JP3684428B2 - 移動する空気浸透性コンベア走路上に繊維体を空気積層するための装置 - Google Patents

Description

この発明は移動する空気浸透性コンベア走路（path）上に少なくとも二つの異なる層からなる繊維体を繊維積層するための装置に関し、更にその装置がコンベア走路の移動方向に相互に引続いて配置された各繊維層のための空気積層ユニットを含んでおり、更にそのような各ユニットが移動するコンベア走路の上の領域に空気によって運ばれた繊維の流れを分配するための手段、空気によって運ばれた繊維の流れの分配領域の空気浸透性コンベア走路の下に減圧を発生するための手段、および包囲空気から空気によって運ばれた繊維の流れを遮蔽するための手段を含んでいる装置に関する。
このような装置はおむつ、衛生ナプキン、失禁ガードおよび同様製品に含まれる吸収体を形成するためにしばしば使用され、その吸収体はしばしば一層以上を含む。先に積層された層の頂上に繊維層を空気積層するときに遭遇する一つの問題は空気で運ばれた繊維の流れの限界を定めるマット形成フードの内部間の圧力差のために前記フードの縁に空気流が起こり、これらの空気流または流動（streams or currents）は空気で運ばれた繊維に対して横断する方向を持っており、先に積層された層を損傷しまたは破壊することである。ＥＰ−Ｂ１−０２９２６２４はこの問題に対する解決を教示している。この先行文献は一つを他の直後に取り付けた二つのマット形成フード、およびそれらのフードと共働する二つの真空箱を記載している。二つのフード間の結合部における圧力差を避けるために、一つのフードの真空箱は他のフードの下に延びている。この解決の一つの欠点は一つのフードの下の繊維の空気積層は二つの異なる真空箱に現れる減圧の影響を受けてそれが形成された層に不均質性をもたらすことであり、そして前記フードに起こる圧力差の結果として空気で運ばれた繊維の流れが乱されることである。今一つの欠点は結合部の領域のフード間の圧力差を等しくする比較的広い隙間を経てフードが一緒に結合されていることである。
この発明の目的はその解決を知られた装置の欠点で妨げることのない態様で前述の問題を解決することにある。
この目的はこの発明により、移動方向に相互に引続いて配置されかつ空気で運ばれた繊維の流れの限界を定める各一対の手段の間に包囲空気が自由に流入できる移行または架橋領域が設けられていること、そして空気浸透性コンベア走路の下に減圧を発生する手段が繊維の流れの限界を定める手段を越えてかつ前記移行または架橋領域中に延びていることを特徴とする導入部に定義された種類の装置により達成される。移行領域中に延びている減圧発生手段のために移行領域の限界において局部的減圧が形成されており、従って空気で運ばれた繊維の流れの外部の包囲空気の圧力が前記の流れの圧力に局部的に等しくなるであろうし、それによりフードおよび移行領域間の中間領域における横断する空気流の発生が排除される。移行領域を通過する繊維層は既に積層されているので、二つの真空箱の異なる減圧の影響の結果として前記の層に不均質性は起こらないであろう。
この装置の一つの好ましい実施例によれば、その装置においては移動するコンベア走路は空気浸透性の底を持ちかつマット形成ドラムの周囲周りに配置された型（moulds）の連続からなり、そしてそれぞれの真空箱とそれぞれ共働する少なくとも二つのマット形成フードはマット形成ドラムの周囲にかつ半径方向の外側に取り付けられており、マット形成フードの各対はフード間にその中に空気が自由に流入できる移行領域を提供するために、円周方向に他方から分離されており、そしてフードと共働する真空箱が移行領域中に延びている。真空箱はまた円周方向に組み合わせられたマット形成フードを越えてその全側面に延びている。
添付の図面を参照してこの発明はより詳細に述べられるであろう、図面において
図１はこの発明の装置の一実施例の概略側面図であり；そして
図２は図１の一部をより拡大寸法で示す。
図で概略的に示される装置は矢印Ａの方向に回転するマット形成ドラム１を含む。ドラム１の周囲周りに配置されているのは空気浸透性の底を持つ型（moulds or forms）２の連続である。装置はまた順序だてて型２の半径方向内部に配置されている三つの静止真空箱３，４並びに５、および型２の半径方向外側に設けられており真空箱３および４とそれぞれ共働する二つのマット形成フード６，７を含む。図示されていないが、マット形成フード６，７は空気で運ばれた繊維、例えば空気で運ばれたセルロースフラッフ（fluff）繊維、を分配するための手段に連結されている。装置が作動しているとき、マット形成フード６，７と共働する真空箱３，４は型２がフード６，７の下を通過するときに空気で運ばれた繊維の流れを型２中に吸引する機能をし、そこでは繊維が浮遊している空気は型の空気浸透性の底を通過し、一方繊維はその中に捕らえられる。かくして、それぞれの型がフード６を通るとき、第一の繊維層が型中に空気積層され、一方型が第二フード７を通るとき第一の繊維層の頂上に第二繊維層が積層される。
例示の装置はかくして二つの層の繊維体の連続を形成し、繊維体はマット形成フード７の下流で移送車輪８上に排出され（are deposited）、次に車輪は形成繊維体をコンベア９上に排出する。移送車輪の回転方向およびコンベアの走行方向は図１にそれぞれ矢印ＢおよびＣで示されている。真空箱５は繊維体がフード７から移送車輪８に移送されるときに繊維体を型２中に保持する機能のみを持ち、その真空箱の減圧は比較的小さい。図１に示された装置はまた吹き出しノズル１１を持つ吹き出し室１０を含み、それにより繊維体は型２から吹き出される。図示されていないが、移送車輪８は真空箱を含み、それは移送された繊維体をしっかり保持する機能をする。吹き出し室１０を排除して後者の真空箱に発生した減圧にのみ頼って繊維体を型２から引き出すことも可能である。
この発明によれば、フード６および７はドラム１の円周方向にフード６の下流縁とフード７の上流縁間に延びる移行領域ａによって相互に分離されている。他方、真空箱３，４は仕切り壁１２とマット形成ドラムの周囲面間に延びる狭い隙間によって相互に結合されている。真空箱３および４はまた移行領域ａ中に延びており、従って図２に示される如く、真空箱３の下流縁の延長部はフード６の下流縁から距離ａ１の位置に位置するであろう、そして真空箱４の上流縁の延長部はフード７の上流縁から距離ａ３の距離にあるであろう。真空箱３および４は移行領域中に延びているので、フード６の下流縁およびフード７の上流縁のそれぞれの側に現れる圧力は一般的に等しくなるであろうし、それにより一般的に半径方向の空気流を前記フード縁および前記真空箱縁の延長部間の隙間の型２を通して通過させることになる。従って、圧力差の結果としてフード６または７中に空気は横断的に流入しないであろう。それぞれのフード内の空気で運ばれた繊維の流れに包囲空気の横断方向の流れによって起こされる乱れが起こらないことを確実とするために、真空箱３および４の各々は好ましくはそれぞれのフード６および７の下流縁と両側縁および上流縁と両側縁のわずかに外側に延びている。壁１２によって形成される狭い隙間の真空箱３および４間に発生する圧力差は比較的低い包囲空気の流れがマット形成フード６を通過した型の通路に続く型２に空気積層された第一の繊維層を通して吸引されるときに同時に均等化されるであろう。しかし、この低い空気流は層が型中にしっかりと保持されるであろうことを確保するには十分大きい。
型２中に最初に積層される繊維層はその中に包囲空気が自由に流入できる移行領域内で両真空箱３，４に現れる圧力を受けるので、下流真空箱４に現れる圧力が第一の繊維層の空気積層を妨害する影響を持つであろうという危険、または上流真空箱３に現れる圧力が第二の繊維層の空気積層を妨害する影響を持つであろうという危険はない。真空箱３および４は移行領域中に延びているので、フード中に横断方向の流れは起こらないであろうこともまた確実となる。そのような横断方向の流れ、または流動は空気積層繊維層を損傷し、そしてマット形成フード中の空気で運ばれた繊維の流れを乱すに違いない。
移行領域ａの寸法は特に決定的ではないが、距離ａ１およびａ３は横断方向の空気流がフード６，７の縁で起こらないであろうことを確実とするために、好ましくは５−４０ｍｍ、より好ましくは１０−３０ｍｍの間にあるであろう。距離ａ２は好ましくは１０ｍｍより大きいであろう。
述べられた実施例はこの発明の範囲内で、特に装置の要素の寸法、型の数、等に関して、改変しうることは理解されるであろう。真空箱はまた仕切り壁１２から突出する半径方向の壁によって相互に分離されることもでき、そして型２から過剰な繊維材料をかき集めまたは払いのける目的のためにマット形成フードおよび移送車輪間に適当な手段を設けることもできる。装置はまた移行領域の数を増大するのに対応して二つ以上のマット形成フードを含むこともでき、そして粒状材料、例えばいわゆる高吸収性樹脂、を分配するための手段を移行領域または複数の移行領域内に、またはフード内に設けることもできる。高吸収性樹脂粒子はまた空気で運ばれた繊維流がマット形成フードに到達する前にその流れ中に分配することもできる。異なるマット形成フードの下に取り付けられた真空箱間に非常に大きな圧力差が存在する場合には、移行領域内の相互に連続した真空箱間の圧力差を減らすために、フードの真空箱間の移行領域内に一つまたはそれ以上の追加の真空箱を設けることが適当かもしれない。またこの発明は型の連続を設けることができまたは連続的な二層または多層材料ウェブを造るための平坦な空気浸透性の底を持つことができる直線的に移動するコンベア走路上に空気積層繊維体を形成するときにも応用することができることは理解されるであろう。この発明は従って次の請求の範囲の内容によってのみ限定される。

Claims (6)

1. 少なくとも二つの異なる層からなる繊維体を移動する空気浸透性コンベア走路（２）上で空気積層するための装置であって、更にその装置が各繊維層のためのコンベア走路の移動の方向に引続いて配置された空気積層ユニットの連続を含み、更に前記ユニットの各々が空気で運ばれた繊維の流れを移動するコンベア走路（２）上の領域に通すための手段（６，７）、その中に空気で運ばれた繊維の流れが分配される領域の付近の空気浸透性コンベア走路の下に減圧を発生するための手段（３，４）、および包囲空気から空気で運ばれた繊維の流れを遮蔽するための手段（６，７）を含む装置において、その中に包囲空気が自由に流入することができる移行領域（ａ）が空気で運ばれた繊維の流れの限界を定めるように、移動の方向に引続いて配置された各対の手段（６，７）間に設けられていること；そして空気浸透性コンベア走路の下に減圧を発生する手段（３，４）が包囲空気から空気で運ばれた繊維の流れを遮蔽するための手段（６，７）を越えてかつ移行領域中に延びていることを特徴とする装置。
2. 空気浸透性コンベア走路（２）の下に減圧を発生させる機能をする手段（３，４）が移行領域（ａ）中に５−４０ｍｍ延びていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の装置。
3. 空気浸透性コンベア走路（２）の下に減圧を発生させる機能をする手段（３，４）が移行領域（ａ）中に１０−３０ｍｍ延びていることを特徴とする請求の範囲第２項に記載の装置。
4. 請求の範囲第１項−第３項のいずれか一つに記載の装置であって、更に移動するコンベア走路が空気浸透性の底を持ちかつマット形成ドラム（１）の周囲周りに配置された型（２）の連続を含み、そして少なくとも二つのマット形成フード（６，７）が、それらの各々がそのそれぞれの真空箱（３，４）と共働するように、ドラムの周囲周りにかつその外部に引続いて配置されている装置において、各対のマット形成フード（６，７）のフードがその中に包囲空気が自由に流入できる移行領域（ａ）をフード（６，７）間に提供するように相互に円周方向に分離されていること；そしてマット形成フードと共働する真空箱（３，４）が移行領域中に延びていることを特徴とする装置。
5. マット形成フード（６，７）と共働する真空箱（３，４）が相互に対向する真空箱（３，４）の縁間に円周方向に延びる狭い隙間によって移行領域（ａ）内で相互に結合されていることを特徴とする請求の範囲第４項に記載の装置。
6. 真空箱（３，４）が円周方向に組み合わされたマット形成フード（６，７）を越えて前記組み合わされたフードの全側面に延びていることを特徴とする請求の範囲第４項−第５項のいずれか一つに記載の装置。

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