JP3672764B2 - 駐輪装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は駐輪装置に関するもので、所定のスペースに可能な範囲で多くの台数を駐輪できるようになした駐輪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都会においては、広い駐輪スペースがなかなか得られず、狭い駐輪スペースをいかに有効に利用するかが大きな関心事となっている。駐輪スペースの有効利用としては、まず、駐輪スペースの立体的利用がある。この方法は、駐輪スペース自体を複数階とするか、自転車保持装置を二階式等の多段式とするかの方法がある。しかし、前者は複数階の建物が必要で建築に費用が掛り、土地を有効利用するには相応の経済的価値がなかなか認められないでいる。また、複数段式(主として二段式)の駐輪装置は理論的には駐輪スペースを二倍有効に利用できるが、実際には作業性等を考慮すると、単純に自転車を並べる方法に対して1.3から1.5倍の台数しか自転車を駐輪できない。そのため、二段式の駐輪装置は装置が高価となり過ぎるとされている。
【0003】
また、駐輪する自転車の前輪及びハンドルの位置を交互に、高低及び前後にずらすことで平行にならべて自転車の駐輪間隙をできるだけ狭めて多くの台数を駐輪するものが、装置も簡易で効果的であることから、最近この種の駐輪装置が主流となっている。
【0004】
しかし、この自転車の前輪及びハンドルの位置を交互にずらす方式の駐輪装置は、自転車の駐輪間隔は狭められるが、あまり駐輪間隔を狭めてしまうと駐輪スペースへの自転車の出し入れが非常に煩雑となり、現在では、この作業性が極端に悪化しない程度の駐輪間隔に設定し、駐輪台数は少なくしても利用者が使用し易いようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされてもので、駐輪間隔を狭めることができると共に、狭い駐輪間隔でも自転車を駐輪スペースに出し入れする作業性のよい駐輪装置を提供することを課題としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明は、前輪支承枠体10を複数本平行に並置し、この前輪支承枠体10には前後方向の軸11で軸支された前輪支承レール12を設け、各前輪支承枠体10ごとに後輪支承レール22を、その前端付近の固定部位に縦方向軸21で軸支して取り付け、前記前輪支承レール12の下面にはアーム13を突設し、前記後輪支承レール22の縦方向軸21より前方部位に上記アーム13の遊挿部14を設け、後輪支承レールに前輪支承レール12の下面に延出するアーム14aを一体に設け、前記遊挿部14が上記アーム14aの前端部に設けられて、前記アーム13と前記遊挿部14とで後輪支承レール22の回動と前輪支承レール12の回動とを連動する連結機構30を設けてなり、後輪支承レール22と前輪支承レール12とが平面から見て一直線状に位置する際は前輪支承レール12が直立し、後輪支承レール22の後端側を縦方向軸21を中心軸として左右方向に回動すると、前後方向の軸11を中心軸として、前輪支承レール12が該後輪支承レール22の回動方向と同じ側に倒れるように傾斜するようにした技術的手段を講じたものである。
【0007】
それ故、本発明の駐輪装置は、複数台を平行に並置した際に、「図3」において各前輪支承レール12と後輪支承レール22との上に全て自転車が搭載されているものとして、同図の上から三列目の自転車を取り出すものとする。この場合、同上から三列目はそのままにして、その他の列を図に破線で示すように、後輪支承レール22の後端を遠ざけるように回動させる。すなわち、同図の上から二列目までは、後輪支承レール22の後端部を後方から見て(「図3」の右側より左側に向かって)右側に回動(すなわち、縦方向軸21を中心軸として左回転)させる。すると、同図の上から一列目と二列目の自転車は、その前輪支承レール12及び前輪乃至ハンドルが右側(後方から見て)に倒れるように傾斜(前輪支承レール12及び支承された自転車の上部が「図3」の上方に向けて倒れるように傾斜)する。また、同図の上から4列目乃至6列目は、後方から見て左側に回動させる。すると自転車はその前輪支承レール12及び前輪乃至ハンドルが左側に倒れるように傾斜する。したがって、同図の上から三列目には、使用者が入って自転車を手にするための間隙が確保される作用を呈するものである。
【0008】
また、上記のようになすと、両隣の自転車の前輪は互いに上方が外側に向けて開くように傾くので、ハンドル部位にも広い空隙を確保する作用を呈するものである。
【0009】
次に、請求項2の発明は、前輪支承枠体10a,10b複数本を、高低交互でかつ前後交互に位置させて平行に並置し、この前輪支承枠体10a,10bには前後方向の軸11で軸支された前輪支承レール12を夫々設け、上記各前輪支承枠体10a,10bごとに後輪支承レール22を、その前端付近の固定部位に縦方向軸21で軸支して取り付け、前記前輪支承レール12の下面にはアーム13を突設し、前記後輪支承レール22の縦方向軸21より前方部位に上記アーム13の遊挿部14を設け、後輪支承レールに前輪支承レール12の下面に延出するアーム14aを一体に設け、前記遊挿部14が前記アーム14aの前端部に設けられて、前記アーム13と前記遊挿部14とで後輪支承レール22の回動と前輪支承レール12の回動とを連動する連結機構30を設けてなり、後輪支承レール22と前記前輪支承レール12とが平面から見て一直線状に位置する際は前輪支承レール12が直立し、後輪支承レール22の後端側を縦方向軸21を中心軸として左右方向に回動すると、前輪支承レール12が前後方向の軸11を中心軸として該後輪支承レール22の回動方向と同じ側に倒れるように傾斜するようにした技術的手段を講じたものである。
【0010】
それ故、本発明の駐輪装置は、自転車の前輪を交互に高低となし、かつ、前後に交互に位置をずらしてあるので、最も幅があるハンドルやペタルの幅以下の間隔で自転車を並べて駐輪できる作用を呈し、しかも、「請求項1」の作用をも呈するので、自転車の駐輪場への出し入れである駐輪の作業性は容易となる作用を呈するものである。
【0011】
【0012】
それ故、本発明の駐輪装置は、前記「請求項1」の作用を呈すると共に、アーム13と遊挿部14との簡易な構成で、前輪支承レール12を初期の目的のように傾斜する作用を呈するものである。すなわち、「図2」のアーム14aが後輪支承レール22に一体的に取り付けられているので、このアーム14aと後輪支承レール22とが通孔14bに挿通する縦方向軸21で枢止されている。そのため、後輪支承レール22を矢印P1方向に回動させると、前輪支承レール12は前後方向の軸11を中心として矢印P2方向に回動する作用を呈するものである。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図示例と共に説明する。図中、10が前輪支承枠体である。この前輪支承枠体10は、図示例では、複数本を交互に高低順となすと共に、交互に前後に位置をずらして複数本を平行に並置してあるのは、従来の前輪の高さと位置とをかえて駐輪間隔を狭める駐輪装置と同じである。
【0014】
すなわち、床面Fに一対の横桟51,52を平行に固定し、両横桟51,52上に直行方向に、低段で後方、即ち図1の左側に位置する前輪支承枠体10b,10b,10b・・・を所定間隔で奥手前方向に複数本固定してある。また、前方の横桟51の隣り合う前記前輪支承枠体10b,10bの中間部位から支柱15,15,15・・・が立設され、この各支柱15の上に高段で前方に位置する前輪支承枠体10aを固定してある。
【0015】
上記前輪支承枠体10,10a,10bは、所定間隔の立壁部16,16と両立壁部16,16を連通する底板17とで構成されているが、図示例とは異なり上方が開口する箱状に構成してもよい。
【0016】
上記前輪支承枠体10,10a,10bには、前後方向の軸11で軸支された前輪支承レール12を設けてある。この前輪支承レール12は、図2に示すように、自転車の車輪をその上に支承する樋状(断面略U字状で上端には外方に向かうフランジ部が設けてある。)に構成されているのは従来と同じである。そして、この前輪支承レール12を前後方向の軸11で軸支するには、図示例では、該前輪支承レール12の両端にエンドプレート18、18を取り付け、このエンドプレート18と前記立壁部16とを前後方向、即ち、「図1」の左右方向の軸11で連結すればよい。無論、図示例では、エンドプレート18と前後方向の軸11とは、該前輪支承レール12の前後両側に設けてある。
【0017】
前輪支承レール12は、自転車の前輪がちょうど嵌まり込んで、自転車は該前輪支承レール12上に略直立するようにしてあるが、現在は自転車のタイヤは太いものと細いものとが二種類市販されているので、この前輪支承レール12は、上部の幅が広く下部の幅を狭めて細太両タイヤを直立可能に保持するようにしてもよいものであり、図示例では、低段の前輪支承レール12が途中で幅を変更してある。また、図示していないが、前輪支承レール12の両側より上方に突出して自転車の前輪の上部をも支持する支持体を別途設けてもよいのは無論である。
【0018】
なお、上記前輪支承レール12には、通常自転車のずり落ち防止装置が設けられるもので、図示した実施例では、該前輪支承レール12を横切る桟19を設け、自転車の前輪はこの桟19を乗り越えた状態に保持し、該自転車は前輪側を高くして保持しても自重では後方にずれ落ちないようにしてある。
【0019】
各前輪支承枠体10ごとに後輪支承レール22は、その前端付近を適宜固定部位に縦方向軸21で軸支して取り付けてある。この後輪支承レール22は、前輪支承レール12と同じような断面形状のものを使用すればよい。そして、この後輪支承レール22は、前端側が高い位置にある前輪支承レール12の後端に近接し、後端側は床面Fに近接するよう傾斜させて配設するのが通常である。なお、本実施例では、前輪支承枠体10、10a,10bの後端に連結用アーム23を突設して、この連結用アーム23と後輪支承レール22の先端部とを縦方向軸21で枢着してある。
【0020】
したがって、上記後輪支承レール22は縦方向軸21を回転中心軸として、その後端側(図3の右端側)を左右方向(図3の上下方向)に回動できるようになる。そこで、本実施例はこの後輪支承レール22の回動を円滑に行うため、該後輪支承レール22の後端下面には床面F上を転動する転車24を夫々設けてある。
【0021】
本発明は、後輪支承レール22と前輪支承レール12とを、該後輪支承レール22と該前輪支承レール12とが平面から見て一直線状に位置する際は前輪支承レール12が直立する。また、後輪支承レール22の後端側は、縦方向軸21を中心軸として左右方向に回動すると、前輪支承レール12が該後輪支承レール22の回動方向と同じ側に倒れるように傾斜する連動機構30で連結してある。すなわち、後輪支承レール22の後端側を右側に回動させると、前輪支承レール12はその上端側が右側に倒れるように傾斜し、前輪支承レール12上に乗せた自転車の前輪乃至ハンドルも右側に倒れるように傾斜するようにしてある。
【0022】
上記連動機構30の一例は、図2に最も明らかに示すように、前記前輪支承レール12の下面にアーム13を突設し、後輪支承レール22の縦方向軸21より前方部位に、このアーム13の遊挿部14を設けてある。この遊挿部14は後輪支承レール22の先端側に突設したアーム14aの先端をフォーク状の二又となして、この二又部が遊挿部14を構成するようになしてある。なお、この連動機構30は図示例のほか、各種リンク、歯車、レバー等の連動機構に代えてもよいのは無論である。
【0023】
次に、本発明の第2実施例について説明する。本発明は、前輪支承枠体10a,10b複数本を、高低交互でかつ前後交互に位置させて平行に並置し、この前輪支承枠体10a,10bには前後方向の軸11で軸支された前輪支承レール12を夫々設けてある。すなわち、自転車を整列させると、最も幅の広いハンドル同士がぶつかるので、その並列間隙はハンドルの幅以下とすることができない。しかし、ハンドルの位置を上下または前後にずらすと、該自転車の並置間隙は縮小できるもので、そのために、自転車の前輪を載せる前輪支承枠体10a,10bを、高低交互でかつ前後交互に位置させたもので、このような技術はすでに従来公知である。
【0024】
上記各前輪支承枠体10a,10bごとに、後輪支承レール22をその前端付近を適宜固定部位に縦方向軸21で軸支して取り付け、この後輪支承レール22と前輪支承レール12とを、該後輪支承レール22と該前輪支承レール12とが平面から見て一直線状に位置する際は前輪支承レール12が直立し、後輪支承レール22の後端側は、縦方向軸21を中心軸として左右方向に回動すると、前後方向の軸11を中心軸として、前輪支承レール12が該後輪支承レール22の回動方向と同じ側に倒れるように傾斜する連動機構30で連結してなるのは第1実施例と同じである。
【0025】
したがって、本発明では、並べる自転車のハンドルとペタルとの位置が交互にずれることになるので、一般の自転車で220mm間隔程度まで並置間隔を狭めることが可能となる。しかし、このように並置間隔を狭めると、自転車と自転車との間には20cm程度しか空隙が確保できず、人が自転車と自転車との間に入り込んで、自転車のハンドルを手にすることがほとんどできず、駐輪操作が不可能となる。しかし、本発明では、他の駐輪中の自転車を後輪支承レール22を回動することで移動することができるため、人が入り込むための間隙を広げることができるようになる。
【0026】
上記のようにして並置した自転車の後方部位を移動し、人が目的とする自転車の横に入り込む間隙を確保しても、ハンドルが他の自転車のハンドルに引っ掛かると、自転車は容易には駐輪できないし、また、駐輪場より容易に出すことができない。しかし、本発明では両隣の自転車の前輪乃至ハンドルを外側に倒すようにようになすことで、ハンドル等も引っ掛からず駐輪作業が可能となるものである。
【0027】
次に、本発明の第3実施例について説明する。本発明は、前輪支承枠体10a,10b複数本を、高低交互でかつ前後交互に位置させて平行に並置し、この前輪支承枠体10a,10bには前後方向の軸11で軸支された前輪支承レール12を夫々設け、また、上記各前輪支承枠体10a,10bごとに後輪支承レール22を、その前端付近を適宜固定部位に縦方向軸21で軸支して取り付けてあるのは第2実施例と同じである。
【0028】
本発明は、前輪支承レール12の下面にはアーム13を突設し、後輪支承レール22の縦方向軸21より前方部位にこのアーム部13の遊挿部14を設け、該後輪支承レール22と該前輪支承レール12とが平面から見て一直線状に位置する際は前輪支承レール12が直立し、後輪支承レール22の後端側が縦方向軸21を中心軸として左右方向に回動すると、前輪支承レール12が前後方向の軸11を中心軸として該後輪支承レール22の回動方向と同じ側に倒れるように傾斜するようにしてある。すなわち、本発明では、前記実施例でも説明したように、簡易な構成で後輪支承レール22の回動と前輪支承レール12の回動とを連動させたものである。
【0029】
なお、本発明の駐輪装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは無論である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1または2記載の駐輪装置によれば、従来より自転車の並置間隙を狭めることができ、しかも、自転車の出し入れの際は、他の自転車が邪魔にならないという優れた効果を奏し得る駐輪装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明駐輪装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】 部分斜視図である。
【図3】 平面図である。
【符号の説明】
10 前輪支承枠体
10a 前輪支承枠体
10b 前輪支承枠体
11 軸
12 前輪支承レール
13 アーム
14 遊挿部
14a アーム
21 縦方向軸
22 後輪支承レール
30 連動機構
Claims (2)
- 前輪支承枠体(10)を複数本平行に並置し、この前輪支承枠体(10)には前後方向の軸(11)で軸支された前輪支承レール(12)を設け、各前輪支承枠体(10)ごとに後輪支承レール(22)を、その前端付近の固定部位に縦方向軸(21)で軸支して取り付け、
前記前輪支承レール(12)の下面にはアーム(13)を突設し、前記後輪支承レール(22)の縦方向軸(21)より前方部位に上記アーム ( 13 ) の遊挿部 ( 14 ) を設け、後輪支承レールに前輪支承レール ( 12 ) の下面に延出するアーム(14a)を一体に設け、前記遊挿部(14)が上記アーム(14a)の前端部に設けられて、前記アーム ( 13 ) と前記遊挿部(14)とで後輪支承レール(22)の回動と前輪支承レール(12)の回動とを連動する連結機構 ( 30 ) を設けてなり、
後輪支承レール(22)と前輪支承レール(12)とが平面から見て一直線状に位置する際は前輪支承レール(12)が直立し、後輪支承レール(22)の後端側を縦方向軸(21)を中心軸として左右方向に回動すると、前後方向の軸(11)を中心軸として、前輪支承レール(12)が該後輪支承レール(22)の回動方向と同じ側に倒れるように傾斜するようにしてなる駐輪装置。 - 前輪支承枠体(10a,10b)複数本を、高低交互でかつ前後交互に位置させて平行に並置し、この前輪支承枠体(10a,10b)には前後方向の軸(11)で軸支された前輪支承レール(12)を夫々設け、上記各前輪支承枠体(10a,10b)ごとに後輪支承レール(22)を、その前端付近の固定部位に縦方向軸(21)で軸支して取り付け、
前記前輪支承レール(12)の下面にはアーム(13)を突設し、前記後輪支承レール(22)の縦方向軸(21)より前方部位に上記アーム(13)の遊挿部(14)を設け、後輪支承レールに前輪支承レール ( 12 ) の下面に延出するアーム(14a)を一体に設け、前記遊挿部(14)が上記アーム(14a)の前端部に設けられて、前記アーム ( 13 ) と前記遊挿部(14)とで後輪支承レール(22)の回動と前輪支承レール(12)の回動とを連動する連結機構 ( 30 ) を設けてなり、
後輪支承レール(22)と前記前輪支承レール(12)とが平面から見て一直線状に位置する際は前輪支承レール(12)が直立し、後輪支承レール(22)の後端側を縦方向軸(21)を中心軸として左右方向に回動すると、前輪支承レール(12)が前後方向の軸(11)を中心軸として該後輪支承レール(22)の回動方向と同じ側に倒れるように傾斜するようになした駐輪装置。
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