JP3794207B2 - 内燃機関のスタータ保持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のスタータ保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の始動時にフライホイールを回転させるためにスタータが用いられている。このスタータは、フライホイールに回転力を伝達するために、一般にシリンダブロックの側面に取り付けられている(例えば、特開平8−218935号公報)。そして始動時には、マグネットスイッチによりピニオンギアをフライホイールの外周に設けられたリングギアに噛み合わせるとともに、電気モータによりピニオンギアを介してフライホイールを回転させることにより、内燃機関の連続動作のきっかけを作っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、内燃機関の低回転時における出力トルクの向上を目的として、慣性効率上の観点からインテークマニホールドを長くする傾向にある。このために、内燃機関の上部側に長いインテークマニホールドを配置するためのスペースが必要となる。この構造では、シリンダブロックの外面に突出して取り付けられているスタータがインテークマニホールド配置の障碍となる。これを解決するために、スタータを、オイルパンやロアブロックなどのシリンダブロックの下側に取り付けられる下部部材側に配置する構成が提案されている(例えば、実開平3−63725号公報)。
【0004】
しかし、スタータは電動装置であり、内燃機関の下部に配置することは、自動車等の場合では走行中に水がかかる危険性が高まり、そのために故障を招き易くなる。
【0005】
本発明は、長いインテークマニホールドを配置する際の障碍とならず、更に水がかかり難いスタータ保持構造の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の内燃機関のスタータ保持構造は、内燃機関のシリンダブロックと、該シリンダブロックに対してクランクシャフトの軸線部分近傍にて下部から一体化される下部部材とを備えた内燃機関において、前記シリンダブロックと前記下部部材との境界部分に、スタータを前記シリンダブロックと前記下部部材とにより支持された状態で配置したことを特徴とする。
【0007】
このようにシリンダブロックと下部部材との境界部分に、スタータをシリンダブロックと下部部材とにより支持された状態で配置したことにより、スタータはシリンダブロック側にも下部部材側にも出過ぎることがなくなる。このため、スタータが、長いインテークマニホールドを配置する際の障碍とはならなくなるとともに、同時に自動車に適用した場合に走行中に水がかかり難くなる。
【0008】
また、スタータはシリンダブロックと下部部材とにより支持されていることにより、シリンダブロックに支持されているクランクシャフトに対する正確な位置決めが容易となる。このため、フライホイールの外周にあるリングギアに対してスタータのピニオンギアを精密に噛み合わせることができ、生産性が向上する。
【0009】
請求項2記載の内燃機関のスタータ保持構造は、請求項1記載の構成に対して、前記下部部材は、オイルパンまたはロアブロックのいずれかであることを特徴とする。
【0010】
このように、下部部材としてはオイルパンまたはロアブロックが挙げられ、請求項1の作用効果を生じさせることができる。
請求項3記載の内燃機関のスタータ保持構造は、請求項1または2記載の構成に対して、前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部と前記下部部材側に形成された1つの支持部とにより、スタータが3箇所で支持されていることを特徴とする。
【0011】
このように、3箇所での支持であるとともに、この3箇所支持の内で、クランクシャフトを支持しているシリンダブロック側に2箇所の支持部を形成しているので、スタータにおけるクランクシャフトに対する正確な位置決めが一層容易かつ確実なものとなる。このため、フライホイールの外周にあるリングギアに一層精密にピニオンギアを噛み合わせることができ、生産性が更に向上する。こうして、請求項1または2記載の作用効果をより顕著なものとできる。
【0012】
請求項4記載の内燃機関のスタータ保持構造は、請求項3記載の構成に対して、前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部はスタータの支持部分の外径と同一の内径を有する支持面を備え、前記下部部材側に形成された1つの支持部はスタータの支持部分の外径よりも大きい内径を有する支持面を備え、これら3つの支持面によりスタータが支持されていることを特徴とする。
【0013】
下部部材側に形成された1つの支持部はスタータの支持部分の外径よりも大きい内径を有する支持面である。したがって、この下部部材側の支持面はスタータの外周面に対して全面で支持するのではなく支持面の内のいずれかの1箇所にて支持することになる。このためシリンダブロック側に形成された2つの支持部の各支持面に対して、下部部材側の支持面は高精度に位置決めして成形したりあるいは組み立てなくても、支持面の内の適当な箇所にて安定した支持が可能となる。しかもスタータはシリンダブロック側に形成された2つの支持部の各支持面にて十分な位置精度を維持できる。したがって生産性が更に向上し、請求項3の作用効果を一層顕著なものとできる。
【0014】
請求項5記載の内燃機関のスタータ保持構造は、請求項3または4記載の構成に対して、前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の1つにより、主としてクランクシャフトの径方向におけるスタータの位置決めがなされ、前記シリンダブロック側の他の1つの支持部と前記下部部材側の1つの支持部とにより、主としてクランクシャフトの周方向における位置決めがなされていることを特徴とする。
【0015】
このように、シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の1つにより、主としてクランクシャフトの径方向におけるスタータの位置決めがなされることにより、クランクシャフトに対する正確なスタータの位置決めが可能となる。更に他の1つの支持部と下部部材側の1つの支持部とにより、主としてクランクシャフトの周方向の位置決めがなされる。このことにより、クランクシャフトにて回転しているフライホイールに対するスタータの正確な位置決めと確実な保持とが可能となる。こうして、請求項3または4記載の作用効果をより顕著なものとできる。
【0016】
請求項6記載の内燃機関のスタータ保持構造は、請求項3〜5のいずれかに記載の構成に対して、前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の少なくとも1つと前記下部部材側の1つの支持部とがスタータとトランスミッションとにより挟持されているとともに、スタータとトランスミッションとの間がボルト締めされていることを特徴とする。
【0017】
上述したごとく、シリンダブロックと下部部材とでそれぞれ支持部を備えてスタータを確実に支持するためには、シリンダブロックと下部部材との接続を強固なものとしなくてはならない。ここでは、2つの支持部を挟持しているスタータとトランスミッションとの間がボルト締めされた構成を採用することにより、それぞれの支持部を強固に把持して相互の位置関係を強固に固定することができる。このためシリンダブロックと下部部材との接続をより強固なものとすることができる。したがって請求項3〜5のいずれかの作用効果と共に、請求項3〜5のいずれかの構成を採用しても、他の部分で特別にシリンダブロックと下部部材とを強固に接続する構成を採用せずに済み、内燃機関の構成を更に複雑化したりすることがなく、内燃機関の軽量化を阻害することがない。
【0018】
請求項7記載の内燃機関のスタータ保持構造は、請求項3〜6のいずれかに記載の構成に対して、前記シリンダブロック側の1つの支持部および前記下部部材側の1つの支持部が、スタータの外周面に沿ってアーム状に形成されているとともに、両支持部の先端は相互に接触していないことを特徴とする。
【0019】
このように、アーム状の支持部同士の先端を接触させる必要はない。すなわち支持部により完全にスタータを包囲するように配置されている必要はない。したがってアーム状の支持部同士が、その先端が相互に接触せず離されていることにより、支持部を短くすることができる。このことから請求項3〜6のいずれかの作用効果と共に、更に支持部を太くしなくても強度が十分なものとでき、内燃機関の重量を増加させることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明のスタータの保持構造が適用された自動車用ガソリンエンジン2の一部分を示す概略構成図である。
【0021】
図1にて示されている構成は主にシリンダブロック4を中心とした部分である。シリンダブロック4にはジャーナル軸受け4aが形成さており、クランクキャップ4bとともにクランクシャフト6を回転可能に支持している。
【0022】
シリンダブロック4の下側にはオイルパン8(下部部材に相当する)が取り付けられている。またシリンダブロック4の上側にはシリンダヘッド10が取り付けられている。シリンダヘッド10の複数設けられた各吸気ポート10aには長いインテークマニホールド12の各分岐端12aが取り付けられている。
【0023】
シリンダブロック4とオイルパン8とはクランクシャフト6の軸線部分近傍で接続されて図示していない位置でボルト締めされて固定されている。
図1ではトランスミッション(図示略)との接続面側から見た状態を示している。このトランスミッションとの接続面では、シリンダブロック4とオイルパン8とはそれぞれ半円形端面4c,8aを形成しており、両者の接続により全体で円形端面13を形成している。この円形端面13の中心をクランクシャフト6の一端が貫通している。この貫通したクランクシャフト6にはフライホイール14(一点鎖線で示す)が取り付けられている。このフライホイール14の外周にはリングギア14aが形成されている。そして、リングギア14aに噛み合うように、円形端面13の外周部にはスタータ16が取り付けられている。
【0024】
図2の部分拡大図に示すごとくスタータ16は、シリンダブロック4とオイルパン8との境界部分に形成された凹部18内に収納されている。この凹部18には、図3(図2からスタータ16を取り除いた図)に示すごとく、シリンダブロック4から、支持アーム20(支持部に相当する)がシリンダブロック4の外周を延長するように伸び出している。またオイルパン8からは支持アーム22(支持部に相当する)がオイルパン8の外周を延長するように伸び出している。これら2本の支持アーム20,22の先端には同一円を形成する円弧状の支持面20a,22aが形成されている。更に、シリンダブロック4側には、オイルパン8側の半円形端面8aとの境界部分に接して、2つの支持アーム20,22の間の間隙部分に対向した位置に、クランクシャフト6の径方向でかつ外部へ突出する支持凸部24(支持部に相当する)が形成されている。この支持凸部24の先端には前記支持アーム20,22の支持面20a,22aと同一円を形成する円弧状の支持面24aが形成されている。
【0025】
スタータ16のハウジングの内で、ピニオンギア16aを包囲している円筒形のハウジング外周面16b(図2)は、前記支持面20a,22a,24aが形成する円と同径に形成されている。このため、図4(図2の左側から見た図、ただし密閉キャップ32を取り外した状態)に示すごとく、ガソリンエンジン2の中央側からスタータ16のピニオンギア16a部分を、支持アーム20,22および支持凸部24の間に挿入することで、ピニオンギア16aを覆っているハウジング外周面16bは支持面20a,22a,24aにて3箇所で支持される。
【0026】
また、このようにスタータ16を挿入することにより、図4に示したごとく、支持アーム20,22は図示左側からスタータ16のフランジ部16cとトランスミッション26のフランジ部26aとにより挟持される。そして、スタータ16のフランジ部16c側から支持アーム20,22の貫通孔20b,22bを貫通して、ボルト28,30がトランスミッション26のフランジ部26aへ通されて、トランスミッション26のフランジ部26aに螺合される。このことにより、スタータ16のフランジ部16cとトランスミッション26のフランジ部26aとにより支持アーム20,22を締め付けることができる。こうして、スタータ16自身が強固にシリンダブロック4およびオイルパン8に固定されるとともに、更に、シリンダブロック4、オイルパン8およびトランスミッション26の三者間の接続が補強される。
【0027】
また、図1,2に一点鎖線にて示したごとく、支持面20a,22a,24aの中央の空間には、円形端面13に沿って配置されたフライホイール14のリングギア14aが配置される。そして、エンジン始動時にイグニッションスイッチがオンされると、スタータ16のマグネットスイッチ16dが作動することにより、ピニオンギア16aがリングギア14a側に押し出される。このことによりピニオンギア16aとリングギア14aとが噛み合わされ、スタータ16にてフライホイール14を回転させることが可能となる。
【0028】
なお、支持アーム20と支持アーム22とは接続していないので、図4に示すごとく、単にスタータ16を取り付けた状態では、トランスミッション26とスタータ16のフランジ部16cとの間が一部開いている。ここには、本実施の形態1では、図示したごとく樹脂製の密閉キャップ32が取り付けられることにより、図5に示すごとく内部が密閉され、内部への塵埃等の侵入が防止されている。
【0029】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).シリンダブロック4とオイルパン8との境界部分に、スタータ16を、シリンダブロック4とオイルパン8とにより支持された状態で配置したことにより、シリンダブロック4側にもオイルパン8側にも出過ぎることがなくなる。このため、スタータ16が長いインテークマニホールド12を配置する際の障碍となることがないと同時に、自動車走行時に水がかかり難くなる。
【0030】
また、スタータ16はシリンダブロック4とオイルパン8とにより支持されていることにより、シリンダブロック4に支持されているクランクシャフト6に対する正確な位置決めが容易となる。このため、フライホイール14の外周にあるリングギア14aに精密にピニオンギア16aを噛み合わせることができ、生産性が向上する。
【0031】
(ロ).スタータ16はシリンダブロック4側に形成された支持アーム20および支持凸部24と、オイルパン8に形成された支持アーム22とにより、支持面20a,24a,22aの3箇所で支持されている。このように、3箇所での支持であるとともに、更にこの3箇所の内で、クランクシャフト6を支持しているシリンダブロック4側に2つの支持面20a,24aを形成している。このため、スタータ16はクランクシャフト6に対する正確な位置決めが一層容易かつ確実なものとなる。
【0032】
特に、シリンダブロック4側に形成された2つの支持面20a,24aの内で、支持面24aによりクランクシャフト6の径方向におけるスタータ16の位置決めがなされることにより、クランクシャフト6に対する正確なスタータ16の位置決めがなされる。更にもう一つの支持面20aとオイルパン8の支持面22aとで支持されることにより、クランクシャフト6の周方向での位置決めが正確になされる。したがって、フライホイール14の外周にあるリングギア14aに一層精密にピニオンギア16aを噛み合わせることができ、生産性が更に向上する。
【0033】
なお、3箇所での支持でなく、支持アーム20から支持凸部24を介して支持アーム22までの内周の全域でハウジング外周面16bを支持すると、位置精度が悪化し易くなる。
【0034】
(ハ).シリンダブロック4とオイルパン8とでそれぞれ支持アーム20,22を備えてスタータ16を確実に支持するためには、シリンダブロック4とオイルパン8との接続を強固なものとしなくてはならない。本実施の形態1では、支持アーム20,22を挟持しているスタータ16のフランジ部16cとトランスミッション26のフランジ部26aとの間はボルト締めされた構成としている。このため、支持アーム20,22同士の位置が強固に固定されるので、シリンダブロック4とオイルパン8との接続を強固なものとすることができる。したがって本実施の形態1のように分割形成されているシリンダブロック4とオイルパン8とに支持アーム20,22を形成して上下からスタータ16を支持する構成としても、他の部分で特別にシリンダブロック4とオイルパン8とを強固に接続する構成を採用せずに済む。このことから、ガソリンエンジン2の構成を徒に複雑化したりすることがなく、軽量化を阻害することがない。
【0035】
また、シリンダブロック4とオイルパン8とが強固に接続されているので、ガソリンエンジン2の振動騒音も低減する。
(ニ).シリンダブロック4側の支持アーム20およびオイルパン8側の支持アーム22が、スタータ16のハウジング外周面16bに沿ってアーム状に形成されているが、両支持アーム20,22の先端は接触していない。
【0036】
このように、両支持アーム20,22の先端は接触する必要はない。すなわち支持アーム20,22は完全にスタータ16を包囲するように配置されている必要はない。このように支持アーム20,22同士がその先端が離されていることにより、支持アーム20,22を短くすることができる。このことから支持アーム20,22を太くしなくても強度が十分なものとでき、ガソリンエンジン2の重量を増加させることがない。
【0037】
なお、スタータ16のハウジング外周面16bを全周覆うような支持アームとした場合には、精密な加工自体が困難となる傾向にある。
[実施の形態2]
本実施の形態2は、前記実施の形態1とは、図6,7に示すごとく、オイルパン側の支持アーム122における支持面122aの内径が、スタータ116のハウジング外周面116bの外径よりも大きい点が異なる。したがって、オイルパン側の支持面122aは図7に示すごとくP点(実際にはP点を通る接線)にてスタータ116のハウジング外周面116bを支持していることになる。これ以外の構成は基本的には前記実施の形態1と同じである。なお、特に説明のない限り、図6,7において前記実施の形態1と同一の機能を有する構成については、該当する実施の形態1の構成に付した符号に「100」を加えた符号で示している。
【0038】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).オイルパン側に形成された1つの支持面122aは、スタータ116のハウジング外周面116bの外径よりも大きい内径を有する支持面である。したがって、このオイルパン側の支持面122aはスタータ116のハウジング外周面116bに対して全面で支持するのではなく支持面122aの内のいずれかの1箇所にて支持することになる。このためシリンダブロック側に形成された2つの支持面120a,124aに対して、オイルパン側の支持面122aは高精度に位置決めして成形したりあるいは組み立てなくても、支持面122aの内の適当な箇所にて安定した支持が可能である。しかも、スタータ116はシリンダブロック側に形成された2つの支持面120a,124aにて十分な位置精度を維持できる。したがって生産性が更に向上することができる。
【0039】
(ロ).前記実施の形態1の(イ)〜(ニ)の効果を有する。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1,2においては、シリンダブロック4の下側に接続される下部部材としてはオイルパン8であったが、これ以外にクランクキャップ4bの機能も兼ねているロアブロックであっても良い。このようにロアブロックを下部部材として用いた場合には、ロアブロックによってもクランクシャフト6の位置が決定されていることから、支持凸部24,124をシリンダブロック4側に設ける代わりに、ロアブロック側に設けても良い。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の内燃機関のスタータ保持構造においては、内燃機関のシリンダブロックと、該シリンダブロックに対してクランクシャフトの軸線部分近傍にて下部から一体化される下部部材とを備えた内燃機関において、前記シリンダブロックと前記下部部材との境界部分に、スタータを前記シリンダブロックと前記下部部材とにより支持された状態で配置している。このようにスタータを配置したことにより、スタータはシリンダブロック側にも下部部材側にも出過ぎることがなくなる。このため、スタータが、長いインテークマニホールドを配置する際の障碍とはならなくなるとともに、同時に自動車に適用した場合に走行中に水がかかり難くなる。また、スタータはシリンダブロックと下部部材とにより支持されていることにより、シリンダブロックに支持されているクランクシャフトに対する正確な位置決めが容易となる。このため、フライホイールの外周にあるリングギアに対してスタータのピニオンギアを精密に噛み合わせることができ、生産性が向上する。
【0041】
請求項2記載の内燃機関のスタータ保持構造においては、請求項1記載の構成に対して、前記下部部材は、オイルパンまたはロアブロックのいずれかであることとしている。このように、下部部材としてはオイルパンまたはロアブロックが挙げられ、請求項1の効果を生じさせることができる。
【0042】
請求項3記載の内燃機関のスタータ保持構造においては、請求項1または2記載の構成に対して、前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部と前記下部部材側に形成された1つの支持部とにより、スタータが3箇所で支持されている。このように、3箇所での支持であるとともに、3箇所支持の内で、クランクシャフトを支持しているシリンダブロック側に2箇所の支持部を形成しているので、スタータにおけるクランクシャフトに対する正確な位置決めが一層容易かつ確実なものとなる。このため、フライホイールの外周にあるリングギアに一層精密にピニオンギアを噛み合わせることができ、生産性が更に向上する。こうして、請求項1または2記載の効果をより顕著なものとできる。
【0043】
請求項4記載の内燃機関のスタータ保持構造においては、請求項3記載の構成に対して、下部部材側に形成された1つの支持部はスタータの支持部分の外径よりも大きい内径を有する支持面としている。したがって、この下部部材側の支持面はスタータの外周面に対して全面で支持するのではなく支持面の内のいずれかの1箇所にて支持することになる。このためシリンダブロック側に形成された2つの支持部の各支持面に対して、下部部材側の支持面は高精度に位置決めして成形したりあるいは組み立てなくても、支持面の内の適当な箇所にて安定した支持が可能となる。しかもスタータはシリンダブロック側に形成された2つの支持部の各支持面にて十分な位置精度を維持できる。したがって生産性が更に向上し、請求項3の効果を一層顕著なものとできる。
【0044】
請求項5記載の内燃機関のスタータ保持構造においては、請求項3または4記載の構成に対して、前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の1つにより、主としてクランクシャフトの径方向におけるスタータの位置決めがなされ、前記シリンダブロック側の他の1つの支持部と前記下部部材側の1つの支持部とにより、主としてクランクシャフトの周方向における位置決めがなされている。このように、シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の1つにより、主としてクランクシャフトの径方向におけるスタータの位置決めがなされることにより、クランクシャフトに対する正確なスタータの位置決めが可能となる。更に他の1つの支持部と下部部材側の1つの支持部とにより、主としてクランクシャフトの周方向の位置決めがなされる。このことにより、クランクシャフトにて回転しているフライホイールに対するスタータの正確な位置決めと確実な保持とが可能となる。こうして、請求項3または4記載の効果をより顕著なものとできる。
【0045】
請求項6記載の内燃機関のスタータ保持構造においては、請求項3〜5のいずれかに記載の構成に対して、前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の少なくとも1つと前記下部部材側の1つの支持部とがスタータとトランスミッションとにより挟持されているとともに、スタータとトランスミッションとの間がボルト締めされている。シリンダブロックと下部部材とでそれぞれ支持部を備えてスタータを確実に支持するためには、シリンダブロックと下部部材との接続を強固なものとしなくてはならない。ここでは、2つの支持部を挟持しているスタータとトランスミッションとの間がボルト締めされた構成を採用することにより、それぞれの支持部を強固に把持して相互の位置関係を強固に固定することができる。このためシリンダブロックと下部部材との接続をより強固なものとすることができる。したがって請求項3〜5のいずれかの効果と共に、請求項3〜5のいずれかの構成を採用しても、他の部分で特別にシリンダブロックと下部部材とを強固に接続する構成を採用せずに済み、内燃機関の構成を更に複雑化したりすることがなく、内燃機関の軽量化を阻害することがない。
【0046】
請求項7記載の内燃機関のスタータ保持構造においては、請求項3〜6のいずれか記載の構成に対して、前記シリンダブロック側の1つの支持部および前記下部部材側の1つの支持部が、スタータの外周面に沿ってアーム状に形成されているとともに、両支持部の先端は相互に接触していない。このように、アーム状の支持部同士の先端を接触させる必要はない。すなわち支持部により完全にスタータを包囲するように配置されている必要はない。したがってアーム状の支持部同士が、その先端が相互に接触せず離されていることにより、支持部を短くすることができる。このことから請求項3〜6のいずれかの効果と共に、更に支持部を太くしなくても強度が十分なものとでき、内燃機関の重量を増加させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における自動車用ガソリンエンジンの一部分を示す概略構成図。
【図2】 図1における部分拡大図。
【図3】 図2においてスタータを取り外した状態を示す部分構成説明図。
【図4】 図2において密閉キャップを取り外して側面から見たスタータ取付状態の説明図。
【図5】 図4に対して密閉キャップを嵌合した状態を示す説明図。
【図6】 実施の形態2においてスタータを取り外した状態を示す部分構成説明図。
【図7】 実施の形態2においてスタータを取り付けた状態を示す部分構成説明図。
【符号の説明】
2…ガソリンエンジン、4…シリンダブロック、4b…クランクキャップ、4c…シリンダブロック側の半円形端面、6…クランクシャフト、8… オイルパン、8a…オイルパン側の半円形端面、10…シリンダヘッド、10a…吸気ポート、12…インテークマニホールド、12a…分岐端、13…円形端面、14…フライホイール、14a…リングギア、16…スタータ、16a…ピニオンギア、16b…ハウジング外周面、16c…フランジ部、16d… マグネットスイッチ、18…凹部、20…シリンダブロック側の支持アーム、20a,22a,24a…支持面、20b,22b…貫通孔、22…オイルパン側の支持アーム、24…支持凸部、26…トランスミッション、26a…フランジ部、28,30…ボルト、32…樹脂製密閉キャップ、116…スタータ、116b…ハウジング外周面、120a,122a,124a…支持面、122…オイルパン側の支持アーム。
Claims (7)
- 内燃機関のシリンダブロックと、該シリンダブロックに対してクランクシャフトの軸線部分近傍にて下部から一体化される下部部材とを備えた内燃機関において、前記シリンダブロックと前記下部部材との境界部分に、スタータを前記シリンダブロックと前記下部部材とにより支持された状態で配置したことを特徴とする内燃機関のスタータ保持構造。
- 前記下部部材は、オイルパンまたはロアブロックのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のスタータ保持構造。
- 前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部と前記下部部材側に形成された1つの支持部とにより、スタータが3箇所で支持されていることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のスタータ保持構造。
- 前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部はスタータの支持部分の外径と同一の内径を有する支持面を備え、前記下部部材側に形成された1つの支持部はスタータの支持部分の外径よりも大きい内径を有する支持面を備え、これら3つの支持面によりスタータが支持されていることを特徴とする請求項3記載の内燃機関のスタータ保持構造。
- 前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の1つにより、主としてクランクシャフトの径方向におけるスタータの位置決めがなされ、前記シリンダブロック側の他の1つの支持部と前記下部部材側の1つの支持部とにより、主としてクランクシャフトの周方向における位置決めがなされていることを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関のスタータ保持構造。
- 前記シリンダブロック側に形成された2つの支持部の内の少なくとも1つと前記下部部材側の1つの支持部とがスタータとトランスミッションとにより挟持されているとともに、スタータとトランスミッションとの間がボルト締めされていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の内燃機関のスタータ保持構造。
- 前記シリンダブロック側の1つの支持部および前記下部部材側の1つの支持部が、スタータの外周面に沿ってアーム状に形成されているとともに、両支持部の先端は相互に接触していないことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の内燃機関のスタータ保持構造。
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