JP2002169158A - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents

液晶装置及び電子機器

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JP2002169158A
JP2002169158A JP2000368933A JP2000368933A JP2002169158A JP 2002169158 A JP2002169158 A JP 2002169158A JP 2000368933 A JP2000368933 A JP 2000368933A JP 2000368933 A JP2000368933 A JP 2000368933A JP 2002169158 A JP2002169158 A JP 2002169158A
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貴友 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引き回し配線領域内における異常点灯を防止
することができ、表示品質の優れた液晶装置及びこの液
晶装置を備えた電子機器を提供する。 【解決手段】 下側基板11の表面において、信号電極
18と、シール材の外側に設けられた駆動用回路31と
を電気的に接続する引き回し配線28が形成され、少な
くともシール材より内側に位置する引き回し配線28の
延在方向と、下側基板11表面に形成された配向膜のラ
ビング方向Rとのなす角を0〜±25度、あるいは±7
5〜±90度に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶装置及び電子
機器に関し、特に、異常点灯を防止することができる液
晶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9に基づいて、パッシブマトリクス型
の液晶表示装置を例として、従来の液晶装置の構造につ
いて説明する。図9は、従来の液晶表示装置100を上
側基板側から見たときの概略平面図である。
【0003】図9に示すように、ガラスからなる下側基
板101と上側基板102とがシール材104を介して
所定間隔で貼着され、シール材104の内側には液晶層
103が封入されている。シール材104は、図9に示
すように、下側基板101、上側基板102の周縁部間
に略環状に形成されていて、その一部には液晶を注入す
るための液晶注入孔107が形成されている。液晶注入
孔107から下側基板101、上側基板102間(液晶
セル内)に液晶を注入した後、液晶注入孔107は封止
材108により封止されている。
【0004】下側基板101、上側基板102の液晶層
103側表面上には、各々信号電極105、走査電極1
06がストライプ状に形成されており、各信号電極10
5と各走査電極106とは互いに交差するように形成さ
れている。なお、液晶表示装置100においては、下側
基板101表面の電極を信号電極、上側基板102表面
の電極を走査電極としているが、これは逆であっても構
わない。
【0005】また、図面上は省略しているが、信号電極
105、走査電極106の液晶層103側表面上には配
向膜が形成されている。配向膜はポリイミドなどの配向
性高分子からなり、電界を印加しないときの液晶層10
3の配向状態に合わせて、その表面は布などを用いて所
定の方向にラビングされている。
【0006】上記構造を有する液晶表示装置100で
は、信号電極105、走査電極106が交差する部分が
画素となっており、液晶を各画素毎に外部から駆動する
方式が採用されている。
【0007】液晶表示装置100において、下側基板1
01は図示下端部が上側基板102より外側に位置し、
この部分に信号電極105に対して信号を供給する駆動
用回路109が搭載されている。また、上側基板102
の図示右端部が下側基板101より外側に位置してお
り、この部分に走査電極106に信号を供給する駆動用
回路110が搭載されている。信号電極105、走査電
極106は、それぞれ同じ基板の表面に形成された駆動
用回路109、110に図示は省略している引き回し配
線を介して電気的に接続されている。
【0008】以下に、信号電極105、走査電極106
と駆動用回路109、110とをそれぞれ電気的に接続
する引き回し配線のパターンについて説明する。信号電
極105に接続される引き回し配線のパターンと、走査
電極106に接続される引き回し配線のパターンとは同
様であるので、例として、信号電極105に接続される
引き回し配線のパターンについて説明する。
【0009】近年、液晶表示装置100の狭額縁化(非
表示領域の縮小化)に伴って、駆動用回路109の面積
は縮小化されている。そのため、図9に示すように、駆
動用回路109の幅109Wは、駆動用回路109に電
気的に接続される信号電極105の形成幅105Wより
も小さいものになっているため、信号電極105は、そ
の形成箇所によって、駆動用回路109までの距離が異
なっている。(なお、本明細書において、電極の形成幅
とは両端の電極間距離と定義する。)
【0010】したがって、信号電極105と駆動用回路
109とを接続する引き回し配線を各々ほぼ最短距離で
配設した場合には、各引き回し配線の長さが異なること
になる。このように引き回し配線の長さが均一化されて
いない場合には、各引き回し配線の抵抗が異なり、その
結果、信号電極105への信号の伝達スピードにばらつ
きが生じるため、表示ムラが生じる恐れがある。そこ
で、駆動用回路109に接続されるすべての引き回し配
線の長さを均一化することが望ましい。
【0011】図10に、下側基板101上に形成された
引き回し配線のパターンの一例を示す。図10は図9の
液晶表示装置100の下側基板101の表面において、
引き回し配線が形成された領域(以下、「引き回し配線
領域」と称する。)の近傍を示す図であり、図10にお
いて、図9と同じ構成要素には同じ参照符号を付してい
る。ただし、図10と図9とは異なる縮尺で示してい
る。また、図10において、引き回し配線を符号205
で示している。
【0012】図10に示すように、信号電極105と駆
動用回路109との距離が最も長い両端の信号電極10
5に接続される両端の引き回し配線205については最
短距離で信号電極205と駆動用回路109とを直線状
に接続させている。これに対して、両端の引き回し配線
205以外のすべての引き回し配線205については、
その長さが両端の引き回し配線205の長さとほぼ等し
くなるように、直線状にあるいはく字状に折り曲げて所
定のパターンで配設している。このような配線構造を採
用することにより、すべての引き回し配線205の長さ
を均一化することができるので、液晶表示装置100の
表示ムラを防止することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、すべての引き回し配線の長さを均一化した場
合には、すべての引き回し配線をほぼ最短距離で配設す
る場合に比較して、引き回し配線の長さが全体的に長く
なるため、引き回し配線の配線間隔が狭くなる。そのた
め、隣接する引き回し配線間に横電界が発生する場合が
あり、隣接する引き回し配線間に横電界が発生した場合
には、発生した横電界が液晶分子に影響を与え、引き回
し配線領域内において異常点灯が生じることがある。こ
の問題は、特に、電極及び引き回し配線の数が多い高精
細な液晶表示装置において顕著となっている。
【0014】引き回し配線が配設されるのは非表示領域
であるが、表示領域外であっても異常点灯が生じた場合
には、表示領域内に影響を与える恐れがある。例えば、
表示領域外で点灯してはいけない箇所が点灯した場合、
その近くの表示領域まで白く表示されることがある。
【0015】以上の問題は、引き回し配線の長さを均一
化した場合において顕著な問題であるが、いかなるパタ
ーンの引き回し配線を具備する液晶装置においても生じ
る問題である。
【0016】また、上記の問題は、2枚の基板上にそれ
ぞれ駆動用回路を実装する液晶装置に限った問題ではな
く、一方の基板にのみ駆動用回路を実装し、駆動用回路
が設けられていない基板の電極についても、一方の基板
に設けられた駆動用回路によって駆動するいわゆる上下
導通型の液晶装置においても生じる問題である。
【0017】また、上記の問題は、パッシブマトリクス
型の液晶表示装置に限った問題ではなく、TFD(Thin
-Film Diode)素子に代表される2端子型素子やTFT
(Thin-Film Transistor)素子に代表される3端子型素
子を用いるアクティブマトリクス型の液晶装置など、い
かなる構造の液晶装置においても生じる問題である。
【0018】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、引き回し配線領域内における異常点灯を防
止することができ、表示品質の優れた液晶装置及びこの
液晶装置を備えた電子機器を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく種々検討を行った結果、(1)引き回し配線
の延在方向と配向膜のラビング方向とのなす角がある範
囲内である場合に、液晶分子が隣接する引き回し配線間
に生じた横電界の影響を受けて、引き回し配線領域内に
おいて異常点灯が発生すること、(2)パッシブマトリ
クス型の液晶装置においては特に信号電極側の基板にお
いて異常点灯が生じることを見出し、これらの点に着目
して本発明を完成した。
【0020】本発明の液晶装置は、液晶層を挟持して対
向配置され、前記液晶層側表面に、少なくとも所定のパ
ターンの導電部と、所定の方向にラビングされた配向膜
とを具備する一対の基板がシール材を介して貼着されて
なる液晶装置であって、前記一対の基板のうち少なくと
も一方の基板の表面において、前記シール材より内側の
領域に、前記導電部に接続された引き回し配線が設けら
れ、前記シール材より内側に位置する前記引き回し配線
の延在方向と前記配向膜のラビング方向とのなす角が0
〜±25度、あるいは±75〜±90度とされたことを
特徴とする。
【0021】本発明者は、このように少なくとも一方の
基板の表面において、シール材より内側に位置する引き
回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向とのなす角
を0〜±25度、あるいは±75〜±90度に設定する
ことにより、引き回し配線領域内における異常点灯を防
止することができ、表示品質の優れた液晶装置を提供す
ることができることを見出した。
【0022】なお、引き回し配線の延在方向は引き回し
配線の配線パターンによって、1本の引き回し配線に対
して単数あるいは複数存在する。例えば、引き回し配線
をくの字状に折り曲げて配設した場合、折り曲げた部分
を境に引き回し配線の延在方向は2種類存在する。さら
に、引き回し配線ごとにそのパターンは異なるので、一
方の基板の表面において、導電部に電気的に接続される
引き回し配線の延在方向は複数存在する。
【0023】したがって、本発明の液晶装置において、
「基板の表面において、シール材より内側に位置する引
き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向とのなす
角を0〜±25度、あるいは±75〜±90度に設定す
る」とは、より詳細には、「基板の表面において、引き
回し配線の延在方向は複数存在するが、いずれの延在方
向についてもシール材より内側に位置するものについて
は、配向膜のラビング方向とのなす角を0〜±25度、
あるいは±75〜±90度に設定する」ことを意味して
いる。
【0024】また、本発明の液晶装置において、「導電
部」とは、具体的にはパッシブマトリクス型の液晶装置
における走査電極、信号電極等の電極、もしくはアクテ
ィブマトリクス型の液晶装置における走査線、データ線
等の配線のことを指す。なお、少なくとも一方の基板の
表面において、シール材より内側に位置する引き回し配
線の延在方向と配向膜のラビング方向とのなす角を0〜
±25度、あるいは±75〜±90度に設定することに
より、引き回し配線領域内における異常点灯を防止する
ことができる理由については実施例において詳細に説明
する。
【0025】また、本発明者の研究により、パッシブマ
トリクス型の液晶装置においては、特に信号電極側で異
常点灯が発生しやすいことが判明したため、一対の基板
の表面に形成された導電部がそれぞれ信号電極と走査電
極であるであるパッシブマトリクス型の液晶装置におい
ては、一対の基板のうち、少なくとも信号電極が形成さ
れた側の基板の表面において、シール材より内側に位置
する引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向と
のなす角を0〜±25度、あるいは±75〜±90度に
設定することが望ましい。
【0026】なお、パッシブマトリクス型の液晶装置に
おいて走査電極側よりも信号電極側の基板で異常点灯が
発生しやすい理由としては、走査電極に印加する電圧は
一定であるのに対し、信号電極に印加する電圧は所定の
波形を有するものであるため、この波形によって隣接す
る引き回し配線間に生じる横電界が乱れ、液晶分子に影
響を与えるためと考えられる。
【0027】また、以上の本発明の液晶装置を備えるこ
とにより、異常点灯を防止することができ、表示品質の
優れた電子機器を提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態につ
いて詳細に説明する。 [第1実施形態]図1〜図4に基づいて、パッシブマト
リクス型の反射型カラー液晶表示装置を例として、本発
明に係る第1実施形態の液晶装置の構造について説明す
る。図1は、本実施形態の液晶表示装置10を上側基板
側から見たときの概略平面図、図2は、液晶表示装置1
0を図1のA−A’線に沿って切断したときの概略断面
図、図3は、引き回し配線の配線パターンの一例を示す
概略平面図である。本実施形態の液晶表示装置10にお
いて、引き回し配線の配線パターンと配向膜のラビング
方向との関係が特徴的なものとなっている。
【0029】はじめに、図1に基づいて、液晶表示装置
10の平面構造の概略について簡単に説明する。
【0030】図1に示すように、ガラス等からなる下側
基板11と上側基板12とがシール材14を介して所定
間隔で貼着され、シール材14の内側には液晶層13が
封入されている。シール材14は、図1に示すように、
下側基板11、上側基板12の周縁部間に略環状に形成
されていて、その一部には液晶を注入するための液晶注
入孔22が形成されている。液晶注入孔22から下側基
板11、上側基板12間(液晶セル内)に液晶を注入し
た後、液晶注入孔22は封止材23により封止されてい
る。
【0031】下側基板11、上側基板12の液晶層13
側表面上には、各々複数のインジウム錫酸化物などから
なる信号電極(導電部)18、走査電極(導電部)19
が形成されており、信号電極18、走査電極19間に所
定の電圧を印加することにより、液晶の配向状態を変化
させ、これを光学的に識別することにより、表示するこ
とが可能な構造になっている。
【0032】図1に示すように、信号電極18、走査電
極19はいずれもストライプ状に形成されており、か
つ、各信号電極18と各走査電極19とは互いに交差す
るように形成されている。なお、本実施形態において
は、下側基板11表面に形成された電極を信号電極と
し、上側基板12表面に形成された電極を走査電極とし
ているが、これは逆であってもかまわない。
【0033】液晶表示装置10において、信号電極1
8、走査電極19が交差する部分が画素となっており、
液晶を各画素毎に外部から駆動する方式が採用されてい
る。図1には例として、液晶を外部から駆動する手段と
して、各基板上の非表示領域を互いに対向する基板の外
側に張り出させ、その領域に各基板の電極に対して信号
を供給する駆動用回路をそれぞれ実装し、各駆動用回路
と各透明電極とを引き回し配線を用いて電気的に接続す
る構成を採用した場合について図示している。また、例
として、駆動用回路の実装方法として、チップ部品をガ
ラス基板上に実装する、いわゆるCOG(Chip On Glas
s)実装と呼ばれる実装方法を採用した場合について図
示している。
【0034】すなわち、液晶表示装置10においては、
下側基板11は図示下端部が上側基板12より外側に位
置し、この部分に信号電極18に対して信号を供給する
駆動用回路31が直接搭載されている。また、上側基板
12の図示右端部が下側基板11より外側に位置してお
り、この部分に走査電極19に信号を供給する駆動用回
路32が直接搭載されている。信号電極18、走査電極
19は、それぞれ同じ基板の表面に形成された駆動用回
路31、32に図示は省略している引き回し配線を介し
て電気的に接続されている。なお、本実施形態における
引き回し配線の配線パターンについては後述する。
【0035】次に、図2に基づいて、液晶表示装置10
の断面構造について説明する。図2に示すように、下側
基板11の液晶層13側表面上には、反射層15、カラ
ーフィルター16、平坦化膜17、信号電極18、配向
膜20が順次積層形成されている。一方、上側基板12
の液晶層13側表面上には走査電極19と配向膜21と
が順次積層形成されている。また、液晶層13内には液
晶セルのセルギャップを均一化するために、二酸化珪
素、ポリスチレン等からなる多数の球状のスペーサー2
4が配置されている。また、上側基板12の外側には偏
光板、位相差板などの光学素子が設けられているが、図
面上は省略している。
【0036】反射層15は光を反射する銀やアルミニウ
ムなどからなり、上側基板12側(観察者側)から入射
した太陽光などの外光が液晶層13を透過し、反射層1
5で反射されて、再び液晶層13、上側基板12を透過
して外部に出射され、表示することが可能な構造になっ
ている。
【0037】カラーフィルター16は赤(R)、緑
(G)、青(B)の着色層16aと隣接する着色層16
a間を遮光する遮光層(ブラックマトリクス)16bと
からなっている。液晶表示装置10において、信号電極
18と走査電極19とが交差する部分が画素になってお
り、各画素に対応して、赤、緑、青の着色層16aのう
ちいずれかの着色層が配置され、赤、緑、青を表示する
3つの画素で1つの表示が可能になっている。平坦化膜
17は有機膜などからなり、カラーフィルター16を形
成した下側基板11の表面を平坦化するために設けられ
ている。
【0038】信号電極18の一方の端部は、信号電極1
8と同じ材料あるいは信号電極18よりも低抵抗なニッ
ケル、銅などからなる引き回し配線28に電気的に接続
されている。引き回し配線28はシール材14の外側に
まで延出形成されており、信号電極18は引き回し配線
28を介してシール材14の外側に設けられた駆動用回
路31(図2においては省略)に電気的に接続されてい
る。走査電極19についても同様に、図示は省略してい
るが、引き回し配線を介してシール材14の外側に設け
られた駆動用回路32に電気的に接続されている。
【0039】配向膜20、21は、ポリイミドなどの配
向性高分子からなり、電界を印加しないときの液晶層1
3の配向状態に合わせて、その表面は布などを用いて所
定の方向にラビングされている。
【0040】ここで、本実施形態の液晶表示装置10に
おける引き回し配線のパターンについて説明する。信号
電極18に接続される引き回し配線28と、走査電極1
9に接続される引き回し配線のパターンは同様であるの
で、信号電極18に接続される引き回し配線28の配線
パターンについて説明する。
【0041】液晶表示装置10の狭額縁化(非表示領域
の縮小化)を図るために、駆動用回路31の面積は縮小
化されており、図1に示すように、駆動用回路31の幅
31Wは、駆動用回路31に電気的に接続される信号電
極18の形成幅18Wよりも小さいものになっている。
そのため、信号電極18は、その形成箇所によって、駆
動用回路31までの距離が異なっているが、すべての引
き回し配線28の抵抗を均一化し、液晶表示装置10の
表示ムラを防止するために、引き回し配線28の長さを
均一化することが望ましい。
【0042】図3に、下側基板11上に形成された引き
回し配線28の長さを均一化した場合の、引き回し配線
28の配線パターンの一例を示す。図3は図1の液晶表
示装置10の下側基板11の表面において、引き回し配
線28が形成された領域の近傍を示す図である。図3に
おいて、図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して
いる。ただし、図1と図3とは異なる縮尺で示してい
る。また、図3において、上側基板12の輪郭を2点鎖
線で示している。また、図示は省略しているが、図3に
おいて、シール材14は上側基板12の輪郭と信号電極
18の引き回し配線28側の端部との間に位置してい
る。
【0043】図3においては、例として、17本の信号
電極18及び引き回し配線28についてのみ図示してい
るが、実際には表示画素数に対応させて、数10〜数1
000本の信号電極18及び引き回し配線28が形成さ
れる。
【0044】図3に示すように、信号電極18と駆動用
回路31との距離が最も長い両端の信号電極18に接続
される両端の引き回し配線28については最短距離で信
号電極18と駆動用回路31とを直線状に接続させてい
る。一方、両端の引き回し配線28以外のすべての引き
回し配線28については、その長さが両端の引き回し配
線28の長さとほぼ等しくなるように、直線状にあるい
はく字状に折り曲げて所定のパターンで配設している。
このような配線構造を採用することにより、すべての引
き回し配線28の長さを均一化することができるので、
液晶表示装置10の表示ムラを防止することができる。
【0045】以下に、本実施形態の液晶表示装置10に
おける引き回し配線28の延在方向について説明する。
【0046】引き回し配線28の延在方向は引き回し配
線28の配線パターンによって、1本の引き回し配線2
8に対して単数あるいは複数存在する。例えば、く字状
に折り曲げられて配設された引き回し配線28では折り
曲げられた部分を境に引き回し配線28の延在方向は2
種類存在する。さらに、図3に示すように、引き回し配
線28ごとにその配線パターンは異なるので、下側基板
11の表面において、信号電極18に電気的に接続され
る引き回し配線28の延在方向は複数存在する。
【0047】図3に示す引き回し配線28の配線パター
ンにおいては、引き回し配線28の延在方向は合計3種
類存在し、引き回し配線28が形成された領域は、同じ
延在方向を有する引き回し配線28のみが存在する3つ
の引き回し配線領域41、42、43に分割することが
できる。すなわち、引き回し配線領域41、42、43
において、同一引き回し配線領域に属する引き回し配線
28はすべて平行に配設されているが、異なる引き回し
配線領域に属する引き回し配線28は非平行になってい
る。
【0048】各引き回し配線領域41、42、43にお
ける引き回し配線28の延在方向を規定するために、信
号電極18の延在方向に対して垂直な直線を基準線とす
る。図3では、基準線として、信号電極18の引き回し
配線28側の端部を通り、信号電極18に対して垂直な
直線Lを表示している。基準線Lと引き回し配線28の
延在方向とのなす角は、引き回し配線領域41、42、
43において、それぞれθ1、θ2、θ3となってい
る。なお、基準線Lと引き回し配線28の延在方向との
なす角θ1、θ2、θ3は、基準線Lから時計回り方向
をプラス、反時計回り方向をマイナスとする。したがっ
て、図3においては基準線Lと引き回し配線28の延在
方向とのなす角θ1、θ2、θ3は、いずれもプラスの
値となっている。
【0049】一方、下側基板11表面に形成された配向
膜20のラビング方向Rは例えば図3に示すようになっ
ており、配向膜20のラビング方向Rと基準線Lとのな
す角はφとなっている。基準線Lと配向膜20のラビン
グ方向Rとのなす角は、基準線Lと引き回し配線28の
延在方向とのなす角と同様、基準線Lから時計回り方向
をプラス、反時計回り方向をマイナスとする。したがっ
て、図3においては配向膜20のラビング方向Rと基準
線Lとのなす角φはマイナスの値となっている。
【0050】各引き回し配線領域41、42、43にお
いて、引き回し配線28の延在方向と配向膜20のラビ
ング方向Rとのなす角は、それぞれθ1−φ、θ2−
φ、θ3−φとなっており、本実施形態において、いず
れの引き回し配線領域41、42、43においても引き
回し配線28の延在方向と配向膜20のラビング方向R
とのなす角θ1−φ、θ2−φ、θ3−φは、0〜±2
5度、あるいは±75〜±90度に設定されている。
【0051】なお、本実施形態においては、下側基板1
1上において、すべての引き回し配線28の延在方向と
配向膜20のラビング方向Rとのなす角θ1−φ、θ2
−φ、θ3−φを0〜±25度、あるいは±75〜±9
0度に設定する構成としたが、本発明はこれに限定され
るものではなく、少なくともシール材14(図3では図
示略)より内側に位置する引き回し配線28について上
記のように規定されていればよい。
【0052】本実施形態において、上側基板12側の引
き回し配線の配線パターンは下側基板11側の引き回し
配線28の配線パターンと同様であり、上側基板12側
についても走査電極19に接続される引き回し配線のう
ち、少なくともシール材14より内側に位置する引き回
し配線の延在方向と上側基板12表面の配向膜21のラ
ビング方向とのなす角が0〜±25度、あるいは±75
〜±90度に設定されている。
【0053】ただし、上側基板についてはこのように引
き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向との関係
を特に規定しなくてもよい。すなわち、少なくとも信号
電極が設けられた側の下側基板の表面において、少なく
ともシール材より内側に位置する引き回し配線の延在方
向と同じ基板表面に設けられた配向膜のラビング方向と
のなす角を0〜±25度、あるいは±75〜±90度に
設定すればよい。
【0054】本実施形態によれば、このように、少なく
とも信号電極が設けられた側の下側基板の表面におい
て、少なくともシール材より内側に位置する引き回し配
線の延在方向と同じ基板表面に設けられた配向膜のラビ
ング方向とのなす角を0〜±25度、あるいは±75〜
±90度に設定することにより、引き回し配線領域内に
おける異常放電を防止することができ、表示品質の優れ
た液晶表示装置を提供することができる。
【0055】以上、第1実施形態においては、2枚の基
板上にそれぞれ駆動用回路を実装する液晶装置について
のみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、一方の基板にのみ駆動用回路を実装し、駆動用回路
が設けられていない基板の電極についても、一方の基板
に設けられた駆動用回路によって駆動するいわゆる上下
導通型の液晶表示装置においても適用することができ
る。
【0056】次に、第2実施形態において、本発明を上
下導通型の液晶装置に適用した例について説明する。
【0057】[第2実施形態]図4、図5に基づいて、
本発明に係る第2実施形態の液晶装置の構造について説
明する。本実施形態の液晶装置は、第1実施形態のパッ
シブマトリクス型のカラー反射型液晶表示装置を上下導
通型の液晶表示装置に適用した例である。したがって、
本実施形態のカラー反射型液晶表示装置の断面構造は第
1実施形態と同様であり、本実施形態の液晶表示装置が
第1実施形態と大きく異なる点は、下側基板11と上側
基板12表面に形成された引き回し配線の配線パターン
及び駆動用回路の形成位置のみである。したがって、本
実施形態の液晶表示装置において、第1実施形態と同じ
構成要素については同じ参照符号を付し、説明を省略す
る。
【0058】図4は、本実施形態の液晶表示装置50の
下側基板を液晶層側から見たときの概略平面図、図5
は、本実施形態の液晶表示装置50の上側基板を液晶層
側から見たときの概略平面図である。図4、図5におい
て、同じ構成要素については同じ参照符号を付してい
る。また、図4、図5において、符号51が下側基板、
符号52が上側基板を示している。また、図4には2点
鎖線でシール材14を表示しているが、図5においては
シール材14の表示を省略している。
【0059】第1実施形態においては、下側基板、上側
基板の両方が対向する基板より外側に位置する部分を有
し、この部分にそれぞれ駆動用回路が設けられたのに対
し、本実施形態においては下側基板のみが対向する基板
より外側に位置する部分を有しており、下側基板にのみ
駆動用回路が設けられている。なお、本実施形態におい
ても第1実施形態と同様に、下側基板側の電極を信号電
極、上側基板側の電極を走査電極とするが、これは逆で
あっても構わない。
【0060】すなわち、図4、図5に示すように、下側
基板51の図示下端部が上側基板52より外側に位置
し、この部分に下側基板51表面の信号電極18に信号
を提供するための駆動用回路61と、上側基板52表面
の走査電極19に信号を提供するための駆動用回路62
とが設けられている。
【0061】図4に示すように、下側基板51表面にお
いて、信号電極18は第1実施形態と同様に、引き回し
配線28を介して駆動用回路61に電気的に接続されて
いる。
【0062】一方、上側基板52表面の走査電極19の
一方の端部は、引き回し配線29Aを介して、上側基板
52と下側基板51との間に設けられた導通部材63に
電気的に接続されている。導通部材63は図4に示すよ
うに、シール材14の内部に形成されており、シール材
14の内部に導電性を有する粒子を埋設するなどして導
通部材63は形成されている。また、図4に示すよう
に、下側基板51表面において、導通部材63は引き回
し配線29Bを介して駆動用回路62に電気的に接続さ
れている。
【0063】すなわち、上側基板52表面の走査電極1
9は、上側基板52表面の引き回し配線29Aと、下側
基板51、上側基板52間に設けられた導通部材63
と、下側基板51表面の引き回し配線29Bとを介して
駆動用回路62に電気的に接続されている。なお、図5
に示すように、引き回し配線29Aは上側基板52表面
において、図示左側と右側の2箇所に形成されているた
め、これに対応して、導通部材63、引き回し配線29
B、駆動用回路62も2箇所に設けられている。
【0064】また、図5では、図示上半分の走査電極1
9に接続される引き回し配線29Aを図示左側に配設
し、図示下半分の走査電極19に接続される引き回し配
線29Aを図示右側に配設しているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、引き回し配線29Aを左側、
右側、左側・・・と交互に配設したり、すべての引き回
し配線29Aを片側にのみ配設してもよい。また、本実
施形態においては導通部材63をシール材14の内部に
設ける構成としたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、シール材14と独立して導通部材63を設ける
構成としても良い。
【0065】本実施形態では、図4、図5に示すよう
に、第1実施形態と異なり、引き回し配線28あるいは
29Aの長さ(抵抗)を均一化せずに、引き回し配線2
8あるいは29Aを配設した場合について図示している
が、本発明はこれに限定されるものではなく、第1実施
形態と同様に、引き回し配線28あるいは29Aの長さ
(抵抗)が均一化されるように、所定のパターンで配設
しても良い。
【0066】本発明は、このような上下導通型の液晶表
示装置にも適用することができ、少なくとも信号電極が
設けられた下側基板の表面において、少なくともシール
材より内側に位置する引き回し配線の延在方向と同じ基
板表面に設けられた配向膜のラビング方向とのなす角を
0〜±25度、あるいは±75〜±90度に設定するこ
とにより、引き回し配線領域内における異常放電を防止
することができ、表示品質の優れた液晶表示装置を提供
することができる。
【0067】以上、第1、第2実施形態においては反射
型カラー液晶表示装置についてのみ説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、白黒表示の液晶表示
装置や透過型、反射半透過型の液晶装置にも適用するこ
とができる。また、本実施形態においてはパッシブマト
リクス型の液晶表示装置についてのみ説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、TFD(Thin-Fil
m Diode)素子に代表される2端子型素子やTFT(Thi
n-Film Transistor)素子に代表される3端子型素子を
用いるアクティブマトリクス型の液晶装置にも適用する
ことができ、いかなる構造の液晶装置にも適用すること
ができる。
【0068】[電子機器]次に、上記第1、第2実施形
態の液晶表示装置10、50を備えた電子機器の具体例
について説明する。
【0069】図6(a)は携帯電話の一例を示した斜視
図である。図6(a)において、300は携帯電話本体
を示し、301は上記の液晶表示装置10、50を備え
た液晶表示部を示している。
【0070】図6(b)はワープロ、パソコンなどの携
帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図6
(b)において、400は情報処理装置、401はキー
ボードなどの入力部、403は情報処理本体、402は
上記の液晶表示装置10、50を備えた液晶表示部を示
している。
【0071】図6(c)は腕時計型電子機器の一例を示
した斜視図である。図6(c)において、500は時計
本体を示し、501は上記の液晶表示装置10、50を
備えた液晶表示部を示している。
【0072】図6(a)〜(c)に示すそれぞれの電子
機器は、上記の液晶表示装置10、50を備えたもので
あるので、表示品質が優れたものとなる。
【0073】
【実施例】次に、本発明に係る実施例について詳細に説
明する。
【0074】(実施例1〜4、比較例1、2)信号電極
側の基板の引き回し配線の配線パターンと配向膜のラビ
ング方向を変えて、それ以外の条件を同一条件としてパ
ッシブマトリクス型の液晶パネルを製造した。第1実施
形態において図3で示したように、引き回し配線領域を
3つの引き回し配線領域に分割し、各引き回し配線領域
における引き回し配線の延在方向と基準線とのなす角を
変えて引き回し配線を形成した。
【0075】表1に実施例1〜4、比較例1、2の各引
き回し配線領域における、基準線と引き回し配線の延在
方向とのなす角(θ)、基準線と配向膜のラビング方向
とのなす角(φ)、引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とのなす角(θ−φ)、及び各引き回し配
線領域において異常点灯試験を行ったときの判定結果を
示す。
【0076】なお、基準線、及び基準線と引き回し配線
の延在方向とのなす角(θ)、基準線と配向膜のラビン
グ方向とのなす角(φ)、引き回し配線の延在方向と配
向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)については、
第1実施形態と同様に規定したので説明は省略する。
【0077】また、表1において、引き回し配線の延在
方向と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)が−
90度未満、あるいは90度より大きくなった場合に
は、それぞれ、‘θ−φ+180’、‘θ−φ−18
0’をθ−φとした。ただし、180を足す前、あるい
は引く前のθ−φの生データを()内に記載した。
【0078】また、図7に、実施例1〜4、比較例1、
2において得られた引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とのなす角(θ−φ)と判定結果との関係
を示す。なお、図7において、引き回し配線の延在方向
と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)が−90
度〜90度の範囲外であっても±90度近傍の値(具体
的には±90〜±95度の範囲内のデータ)については
合わせて表示している。また、図7において、●印が生
データを示している。
【0079】(異常点灯試験の内容及び試験結果の判定
基準)ここで、実施例1〜4、比較例1、2において行
った異常点灯試験の内容及び試験結果の判定方法につい
て説明する。
【0080】<異常点灯試験の内容>実施例1〜4、比
較例1、2において作成した各液晶パネルを実装し、電
荷を加えて全面緑表示になるように点灯し、各引き回し
配線領域の異常点灯を目視にて観察した。
【0081】<判定基準>以下の判定基準に基づいて試
験結果の判定を行った。なお、判定結果が3以上であっ
た引き回し配線領域を異常点灯が防止され、表示品質の
優れた領域と判断し、すべての引き回し配線領域におい
て、判定結果が3以上であった液晶パネルを異常点灯が
防止され、表示品質の優れたものであると判断した。 5:良好 目視にて異常点灯が全く観察されなかっ
た。 4:良 目視にてうすく異常点灯が観察された。 3:可 目視にてわずかに異常点灯が観察された。 2:不可 目視にて異常点灯が観察された。 1:NG 目視にてはっきりと異常点灯が観察され
た。
【表1】
【0082】(結果)図7において、●印に示すよう
に、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向と
のなす角(θ−φ)と異常点灯との間には所定の関係が
あり、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向
とのなす角(θ−φ)は絶対値が同じであれば同じ判定
結果になることが判明した。
【0083】そこで、図7には、引き回し配線の延在方
向と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)におい
て、α度(ただし、−90≦α≦90)のデータがあっ
て、−α度のデータがないものについては、−α度のと
ころにα度と同じ判定結果を◇印でプロットした。
【0084】図7に示すように、引き回し配線の延在方
向と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)が0度
を含む所定の範囲内である場合、すなわち、引き回し配
線の延在方向と配向膜のラビング方向とが略平行関係に
ある場合に判定が5となり、最も異常点灯が発生しにく
く、一方、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング
方向とのなす角(θ−φ)が±約45度である場合に判
定が1となり、最も異常点灯が発生しやすいことが判明
した。
【0085】より詳細には、引き回し配線の延在方向と
配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)は0〜±約
17度の範囲内で判定結果が5となった。
【0086】また、引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とのなす角(θ−φ)が0〜±約45度の
範囲内では、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビン
グ方向とのなす角(θ−φ)が0〜±約17度から外れ
るに従って、異常点灯が起こりやすくなり、引き回し配
線の延在方向と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−
φ)が±約25度、±約30度、±約45度において、
それぞれ判定結果が3、2、1となった。なお、引き回
し配線の延在方向と配向膜のラビング方向とのなす角
(θ−φ)が±約25度の判定結果については実際のデ
ータはなく、図7のグラフから判断した。
【0087】また、引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とのなす角(θ−φ)が±約45〜±約7
5度の範囲内では、引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とのなす角(θ−φ)が±約45度より外
れ、±約75度に近づくにつれて異常点灯の発生が抑制
され、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向
とのなす角(θ−φ)が±約45度、±約60度、±約
75において、それぞれ判定結果が1、2、3となっ
た。
【0088】また、引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とのなす角(θ−φ)が±約75〜±約9
0度の範囲内では、判定結果に変化はなく、判定結果は
3であった。なお、図7に示すように、引き回し配線の
延在方向と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)
が±約75〜±約90度の範囲内では、引き回し配線の
延在方向と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)
が0〜±約17度の範囲内である場合よりは異常点灯が
やや発生しやすいという結果になった。
【0089】図7に示す結果から、引き回し配線の延在
方向と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)を0
〜±25度、あるいは±75〜±90度とすることによ
って、3以上の判定結果を得ることができ、製品として
問題がない程度に異常点灯を防止することができること
が判明した。
【0090】したがって、引き回し配線の延在方向と配
向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)をすべて、0
〜±25度、あるいは±75〜±90度に設定した実施
例1〜4では、すべての引き回し配線領域において異常
点灯が防止され、表示品質の優れた液晶パネルが得られ
た。これに対して、一部の引き回し配線領域において、
引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向とのな
す角(θ−φ)を±25度より大きく±75度未満に設
定した比較例1、2では一部の引き回し配線領域で異常
点灯が発生し、表示品質の優れた液晶パネルが得られな
かった。
【0091】(考察)ここで、引き回し配線の延在方向
と配向膜のラビング方向とのなす角(θ−φ)が0〜±
約17度(すなわち、引き回し配線の延在方向と配向膜
のラビング方向が略平行関係にあるとき)に異常点灯が
最も起こりにくく、±約45度のときに異常点灯が最も
起こりやすく、±約75〜±約90度のとき(すなわ
ち、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向が
略垂直関係にあるとき)に異常点灯がやや起こりやすい
という理由について考察する。
【0092】はじめに図8に基づいて、引き回し配線の
延在方向と配向膜のラビング方向が略平行関係及び略垂
直関係にある場合について説明する。図8において、符
号70は引き回し配線、符号80は液晶分子、符号90
は横電界の電界方向を示している。
【0093】図8(a)は引き回し配線の延在方向と配
向膜のラビング方向とが略平行関係にある場合を示す断
面図、図8(b)は引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とが略垂直関係にある場合を示す断面図で
ある。なお、図8(a)、(b)は引き回し配線の延在
方向に対して垂直方向に切断したときの断面図を示して
いる。また、図8(a)において、液晶分子は紙面に対
して垂直方向に配向している様子を示している。また、
いずれの場合においても、横電界は、隣接する引き回し
配線の表面間に弧状に発生する。
【0094】図8(a)に示すように、引き回し配線の
延在方向と配向膜のラビング方向とが略平行関係にある
場合には、液晶分子80は引き回し配線70の延在方向
に対して略平行方向(紙面に対して略垂直方向)に配向
する。したがって、横電界の電界方向90と、液晶分子
80の配向方向とは、約90度ずれた面上に存在し、隣
接する引き回し配線70間に横電界が発生しても、液晶
分子80のチルト角は横電界の影響を受けにくいと考え
られる。また、引き回し配線70間に発生する横電界は
微少であり、液晶分子80を電界方向90に沿うよう
に、約90度ツイストさせるまでには到らないと考えら
れる。
【0095】このように、引き回し配線の延在方向と配
向膜のラビング方向とが略平行関係にある場合には、液
晶分子のチルト角とツイスト角のいずれもが横電界の影
響を受けにくいため、異常放電が発生しにくいと考えら
れる。
【0096】これに対して、図8(b)に示すように、
引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向とが略
垂直関係にある場合において、横電界の影響がないとき
には、液晶分子80は引き回し配線70の延在方向に対
して略垂直方向(図示左右方向)に所定のチルト角をも
って配向する。しかしながら、横電界の電界方向90
と、液晶分子80の配向方向とがほぼ同一面上に存在す
るため、横電界が発生した箇所において、液晶分子80
は横電界の電界方向90の影響を受けて、弧状の電界方
向90に沿ってチルト角が変化し、光学変化が発生する
と考えられる。
【0097】このように、引き回し配線の延在方向と配
向膜のラビング方向とが略垂直関係にある場合には、液
晶分子のチルト角が横電界の影響を受けるため、異常放
電がやや発生しやすいと考えられる。
【0098】次に、引き回し配線の延在方向と配向膜の
ラビング方向とのなす角が±約45度である場合につい
て説明する。引き回し配線の延在方向と配向膜のラビン
グ方向とのなす角が±約45度である場合には、横電界
の電界方向と、液晶分子の配向方向とは、約45度ずれ
た面上に存在し、横電界の液晶分子のチルト角への影響
は、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向と
が略垂直関係である場合と、略平行関係である場合の中
間であり、液晶分子のチルト角は横電界の影響を受けて
変化すると考えられる。また、隣接する引き回し配線間
に発生する横電界は微少であるが、液晶分子を電界方向
に沿うように、約45度ツイストさせることができる程
度と考えられる。
【0099】このように、引き回し配線の延在方向と配
向膜のラビング方向とのなす角が±約45度である場合
においては、液晶分子のチルト角とツイスト角の両方が
横電界の影響を受けて変化するため、最も異常点灯が発
生しやすくなると考えられる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、少
なくとも一方の基板の表面において、シール材より内側
に位置する引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング
方向とのなす角を0〜±25度、あるいは±75〜±9
0度に設定することにより、異常点灯を防止することが
でき、表示品質の優れた液晶装置を提供することができ
る。
【0101】また、パッシブマトリクス型の液晶装置に
おいては特に信号電極側で異常点灯が発生しやすいた
め、少なくとも信号電極が形成された側の基板の表面に
おいて、シール材より内側に位置する引き回し配線の延
在方向と配向膜のラビング方向とのなす角を0〜±25
度、あるいは±75〜±90度に設定することが望まし
い。
【0102】また、本発明の液晶装置を備えることによ
り、異常点灯を防止することができ、表示品質の優れた
電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る第1実施形態の液晶表
示装置の構造を示す概略平面図である。
【図2】 図2は、本発明に係る第1実施形態の液晶表
示装置の構造を示す概略断面図である。
【図3】 図3は、本発明に係る第1実施形態の液晶表
示装置において、引き回し配線の配線パターンの一例を
示す図である。
【図4】 図4は、本発明に係る第2実施形態の液晶表
示装置の下側基板の構造を示す概略平面図である。
【図5】 図5は、本発明に係る第2実施形態の液晶表
示装置の上側基板の構造を示す概略平面図である。
【図6】 図6(a)は上記実施形態の液晶表示装置を
備えた携帯電話の一例を示す図、図6(b)は上記実施
形態の液晶表示装置を備えた携帯型情報処理装置の一例
を示す図、図6(c)は上記実施形態の液晶表示装置を
備えた腕時計型電子機器の一例を示す図である。
【図7】 図7は、本発明に係る実施例及び比較例にお
いて、引き回し配線の延在方向と配向膜のラビング方向
とのなす角と判定結果との関係を示す図である。
【図8】 図8(a)、(b)は、引き回し配線の延在
方向と配向膜のラビング方向とのなす角が液晶分子に与
える影響を考察するための図である。
【図9】 図9は、従来の液晶表示装置の構造を示す概
略平面図である。
【図10】 図10は、従来の液晶表示装置において、
引き回し配線の配線パターンの一例を示す概略平面図で
ある。
【符号の説明】
10、50 反射型カラー液晶表示装置(液晶装
置) 11、51 下側基板 12、52 上側基板 13 液晶層 14 シール材 15 反射層 16 カラーフィルター層 16a 着色層 16b 遮光層(ブラックマトリクス) 17 平坦化膜 18 信号電極(導電部) 19 走査電極(導電部) 20、21 配向膜 22 液晶注入孔 23 封止材 24 スペーサー 28 引き回し配線 29A、29B 引き回し配線 31、32 駆動用回路 61、62 駆動用回路 63 導通部材 41、42、43 引き回し配線領域 L 基準線 θ1、θ2、θ3 基準線と引き回し配線の延在方向と
のなす角 R 配向膜のラビング方向 φ 基準線と配向膜のラビング方向との
なす角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶層を挟持して対向配置され、前記液
    晶層側表面に、少なくとも所定のパターンの導電部と、
    所定の方向にラビングされた配向膜とを具備する一対の
    基板がシール材を介して貼着されてなる液晶装置であっ
    て、 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の表面にお
    いて、前記シール材より内側の領域に、前記導電部に接
    続された引き回し配線が設けられ、前記シール材より内
    側に位置する前記引き回し配線の延在方向と前記配向膜
    のラビング方向とのなす角が0〜±25度、あるいは±
    75〜±90度とされたことを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記一対の基板の表面に形成された前記
    導電部がそれぞれ信号電極と走査電極であるとともに、 前記一対の基板のうち、少なくとも信号電極が形成され
    た側の基板の表面において、前記シール材より内側に位
    置する前記引き回し配線の延在方向と前記配向膜のラビ
    ング方向とのなす角が0〜±25度、あるいは±75〜
    ±90度とされたことを特徴とする請求項1に記載の液
    晶装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された液晶
    装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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