JP3691255B2 - ニトリル系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニトリル系樹脂組成物に関する。詳しくは、透明性、帯電防止性及び実用物性に優れたニトリル系樹脂組成物であって、エレクトロニクス製品、家電製品、OA機器等の各種部品、及び、半導体ウエハー関連製品、IC関連製品、マスク・レチクル関連製品、液晶ディスプレイ関連製品等の各種容器などにおいて静電気の帯電を防止し得る材料として好適に使用されるニトリル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などの汎用樹脂は、透明性及び剛性に優れているため、家電製品、OA機器などに多く使用されている。しかしながら、これらの樹脂は一般的に表面抵抗率が大きく、摩擦、接触等によって容易に帯電し、塵埃を吸着して外観を損ねるばかりか、IC等の静電破壊を引き起こす恐れがあるなどの問題を抱えている。
【0003】
上記樹脂に帯電防止性を付与する方法として、従来、低分子量の界面活性剤である帯電防止剤を樹脂内部に練り込んだり、あるいは成形物表面に塗布したりし、表面抵抗を低下させる方法がとられてきた。しかしながら、一般に帯電防止剤を練り込んだ場合、成形物表面に帯電防止剤が存在する間は帯電防止効果が持続するが、表面を水洗したり、布等で拭くことにより樹脂表面の帯電防止剤が除去され易く、持続的な帯電防止性を付与することが困難である。
【0004】
更に、所定の帯電防止性を付与するためには比較的多量の帯電防止剤の練り混みあるいは塗布が必要となり、成形物表面のベタつきの原因となる。
【0005】
かかる問題を解決し、持続的な帯電防止性を付与する方法として、アクリル系樹脂に、ポリエチレン鎖にスルホン酸塩基、カルボン酸塩基あるいは第4級アンモニウム塩基を導入したビニル共重合体を配合する方法(特開昭55−36237号公報、特開昭63−63739号公報)、特定のポリエーテルエステルアミドエラストマー、グラフト共重合体及びカルボキシル基を含有する変性ビニル系重合体の配合物(特開昭62−241945号公報)が提案されている。しかし、それらはそれぞれ市場での入手が困難な高分子化合物を使用するため、製造コストが高くなる。またアクリル系樹脂に上記ビニル共重合対を添加する場合はその特徴である透明性及び耐熱性を損ねるなどの問題もあった。
【0006】
特開平8−253640号公報には、ポリエーテルエステルアミドとスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物が開示されている。しかし、この樹脂組成物はスチレン系樹脂及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂を主成分としているため、得られる樹脂組成物の機械特性、特に耐衝撃性が劣る欠点がある。また、帯電防止性は改良されているが、樹脂の分子量や溶融粘度、及びポリエーテルエステルアミドの溶融粘度等の制限がないため、剥離現象に代表される成形品の外観不良が考えられ、必ずしも満足できるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ニトリル系樹脂は透明性、機械特性及び防塵性に優れる。その特徴から電子部品搬送容器等の材料として多く使用されているが、その帯電防止性は不十分であり、透明でかつ帯電防止性の優れた材料の開発が望まれている。
本発明の目的は、透明性、帯電防止性及び実用物性に優れた、ポリエーテルエステルアミドを含むニトリル系樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、
ゴム状重合体の存在下で、不飽和ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を含む単量体混合物をグラフト共重合して製造したニトリル系樹脂に対し、特定の溶融粘度及び屈折率を有するポリエーテルエステルアミドを添加した樹脂組成物が、透明性、帯電防止性及び実用物性に優れていることを見出して本発明を完成した。
【0009】
すなわち、(A)共役ジエン単位50重量%以上を含むゴム状重合体3〜30重量部の存在下で、不飽和ニトリル系単量体単位を65〜80重量%、及び、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体単位とこれらと共重合可能な他の単量体単位と合計20〜35重量%を含む単量体混合物100重量部をグラフト共重合して得られるマトリックス成分を含むニトリル系樹脂80〜97重量%、並びに、(B)ポリエーテルエステルアミド3〜20重量%を含むニトリル系樹脂組成物であって、温度210℃における前記(B)の溶融粘度に対する前記(A)の溶融粘度の比が、せん断速度102sec-1において0.5〜5、せん断速度103sec-1において0.5〜3であり、且つ、前記(A)のマトリックス成分と前記(B)の屈折率の差が0.02以下であることを特徴とするニトリル系樹脂組成物である。
【0010】
本発明の特徴は、ニトリル系樹脂の帯電防止性を改善するために、各種の帯電防止剤の中から、特に、前記組成のニトリル系樹脂に対し、特定の溶融粘度を有し、且つ、ニトリル系樹脂のマトリックス成分との屈折率の差が0.02以下であるポリエーテルエステルアミドを選定して、その特定量を添加した点にある。そのため、本発明の樹脂組成物は優れた帯電防止性を有するばかりでなく、透明性及び実用物性にも優れている。従って、本発明の樹脂組成物はエレクトロニクス製品、家電製品、OA機器等の各種部品、及び、半導体ウエハー関連製品、IC関連製品、マスク・レチクル関連製品、液晶ディスプレイ関連製品等の各種容器などにおいて静電気の帯電を防止し得る材料として極めて有用である。
【0011】
尚、本発明において、マトリックス成分とは、ゴム成分以外の単量体単位のみからなる成分の重合体を意味し、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体とは、アクリル酸アルキルエステル系単量体またはメタアクリル酸アルキルエステル系単量体を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のニトリル系樹脂組成物は、ニトリル系樹脂に対し、特定の溶融粘度を有し、且つ、ニトリル系樹脂のマトリックス成分と屈折率の差が0.02以下であるポリエーテルエステルアミドの特定量を添加することにより製造される。
【0013】
本発明におけるニトリル系樹脂は、ゴム状重合体の存在下、不飽和ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体からなる単量体混合物をグラフト共重合することにより製造される。
【0014】
ニトリル系樹脂の製造に用いるゴム状重合体は、共役ジエン単位のみを含む重合体、または共役ジエン単位及び共役ジエンと共重合性の単量体、例えば、不飽和ニトリル系単量体、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル系単量体等の単量体単位を含む共重合体である。
【0015】
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエンの他、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン等が例示される。入手の容易さや重合性が良い等の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0016】
不飽和ニトリル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられ、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリルである。又、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレンである。不飽和カルボン酸エステル系単量体としては、炭素数が1〜4のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルである。
【0017】
具体的には、ゴム状重合体としては、1,3−ブタジエン重合体、1,3−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、1,3−ブタジエン−アクリロニトリル及びメタクリロニトリル共重合体、1,3−ブタジエン−アクリロニトリル及びスチレン共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン共重合体が好ましく挙げられる。より好ましくは1,3−ブタジエン重合体、1,3−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン共重合体である。
【0018】
これらのゴム状重合体に含まれる共役ジエン単位の割合は、得られるニトリル系樹脂の耐衝撃性に影響する。かかる点を考慮すると、共役ジエン単位を50重量%以上含むことが好ましい。さらに好ましくは、60重量%以上である。
【0019】
また、ニトリル系樹脂中に占めるゴム状重合体の割合は、樹脂の耐衝撃性、耐薬品性及び成形加工性等に影響を及ぼす。ゴム状重合体の量が、3重量%以上ある場合、耐衝撃性が良好で、また、30重量%を以下の場合、耐薬品性、成形加工性が良好である。かかる点を考慮すると、ニトリル系樹脂全体に占めるゴム状重合体の量は、3〜30重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、5〜20重量%である。
【0020】
ゴム状重合体は、公知の方法によって製造できるが、乳化重合法が好適である。また、重合温度には特に制限はないが、重合速度、生産性等を考慮すると、30〜70℃の温度範囲が好ましい。
【0021】
上記ゴム状重合体の存在下で実施するグラフト共重合用の単量体として、不飽和ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体が用いられる。
【0022】
グラフト共重合用単量体として用いる不飽和ニトリル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられ、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリルである。ニトリル系樹脂の特性は、マトリックス成分に含まれる不飽和ニトリル系単量体単位の組成に影響される。すなわち、不飽和ニトリル系単量体単位の割合が65重量%以上ある場合、耐薬品性が良好で、またガスバリア性も良好である。また、80重量%以下であれば、成形加工性が良好であると共に成形時に黄色に変色しにくく色調等が良好である。かかる点を考慮すると、マトリックス成分中に65〜80重量%の不飽和ニトリル系単量体単位を含むことが好ましい。さらに好ましくは、70〜80重量%である。
【0023】
グラフト共重合用単量体として用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体は、アルキル基の種類により、得られるニトリル系樹脂の特性は変化する。得られるニトリル系樹脂の実用物性を高位に安定せしめるためには、それらのうち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが好ましい。
【0024】
上記不飽和ニトリル系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と共重合可能な他の単量体は、ラジカル重合可能な不飽和化合物であり、例えば芳香族ビニル化合物、ビニルエーテル、ビニルエステル、α−オレフィン等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等、ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオンビニル、酪酸ビニル等、ビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロペニルエーテル等、α−オレフィンとしては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ブテン、2−プロピル−1−ブテン等が挙げられる。それらのうち、スチレンが好ましい。
【0025】
マトリックス成分中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体単位及び必要に応じて用いるこれらと共重合可能な単量体単位の組成は、ニトリル系樹脂の物性に影響を及ぼす。具体的には、マトリックス成分中に占める(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体単位とこれらと共重合可能な単量体単位の合計の割合が20重量%未満である場合には、成形加工性が低下する。また、35重量%を超える場合には、耐薬品性、ガスバリア性が低下する。かかる点を考慮すると、マトリックス成分中に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体単位とこれらと共重合可能な単量体単位の合計20〜35重量%を含むことが好ましい。さらに好ましくは、20〜30重量%である。
【0026】
不飽和ニトリル系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と共重合可能な他の単量体単位は、マトリックス成分中に最大含有量20重量%程度まで含んで良い。20重量%以下であれば、得られるニトリル系樹脂の特性にさほど影響を及ぼさず、目的に応じて使用可能である。
【0027】
本発明に係わるニトリル系樹脂の重合方法は、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、またはこれらの組合せ等公知の重合方法が適用できる。しかし、重合熱の除去の容易さ、重合後の後処理の容易さ、有機溶媒の回収・再生等の付帯設備の簡易化等を考慮すると乳化重合が好ましく適用される。乳化重合法の場合は、重合体生成物はラテックス状で得られるので、従来公知の方法、例えば、電解質または溶媒による凝集法、または凍結法等により凝固、分離し、水洗の後、乾燥して樹脂を得る方法が挙げられる。
【0028】
グラフト共重合時に用いる界面活性剤は乳化重合に通常用いられる公知ものが使用でき、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルから選ばれた少なくとも1種のアニオン系界面活性剤が挙げられる。乳化重合に使用した界面活性剤は樹脂中に残存するが、界面活性剤は、重合体の凝固、分離、水洗の処理程度によって残存する量が変化する。
【0029】
本発明のニトリル系樹脂組成物において帯電防止性を発現するには、ニトリル系樹脂中に0.05〜2重量%含有することが好ましい。
【0030】
グラフト共重合の温度には特に制限はなく、0〜100℃の任意の温度において実施できる。重合速度、転化率、生産性等を考慮すると、30〜70℃の温度範囲が好ましい。また、可塑剤、安定剤、潤滑剤、染料及び顔料、充填剤界面活性剤等を、必要に応じて重合後に添加することも可能である。
【0031】
本発明に係わるニトリル系樹脂のグラフト共重合において、不飽和ニトリル系単量体を主成分とする単量体混合物の組成は、最終的に生成するマトリックスの組成に直接影響を及ぼす。すなわち、単量体混合物の組成が、マトリックスの組成にほぼ等しくなる。。
【0032】
また、マトリックス成分の分子量、分子量分布もニトリル系樹脂の特性に影響を及ぼす。なお、本願発明において、マトリックス成分は実施例の測定方法に記載のようにN,N−ジメチルホルムアミドとアセトニトリルの可溶部とした。マトリックス成分の重量平均分子量が30,000以上であれば、耐衝撃性等の機械特性が良好で、また、200,000以下であれば、樹脂の流動性が保たれ、成形加工性が良好である。
【0033】
かかる点を考慮すると、ニトリル系樹脂の重量平均分子量は、30,000〜200,000の範囲が好ましく、さらに好ましくは、40,000〜180,000である。分子量分布は、数平均分子量に対する重量平均分子量の比を目安とし、樹脂の耐衝撃性等の機械特性を考慮すると、1〜2の範囲が好ましい。
【0034】
上記ニトリル系樹脂は、様々な成形方法、例えば押出成形、射出成形等によって成形可能である。これらの成形方法における剪断速度、樹脂の機械特性、成形性、及びポリエーテルエステルアミドとの相溶性を考慮すると、ニトリル系樹脂の溶融粘度は、温度210℃、せん断速度102sec-1において300〜4,000Pa・secであることが好ましい。また、温度210℃、せん断速度103sec-1において150〜800Pa・secであることが好ましい。更に好ましくは同時に満たすことである。
【0035】
ニトリル系樹脂が優れた透明性を示すためには、後述する実施例に記述した方法により測定した上記ゴム状重合体とマトリックス成分の屈折率の差が0.02以下であることが好ましく、0.01以下であることがより好ましい。
【0036】
本発明では、上記組成のニトリル系樹脂の透明性及び実用物性を維持し、帯電防止性を改善するために、ニトリル系樹脂(A)の溶融粘度に対し、特定の溶融粘度を有し、且つ、ニトリル系樹脂のマトリックス成分と屈折率の差が0.02以下であるポリエーテルエステルアミド(B)を選定してその特定量を添加する。
【0037】
具体的には、ニトリル系樹脂のマトリックス成分の屈折率が1.50〜1.53程度であることを考慮すると、屈折率が1.48〜1.55程度であるポリエーテルエステルアミドを選定することが好ましく、また、上記ニトリル系樹脂の成形時の溶融粘度を考慮すると、ポリエーテルエステルアミドとして、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドとビスフェノール類のエチレンオキシド付加物からの誘導体が好ましい。
【0038】
両末端にカルボキシル基を有するポリアミドとしては、ラクタム開環重合体、アミノカルボン酸の重縮合体もしくはジカルボン酸とジアミンの重縮合体が挙げられる。ラクタム開環重合体のラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム等が挙げられる。アミノカルボン酸の重縮合体のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノウンデカン酸等が挙げられる。ジカルボン酸とジアミンの重縮合体のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸等が挙げられ、ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。
【0039】
上記アミド成形性モノマーとして例示したものは、2種類以上併用してもよい。これらのうち好ましいものは、カプロラクタム、12−アミノドデカン酸及びアジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ましいのはカプロラクタムである。
【0040】
上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミドは、炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調節剤として使用し、これの存在下に上記アミド形成性モノマーを常法により開環重合または重縮合させることにより得られる。炭素数4〜20のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸等の脂肪族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム、3−スルホイソフタル酸カリウム等の3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩などが挙げられる。これらのうち好ましいものは脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩である。特に好ましいものはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸及び3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
【0041】
上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミドの数平均分子量は、通常、500〜5,000、好ましくは500〜3,000である。
【0042】
ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物の合成に使用するビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)および4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等が挙げられる。これらのうちビスフェノールAが好ましい。
【0043】
ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物は上記ビスフェノール類にエチレンオキシドを常法により付加させることにより得られる。また、エチレンオキシドとともに他のアルキレンオキシド(プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ブチレンオキシド等)を併用することもできる。他のアルキレンオキシドの量はエチレンオキシドの量に基づいて通常10重量%以下である。
【0044】
ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物の数平均分子量は、通常1,600〜3,000である。特にエチレンオキシド付加モル数が32〜60のものを使用することが好ましい。
【0045】
ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物は、ポリアミドとビスフェノール類のエチレンオキシド付加物の合計量に基づいて20〜80重量%の範囲で用いられる。
【0046】
本発明で用いるポリエーテルエステルアミドの製法は特に限定されず、例えばアミド形成性モノマー及びジカルボン酸を反応させてポリアミドを形成せしめ、これにビスフェノール類のエチレン付加物を加えて、高温、減圧下で重合を行う方法が挙げられる。このポリエーテルエステルアミドの含有量は、樹脂組成物中に3〜20重量%であることが必要である。好ましくは5〜20重量%である。この量が3重量%未満である場合、十分に帯電防止性が得られず、20重量%を超える場合、剛性等の機械特性が低下し、好ましくない。
【0047】
また、ポリエーテルエステルアミドの溶融粘度は、上記ニトリル系樹脂との相溶性を考慮すると、温度210℃、せん断速度102sec-1において300〜1,500Pa・secであることが好ましい。また、温度210℃、せん断速度103sec-1において150〜400Pa・secであることが好ましい。更に好ましくは同時に満たすことである。
【0048】
ニトリル系樹脂組成物の帯電防止性を発現し、且つ、実用物性、外観を維持するには、ニトリル系樹脂とポリエーテルエステルアミドの成形時の溶融粘度比が重要である。具体的には、成形時の樹脂温度、せん断速度を考慮して、ポリエーテルエステルアミドの溶融粘度に対するニトリル系樹脂の溶融粘度の比(以下、溶融粘度比という)が、温度210℃、せん断速度102sec-1において0.5〜5である。また、温度210℃、せん断速度103sec-1において0.5〜3である。好ましくは上記の範囲を同時に満たすことである。
【0049】
溶融粘度比が上記範囲未満である場合、成形体表面に存在するポリエーテルエステルアミドの割合が低下するため、帯電防止性を発現するために多量のポリエーテルエステルアミドが必要となり、ニトリル系樹脂組成物の機械特性が低下する。また、溶融粘度比が上記範囲を超える場合、ニトリル系樹脂とポリエーテルエステルアミドの相溶性が低下するため、成形体に剥離現象等が発生し、外観を損ねると同時にニトリル系樹脂組成物の機械特性が低下する。
【0050】
また、ニトリル系樹脂とポリエーテルエステルアミドを含むニトリル系樹脂組成物から成形される成形品が優れた透明性を示すためには、ニトリル樹脂のマトリックス成分とポリエーテルエステルアミドの屈折率の差が0.02以下であることが好ましく、0.01以下がより好ましい。
【0051】
本発明で好ましく用いるポリエーテルエステルアミドの市販品として、例えば、三洋化成工業社(株)製、商品名:ペレスタット6321(屈折率:1.51)、ペレスタット7530(屈折率:1.53)等が挙げられる。
【0052】
本発明のニトリル系樹脂組成物の製造方法としては特に制限がないが、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブレンダー等の混練機を用いて、混練・造粒することによって製造される。
【0053】
また、得られたニトリル系樹脂組成物は、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられている公知の方法、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、インフレーション成形等の方法によって成形することができる。
【0054】
本発明のニトリル系樹脂組成物に、さらにカチオン性、アニオン性、非イオン性、両イオン性の帯電防止剤を含有させて帯電防止性を一層向上させることもできる。これらの帯電防止剤として界面活性剤が挙げられる。
【0055】
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル塩類、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類等が挙げられる。
【0056】
非イオン性界面活性剤としては、例えばアルキレンオキシド類、アミンオキシド類、リン酸エステル類、アルキルポリグリコールエーテル類、アルキルアミンポリグリコールエーテル類等が挙げられる。また両性イオン界面活性剤としては例えばベタイン等が挙げられる。
【0057】
界面活性剤を用いる場合、その添加量は、樹脂組成物中に0.1〜5重量%含むように添加することが好ましい。
【0058】
またニトリル系樹脂組成物に通常の可塑剤、離型剤、耐候剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、安定剤等の添加剤の添加は本発明の効果を何ら妨げるものではない。
【0059】
上記方法により得られるニトリル系樹脂組成物は、透明性、帯電防止性及び実用物性に優れた新規なニトリル系樹脂組成物である。
【0060】
本発明のニトリル系樹脂組成物の用途としては、例えば、エレクトロニックス製品、家電製品、OA機器等の各種部品、及び、半導体ウエハー関連製品、IC関連製品、マスク・レチクル関連製品、液晶ディスプレイ関連製品等の各種容器等が挙げられる。特に、半導体ウエハー用搬送キャリア、半導体ウエハー用プロセスキャリアー、半導体ウエハー用ショピングボックス等の半導体ウエハー関連製品容器、ICマガジン、ICトレー、ICチップ搬送ケース等のIC関連製品用容器、マスク・レチクルキャリア、マスク・レクチュルパッケージ、マスク・レクチュル搬送ボックス、マスク・レクチュル用基板ガラスキャリア、ペルクルケース等のマスク・レチクル関連製品用容器、液晶ディスプレイプロセスキャリア、液晶ディスプレイ用基板ガラスキャリア等の液晶ディスプレイ関連製品用容器などの成形材料として好適に用いることができる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明について更に詳細を説明する。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」はいずれも重量基準を意味する。また、実施例及び比較例に示した総転化率、マトリックス成分の組成、アニオン系界面活性剤の定量、屈折率、溶融粘度、曲げ強度、曲げ弾性率、引張り降伏強度、アイゾッド衝撃強度、荷重たわみ温度、ビカット軟化点、メルトインデックス、全光線透過率、ヘイズ、表面抵抗率、成形品の外観は、下記方法によって測定した。
【0062】
(1)総転化率(重量%)
ニトリル系樹脂の重合後のラテックス中に残存する各単量体濃度を、ガスクロマトグラフ〔(株)島津製作所製、形式:GC−9A〕分析により測定して、重合系内に最終的に供給した全単量体を基準とした重合体への総転化率を算出した。
【0063】
(2)マトリックス成分の組成(重量%)
25℃において、N,N−ジメチルホルムアミド75mlに得られた樹脂0.75gを添加して2時間攪拌し、次いで、アセトニトリル75mlを添加し、さらに1時間攪拌した。溶媒に溶解した成分を分離し、ゴム成分を除くマトリックス成分を得た。得られたマトリックス成分のCHN含有組成を元素分析〔(株)柳本製作所製、CHN CORDER、型式:MT−2〕にて測定し、この操作を3回繰り返して平均し、マトリックス成分の組成を求めた。
【0064】
(3)アニオン系界面活性剤の定量(重量%)
1)アニオン系界面活性剤の抽出
得られたニトリル系樹脂を冷凍粉砕法により微粉化した。ソックスレー抽出器を用いて、微粉0.5gをエタノール100mlでエタノールの沸点で15時間抽出した。その後冷却し、抽出液を加熱してエタノールを蒸去して抽出物を得た。
2)アニオン系界面活性剤の定量
得られた抽出物を超純水で希釈し、メチレンブルーを加えて発色させた。あらかじめ作成した界面活性剤の濃度と吸光度の関係を示す検量線からアニオン系界面活性剤を定量した。
【0065】
(4)屈折率
JIS K−7150に規定される方法に従い、幅10mm、長さ20mm、厚み3mmの試験片を用い、接触液として1−ブロモナフタリンを用いて20℃の環境下でアッベ屈折計にて測定した。
【0066】
(5)溶融粘度(Pa・sec)
(株)東洋精機製作所製、キャピログラフ1Cを用いて、ノズル長5mm、10mm、20mm、ノズル径1mm、温度210℃にて測定し、測定値をBaglay末端補正、Rabinowitch補正を行って得られた値を溶融粘度とした。
【0067】
(6)曲げ強度、曲げ弾性率(MPa)
ASTM D−790に規定される方法に従い、厚み3.2mmの試験片について、(株)島津製作所製、オートグラフAG−5000Aを用いて、23℃、60%RHの環境下で測定した。
【0068】
(7)引張り降伏強度(MPa)
ASTM D−638に規定される方法に従い、厚み3.2mmの試験片について、(株)島津製作所製、オートグラフAG−5000Aを用いて、23℃、60%RHの環境下で測定した。
【0069】
(8)アイゾッド衝撃強度(J/m)
ASTM D−256に規定される方法に従い、厚み3.2mmのノッチ付試験片について、(株)東洋精機製作所製、アイゾッド試験機を用いて、23℃、60%RHの環境下で測定した。
【0070】
(9)荷重たわみ温度(℃)
ASTM D−648に規定される方法に従い、厚み3.2mmの試験片について、(株)安田精機製作所製、ヒートデストーションテスターHDAを用いて、0.45MPaの応力にて測定した。
【0071】
(10)ビカット軟化点(℃)
ASTM D−1525に規定される方法に従い、(株)安田精機製作所製、ヒートデストーションテスターHDAを用いて測定した。
【0072】
(11)メルトインデックス(g/10min)
ASTM D−1238に規定される方法に従い、(株)東洋精機製作所製、メルトインデクサーS−111用いて、200℃、荷重122.5Nの条件下で測定した。
【0073】
(12)全光線透過率、ヘイズ(%)
JIS K−7105に規定される方法に従い、厚み2mm、直径50mmの円板状試料について、(株)東洋精機製作所製、直読ヘイズメーターを用いて23℃、60%RHの環境下で測定した。
【0074】
(13)表面抵抗率(Ω/□)
(a)厚み2mm、直径50mmの円板状試験片を成形後、23℃、60%RHで48時間状態調節した後、ASTM D−257に規定される方法に従い、東亜電波工業(株)製、極超絶縁計SM−8210(電極部:SME−8311)を用いて、印可電圧500V、23℃、60%RHの環境下で測定した。
(b)前項(a)と同様の円板状試験片を成形した後、洗剤〔ライオン(株)製、ママレモン〕水溶液で洗浄処理し、次いでイオン交換水で十分洗った後、表面の水分を乾燥除去してから、前項(a)と同様にして測定した。
【0075】
(14)成形品の外観
試験片を目視することにより評価した。◎:剥離等の発生がなく、外観が極めて良好、○:剥離等の発生がなく、外観が良好、×:剥離等の発生で外観が不良の3段階で判定した。
【0076】
〔ニトリル系樹脂の製造〕
製造例1
(A)ゴム状重合体の製造
下記成分を含む混合物をステンレス製重合反応器に装入して、窒素雰囲気下において、攪拌下、45℃で20時間重合を行い、転化率90%で重合を終了した。未反応の単量体を減圧ストリッピングにより除き、固形分濃度約30%のゴム状重合体を得た。また、該重合体より固形分を回収し、乾燥後、元素分析により該重合体中の1,3−ブタジエン及びアクリロニトリル単位の含有量を求めたところ、1,3−ブタジエン単位が71重量%、アクリロニトリル単位が29重量%であった。
【0077】
アクリロニトリル30部、1,3−ブタジエン70部、脂肪酸石ケン2.4部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、水200部。
【0078】
(B)グラフト重合体の製造
ステンレス製重合反応器に下記の組成の原料(初期添加分)を仕込み、攪拌下、窒素雰囲気下において、58℃に昇温し、そのまま30分間攪拌後、重合開始剤として過硫酸カリウム0.08部を含む水溶液を添加して重合を開始した。
【0079】
アクリロニトリル15部、アクリル酸メチル5部、上記(A)のゴム状重合体(固形分)10部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.407部、ポリビニルピロリドン0.103部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.035部、水150部
次いで、重合開始から起算して25分経過後、リン酸を添加してpHを3±0.3に調節し、30分経過後、下記の組成の原料(後添加分)を6.5時間かけて連続的に添加しながら、58℃で重合を継続した。
【0080】
アクリロニトリル60部、アクリル酸メチル20部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)1.6部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1.627部、ポリビニルピロリドン0.413部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.141部、水85部
この添加の間、重合開始時から5時間まではリン酸も連続的に添加して、7時間まで重合系のpHを3±0.3に保って重合を行った。重合開始から8時間経過後、冷却し、重合終了とした。総転化率は92.7%であった。得られた樹脂を、硫酸アルミニウム(濃度45%)を加えて凝固させ、次いで水洗、乾燥して粉末状のニトリル系樹脂〔A−1〕を得た。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.51であった。
【0081】
主要な重合条件及び得られた樹脂の特性を上記方法により測定し、その結果を〔表1〕及び〔表2〕に示す。また、製造例2〜6についても同様にその結果を〔表1〕及び〔表2〕に示す。
【0082】
製造例2
製造例1(B)でペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)を2部に変更した以外は、製造例1(B)と同様にして重合を行い、ニトリル系樹脂〔A−2〕を得た。総転化率は92.5%であった。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.51であった。
【0083】
製造例3
製造例1(B)でペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)を2.8部に変更した以外は、製造例1(B)と同様にして重合を行い、ニトリル系樹脂〔A−3〕を得た。総転化率は93.1%であった。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.51であった。
【0084】
製造例4
製造例1(B)でペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)を3.2部とし、かつアクリル酸メチルをアクリル酸エチルに変更した以外は、製造例1(B)と同様にして重合を行い、ニトリル系樹脂〔A−4〕を得た。総転化率は93.2%であった。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.51であった。
【0085】
製造例5
原料の初期添加分と後添加分において、組成の一部を以下のように変更し、製造例1(B)と同様にして重合を行い、ニトリル系樹脂〔A−5〕を得た。総転化率は92.8%であった。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.52であった。
<初期添加分>
アクリロニトリル15部、アクリル酸メチル2部、スチレン3部
<後添加分>
アクリロニトリル60部、アクリル酸メチル8部、スチレン12部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)2.2部。
【0086】
製造例6
原料の初期添加分と後添加分において、組成の一部を以下のように変更し、製造例1(B)と同様にして重合を行い、ニトリル系樹脂〔A−6〕を得た。総転化率は93.0%であった。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.52であった。
<初期添加分>
アクリロニトリル15部、アクリル酸エチル2部、スチレン3部
<後添加分>
アクリロニトリル60部、アクリル酸エチル8部、スチレン12部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)1.6部。
【0087】
製造例7
製造例1(B)でペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)を1.0部に変更した以外は、製造例1(B)と同様にして重合を行い、ニトリル系樹脂〔A−7〕を得た。総転化率は92.5%であった。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.51であった。
【0088】
製造例8
原料の初期添加分と後添加分において、組成の一部を以下のように変更し、製造例1(B)と同様にして重合を行ないニトリル系樹脂〔A−8〕を得た。総転化率は92.8%であった。このニトリル系樹脂のマトリックス成分について、上記方法で屈折率を測定したところ1.54であった。
<初期添加分>
アクリロニトリル12部、スチレン8部
<後添加分>
アクリロニトリル48部、スチレン32部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)2部。
【0089】
〔ポリエーテルエステルアミドの製造〕
製造例9
下記成分を含む混合物をステンレス製重合反応器に装入して、窒素雰囲気下において、攪拌下、220℃で加圧密閉下4時間重合を行い、数平均分子量1,000のポリアミドオリゴマー96部を得た。
【0090】
ε−カプロラクタム86部、アジピン酸14部、酸化防止剤(チバガイギー製、商品名:イルガノックス1010)0.3部、水5部
次に数平均分子量1,500のポリオキシエチレングリコール144部及び酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1mmHg以下の減圧下で5時間重合し、樹脂を得た。この樹脂をベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってポリエーテルエステルアミド〔B−3〕を得た。このポリエーテルエステルアミドについて、上記方法で屈折率を測定したところ1.50であった。
【0091】
得られたポリエーテルエステルアミドの特性を上記方法により測定し、その結果を〔表2〕に示す。また、製造例8についても同様にその結果を〔表2〕に示す。
【0092】
製造例10
下記成分を含む混合物をステンレス製重合反応器に装入して、窒素雰囲気下において、攪拌下、220℃で加圧密閉下4時間重合を行い、数平均分子量680のポリアミドオリゴマー96部を得た。
ε−カプロラクタム86部、イソフタル酸4部、アジピン酸10部、酸化防止剤(チバガイギー製、商品名:イルガノックス1010)0.3部、水5部
次に数平均分子量2,400のポリオキシエチレングリコール224部及び酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1mmHg以下の減圧下で5時間重合し、樹脂を得た。この樹脂をベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってポリエーテルエステルアミド〔B−4〕を得た。このポリエーテルエステルアミドについて、上記方法で屈折率を測定したところ1.49であった。
【0093】
【表1】
Figure 0003691255
【0094】
【表2】
Figure 0003691255
実施例1〜22、比較例1〜21
製造例1〜8で得られた各ニトリル系樹脂、製造例9、10で得られたポリエーテルエステルアミド、以下に示すポリエーテルエステルアミド及び界面活性剤を〔表3〕及び〔表4〕に示した組成の混合物を異方向二軸押出機にてシリンダー及びダイス温度190℃で混練し、得られたストランドを水冷し、ペレット化しニトリル系樹脂組成物を得た。得られたペレットを65℃にて6時間乾燥した後、シリンダー及びノズル温度190℃、金型温度40℃の条件で射出成形を行い、物性測定用試験片を作製した。得られた試験片の諸性質を先に述べた方法に従って測定評価した。その結果を〔表5〕及び〔表6〕に示す。
【0095】
〔ポリエーテルエステルアミド〕
B−1:ポリエーテルエステルアミド、三洋化成工業社(株)製、商品名:ペレスタット6321(屈折率:1.51)
B−2:ポリエーテルエステルアミド、三洋化成工業社(株)製、商品名:ペレスタット7530(屈折率:1.53)。
【0096】
〔界面活性剤〕
C−1:ポリエチレングリコール、三洋化成工業社(株)製、商品名:PEG400
C−2:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、日本油脂(株)社製、商品名:ニューレックスパウダーF
C−3:第2級アルカンスルホン酸ナトリウム、ヘキストインダストリー(株)社製、商品名:HostapurSAS93
C−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ヘキストインダストリー(株)社製、商品名:HostaphatL327
【0097】
【表3】
Figure 0003691255
【0098】
【表4】
Figure 0003691255
【0099】
【表5】
Figure 0003691255
【0100】
【表6】
Figure 0003691255
〔実施例の考察〕
本発明のニトリル系樹脂組成物(実施例1〜22)は、いずれも光学特性(全光線透過率、ヘイズ)、機械特性(曲げ弾性率、曲げ強度、引張り降伏強度、アイゾッド衝撃強度)、熱特性(荷重たわみ温度、ビカット軟化点)に優れ、かつ低い表面抵抗率を有している。しかも表面処理によっても抵抗率がほとんど変化せず、優れた帯電防止性を発揮する。すなわち、本発明のニトリル系樹脂組成物は透明性、帯電防止性及び実用物性に優れている。
【0101】
一方、樹脂組成物中のポリエーテルエステルアミド含有量が3重量%未満である場合(比較例1、2、6、9、11、12、16)は、帯電防止性に劣り、20重量%を超える場合(比較例3、4、7、8、10、13、14、17)には、曲げ強度、曲げ弾性率が劣る。
【0102】
また、ニトリル系樹脂のマトリックス成分とポリエーテルエステルアミドの屈折率の差が0.02を越える場合(比較例15、18、20、21)は透明性を損なう。
【0103】
温度210℃、せん断速度102sec-1又は103sec-1において、ポリエーテルエステルアミドの溶融粘度に対するニトリル系樹脂の溶融粘度の比が、上記範囲外となった場合(比較例4,5,14,15,18,19,20,21)には、剥離等が発生し、成形品の外観を損なう。
【0104】
本発明のニトリル系樹脂組成物は、透明性、帯電防止性及び実用物性に優れている。そのため、エレクトロニクス製品、家電製品、OA機器等の各種部品、及び、半導体ウエハー関連製品、IC関連製品、マスク・レチクル関連製品、液晶ディスプレイ関連製品等の各種容器などにおいて静電気の帯電を防止し得る材料として好適な樹脂組成物である。

Claims (16)

  1. (A)共役ジエン単位50重量%以上を含むゴム状重合体3〜30重量部の存在下で、不飽和ニトリル系単量体単位を65〜80重量%、及び、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体単位とこれらと共重合可能な他の単量体単位と合計20〜35重量%を含む単量体混合物100重量部をグラフト共重合して得られるマトリックス成分を含むニトリル系樹脂80〜97重量%、並びに、(B)ポリエーテルエステルアミド3〜20重量%を含むニトリル系樹脂組成物であって、温度210℃における前記(B)の溶融粘度に対する前記(A)の溶融粘度の比が、せん断速度102sec-1において0.5〜5、せん断速度103sec-1において0.5〜3であり、且つ、前記(A)のマトリックス成分と前記(B)の屈折率の差が0.02以下であることを特徴とするニトリル系樹脂組成物。
  2. ニトリル系樹脂中に含まれるゴム状重合体が、1,3−ブタジエン重合体、1,3−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体及び1,3−ブタジエン−スチレン共重合体から選ばれた少なくとも1種の重合体であることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  3. ニトリル系樹脂のマトリックス成分中に含まれる不飽和ニトリル系単量体単位が、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルから選ばれた少なくとも1種の単量体単位であることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  4. ニトリル系樹脂のマトリックス成分中に含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体単位が、(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルから選ばれた少なくとも1種の単量体単位であることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  5. 不飽和ニトリル系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と共重合可能な単量体単位の最大含有量が20重量%であることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  6. 共重合可能な単量体単位が、スチレン単位であることを特徴とする請求項5記載のニトリル系樹脂組成物。
  7. ニトリル系樹脂のマトリックス成分の重量平均分子量が、30,000〜200,000であり、数平均分子量に対する重量平均分子量の比が1〜2であることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  8. 温度210℃におけるニトリル系樹脂の溶融粘度が、せん断速度102sec-1において300〜4,000Pa・secであり、且つ、せん断速度103sec-1において、150〜800Pa・secであることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  9. ポリエーテルエステルアミド(B)が、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドとビスフェノール類のエチレンオキシド付加物からの誘導体であることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  10. 両末端にカルボキシル基を有するポリアミドが、ラクタム開環重合体、アミノカルボン酸の重縮合体及びジカルボン酸とジアミンの重縮合体から選ばれた少なくとも1種のポリアミドであることを特徴とする請求項9記載のニトリル系樹脂組成物。
  11. 両末端にカルボキシル基を有するポリアミドの数平均分子量が、500〜5,000あることを特徴とする請求項9記載のニトリル系樹脂組成物。
  12. ビスフェノール類が、ビスフェノールA(4,4'−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、及び4,4'−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項9記載のニトリル系樹脂組成物。
  13. ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物の数平均分子量が、1,600〜3,000であることを特徴とする請求項9記載のニトリル系樹脂組成物。
  14. 温度210℃におけるポリエーテルエステルアミドの溶融粘度が、せん断速度102sec-1において300〜1,500Pa・secであり、且つ、せん断速度103sec-1において150〜400Pa・secであることを特徴とする請求項1記載のニトリル系樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14記載のニトリル系樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする静電気の帯電を防止された成形物。
  16. 成形物がエレクトロニクス製品、家電製品、OA機器から選ばれた少なくとも1種の部品、または、半導体ウエハー関連製品、IC関連製品、マスク・レチクル関連製品、液晶ディスプレイ関連製品から選ばれた少なくとも1種の製品の容器であることを特徴とする請求項15記載の成形物。
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