JP3683294B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、単純マトリクス方式またはアクティブ・マトリクス方式の液晶表示装置に係り、特に、液晶表示素子の電極を駆動素子と接続するための引き出し配線を有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、例えば、表示用透明画素電極と配向膜等をそれぞれ積層した面が対向するように所定の間隙を隔てて2枚の透明ガラスからなる絶縁基板(電極基板と称す)を重ね合せ、該両基板間の縁周囲部に枠状に設けたシール材により、両基板を貼り合せると共に、シール材の一部に設けた液晶封入口から両基板間のシール材の内側に液晶を封入、封止し、さらに両基板の外側に偏光板を設けてなる液晶表示素子(すなわち、液晶表示部;液晶表示パネル;LCD:リキッド クリスタル ディスプレイ)と、液晶表示素子の下に配置され、液晶表示素子に光を供給するバックライトと、液晶表示素子の外周部の外側に配置された液晶表示素子の駆動用回路基板と、これらの各部材を保持するモールド成形品である枠状体と、これらの各部材を収納し、液晶表示窓があけられた金属製フレーム等を含んで構成されている。
【0003】
なお、液晶表示素子と駆動用回路基板とは、例えば、液晶表示素子駆動用の半導体集積回路チップを搭載したテープキャリアパッケージ(以下、TCPと記す)により電気的に接続されている。さらに詳しくいうと、回路基板の多数の出力端子とTCPの多数の入力端子(入力側アウターリード)とは半田付けにより接続され、TCPの多数の出力端子(出力側アウターリード)と表示用電極に接続される液晶表示素子の多数の入力端子(液晶表示素子を構成する一方の透明ガラス基板すなわち電極基板面上の端部に配列形成されている)とは異方性導電膜により接続されている。また、TCPに搭載された半導体集積回路チップの多数の入力端子は、TCPの多数の出力側インナーリードと接続され、他方、半導体集積回路チップの多数の出力端子は、TCPの多数の入力側インナーリードと接続されている。
【0004】
なお、このような液晶表示装置が記載された文献としては、例えば特開昭61−214548号、実開平2−13765号公報等が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図16は、従来の液晶表示素子を構成する電極基板上に形成された配線の一部、すなわち、表示用電極と、TCPの電極との接続用端子、および両者をつなぐ引き出し配線を示す要部概略平面図である。
【0006】
12は液晶表示素子(ここでは図示せず。図11、図14の符号62参照)を構成する一方の透明ガラスからなる絶縁基板で構成される電極基板、21〜28は電極基板12の面上に形成され、透明導電膜からなり、平行に配線され、画素を構成する表示用電極、31〜38は駆動素子であるTCP(ここでは図示せず。図10、図11の符号10参照)の電極(前記出力側アウタリード)と接続される端子(接続用電極、すなわち、入力端子)、11〜18は表示用電極2と端子3とを接続する端子引き出し配線である斜め直線配線、71はTCPをこの電極基板12上に実装する際のTCPの位置合せ用マーク、72は電極基板12に実装される1個のTCPに対応する端子群の中心線、52はシール材が設けられる部分である。
【0007】
液晶表示素子を構成する電極基板12では、平行に配線された表示用電極2の配列ピッチよりも、TCPの電極の配列ピッチの方が通常狭く、すなわち、そのTCPの電極と接続される端子3のピッチの方が狭く形成されている。したがって、表示用電極2と端子3とを接続する引き出し配線は、斜め直線配線1となる。図16に示すように、従来の引き出し配線では、斜め直線配線1の(表示用電極2または端子3に対する)角度と、斜め直線配線1の幅の両者を調整して、引き出し配線の配線抵抗がそれぞれ等しくなるようにそろえていた。このような引き出し配線は、放射状配線と称される。
【0008】
このような従来技術では、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、▲1▼電極基板12における引き出し配線の面積使用効率(配線効率)が低く、引き出し配線の長さが長くなり、配線抵抗が大きくなるという問題があった。引き出し配線を短くしようとすると、引き出し配線のクリアランス(間隔)を取るために、引き出し配線の幅を狭くしなければならないため、配線抵抗が大きくなるという問題がある。なお、現状では、引き出し配線の配線抵抗は、例えば500〜1kΩとなっている。駆動用半導体ICチップの出力抵抗の500〜700Ωに比較すると大きい。
【0010】
また、▲2▼電極基板12の端部上に1列に並んで複数個設置されるTCPの端子(電極)と接続される端子3群の間の間隔が空いているため、例えばITO(インジウム−チン−オキサイド;ネサ)膜からなる端子3の膜厚により、端子3のある部分とない部分とで高さの差ができる。ITOの膜厚は0.2〜0.3μmと厚い。これにより、液晶表示素子の量産時に、表示用電極2上に形成する配向膜に配向処理(ラビング)を行うラビングローラにこの形状が転写され、このラビングローラを用いて配向処理を行うと、配向膜にラビング筋むらが生じてしまい、この結果、表示品質が低下するという問題がある。
【0011】
また、▲3▼引き出し配線の斜め直線配線1を放射線状に配線するため、図16に示すように、斜め直線配線1間の間隔が表示用電極2から端子3に向かって狭くなるという不均一が生じる。この結果、完成した液晶表示素子のシール材52の内側(液晶が介在する側)で、表示部(点灯部)の外側の非点灯部である、いわゆる額縁部と称される部分の本来、均一な黒となるべきところに、不均一な濃淡むらができてしまうという問題がある。
【0012】
さらに、▲4▼表示部の複数本の表示用電極2は等間隔で平行に配線されているため、配線密度が均一であるのに対して、▲3▼で述べたように放射線状の斜め直線配線1は配線密度が均一ではないため、特に、STN(スーパーツイステッドネマチック)−LCDのように、両電極基板間の高精度のギャップ(±0.1μm)が必要な液晶表示装置では、そのギャップを出すためのスペーサが機能する有効密度が大きく影響する。したがって、従来の放射線状の斜め直線配線1では、一般に配線密度が表示部より低いので、前記額縁部のギャップ変動に起因する色むらが生じる。すなわち、既述のように透明電極は、通常、その膜厚が0.2〜0.3μmと厚いITO膜からなる。上下電極基板のITO膜からなる表示用電極2および斜め直線配線1がスペーサを支えるため、電極がない部分のスペーサはフリーとなり、ギャップ制御が効かないという問題がある。
【0013】
なお、このような技術が記載された文献としては、例えば特開平3−289626号、特開平4−70627号、特開平4−170522号、特開平4−369622号、特開平5−127181号公報等が挙げられる。
【0014】
本発明の第1の目的は、引き出し配線の面積使用効率が高く、短くて低抵抗の引き出し配線を有する液晶表示装置を提供することにある。
【0015】
本発明の第2の目的は、表示部においてラビング筋むらが生じない液晶表示装置を提供することにある。
【0016】
本発明の第3の目的は、額縁部において不均一な濃淡むらがなく、均一な黒の非点灯領域を有する液晶表示装置を提供することにある。
【0017】
本発明の第4の目的は、両基板間のギャップを良好に制御することができ、色むらが生じない液晶表示装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するために、本発明は、基板上にそれぞれ平行に配線された複数本の電極と、前記基板の端部に引き出され、かつ、駆動素子に接続される前記各電極の端子とを有し、前記電極のピッチと前記端子のピッチとが異なり、かつ、前記各電極と前記各端子とを接続する引き出し配線とを有する液晶表示素子を含んでなる液晶表示装置において、前記引き出し配線が、前記電極からそのまま延長した部分と、前記端子からそのまま延長した部分と、前記2つの延長した部分をそれぞれ接続し、かつ、それぞれほぼ平行な斜め直線配線とからなり、かつ、前記引き出し配線の配線抵抗がそれぞれほぼ等しくなるように、前記2つの延長した部分の長さと、前記斜め直線配線の幅とを調整して形成したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、絶縁基板上にそれぞれ平行に配線された複数本の電極と、前記絶縁基板の端部に引き出され、かつ、駆動素子に接続される前記各電極の端子とを有し、前記電極のピッチよりも前記端子のピッチの方が小さく、かつ、前記各電極と前記各端子とを接続する斜め直線配線とを有する液晶表示素子を含んでなる液晶表示装置において、前記電極からそのまま延長した部分と前記端子からそのまま延長した部分とを、前記電極または前記端子に対する角度がほぼ等しい前記斜め直線配線によりそれぞれ接続し、前記2つの延長した部分と前記斜め直線配線とを含めた配線抵抗がそれぞれほぼ等しくなるように、前記2つの延長した部分の長さと、前記斜め直線配線の幅とを計算し、形成したことを特徴とする。
【0020】
また、隣接する前記電極からそのまま延長した部分どうしの間隔の長さがほぼ等しいことを特徴とする。
【0021】
また、隣接する前記斜め直線配線どうしの間隔の長さがほぼ等しいことを特徴とする。
【0022】
また、前記第2〜第4の目的を達成するために、本発明は、前記基板上に複数個の前記駆動素子が前記端子と接続されて並んで実装され、各駆動素子に接続される複数個の前記端子からなる端子群が、前記端子どうしの第1の間隔より広い第2の間隔を隔てて前記基板上に配置され、前記第2の間隔を隔てた箇所に第1のダミー電極を形成したことを特徴とする。
【0023】
また、前記第1のダミー電極が、前記端子とほぼ等しいピッチおよびほぼ等しい幅で、かつ、前記端子とほぼ平行に形成した少なくとも1本のダミー平行電極を含むことを特徴とする。
【0024】
また、前記第1のダミー電極が、隣接する前記端子群の最も外側の前記斜め直線配線の間に形成した前記斜め直線配線とほぼ平行なダミー斜め直線電極を含むことを特徴とする。
【0025】
また、前記第1のダミー電極が、前記端子とほぼ等しいピッチおよびほぼ等しい幅で、かつ、前記端子とほぼ平行に形成した複数本のダミー平行電極と、隣接する前記端子群の最も外側の前記斜め直線配線の間に形成した両側の前記斜め直線配線とそれぞれほぼ平行な少なくとも2本のダミー斜め直線電極とからなることを特徴とする。
【0026】
また、前記第3、第4の目的を達成するために、本発明は、隣接する前記端子または前記端子からそのまま延長した部分との間に、第2のダミー電極を形成したことを特徴とする。
【0027】
また、前記第2のダミー電極と、その両側の前記端子または前記端子からそのまま延長した部分との間隔の長さがそれぞれほぼ等しいことを特徴とする。
【0028】
また、前記第2のダミー電極と、その両側の前記端子または前記端子からそのまま延長した部分との間隔の長さがそれぞれほぼ等しく、かつ、その間隔の長さは、隣接する前記斜め直線配線どうしの間隔の長さとほぼ等しいことを特徴とする。
【0029】
また、前記第1、第2のダミー電極が、前記端子と同一の少なくとも1層の材料層を含んでなることを特徴とする。
【0030】
さらに、2枚の前記基板のうち、一方の前記基板の端部に形成した前記端子と前記引き出し配線と前記ダミー電極の少なくとも一部を、他方の前記基板の対向する面に形成したことを特徴とする。
【0031】
【作用】
上記のようにして引き出し配線を形成することにより、引き出し配線の面積使用効率(配線効率)を向上することができるため、引き出し配線の長さを短くすることができるので、従来500〜1kΩあった配線抵抗を約30〜40%低減することができる。また、その低減分を駆動用半導体ICチップのオン抵抗の余裕としてもたせることができるので、半導体ICチップの寸法を縮小することができる。さらに、引き出し配線の長さを従来より短くすることができるので、液晶表示素子の寸法を小さくすることができる。この結果、製造コストを低減することができる。さらに、配線抵抗の低減により、液晶を駆動する波形のなまりやクロストークの歪みを低減することができるため、シャドウイング(輝度むら)を低減することができ、表示品質を向上することができる。
【0032】
また、電極基板の端部上に1列に並んで複数個設置されるTCPと接続される端子群の間の広い間隔が空いた部分に、前記第1のダミー電極を設けたので、表示用電極上に形成する配向膜に配向処理(ラビング)を行うラビングローラに、端子のある部分とない部分との凹凸形状が転写され、配向膜にラビング筋むらが生じ、表示品質が低下するのを防止することができる。また、前記第1のダミー電極により、TCP間の凹部をなくすことができるので、上下両基板間のギャップを均一にすることができる。
【0033】
また、複数本の端子間のすき間に第2のダミー電極を設けたので、額縁部の各端子間のすき間から光漏れが生じるのを防止することができる。また、端子と該端子をそのまま延長した部分の面内密度が均一となり、上下両基板間のギャップを均一にすることができる。また、放射線状の従来の斜め直線配線の不均一性に起因する、本来均一な黒となるべき額縁部の不均一な濃淡むらの発生を防止することができ、額縁部を均一な黒にすることができるので、表示品質を向上することができる。
【0034】
さらに、前記第1および第2のダミー電極を設けたので、額縁部におけるギャップを均一にすることができるので、額縁部のギャップ変動に起因する色むらが生じず、表示品質を向上することができる。
【0035】
なお、上記の特開平3−289626号、特開平4−70627号、特開平4−170522号、特開平4−369622号、特開平5−127181号公報には、上記の本発明の思想、構成、作用、効果は一切記載されていない。
【0036】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例について詳細に説明する。
【0037】
図11は、液晶表示素子62と、この液晶表示素子62を駆動するための駆動回路と、光源をコンパクトに一体にまとめた液晶表示モジュール63を示す分解斜視図である。
【0038】
液晶表示素子62を駆動する半導体ICチップ34を実装したTCP10は、中央に液晶表示素子62を嵌め込むための窓部を備え、液晶駆動用の回路が形成された枠状体のプリント回路基板35に搭載される。液晶表示素子62を嵌め込んだプリント回路基板35はプラスチックモールドで形成された枠状体42の窓部に嵌め込まれ、これに金属製フレーム41を重ね、その爪43を枠状体42に形成されている切込み44内に折り曲げることによりフレーム41を枠状体42に固定する。
【0039】
液晶表示素子62の上下端に配置される冷陰極蛍光管36、この冷陰極蛍光管36からの光を液晶表示セル60に均一に照射させるためのアクリル板からなる導光体37、金属板に白色塗料を塗布して形成された反射板38、導光体37からの光を拡散する乳白色の拡散板39が図11の順序で、枠状体42の裏側からその窓部に嵌め込まれる。冷陰極蛍光管36を点灯するためのインバータ電源回路(図示せず)は枠状体42の右側裏部に設けられた凹部(図示せず。反射板38の凹所45に対向する位置にある。)に収納される。拡散板39、導光体37、冷陰極蛍光管36および反射板38は、反射板38に設けられている舌片46を枠状体42に設けられている小口47内に折り曲げることにより固定される。
【0040】
図12は、液晶表示モジュール63を表示部に使用したラップトップパソコンのブロックダイアグラム、図13は、液晶表示モジュール63をラップトップパソコン64に実装した状態を示す図である。このラップトップパソコン64においては、マイクロプロセッサ49で計算した結果を、コントロール用LSI48を介して液晶駆動用半導体ICチップ34で液晶表示モジュール63を駆動するものである。
【0041】
図14は、液晶表示素子62の要部斜視図である。
【0042】
図14において、液晶層50を挟持する2枚の上、下電極基板11、12間で液晶分子がねじれたらせん状構造をなすように配向させるには、例えばガラスからなる透明な上、下電極基板11、12上の、液晶に接する、例えばポリイミドからなる有機高分子樹脂からなる配向膜21、22の表面を、例えば布などで一方向にこする方法、いわゆるラビング法が採られている。このときのこする方向、すなわちラビング方向、上電極基板11においてはラビング方向66、下電極基板12においてはラビング方向67が液晶分子の配列方向となる。このようにして配向処理された2枚の上、下電極基板11、12をそれぞれのラビング方向66、67が互いにほぼ180度から360度で交叉するように間隙d1をもたせて対向させ、2枚の電極基板11、12を液晶を注入するための切欠け部、すなわち、液晶封入口51を備えた枠状のシール材52により接着し、その間隙に正の誘電異方性をもち、旋光性物質を所定量添加されたネマチック液晶を封入すると、液晶分子はその電極基板間で図中のねじれ角θ2のらせん状構造の分子配列をする。なお31、32はそれぞれ例えば酸化インジウムまたはITOからなる透明な上、下電極である(下電極32は図1の21〜28に相当する)。このようにして構成された液晶セル60の上電極基板11の上側に複屈折効果をもたらす部材(以下複屈折部材と称す。藤村他「STN−LCD用位相差フィルム」、雑誌電子材料1991年2月号第37−41頁)40が配設されており、さらに、この部材40および液晶セル60を挟んで上、下偏光板15、16が設けられる。
【0043】
液晶50における液晶分子のねじれ角θ2は180度から360度の範囲の値を採り得るが、好ましくは200度から300度であるが、透過率−印加電圧カーブのしきい値近傍の点灯状態が光を散乱する配向となる現象を避け、優れた時分割特性を維持するという実用的な観点からすれば、230度から270度の範囲がより好ましい。この条件は基本的には電圧に対する液晶分子の応答をより敏感にし、優れた時分割特性を実現するように作用する。また優れた表示品質を得るためには液晶層50の屈折率異方性Δn1とその厚さd1の積Δn1・d1は好ましくは0.5μmから1.0μm、より好ましくは0.6μmから0.9μmの範囲に設定することが望ましい。
【0044】
複屈折部材40は液晶セル60を透過する光の偏光状態を変調するように作用し、液晶セル60単体では着色した表示しかできなかったものを白黒の表示に変換するものである。このためには複屈折部材40の屈折率異方性Δn2とその厚さd2の積Δn2・d2が極めて重要で、好ましくは0.4μmから0.8μm、より好ましくは0.5μmから0.7μmの範囲に設定する。
【0045】
さらに、この液晶表示素子62は複屈折による楕円偏光を利用しているので偏光板15、16の軸と、複屈折部材40として一軸性の透明複屈折板を用いる場合はその光学軸と、液晶セル60の電極基板11、12の液晶配列方向6、7との関係が極めて重要である。
【0046】
図15は、カラーフィルタを有する液晶表示素子の上電極基板部の一例の一部切欠斜視図である。
【0047】
図15に示す如く、上電極基板11上に赤、緑、青のカラーフィルタ33R、33G、33B、各フィルター同志の間に光遮光膜33Dを設けることにより、多色表示が可能になる。
【0048】
なお、図15においては、各フィルタ33R、33G、33B、光遮光膜33Dの上に、これらの凹凸の影響を軽減するため絶縁物からなる平滑層23が形成された上に上電極31、配向膜21が形成されている。
【0049】
実施例1
図1は、本発明の実施例1の液晶表示素子を構成する電極基板の部分平面図であり、本発明による最適アルゴリズムによって作製した電極基板に実装される1個のTCPに対応する端子群の中心線から右側の引き出し配線の一部を示す概略平面図である。なお、駆動素子である1個のTCP(テープキャリアパッケージ)の電極数は、通常、80〜160本程度あるが、実施例では8本に図示省略した。本数は異なっても、本発明による引き出し配線の構成はそのまま適用することができる。また、図7(A)に図1の約4倍の範囲の平面図を示す。
【0050】
12は液晶表示素子(ここでは図示せず。図11、図14の符号62参照)を構成する一方の透明ガラスからなる絶縁基板で構成される電極基板、21〜28は電極基板12の面上に形成され、透明導電膜からなり、平行に配線され、画素を構成する表示用電極(図8、図14では符号32で示す)、31〜38はTCP(ここでは図示せず。図10、図11の符号10参照)の電極(前記出力側アウタリード)と接続される端子(接続用電極、すなわち、入力端子)、11〜18は表示用電極2と端子3とを接続する端子引き出し配線の一部である斜め直線配線、71はTCPをこの電極基板12上に実装する際のTCPの位置合せ用マーク、72は電極基板12に実装される1個のTCPに対応する端子群の中心線、52はシール材が設けられる部分である。
【0051】
電極基板12上にそれぞれ平行に配線された複数本の表示用電極2のピッチよりも、電極基板12の端部に引き出され、TCPに接続される各表示用電極2の端子3のピッチの方が狭く、したがって、両者を接続する引き出し配線1が必要となる。引き出し配線は、表示用電極2からそのまま延長した部分と、端子3からそのまま延長した部分と、この2つの延長した部分をそれぞれ接続し、表示用電極2、端子3に対する角度θが等しい、すなわち、それぞれ平行な斜め直線配線1とからなり、この引き出し配線の配線抵抗がそれぞれ等しくなるように、2つの延長した部分の長さと、斜め直線配線1の幅とを計算し、形成する。
【0052】
配線を行うための基本的な条件は、以下の4つである。
【0053】
▲1▼すべての斜め直線配線1は、角度θ(中心線72より左側は−θ)の平行線とする。中心線72に対して線対称である。角度θは、例えば25〜50°である。
【0054】
▲2▼斜め直線配線1間の距離は、すべて配線ルールdLCDとする。余裕は取らない。
【0055】
▲3▼端子3は延長部を含めて全長にわたり幅が等しい。端子3と表示用電極2とは平行(液晶表示素子の電極基板12のその端子引き出し端部に対して垂直)である。端子3間の距離は、TCP圧着ルールdTCPとする。
【0056】
▲4▼表示用電極2は延長部を含めて全長にわたり幅が等しい。表示用電極2間の距離は、TCP圧着ルールdLCDとする。
【0057】
以下、図2と図3を用いて、引き出し配線1の構成について詳細に説明する。
【0058】
配線のアルゴリズムは、以下の手順である。
【0059】
(1)まず、中心線72から右側1本目の引き出し配線は、表示用電極21と端子31とをそのまま直線状に接続する(図2参照)。
【0060】
(2)表示用電極21の端部C1を起点にして任意の角度θの線を引く。
【0061】
(3)C1からの角度θの延長線と端子3の延長線との交点をB1とする。
【0062】
(4)端子32の延長線と、線分B1−C1との距離がdLCDとなるA2を求める。
【0063】
(5)A2を起点にして角度θの線(線分B1−C1と平行な線)を引き、表示用電極22との延長線との交点をD2とする。
【0064】
(6)斜め直線配線11の幅w1を任意に決める。
【0065】
(7)線分A2−D2との距離がw2となる(線分A2−D2と平行な)線を引き、その線と端子32の延長線との交点をB2とし、表示用電極22の延長線との交点をC2とする。
【0066】
(8)線分A1−B1の中点をE1、線分D1−C1の中点をF1、線分A2−B2の中点をE2、線分D2−C2の中点をF2とし、E1とE2とのy軸上の距離をl1、線分E1−F1の長さをm1、同様に線分E2−F2の長さをm2、F2のy軸成分をP2とする。
【0067】
(9)次に示す計算式が成り立つように、引き出し配線の斜め直線配線12の幅w2を求める。つまり、1本目と2本目の引き出し配線の配線抵抗が等しくなるような条件でw2を決める。WTCPは、TCPの電極の幅に対応して決定される端子3の幅、WLCDは、表示用電極2の幅、Rsqは、電極配線材料のシート抵抗(Ω/□)である。
【0068】
【数1】
【0069】
(10)前記計算式によって求めたw2で決まる、B2とC2とを最終的な座標とする。
【0070】
(11)以上で、1本目と2本目の引き出し配線が決定した。
【0071】
(12)次に、3本目の引き出し配線を決めるにあたっては、前記(2)から(10)と同様に行えばよい。ただし、斜め直線配線13の幅w3を求める計算式は、次の計算式を使う。
【0072】
【数2】
【0073】
(13)以下、これを繰り返し、順次n本目の引き出し配線まで求める。斜め直線配線1nの幅wnを求めるには、次の計算式を使う。
【0074】
【数3】
【0075】
(14)最後のn本目の引き出し配線までの座標An、Bn、En、Dnが決まると、次の計算式から、n本目の引き出し配線の配線抵抗Rを求める。
【0076】
【数4】
【0077】
(15)n本目の引き出し配線の座標Bnが全体の斜め直線配線パターンのy軸高さを決める。すなわち、1本目〜n−1本目までの引き出し配線においては、Bnに合せて端子31〜3n-1を延長する。そうすると、1本目〜n本目までの引き出し配線の配線抵抗はすべて等しくRとなる。
【0078】
(16)最後に、角度θを変数として数値計算を行い、配線抵抗Rを最小とする角度θを求める。このときの1本目〜n本目までの引き出し配線の座標A1、B1、E1、D1〜An、Bn、En、Dnまでを図形化する。
【0079】
なお、1本目の引き出し配線の座標A1、B1、E1、D1は、次の計算式により求められる。
【0080】
【数5】
【0081】
また、1本目の引き出し配線の座標A1、B1、E1、D1の詳細な計算式を次に示す。
【0082】
【数6】
【0083】
また、2本目の引き出し配線の座標A2、B2、E2、D2は、次の計算式により求められる。
【0084】
【数7】
【0085】
また、2本目の引き出し配線の座標A2、B2、E2、D2の詳細な計算式を次に示す。
【0086】
【数8】
【0087】
また、n本目の引き出し配線の座標An、Bn、En、Dnは、次の計算式により求められる。
【0088】
【数9】
【0089】
また、n本目の引き出し配線の座標An、Bn、En、Dnの詳細な計算式を次に示す。
【0090】
【数10】
【0091】
上記のようにして形成した引き出し配線では、引き出し配線の面積使用効率(配線効率)を向上することができるので、引き出し配線の長さを短くすることができるため、従来500〜1kΩあった配線抵抗を30〜40%低減することができる。また、その低減分を駆動用半導体ICチップのオン抵抗の余裕としてもたせることができるので、半導体ICチップの寸法を縮小することができる。また、引き出し配線の長さを従来より短くすることができるので、液晶表示素子の寸法を小さくすることができる。この結果、製造コストを低減することができる。さらに、配線抵抗の低減により、液晶を駆動する波形のなまりやクロストークの歪みを低減することができるため、シャドウイング(輝度むら)を低減することができ、表示品質を向上することができる。
【0092】
実施例2
図4は、本発明の実施例2の電極基板の引き出し配線部の要部平面図である。なお、図7(B)に図4の約4倍の範囲の平面図を示す。
【0093】
本実施例では、実施例1の構成に追加して、電極基板12の端部上に1列に並んで複数個設置されるTCP(図10、図11の符号10参照)との接続用の端子3群(図7(B)の符号30参照)に対応する端子3群間のスペースに、ダミー電極4が設けてある。このダミー電極4は、前記スペースを埋めるような図示のような形状、すなわち、端子3と等しいピッチで等しい幅の平行電極4aと、斜め直線電極4bとにより構成してある。斜め直線電極4bは、端子3群の最も外側の隣り合う各端子3の斜め直線配線1の間に、該斜め直線配線1と等しい角度、等しいピッチで設けてある。なお、本実施例では、ダミー電極4はITO膜からなり、電気的にはフローティングである。
【0094】
従来は、複数個設置されるTCPと接続される端子3群の間の間隔が空いているため、例えば0.2〜0.3μmと厚いITO膜からなる端子3の膜厚により、端子3のある部分とない部分とで高さの差ができ、液晶表示素子の量産時に、表示用電極2上に形成する配向膜に配向処理(ラビング)を行うラビングローラにこの形状が転写され、このラビングローラを用いて配向処理を行うと、配向膜にラビング筋むらが生じてしまい、表示品質が低下するという問題があったが、本実施例では、TCP間(端子3群間)のスペースをダミー電極4で埋めることによって、該スペースをその両側と等しい凹凸条件、すなわち、ラビング条件とすることができるので、従来のように配向膜にラビング筋むらが生じず、表示品質を向上することができる。また、TCP間のスペースにダミー電極4を設けることにより、TCP間の約0.2μmの凹部をなくすことができるので、上下両基板間のギャップを均一にすることができる。したがって、額縁部において不均一な濃淡むらがなく、均一な黒の非点灯領域を実現することができ、また、両基板間のギャップを良好に制御することができるので、色むらが生じるのを防止することができるため、表示品質を向上することができる。
【0095】
実施例3
図5は、本発明の実施例3の電極基板の引き出し配線部の要部平面図である。なお、図7(C)に図5の約4倍の範囲の平面図を示す。
【0096】
本実施例では、実施例1、2の構成に追加して、図5に示すように、完成した液晶表示素子のシール材52の内側(液晶が介在する側)で、上下電極基板の各電極が交差する部分である表示部(点灯部)の外側の非点灯部であるいわゆる額縁部における端子3どうしの間のスペースに、ダミー電極5が設けてある。なお、ダミー電極5のピッチは等しく、また、ダミー電極5とその両側の端子3との距離(両者の間隔の長さ)はそれぞれ等しく、本実施例では、隣り合う斜め直線配線1間の距離と等しい。また、本実施例では、ダミー電極5はITO膜からなり、電気的にはフローティングである。
【0097】
本実施例では、額縁部を含む部分の各端子3間のすき間にダミー電極5を設けたので、額縁部の各端子3間のすき間から光漏れが生じるのを防止することができる。また、端子3と該端子3をそのまま延長した部分の面内密度が均一となり、上下両基板間のギャップを均一にすることができる。従来は、図16に示したように、引き出し配線の斜め直線配線1が放射線状なので、斜め直線配線1間の間隔が表示用電極2から端子3に向かって狭くなるという不均一が生じ、この結果、額縁部の本来、均一な黒となるべきところに、不均一な濃淡むらができてしまうという問題があったが、本実施例では、ダミー電極4と5を設けたので、額縁部におけるギャップを均一にすることができ、この問題を解決し、額縁部を均一な黒にすることができ、表示品質を向上することができる。さらに、従来の液晶表示素子では、上下電極基板の0.2〜0.3μmと厚いITO膜からなる表示用電極2および斜め直線配線1がスペーサを支えるため、電極がない部分のスペーサはフリーとなり、ギャップ制御が効かず、また、従来の放射線状の斜め直線配線1は前述のように配線密度が均一ではないため、額縁部のギャップ変動に起因する色むらが生じるという問題があった。特に、両電極基板間の高精度のギャップ(±0.1μm)が必要なSTN−LCDでは、そのギャップを出すためのスペーサが存在する有効密度が大きく影響する。本実施例では、ダミー電極4と5を設けたので、額縁部におけるギャップを均一にすることができるので、この問題を解決し、額縁部のギャップ変動に起因する色むらが生じず、表示品質を向上することができる。
【0098】
本実施例では、ダミー電極5を電気的にはフローティングとしたが、例えば図6に示すごとく、引き出し配線の配線抵抗が他の引き出し配線と同一になるように、最小パターンの接続部5′により一点接続してもよい。
【0099】
実施例4
図8は、本発明の実施例3の引き出し配線とダミー電極とを含んでなる電極を上電極基板と下電極基板とに適用し、両基板を重ね合せて組み立てた後、さらに同一の形状のダミー電極が対向するように、前記実施例3を複製した電極パターンを設けた上電極と下電極を示す概略平面図である。
【0100】
このように、2枚の電極基板11、12のうち、一方の電極基板11、12の端部に形成した端子と引き出し配線とダミー電極を、他方の電極基板12、11の対向する面に形成したことにより、両電極基板11、12間のギャップを均一にすることができるので、額縁部を均一な黒にすることができるとともに、額縁部のギャップ変動に起因する色むらが生じず、表示品質を向上することができる。
【0101】
図9は、(A)〜(C)は、本発明が適用可能な液晶表示素子の要部平面図およびその対応する要部断面図である。
【0102】
15は上偏光板、73は位相差板、11は上電極基板、31は上電極、74は絶縁膜、21は上配向膜、50は液晶層、75はスペーサ、22は下配向膜、32は下電極、76は平坦化膜、33はカラーフィルタ、33Dはブラックマトリクス、12は下電極基板、16は下偏光板である。
【0103】
図10は、本発明が適用可能な液晶表示装置の、プリント回路基板と、駆動LSIチップを搭載したTCPと、液晶表示素子との接続状態を示す平面図である。
【0104】
以上本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。例えば、前記実施例では、単純マトリクス方式の液晶表示装置に適用した例を示したが、これに限定されず、例えば薄膜トランジスタ等をスイッチング素子とするアクティブ・マトリクス方式の液晶表示装置にも適用可能であることは言うまでもない。アクティブ・マトリクス方式の液晶表示素子に適用する場合、前記図1の表示用電極は、スイッチング素子を設ける方の基板において、走査信号線(すなわち、ゲート信号線あるいは水平信号線)または映像信号線(すなわち、ドレイン信号線あるいは垂直信号線)である。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、引き出し配線の面積使用効率が高く、短くて低抵抗の引き出し配線を有する液晶表示装置を提供することができる。また、表示部においてラビング筋むらが生じず、額縁部において不均一な濃淡むらがなく、均一な黒の非点灯領域を有し、かつ、両基板間のギャップを良好に制御することができ、色むらが生じない液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の実施例1の引き出し配線を示す電極基板の部分平面図である。
【図2】本発明の実施例1の1本目と2本目の引き出し配線の座標を計算するための詳細説明図である。
【図3】本発明の実施例1のn−1本目とn本目の引き出し配線の座標を計算するための詳細説明図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の実施例2の端子群間のすき間にダミー電極を設けた電極基板の部分平面図である。
【図5】本発明の液晶表示装置の実施例3の端子間のすき間にダミー電極をさらに設けた電極基板の部分平面図である。
【図6】ダミー電極と引き出し配線とを電気的に接続した実施例を示す図5の部分平面図である。
【図7】(A)〜(C)は、それぞれ前記実施例1〜3の約4倍の広い範囲の引き出し配線部を示す電極基板の部分平面図である。
【図8】本発明の前記実施例3の引き出し配線とダミー電極とを含んでなる電極を上電極基板と下電極基板とに適用し、両基板を重ね合せて組み立てた後、さらに同一の形状のダミー電極が対向するように、前記実施例3を複製した電極パターンを設けた上電極と下電極を示す概略平面図である。
【図9】(A)〜(C)は、本発明が適用可能な液晶表示素子の要部平面図およびその対応する要部断面図である。
【図10】本発明が適用可能な液晶表示装置の、プリント回路基板と、駆動LSIチップを搭載したTCPと、液晶表示素子との接続状態を示す平面図である。
【図11】本発明が適用可能な液晶表示モジュールの一例の分解斜視図である。
【図12】図11の液晶表示モジュールを表示部として搭載したラップトップパソコンの一例のブロックダイアグラムである。
【図13】図12のラップトップパソコンの一例の斜視図である。
【図14】液晶表示素子の一例の要部分解斜視図である。
【図15】液晶表示素子の上電極基板部の一例の一部切欠斜視図である。
【図16】従来の液晶表示装置の引き出し配線を示す部分平面図である。
【符号の説明】
11〜18…斜め直線配線、21〜28…表示用電極、31〜38…端子、12…電極基板、52…シール材、71…TCPの位置合せ用マーク、72…1個のTCPに対応する端子群の中心線。
Claims (16)
- 液晶層を挟持する基板上に、それぞれ平行に配線された複数本の電極と、前記基板の端部に引き出され、かつ、駆動素子に接続される端子と、前記各電極及び前記各端子を接続する引き出し配線とを有する液晶表示装置において、
前記電極のピッチと前記端子のピッチとが異なり、
前記引き出し配線は、前記電極に平行な部分と、前記端子に平行な部分と、前記2つの平行な部分をそれぞれ接続する斜め直線配線とを有し、
前記斜め直線配線はシール材よりも前記液晶層側にある領域においてそれぞれほぼ平行であり、
前記平行な部分の長さと、前記斜め直線配線の幅とが変化していることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記電極のピッチよりも前記端子のピッチの方が小さいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 液晶層を挟持する基板の一方に、それぞれ平行に配線された複数本の走査信号線と、スイッチング素子と、前記基板の端部に引き出され、かつ、駆動素子に接続される端子と、前記各走査信号線及び前記各端子を接続する引き出し配線とを有する液晶表示装置において、
前記走査信号線のピッチと前記端子のピッチとが異なり、
前記引き出し配線は、前記走査信号線に平行な部分と、前記端子に平行な部分と、前記2つの平行な部分をそれぞれ接続する斜め直線配線とを有し、
前記斜め直線配線はシール材よりも前記液晶層側にある領域においてそれぞれほぼ平行であり、
前記平行な部分の長さと、前記斜め直線配線の幅とが変化していることを特徴とする液晶表示装置。 - 液晶層を挟持する基板の一方に、それぞれ平行に配線された複数本の映像信号線と、スイッチング素子と、前記基板の端部に引き出され、かつ、駆動素子に接続される端子と、前記各映像信号線及び前記各端子を接続する引き出し配線とを有する液晶表示装置において、
前記映像信号線のピッチと前記端子のピッチとが異なり、
前記引き出し配線は、前記映像信号線に平行な部分と、前記端子に平行な部分と、前記2つの平行な部分をそれぞれ接続する斜め直線配線とを有し、
前記斜め直線配線はシール材よりも前記液晶層側にある領域においてそれぞれほぼ平行であり、
前記平行な部分の長さと、前記斜め直線配線の幅とが変化していることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記引き出し配線の配線抵抗がそれぞれほぼ等しいことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の液晶表示装置。
- 隣接する前記斜め直線配線どうしの間隔の長さがほぼ等しいことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の液晶表示装置。
- 各駆動素子に接続される複数個の前記端子からなる端子群が、前記端子どうしの第1の間隔より広い第2の間隔を隔てて前記基板上に配置され、隣接する前記端子群の間に第1のダミー電極を形成したことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記第1のダミー電極が、前記端子とほぼ等しいピッチおよびほぼ等しい幅で、かつ、前記端子とほぼ平行に形成した少なくとも1本のダミー平行電極を含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 前記第1のダミー電極が、隣接する前記端子群の最も外側の前記斜め直線配線の間に形成した前記斜め直線配線とほぼ平行なダミー斜め直線電極を含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 前記第1のダミー電極が、前記端子とほぼ等しいピッチおよびほぼ等しい幅で、かつ、前記端子とほぼ平行に形成した複数本のダミー平行電極と、隣接する前記端子群の最も外側の前記斜め直線配線の間に形成した両側の前記斜め直線配線とそれぞれほぼ平行な少なくとも2本のダミー斜め直線電極とからなることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 隣接する前記端子または前記端子に平行な部分との間に、第2のダミー電極を形成したことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記端子または前記端子に平行な部分と、前記第2のダミー電極とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
- 前記第2のダミー電極と、その両側の前記端子または前記端子に平行な部分との間隔の長さがそれぞれほぼ等しいことを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
- 前記第2のダミー電極と、その両側の前記端子または前記端子に平行な部分との間隔の長さがそれぞれほぼ等しく、かつ、その間隔の長さは、隣接する前記斜め直線配線どうしの間隔の長さとほぼ等しいことを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
- 前記ダミー電極が、前記端子と同一の少なくとも1層の材料層を含んでなることを特徴とする請求項7から14の何れかに記載の液晶表示装置。
- 2枚の前記基板のうち、一方の前記基板の端部に形成した前記端子と前記引き出し配線と前記ダミー電極の少なくとも一部を、他方の前記基板の対向する面に形成したことを特徴とする請求項1から15の何れかに記載の液晶表示装置。
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