のベルト押え案内部材と、前記凹状通路部分において前記二層ベルトにおける外側ベルトの両側を中央部で接合するように前記外側ベルトを筒状に成形するための複数の成形案内部材とを備えたことを特徴とする連続した棒状食品成形装置。
- 請求項2に記載の棒状食品成形装置において、前記二層ベルトにおける外側ベルトを間にして対向した成形案内部材は、互に接近離反する方向へ振動自在に設けてあることを特徴とする連続した棒状食品成形装置。
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