JP3684338B2 - 発泡断熱材の発泡ガス回収方法及び装置 - Google Patents

発泡断熱材の発泡ガス回収方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、廃棄処分される冷蔵庫等の廃冷却装置に用いられた不要な発泡断熱材の処理方法及び処理装置に関し、特に発泡断熱材から発泡ガスを脱気して回収する方法及び処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、公知例として発泡断熱材から発泡ガスを回収する装置(例えば、特開平6−184348号公報)があるが、回収対象とする発泡ガスはフロンガスのような可燃性及び/又は爆発性を有さないガスである。一方、発泡ガスとしてフロンガスの代わりに用いられ始めたシクロペンタンガスは可燃性及び/又は爆発性があり、このような可燃性及び/又は爆発性を有する発泡ガスを、従来の発泡ガス回収装置により処理すれば爆発等の危険がともなう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シクロペンタンガスのような可燃性及び/又は爆発性を有する発泡ガスはほとんど使用されてなかったため、従来の発泡ガス回収装置では可燃性及び爆発性を有する発泡ガス対策は何等配慮されていない。
【0004】
本発明は回収システム全体を対象としており、解決しようとしている課題は冷却装置を破砕,分離する際に可燃及び爆発を防止し、安全に発泡ガスを回収するシステムに関するものであり、破砕前に可燃性及び爆発性を有する発泡ガスを含有した冷却装置か調査すること無く、可燃性及び爆発性を有する発泡ガスを含有していない冷却装置と一緒に安全に処理できる方法及び装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
廃棄すべき冷却装置を破砕し、この破砕により得られた破砕片から発泡断熱材を分離し、分離した発泡断熱材から該発泡断熱材の気泡を破砕し発泡ガスを脱気して回収する際に、冷却装置の破砕時に可燃性または爆発性を有する発泡ガスを含有する発泡断熱材を検知した場合には、分離された発泡断熱材の気泡を破砕する前に該検知された発泡断熱材を発泡ガス回収の処理ルートから外すことによる。
廃棄すべき冷却装置を破砕し、この破砕により得られた破砕片から発泡断熱材を分離し、分離した発泡断熱材から該発泡断熱材の気泡を破砕し発泡ガスを回収する発泡ガス回収装置において、冷却装置の破砕箇所で可燃性または爆発性を有する発泡ガスを含有する発泡断熱材を検知する検知器と、該検知器が可燃性または爆発性を有する発泡ガスを含有する発泡断熱材を検知した場合に検知された発泡断熱材を分離した後に該発泡断熱材の気泡を破砕する前に該発泡断熱材を発泡ガス回収の処理ルートから外す分岐手段とを設けることによる。
【0006】
【作用】
検知器により危険な発泡断熱材を認識し、認識された発泡断熱材を従来の回収処理ルートから外すことができるので、爆発等を未然防止できる。
【0007】
【実施例】
以下、一実施を図1により説明する。
図1は装置全体の構成を示したもので、発泡断熱材を用いた冷却装置(例えば家庭用冷蔵庫)1は破砕装置3及び分離装置4のフードカバー及びダクト2の上部に設けられた投入口2aより投入される。投入された冷却装置1は、破砕装置3内の互いに噛み合うように設けられた多速の破砕刃3aにより破砕された後、分離装置4に投入される。破砕装置3及び分離装置4はフードカバー及びダクト2により閉空間を成す構造となっており、破砕及び分離の際に発生した発泡ガスは発泡ガス回収装置6へ吸引パイプ6aを通じて、回収される。分離装置4に投入された破砕片1aは分離装置4内に設けられた回転衝撃ハンマー4aにより分離片1bに分離される。この分離片1bは金属1f,プラスチック1c,発泡断熱材1dと各材質ごとに分離される。この分離片1bは風力選別機9の投入口7に入る。投入口7に投入された分離片1f,1c,1dは風力発生ファン8により発生した、風力により破砕片1f,1c,1dのそれぞれの材質による比重の差を利用して発泡断熱材1d、とプラスチック1c及び金属1fとに選別される。選別されたプラスチック1c及び金属1fはプラスチック,金属搬出ホッパ9bより排出され、発泡断熱材1dは、ホッパ7aから粉砕機投入用スクリュウーフィーダ12により粉砕機13に送られる。ここで、可燃性及び爆発性ガス検知器5により可燃性及び爆発性ガスが検知された場合、ダンパー10により装置外に設けられた収納箱11に格納される。粉砕機13で粉砕された発泡断熱材1dは気泡を破砕され、気泡内の発泡ガスを脱気した後、樹脂部分1eは圧縮装置14において圧縮され、減容化及び雰囲気発泡ガスを除去された後、外部へ搬出される。また、脱気した発泡ガスは、バグフィルタ15を通過し、微粉状の樹脂部分を除去した後、圧縮機16で圧縮され、凝縮器17で冷却により液化された後、捕集タンク18にて貯蔵される。なお、可燃性及び爆発性発泡ガスを使用した冷却装置が少ない場合、この方法は大変有効である。
【0008】
図2では不活性ガス及び水蒸気パージについて説明する。図1の発泡ガス回収装置に不活性ガスまたは水蒸気発生装置21をフードカバー及びダクト2と粉砕機13に取り付けて、可燃性及び爆発性ガス検知器5により、可燃性及び爆発性ガスを検知した場合、不活性ガスまたは水蒸気発生装置21a及び/又は21bより不活性ガスまたは水蒸気を発生させ、可燃及び爆発を防止する。
【0009】
図3では可燃性及び爆発性ガス検知器5により、可燃性及び爆発性ガスを検知した場合、発泡ガス回収装置6及び圧縮機16の吸引量を増加させ、可燃性及び爆発性ガスの濃度を低下させてやることで、可燃及び爆発を防止する。
【0010】
図4では可燃性及び爆発性ガス検知器5により、可燃性及び爆発性ガスを検知した場合、発泡ガス回収装置6は吸引量を増加させ、可燃性及び爆発性ガスの濃度を低下させてやり、解放弁41では可燃性及び爆発性ガスを排気させることにより、可燃及び爆発を防止する。
【0011】
図5では粉じん濃度測定器51により、粉じん爆発の発生する粉じん濃度に達する前に発泡ガス回収装置6と圧縮機16の吸引量を増加させ、粉じん濃度を低下させることで粉じん爆発を防止する。
【0012】
本実施例においては、シクロペンタンガスの防爆対策について説明したが、冷媒として使用されるアンモニアガス,廃冷蔵庫中に放置される可能性があるスプレー等の可燃性含有物、あるいは誤って回収装置に投入される可能性があるボンベ類に対してもそれぞれの成分の検出器を設け、検出時には破砕機を動作停止させ、あるいは回収装置全体を動作停止させることにより、本実施例の場合と同様に危険防止を図ることができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、発泡断熱材の発泡ガス回収装置において、廃冷却装置の発泡断熱材に使用されている発泡剤が不明でも安全に処理することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発泡ガス回収装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明による発泡ガス回収装置の他の実施例を示す構成図である。
【図3】本発明による発泡ガス回収装置の他の実施例を示す構成図である。
【図4】本発明による発泡ガス回収装置の他の実施例を示す構成図である。
【図5】本発明による発泡ガス回収装置の他の実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…廃冷却装置、1a…破砕片、1b…分離片、1c…プラスチック、1d…発泡断熱材、1e…樹脂部分、1f…金属、2…フードカバー及びダクト、2a…投入口、3…破砕装置、3a…破砕刃、4…分離装置、4a…回転衝撃ハンマー、5…可燃性ガス及び爆発性ガス検知器、6…発泡ガス回収装置、6a…吸引パイプ、7…投入口、7a…ホッパ、8…風力発生ファン、9…風力選別機、
9a…排気口、9b…プラスチック、金属搬出ホッパ、10…ダンパー、11…収納箱、12…スクリューフィーダ、13…粉砕機、14…圧縮装置、15…バグフィルタ、16…圧縮機、17…凝縮器、18…捕集タンク、21…不活性ガスまたは水蒸気発生装置、41…解放弁、51…粉じん濃度測定器。

Claims (2)

  1. 廃棄すべき冷却装置を破砕し、この破砕により得られた破砕片から発泡断熱材を分離し、分離した発泡断熱材から該発泡断熱材の気泡を破砕し発泡ガスを脱気して回収する際に、前記冷却装置の破砕時に可燃性または爆発性を有する発泡ガスを含有する発泡断熱材を検知した場合には、前記分離された発泡断熱材の気泡を破砕する前に該検知された発泡断熱材を発泡ガス回収の処理ルートから外すことを特徴とする発泡断熱材の発泡ガス回収方法。
  2. 廃棄すべき冷却装置を破砕し、この破砕により得られた破砕片から発泡断熱材を分離し、分離した発泡断熱材から該発泡断熱材の気泡を破砕し発泡ガスを回収する発泡ガス回収装置において、前記冷却装置の破砕箇所で可燃性または爆発性を有する発泡ガスを含有する発泡断熱材を検知する検知器と、該検知器が可燃性または爆発性を有する発泡ガスを含有する発泡断熱材を検知した場合に検知された発泡断熱材を分離した後に該発泡断熱材の気泡を破砕する前に該発泡断熱材を発泡ガス回収の処理ルートから外す分岐手段とを設けたことを特徴とする発泡断熱材の発泡ガス回収装置。
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