JP3602685B2 - 固形燃料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形燃料およびその製造方法に係り、特にフロン含有発泡ウレタン樹脂のような有機ハロゲン化物を含有する発泡樹脂の廃棄物を原料として得られる固形燃料と、そのような固形燃料を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に都市部近郊において、廃棄物の埋立て処分のための用地確保が困難になっていることから、一般廃棄物または産業廃棄物の処理が緊急に対応すべき課題となっている。そしてこのような背景から、廃掃法(廃棄物の処理および清掃に関する法律)が改正され、適困物(適当処理困難物)として、容量250L以上の冷蔵庫、エアコン、テレビの家電3品目、および自動車が指定されている。
【0003】
これらのうちで冷蔵庫は、他の3品目と同様に、多種類の金属やプラスチック(合成樹脂)から構成される複合製品であるため、廃棄処理が困難であるばかりでなく、冷媒としておよび断熱用発泡ウレタン樹脂の発泡剤として、オゾン層破壊物質である有機ハロゲン化物(フロン)が使用されている。そして、フロンの回収と無害化処理の方法は確立されていないため、発泡ウレタン樹脂を埋立て処理した場合に、経時的にフロンが環境に放出されるおそれがあった。
【0004】
従来からのフロンを含む発泡ウレタン樹脂の処理方法は、粉砕・すり潰し等の機械的手段を用いて微細な気泡を破砕し、フロンを排出させて回収するとともに、ウレタン樹脂(ポリウレタン)をそのまま回収するマテリアルリサイクル法、発泡ウレタン樹脂を乾溜・油化してフロンを排出・回収するケミカルリサイクル法、発泡ウレタン樹脂を焼却して熱エネルギーを得、フロンは焼却時にハロゲン化水素に分解処理するサーマルリサイクル法等に大別される。そして、これらのうちでマテリアルリサイクル法は、金属や樹脂から構成される複合的な廃棄物を、物理的・機械的手法で選別した後、材料を変質させずに回収し、再利用することができる方法として知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発泡ウレタン樹脂中のフロンが含まれる気泡は、直径が 0.2〜 0.5mmのかなり微細なものであるため、従来のマテリアルリサイクル法では、すり潰し等による気泡の破砕に手間がかかるばかりでなく、フロンが破砕器から外部へ漏れ出しやすいため、破砕器を厳重に密閉しなければならず、処理時間がかかり設備コストが大きくなるという問題があった。
【0006】
また、フロンを排出した後に残留するウレタン樹脂は、粉末状態に近く比重が小さいため、飛散や静電気の防止等を考慮した回収装置を必要とし、かつ嵩密度が非常に小さいため、処理場から再利用先への運搬に際して、油圧等による圧縮を別途に行わなければならないという問題があった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、発泡ウレタン樹脂のような有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を含む廃棄物を、有機ハロゲン化物を環境に放出することなく簡便に排出・回収し、残留するウレタン樹脂を取扱いやすく再利用可能な形態で回収した固形燃料、およびそのような固形燃料を製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の固形燃料は、有機ハロゲン化物含有発泡樹脂から発泡剤ガスである有機ハロゲン化物が排出された樹脂残留分と、可燃性の固体物質とを、溶融一体化し高密度化してなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の固形燃料の製造方法は、有機ハロゲン化物含有発泡樹脂に可燃性の固体物質を加えて加熱しながら混合圧縮し、前記発泡樹脂から前記有機ハロゲン化物を排出するとともに、該発泡樹脂の残留分と前記可燃性固体物質との高密度化された混合物を回収することを特徴とする。
【0010】
本発明において、有機ハロゲン化物含有発泡樹脂と加熱混合圧縮され、有機ハロゲン化物排出後の発泡樹脂残留分と溶融一体化される物質としては、可燃性の固体材料であれば特に種類は限定されないが、前記発泡樹脂とともに廃棄物を構成する、ポリオレフィン系樹脂のような可燃性の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
【0011】
本発明の方法においては、有機ハロゲン化物含有発泡樹脂と前記熱可塑性樹脂のような可燃性の固体物質とを混合したものが、加熱混練され相互に圧縮されることにより、発泡剤として含まれている有機ハロゲン化物のガスが排出されるとともに、排出後の発泡樹脂と可燃性固体物質とが溶融一体化し、燃焼性の高い固形燃料が得られる。そして、得られた固形燃料は、高密度に圧縮されているので、嵩比重が大きく運搬が容易であるうえに、着火性が良好であり、かつ燃焼の際に有害な燃焼ガスを発生せず炉を傷めることが少ない。
【0012】
また、本発明に使用する有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を、金属と樹脂との複合廃棄物から回収する場合には、これらの複合廃棄物を破砕した後、水あるいは食塩水などの水溶液を用いた湿式比重差分離を行なうことで、前記した発泡樹脂を比重の小さい可燃性の熱可塑性樹脂とともに分別・回収することができる。そして、このように分別・回収された発泡樹脂と可燃性熱可塑性樹脂との混合物、あるいは発泡樹脂とその他の可燃性固体物質との混合物を、適当量の水分が付着した状態で加熱しながら混合圧縮することによって、発泡樹脂中の有機ハロゲン化物を含む気泡の破壊を促進するとともに、混合時の着火危険性をなくすことができる。
【0013】
さらに本発明において、金属と樹脂との複合廃棄物中に含まれる有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を、固形燃料の原料として使用する場合には、金属と樹脂とを分別・回収する前処理を行なうことで、前記発泡樹脂からの有機ハロゲン化物の排出を低エネルギーで効率良く行ない、また発泡樹脂の残留分の固形燃料化を良好に行なうことができる。
【0014】
金属と樹脂との分別方法としては、磁力選別、渦電流選別、風力選別、比重差選別の各方法があり、これらを単独でまたは2つ以上組み合わせて使用する。例えば、磁力選別により鉄を分別・回収し、渦電流選別により、銅およびアルミニウムの非鉄金属を分別・回収することができる。また、風力選別や比重差選別により、ガラス、比重の大きい樹脂、およびはんだ、鉛等の金属を分別・回収することができる。風力選別は、銅とアルミニウムとの分離にも用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の固形燃料の製造方法の実施例を、図に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明によりフロン含有発泡ウレタン樹脂を加熱処理して固形燃料を製造する方法のフローを示す。
【0017】
図2は、このようなフローにより固形燃料の製造を行なうための装置の概略を示す図であり、図3は、図2の装置で排出されたフロンを分解・無害化して回収する装置の概略を示す図である。
【0018】
図2の固形燃料製造装置は、湿式比重差分離装置1と、搬送ローラ2と、加熱混合圧縮機能を有するエクストルーダ3と、固形燃料を回収するリザーブタンク4とを備え、図3のフロン分解回収装置は、触媒分解槽5と、乾式吸着塔6と、湿式吸着塔7とを備えている。なお、これらの図中、符号8は補給水タンク、9は受け皿、10は定量ポンプ、11はダストトラップ、12はブロアーをそれぞれ示している。
【0019】
本発明の実施例においては、廃棄された冷蔵庫(廃冷蔵庫)が、まず冷媒用フロンの抜き取りおよびコンプレッサーの取り外しなどの工程を経て、一次破砕
(粗破砕)工程に送られ、ここで 5〜10cm角程度に粗破砕されてから、次の二次破砕工程に送られる。二次破砕工程では、金属と樹脂とが複合した粗破砕物がさらに破砕され、金属部分と樹脂部分とが剥離される。次いで、湿式比重差分離工程において、湿式比重差分離装置1により、水または比重が適当値になるように濃度が調整された食塩水等の水溶液を用いた比重差分離が行なわれ、発泡ウレタン樹脂や発泡ポリスチレン、オレフィン系樹脂のような比重の小さい樹脂が、金属および塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレンなどの比重の比較的大きい樹脂から分離され回収される。
【0020】
なお、分離に用いる水溶液は、金属と樹脂あるいは樹脂同士の分離に適した比重を有し、処理に支障をきたす成分を含まない水溶液であれば特に種類は限定されないが、調製が簡易なことから、水または食塩水の使用が望ましい。また、金属全体のかなりの割合を占める鉄類は、水分の付着により表面が腐食する場合があるので、回収される鉄の品質を良好に保つために、湿式比重差分離を行なう前に、磁力選別等の方法により、鉄類のみを予め分別して回収しておくことが望ましい。
【0021】
このような湿式比重差分離により分離・回収された発泡ウレタン樹脂をはじめとする比重の小さい樹脂は、水分が付着したままの状態で、次の加熱混合圧縮工程に送られる。
【0022】
ここで、樹脂に付着させる水分量は、後段でフロンを触媒により加熱分解する際に、フロンと水とが約 1:2のモル比になるように、発泡ウレタン樹脂に対して約 2〜 5重量%の割合とする。ただし、破砕された発泡ウレタン樹脂やその他の樹脂の形状によっては、付着水分量が不足したり反対に過剰になったりする場合があり、特に水分量が多すぎると、加熱混合圧縮の際の成形性の低下や、固形燃料の発熱量低下等の問題が生じるおそれがある。したがって、比重差分離工程と加熱混合圧縮工程との間に付着水分量調整工程を設け、例えば補給水タンク8からの水の供給により不足水分量を補ったり、あるいは篩等でふるって過剰に付着した水分を減らしたりして、付着水分量の調整を行なうことが望ましい。
【0023】
加熱混合圧縮工程では、発泡ウレタン樹脂と可燃性を有する比重の小さい熱可塑性樹脂とを、エクストルーダ3で加熱しながら混合圧縮(混練)することにより、発泡ウレタン樹脂からフロンが排出される。また、可燃性の熱可塑性樹脂がその溶融温度以上に加熱され溶融することで、フロン排出後のウレタン樹脂と熱可塑性樹脂とが混合一体化され、高密度に圧縮された固形燃料がリザーブタンク4に得られる。
【0024】
ここで、加熱温度は、固形燃料の収率向上や混練時の着火危険性防止の観点から、可燃性の熱可塑性樹脂の融点以上で、該樹脂や発泡ウレタン樹脂がなるべくガス化しない温度にすることが必要であり、 180〜 300℃、より好ましくは 200〜 250℃とする。また加熱混合圧縮装置としては、加熱および混合・圧縮機構と排出されるフロンの排気手段とを備えた装置であれば、特に種類は限定されないが、連続処理が可能で発泡ウレタン樹脂からのフロン排出と他の可燃物との混合圧縮を同時に行なうことができる点から、前記したエクストルーダのようなロータリースクリュータイプの加熱溶融押出機の使用が望ましい。さらに、このような加熱溶融押出機において、スクリューは単軸よりも複数軸とする方が、自重の小さいウレタン樹脂に対しても噛み込み性が良いので好ましい。
【0025】
このような加熱混合圧縮工程においては、樹脂表面に付着した水分のような形態で水を共存させることにより、発泡ウレタン樹脂の独立気泡表面の熱分解により気泡破壊を促進し、フロンの排出に要する時間を短縮することができる。また、水の共存により、加熱混合時の着火を防止することができるという利点がある。さらに加熱混合圧縮工程では、より完全に着火を防止するために、窒素等の不燃性ガスを装置内に導入し、酸素濃度を燃焼範囲( 10vol%以下)から外すように構成することが好ましい。
【0026】
こうして得られる固形燃料では、燃焼カロリーを調整するために、可燃性の熱可塑性樹脂とともに、処理対象廃棄物以外の可燃性廃棄物、例えばOA用紙廃棄物等を適宜混合しても良い。
【0027】
加熱混合圧縮工程で発泡ウレタン樹脂から排出されたフロンは、フロン分解工程に送られて分解処理される。フロンの分解方法としては、触媒分解法、燃焼法、プラズマ分解法、超臨界分解法など、種々の方法がある。
【0028】
以下、一例として触媒により分解を行なう方法について説明する。
【0029】
分解触媒としては、W/ZrO−ΤiO,Pt/SiO−ΤiO,Pt/Zr−ΤiO,ΗPO/ZrO,Au/Al,Cr/Al,Cr/ZrO,Pt−HPO/ZrOなどが挙げられ、フロンは、触媒分解槽5においてこれらの触媒の存在下に加熱され、フッ化水素および塩化水素のハロゲン化水素に分解される。そして、分解時にフロンと水とを約 1:2のモル比に保つことで、触媒寿命を延ばすことができる。本発明では、前記したように、加熱混合圧縮により発泡ウレタン樹脂からフロンを排出させる際に、適当量の水を共存させているので、この水分により触媒の寿命が大幅に延長される。
【0030】
このようなフロンの分解により発生したハロゲン化水素は、乾式吸着塔6を通ることで、CaCO、Ca(OΗ)、CaO等のカルシウム塩や活性炭による乾式吸着処理が行なわれ、また必要に応じて、湿式吸着塔7を通ることでスクラバーなどによる湿式吸着処理が行なわれる。こうしてハロゲン濃度が環境基準値以下になったガスが、ブロアー12により大気中に放出される。
【0031】
ー方、湿式比重差分離により発泡ウレタン樹脂をはじめとする比重の比較的小さい樹脂が分離・回収された後の残渣には、金属と比重の大きい樹脂等が含まれるが、これらの混合物については、磁力選別、渦電流選別、風力選別によって、鉄、銅、アルミニウムなどの金属を種類別に分別・回収し、残りの樹脂類についても、必要に応じて、比重差分離等の方法で分別・回収することができる。例えば、渦電流選別により、銅およびアルミニウムの非鉄金属を分離・回収した後、回収された銅とアルミニウムとを比重差を利用した風力選別によりそれぞれ分別することができる。
【0032】
なお、比重差分離等の方法で分別・回収された樹脂の中で、加熱により塩化水素等の有害なガスを発生させるおそれがあるもの(塩化ビニル樹脂やABS樹脂)以外の樹脂、例えばポリスチレン等の樹脂は、可燃性の固体物質として加熱混合圧縮工程に送り、発泡ウレタン樹脂と混練することも可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
【0034】
まず、金属と樹脂との複合廃棄物として、冷却媒体としてフロンCFC−11が使用された450L級( 106kg)の廃冷蔵庫を用い、これを破砕した後、前処理を行なって、金属、ガラスおよび比重の大きい樹脂等を分離し、固体燃料の原料であるフロン含有発泡ウレタン樹脂を回収した例について説明する。
【0035】
(フロン含有発泡ウレタン樹脂の回収)
まず、この冷蔵庫から専用のフロン回収装置を用いて冷媒用フロンを回収し、冷凍サイクルのチューブを切断し、さらにコンプレッサーを除去した後、ハンマー式の破砕機を用いて粗破砕し、径 5cmメッシュのスクリーンを用いて破砕片の大きさを揃えた。
【0036】
次にこうして破砕された複合廃棄物から、まず磁力選別により鉄片を分別・回収した後、渦電流選別により銅およびアルミニウムを分別・回収した。次いで、残渣を風力選別することにより、はんだ、鉛等の金属、ガラスおよび比重の比較的大きい樹脂を分別・回収し、フロン含有発泡ウレタン樹脂約15kgを得た。
【0037】
次に、こうして得られたフロン含有発泡ウレタン樹脂を使用して、フロンの排出および固形燃料の製造を行なった。
【0038】
実施例1、2
図2に示す装置を用い、図1に示すフローに基づいて、フロン含有発泡ウレタン樹脂からフロンを排出し、固形燃料を製造した。すなわち、フロン含有発泡ウレタン樹脂の破砕片およびポリプロピレン(PP)の破砕片を、水を付着させた状態でエクストルーダに投入し、表1に示す条件で加熱混合圧縮してフロンの排出を行なった。
【0039】
なお、これらの樹脂の投入量は、発泡ウレタン樹脂(破砕径: 5〜10cm)を 1kg、PP(破砕径: 5〜10cm)を 5kgとし、これらに付着した水分量(全量)を 30gとした。
【0040】
また、比較のために、実施例1と同じ樹脂混合物について、表1に示すように、圧縮を行わずに加熱のみを行なう(比較例1、2)か、あるいは加熱を行わずに常温で圧縮のみを行ない(比較例3、4、5)、フロンを排出した。
【0041】
次いで、これらの実施例および比較例において、エクストルーダまたは加熱装置あるいは混合圧縮装置からの固形排出物について、熱重量分析装置(TG:Thermogravimetry)を用いてそれぞれ昇温加熱を行ない、残留フロン量(初期の含有フロン量に対する割合)を求めた。結果を表1に示す。また、実施例2で得られた固形排出物のTG曲線を、図4に示し、未処理の場合の発泡ウレタン樹脂とPPとの混合物のTG曲線を、図5に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003602685
以上の結果から、発泡ウレタン樹脂とPPとの混合物をエクストルーダにより加熱混合圧縮した実施例1、2においては、加熱のみあるいは圧縮のみを行なった比較例に比べて、短時間で発泡ウレタン樹脂に含有されたフロンが排出され、燃料として好適する固形物が得られることがわかった。
【0043】
実施例3
実施例1で使用したフロン含有発泡ウレタン樹脂の破砕片について、水分を添加した状態と水分添加なしの状態で、それぞれTGを用いて加熱し、所定温度( 200℃)で等温加熱した場合のフロン排出による加熱重量の経時変化を測定した。測定条件を以下に示す。
【0044】
1)加熱温度 : 200℃
2)水分添加量 : 2wt%(キャリアガスベース)
3)キャリアガス:高純度空気(99.999%))
測定結果を図6に示す。
【0045】
このグラフから、フロン含有発泡ウレタン樹脂に水分を添加した場合は、無添加の場合に比べて、発泡ウレタン樹脂中の気泡表面において添加水分により熱分解が促進され、気泡破壊が進むことにより、フロン排出に要する時間が短縮されることが判明した。
【0046】
実施例4
実施例1でフロン含有発泡ウレタン樹脂から排出されたフロンを、図3に示す装置の触媒分解槽5に導入し、水を適当量添加した場合と無添加の場合のそれぞれについて、フロンの分解を行なった。そして、それぞれの時間ごとにフロン分解率を測定し、触媒寿命を調べた。フロンの分解条件を以下に示す。
【0047】
1)触媒 :酸化クロム/ジルコニア系触媒(ジルコニアに酸化クロムを担持させた触媒)
2)分解温度 : 500℃
3)通気速度 : SV= 5000/hr
4)水分添加量:モル比でフロン:水=1:2
測定結果を、図7に示す。
【0048】
このグラフから、適当量の水を添加した場合には、無添加の場合に比べて触媒寿命が延びることが判明した。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の方法により、発泡ウレタン樹脂のような有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を、湿式比重差分離等により複合廃棄物から分離し、これを水分を付着させた状態で、可燃性の熱可塑性樹脂廃棄物のような固体物質と加熱混合し圧縮することによって、発泡剤として含有された有機ハロゲン化物を短時間で容易に排出することができ、高密度な固形燃料を回収することができる。
【0050】
こうして得られた固形燃料は、運搬、取扱いが容易で着火性が良好であり、かつ燃焼時有害ガスを発生し炉を傷めたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりフロン含有発泡ウレタン樹脂から固形燃料を製造する方法の実施例を示すフロー図。
【図2】本発明の実施例に使用する固形燃料製造装置の概略を示す図。
【図3】本発明の実施例に使用するフロンの分解回収装置の概略を示す図。
【図4】実施例2で得られた固形排出物(固形燃料)について測定されたTG曲線。
【図5】未処理の発泡ウレタン樹脂−PP混合物について測定されたTG曲線。
【図6】実施例3において、水分の有無によるフロン排出所要時間の差異を示すグラフ。
【図7】実施例4において、水分の有無によるフロン分解率の経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1………湿式比重差分離装置
3………エクストルーダ
4………リザーブタンク
5………触媒分解槽
6………乾式吸着塔

Claims (5)

  1. 有機ハロゲン化物含有発泡樹脂から発泡剤ガスである有機ハロゲン化物が排出された樹脂残留分と、可燃性の固体物質とを、溶融一体化し高密度化してなることを特徴とする固形燃料。
  2. 有機ハロゲン化物含有発泡樹脂に可燃性の固体物質を加えて加熱しながら混合圧縮し、前記発泡樹脂から前記有機ハロゲン化物を排出するとともに、該発泡樹脂の残留分と前記可燃性固体物質との高密度化された混合物を回収することを特徴とする固形燃料の製造方法。
  3. 前記した可燃性の固体物質が、可燃性の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2記載の固形燃料の製造方法。
  4. 前記有機ハロゲン化物含有発泡樹脂と前記可燃性固体物質との加熱混合圧縮を、水の共存下に行なうことを特徴とする請求項2または3記載の固形燃料の製造方法。
  5. 金属と樹脂との複合廃棄物に対して、破砕後、磁力選別、渦電流選別、風力選別、比重差選別から選ばれる1つ以上の選別を行なうことで、前記有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を分離・回収した後、該発泡樹脂を加熱することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の固形燃料の製造方法。
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