JP3675657B2 - 投影測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影測定装置に係り、特に、微細な被測定物をスクリーンに拡大投影し、見本形状との比較測定などを行う投影測定装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来例を図4に示す。同図において、光源51の照射方向には、コンデンサレンズ52、投影レンズ53、スクリーン54がそれぞれ所定間隔を隔てて、この順に配設されている。これらは観察光学系を構成する。
このうち、コンデンサレンズ52と投影レンズ53との間には、被測定物55を載置するテーブル56と、このテーブル56を移動可能に支持する相対移動手段57とがそれぞれ設けられている。
【0003】
相対移動手段57は、テーブル56を光軸方向(Z方向)およびこれに直交する2方向(XY方向)に移動可能に支持するとともに、Z方向と平行な軸を中心に旋回可能に支持している。ここで、その旋回角度をθとする。
光源51から射出された光は、コンデンサレンズ52を介して被測定物55を照らす。被測定物55の影は、投影レンズ53によって拡大され、スクリーン54に被測定物の像58が照らし出される。スクリーン54は、透明ガラスに、拡散処理されたマイラスクリーンを着脱可能に取り付けたもので、マイラスクリーンの表面には被測定物55の見本形状(レチクル)が記されている。
【0004】
このため、スクリーン54には、図5に示すように、被測定物55の像58と、その被測定物55の見本形状59とが一緒に表示される。観察者は、スクリーン54の表示を確認しながら、テーブル56を移動し、被測定物55の像58と見本形状59とを重ねる等して形状測定を行うことができる。
【0005】
テーブル56の変位量は、図6に示すように、変位検出手段61によって検出されたのち、外部表示器62に表示される。
変位検出手段61は、前記テーブル56のXYZ方向への変位量を検出する直線変位検出器(例えば、光学式リニアエンコーダ)と、テーブル56の旋回角度θを検出する角度検出器(例えば、ロータリエンコーダ)とを備える。各エンコーダで検出された変位量、つまり、テーブル56のXYZ方向各々の変位量はXYZカウンタ61aで、テーブル56の旋回角度θはθカウンタ61bでそれぞれ計数されたのち、外部表示器62に表示される。
【0006】
このため、図7に示すように、マイラスクリーンを十字線レチクル63に取り替え、被測定物55の像58に対し、その一方の端部から他方の端部まで十字線を相対移動させるようにテーブル56を動かしてやると、その際の変位量XYZθが外部表示器62に表示されるから、外部表示器62に表示されたたXYZθの値から被測定物55の寸法を計測することもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、被測定物55の像58と見本形状59との対比観察を行う場合には、被測定物55の種類または投影レンズの倍率に応じてマイラスクリーンを交換する必要があるため、交換作業が煩わしかった。
また、寸法測定ではスクリーン54を見ながらテーブル56を最適位置に操作する必要があるので、その間は外部表示器52に表示される測定値を確認しずらく、不便であった。
【0008】
本発明の目的は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、被測定物の像と見本形状との対比観察を行う場合にマイラスクリーンの交換作業を必要としない投影測定装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、被測定物の像とテーブルの変位量などのパラメータとを同時に視認することができる投影測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の投影測定装置は、被測定物を載置するテーブルと、スクリーンおよびこのスクリーン上に前記被測定物を投影する投影レンズを有する観察光学系と、前記テーブルと観察光学系とを相対移動させる相対移動手段と、この相対移動手段による相対移動量を検出する変位検出手段とを備えた投影測定装置において、前記観察光学系の光路中に挿入された液晶表示板と、前記液晶表示板に被測定物の形状を測定するための線画像を所定の倍率で表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、液晶表示板に表示された線画像が被測定物の像とともにスクリーンに投影される。このため、表示制御手段が、液晶表示板に表示する線画像を選択することにより、従来のように被測定物の種類や投影レンズの倍率に応じてマイラスクリーンを交換するという不便を解消できる。
【0011】
また、本発明の投影測定装置において、前記表示制御手段は、前記変位検出手段によって検出された相対移動変位量を前記液晶表示板に表示させることが好ましい。
この発明によれば、スクリーンには、被測定物の像とともにテーブルの変位量が表示される。このため、スクリーンで被測定物の位置を確認しながらテーブルを操作している最中でも、テーブルの変位量を同時に確認することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の関連技術を図1および図2に基づいて説明する。なお、これらの説明にあたって、従来例と同一の構成部分については、同一符号を付して重複説明を省略する。
関連技術として挙げる投影測定装置では、図1に示すように、従来のスクリーン54に代えて、液晶表示板のスクリーン1が用いられている。この液晶表示板のスクリーン1は、液晶表示板の表面に無地の拡散スクリーンを施したものである。液晶表示板を成す各部は、非表示状態において透明であり、表示状態になると不透明になる特性を有している。
【0013】
この液晶表示板は、LCDパネル等であって、図2に示すように、表示制御手段2に接続されている。表示制御手段2には、従来と同一の変位検出手段61と、レチクルのCADデータを記憶した記憶手段3とが接続されている。CADデータには、レチクル十字線のデータと、被測定物55の見本となる形状データが含まれている。
【0014】
ここで、表示制御手段2は、データ表示プログラム(データ表示機能)を実行するコンピュータを含んでいる。データ表示プログラムは、変位検出手段61からXYZカウンタ61aおよびθカウンタ61bの出力値を読み込み、液晶表示板(スクリーン)1内のパラメータ表示領域4に表示する。また、データ表示プログラムは、外部の選択入力(図示略)に応じて記憶手段3から所定のCADデータを選択し、液晶表示板(スクリーン)1にレチクル十字線5と、所定倍率に編集した被測定物の見本形状6,7とを表示する。
【0015】
このため、観察者の目には、被測定物の像58と一緒にテーブル56の変位量のパラメータXYZθも映り、スクリーン1を覗きながらテーブル56を操作していても、スクリーン1から一々目を離さずに同時にテーブル56の変位量も確認することができる。
また、液晶表示板(スクリーン)1への表示データを変化させることにより、従来のようなマイラスクリーンの交換作業を伴わずに、被測定物の最適な見本形状を表示することができる。
【0016】
このように、関連技術では、被測定物55を載置するテーブル56と、スクリーン1およびこのスクリーン1上に被測定物55を投影する投影レンズ53を有する観察光学系と、テーブル56と観察光学系とを相対移動させる相対移動手段57と、この相対移動手段57による相対移動変位量を検出する変位検出手段61とを備え、このうち、スクリーン1を液晶表示板にするとともに、この液晶表示板に被測定物55の形状を測定するための線画像5,6,7を所定の倍率で表示させる表示制御手段2を備えたので、表示制御手段2が、液晶表示板に表示する線画像を選択することが可能となり、従来のように被測定物55の種類や投影レンズ53の倍率に応じてマイラスクリーンを交換するという作業上の不便を解消できる。
【0017】
次に、本発明の実施形態を図3に基づいて説明する。同図の説明にあたって、従来例および先の関連技術と同一の構成部分については、同一符号を付して重複説明を省略する。
図3に示す投影測定装置では、先の実施形態の構成に加え、コンデンサレンズ52と投影レンズ53との間に一対のリレーレンズ11が挿入され、更に、このリレーレンズ11と投影レンズ53との間に液晶表示板12が挿入されている。光路上にリレーレンズ11を挿入することにより、テーブル56の載置面からレンズまでの作動距離Lを比較的長く確保することができ、テーブル56のZ方向への可動範囲を広く確保することができる。
【0018】
本実施形態において、リレーレンズ11は像を1:1にリレーするものである。また、液晶表示板12を成す各部は、非表示状態において透明であり、表示状態になると不透明になる特性を有している。この液晶表示板は、LCDパネル等であって、図2に示すように、表示制御手段2に接続されている点は、先の実施形態と同一である。一方、スクリーン54は、先の実施形態と異なりスリガラスまたは透明ガラスに無地の拡散スクリーンを施したものである。
【0019】
光源51から光が射出すると、被測定物55の像がリレーレンズ11を透過し液晶表示板12に至る。液晶表示板12には、表示制御手段2により、レチクル十字線、被測定物の見本形状レチクル、テーブル56の変位量XYZθが所定の外部入力に応じて選択的に表示される。そして、この液晶表示板12の表示内容と被測定物55の像とが一緒に投影レンズ53に入射し、スクリーン54上に拡大投影される。
【0020】
表示制御手段2が、液晶表示板12に表示する見本形状レチクルを選択することにより、スクリーン54に表示される見本形状レチクルが変化するので、従来例のようにマイラスクリーンを交換する手間が省ける。
また、表示制御手段2が、液晶表示板12にレチクル十字線とテーブル56の変位量XYZθを表示することにより、それらと被測定物55の像58とがスクリーン54に一緒に表示されるので、観察者は、スクリーン54を見てテーブル56を動かしながら、同じスクリーン上でテーブル56の変位量XYZθを確認することができる。このため、操作性を向上することができる。
また、角度θを求めるために、テーブル56ではなく、スクリーン54をデジタル回転スクリーン(スクリーン54の回転角度がデジタル表示されるスクリーン)に置き換えて測定することもできる。
【0021】
このように、本実施形態によれば、被測定物55を載置するテーブル56と、スクリーン54およびこのスクリーン54上に被測定物55を投影する投影レンズ53を有する観察光学系と、テーブル56と観察光学系とを相対移動させる相対移動手段57と、この相対移動手段57による相対移動量を検出する変位検出手段61とを備え、更に、観察光学系の光路中に挿入された液晶表示板12と、この液晶表示板12に被測定物55の形状を測定するための線画像5,6,7を所定の倍率で表示させる表示制御手段2とを備えたので、液晶表示板12に表示された線画像が被測定物55の像とともにスクリーン54に投影されることとなり、よって、表示制御手段2が、液晶表示板12に表示する線画像を選択することにより、従来のように被測定物55の種類や投影レンズ53の倍率に応じてマイラスクリーンを交換するという作業上の不都合を解消できる。
【0022】
また、上記各実施形態において、表示制御手段2は、変位検出手段61によって検出された相対移動変位量XYZθを液晶表示板1,12に表示させるので、スクリーン1,54には、被測定物55の像とともにテーブル56の変位量XYZθを表示することができ、このため、スクリーン1,54で被測定物55の位置を確認しながらテーブル56を操作している最中でも、テーブル56の変位量XYZθを同時に確認することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の投影測定装置によれば、表示制御手段が、液晶表示板に表示する線画像を選択することが可能となり、従来のように被測定物の種類や投影レンズの倍率に応じてマイラスクリーンを交換するという作業上の不便を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の関連技術を示す構成図である。
【図2】 図1における液晶表示板(スクリーン)の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施形態を示す構成図である。
【図4】 従来例の構成図である。
【図5】 図4におけるスクリーンの表示状態を示す図である。
【図6】 図4のテーブルの変位量を表示する表示系のブロック図である。
【図7】 投影測定装置による一測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1 液晶表示板のスクリーン
2 表示制御手段
3 記憶手段
12 液晶表示板
53 投影レンズ
54 スクリーン
55 被測定物
56 テーブル
57 相対移動手段
61 変位検出手段

Claims (2)

  1. 被測定物を載置するテーブルと、スクリーンおよびこのスクリーン上に前記被測定物を投影する投影レンズを有する観察光学系と、前記テーブルと観察光学系とを相対移動させる相対移動手段と、この相対移動手段による相対移動量を検出する変位検出手段とを備えた投影測定装置において、
    前記観察光学系の光路中に挿入された液晶表示板と、前記液晶表示板に被測定物の形状を測定するための線画像を所定の倍率で表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする投影測定装置。
  2. 請求項1に記載の投影測定装置において、
    前記表示制御手段は、前記変位検出手段によって検出された相対移動変位量を前記液晶表示板に表示させることを特徴とする投影測定装置。
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