JP3689193B2 - マルチメディア情報通信システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は，通信網を介して他の端末装置との間でマルチメディア情報を交換可能なマルチメディア情報通信端末装置及び複数のマルチメディア情報通信端末装置で構成されたマルチメディア情報通信システムに関し，より詳細には，各端末装置で行われる入出力能力の交換を円滑に行うことができるマルチメディア情報通信システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
マルチメディア端末装置には能力が多岐にわたるものがある。例えばプリンタ・ＦＡＸ・文書蓄積の能力を持つ文書画像処理端末は，パーソナルコンピュータから送信された文書データをプリントアウトする以外に内部でデータ形式の変換を行って更に他の端末へＦＡＸ伝送することが可能である。また，内部の蓄積装置に蓄積した文書データをパーソナルコンピュータからの要求により，そのパーソナルコンピュータへ伝送することもできる。
【０００３】
従来のマルチメディア情報通信端末装置の一例として，特公平７−１０１８９９号公報『総合サービスディジタル網通信端末装置』がある。この端末装置は，着呼制御部に通信不可能な通信モードによる着呼設定があった場合，自端末の通信モードを送信メッセージのユーザ・ユーザ情報要素に設定して呼切断／解放手順実行時に，相手端末より受信した受信メッセージのユーザ・ユーザ情報要素から当該相手端末の通信モードを認識し，それをモード記憶部に記憶されている自端末の通信モードと照合する通信モード認識部，当該照合結果に基づいて通信モードの変更を行う通信モード変更部及び変更された通信モードと番号記憶部に記憶されている相手端末の加入者番号とによって再発呼の手順を実行する再発呼制御部を備えている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
一般に，通信を実行する際には，情報送受信のなるべく初期の段階で相手端末の能力を交換・認識できることが望ましい。しかしながら，特公平７−１０１８９９号公報には，相手端末の通信モードを呼設定時に交換する方法について開示されているが，相手端末に送信した情報を相手端末がいかなるデータ形式に変更・出力するかという点については何ら考慮されていない。すなわち，特公平７−１０１８９９号公報に開示された装置では，相手端末がプリントアウトだけの能力を持つのか，ＦＡＸ形式に変換して他端末へＦＡＸ出力することもできるのかということについては認識することができない。同様に，例えば動画像が蓄積装置からの入力か，ビデオカメラからの入力か等，情報の入力に関する能力の交換・認識も不可能である。
【０００５】
また，プリントアウトと蓄積データの伝送は，情報の送受信形態が非対称である。すなわち，プリントアウトは自端末から相手端末への送信が主であるのに対し，蓄積データの伝送は受信が主である。このことは，両端末が備える情報の入出力，変換能力に大きく依存するものである。したがって，端末間の能力交換の際は情報の送信と受信とに分けて取り扱う方が妥当であるが，特公平７−１０１８９９号公報に開示された装置ではこの点について何ら考慮されていない。
【０００６】
更に，情報の入出力や変換の能力を実際の情報の送受信に分けて交換するとなると能力の交換のための情報量が増大する。前述した多能力端末においては特に能力の交換のための情報量の増大が著しい。ところが，特公平７−１０１８９９号公報に開示された装置では，呼設定時の交換情報量の増大について何ら考慮されていない。
【０００７】
したがって，本発明は上記に鑑みてなされたものであって，各端末装置が備える情報の入出力及び変換能力を各端末装置間で容易に交換可能にすることを第１の目的とする。
【０００８】
また，各端末が備える能力を交換する際，その能力を情報の送信に関する能力と情報の受信に関する能力とに分けて交換可能にすることを第２の目的とする。
【０００９】
更に，端末間で交換すべき能力情報の情報量を削減することを第３の目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため，請求項１にかかる発明は，通信網を介して複数のマルチメディア情報通信端末装置を接続し，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置間でマルチメディア情報の交換が行えるようにしたマルチメディア情報通信システムにおいて，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置は，前記マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して前記他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段と，を備え，発呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置から着呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置に対して所定の情報を送信する場合，予め設定された送信条件に基づいて，前記発呼側の能力交換制御手段が，前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側送信能力情報を保持する発呼側送信能力テーブルを生成し，前記所定の情報の送信に先立って前記発呼側送信能力テーブルを送信し，前記発呼側送信能力情報が，前記所定の情報を送信する場合に前記発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な送信能力を示す送信利用能力情報と，前記所定の情報の送信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなることを特徴とする。
【００１１】
また，請求項２にかかる発明は，請求項１記載のマルチメディア情報通信端末システムにおいて，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，前記１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００１２】
また，請求項３にかかる発明は，請求項１又は２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側送信能力テーブルが，前記１つ以上の発呼側送信能力情報をそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００１３】
また，請求項４にかかる発明は，請求項１から３のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記送信利用能力情報が，少なくとも前記出力能力テーブルから選択された前記出力能力情報であることを特徴とする。
【００１４】
また，請求項５にかかる発明は，請求項４記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記送信利用能力情報として前記出力能力テーブル内の複数の出力能力フィールドからそれぞれ異なる出力能力情報が選択された場合，選択された前記出力能力情報をそれぞれ異なる前記発呼側送信能力フィールドに格納することを特徴とする。
【００１５】
また，請求項６にかかる発明は，請求項１記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報が，前記入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，前記出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は前記変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなることを特徴とする。
【００１６】
また，請求項７にかかる発明は，請求項１から６のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側受信能力情報を保持する着呼側受信能力テーブルを生成し，前記着呼側受信能力テーブルを送信することを特徴とする。
【００１７】
また，請求項８にかかる発明は，請求項７記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側受信能力情報が，前記１つ以上の発呼側送信能力情報にそれぞれ対応して生成され，前記着呼側受信能力テーブルが，前記着呼側受信能力情報をそれぞれ異なる着呼側受信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００１８】
また，請求項９にかかる発明は，請求項７又は８記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置から送信される前記所定の情報を受信可能な場合，前記着呼側受信能力情報が，前記能力確認情報に対応して前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，前記所定の情報を受信不可能な場合，前記着呼側受信能力情報が，受信不能情報からなることを特徴とする。
【００１９】
また，請求項１０にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側受信能力情報が，複数の前記入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の前記出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の前記変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの前記着呼側受信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されることを特徴とする。
【００２０】
また，請求項１１にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記入力能力情報を選択する場合，前記発呼側送信能力情報に含まれる前記送信利用能力情報に基づいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記所定の情報を受信可能な入力能力を示す入力能力情報を格納した前記入力能力フィールドのみから前記入力能力情報を選択することを特徴とする。
【００２１】
また，請求項１２にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記出力能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記出力能力確認情報と一致する情報を含む前記出力能力フィールドのみから前記出力能力情報を選択することを特徴とする。
【００２２】
また，請求項１３にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記変換能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記変換能力確認情報と一致する情報を含む前記変換能力フィールドのみから前記変換能力情報を選択することを特徴とする。
【００２３】
また，請求項１４にかかる発明は，通信網を介して複数のマルチメディア情報通信端末装置を接続し，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置間でマルチメディア情報の交換が行えるようにしたマルチメディア情報通信システムにおいて，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置は，前記マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して前記他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段と，を備え，発呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置が着呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を受信する場合，予め設定された受信条件に基づいて，前記発呼側の能力交換制御手段が，前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側受信能力情報を保持する発呼側受信能力テーブルを生成し，前記所定の情報の受信に先立って前記発呼側受信能力テーブルを送信し，前記発呼側受信能力情報が，前記所定の情報を受信する場合に前記発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な受信能力を示す受信利用能力情報と，前記所定の情報の受信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなることを特徴とする。
【００２４】
また，請求項１５にかかる発明は，請求項１４記載のマルチメディア情報通信端末システムにおいて，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，前記１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００２５】
また，請求項１６にかかる発明は，請求項１５又は１６記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側受信能力テーブルが，前記１つ以上の発呼側受信能力情報をそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００２６】
また，請求項１７にかかる発明は，請求項１４から１６のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記受信利用能力情報が，少なくとも前記入力能力テーブルから選択された前記入力能力情報であることを特徴とする。
【００２７】
また，請求項１８にかかる発明は，請求項１７記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記受信利用能力情報として前記入力能力テーブル内の複数の入力能力フィールドからそれぞれ異なる入力能力情報が選択された場合，選択された前記入力能力情報をそれぞれ異なる前記発呼側受信能力フィールドに格納することを特徴とする。
【００２８】
また，請求項１９にかかる発明は，請求項１４記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報が，前記入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，前記出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は前記変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなることを特徴とする。
【００２９】
また，請求項２０にかかる発明は，請求項１４から１９のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側送信能力情報を保持する着呼側送信能力テーブルを生成し，前記着呼側送信能力テーブルを送信することを特徴とする。
【００３０】
また，請求項２１にかかる発明は，請求項２０記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側送信能力情報が，前記１つ以上の発呼側受信能力情報にそれぞれ対応して生成され，前記着呼側送信能力テーブルが，前記着呼側送信能力情報をそれぞれ異なる着呼側送信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００３１】
また，請求項２２にかかる発明は，請求項２０又は２１記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置へ前記所定の情報を送信可能な場合，前記着呼側送信能力情報が，前記能力確認情報に対応して前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，前記所定の情報を送信不可能な場合，前記着呼側送信能力情報が，送信不能情報からなることを特徴とする。
【００３２】
また，請求項２３にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側送信能力情報が，複数の前記入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の前記出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の前記変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの前記着呼側送信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されることを特徴とする。
【００３３】
また，請求項２４にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記出力能力情報を選択する場合，前記発呼側受信能力情報に含まれる前記受信利用能力情報に基づいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記所定の情報を送信可能な出力能力を示す出力能力情報を格納した前記出力能力フィールドのみから前記出力能力情報を選択することを特徴とする。
【００３４】
また，請求項２５にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記入力能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記入力能力確認情報と一致する情報を含む前記入力能力フィールドのみから前記入力能力情報を選択することを特徴とする。
【００３５】
また，請求項２６にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記変換能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記変換能力確認情報と一致する情報を含む前記変換能力フィールドのみから前記変換能力情報を選択することを特徴とする。
【００３６】
【発明の実施の形態】
以下，本発明に係るマルチメディア情報通信システムの実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【００３７】
図１は，本発明の実施の形態に係るマルチメディア情報通信端末装置の概略構成を示す構成図である。なお，図１には，通信網を介して情報を交換する場合に発呼端末装置と着呼端末装置間で行われる情報入出力能力の交換を制御する能力交換部の概略構成のみが示されている。
【００３８】
図１に示すように端末装置は，能力交換部１０に自身の情報入出力能力及び変換能力を記述した入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３と，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３を参照しつつ他の端末装置との能力交換を制御する能力交換制御部１４とを備えている。
【００３９】
端末装置の能力は，能力属性項目と属性値とによって表現され，これらが入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に記述される。なお，例えば端末装置が情報の入力能力について複数の能力を有する場合は，各能力を異なる入力能力フィールドに対応させて入力能力テーブル１１に記述する。出力能力及び変換能力のそれぞれについて複数の能力を有する場合においても同様に，各能力を異なる出力能力フィールド及び変換能力フィールドに対応させて出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に記述する。入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３の具体的な構成については，端末装置の具体的な動作を説明する際に同時に説明する。
【００４０】
図２は，複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置から着呼端末装置に情報を送信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。発呼端末装置から着呼端末装置に情報を送信する場合，発呼端末装置は，呼設定時に能力交換制御部１４で発呼側送信能力テーブルを生成し，この発呼側送信能力テーブルを着呼端末装置に送信する。
【００４１】
発呼側送信能力テーブルには，情報を送信する際に発呼端末装置が用いる能力に基づいて，出力能力テーブル１２から選択された能力属性項目と属性値とが記述される。出力能力テーブル１２において複数の能力，即ち異なる出力能力フィールドに含まれる能力属性項目と属性値とが選択された場合は，発呼側送信能力テーブルにおいてもその別が明確になるようにそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに記述される。なお，必要に応じて入力能力テーブル１１及び変換能力テーブル１３から能力属性項目と属性値とを選択して発呼側送信能力テーブルに記述しても良く，この場合も他の能力属性項目と属性値と区別できるように異なる発呼側送信能力フィールドに記述される。
【００４２】
また，発呼側送信能力テーブルには，情報を送信するに当たり，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するため，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に一般に含まれる能力属性項目の中から選択された能力属性項目も発呼側送信能力フィールド毎に記述される。
【００４３】
発呼側送信能力テーブルを受信した着呼側端末装置は，能力交換制御部１４において，発呼側送信能力テーブル内の個々の発呼側送信能力フィールドに対応した着呼側受信能力フィールドを有する着呼側受信能力テーブルを生成し，発呼側端末装置に送り返す。その際，着呼側端末装置は，発呼側端末装置から送信される情報を受信可能か否か判断する。受信可能な場合は，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するために発呼側送信能力テーブルに記述された能力属性項目に対応する属性値を入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３から選択し，能力属性項目と共に着呼側受信能力フィールドに記述する。一方，受信不可能な場合は，着呼側受信能力フィールドに不可能である旨を記述する。
【００４４】
上記受信可能な場合であって，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３の中の複数の入力能力フィールド，出力能力フィールド又は変換能力フィールドから発呼側端末装置によって選択された能力属性項目に対応する属性値を選択する場合は，着呼側受信能力フィールドに能力属性項目と共に選択した属性値をそれぞれ区分して記述する。
【００４５】
なお，入力能力テーブル１１から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置が情報の送信に利用する能力に対応した受信能力が記述された入力能力フィールドのみから属性値を選択する。また，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置によって選択された能力属性項目を全て含む出力能力フィールド又は変換能力フィールドのみから属性値を選択する。
【００４６】
そして，上述したように発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で発呼側送信能力テーブル及び着呼側受信能力テーブルを交換し，両端末装置が備える能力を確認した後，実際に発呼側端末装置から着呼側端末装置に情報が送信される。
【００４７】
図３は，複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置が着呼端末装置から情報を受信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。発呼端末装置が着呼端末装置から情報を受信する場合，発呼端末装置は，呼設定時に能力交換制御部１４で発呼側受信能力テーブルを生成し，この発呼側受信能力テーブルを着呼端末装置に送信する。
【００４８】
発呼側受信能力テーブルには，情報を受信する際に発呼端末装置が用いる能力に基づいて入力能力テーブル１１から選択された能力属性項目と属性値とが記述される。入力能力テーブル１１において複数の能力，即ち異なる入力能力フィールドに含まれる能力属性項目と属性値が選択された場合は，発呼側受信能力テーブルにおいてもその別が明確になるようにそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに記述される。なお，必要に応じて出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３から能力属性項目と属性値とを選択して発呼側受信能力テーブルに記述しても良く，この場合も他の能力属性項目と属性値と区別できるように異なる発呼側受信能力フィールドに記述される。
【００４９】
また，発呼側受信能力テーブルには，情報を受信するに当たり，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するため，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に一般に含まれる能力属性項目の中から選択された能力属性項目が発呼側受信能力フィールド毎に記述される。
【００５０】
発呼側受信能力テーブルを受信した着呼側端末装置は，能力交換制御部１４において，発呼側受信能力テーブル内の個々の発呼側受信能力フィールドに対応した着呼側送信能力フィールドから構成される着呼側送信能力テーブルを生成し，発呼側端末に送り返す。その際，着呼側端末装置は，発呼側端末装置に対して情報を送信可能か否か判断する。送信可能な場合は，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するために発呼側送信能力テーブルに記述された能力属性項目に対応する属性値を入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３から選択し，能力属性項目と共に着呼側送信能力フィールドに記述する。一方，送信不可能な場合は，着呼側送信能力フィールドに不可能である旨を記述する。
【００５１】
上記送信可能な場合であって，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３の中の複数の入力能力フィールド，出力能力フィールド又は変換能力フィールドから発呼側端末装置によって選択された能力属性項目に対応する属性値を選択する場合は，着呼側送信能力フィールドに能力属性項目と共に選択した属性値をそれぞれ区分して記述する。
【００５２】
また，出力能力テーブル１２から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置が情報の受信に利用する能力に対応した送信能力が記述された出力能力フィールドのみから属性値を選択する。入力能力テーブル１１又は変換能力テーブル１３から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置によって選択された能力属性項目を全て含む出力能力フィールド又は変換能力フィールドのみから属性値を選択する。
【００５３】
そして，上述したように発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で発呼側受信能力テーブル及び着呼側送信能力テーブルを交換し，両端末装置が備える能力を確認した後，実際に着呼側端末装置から発呼側端末装置に情報が送信され，その情報を発呼側端末装置が受信する。
【００５４】
次に，具体例に基づいて，前述したマルチメディア情報通信システムにおける発呼側端末装置及び着呼側端末装置の動作を説明する。図４は，発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で行われる情報の送受信を説明する説明図である。
【００５５】
図４において，発呼側端末装置４１はパーソナルコンピュータであり，キーボード４２からの入力により文字，数字データからなるＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書４３を作成することができる。また，発呼側端末装置４１は，ネットワークから受信（入力）したＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書をディスプレイに出力することもできる。更に，発呼側端末装置４１は，ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式以外のＪＰＥＧ形式の静止画像やＭＰＥＧ形式の動画像もネットワークから入力してディスプレイに表示することができる。ここで，ネットワークを介した他の端末装置との通信にはＴＣＰ／ＩＰプロトコルを利用する。なお，本実施の形態における発呼側端末装置４１では，通信プロトコルやデータ形式の変換処理は特に行わないものとする。
【００５６】
図５は発呼側端末装置４１の入力能力テーブル１１を説明するための説明図であり，図６は出力能力テーブル１２を説明するための説明図である。なお，発呼側端末装置４１では，通信プロトコルやデータ形式の変換処理を行わないとしたため，変換能力テーブル１３は設けられていない。図５及び図６において，フィールド１，フィールド２，．．．は，それぞれ入力能力フィールドや出力能力フィールドを示している。例えば，図６に示す出力能力フィールド２においては，”出力プロトコル”，”出力表現メディア”及び”出力データ形式”という能力属性項目と，この能力属性項目に対応する”ＴＣＰ／ＩＰ”，”文字，数字”及び”ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ”という属性値が記述されている。すなわち，この出力能力フィールド２は，発呼側端末装置４１がＴＣＰ／ＩＰプロトコルでＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字データを出力することができる能力を持つということを表現している。
【００５７】
一方，着呼側端末装置４４は文書画像処理装置であり，印刷部４５でＴＣＰ／ＩＰ上で受信（入力）したＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書画像のプリントアウト，文書蓄積部４６に蓄積された文書データの出力，更に通常のＦＡＸプロトコルでのＦＡＸ送受信が可能なものである。この着呼側端末装置４４は，ＴＣＰ／ＩＰ上で受信したＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書画像を内部でＦＡＸプロトコルに変換し（データ形式もＭＨやＭＭＲに変換），それを更に他の端末装置へＦＡＸ送信することもできる。
【００５８】
図７は着呼側端末装置４４の入力能力テーブル１１を説明するための説明図であり，図８は出力能力テーブル１２を説明するための説明図であり，図９は変換能力テーブル１３を説明するための説明図である。図７〜図９において，フィールド１，フィールド２，．．．は，それぞれ入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドを示している。各フィールドに記述された内容は前述した通りであるのでその説明は省略する。
【００５９】
次に，上述した発呼側端末装置４１と着呼側端末装置４４の動作を（情報送信の場合）と（情報受信の場合）とに分けて以下に説明する。
【００６０】
（情報送信の場合）
発呼側端末装置４１には，発呼側端末装置４１上で作成した文字，数字からなるＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＴＣＰ／ＩＰにより送信するという情報と，相手端末装置に対し，ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＭＨかＭＭＲのデータ形式に変換しＦＡＸプロトコルを用いて更に他の端末装置に出力するよう要求するという情報とが予め設定されているものとする。
【００６１】
発呼側端末装置４１は通信網を介して着呼側端末４４を呼び出す。そして呼設定時に発呼側端末装置４１の能力交換制御部１４が発呼側送信能力テーブルを生成し，着呼側端末装置４４にこの発呼側送信能力テーブルを送信する。
【００６２】
図１０は，発呼側端末装置４１で生成される発呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。発呼側送信能力テーブルは発呼側送信能力フィールドを有し，発呼側送信能力フィールドには発呼側端末装置４１が情報の送信に”利用する能力”と着呼側端末装置４４に対して”要求する能力”，即ち発呼側端末装置４１が望む処理を着呼側端末装置４４が実行可能か否かを確認するための項目が記述される。
【００６３】
本実施の形態に係る発呼側端末装置４１が備える送信能力は，図６に示す出力能力テーブル１２中のフィールド２に示すもののみである。したがって，図１０に示す発呼側送信能力テーブル中の発呼側送信能力フィールドの数は１つとなり，発呼側送信能力フィールド１内の”利用する能力”には，図６に示す出力能力テーブル１２中のフィールド２に記述された能力が転記される。
【００６４】
また，発呼側端末装置４１は，情報を送信するに当たり，着呼側端末装置４４がＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式のデータを受信し，そのデータをＭＨかＭＭＲのデータ形式に変換し，ＦＡＸプロトコルを用いて更に他の端末装置に出力することができるか否かを確認する必要があるため，図１０に示す発呼側送信能力フィールド１内の”要求する能力”には，着呼側端末装置４４の入出力能力及び変換能力を確認するための能力属性項目が記述される。
【００６５】
着呼側端末装置４４は，図１０に示す発呼側送信能力テーブルを受信すると，この発呼側送信能力テーブルに対応した着呼側受信能力テーブルを生成し，発呼側端末装置４１に返送する。
【００６６】
図１１は，着呼側端末装置４４で生成される着呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。着呼側受信能力テーブルは，発呼側送信能力テーブル内の発呼側送信能力フィールドに対応させて生成される。図１０に示す発呼側送信能力テーブル内の発呼側送信能力フィールドは１つであるため，図１１に示す着呼側受信能力テーブル内の着呼側受信能力フィールドの数も１つとなる。
【００６７】
着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図１０に示す発呼側送信能力テーブル内の”要求する能力”の欄に記述された入出力能力及びデータ変換能力に関する能力属性項目に対応する属性値を自身の入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３から選択し，図１１に示す着呼側受信能力テーブルを生成する。
【００６８】
すなわち，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，入力能力に関する能力属性項目に対しては，図７に示す入力能力テーブル内の３つの入力能力フィールドから対応する属性値を選択する。その際，図１０に示す発呼側送信能力テーブルの”利用する能力”に記述された発呼側端末装置４１が情報の送信に利用する能力に対応する受信能力が記載された入力能力フィールドのみを選択する。図７においては，入力能力フィールド３が発呼側端末装置４１の”利用する能力”に対応するため，入力能力フィールド３の属性値を選択し，能力属性項目と共に図１１に示す着呼側受信能力フィールド１に記述する。一方，着呼側端末装置４４の入力能力テーブル１１に発呼側端末装置４１の”利用する能力”に対応する受信能力が記述された入力能力フィールドが存在しない場合は，着呼側受信能力フィールド１に受信不可能である旨を記述して発呼側端末装置４１に送り返す。
【００６９】
出力及び変換に関する能力属性項目の属性値については，図８及び図９に示す出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３からそれぞれ選択する。図１０に示す発呼側送信能力フィールド１の”要求する能力”に記述された出力能力に関する能力属性項目は，”出力プロトコル”と”出力データ形式”である。そこで，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図８に示す出力能力テーブル１２を参照し，”出力プロトコル”と”出力データ形式”の２つの能力属性項目を含む出力能力フィールドを選択する。図８において，この２つの能力属性項目を含む出力能力フィールドはフィールド３とフィールド４であるため，これらに記述された属性値を能力属性項目と共に図１１に示す着呼側受信能力テーブルに記述する。その際，異なるフィールドから選択された属性値であることを区別できるように着呼側受信能力テーブルに記述する。
【００７０】
また，図１０に示す発呼側送信能力フィールド１の”要求する能力”に記述された変換能力に関する能力属性項目は，”プロトコル変換”と”データ形式変換”である。そこで，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図９に示す変換能力テーブル１３を参照し，”プロトコル変換”と”データ形式変換”の２つの属性項目を含む変換能力フィールドを選択する。図９に示す変換能力テーブルに含まれる変換能力フィールドは１つであるが，この変換能力フィールド１は上記２つの属性項目を含んでいるため，この中の属性値を能力属性項目と共に図１１に示す着呼側受信能力テーブルに記述する。
【００７１】
発呼側端末装置４１は，着呼側端末装置４４から前述した着呼側受信能力テーブルを受信することにより，着呼側端末装置４４に対し発呼側端末装置４１上で作成した文字，数字からなるＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＴＣＰ／ＩＰにより送信することができるか否か，着呼側端末装置４４がＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＭＨかＭＭＲのデータ形式に変換しＦＡＸプロトコルを用いて更に他の端末装置に出力することができるか否かという情報を得ることができる。
【００７２】
（情報受信の場合）
次に，発呼側端末装置４１が着呼側端末装置４４から情報を受信する場合について説明する。ここで，発呼側端末装置４１には，ＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像又はＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを相手側端末装置から受信するという情報が設定されているものとする。
【００７３】
発呼側端末装置４１は通信網を介して着呼側端末４４を呼び出す。そして呼設定時に発呼側端末装置４１の能力交換制御部１４が発呼側受信能力テーブルを生成し，着呼側端末装置４４にこの発呼側受信能力テーブルを送信する。
【００７４】
図１２は，発呼側端末装置４１で生成される発呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。発呼側受信能力テーブルは発呼側受信能力フィールドを有し，発呼側受信能力フィールドには発呼側端末装置４１が情報の受信に”利用する能力”と着呼側端末装置４４に対して”要求する能力”，即ち発呼側端末装置４１が望む処理を着呼側端末装置４４が実行可能か否かを確認するための項目が記述される。
【００７５】
本実施の形態に係る発呼側端末装置４１が備える受信能力は，図５に示す入力能力テーブル１１に示す通りである。ここでは，ＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像又はＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを受信するということが前提となっており，これらを受信可能な能力は図５の入力能力フィールド２及び４に記述されている。したがって，図１２に示す発呼側受信能力テーブル中の発呼側受信能力フィールドの数は２つとなる。
【００７６】
図１２において，発呼側受信能力フィールド１内の”利用する能力”には，図５に示す入力能力テーブル１１中のフィールド２に記述された能力が転記される。また，発呼側受信能力フィールド２内の”利用する能力”には，図５に示す入力能力テーブル１１中のフィールド４に記述された能力が転記される。
【００７７】
更に，発呼側端末装置４１は，情報を受信するに当たり，着呼側端末装置４４がＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像及びＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを送信することができるか否かを確認することが必要であるため，図１２に示す発呼側受信能力フィールド１及び２の”要求する能力”には，着呼側端末装置４４の出力能力を確認するための能力属性項目が記述される。
【００７８】
着呼側端末装置４４は，図１２に示す発呼側受信能力テーブルを受信すると，この発呼側受信能力テーブルに対応した着呼側送信能力テーブルを生成し，発呼側端末装置４１に返送する。
【００７９】
図１３は，着呼側端末装置４４で生成される着呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。着呼側送信能力テーブルは，発呼側受信能力テーブル内の発呼側受信能力フィールドに対応させて生成される。図１２に示す発呼側受信能力テーブル内の発呼側送信能力フィールドは２つであるため，図１３に示す着呼側送信能力テーブル内の着呼側送信能力フィールドの数も２つとなる。
【００８０】
着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図１２に示す発呼側受信能力テーブル内の”要求する能力”の欄に記述された出力能力に関する能力属性項目に対応する属性値を自身の出力能力テーブル１２から選択し，図１３に示す着呼側受信能力テーブルを生成する。
【００８１】
すなわち，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図８に示す出力能力テーブル１２内の４つの出力能力フィールドから上記能力属性項目に対応する属性値を選択する。その際，図１２に示す発呼側受信能力テーブルの”利用する能力”に記述された発呼側端末装置４１が情報の受信に利用する能力に対応する送信能力が記載された出力能力フィールドのみを選択する。
【００８２】
図８に示す出力能力テーブル１２には，図１２に示す発呼側受信能力フィールド１に記述された”利用する能力”に対応する送信能力が記述された出力能力フィールドは存在しない。したがって，発呼側受信能力フィールド１に対応する着呼側送信能力フィールド１には”送信不可能”である旨を記述する。
【００８３】
また，図８に示す出力能力テーブル１２において，図１２に示す発呼側受信能力フィールド２に記述された”利用する能力”に対応する送信能力が記述された出力能力フィールドはフィールド３である。そこで，出力能力フィールド３の属性値を選択し，能力属性項目と共に発呼側受信能力フィールド２に対応する着呼側送信能力フィールド２に記述する。
【００８４】
発呼側端末装置４１は，着呼側端末装置４４から前述した着呼側送信能力テーブルを受信することにより，着呼側端末装置４４からＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像又はＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを受信できるか否かという情報を得ることができる。
【００８５】
なお，本発明の実施の形態においては，呼設定時に発呼側端末装置４１と着呼側端末装置４４の入出力能力の交換を行うことを前提にしているが，これに限らず，実情報の送信又は受信に先立って入出力能力の交換を行うことにしても良い。
【００８６】
【発明の効果】
以上説明したように，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項１）によれば，マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段を備えることにしたため，通信の呼設定時に発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で情報の入出力及び変換能力を容易に交換することができる。また，複数のマルチメディア情報通信端末装置が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置から着呼側のマルチメディア情報通信端末装置に対して所定の情報を送信する場合，予め設定された送信条件に基づいて，発呼側の能力交換制御手段が，着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側送信能力情報を保持する発呼側送信能力テーブルを生成し，所定の情報の送信に先立って発呼側送信能力テーブルを送信することにしたため，情報受信の能力交換と分離して発呼側端末装置の情報送信に関する能力交換を行うことができる。発呼側端末装置が複数の送信能力を備える場合は，いずれの送信能力に関する情報をも着呼側端末装置に送ることができる。発呼側送信能力情報が，所定の情報を送信する場合に発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な送信能力を示す送信利用能力情報と，所定の情報の送信に関連して着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなるため，情報送信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減することができる。
【００８７】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項２）によれば，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することにしたため，複数の情報入力，出力及び変換手段を備えたマルチメディア情報通信端末装置の情報入力，出力及び変換能力を的確に記述することができる。
【００８８】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項３）によれば，発呼側送信能力テーブルが，１つ以上の発呼側送信能力情報をそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに格納して保持することにしたため，発呼側のマルチメディア端末装置が情報の送信に利用可能な能力を複数有する場合は，各能力を明確に記述することができる。
【００８９】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項４）によれば，送信利用能力情報が，少なくとも出力能力テーブルから選択された出力能力情報であるため，情報送信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減することができる。
【００９０】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項５）によれば，送信利用能力情報として出力能力テーブル内の複数の出力能力フィールドからそれぞれ異なる出力能力情報が選択された場合，選択された出力能力情報をそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに格納することにしたため，発呼側端末装置が複数の送信能力を備える場合，複数の送信能力間の能力情報の混乱を避けることができる。
【００９１】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項６）によれば，能力確認情報が，入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなるため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える能力の確認のための情報を容易に生成することができる。
【００９２】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項７）によれば，着呼側の能力交換制御手段が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側受信能力情報を保持する着呼側受信能力テーブルを生成し，着呼側受信能力テーブルを送信することにしたため，発呼側端末装置の情報受信時における情報の入出力及び変換能力の交換と分離して，発呼側端末装置の情報送信時における発呼側端末装置と着呼側端末装置との間の情報の入出力及び変換能力の交換を行うことができる。
【００９３】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項８）によれば，着呼側受信能力情報が，１つ以上の発呼側送信能力情報にそれぞれ対応して生成され，着呼側受信能力テーブルが，着呼側受信能力情報をそれぞれ異なる着呼側受信能力フィールドに格納して保持することにしたため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える入出力能力を容易に記述することができる。
【００９４】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項９）によれば，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置から送信される所定の情報を受信可能な場合，着呼側受信能力情報が，能力確認情報に対応して入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，所定の情報を受信不可能な場合，着呼側受信能力情報が，受信不能情報からなるため，発呼側端末装置に着呼側端末装置の受信可能性を知らせることができ，かつ発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことで，交換情報量を削減することができる。
【００９５】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１０）によれば，着呼側受信能力情報が，複数の入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの着呼側受信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されるため，着呼側端末装置に複数の入出力及び変換能力がある場合，複数の入出力及び変換能力間の能力情報の混乱を避けることができる。
【００９６】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１１）によれば，能力確認情報に対応する入力能力情報を選択する場合，発呼側送信能力情報に含まれる送信利用能力情報に基づいて，着呼側の能力交換制御手段が，所定の情報を受信可能な入力能力を示す入力能力情報を格納した入力能力フィールドのみから入力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことにより，交換情報量を削減することができる。
【００９７】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１２）によれば，能力確認情報に対応する出力能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，出力能力確認情報と一致する情報を含む出力能力フィールドのみから出力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことにより，交換情報量を削減することができる。
【００９８】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１３）によれば，能力確認情報に対応する変換能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，変換能力確認情報と一致する情報を含む変換能力フィールドのみから変換能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことにより，交換情報量を削減することができる。
【００９９】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項１４）によれば，マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段を備えることにしたため，通信の呼設定時に発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で情報の入出力及び変換能力を容易に交換することができる。複数のマルチメディア情報通信端末装置が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置が着呼側のマルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を受信する場合，予め設定された受信条件に基づいて，発呼側の能力交換制御手段が，着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側受信能力情報を保持する発呼側受信能力テーブルを生成し，所定の情報の受信に先立って発呼側受信能力テーブルを送信することにしたため，情報送信の能力交換と分離して発呼側端末装置の情報受信に関する能力交換を行うことができる。発呼側端末装置が複数の受信能力を備える場合は，いずれの受信能力に関する情報も着呼側端末装置に送ることができる。発呼側受信能力情報が，所定の情報を受信する場合に発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な受信能力を示す受信利用能力情報と，所定の情報の受信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなるため，情報受信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減するこができる。
【０１００】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項１５）によれば，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することにしたため，複数の情報入力，出力及び変換手段を備えたマルチメディア情報通信端末装置の情報入力，出力及び変換能力を的確に記述することができる。
【０１０１】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１６）によれば，発呼側受信能力テーブルが，１つ以上の発呼側受信能力情報をそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに格納して保持することにしたため，発呼側のマルチメディア端末装置が情報の受信に利用可能な能力を複数有する場合は，各能力を明確に記述することができる。
【０１０２】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１７）によれば，利用能力情報が，少なくとも入力能力テーブルから選択された入力能力情報であるため，情報受信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減するこができる。
【０１０３】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１８）によれば，利用能力情報として入力能力テーブル内の複数の入力能力フィールドからそれぞれ異なる入力能力情報が選択された場合，選択された入力能力情報をそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに格納することにしたため，発呼側端末装置が複数の受信能力を備える場合，複数の受信能力間の能力情報の混乱を避けることができる。
【０１０４】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１９）によれば，能力確認情報が，入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなるため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える能力の確認のための情報を容易に生成することができる。
【０１０５】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２０）によれば，着呼側の能力交換制御手段が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側送信能力情報を保持する着呼側送信能力テーブルを生成し，着呼側送信能力テーブルを送信することにしたため，発呼側端末装置の情報送信時における情報の入出力及び変換能力の交換と分離して，発呼側端末装置の情報受信時における発呼側端末装置と着呼側端末装置との間の情報の入出力及び変換能力の交換を行うことができる。
【０１０６】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２１）によれば，着呼側送信能力情報が，１つ以上の発呼側受信能力情報にそれぞれ対応して生成され，着呼側送信能力テーブルが，着呼側送信能力情報をそれぞれ異なる着呼側送信能力フィールドに格納して保持することにしたため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える入出力能力を容易に記述することができる。
【０１０７】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２２）によれば，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を送信可能な場合，着呼側送信能力情報が，能力確認情報に対応して入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，所定の情報を送信不可能な場合，着呼側送信能力情報が，送信不能情報からなるため，発呼側端末装置に着呼側端末装置の送信可能性を知らせることができ，かつ発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【０１０８】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２３）によれば，着呼側送信能力情報が，複数の入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの着呼側送信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されるため，着呼側端末装置が複数の入出力及び変換能力を備える場合，複数の入出力及び変換能力間の混乱を避けることができる。
【０１０９】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２４）によれば，能力確認情報に対応する出力能力情報を選択する場合，発呼側受信能力情報に含まれる受信利用能力情報に基づいて，着呼側の能力交換制御手段が，所定の情報を送信可能な出力能力を示す出力能力情報を格納した出力能力フィールドのみから出力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【０１１０】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２５）によれば，能力確認情報に対応する入力能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，入力能力確認情報と一致する情報を含む入力能力フィールドのみから入力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【０１１１】
更に，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２６）によれば，能力確認情報に対応する変換能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，変換能力確認情報と一致する情報を含む変換能力フィールドのみから変換能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態に係るマルチメディア情報通信端末装置の概略構成を示す構成図である。
【図２】 複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置から着呼端末装置に情報を送信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。
【図３】 複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置が着呼端末装置から情報を受信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。
【図４】 本発明の実施の形態において，発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で行われる情報の送受信を説明する説明図である。
【図５】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置の入力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図６】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置の出力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図７】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置の入力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図８】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置の出力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図９】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置の変換能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１０】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置で生成される発呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１１】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置で生成される着呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１２】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置で生成される発呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１３】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置で生成される着呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。
【符号の説明】
１０ 交換制御部
１１ 入力能力テーブル
１２ 出力能力テーブル
１３ 変換能力テーブル
１４ 能力交換制御部
４１ 発呼側端末装置
４２ キーボード
４３ 文書
４４ 着呼側端末装置
４５ 印刷部
４６ 文書蓄積部
【発明が属する技術分野】
本発明は，通信網を介して他の端末装置との間でマルチメディア情報を交換可能なマルチメディア情報通信端末装置及び複数のマルチメディア情報通信端末装置で構成されたマルチメディア情報通信システムに関し，より詳細には，各端末装置で行われる入出力能力の交換を円滑に行うことができるマルチメディア情報通信システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
マルチメディア端末装置には能力が多岐にわたるものがある。例えばプリンタ・ＦＡＸ・文書蓄積の能力を持つ文書画像処理端末は，パーソナルコンピュータから送信された文書データをプリントアウトする以外に内部でデータ形式の変換を行って更に他の端末へＦＡＸ伝送することが可能である。また，内部の蓄積装置に蓄積した文書データをパーソナルコンピュータからの要求により，そのパーソナルコンピュータへ伝送することもできる。
【０００３】
従来のマルチメディア情報通信端末装置の一例として，特公平７−１０１８９９号公報『総合サービスディジタル網通信端末装置』がある。この端末装置は，着呼制御部に通信不可能な通信モードによる着呼設定があった場合，自端末の通信モードを送信メッセージのユーザ・ユーザ情報要素に設定して呼切断／解放手順実行時に，相手端末より受信した受信メッセージのユーザ・ユーザ情報要素から当該相手端末の通信モードを認識し，それをモード記憶部に記憶されている自端末の通信モードと照合する通信モード認識部，当該照合結果に基づいて通信モードの変更を行う通信モード変更部及び変更された通信モードと番号記憶部に記憶されている相手端末の加入者番号とによって再発呼の手順を実行する再発呼制御部を備えている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
一般に，通信を実行する際には，情報送受信のなるべく初期の段階で相手端末の能力を交換・認識できることが望ましい。しかしながら，特公平７−１０１８９９号公報には，相手端末の通信モードを呼設定時に交換する方法について開示されているが，相手端末に送信した情報を相手端末がいかなるデータ形式に変更・出力するかという点については何ら考慮されていない。すなわち，特公平７−１０１８９９号公報に開示された装置では，相手端末がプリントアウトだけの能力を持つのか，ＦＡＸ形式に変換して他端末へＦＡＸ出力することもできるのかということについては認識することができない。同様に，例えば動画像が蓄積装置からの入力か，ビデオカメラからの入力か等，情報の入力に関する能力の交換・認識も不可能である。
【０００５】
また，プリントアウトと蓄積データの伝送は，情報の送受信形態が非対称である。すなわち，プリントアウトは自端末から相手端末への送信が主であるのに対し，蓄積データの伝送は受信が主である。このことは，両端末が備える情報の入出力，変換能力に大きく依存するものである。したがって，端末間の能力交換の際は情報の送信と受信とに分けて取り扱う方が妥当であるが，特公平７−１０１８９９号公報に開示された装置ではこの点について何ら考慮されていない。
【０００６】
更に，情報の入出力や変換の能力を実際の情報の送受信に分けて交換するとなると能力の交換のための情報量が増大する。前述した多能力端末においては特に能力の交換のための情報量の増大が著しい。ところが，特公平７−１０１８９９号公報に開示された装置では，呼設定時の交換情報量の増大について何ら考慮されていない。
【０００７】
したがって，本発明は上記に鑑みてなされたものであって，各端末装置が備える情報の入出力及び変換能力を各端末装置間で容易に交換可能にすることを第１の目的とする。
【０００８】
また，各端末が備える能力を交換する際，その能力を情報の送信に関する能力と情報の受信に関する能力とに分けて交換可能にすることを第２の目的とする。
【０００９】
更に，端末間で交換すべき能力情報の情報量を削減することを第３の目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため，請求項１にかかる発明は，通信網を介して複数のマルチメディア情報通信端末装置を接続し，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置間でマルチメディア情報の交換が行えるようにしたマルチメディア情報通信システムにおいて，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置は，前記マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して前記他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段と，を備え，発呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置から着呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置に対して所定の情報を送信する場合，予め設定された送信条件に基づいて，前記発呼側の能力交換制御手段が，前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側送信能力情報を保持する発呼側送信能力テーブルを生成し，前記所定の情報の送信に先立って前記発呼側送信能力テーブルを送信し，前記発呼側送信能力情報が，前記所定の情報を送信する場合に前記発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な送信能力を示す送信利用能力情報と，前記所定の情報の送信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなることを特徴とする。
【００１１】
また，請求項２にかかる発明は，請求項１記載のマルチメディア情報通信端末システムにおいて，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，前記１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００１２】
また，請求項３にかかる発明は，請求項１又は２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側送信能力テーブルが，前記１つ以上の発呼側送信能力情報をそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００１３】
また，請求項４にかかる発明は，請求項１から３のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記送信利用能力情報が，少なくとも前記出力能力テーブルから選択された前記出力能力情報であることを特徴とする。
【００１４】
また，請求項５にかかる発明は，請求項４記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記送信利用能力情報として前記出力能力テーブル内の複数の出力能力フィールドからそれぞれ異なる出力能力情報が選択された場合，選択された前記出力能力情報をそれぞれ異なる前記発呼側送信能力フィールドに格納することを特徴とする。
【００１５】
また，請求項６にかかる発明は，請求項１記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報が，前記入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，前記出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は前記変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなることを特徴とする。
【００１６】
また，請求項７にかかる発明は，請求項１から６のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側受信能力情報を保持する着呼側受信能力テーブルを生成し，前記着呼側受信能力テーブルを送信することを特徴とする。
【００１７】
また，請求項８にかかる発明は，請求項７記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側受信能力情報が，前記１つ以上の発呼側送信能力情報にそれぞれ対応して生成され，前記着呼側受信能力テーブルが，前記着呼側受信能力情報をそれぞれ異なる着呼側受信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００１８】
また，請求項９にかかる発明は，請求項７又は８記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置から送信される前記所定の情報を受信可能な場合，前記着呼側受信能力情報が，前記能力確認情報に対応して前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，前記所定の情報を受信不可能な場合，前記着呼側受信能力情報が，受信不能情報からなることを特徴とする。
【００１９】
また，請求項１０にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側受信能力情報が，複数の前記入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の前記出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の前記変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの前記着呼側受信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されることを特徴とする。
【００２０】
また，請求項１１にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記入力能力情報を選択する場合，前記発呼側送信能力情報に含まれる前記送信利用能力情報に基づいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記所定の情報を受信可能な入力能力を示す入力能力情報を格納した前記入力能力フィールドのみから前記入力能力情報を選択することを特徴とする。
【００２１】
また，請求項１２にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記出力能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記出力能力確認情報と一致する情報を含む前記出力能力フィールドのみから前記出力能力情報を選択することを特徴とする。
【００２２】
また，請求項１３にかかる発明は，請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記変換能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記変換能力確認情報と一致する情報を含む前記変換能力フィールドのみから前記変換能力情報を選択することを特徴とする。
【００２３】
また，請求項１４にかかる発明は，通信網を介して複数のマルチメディア情報通信端末装置を接続し，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置間でマルチメディア情報の交換が行えるようにしたマルチメディア情報通信システムにおいて，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置は，前記マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，前記マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して前記他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段と，を備え，発呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置が着呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を受信する場合，予め設定された受信条件に基づいて，前記発呼側の能力交換制御手段が，前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側受信能力情報を保持する発呼側受信能力テーブルを生成し，前記所定の情報の受信に先立って前記発呼側受信能力テーブルを送信し，前記発呼側受信能力情報が，前記所定の情報を受信する場合に前記発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な受信能力を示す受信利用能力情報と，前記所定の情報の受信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなることを特徴とする。
【００２４】
また，請求項１５にかかる発明は，請求項１４記載のマルチメディア情報通信端末システムにおいて，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，前記１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００２５】
また，請求項１６にかかる発明は，請求項１５又は１６記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側受信能力テーブルが，前記１つ以上の発呼側受信能力情報をそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００２６】
また，請求項１７にかかる発明は，請求項１４から１６のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記受信利用能力情報が，少なくとも前記入力能力テーブルから選択された前記入力能力情報であることを特徴とする。
【００２７】
また，請求項１８にかかる発明は，請求項１７記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記受信利用能力情報として前記入力能力テーブル内の複数の入力能力フィールドからそれぞれ異なる入力能力情報が選択された場合，選択された前記入力能力情報をそれぞれ異なる前記発呼側受信能力フィールドに格納することを特徴とする。
【００２８】
また，請求項１９にかかる発明は，請求項１４記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報が，前記入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，前記出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は前記変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなることを特徴とする。
【００２９】
また，請求項２０にかかる発明は，請求項１４から１９のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側送信能力情報を保持する着呼側送信能力テーブルを生成し，前記着呼側送信能力テーブルを送信することを特徴とする。
【００３０】
また，請求項２１にかかる発明は，請求項２０記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側送信能力情報が，前記１つ以上の発呼側受信能力情報にそれぞれ対応して生成され，前記着呼側送信能力テーブルが，前記着呼側送信能力情報をそれぞれ異なる着呼側送信能力フィールドに格納して保持することを特徴とする。
【００３１】
また，請求項２２にかかる発明は，請求項２０又は２１記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置へ前記所定の情報を送信可能な場合，前記着呼側送信能力情報が，前記能力確認情報に対応して前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，前記所定の情報を送信不可能な場合，前記着呼側送信能力情報が，送信不能情報からなることを特徴とする。
【００３２】
また，請求項２３にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側送信能力情報が，複数の前記入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の前記出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の前記変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの前記着呼側送信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されることを特徴とする。
【００３３】
また，請求項２４にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記出力能力情報を選択する場合，前記発呼側受信能力情報に含まれる前記受信利用能力情報に基づいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記所定の情報を送信可能な出力能力を示す出力能力情報を格納した前記出力能力フィールドのみから前記出力能力情報を選択することを特徴とする。
【００３４】
また，請求項２５にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記入力能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記入力能力確認情報と一致する情報を含む前記入力能力フィールドのみから前記入力能力情報を選択することを特徴とする。
【００３５】
また，請求項２６にかかる発明は，請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記変換能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記変換能力確認情報と一致する情報を含む前記変換能力フィールドのみから前記変換能力情報を選択することを特徴とする。
【００３６】
【発明の実施の形態】
以下，本発明に係るマルチメディア情報通信システムの実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【００３７】
図１は，本発明の実施の形態に係るマルチメディア情報通信端末装置の概略構成を示す構成図である。なお，図１には，通信網を介して情報を交換する場合に発呼端末装置と着呼端末装置間で行われる情報入出力能力の交換を制御する能力交換部の概略構成のみが示されている。
【００３８】
図１に示すように端末装置は，能力交換部１０に自身の情報入出力能力及び変換能力を記述した入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３と，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３を参照しつつ他の端末装置との能力交換を制御する能力交換制御部１４とを備えている。
【００３９】
端末装置の能力は，能力属性項目と属性値とによって表現され，これらが入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に記述される。なお，例えば端末装置が情報の入力能力について複数の能力を有する場合は，各能力を異なる入力能力フィールドに対応させて入力能力テーブル１１に記述する。出力能力及び変換能力のそれぞれについて複数の能力を有する場合においても同様に，各能力を異なる出力能力フィールド及び変換能力フィールドに対応させて出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に記述する。入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３の具体的な構成については，端末装置の具体的な動作を説明する際に同時に説明する。
【００４０】
図２は，複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置から着呼端末装置に情報を送信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。発呼端末装置から着呼端末装置に情報を送信する場合，発呼端末装置は，呼設定時に能力交換制御部１４で発呼側送信能力テーブルを生成し，この発呼側送信能力テーブルを着呼端末装置に送信する。
【００４１】
発呼側送信能力テーブルには，情報を送信する際に発呼端末装置が用いる能力に基づいて，出力能力テーブル１２から選択された能力属性項目と属性値とが記述される。出力能力テーブル１２において複数の能力，即ち異なる出力能力フィールドに含まれる能力属性項目と属性値とが選択された場合は，発呼側送信能力テーブルにおいてもその別が明確になるようにそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに記述される。なお，必要に応じて入力能力テーブル１１及び変換能力テーブル１３から能力属性項目と属性値とを選択して発呼側送信能力テーブルに記述しても良く，この場合も他の能力属性項目と属性値と区別できるように異なる発呼側送信能力フィールドに記述される。
【００４２】
また，発呼側送信能力テーブルには，情報を送信するに当たり，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するため，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に一般に含まれる能力属性項目の中から選択された能力属性項目も発呼側送信能力フィールド毎に記述される。
【００４３】
発呼側送信能力テーブルを受信した着呼側端末装置は，能力交換制御部１４において，発呼側送信能力テーブル内の個々の発呼側送信能力フィールドに対応した着呼側受信能力フィールドを有する着呼側受信能力テーブルを生成し，発呼側端末装置に送り返す。その際，着呼側端末装置は，発呼側端末装置から送信される情報を受信可能か否か判断する。受信可能な場合は，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するために発呼側送信能力テーブルに記述された能力属性項目に対応する属性値を入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３から選択し，能力属性項目と共に着呼側受信能力フィールドに記述する。一方，受信不可能な場合は，着呼側受信能力フィールドに不可能である旨を記述する。
【００４４】
上記受信可能な場合であって，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３の中の複数の入力能力フィールド，出力能力フィールド又は変換能力フィールドから発呼側端末装置によって選択された能力属性項目に対応する属性値を選択する場合は，着呼側受信能力フィールドに能力属性項目と共に選択した属性値をそれぞれ区分して記述する。
【００４５】
なお，入力能力テーブル１１から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置が情報の送信に利用する能力に対応した受信能力が記述された入力能力フィールドのみから属性値を選択する。また，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置によって選択された能力属性項目を全て含む出力能力フィールド又は変換能力フィールドのみから属性値を選択する。
【００４６】
そして，上述したように発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で発呼側送信能力テーブル及び着呼側受信能力テーブルを交換し，両端末装置が備える能力を確認した後，実際に発呼側端末装置から着呼側端末装置に情報が送信される。
【００４７】
図３は，複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置が着呼端末装置から情報を受信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。発呼端末装置が着呼端末装置から情報を受信する場合，発呼端末装置は，呼設定時に能力交換制御部１４で発呼側受信能力テーブルを生成し，この発呼側受信能力テーブルを着呼端末装置に送信する。
【００４８】
発呼側受信能力テーブルには，情報を受信する際に発呼端末装置が用いる能力に基づいて入力能力テーブル１１から選択された能力属性項目と属性値とが記述される。入力能力テーブル１１において複数の能力，即ち異なる入力能力フィールドに含まれる能力属性項目と属性値が選択された場合は，発呼側受信能力テーブルにおいてもその別が明確になるようにそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに記述される。なお，必要に応じて出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３から能力属性項目と属性値とを選択して発呼側受信能力テーブルに記述しても良く，この場合も他の能力属性項目と属性値と区別できるように異なる発呼側受信能力フィールドに記述される。
【００４９】
また，発呼側受信能力テーブルには，情報を受信するに当たり，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するため，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３に一般に含まれる能力属性項目の中から選択された能力属性項目が発呼側受信能力フィールド毎に記述される。
【００５０】
発呼側受信能力テーブルを受信した着呼側端末装置は，能力交換制御部１４において，発呼側受信能力テーブル内の個々の発呼側受信能力フィールドに対応した着呼側送信能力フィールドから構成される着呼側送信能力テーブルを生成し，発呼側端末に送り返す。その際，着呼側端末装置は，発呼側端末装置に対して情報を送信可能か否か判断する。送信可能な場合は，発呼側端末装置が望む処理を着呼側端末装置が行うことができるか否かを確認するために発呼側送信能力テーブルに記述された能力属性項目に対応する属性値を入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３から選択し，能力属性項目と共に着呼側送信能力フィールドに記述する。一方，送信不可能な場合は，着呼側送信能力フィールドに不可能である旨を記述する。
【００５１】
上記送信可能な場合であって，入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２又は変換能力テーブル１３の中の複数の入力能力フィールド，出力能力フィールド又は変換能力フィールドから発呼側端末装置によって選択された能力属性項目に対応する属性値を選択する場合は，着呼側送信能力フィールドに能力属性項目と共に選択した属性値をそれぞれ区分して記述する。
【００５２】
また，出力能力テーブル１２から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置が情報の受信に利用する能力に対応した送信能力が記述された出力能力フィールドのみから属性値を選択する。入力能力テーブル１１又は変換能力テーブル１３から属性値を選択する場合は，発呼側端末装置によって選択された能力属性項目を全て含む出力能力フィールド又は変換能力フィールドのみから属性値を選択する。
【００５３】
そして，上述したように発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で発呼側受信能力テーブル及び着呼側送信能力テーブルを交換し，両端末装置が備える能力を確認した後，実際に着呼側端末装置から発呼側端末装置に情報が送信され，その情報を発呼側端末装置が受信する。
【００５４】
次に，具体例に基づいて，前述したマルチメディア情報通信システムにおける発呼側端末装置及び着呼側端末装置の動作を説明する。図４は，発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で行われる情報の送受信を説明する説明図である。
【００５５】
図４において，発呼側端末装置４１はパーソナルコンピュータであり，キーボード４２からの入力により文字，数字データからなるＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書４３を作成することができる。また，発呼側端末装置４１は，ネットワークから受信（入力）したＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書をディスプレイに出力することもできる。更に，発呼側端末装置４１は，ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式以外のＪＰＥＧ形式の静止画像やＭＰＥＧ形式の動画像もネットワークから入力してディスプレイに表示することができる。ここで，ネットワークを介した他の端末装置との通信にはＴＣＰ／ＩＰプロトコルを利用する。なお，本実施の形態における発呼側端末装置４１では，通信プロトコルやデータ形式の変換処理は特に行わないものとする。
【００５６】
図５は発呼側端末装置４１の入力能力テーブル１１を説明するための説明図であり，図６は出力能力テーブル１２を説明するための説明図である。なお，発呼側端末装置４１では，通信プロトコルやデータ形式の変換処理を行わないとしたため，変換能力テーブル１３は設けられていない。図５及び図６において，フィールド１，フィールド２，．．．は，それぞれ入力能力フィールドや出力能力フィールドを示している。例えば，図６に示す出力能力フィールド２においては，”出力プロトコル”，”出力表現メディア”及び”出力データ形式”という能力属性項目と，この能力属性項目に対応する”ＴＣＰ／ＩＰ”，”文字，数字”及び”ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ”という属性値が記述されている。すなわち，この出力能力フィールド２は，発呼側端末装置４１がＴＣＰ／ＩＰプロトコルでＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字データを出力することができる能力を持つということを表現している。
【００５７】
一方，着呼側端末装置４４は文書画像処理装置であり，印刷部４５でＴＣＰ／ＩＰ上で受信（入力）したＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書画像のプリントアウト，文書蓄積部４６に蓄積された文書データの出力，更に通常のＦＡＸプロトコルでのＦＡＸ送受信が可能なものである。この着呼側端末装置４４は，ＴＣＰ／ＩＰ上で受信したＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書画像を内部でＦＡＸプロトコルに変換し（データ形式もＭＨやＭＭＲに変換），それを更に他の端末装置へＦＡＸ送信することもできる。
【００５８】
図７は着呼側端末装置４４の入力能力テーブル１１を説明するための説明図であり，図８は出力能力テーブル１２を説明するための説明図であり，図９は変換能力テーブル１３を説明するための説明図である。図７〜図９において，フィールド１，フィールド２，．．．は，それぞれ入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドを示している。各フィールドに記述された内容は前述した通りであるのでその説明は省略する。
【００５９】
次に，上述した発呼側端末装置４１と着呼側端末装置４４の動作を（情報送信の場合）と（情報受信の場合）とに分けて以下に説明する。
【００６０】
（情報送信の場合）
発呼側端末装置４１には，発呼側端末装置４１上で作成した文字，数字からなるＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＴＣＰ／ＩＰにより送信するという情報と，相手端末装置に対し，ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＭＨかＭＭＲのデータ形式に変換しＦＡＸプロトコルを用いて更に他の端末装置に出力するよう要求するという情報とが予め設定されているものとする。
【００６１】
発呼側端末装置４１は通信網を介して着呼側端末４４を呼び出す。そして呼設定時に発呼側端末装置４１の能力交換制御部１４が発呼側送信能力テーブルを生成し，着呼側端末装置４４にこの発呼側送信能力テーブルを送信する。
【００６２】
図１０は，発呼側端末装置４１で生成される発呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。発呼側送信能力テーブルは発呼側送信能力フィールドを有し，発呼側送信能力フィールドには発呼側端末装置４１が情報の送信に”利用する能力”と着呼側端末装置４４に対して”要求する能力”，即ち発呼側端末装置４１が望む処理を着呼側端末装置４４が実行可能か否かを確認するための項目が記述される。
【００６３】
本実施の形態に係る発呼側端末装置４１が備える送信能力は，図６に示す出力能力テーブル１２中のフィールド２に示すもののみである。したがって，図１０に示す発呼側送信能力テーブル中の発呼側送信能力フィールドの数は１つとなり，発呼側送信能力フィールド１内の”利用する能力”には，図６に示す出力能力テーブル１２中のフィールド２に記述された能力が転記される。
【００６４】
また，発呼側端末装置４１は，情報を送信するに当たり，着呼側端末装置４４がＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式のデータを受信し，そのデータをＭＨかＭＭＲのデータ形式に変換し，ＦＡＸプロトコルを用いて更に他の端末装置に出力することができるか否かを確認する必要があるため，図１０に示す発呼側送信能力フィールド１内の”要求する能力”には，着呼側端末装置４４の入出力能力及び変換能力を確認するための能力属性項目が記述される。
【００６５】
着呼側端末装置４４は，図１０に示す発呼側送信能力テーブルを受信すると，この発呼側送信能力テーブルに対応した着呼側受信能力テーブルを生成し，発呼側端末装置４１に返送する。
【００６６】
図１１は，着呼側端末装置４４で生成される着呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。着呼側受信能力テーブルは，発呼側送信能力テーブル内の発呼側送信能力フィールドに対応させて生成される。図１０に示す発呼側送信能力テーブル内の発呼側送信能力フィールドは１つであるため，図１１に示す着呼側受信能力テーブル内の着呼側受信能力フィールドの数も１つとなる。
【００６７】
着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図１０に示す発呼側送信能力テーブル内の”要求する能力”の欄に記述された入出力能力及びデータ変換能力に関する能力属性項目に対応する属性値を自身の入力能力テーブル１１，出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３から選択し，図１１に示す着呼側受信能力テーブルを生成する。
【００６８】
すなわち，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，入力能力に関する能力属性項目に対しては，図７に示す入力能力テーブル内の３つの入力能力フィールドから対応する属性値を選択する。その際，図１０に示す発呼側送信能力テーブルの”利用する能力”に記述された発呼側端末装置４１が情報の送信に利用する能力に対応する受信能力が記載された入力能力フィールドのみを選択する。図７においては，入力能力フィールド３が発呼側端末装置４１の”利用する能力”に対応するため，入力能力フィールド３の属性値を選択し，能力属性項目と共に図１１に示す着呼側受信能力フィールド１に記述する。一方，着呼側端末装置４４の入力能力テーブル１１に発呼側端末装置４１の”利用する能力”に対応する受信能力が記述された入力能力フィールドが存在しない場合は，着呼側受信能力フィールド１に受信不可能である旨を記述して発呼側端末装置４１に送り返す。
【００６９】
出力及び変換に関する能力属性項目の属性値については，図８及び図９に示す出力能力テーブル１２及び変換能力テーブル１３からそれぞれ選択する。図１０に示す発呼側送信能力フィールド１の”要求する能力”に記述された出力能力に関する能力属性項目は，”出力プロトコル”と”出力データ形式”である。そこで，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図８に示す出力能力テーブル１２を参照し，”出力プロトコル”と”出力データ形式”の２つの能力属性項目を含む出力能力フィールドを選択する。図８において，この２つの能力属性項目を含む出力能力フィールドはフィールド３とフィールド４であるため，これらに記述された属性値を能力属性項目と共に図１１に示す着呼側受信能力テーブルに記述する。その際，異なるフィールドから選択された属性値であることを区別できるように着呼側受信能力テーブルに記述する。
【００７０】
また，図１０に示す発呼側送信能力フィールド１の”要求する能力”に記述された変換能力に関する能力属性項目は，”プロトコル変換”と”データ形式変換”である。そこで，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図９に示す変換能力テーブル１３を参照し，”プロトコル変換”と”データ形式変換”の２つの属性項目を含む変換能力フィールドを選択する。図９に示す変換能力テーブルに含まれる変換能力フィールドは１つであるが，この変換能力フィールド１は上記２つの属性項目を含んでいるため，この中の属性値を能力属性項目と共に図１１に示す着呼側受信能力テーブルに記述する。
【００７１】
発呼側端末装置４１は，着呼側端末装置４４から前述した着呼側受信能力テーブルを受信することにより，着呼側端末装置４４に対し発呼側端末装置４１上で作成した文字，数字からなるＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＴＣＰ／ＩＰにより送信することができるか否か，着呼側端末装置４４がＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文書データをＭＨかＭＭＲのデータ形式に変換しＦＡＸプロトコルを用いて更に他の端末装置に出力することができるか否かという情報を得ることができる。
【００７２】
（情報受信の場合）
次に，発呼側端末装置４１が着呼側端末装置４４から情報を受信する場合について説明する。ここで，発呼側端末装置４１には，ＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像又はＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを相手側端末装置から受信するという情報が設定されているものとする。
【００７３】
発呼側端末装置４１は通信網を介して着呼側端末４４を呼び出す。そして呼設定時に発呼側端末装置４１の能力交換制御部１４が発呼側受信能力テーブルを生成し，着呼側端末装置４４にこの発呼側受信能力テーブルを送信する。
【００７４】
図１２は，発呼側端末装置４１で生成される発呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。発呼側受信能力テーブルは発呼側受信能力フィールドを有し，発呼側受信能力フィールドには発呼側端末装置４１が情報の受信に”利用する能力”と着呼側端末装置４４に対して”要求する能力”，即ち発呼側端末装置４１が望む処理を着呼側端末装置４４が実行可能か否かを確認するための項目が記述される。
【００７５】
本実施の形態に係る発呼側端末装置４１が備える受信能力は，図５に示す入力能力テーブル１１に示す通りである。ここでは，ＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像又はＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを受信するということが前提となっており，これらを受信可能な能力は図５の入力能力フィールド２及び４に記述されている。したがって，図１２に示す発呼側受信能力テーブル中の発呼側受信能力フィールドの数は２つとなる。
【００７６】
図１２において，発呼側受信能力フィールド１内の”利用する能力”には，図５に示す入力能力テーブル１１中のフィールド２に記述された能力が転記される。また，発呼側受信能力フィールド２内の”利用する能力”には，図５に示す入力能力テーブル１１中のフィールド４に記述された能力が転記される。
【００７７】
更に，発呼側端末装置４１は，情報を受信するに当たり，着呼側端末装置４４がＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像及びＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを送信することができるか否かを確認することが必要であるため，図１２に示す発呼側受信能力フィールド１及び２の”要求する能力”には，着呼側端末装置４４の出力能力を確認するための能力属性項目が記述される。
【００７８】
着呼側端末装置４４は，図１２に示す発呼側受信能力テーブルを受信すると，この発呼側受信能力テーブルに対応した着呼側送信能力テーブルを生成し，発呼側端末装置４１に返送する。
【００７９】
図１３は，着呼側端末装置４４で生成される着呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。着呼側送信能力テーブルは，発呼側受信能力テーブル内の発呼側受信能力フィールドに対応させて生成される。図１２に示す発呼側受信能力テーブル内の発呼側送信能力フィールドは２つであるため，図１３に示す着呼側送信能力テーブル内の着呼側送信能力フィールドの数も２つとなる。
【００８０】
着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図１２に示す発呼側受信能力テーブル内の”要求する能力”の欄に記述された出力能力に関する能力属性項目に対応する属性値を自身の出力能力テーブル１２から選択し，図１３に示す着呼側受信能力テーブルを生成する。
【００８１】
すなわち，着呼側端末装置４４の能力交換制御部１４は，図８に示す出力能力テーブル１２内の４つの出力能力フィールドから上記能力属性項目に対応する属性値を選択する。その際，図１２に示す発呼側受信能力テーブルの”利用する能力”に記述された発呼側端末装置４１が情報の受信に利用する能力に対応する送信能力が記載された出力能力フィールドのみを選択する。
【００８２】
図８に示す出力能力テーブル１２には，図１２に示す発呼側受信能力フィールド１に記述された”利用する能力”に対応する送信能力が記述された出力能力フィールドは存在しない。したがって，発呼側受信能力フィールド１に対応する着呼側送信能力フィールド１には”送信不可能”である旨を記述する。
【００８３】
また，図８に示す出力能力テーブル１２において，図１２に示す発呼側受信能力フィールド２に記述された”利用する能力”に対応する送信能力が記述された出力能力フィールドはフィールド３である。そこで，出力能力フィールド３の属性値を選択し，能力属性項目と共に発呼側受信能力フィールド２に対応する着呼側送信能力フィールド２に記述する。
【００８４】
発呼側端末装置４１は，着呼側端末装置４４から前述した着呼側送信能力テーブルを受信することにより，着呼側端末装置４４からＴＣＰ／ＩＰ上でＭＰＥＧ形式の動画像又はＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ形式の文字，数字，線画データを受信できるか否かという情報を得ることができる。
【００８５】
なお，本発明の実施の形態においては，呼設定時に発呼側端末装置４１と着呼側端末装置４４の入出力能力の交換を行うことを前提にしているが，これに限らず，実情報の送信又は受信に先立って入出力能力の交換を行うことにしても良い。
【００８６】
【発明の効果】
以上説明したように，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項１）によれば，マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段を備えることにしたため，通信の呼設定時に発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で情報の入出力及び変換能力を容易に交換することができる。また，複数のマルチメディア情報通信端末装置が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置から着呼側のマルチメディア情報通信端末装置に対して所定の情報を送信する場合，予め設定された送信条件に基づいて，発呼側の能力交換制御手段が，着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側送信能力情報を保持する発呼側送信能力テーブルを生成し，所定の情報の送信に先立って発呼側送信能力テーブルを送信することにしたため，情報受信の能力交換と分離して発呼側端末装置の情報送信に関する能力交換を行うことができる。発呼側端末装置が複数の送信能力を備える場合は，いずれの送信能力に関する情報をも着呼側端末装置に送ることができる。発呼側送信能力情報が，所定の情報を送信する場合に発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な送信能力を示す送信利用能力情報と，所定の情報の送信に関連して着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなるため，情報送信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減することができる。
【００８７】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項２）によれば，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することにしたため，複数の情報入力，出力及び変換手段を備えたマルチメディア情報通信端末装置の情報入力，出力及び変換能力を的確に記述することができる。
【００８８】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項３）によれば，発呼側送信能力テーブルが，１つ以上の発呼側送信能力情報をそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに格納して保持することにしたため，発呼側のマルチメディア端末装置が情報の送信に利用可能な能力を複数有する場合は，各能力を明確に記述することができる。
【００８９】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項４）によれば，送信利用能力情報が，少なくとも出力能力テーブルから選択された出力能力情報であるため，情報送信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減することができる。
【００９０】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項５）によれば，送信利用能力情報として出力能力テーブル内の複数の出力能力フィールドからそれぞれ異なる出力能力情報が選択された場合，選択された出力能力情報をそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに格納することにしたため，発呼側端末装置が複数の送信能力を備える場合，複数の送信能力間の能力情報の混乱を避けることができる。
【００９１】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項６）によれば，能力確認情報が，入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなるため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える能力の確認のための情報を容易に生成することができる。
【００９２】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項７）によれば，着呼側の能力交換制御手段が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側受信能力情報を保持する着呼側受信能力テーブルを生成し，着呼側受信能力テーブルを送信することにしたため，発呼側端末装置の情報受信時における情報の入出力及び変換能力の交換と分離して，発呼側端末装置の情報送信時における発呼側端末装置と着呼側端末装置との間の情報の入出力及び変換能力の交換を行うことができる。
【００９３】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項８）によれば，着呼側受信能力情報が，１つ以上の発呼側送信能力情報にそれぞれ対応して生成され，着呼側受信能力テーブルが，着呼側受信能力情報をそれぞれ異なる着呼側受信能力フィールドに格納して保持することにしたため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える入出力能力を容易に記述することができる。
【００９４】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項９）によれば，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置から送信される所定の情報を受信可能な場合，着呼側受信能力情報が，能力確認情報に対応して入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，所定の情報を受信不可能な場合，着呼側受信能力情報が，受信不能情報からなるため，発呼側端末装置に着呼側端末装置の受信可能性を知らせることができ，かつ発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことで，交換情報量を削減することができる。
【００９５】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１０）によれば，着呼側受信能力情報が，複数の入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの着呼側受信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されるため，着呼側端末装置に複数の入出力及び変換能力がある場合，複数の入出力及び変換能力間の能力情報の混乱を避けることができる。
【００９６】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１１）によれば，能力確認情報に対応する入力能力情報を選択する場合，発呼側送信能力情報に含まれる送信利用能力情報に基づいて，着呼側の能力交換制御手段が，所定の情報を受信可能な入力能力を示す入力能力情報を格納した入力能力フィールドのみから入力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことにより，交換情報量を削減することができる。
【００９７】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１２）によれば，能力確認情報に対応する出力能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，出力能力確認情報と一致する情報を含む出力能力フィールドのみから出力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことにより，交換情報量を削減することができる。
【００９８】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１３）によれば，能力確認情報に対応する変換能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，変換能力確認情報と一致する情報を含む変換能力フィールドのみから変換能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことにより，交換情報量を削減することができる。
【００９９】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項１４）によれば，マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段を備えることにしたため，通信の呼設定時に発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で情報の入出力及び変換能力を容易に交換することができる。複数のマルチメディア情報通信端末装置が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置が着呼側のマルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を受信する場合，予め設定された受信条件に基づいて，発呼側の能力交換制御手段が，着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側受信能力情報を保持する発呼側受信能力テーブルを生成し，所定の情報の受信に先立って発呼側受信能力テーブルを送信することにしたため，情報送信の能力交換と分離して発呼側端末装置の情報受信に関する能力交換を行うことができる。発呼側端末装置が複数の受信能力を備える場合は，いずれの受信能力に関する情報も着呼側端末装置に送ることができる。発呼側受信能力情報が，所定の情報を受信する場合に発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な受信能力を示す受信利用能力情報と，所定の情報の受信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなるため，情報受信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減するこができる。
【０１００】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信端末システム（請求項１５）によれば，入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することにしたため，複数の情報入力，出力及び変換手段を備えたマルチメディア情報通信端末装置の情報入力，出力及び変換能力を的確に記述することができる。
【０１０１】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１６）によれば，発呼側受信能力テーブルが，１つ以上の発呼側受信能力情報をそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに格納して保持することにしたため，発呼側のマルチメディア端末装置が情報の受信に利用可能な能力を複数有する場合は，各能力を明確に記述することができる。
【０１０２】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１７）によれば，利用能力情報が，少なくとも入力能力テーブルから選択された入力能力情報であるため，情報受信に必要な能力情報のみを交換することができ，交換情報量を削減するこができる。
【０１０３】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１８）によれば，利用能力情報として入力能力テーブル内の複数の入力能力フィールドからそれぞれ異なる入力能力情報が選択された場合，選択された入力能力情報をそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに格納することにしたため，発呼側端末装置が複数の受信能力を備える場合，複数の受信能力間の能力情報の混乱を避けることができる。
【０１０４】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項１９）によれば，能力確認情報が，入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなるため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える能力の確認のための情報を容易に生成することができる。
【０１０５】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２０）によれば，着呼側の能力交換制御手段が，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側送信能力情報を保持する着呼側送信能力テーブルを生成し，着呼側送信能力テーブルを送信することにしたため，発呼側端末装置の情報送信時における情報の入出力及び変換能力の交換と分離して，発呼側端末装置の情報受信時における発呼側端末装置と着呼側端末装置との間の情報の入出力及び変換能力の交換を行うことができる。
【０１０６】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２１）によれば，着呼側送信能力情報が，１つ以上の発呼側受信能力情報にそれぞれ対応して生成され，着呼側送信能力テーブルが，着呼側送信能力情報をそれぞれ異なる着呼側送信能力フィールドに格納して保持することにしたため，着呼側のマルチメディア通信端末装置が備える入出力能力を容易に記述することができる。
【０１０７】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２２）によれば，発呼側のマルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を送信可能な場合，着呼側送信能力情報が，能力確認情報に対応して入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，所定の情報を送信不可能な場合，着呼側送信能力情報が，送信不能情報からなるため，発呼側端末装置に着呼側端末装置の送信可能性を知らせることができ，かつ発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【０１０８】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２３）によれば，着呼側送信能力情報が，複数の入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの着呼側送信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されるため，着呼側端末装置が複数の入出力及び変換能力を備える場合，複数の入出力及び変換能力間の混乱を避けることができる。
【０１０９】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２４）によれば，能力確認情報に対応する出力能力情報を選択する場合，発呼側受信能力情報に含まれる受信利用能力情報に基づいて，着呼側の能力交換制御手段が，所定の情報を送信可能な出力能力を示す出力能力情報を格納した出力能力フィールドのみから出力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【０１１０】
また，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２５）によれば，能力確認情報に対応する入力能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，入力能力確認情報と一致する情報を含む入力能力フィールドのみから入力能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【０１１１】
更に，本発明に係るマルチメディア情報通信システム（請求項２６）によれば，能力確認情報に対応する変換能力情報を選択する場合，着呼側端末装置の能力交換制御手段が，変換能力確認情報と一致する情報を含む変換能力フィールドのみから変換能力情報を選択することにしたため，発呼側端末装置が必要とする能力情報のみを送り返すことができ，交換情報量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態に係るマルチメディア情報通信端末装置の概略構成を示す構成図である。
【図２】 複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置から着呼端末装置に情報を送信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。
【図３】 複数の図１に示す端末装置を用いてマルチメディア情報通信システムを構成し，通信網を介して発呼端末装置が着呼端末装置から情報を受信する場合の呼設定時における能力交換手順を示すメッセージシーケンスチャートである。
【図４】 本発明の実施の形態において，発呼側端末装置と着呼側端末装置との間で行われる情報の送受信を説明する説明図である。
【図５】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置の入力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図６】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置の出力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図７】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置の入力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図８】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置の出力能力テーブルを説明するための説明図である。
【図９】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置の変換能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１０】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置で生成される発呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１１】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置で生成される着呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１２】 本発明の実施の形態に係る発呼側端末装置で生成される発呼側受信能力テーブルを説明するための説明図である。
【図１３】 本発明の実施の形態に係る着呼側端末装置で生成される着呼側送信能力テーブルを説明するための説明図である。
【符号の説明】
１０ 交換制御部
１１ 入力能力テーブル
１２ 出力能力テーブル
１３ 変換能力テーブル
１４ 能力交換制御部
４１ 発呼側端末装置
４２ キーボード
４３ 文書
４４ 着呼側端末装置
４５ 印刷部
４６ 文書蓄積部
Claims (26)
- 通信網を介して複数のマルチメディア情報通信端末装置を接続し，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置間でマルチメディア情報の交換が行えるようにしたマルチメディア情報通信システムにおいて，
前記複数のマルチメディア情報通信端末装置は，
前記マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，
前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，
前記マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，
前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して前記他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段と，を備え，
発呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置から着呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置に対して所定の情報を送信する場合，予め設定された送信条件に基づいて，前記発呼側の能力交換制御手段が，前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側送信能力情報を保持する発呼側送信能力テーブルを生成し，前記所定の情報の送信に先立って前記発呼側送信能力テーブルを送信し，
前記発呼側送信能力情報が，前記所定の情報を送信する場合に前記発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な送信能力を示す送信利用能力情報と，前記所定の情報の送信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。 - 請求項１記載のマルチメディア情報通信端末システムにおいて，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，前記１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することを特徴とするマルチメディア情報通信端末システム。
- 請求項１又は２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側送信能力テーブルが，前記１つ以上の発呼側送信能力情報をそれぞれ異なる発呼側送信能力フィールドに格納して保持することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項１から３のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記送信利用能力情報が，少なくとも前記出力能力テーブルから選択された前記出力能力情報であることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項４記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記送信利用能力情報として前記出力能力テーブル内の複数の出力能力フィールドからそれぞれ異なる出力能力情報が選択された場合，選択された前記出力能力情報をそれぞれ異なる前記発呼側送信能力フィールドに格納することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項１記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報が，前記入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，前記出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は前記変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項１から６のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側受信能力情報を保持する着呼側受信能力テーブルを生成し，前記着呼側受信能力テーブルを送信することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項７記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，
前記着呼側受信能力情報が，前記１つ以上の発呼側送信能力情報にそれぞれ対応して生成され，
前記着呼側受信能力テーブルが，前記着呼側受信能力情報をそれぞれ異なる着呼側受信能力フィールドに格納して保持することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。 - 請求項７又は８記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，
前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置から送信される前記所定の情報を受信可能な場合，前記着呼側受信能力情報が，前記能力確認情報に対応して前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，
前記所定の情報を受信不可能な場合，前記着呼側受信能力情報が，受信不能情報からなることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。 - 請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側受信能力情報が，複数の前記入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の前記出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の前記変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの前記着呼側受信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記入力能力情報を選択する場合，前記発呼側送信能力情報に含まれる前記送信利用能力情報に基づいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記所定の情報を受信可能な入力能力を示す入力能力情報を格納した前記入力能力フィールドのみから前記入力能力情報を選択することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記出力能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記出力能力確認情報と一致する情報を含む前記出力能力フィールドのみから前記出力能力情報を選択することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項９記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記変換能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記変換能力確認情報と一致する情報を含む前記変換能力フィールドのみから前記変換能力情報を選択することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 通信網を介して複数のマルチメディア情報通信端末装置を接続し，前記複数のマルチメディア情報通信端末装置間でマルチメディア情報の交換が行えるようにしたマルチメディア情報通信システムにおいて，
前記複数のマルチメディア情報通信端末装置は，
前記マルチメディア情報通信端末装置へ所定の情報を入力する場合に利用可能な入力能力の内容を示す１つ以上の入力能力情報を保持する入力能力テーブルと，
前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を出力する場合に利用可能な出力能力の内容を示す１つ以上の出力能力情報を保持する出力能力テーブルと，
前記マルチメディア情報通信端末装置内で所定の形式の情報を異なる形式の情報に変換する場合に利用可能な変換能力の内容を示す１つ以上の変換能力情報を保持する変換能力テーブルと，
前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルを参照して前記他の端末装置との間で行われる情報送受信能力の交換を制御する能力交換制御手段と，を備え，
発呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置が着呼側の前記マルチメディア情報通信端末装置から所定の情報を受信する場合，予め設定された受信条件に基づいて，前記発呼側の能力交換制御手段が，前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる１つ以上の発呼側受信能力情報を保持する発呼側受信能力テーブルを生成し，前記所定の情報の受信に先立って前記発呼側受信能力テーブルを送信し，
前記発呼側受信能力情報が，前記所定の情報を受信する場合に前記発呼側のマルチメディア端末装置で利用可能な受信能力を示す受信利用能力情報と，前記所定の情報の受信に関連して前記着呼側のマルチメディア情報通信端末装置で利用可能な能力の確認に用いる能力確認情報と，からなることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。 - 請求項１４記載のマルチメディア情報通信端末システムにおいて，前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び変換能力テーブルが，前記１つ以上の入力能力情報，出力能力情報及び変換能力情報をそれぞれ異なる入力能力フィールド，出力能力フィールド及び変換能力フィールドに格納して保持することを特徴とするマルチメディア情報通信端末システム。
- 請求項１５又は１６記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記発呼側受信能力テーブルが，前記１つ以上の発呼側受信能力情報をそれぞれ異なる発呼側受信能力フィールドに格納して保持することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項１４から１６のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記受信利用能力情報が，少なくとも前記入力能力テーブルから選択された前記入力能力情報であることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項１７記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記受信利用能力情報として前記入力能力テーブル内の複数の入力能力フィールドからそれぞれ異なる入力能力情報が選択された場合，選択された前記入力能力情報をそれぞれ異なる前記発呼側受信能力フィールドに格納することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項１４記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報が，前記入力能力テーブルに保持された入力能力情報に基づいて生成された入力能力確認情報，前記出力能力テーブルに保持された出力能力情報に基づいて生成された出力能力確認情報及び／又は前記変換能力テーブルに保持された変換能力情報に基づいて生成された変換能力確認情報からなることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項１４から１９のいずれか一つに記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置との情報送受信能力の交換に用いる着呼側送信能力情報を保持する着呼側送信能力テーブルを生成し，前記着呼側送信能力テーブルを送信することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項２０記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，
前記着呼側送信能力情報が，前記１つ以上の発呼側受信能力情報にそれぞれ対応して生成され，
前記着呼側送信能力テーブルが，前記着呼側送信能力情報をそれぞれ異なる着呼側送信能力フィールドに格納して保持することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。 - 請求項２０又は２１記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，
前記発呼側のマルチメディア情報通信端末装置へ前記所定の情報を送信可能な場合，前記着呼側送信能力情報が，前記能力確認情報に対応して前記入力能力テーブル，出力能力テーブル及び／又は変換能力テーブルから選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報からなり，
前記所定の情報を送信不可能な場合，前記着呼側送信能力情報が，送信不能情報からなることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。 - 請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記着呼側送信能力情報が，複数の前記入力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる入力能力情報，複数の前記出力能力フィールドからそれぞれ選択された異なる出力能力情報及び／又は複数の前記変換能力フィールドからそれぞれ選択された異なる変換能力情報からなる場合，選択された前記入力能力情報，出力能力情報及び／又は変換能力情報が，１つの前記着呼側送信能力フィールド内にそれぞれ区分されて格納されることを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記出力能力情報を選択する場合，前記発呼側受信能力情報に含まれる前記受信利用能力情報に基づいて，前記着呼側の能力交換制御手段が，前記所定の情報を送信可能な出力能力を示す出力能力情報を格納した前記出力能力フィールドのみから前記出力能力情報を選択することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記入力能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記入力能力確認情報と一致する情報を含む前記入力能力フィールドのみから前記入力能力情報を選択することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
- 請求項２２記載のマルチメディア情報通信システムにおいて，前記能力確認情報に対応する前記変換能力情報を選択する場合，前記着呼側端末装置の能力交換制御手段が，前記変換能力確認情報と一致する情報を含む前記変換能力フィールドのみから前記変換能力情報を選択することを特徴とするマルチメディア情報通信システム。
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