JP3676707B2 - 車両用交流発電機の固定子およびその製造方法 - Google Patents

車両用交流発電機の固定子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば内燃機関により駆動される交流発電機の固定子に関し、特に、乗用車、トラック等の乗り物に搭載される車両用交流発電機の固定子の固定子巻線構造およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用交流発電機においては、小型高出力が益々求められてきている。そして、車両用交流発電機の小型高出力を実現するためには、固定子の磁気回路内に納める電気導体の占積率の向上、さらには固定子巻線の渡り部(固定子鉄心外の渡り部をコイルエンドと呼ぶ)の整列化および高密度化が必要となる。
このような状況を鑑み、固定子巻線の電気導体に短尺の導体セグメントを用いて電気導体の占積率向上や、コイルエンドの整列化および高密度化を図る構造が、例えばWO98/54823号公報に提案されている。
【0003】
WO98/54823号公報には、長方形の断面形状を有するU字状の複数の導体セグメントを固定子鉄心の一方の端面側から挿入した後、反挿入側の端部同士を接合することにより固定子巻線が巻装された固定子が開示されている。この固定子は、長方形の断面形状を有する導体セグメントを用いていることから、導体セグメントをスロット内に隙間なく収納でき、占積率の向上が図られる。さらに、連続した導体線を環状に巻回して形成された環状巻線ユニットを星形に成形して作製された星形巻線ユニットを固定子鉄心に巻装して構成された一般的な従来の固定子に比べて、コイルエンドが規則的に配置された固定子巻線を形成しやすいという特徴がある。即ち、固定子巻線のコイルエンドの整列化および高密度化が図られる。
【0004】
しかしながら、WO98/54823号公報に記載された固定子では、長方形の断面形状を有する短尺の導体線をその中央部分で折り曲げてU字状に成形して導体セグメントを作製することになる。この折り曲げ工程において、長方形断面を有する導体線の折り曲げ部に大きなストレスが生じ、導体セグメントに被覆されている絶縁被膜が損傷し、絶縁性を悪化させることになる。
そこで、長方形の断面形状を有する短尺の導体線の中央部分のみを円形の断面形状に成形し、折り曲げ時に折り曲げ部に生じるストレスを低減させて、絶縁被膜の損傷を抑えようとする試みが、例えば特開2000−299949号公報等に提案されている。
【0005】
図26は例えば特開2000−299949号公報に記載された従来の車両用交流発電機の固定子の要部を示す断面図、図27は図26における固定子の固定子巻線を構成する導体セグメントを示す斜視図である。
図26において、固定子鉄心2のスロット2aに巻装された固定子巻線は、複数の電気導体により構成され、各スロット2a内には、4本の電気導体が収納され、インシュレータ3が4本の電気導体を囲繞するように配設されている。各スロット2aにおいては、4本の電気導体は、スロット内に径方向の内側から第1番地、第2番地、第3番地および第4番地の順で一列に配列されている。
【0006】
そして、一のスロット2aの第1番地の電気導体4aは、固定子鉄心2の時計回り方向に1磁極ピッチ離れた他のスロット2a内の第4番地の電気導体4bと対をなしている。同様に、一のスロット2aの第2番地の電気導体5aは、固定子鉄心2の時計回り方向に1磁極ピッチ離れた他のスロット2a内の第3番地の電気導体5bと対をなしている。これらの対をなす電気導体は、固定子鉄心2の軸方向の一方の端面側において、連続線を用いることにより後述するターン部4c、5cを経由することで接続される。
従って、固定子鉄心2の一方の端面側においては、第3番地の電気導体5bと第2番地の電気導体5aとを接続する連続線を、第4番地の電気導体4bと第1番地の電気導体4aとを接続する連続線が囲むことになる。つまり、固定子鉄心2の一方の端面側においては、ターン部5cがターン部4cにより囲まれる。このように、固定子鉄心2の一方の端面側においては、ターン部4c、5cが2層となって周方向に配列されてコイルエンド群を構成している。
【0007】
一方、一のスロット2aの第2番地の電気導体5aは、固定子鉄心2の時計回り方向に1磁極ピッチ離れた他のスロット2a内の第1番地の電気導体4aと対をなしている。同様に、一のスロット2aの第4番地の電気導体4bは、固定子鉄心2の時計回り方向に1磁極ピッチ離れた他のスロット2a内の第3番地の電気導体5bと対をなしている。これらの対をなす電気導体は、固定子鉄心2の軸方向の他方の端面側において、接合により接続される。
従って、固定子鉄心2の他方の端面側においては、第4番地の電気導体4bと第3番地の電気導体5bとを接続する外側接合部と、第1番地の電気導体4aと第2番地の電気導体5aとを接続する内側接合部とが、径方向および周方向に互いにずれた状態で配列されている。このように、固定子鉄心2の他方の端面側においては、外側接合部と内側接合部とが径方向に1列となって、周方向に2列に配列されてコイルエンド群を構成している。
【0008】
さらに、図27に示されるように、第1番地の電気導体4aと第4番地の電気導体4bとが、短尺の導体線をU字状に成形してなる大セグメント4により提供され、第2番地の電気導体5aと第3番地の電気導体5bとが、短尺の導体線をU字状に成形してなる小セグメント5により提供される。各セグメント4、5は、スロット2a内に収納されて軸方向に延びる部分を備えるとともに、軸方向に対して所定角度傾斜して延びる斜行部4f、4g、5f、5g、さらに斜行部4f、4g、5f、5gを接続するターン部4c、5cを備える。そして、斜行部4f、4g、5f、5gおよびターン部4c、5cにより固定子鉄心2から軸方向の一方の端面に突出するコイルエンドが形成されている。
【0009】
また、固定子鉄心2の他方の端面側においては、大セグメント4の延出端側が互いに離反する方向に曲げられ、小セグメント5の延出端側が互いに接近する方向に折り曲げられている。そして、大セグメント4の端部4dと小セグメント5の端部5dとが溶接により接合されて内側接合部を形成し、大セグメント4の端部4eと小セグメント5の端部5eとが溶接により接合されて外側接合部を形成している。このように、斜行部4h、4i、5h、5i、端部4d、5dの内側接合部および端部4e、5eの外側接合部により固定子鉄心2から軸方向の他方の端面に突出するコイルエンドが形成されている。
【0010】
なお、大セグメント4および小セグメント5は、長方形断面(扁平断面)を有する短尺な導体線の中央部分を円形断面に塑性変形し、ついで略U字状に折り曲げ成形されたもので、ターン部4c、5cのみが円形断面に形成され、それ以外の部分が長方形断面に形成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
WO98/54823号公報に記載された従来の固定子においては、導体セグメントが扁平な断面形状を有しているので、電気導体の占積率向上、さらにはコイルエンドの整列化および高密度化を図ることができ、車両用交流発電機の小型高出力を実現することができるが、扁平な断面形状の短尺な導体線をU字状に折り曲げる際に折り曲げ部に大きなストレスが生じ、折り曲げ部に被覆されている絶縁被膜が損傷してしまい、絶縁性が悪化してしまうという課題があった。さらに、固定子巻線の組立時、あるいは固定子を搭載した実機の運転中に発生する振動により、コイルエンド同士が互いに干渉した場合、導体セグメントの角部同士あるいは角部と平坦面とが擦れあい、絶縁被膜の損傷を発生させ、絶縁性が悪化してしまうという課題もあった。
【0012】
また、特開2000−299949号公報記載された従来の固定子においては、ターン部4c、5cのみが円形断面に形成され、それ以外の部分が長方形断面に形成されている大セグメント4および小セグメント5を用いて固定子巻線を構成しているので、短尺な導体線をU字状に折り曲げる際にターン部4c、5cに生じるストレスが少なくなり、ターン部4c、5cに被覆されている絶縁被膜の損傷の発生が抑えられる。しかしながら、斜行部4f、4g、5f、5gが扁平な断面形状に形成されているので、固定子巻線の組立時、あるいは固定子を搭載した実機の運転中に発生する振動により、斜行部4f、4g、5f、5g同士が互いに干渉した場合、斜行部の角部同士あるいは角部と平坦面とが擦れあい、絶縁被膜の損傷を発生させ、絶縁性が悪化してしまうという課題があった。
【0013】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、導体線のスロットに収納される部分を扁平な断面形状に形成し、かつ、斜行部とターン部とからなるコイルエンドを円形な断面形状に形成し、車両用交流発電機の小型高出力を実現できるとともに、絶縁性を向上できる車両用交流発電機の固定子およびその製造方法を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両用交流発電機の固定子は、複数のスロットが形成された固定子鉄心と、絶縁被膜が被覆された導体線を上記スロットに巻装して形成された固定子巻線とを有する車両用交流発電機の固定子において、
上記固定子巻線は、上記複数のスロットに2n本(n:整数)づつ収納され、それぞれ扁平な断面形状に形成され、平坦面を該スロットの側壁面に密接させて各スロット内にスロット深さ方向に1列に並んで配列されたスロット収納部と、所定スロット数離れたスロット対のそれぞれにおいて、上記固定子鉄心の軸方向の第1端面側で、両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を非扁平な断面を有する連続導体線により直列に接続するn本の第1コイルエンドと、上記所定スロット数離れたスロット対のそれぞれにおいて、上記固定子鉄心の軸方向の第2端面側で、上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列接続するn本の第2コイルエンドとを備え、
上記固定子鉄心の第1端面側で上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列に接続するn本の上記第1コイルエンドが周方向に1スロットピッチで配列されて第1コイルエンド群を構成し、上記固定子鉄心の第2端面側で上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列に接続するn本の上記第2コイルエンドが周方向に1スロットピッチで配列されて第2コイルエンド群を構成しているものである。
【0015】
また、上記第2コイルエンドが非扁平な断面を有する連続導体線により形成さているものである。
【0016】
また、上記非扁平な断面を有するコイルエンドの断面積が上記スロット収納部の断面積より大きいものである。
【0017】
また、上記スロット内の最外番地に収納されている上記スロット収納部は、径方向の外側の角部の曲率半径が径方向の内側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているものである。
【0018】
また、上記スロット内の最内番地に収納されている上記スロット収納部は、径方向の内側の角部の曲率半径が径方向の外側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているものである。
【0019】
また、上記スロット収納部は、上記スロットの側壁面に密接する上記平坦面の絶縁被膜が径方向の外側および内側の部位の絶縁被膜より薄く形成されているものである。
【0020】
また、上記スロット収納部は、絶縁被膜が2層に被覆されているものである。
【0021】
また、上記絶縁被膜は密着性強化樹脂からなる下層絶縁被膜と、耐熱性樹脂から成る上層絶縁被膜とから構成されているものである。
【0022】
また、上記第1および第2コイルエンド群は、上記第1および第2のコイルエンドが、上記スロット収納部からの立ち上がり部と頂部との間に位置する上記固定子鉄心の軸方向に対して傾斜する斜行部を周方向に接触させて配列されて構成されているものである。
【0023】
また、上記スロット収納部が非扁平の断面を有するコイルエンドにおける上記固定子鉄心の軸方向に対して傾斜する上記スロット収納部からの立ち上がり部と頂部との間に位置する斜行部より高い硬度を有するように形成されているものである。
【0024】
また、上記第1および第2コイルエンド群の一方から延出する上記固定子巻線の口出し線が円形断面を有するように形成されているものである。
【0025】
また、直線部が連結部により連結されて所定スロットピッチで配列され、かつ、隣り合う該直線部が該連結部によりスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るようにずらされたパターンに形成され、絶縁被膜が被覆された非扁平な断面形状を有する2本の導体線を、互いに上記所定スロットピッチずらして該直線部を重ねて配列してなる導体線対が、1スロットピッチずつずらされて上記所定スロット数と同数対配列されて構成された帯状の巻線ユニットを作製する工程と、上記巻線ユニットの直線部を扁平な断面形状にプレス成形して巻線アッセンブリを作製する工程と、
上記巻線アッセンブリの直線部を直方体の積層鉄心のスロットにスロット開口側から挿入して該巻線アッセンブリを該積層鉄心に装着する工程と、
上記巻線アセンブリが装着された上記積層鉄心を環状に曲げ、該積層鉄心の端面同士を突き合わせ、該積層鉄心の端面同士を溶接一体化する工程とを備えたものである。
【0026】
また、上記巻線アッセンブリの作製工程において、上記直線部の幅以上の溝幅を有する第1プレス溝と、上記直線部の幅より狭い溝幅を有し、第1プレス溝に連続して溝深さ方向に延設された第2プレス溝とを備えた金型を用い、上記巻線ユニットの直線部を上記第1プレス溝内に収納した後、上記第1プレス溝側から該直線部を押圧して該直線部を上記第2プレス溝内に圧入し、該直線部を扁平な断面形状に変形させるものである。
【0027】
また、上記積層鉄心に装着されている上記巻線アッセンブリにおいて、上記スロット内のスロット深さ方向の最深位置に収納されている上記直線部は、スロット底部側の角部の曲率半径がスロット開口側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているものである。
【0028】
また、上記積層鉄心に装着されている上記巻線アッセンブリにおいて、上記スロット内のスロット深さ方向の最浅位置に収納されている上記直線部は、スロット開口側の角部の曲率半径がスロット底部側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているものである。
【0029】
また、上記巻線アッセンブリの作製工程において、上記巻線ユニットの全ての直線部を一括してプレス成形するようにしたものである。
【0030】
また、上記巻線アッセンブリの作製工程において、複数の上記巻線ユニットの全ての直線部を一括してプレス成形するようにしたものである。
【0031】
また、上記巻線アッセンブリの直線部に第2絶縁被膜を塗布形成する工程を有するものである。
【0032】
また、上記絶縁被膜が密着性強化樹脂であり、上記第2絶縁被膜が耐熱性樹脂である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の要部を軸方向の第1端面側から見た斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の要部を軸方向の第2端面側から見た斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される導体セグメントを示す斜視図、図4は図3に示される導体セグメントを形成する方法を説明するための斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子鉄心に導体セグメントを装着する方法を説明するための斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の製造方法を説明する工程図、図7はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子における固定子鉄心のスロット内の導体セグメントの配置を説明する図、図8はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線における1相分の巻線の結線状態を説明する端面図である。なお、図8において、実線は固定子鉄心の第1端面側の結線状態を示し、点線は固定子鉄心の第2端面側の結線状態を示し、黒丸は接合部を示し、1、7、13・・・91はスロット番号を示している。
【0034】
各図において、固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11に巻装された固定子巻線12と、固定子鉄心11の各スロット11a内に装着されたインシュレータ13とから構成されている。
【0035】
固定子鉄心11は、円筒状に成形された積層鉄心で作製され、軸方向に延びるスロット11aが、内周側に開口するように、周方向に所定ピッチで複数形成されている。ここでは、固定子10は、16極の磁極数の回転子を有する交流発電機に適用されるもので、96個のスロット11aが固定子鉄心11に形成されている。即ち、スロット11aは毎極毎相当たり2個の割合で形成されている。この場合、6スロットピッチが1磁極ピッチに相当している。
【0036】
固定子巻線12は、U字状に成形された多数の導体セグメント15が6スロット離れたスロット11aの各対に固定子鉄心11の軸方向の第1端面側から2本づつ挿入され、固定子鉄心11の軸方向の第2端面側に延出する導体セグメント15の端部同士を接合して波巻きに形成された複数の巻線から構成されている。
導体セグメント15は、一対の直線部16が連結部17により連結された略U字状に成形されている。そして、直線部16は長方形断面を有し、連結部17は円形断面を有している。
なお、各スロット11aには、4本の導体セグメント15のスロット収納部が径方向の内側から第1番地、第2番地、第3番地および第4番地の順で一列に配列されている。
【0037】
つぎに、固定子10の製造方法について説明する。
まず、図4に示されるように、プレス治具20を用いて絶縁被膜14が被覆された長方形断面を有する短尺な銅線材21の中央部をプレスして円形断面に変形する。ついで、銅線材21の中央部を折り曲げて、図3に示される導体セグメント15が作製される。
【0038】
ついで、図5および図6の(a)に示されるように、導体セグメント15が固定子鉄心11の軸方向の第1端面側から6スロット(1磁極ピッチ)離れたスロット11aの各対に2本づつ挿入される。これにより、図7に示されるように、導体セグメント15の直線部16のスロット収納部16aが、長方形断面の長手方向を径方向に一致させて各スロット11a内に1列に並んで収納されている。なお、図7では、インシュレータ13が図示されていないが、各スロット収納部16aはインシュレータ13を介してスロット11aの側壁面に密接している。
【0039】
導体セグメント15の直線部16の先端側は、図6の(b)に示されるように、各スロット11aから固定子鉄心11の第2端面側に延出している。そして、固定子鉄心11の第2端面側に延出する各導体セグメント15の直線部16の先端側が、互いに離反するように周方向に曲げられる。
【0040】
ついで、図8に示されるように、スロット番号が1番、7番、・・・、91番のスロット群において、m番のスロット11aの2番地から延出する導体セグメント15の端部16cと(m+6)番のスロット11aの1番地から延出する導体セグメント15の端部16cとが径方向に重ねられてTIG溶接により接合され、2つの1ターンの波巻き巻線が作製される。同様に、m番のスロット11aの4番地から延出する導体セグメント15の端部16cと(m+6)番のスロット11aの3番地から延出する導体セグメント15の端部16cとが径方向に重ねられてTIG溶接により接合され、2つの1ターンの波巻き巻線が作製される。
【0041】
ついで、55番と61番とのスロット11aの対に挿入されている2つの導体セグメント15の連結部17を切断し、61番と67番とのスロット11aの対に挿入されている2つの導体セグメント15の連結部17を切断する。そして、55番のスロット11aの1番地から延出する導体セグメント15の切断端と61番のスロット11aの4番地から延出する導体セグメント15の切断端とがTIG溶接により接合され、55番のスロット11aの3番地から延出する導体セグメント15の切断端と67番のスロット11aの4番地から延出する導体セグメント15の切断端とがTIG溶接により接合され、61番のスロット11aの1番地から延出する導体セグメント15の切断端と61番のスロット11aの2番地から延出する導体セグメント15の切断端とがTIG溶接により接合される。これにより、4つの1ターンの波巻き巻線を直列に接続した1相分の巻線が得られる。そして、67番のスロット11aの2番地から延出する導体セグメント15の切断端と61番のスロット11aの3番地から延出する導体セグメント15の切断端とが、それぞれ1相分の巻線の口出し線(O)および中性点(N)となる。
【0042】
そして、図示していないが、スロット番号が2番、8番、・・・、92番のスロット群、スロット番号が3番、9番、・・・、93番のスロット群、スロット番号が4番、10番、・・・、94番のスロット群、スロット番号が5番、11番、・・・、95番のスロット群およびスロット番号が6番、12番、・・・、96番のスロット群にそれぞれ装着された導体セグメント15が同様に結線されて、6相分の巻線を作製する。
さらに、スロット番号が1番、7番、・・・、91番のスロット群に巻装された巻線と、スロット番号が3番、9番、・・・、93番のスロット群に巻装された巻線と、スロット番号が5番、11番、・・・、95番のスロット群に巻装された巻線とが中性点N同士を接合してY結線(交流結線)され、スロット番号が2番、8番、・・・、92番のスロット群に巻装された巻線と、スロット番号が4番、10番、・・・、94番のスロット群に巻装された巻線と、スロット番号が6番、12番、・・・、96番のスロット群に巻装された巻線とが同様にY結線され、2組の3相交流巻線を作製し、図1、図2および図6の(c)に示されるように、固定子10が得られる。なお、この2組の3相交流巻線が固定子巻線12を構成している。
【0043】
このように構成された固定子巻線12は、長方形断面を有するスロット収納部16aがその平坦面を各スロット11aの側壁面にインシュレータ13を介して密接させて各スロット11a内にスロット深さ方向に1列に並んで配列されている。
【0044】
そして、6スロット数離れたスロット11aの対のそれぞれにおいて、固定子鉄心11の軸方向の第1端面側で、両スロット11a内の1番地と2番地とに収納されているスロット収納部16aが円形断面を有する連結部17により直列に接続され、両スロット11a内の3番地と4番地とに収納されているスロット収納部16aが円形断面を有する連結部17により直列に接続されている。ここで、連結部17は、ターン部17aと、各スロット収納部16aとターン部17aとを接続する一対の斜行部17bとから構成され、第1コイルエンドとなる。そして、2つの第1コイルエンドが1スロットピッチで周方向に配列されて、第1コイルエンド群12aを構成している。これにより、第1コイルエンドは、径方向および周方向に互いに離間して周方向に整列されて配列されている。
【0045】
同様に、6スロット数離れたスロット11aの対のそれぞれにおいて、固定子鉄心11の軸方向の第2端面側で、両スロット11a内の2番地と1番地とに収納されているスロット収納部16aが直線部16の延出側同士を接合して直列に接続され、両スロット11a内の4番地と3番地とに収納されているスロット収納部16aが直線部16の延出側同士を接合して直列に接続されている。ここで、直線部16の延出側同士を接合してなる第2コイルエンドは、直線部16の端部16c同士を接合する接合部18と、各スロット収納部16aと接合部18とを接続する一対の斜行部16bとから構成されている。そして、この2つの第2コイルエンドが1スロットピッチで周方向に配列されて第2コイルエンド群12bを構成している。これにより、第2コイルエンドは、径方向および周方向に互いに離間して周方向に整列されて配列されている。
【0046】
このように、この実施の形態1によれば、導体セグメント15のスロット収納部16aが長方形断面に形成されているので、スロット11a内の導体の占積率を大きくできる。また、固定子鉄心11の両端側で、6スロット離れたスロット11a内の異なる番地に収納されているスロット収納部16aをそれぞれ2つの第1および第2コイルエンドで直列に接続し、2つの第1および第2コイルエンドを1スロットピッチで周方向に配列して第1および第2コイルエンド群12a、12bを構成しているので、第1および第2コイルエンド群12a、12bの整列化および高密度化が図られる。その結果、小型高出力化を実現できる固定子が得られる。
【0047】
また、第1コイルエンドに相当する連結部17が円形断面に形成されているので、銅線材21をU字状に折り曲げる際に連結部17のターン部17a(折り曲げ部)に生じるストレスが少なくなり、ターン部17aに被覆されている絶縁被膜14の損傷が抑えられ、絶縁性を向上させることができる。
また、連結部17が円形断面に形成されているので、固定子巻線12の組立時、あるいは固定子10を搭載した実機の運転中に発生する振動により、連結部17(第1コイルエンド)同士が互いに干渉しても、絶縁被膜14の損傷が抑えられ、絶縁性を向上させることができる。
また、固定子巻線12の口出し線Oや中性点Nが円形断面に形成されているので、絶縁被膜14の除去が簡易となる。そこで、固定子10を交流発電機に実装する際に、固定子10の口出し線Oと整流器との接続が簡易に、確実に行えるようになる。
【0048】
なお、上記実施の形態1では、波巻き巻線で構成された固定子巻線12を用いて説明しているが、重ね巻き巻線で構成された固定子巻線に適用しても同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態1では、導体セグメント15を6スロット離れたスロット11aの対に2本づつ挿入するものとして説明しているが、6スロット離れたスロット11aの対に挿入される導体セグメント15の本数はこれに限定されるものではなく、1本でも、3本以上でもよい。但し、スロット11a内に収納されるスロット収納部16aの本数は偶数となる。
また、上記実施の形態1では、導体セグメント15を6スロット離れたスロット11aの対に挿入するものとして説明しているが、これに限定されるものではなく、毎極毎相当たりのスロット数が1の場合には、導体セグメント15は3スロット離れたスロット11aの対に挿入されることになる。
また、上記実施の形態1では、銅線材21の中央部を1本づつプレス治具20により円形断面に変形するものとしているが、多数本の銅線材21の中央部を一括してプレス治具20により円形断面に変形するようにしてもよい。この場合、製造工程が簡略化され、製造時間を短縮することができる。
【0049】
実施の形態2.
この実施の形態2では、導体セグメント15と異形導体セグメント22とを組み合わせて固定子巻線を構成している。そして、各相の巻線を構成する4つの波巻き巻線を直列に接続する箇所に異形導体セグメント22を用いている。この異形導体セグメント22は、図9に示されるように、絶縁被膜14が被覆された長方形断面を有する短尺の銅線材の一端側をプレス治具20を用いてプレスし、円形断面に変形して作製されている。
【0050】
ここで、図8を参照しつつ説明すれば、異形導体セグメント22は、55番のスロット11aの1番地および3番地、61番のスロット11aの1番地から4番地、さらに67番のスロット11aの2番地および4番地にそれぞれ装着される。そして、各異形導体セグメント22は、スロット11aに挿入された後、図9に矢印で示されるように曲げられる。また、他のスロット11aの対には、導体セグメント15が上記実施の形態1と同様に挿入されている。なお、異形導体セグメント22は、矩形断面部23の先端側が曲げられて導体セグメント15の斜行部16bおよび端部16cと同等の斜行部23bおよび端部23cを有し、矩形断面部23の残部がスロット収納部23aとなる。そして、円形断面部24は導体セグメント15の連結部17と干渉しないように曲げられている。
【0051】
そして、第2端面側において、55番のスロット11aの1番地および3番地から延出する異形導体セグメント22の端部23cと、49番のスロット11aの2番地および4番地から延出する導体セグメント15の端部16cとを接合する。また、61番のスロット11aの1番地および3番地から延出する異形導体セグメント22の端部23cと、55番のスロット11aの2番地および4番地から延出する導体セグメント15の端部16cとを接合する。また、61番のスロット11aの2番地および4番地から延出する異形導体セグメント22の端部23cと、67番のスロット11aの1番地および3番地から延出する導体セグメント15の端部16cとを接合する。さらに、67番のスロット11aの2番地および4番地から延出する異形導体セグメント22の端部23cと、73番のスロット11aの1番地および3番地から延出する導体セグメント15の端部16cとを接合する。
【0052】
ついで、第1端面側において、55番のスロット11aの1番地から延出する異形導体セグメント22の端部24aと61番のスロット11aの4番地から第1端面側に延出する異形導体セグメント22の端部24aとが接合され、55番のスロット11aの3番地から延出する異形導体セグメント22の端部24aと67番のスロット11aの4番地から延出する異形導体セグメント22の端部24aとが接合され、61番のスロット11aの1番地から延出する異形導体セグメント22の端部24aと61番のスロット11aの2番地から延出する異形導体セグメント22の端部24aとが接合される。
これにより、上記実施の形態1と同様に、4つの1ターンの波巻き巻線を直列に接続した1相分の巻線が得られる。そして、67番のスロット11aの2番地から第1端面側に延出する異形導体セグメント22の端部24aと61番のスロット11aの3番地から第1端面側に延出する異形導体セグメント22の端部24aとが、それぞれ1相分の巻線の口出し線(O)および中性点(N)となる。
なお、他の5相分の巻線についても、同様に構成されている。
【0053】
従って、この実施の形態2によれば、異形導体セグメント22を用いているので、各相の巻線を構成する4つの波巻き巻線を直列に接続する際に、導体セグメント15を切断する必要がなく、結線作業性が向上される。
【0054】
実施の形態3.
この実施の形態3では、絶縁被膜14が被覆された長方形断面を有する短尺な銅線材の中央部および両端部をプレス治具20によりプレスして円形断面に変形し、その後銅線材の中央部を折り曲げてU字状に成形された導体セグメント25を用いている。この導体セグメント25は、図10に示されるように、スロット収納部25aが長方形断面に成形され、第1コイルエンドを構成する連結部25bが円形断面に形成され、さらに第2コイルエンドを構成する斜行部25cおよび端部25dが円形断面に形成されている。なお、導体セグメント15に代えて導体セグメント25を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0055】
この実施の形態3によれば、第2コイルエンドが円形断面の導体で構成されているので、固定子巻線の組立時、あるいは固定子を搭載した実機の運転中に発生する振動により、第2コイルエンド同士が互いに干渉しても、絶縁被膜14の損傷が抑えられる。従って、第1コイルエンド群および第2コイルエンド群における絶縁被膜14の損傷が抑えられ、優れた絶縁性が得られる。
【0056】
実施の形態4.
この実施の形態4では、図11に示されるように、絶縁被膜14が被覆された円形断面を有する短尺な銅線材26の両端をプレス治具20Aによりプレスして長方形断面に成形し、その後銅線材26の中央部を折り曲げてU字状の導体セグメントを作製している。
なお、導体セグメントを作製する銅線材26が円形断面を有している点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0057】
従って、この実施の形態4によれば、導体セグメントが円形断面を有する銅線材を用いて作製されているので、長方形断面を有する銅線材21に比べて安価なものとなり、固定子を低コストで作製できる。
また、スロット収納部がプレス成形されているので、スロット収納部の硬度が連結部に対して高くなる。そこで、第1コイルエンドとしての連結部が変形しやすくなり、連結部同士が干渉しても、絶縁被膜14の損傷が生じにくく、絶縁性が向上される。
【0058】
なお、上記実施の形態4では、スロット収納部をプレス加工により形成して硬度を高めるようにするものとしているが、スロット収納部の硬度を連結部の硬度に対して高くする手段はこれに限定されるものではない。
【0059】
実施の形態5.
この実施の形態5では、図12に示されるように、まず絶縁被膜14が被覆され、中央部を大径にした円形断面を有する短尺な銅線材27を作製し、ついで銅線材27の中央部を除く部位をプレス加工して長方形断面に変形する。その後、銅線材27の中央部を折り曲げて一対の直線部29を連結部30で接続してなるU字状の導体セグメント28を作製する。この導体セグメント28は、連結部30の断面積が直線部29の断面積に対して大きく形成されている。
なお、導体セグメント15に代えて導体セグメント28を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0060】
この実施の形態5によれば、連結部30により構成される第1コイルエンドの断面積が直線部29により構成されるスロット収納部の断面積に対して大きく形成されている。そこで、固定子を交流発電機に搭載した際に、第1コイルエンドでの発熱量が抑えられるので、コイルエンド群を冷却するために装備される冷却ファンの小型化が可能となり、交流発電機の小型化を図ることができる。
【0061】
実施の形態6.
この実施の形態6では、図13に示されるように、第1コイルエンド群12aにおいて、周方向に隣り合う斜行部17bが周方向に接触して配列されており、第2コイルエンド群12bにおいて、周方向に隣り合う斜行部16bが周方向に接触して配列されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0062】
この実施の形態6によれば、周方向に隣り合う斜行部16b、17bが隙間なく配列されているので、斜行部16b、17bの固定子鉄心11の軸方向に対する傾斜が大きくなり、第1および第2コイルエンド群12a、12bの軸方向高さが低くなる。その結果、交流発電機に搭載した際に、第1および第2コイルエンド群12a、12bにおける通風抵抗が小さくなる。その結果、冷却ファンによる冷却風の風量が多くなり、第1および第2コイルエンド群12a、12bが効率的に冷却され、固定子の温度上昇が抑えられ、交流発電機の高出力化をもたらすことができる。
【0063】
実施の形態7.
図14はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の要部を示す斜視図、図15はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線における1相分の巻線の結線状態を説明する端面図、図16はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの製造方法を説明する図、図17はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの製造方法を説明する図、図18はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの製造方法を説明する図、図19はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリを示す側面図、図20はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの巻線構造を説明する斜視図、図21はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の製造方法を説明する工程断面図である。なお、図15において、実線は固定子鉄心の第1端面側の結線状態を示し、点線は固定子鉄心の第2端面側の結線状態を示し、黒丸は接合部を示し、1、7、13・・・91はスロット番号を示している。
【0064】
図14において、固定子35は、円筒状に成形された積層鉄心で作製され、軸方向に延びるスロット11aが、内周側に開口するように、周方向に所定ピッチで複数形成されている固定子鉄心11と、複数の連続する導体線をスロット11aに巻装して形成された固定子巻線36と、各スロット11aに装着されているインシュレータ13とから構成されている。
固定子巻線36は、1本の導体線40が、固定子鉄心11の第1および第2端面側のスロット11a外で折り返されて、6スロット毎のスロット11a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように波巻きに巻装された巻線を複数備えている。
【0065】
ここで、導体線40は、絶縁被膜が被覆された銅線材を用いている。そして、スロット11a内に収納されている導体線40の部位(スロット収納部)が長方形断面を有し、固定子鉄心11の第1および第2端面側で6スロット離れた一方のスロット11a内の内層のスロット収納部と他方のスロット11a内の外層のスロット収納部とを直列に接続する導体線40の連結部41が円形断面を有している。この連結部41は、ターン部41aと、各スロット収納部とターン部41aとを接続する一対の斜行部41bとから構成され、それぞれ第1および第2コイルエンドとなる。
【0066】
つぎに、固定子巻線36を構成する1相分の巻線37の巻線構造について図15を参照して具体的に説明する。
1相分の巻線37は、それぞれ1本の導体線40からなる第1乃至第4の巻線51〜54から構成されている。そして、第1巻線51は、1本の導体線40を、1番から91番まで6スロットおきに、スロット11a内の1番地と2番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第2巻線52は、導体線40を、1番から91番まで6スロットおきに、スロット11a内の2番地と1番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第3巻線53は、導体線40を、1番から91番まで6スロットおきに、スロット11a内の3番地と4番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第4巻線54は、導体線40を、1番から91番まで6スロットおきに、スロット11a内の4番地と3番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。そして、各スロット11a内には、導体線40のスロット収納部42が長方形断面の長手方向を径方向に揃えて径方向に1列に4本並んで配列されている。
【0067】
そして、固定子鉄心11の第1端面側において、1番のスロット11aの2番地から延出する第2巻線52の巻き始め端部52aと、91番のスロット11aの3番地から延出する第4巻線54の巻き終わり端部54bとがTIG溶接され、さらに1番のスロット11aの4番地から延出する第4巻線54の巻き始め端部54aと、91番のスロット11aの1番地から延出する第2巻線52の巻き終わり端部52bとがTIG溶接されて、2ターンの巻線が形成されている。
また、固定子鉄心11の第2端面側において、1番のスロット11aの1番地から延出する第1巻線51の巻き始め端部51aと、91番のスロット11aの4番地から延出する第3巻線53の巻き終わり端部53bとが接合され、さらに1番のスロット11aの3番地から延出する第3巻線53の巻き始め端部53aと、91番のスロット11aの2番地から延出する第1巻線51の巻き終わり端部51bとが接合されて、2ターンの巻線が形成されている。
【0068】
さらに、61番のスロット11aの3番地と67番のスロット11aの4番地とから固定子鉄心11の第1端面側に延出する第3巻線53の導体線40の連結部41が切断され、67番のスロット11aの3番地と73番のスロット11aの4番地とから固定子鉄心11の第1端面側に延出する第4巻線54の導体線40の連結部41が切断される。そして、第3巻線53の切断端53cと第4巻線54の切断端54cとが接合されて、第1乃至第4巻線51〜54を直列接続してなる4ターンの1相分の巻線37が形成されている。
なお、第3巻線53の切断端53dと第4巻線54の切断端54dとがそれぞれ口出し線(O)および中性点(N)となる。
【0069】
同様にして、導体線40が巻装されるスロット11aを1スロットづつずらして6相分の巻線37が形成されている。
そして、スロット番号が1番、7番・・・91番のスロット群に巻装された巻線37と、スロット番号が3番、9番・・・93番のスロット群に巻装された巻線37と、スロット番号が5番、11番・・・95番のスロット群に巻装された巻線37とが、中線点(N)同士を接合してY結線され、同様に、スロット番号が2番、8番・・・92番のスロット群に巻装された巻線37と、スロット番号が4番、10番・・・94番のスロット群に巻装された巻線37と、スロット番号が6番、12番・・・96番のスロット群に巻装された巻線37とが、中線点(N)同士を接合してY結線されて、2組の3相交流巻線を作製し、固定子35が得られる。なお、この2組の3相交流巻線が固定子巻線36を構成している。
【0070】
このように構成された固定子35においては、長方形断面を有するスロット収納部42がその平坦面を各スロット11aの側壁面にインシュレータ13を介して密着させて各スロット11a内にスロット深さ方向に1列に並んで配列されている。
そして、6スロット離れたスロット11aの対において、固定子鉄心11の軸方向の第1端面側で、両スロット11a内の1番地と2番地とに収納されているスロット収納部42が円形断面を有する連結部41により直列に接続され、両スロット11a内の3番地と4番地とに収納されているスロット収納部42が円形断面を有する連結部41により直列に接続されている。これらの2つの連結部(第1コイルエンド)は、径方向に離間して配置されている。これにより、第1コイルエンドが、径方向および周方向に互いに離間して周方向に1スロットピッチで整列されて配列されて、第1コイルエンド群36aを構成している。
同様に、6スロット離れたスロット11aの対において、固定子鉄心11の軸方向の第2端面側で、両スロット11a内の1番地と2番地とに収納されているスロット収納部42が円形断面を有する連結部41により直列に接続され、両スロット11a内の3番地と4番地とに収納されているスロット収納部42が円形断面を有する連結部41により直列に接続されている。これらの2つの連結部(第2コイルエンド)は、径方向に離間して配置されている。これにより、第2コイルエンドが、径方向および周方向に互いに離間して周方向に1スロットピッチで整列されて配列されて、第2コイルエンド群36bを構成している。
【0071】
従って、この実施の形態7においても、スロット11a内の導体の占積率を大きくできるとともに、第1および第2コイルエンド群36a、36bの整列化および高密度化が図られ、小型高出力化を実現できる固定子が得られる。
また、第1および第2コイルエンドを構成する連結部41が円形断面に形成されているので、導体線40を折り曲げて連結部41のターン部41aを形成する際に、ターン部41aに生じるストレスが少なく、ターン部41aに被覆されている絶縁被膜の損傷が抑えられ、絶縁性を向上させることができる。
【0072】
また、連結部41が円形断面に形成されているので、固定子巻線36の組立時、あるいは固定子35を搭載した実機の運転中に発生する振動により、連結部41(第1および第2コイルエンド)同士が互いに干渉しても、絶縁被膜の損傷が抑えられ、絶縁性を向上させることができる。
また、固定子巻線36の口出し線Oや中性点Nが円形断面に形成されているので、口出し線Oや中性点Nの端部に被覆されている絶縁被膜の除去が簡易となる。そこで、固定子35を交流発電機に実装する際に、固定子35の口出し線Oと整流器との接続が簡易に、確実に行えるようになる。
【0073】
なお、実施の形態では、第1および第2コイルエンドを周方向に離間させて配列するものとしているが、第1および第2コイルエンドの斜行部を周方向に密接させて配列するようにしてもよい。この場合、第1および第2コイルエンド群の通風抵抗が小さくなり、上記実施の形態6と同様の効果が得られる。
【0074】
ついで、固定子35の組立方法について図16乃至図21を参照しつつ具体的に説明する。
まず、12本の連続する導体線39が平面上に1スロットピッチに並べられる。ついで、図16に示されるように、12本の導体線39を一緒に所定ピッチ(2点鎖線の位置)で折り返し、図17に示されるように、12本の導体線39が中心線Lに対して角度α度傾斜するように螺旋状に巻回された帯状の巻線ユニット43を形成する。この導体線39は、絶縁被膜が被覆された円形断面を有する銅線材からなる。
そして、巻線ユニット43の幅方向に関して距離D離れた位置において、一対のピン群44を巻線ユニット43の表面側から各導体線39間に挿入する。同様に、巻線ユニット43の幅方向に関して距離D離れた位置において、一対のピン群44を巻線ユニット43の裏面側から各導体線39間に挿入する。さらに、巻線ユニット43の幅方向端部において、位置規制ピン群45を各導体線39間に挿入する。このようにして、ピン群44、45が、図17に示されるように、セットされる。ここで、距離Dは後述する積層鉄心58のスロット58aの溝方向長さ(固定子鉄心11の軸方向長さ)に略一致している。
【0075】
そこで、巻線ユニット43の表面側から各導体線39間に挿入された一対のピン群44が、図17中実線矢印で示されるように、巻線ユニット43の長さ方向で互いに逆方向に移動される。同様に、巻線ユニット43の裏面側から各導体線39間に挿入された一対のピン群44が、図17中点線矢印で示されるように、巻線ユニット43の長さ方向で互いに逆方向に移動される。この時、位置規制ピン群45が各導体線39間に挿入されているので、導体線39がバラバラとなることが阻止される。
そこで、一対のピン44間に位置する各導体線39の部位が巻線ユニット43の長さ方向に対して直交するように変形される。これにより、巻線ユニット43の長さ方向に対して直交するように変形された直線部56aが巻線ユニット43の表裏方向で重なって対をなし、巻線ユニット43の長さ方向に1スロットピッチで96対配列される。そして、一対のピン44の外方に位置する各導体線39の部位が6スロット離れた直線部56a間を連結する連結部となる。このように作製された帯状の巻線ユニット56は、直線部56aが円形断面を有している点を除いて、図19に示される後述する巻線アッセンブリ57と同等の巻線構造に構成されている。即ち、巻線ユニット56は、直線部56aが連結部により連結されて6スロットピッチで配列され、かつ、隣り合う直線部56aが連結部により幅方向の両側に導体線39の幅(w)分交互にずらされたパターンに形成された2本の導体線39を、互いに6スロットピッチずらして直線部56aを重ねて配列してなる導体線39の対が、1スロットピッチづつずらされて6対配列されて構成されている
【0076】
ついで、この帯状の巻線ユニット56が、プレス治具46にセットされる。このプレス治具46は、図18に示されるように、プレス溝48が1スロットピッチで配列された金型47と、プレス棒49aが1スロットピッチで配列された押し具49とから構成されている。そして、各プレス溝48は、後述する積層鉄心58のスロット58aの溝方向長さ(固定子鉄心11の軸方向長さ)に略一致する溝方向長さに形成され、さらに導体線39の線径と同等の溝幅を有する第1プレス溝48aと、この第1プレス溝48aに引き続いて形成され、第1プレス溝48aの溝幅より狭い溝幅の第2プレス溝48bとから構成されている。また、プレス棒49aは、プレス溝48の溝方向長さに略一致する長さを有し、かつ、第2プレス溝48bの溝幅に略一致する幅を有している。
【0077】
そこで、帯状の巻線ユニット56は、図18の(a)に示されるように、直線部56aの各対が各プレス溝48の第1プレス溝48a内に収納されるように金型47にセットされる。その後、押し具49が各押し棒49aをプレス溝48の第1プレス溝48a内に位置するようにセットされ、図18の(a)中下方に移動させる。
これにより、各対の直線部56aが押圧され、塑性変形しつつ第1プレス溝48aから第2プレス溝48b内に押し込まれ、ついには第2プレス溝48bの底部に当接する。そして、各対の直線部56aが押し具49によりさらに押し圧され、図18の(b)に示されるように、長方形断面を有するスロット収納部42となる。その後、押し具49を引き抜き、帯状の巻線ユニット56を金型47から取り出し、図19に示される巻線アッセンブリ57が得られる。
【0078】
このようにして作製された巻線アッセンブリ57は、図19の紙面と直交する方向(巻線アッセンブリ57の幅方向に相当)に重なった一対のスロット収納部42が1スロットピッチで96対配列され、各対のスロット収納部42の幅方向一側のスロット収納部42が6スロット離れた各対のスロット収納部42の幅方向他側のスロット収納部42に連結部41により連結されて、構成されている。つまり、図20に示されるように、スロット収納部42が連結部41により連結されて6スロットピッチで配列され、かつ、隣り合うスロット収納部42が連結部41により幅方向の両側に導体線40の幅(w)分交互にずらされたパターンに形成された2本の導体線40が、互いに6スロットピッチずらしてスロット収納部42を重ねて配列して対をなしている。そして、このように構成された導体線40の対が、1スロットピッチづつずらされて6対配列されて巻線アッセンブリ57を構成している。
【0079】
ついで、図21の(a)に示されるように、インシュレータ13が積層鉄心58の各スロット58aに装着される。この積層鉄心58は、多数枚の磁性鋼板を積層して直方体に形成されたもので、96個のスロット58aが形成されている。そして、図21の(b)に示されるように、2つの巻線アセンブリ57が重ねられてスロット58aの開口側から積層鉄心58に装着される。これにより、巻線アッセンブリ57は、4本のスロット収納部42が矩形断面の長手方向をスロット深さ方向に一致させて、かつ、スロット深さ方向に1列に並んでスロット58a内に収納されて、積層鉄心58に装着されている。
【0080】
その後、図21の(c)に示されるように、2つの巻線アセンブリ57が装着された積層鉄心58を環状に曲げ、環状に曲げられた積層鉄心58の両端を突き合わせ、突き合わせ部をレーザ溶接する。そして、両端を溶接一体化された積層鉄心58が固定子鉄心11となる。
【0081】
このように、この実施の形態7によれば、スロット収納部42が連結部41により連結されて6スロットピッチで配列され、かつ、隣り合うスロット収納部42が連結部41により幅方向の両側に導体線40の幅(w)分交互にずらされたパターンに形成された2本の導体線40を、互いに6スロットピッチずらしてスロット収納部42を重ねて配列してなる導体線40の対が、1スロットピッチづつずらされて6対配列されて構成されている巻線アッセンブリ57を用いているので、U字状の導体セグメント15を用いている上記実施の形態1に比べて、第2端面側での接合作業が著しく削減され、固定子の組立性が向上する。
【0082】
また、プレス治具46を用いて、巻線ユニット56の96対の直線部56aを一括してプレスして巻線アッセンブリ57を作製しているので、全ての直線部56aが一度に長方形断面に塑性変形され、巻線アッセンブリ57の製造工程が簡略され、製造時間を短縮することができる。
また、スロット収納部42が円形断面の直線部56aをプレス成形して長方形断面に形成されているので、スロット収納部42の硬度が連結部41の斜行部41bに対して高くなる。そこで、第1および第2コイルエンドとしての連結部41が変形しやすくなり、連結部41同士が干渉しても、絶縁被膜14の損傷が生じにくく、絶縁性が向上される。
【0083】
また、金型47のプレス溝48が、溝幅の広い第1プレス溝48aと溝幅の狭い第2プレス溝48bとにより構成されているので、巻線ユニット56の直線部56aがプレス溝48に装着し易く、プレス作業性が向上される。また、直線部56aはプレス棒49aに押圧されて塑性変形しつつ第1プレス溝48aから第2プレス溝48b内に押し込まれるので、円形断面を有する直線部56aを簡易に長方形断面に変形することができる。この時、直線部56aはプレス溝方向に延ばされるので、スロット収納部42の長辺の絶縁被膜も延ばされ、薄くなる。そして、スロット収納部42の長辺(平坦部)がスロット11aの側壁面にインシュレータ13を介して密接しているので、スロット収納部42で発生した熱が効率的に固定子鉄心11に伝達される。その結果、固定子巻線36のスロット収納部42で発生した熱が大きな放熱面積を有する固定子鉄心11から放熱され、固定子35の温度上昇が抑えられる。
【0084】
実施の形態8.
上記実施の形態7では、1つの巻線ユニット56をプレス治具46によりプレスするものとしているが、この実施の形態8では、図22の(a)(b)に示されるように、2つの巻線ユニット56をプレス治具46により一括プレスするものとしている。
従って、この実施の形態8によれば、巻線ユニット56のプレス回数が1回ですみ、製造工数の削減が図られる。
【0085】
なお、上記実施の形態8では、2つの巻線ユニット56をプレス治具46により一括プレスするものとして説明しているが、プレス治具46により一括してプレスする巻線ユニット56の個数は2つに限定されるものではない。例えば、固定子鉄心11に巻装される巻線アッセンブリ57が3つの場合には、3つの巻線ユニット56をプレス治具46により一括プレスすればよい。
【0086】
実施の形態9.
上記実施の形態7では、巻線ユニット56をプレス治具46によりプレスして巻線アッセンブリ57を作製するものとしているが、この実施の形態9では、プレス成形により巻線アッセンブリ57を作製した後、さらに巻線アッセンブリ57の長方形断面に変形されたスロット収納部42に第2絶縁被膜14aを被覆するものとしている。
【0087】
つまり、円形断面を有する導体線39で作製された巻線ユニット56の直線部56aは、図23の(a)に示されるように、円形断面を有している。この巻線ユニット56がプレス治具46によりプレスされると、直線部56aは、図23の(b)に示されるように、長方形断面に変形され、スロット収納部42となる。ついで、スロット収納部42に第2絶縁被膜14aを被覆する。これにより、スロット収納部42は、図23の(c)に示されるように、絶縁被膜14と第2絶縁被膜14aとの2層構造となる。
【0088】
上記実施の形態7では、プレス治具46により巻線アセンブリ57を作製した際に、直線部56aの銅線材60が塑性変形するとともに、長方形断面の長辺に被覆されている絶縁被膜14も延ばされ、厚みが薄くなる。これにより、スロット収納部42の長辺や角部で絶縁被膜14のクラックが生じ、絶縁不良の原因となる。
しかしながら、この実施の形態9によれば、プレス成形により巻線アッセンブリ57を作製した後、巻線アッセンブリ57の長方形断面に変形されたスロット収納部42に第2絶縁被膜14aを被覆するものとしているので、スロット収納部42に被覆された絶縁被膜は、絶縁被膜14と第2絶縁被膜14aとの2層構造となり、絶縁被膜14に発生したクラックが第2絶縁被膜14aにより塞がれ、絶縁性が向上される。
【0089】
ここで、絶縁被膜の材料について説明する。
銅線材60に被覆される絶縁樹脂14は、プレス成形が実施されることから、優れた密着性が要求される。そこで、絶縁被膜14には、例えばポリエステルイミド樹脂等の密着性強化樹脂を用いることが望ましい。
また、第2絶縁被膜14aにはプレス成形が実施されないので、例えばポリアミドイミド樹脂等の耐熱性樹脂を用いることが望ましい。
【0090】
なお、絶縁被膜14と第2絶縁被膜14aとに同一の樹脂を用いても、絶縁被膜を2層構造とすることにより、プレス成形による絶縁被膜14に生じたクラックが第2絶縁被膜14aにより塞がれるので、絶縁性を向上出きる効果が得られる。また、絶縁被膜14に密着性強化樹脂を用い、第2絶縁被膜14aに耐熱性樹脂を用いれば、プレス成形時のクラックが発生しにくく、かつ、固定子巻線の発熱による絶縁被膜の軟化が抑えられ、絶縁性がさらに向上される。
【0091】
実施の形態10.
この実施の形態10では、図24に示されるように、巻線アセンブリ57が3層に重ねられて固定子鉄心11に巻装されている。つまり、固定子巻線の各相の巻線が6ターンの波巻き巻線に形成されている。そして、各スロット11a内には6本のスロット収納部42が長方形断面の長手方向を径方向に一致させて1列に配列されている。
ここで、最内周層に位置するスロット収納部42aの内周側端面が円弧状に成形され、最外周層に位置するスロット収納部42bの外周側端面が円弧状に成形されている。つまり、最内周層および最外周層に位置するスロット収納部42a、42bが砲丸状に成形されている。
なお、他の構成は上記実施の形態7と同様に構成されている。
【0092】
この実施の形態10によれば、最外周層に位置するスロット収納部42bが砲丸状に成形されているので、巻線アッセンブリ57を積層鉄心58のスロット58a(11a)に径方向の内側から装着する際に、巻線アッセンブリ57をスムーズに挿入することができる。また、スロット収納部42bの先端部とスロット58aの側壁面との擦れに起因する絶縁被膜14の損傷が抑えられ、絶縁性が向上される。
また、最内周層に位置するスロット収納部42aが砲丸状に成形されているので、積層鉄心58を環状に曲げる際に、積層鉄心58のティース部58b(11b)の鍔部58c(11c)とスロット収納部42aとの干渉が抑えられる。これにより、スロット収納部42aの先端部とティース部58bの鍔部58cとの干渉に起因する絶縁被膜14の損傷が抑えられ、絶縁性が向上される。
【0093】
ここで、スロット収納部42a、42bの形成は、図25に示されるように、一対の直線部56aが第2プレス溝48bの底部に当接した後、直線部56aの第2プレス溝48bの底部との当接面が平坦となる前にプレス棒49aによる押圧を停止することで形成することができる。
また、スロット収納部42aは、その内周側端面全体を円弧状に形成する必要はなく、少なくともスロット収納部42aの内周側角部の曲率半径が外周側角部の曲率半径より大きく形成されていればよい。どうように、スロット収納部42bは、その外周側端面全体を円弧状に形成する必要はなく、少なくともスロット収納部42bの外周側角部の曲率半径が内周側角部の曲率半径より大きく形成されていればよい。
【0094】
なお、上記各実施の形態では、スロット収納部を円形断面を有する連結部により接続するものとしているが、連結部の断面形状は円形断面に限定されるものではなく、非扁平な断面形状であればよい。ここで、非扁平な断面形状とは、全方位に渡って径がほぼ等しい断面であり、円形、正方形、正多角形などの断面形状である。また、スロット収納部は扁平な断面形状であればよく、長方形、レーストラック状、砲丸状などの断面形状が用いられる。
【0095】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0096】
この発明によれば、複数のスロットが形成された固定子鉄心と、絶縁被膜が被覆された導体線を上記スロットに巻装して形成された固定子巻線とを有する車両用交流発電機の固定子において、
上記固定子巻線は、上記複数のスロットに2n本(n:整数)づつ収納され、それぞれ扁平な断面形状に形成され、平坦面を該スロットの側壁面に密接させて各スロット内にスロット深さ方向に1列に並んで配列されたスロット収納部と、所定スロット数離れたスロット対のそれぞれにおいて、上記固定子鉄心の軸方向の第1端面側で、両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を非扁平な断面を有する連続導体線により直列に接続するn本の第1コイルエンドと、上記所定スロット数離れたスロット対のそれぞれにおいて、上記固定子鉄心の軸方向の第2端面側で、上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列接続するn本の第2コイルエンドとを備え、
上記固定子鉄心の第1端面側で上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列に接続するn本の上記第1コイルエンドが周方向に1スロットピッチで配列されて第1コイルエンド群を構成し、上記固定子鉄心の第2端面側で上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列に接続するn本の上記第2コイルエンドが周方向に1スロットピッチで配列されて第2コイルエンド群を構成しているので、車両用交流発電機の小型高出力化を実現できるとともに、絶縁性を向上できる車両用交流発電機の固定子が得られる。
【0097】
また、上記第2コイルエンドが非扁平な断面を有する連続導体線により形成さているので、第2コイルエンド同士の接触による絶縁被膜の損傷が抑えられ、さらに絶縁性が向上される。
【0098】
また、上記非扁平な断面を有するコイルエンドの断面積が上記スロット収納部の断面積より車両用交流発電機の固定子大きいので、車両用交流発電機に搭載した際に、コイルエンドでの発熱量が抑えられ、冷却ファンを小さくできる。
【0099】
また、上記スロット内の最外番地に収納されている上記スロット収納部は、径方向の外側の角部の曲率半径が径方向の内側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているので、導体線をスロットに巻装する際に、導体線とスロットとの干渉が抑えられ、絶縁被膜の損傷が抑えられ、絶縁性が向上される。
【0100】
また、上記スロット内の最内番地に収納されている上記スロット収納部は、径方向の内側の角部の曲率半径が径方向の外側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているので、ティース先端の鍔部とスロット収納部との干渉に起因する絶縁被膜の損傷が抑えられ、絶縁性が向上される。
【0101】
また、上記スロット収納部は、上記スロットの側壁面に密接する上記平坦面の絶縁被膜が径方向の外側および内側の部位の絶縁被膜より薄く形成されているので、スロット収納部での発熱が大きな放熱面積を有する固定子鉄心に速やかに伝達されて固定子鉄心の表面から放熱され、固定子巻線の温度向上が抑えられる。
【0102】
また、上記スロット収納部は、絶縁被膜が2層に被覆されているので、スロット収納部の絶縁被膜の損傷が抑えられ、絶縁性が向上される。
【0103】
また、上記絶縁被膜は密着性強化樹脂からなる下層絶縁被膜と、耐熱性樹脂から成る上層絶縁被膜とから構成されているので、曲げに起因する絶縁被膜の損傷が抑えられ、かつ、固定子巻線での発熱に起因する絶縁被膜の軟化が抑えられ、優れた絶縁性が得られる。
【0104】
また、上記第1および第2コイルエンド群は、上記第1および第2のコイルエンドが、上記スロット収納部からの立ち上がり部と頂部との間に位置する上記固定子鉄心の軸方向に対して傾斜する斜行部を周方向に接触させて配列されて構成されているので、第1および第2コイルエンド群の固定子鉄心の端面からの延出量が少なくなり、車両用交流発電機に搭載した際に、第1および第2コイルエンド群における通風抵抗を小さくできる。
【0105】
また、上記スロット収納部が非扁平の断面を有するコイルエンドにおける上記固定子鉄心の軸方向に対して傾斜する上記スロット収納部からの立ち上がり部と頂部との間に位置する斜行部より高い硬度を有するように形成されているので、コイルエンドの斜行部が変形しやすくなり、コイルエンド同士が干渉しても、絶縁被膜の損傷が生じにくく、絶縁性が向上される。
【0106】
また、上記第1および第2コイルエンド群の一方から延出する上記固定子巻線の口出し線が円形断面を有するように形成されているので、口出し線と整流器との接続作業が容易となる。
【0107】
また、直線部が連結部により連結されて所定スロットピッチで配列され、かつ、隣り合う該直線部が該連結部によりスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るようにずらされたパターンに形成され、絶縁被膜が被覆された非扁平な断面形状を有する2本の導体線を、互いに上記所定スロットピッチずらして該直線部を重ねて配列してなる導体線対が、1スロットピッチずつずらされて上記所定スロット数と同数対配列されて構成された帯状の巻線ユニットを作製する工程と、
上記巻線ユニットの直線部を扁平な断面形状にプレス成形して巻線アッセンブリを作製する工程と、
上記巻線アッセンブリの直線部を直方体の積層鉄心のスロットにスロット開口側から挿入して該巻線アッセンブリを該積層鉄心に装着する工程と、
上記巻線アセンブリが装着された上記積層鉄心を環状に曲げ、該積層鉄心の端面同士を突き合わせ、該積層鉄心の端面同士を溶接一体化する工程とを備えたので、固定子鉄心の端面での接合箇所が著しく削減され、生産性に優れた車両用交流発電機の固定子の製造方法が得られる。
【0108】
また、上記巻線アッセンブリの作製工程において、上記直線部の幅以上の溝幅を有する第1プレス溝と、上記直線部の幅より狭い溝幅を有し、第1プレス溝に連続して溝深さ方向に延設された第2プレス溝とを備えた金型を用い、上記巻線ユニットの直線部を上記第1プレス溝内に収納した後、上記第1プレス溝側から該直線部を押圧して該直線部を上記第2プレス溝内に圧入し、該直線部を扁平な断面形状に変形させるので、巻線ユニットの金型へのセットが簡易となり、プレス作業性が向上されるとともに、直線部を簡易に扁平な断面形状に変形することができる。
【0109】
また、上記積層鉄心に装着されている上記巻線アッセンブリにおいて、上記スロット内のスロット深さ方向の最深位置に収納されている上記直線部は、スロット底部側の角部の曲率半径がスロット開口側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているので、巻線アッセンブリを積層鉄心にスムーズに装着できるとともに、直線部とスロットとの干渉に起因する絶縁被膜の損傷が抑えられ、絶縁性が向上される。
【0110】
また、上記積層鉄心に装着されている上記巻線アッセンブリにおいて、上記スロット内のスロット深さ方向の最浅位置に収納されている上記直線部は、スロット開口側の角部の曲率半径がスロット底部側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されているので、積層鉄心を環状に曲げる際に、積層鉄心のティース部先端の鍔部と直線部との干渉が抑えられ、鍔部と直線部との干渉に起因する絶縁被膜の損傷が抑えられ、絶縁性が向上される。
【0111】
また、上記巻線アッセンブリの作製工程において、上記巻線ユニットの全ての直線部を一括してプレス成形するようにしたので、製造工程が簡略化され、製造時間を短縮できる。
【0112】
また、上記巻線アッセンブリの作製工程において、複数の上記巻線ユニットの全ての直線部を一括してプレス成形するようにしたので、製造工程がさらに簡略化され、製造時間を短縮できる。
【0113】
また、上記巻線アッセンブリの直線部に第2絶縁被膜を塗布形成する工程を有するので、直線部のプレス成形時に絶縁樹脂にクラックが発生しても、第2絶縁被膜により該クラックが塞がれ、絶縁性が向上される。
【0114】
また、上記絶縁被膜が密着性強化樹脂であり、上記第2絶縁被膜が耐熱性樹脂であるので、直線部のプレス成形時における絶縁被膜のクラック発生が抑えられ、かつ、固定子巻線での発熱に起因する第2絶縁被膜の軟化が抑えられ、絶縁性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の要部を軸方向の第1端面側から見た斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の要部を軸方向の第2端面側から見た斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される導体セグメントを示す斜視図である。
【図4】 図3に示される導体セグメントを形成する方法を説明するための斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子鉄心に導体セグメントを装着する方法を説明するための斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の製造方法を説明する工程図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子における固定子鉄心のスロット内の導体セグメントの配置を説明する図である。
【図8】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線における1相分の巻線の結線状態を説明する端面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される異形導体セグメントを示す斜視図である。
【図10】 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される導体セグメントを示す斜視図である。
【図11】 この発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される導体セグメントを形成する方法を説明するための斜視図である。
【図12】 この発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される導体セグメントを形成する方法を説明するための斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機の固定子の要部を内径側から見た平面図である。
【図14】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の要部を示す斜視図である。
【図15】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線における1相分の巻線の結線状態を説明する端面図である。
【図16】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの製造方法を説明する図である。
【図17】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの製造方法を説明する図である。
【図18】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの製造方法を説明する図である。
【図19】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリを示す側面図である。
【図20】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの巻線構造を説明する斜視図である。
【図21】 この発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の固定子の製造方法を説明する工程断面図である。
【図22】 この発明の実施の形態8に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリのプレス工程を説明する図である。
【図23】 この発明の実施の形態9に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリの製造方法を説明する工程断面図である。
【図24】 この発明の実施の形態10に係る車両用交流発電機の固定子におけるスロット内の導体線の配列状態を説明する断面図である。
【図25】 この発明の実施の形態10に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線に適用される巻線アッセンブリのプレス工程を説明する図である。
【図26】 従来の車両用交流発電機の固定子の要部を示す断面図である。
【図27】 従来の車両用交流発電機の固定子の固定子巻線を構成する導体セグメントを示す斜視図である。
【符号の説明】
10、35 固定子、11 固定子鉄心、11a スロット、12、36 固定子巻線、12a、36a 第1コイルエンド群、12b、36b 第2コイルエンド群、14 絶縁被膜、14a 第2絶縁被膜、15、25、28 導体セグメント、16a、25a スロット収納部、16b、25c 斜行部、17、25b、30 連結部、17b 斜行部、29 直線部、39、40 導体線、41 連結部、42 スロット収納部、46 プレス治具、47 金型、48 プレス溝、48a 第1プレス溝、48b 第2プレス溝、56 巻線ユニット、56a 直線部、57 巻線アッセンブリ。

Claims (19)

  1. 複数のスロットが形成された固定子鉄心と、絶縁被膜が被覆された導体線を上記スロットに巻装して形成された固定子巻線とを有する車両用交流発電機の固定子において、
    上記固定子巻線は、上記複数のスロットに2n本(n:整数)づつ収納され、それぞれ扁平な断面形状に形成され、平坦面を該スロットの側壁面に密接させて各スロット内にスロット深さ方向に1列に並んで配列されたスロット収納部と、所定スロット数離れたスロット対のそれぞれにおいて、上記固定子鉄心の軸方向の第1端面側で、両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を非扁平な断面を有する連続導体線により直列に接続するn本の第1コイルエンドと、上記所定スロット数離れたスロット対のそれぞれにおいて、上記固定子鉄心の軸方向の第2端面側で、上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列接続するn本の第2コイルエンドとを備え、
    上記固定子鉄心の第1端面側で上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列に接続するn本の上記第1コイルエンドが周方向に1スロットピッチで配列されて第1コイルエンド群を構成し、上記固定子鉄心の第2端面側で上記両スロット内のスロット深さ方向に関して異なる番地に収納されている上記スロット収納部を直列に接続するn本の上記第2コイルエンドが周方向に1スロットピッチで配列されて第2コイルエンド群を構成していることを特徴とする車両用交流発電機の固定子。
  2. 上記第2コイルエンドが非扁平な断面を有する連続導体線により形成さていることを特徴とする請求項1記載の車両用交流発電機の固定子。
  3. 上記非扁平な断面を有するコイルエンドの断面積が上記スロット収納部の断面積より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  4. 上記スロット内の最外番地に収納されている上記スロット収納部は、径方向の外側の角部の曲率半径が径方向の内側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  5. 上記スロット内の最内番地に収納されている上記スロット収納部は、径方向の内側の角部の曲率半径が径方向の外側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  6. 上記スロット収納部は、上記スロットの側壁面に密接する上記平坦面の絶縁被膜が径方向の外側および内側の部位の絶縁被膜より薄く形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  7. 上記スロット収納部は、絶縁被膜が2層に被覆されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  8. 上記絶縁被膜は密着性強化樹脂からなる下層絶縁被膜と、耐熱性樹脂から成る上層絶縁被膜とから構成されていることを特徴とする請求項7記載の車両用交流発電機の固定子。
  9. 上記第1および第2コイルエンド群は、上記第1および第2のコイルエンドが、上記スロット収納部からの立ち上がり部と頂部との間に位置する上記固定子鉄心の軸方向に対して傾斜する斜行部を周方向に接触させて配列されて構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  10. 上記スロット収納部が非扁平の断面を有するコイルエンドにおける上記固定子鉄心の軸方向に対して傾斜する上記スロット収納部からの立ち上がり部と頂部との間に位置する斜行部より高い硬度を有するように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  11. 上記第1および第2コイルエンド群の一方から延出する上記固定子巻線の口出し線が円形断面を有するように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用交流発電機の固定子。
  12. 直線部が連結部により連結されて所定スロットピッチで配列され、かつ、隣り合う該直線部が該連結部によりスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るようにずらされたパターンに形成され、絶縁被膜が被覆された非扁平な断面形状を有する2本の導体線を、互いに上記所定スロットピッチずらして該直線部を重ねて配列してなる導体線対が、1スロットピッチずつずらされて上記所定スロット数と同数対配列されて構成された帯状の巻線ユニットを作製する工程と、
    上記巻線ユニットの直線部を扁平な断面形状にプレス成形して巻線アッセンブリを作製する工程と、
    上記巻線アッセンブリの直線部を直方体の積層鉄心のスロットにスロット開口側から挿入して該巻線アッセンブリを該積層鉄心に装着する工程と、
    上記巻線アセンブリが装着された上記積層鉄心を環状に曲げ、該積層鉄心の端面同士を突き合わせ、該積層鉄心の端面同士を溶接一体化する工程とを備えたことを特徴とする車両用交流発電機の固定子の製造方法。
  13. 上記巻線アッセンブリの作製工程において、上記直線部の幅以上の溝幅を有する第1プレス溝と、上記直線部の幅より狭い溝幅を有し、第1プレス溝に連続して溝深さ方向に延設された第2プレス溝とを備えた金型を用い、上記巻線ユニットの直線部を上記第1プレス溝内に収納した後、上記第1プレス溝側から該直線部を押圧して該直線部を上記第2プレス溝内に圧入し、該直線部を扁平な断面形状に変形させることを特徴とする請求項12記載の車両用交流発電機の固定子の製造方法。
  14. 上記積層鉄心に装着されている上記巻線アッセンブリにおいて、上記スロット内のスロット深さ方向の最深位置に収納されている上記直線部は、スロット底部側の角部の曲率半径がスロット開口側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されていることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の車両用交流発電機の固定子の製造方法
  15. 上記積層鉄心に装着されている上記巻線アッセンブリにおいて、上記スロット内のスロット深さ方向の最浅位置に収納されている上記直線部は、スロット開口側の角部の曲率半径がスロット底部側の角部の曲率半径より大きい断面形状に形成されていることを特徴とする請求項12乃至請求項14の何れかに記載の車両用交流発電機の固定子の製造方法
  16. 上記巻線アッセンブリの作製工程において、上記巻線ユニットの全ての直線部を一括してプレス成形するようにしたことを特徴とする請求項12乃至請求項15の何れかに記載の車両用交流発電機の固定子の製造方法。
  17. 上記巻線アッセンブリの作製工程において、複数の上記巻線ユニットの全ての直線部を一括してプレス成形するようにしたことを特徴とする請求項12乃至請求項15の何れかに記載の車両用交流発電機の固定子の製造方法。
  18. 上記巻線アッセンブリの直線部に第2絶縁被膜を塗布形成する工程を有することを特徴とする請求項12乃至請求項17の何れかに記載の車両用交流発電機の固定子の製造方法。
  19. 上記絶縁被膜が密着性強化樹脂であり、上記第2絶縁被膜が耐熱性樹脂であることを特徴とする請求項18記載の車両用交流発電機の固定子の製造方法。
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