JP3676563B2 - エンジンにおけるセンサ支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達機構の少なくとも一部を覆うカバーをエンジン本体にシール部材を介して弾性支持したエンジンに関し、特に、そのエンジンの動力伝達機構の回転部材の回転を検出するセンサの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの燃料噴射時期や点火時期の制御は、カムシャフトの軸端やクランクシャフトの軸端に設けたプーリに形成した突起を、磁気ピックアップよりなるタイミングセンサで検出することにより行われる。かかるタイミングセンサの支持構造として、特開昭62−96860号公報に記載されたものが公知である。このものは、クランクプーリとカムプーリとを接続するタイミングベルトを覆うベルトカバーの内側のシリンダヘッド壁面にタイミングセンサを支持し、このタイミングセンサでカムプーリに形成した突起を検出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タイミングセンサをベルトカバーの内側に配置すると、そのメンテナンスが面倒になるばかりか、タイミングセンサに連なるハーネスをベルトカバーの外部に引き出すための取り回しが複雑になる問題がある。かかる不具合を解消すべくタイミングセンサをベルトカバーの外側面に支持することが考えられるが、一般にベルトカバーはエンジン本体にシール部材を介して弾性支持されているため、そのベルトカバーに支持されたタイミングセンサの支持剛性が低下して検出精度の確保が難しくなる問題がある。特に、ベルトカバーが低剛性の合成樹脂製である場合には、上記問題が一層顕著なものとなる。 本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、エンジンの動力伝達機構の回転部材の回転を検出するセンサのメンテナンス性を確保しながら検出精度を向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、動力伝達機構の少なくとも一部を覆うカバーをエンジン本体にシール部材を介して弾性支持し、前記エンジン本体には、該エンジン本体を車体に支持するためのエンジンマウントブラケットを固定してなる エンジンにおけるセンサ支持構造であって、前記動力伝達機構の回転部材あるいは該動力伝達機構と共に回転する回転部材の回転を検出するセンサを、記カバーの外側に位置させた前記エンジンマウントブラケットに支持したことを特徴とする。
【0005】
上記構成によれば、動力伝達機構の回転部材あるいは該動力伝達機構と共に回転する回転部材の回転を検出するセンサをエンジン本体に固定したセンサ取付部材としてのエンジンマウントブラケットに支持したので、エンジン本体にシール部材を介して弾性支持したカバーにセンサを支持する場合に比べて、センサの支持剛性を高めて検出精度を向上させることができる。またセンサがカバーの外側に支持されるので、センサのメンテナンスが容易であるばかりか、センサに連なるハーネスの取り回しも容易になる。しかも、エンジン本体を車体に支持するための高剛性のエンジンマウントブラケットをセンサ取付部材として利用するので、特別のセンサ取付部材が不要になるだけでなく、センサの支持剛性が充分に高まって該センサの振動が抑制されるために検出精度が向上する。
【0006】
尚、前記動力伝達機構と共に回転する回転部材とは、動力伝達機構に連動して回転するが動力を伝達する機能を持たない部材であって、例えば被検出部を備えたベルトガイドや、被検出部を備えた回転検出専用のプレートが含まれる。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記回転部材は前記カバーの内側に設けられており、前記センサは、前記エンジンマウントブラケットの支持部に固定されていて、該支持部および前記カバーに各々形成した貫通孔を介して前記回転部材に臨んでおり、前記カバーの貫通孔に装着したシール部材のリップが、前記エンジンマウントブラケットの支持部の背面に当接していることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、回転部材をカバーの内側に設けて塵の付着を防止しながら、センサをカバーの貫通孔を介して回転部材に臨ませて該回転部材の回転を支障無く検出することができる。しかもセンサの本体部をカバーの貫通孔に挿入する作業が容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1はエンジンの正面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の3−3線拡大断面図、図4は図2の4−4線拡大断面図、図5は図2の5−5線拡大断面図である。
【0010】
図1に示すように、直列多気筒のエンジンEは、シリンダブロック1の上面にシリンダヘッド2およびヘッドカバー3が重ね合わされて結合され、また下面にオイルパン4が結合される。シリンダブロック1に支持したクランクシャフト5に設けたカム駆動プーリ6と、シリンダヘッド2に支持したカムシャフト7に設けたカム従動プーリ8と、シリンダブロック1に支持したウオータポンプシャフト9に設けたウオータポンプ従動プーリ10とに、タイミングベルトよりなるカム駆動ベルト11が巻き掛けられる。カム駆動ベルト11には、シリンダブロック1に支持したアイドラプーリ12が当接するとともに、シリンダブロック1に枢軸13で枢支されてスプリング14で付勢されたテンションプーリ15が当接する。カム駆動プーリ6の直径はカム従動プーリ8の直径の2分の1であり、従ってカムシャフト7はクランクシャフト5の2回転につき1回転する。
【0011】
前記カム駆動プーリ6、カム従動プーリ8、ウオータポンプ従動プーリ10、カム駆動ベルト11、アイドラプーリ12およびテンションプーリ15は本発明の動力伝達機構Dを構成する。
【0012】
シリンダブロック1の側部に発電機16が支持されており、その発電機16に設けた発電機従動プーリ17とクランクシャフト5に設けた発電機駆動プーリ18とが発電機駆動ベルト19により接続される。
【0013】
シリンダブロック1、シリンダヘッド2およびヘッドカバー3の3つの部材に跨がって、前記カム駆動ベルト11の外周を囲むようにベルトカバー支持面20が形成されており、このベルトカバー支持面20に合成樹脂製のベルトカバー21(図3参照)が支持される。尚、図1および図2は、カム従動プーリ8、ウオータポンプ従動プーリ10、アイドラプーリ12、テンションプーリ15およびカム駆動ベルト11を示すために、ベルトカバー21を取り外した状態で描かれている。
【0014】
図2および図3を併せて参照すると明らかなように、シリンダヘッド2の壁面から突出するカムシャフト7の先端にノックピン22を介してカム従動プーリ8が嵌合し、ワッシャ23を貫通してカムシャフト7の端面に螺入したボルト24で固定される。カム従動プーリ8の外周部にはコグベルトよりなるカム駆動ベルト11が噛合する歯部81 が形成されるとともに、その側面には4個の被検出突起82 …がカムシャフト7を中心とする円周上に突設される。
【0015】
ベルトカバー21の外周に形成された結合面211 に環状のシール部材25(図3参照)が支持されおり、このシール部材25がベルトカバー支持面20に当接することにより、ベルトカバー21がエンジン本体に弾性支持される。
【0016】
シリンダヘッド2に、エンジンEを図示せぬ車体フレームに支持するためのエンジンマウントブラケット26が3本のボルト27,28,29で固定される。前記エンジンマウントブラケット26は本発明のセンサ取付部材を構成する。図4に示すように、エンジンマウントブラケット26の下端部を貫通したボルト27が更にパイプ状のスペーサ30を貫通してシリンダヘッド2に螺入されており、これによりエンジンマウントブラケット26の下端部がシリンダヘッド2から所定距離だけ離間した位置に固定される。前記ボルト27およびスペーサ30を遊嵌する開口212 がベルトカバー21に形成されており、エンジンマウントブラケット26に形成したボス部261 を貫通するボルト31を前記開口212 の周縁部に螺入することにより、ベルトカバー21の中間部がエンジンマウントブラケット26に固定される。
【0017】
図5に示すように、エンジンマウントブラケット26の右端部が中空のノックピン32を介してシリンダヘッド2に位置決めされており、エンジンマウントブラケット26およびノックピン32を貫通するボルト28をシリンダヘッド2に螺入することにより、エンジンマウントブラケット26の右端部がシリンダヘッド2に正確に固定される。エンジンマウントブラケット26の上部から右方向に突出する2本の支持アーム262 ,262 の先端に発電機支持ブラケット33がボルト34で固定されており、この発電機支持ブラケット33に形成した円弧状の長溝331 に前記発電機16がボルト35で固定される(図1参照)。尚、エンジンマウントブラケット26の上端部も、図5に記載したものと同じ中空のノックピン32を介してシリンダヘッド2に位置決めされ、前記ノックピン32を貫通するボルト29でシリンダヘッド2に固定される。
【0018】
このようにして3本のボルト27,28,29でシリンダヘッド2に固定されたエンジンマウントブラケット26は、その取車体付部263 が図示せぬエンジンマウントを介して車体フレームに支持される。
【0019】
図2および図3から明らかなように、エンジンマウントブラケット26から左方向に突出する2本の支持アーム264 ,264 の先端に、板状の支持部265 が一体に形成される。磁気ピックアップよりなるタイミングセンサ36は、概略円柱状の本体部361 と、この本体部361 に連設された板状の取付フランジ362 と、この取付フランジ362 に連設されたコネクタ部363 とから構成される。タイミングセンサ36は、本体部361 がエンジンマウントブラケット26の支持部265 に形成した貫通孔266 と、ベルトカバー21に形成した貫通孔213 とを貫通し、その先端がカム従動プーリ8の被検出突起82 …の先端に臨む状態で、取付フランジ362 を貫通してエンジンマウントブラケット26の支持部265 に螺入されるボルト37により固定される。
【0020】
上述のようにしてタイミングセンサ36をエンジンマウントブラケット26に取り付けたとき、タイミングセンサ36の本体部361 の外周に支持したOリング38がエンジンマウントブラケット26の貫通孔266 の内周面に当接する。またベルトカバー21の貫通孔213 にシール部材39が保持されており、そのリップ391 がタイミングセンサ36の本体部361 の外周面に当接し、前記貫通孔213 をシールする。タイミングセンサ36の本体部361 をベルトカバー21の貫通孔213 を通してカム従動プーリ8に臨ませたので、タイミングセンサ36をベルトカバー21の外部に設けながら、該ベルトカバー21の内部に設けたカム従動プーリ8の回転を検出することができる。
【0021】
而して、エンジンEの運転によりクランクシャフト5が回転すると、クランクシャフト5に設けたカム駆動プーリ6の回転がカム駆動ベルト11を介してカム従動プーリ8に伝達され、カムシャフト7がクランクシャフト5の2分の1の回転数で回転する。カム従動プーリ8の回転に伴い、その側面に突設した4個の被検出突起82 …がタイミングセンサ36の本体部361 の先端に接近すると、電磁誘導作用により前記本体部361 の内部に設けられたコイルに電流が流れるため、その電流の波形に基づいてカムシャフト7の位相を検出することができる。検出されたカムシャフト7の位相に基づいてエンジンEの燃料噴射時期や点火時期の制御が行われる。
【0022】
シリンダブロック1、シリンダヘッド2およびヘッドカバー3にシール部材25を介して弾性支持された合成樹脂製のベルトカバー21は振動を起こし易いため、このベルトカバー21にタイミングセンサ36を支持すると、タイミングセンサ36がベルトカバー21と共に振動して検出精度が低下する虞がある。しかしながら、本実施例ではシリンダヘッド2に3本のボルト27,28,29で強固に固定された高剛性のエンジンマウントブラケット26を利用してタイミングセンサ36を支持したので、特別のセンサ取付部材が不要になり、しかもタイミングセンサ36の支持剛性を充分に高めるとができるので、タイミングセンサ36の振動を抑制して検出精度を高めることができる。
【0023】
エンジンマウントブラケット26は2本のノックピン32,32でシリンダヘッド2に位置決めされているので、タイミングセンサ36の取付位置の精度も高いものとなり、検出精度が一層高められる。またタイミングセンサ36がベルトカバー21の外部に配置されているので、ベルトカバー21を取り外すことなくタイミングセンサ36のメンテナンスを行うことが可能となり、ベルトカバー21の内側にタイミングセンサ36を設ける場合に比べてメンテナンス性が大幅に向上するとともに、ベルトカバー21の内側にハーネスを配置する必要がなくなって該ハーネスの取り回しが容易になる。しかもカム従動プーリ8がベルトカバー21の内部に収納されているので、そのカム従動プーリ8に塵が付着するのを防止することができる。
【0024】
次に、図6に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0025】
上述した第1実施例では、ベルトカバー21の貫通孔213 に装着したシール部材39のリップ391 がタイミングセンサ36の本体部361 に当接しているが、本第2実施例ではシール部材39のリップ391 がエンジンマウントブラケット26の支持部265 の背面に当接している。この構造を採用することにより、タイミングセンサ36の本体部361 をベルトカバー21の貫通孔213 に挿入する作業が容易になる。
【0026】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0027】
例えば、実施例ではタイミングセンサ36で検出するカム従動プーリ8がベルトカバー21の内側に収納されているが、そのカム従動プーリ8をベルトカバー21の外側に露出させてタイミングセンサ36に直接臨ませても良い。また実施例では動力伝達機構Dの回転部材としてカム従動プーリ8を用いているが、クランクシャフト5に設けたカム駆動プーリ6や発電機駆動プーリ18等の他の回転部材を用いることができる。また実施例では動力伝達機構Dにベルトを用いているが、ベルトに代えてチェーンやギヤを用いることも可能である。また実施例ではベルトカバー21を合成樹脂で構成しているが、それを金属で構成することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、動力伝達機構の回転部材の回転を検出するセンサをセンサをエンジン本体に固定したセンサ取付部材としてのエンジンマウントブラケットに支持したので、エンジン本体にシール部材を介して弾性支持したカバーにセンサを支持する場合に比べて、センサの支持剛性を高めて検出精度を向上させることができる。またセンサがカバーの外側に支持されるので、センサのメンテナンスが容易であるばかりか、センサに連なるハーネスの取り回しも容易になる。しかも、エンジン本体を車体に支持するための高剛性のエンジンマウントブラケットをセンサ取付部材として利用するので、特別のセンサ取付部材が不要になるだけでなく、センサの支持剛性が充分に高まって該センサの振動が抑制されるために検出精度が向上する。
【0029】
また特に請求項2発明によれば、回転部材をカバーの内側に設けて塵の付着を防止しながら、センサをエンジンマウントブラケットの支持部およびカバーの貫通孔を介して回転部材に臨ませて該回転部材の回転を支障無く検出することができる。しかもカバーの貫通孔に装着したシール部材のリップが、エンジンマウントブラケットの支持部の背面に当接しているので、センサの本体部をカバーの貫通孔に挿入する作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの正面図
【図2】 図1の要部拡大図
【図3】 図2の3−3線拡大断面図
【図4】 図2の4−4線拡大断面図
【図5】 図2の5−5線拡大断面図
【図6】 本発明の第2実施例に係るセンサの取付部を示す図
【符号の説明】
2 シリンダヘッド(エンジン本体)
8 カム従動プーリ(回転部材)
21 ベルトカバー(カバー)
213 貫通孔
25 シール部材
26 エンジンマウントブラケッ
26 5 支持部
26 6 貫通孔
36 タイミングセンサ(センサ)
39 シール部材
39 1 リップ
D 動力伝達機構

Claims (2)

  1. 動力伝達機構(D)の少なくとも一部を覆うカバー(21)をエンジン本体(2)にシール部材(25)を介して弾性支持し、前記エンジン本体(2)には、該エンジン本体(2)を車体に支持するためのエンジンマウントブラケット(26)を固定してなるエンジンにおけるセンサ支持構造であって、
    前記動力伝達機構(D)の回転部材(8)あるいは該動力伝達機構(D)と共に回転する回転部材の回転を検出するセンサ(36)を、記カバー(21)の外側に位置させた前記エンジンマウントブラケット(26)に支持したことを特徴とする、エンジンにおけるセンサ支持構造。
  2. 前記回転部材(8)は前記カバー(21)の内側に設けられており、前記センサ(36)は、前記エンジンマウントブラケット(26)の支持部(26 5 )にに固定されていて、該支持部(26 5 )および前記カバー(21)に各々形成した貫通孔(26 6 213 )を介して前記回転部材(8)に臨んでおり、前記カバー(21)の貫通孔(21 3 )に装着したシール部材(39)のリップ(39 1 )が、前記エンジンマウントブラケット(26)の支持部(26 5 )の背面に当接していることを特徴とする、請求項1に記載のエンジンにおけるセンサ支持構造
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