JP3530160B2 - 二段式駐輪装置 - Google Patents

二段式駐輪装置

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JP3530160B2
JP3530160B2 JP2001263341A JP2001263341A JP3530160B2 JP 3530160 B2 JP3530160 B2 JP 3530160B2 JP 2001263341 A JP2001263341 A JP 2001263341A JP 2001263341 A JP2001263341 A JP 2001263341A JP 3530160 B2 JP3530160 B2 JP 3530160B2
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bicycle mounting
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冨士生 檜谷
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株式会社葉月工業
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駐輪スペースに自
転車を上下二段に駐輪可能となした、二段式駐輪装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、二段式駐輪装置は柱の上に水平レ
ールを固定し、この水平レールに上段自転車支承レール
を抜き差し可能に取り付けると共に、この上段自転車支
承レールは、その先端を水平レールに差し込むと略水平
状態を保ち、水平レールより引き出すと、該上段自転車
支承レールの後端側を略接地状態に傾斜できるようにな
してある。従って、上段自転車支承レールを水平レール
より引き出してその後端を下方に降ろした状態で、自転
車を該上段自転車支承レール上に載せ、次に、該上段自
転車支承レールの右端側を手にして搭載した自転車と共
に持ち上げて、略水平状態となした後、この上段自転車
支承レールを水平レースに差し込むことで、自転車を高
所に駐輪でき、この自転車を降ろす場合は上記の操作を
逆に行えばよい。
【0003】しかし、上記の操作で、自転車を使用者が
持ち上げるには大きな力が必要で、子供や女性には操作
が困難な場合があるという問題点を有している。また、
自転車を降ろす操作に際しては、途中で手を離すと、上
段自転車支承レールと自転車とが落下状態に急激に回動
して危険性を伴うことがあるという問題点を有してい
る。
【0004】また、上記上段への自転車の上げ下ろし操
作を自動化する試みがなされ、本発明者等も、先に電動
式の二段駐輪装置を提案したが、モータで自転車を所定
の高さまで持ち上げるには、コンパクトな装置では大出
力のモータが要求され、高価なものとなってしまうとい
う問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題点を解決すべくなされたもので、簡易な装置で
自転車の荷重を機械的に負担して、操作性良く上段への
自転車の上げ下ろしが円滑にできる二段式駐輪装置を提
供することを課題としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、柱体10の上部に、底面部21と、両側面
部22,22と、該両側面部22,22の上端より内側
に折り曲げた上面部23,23とで、断面形状が上面部
中央に所定幅の欠部を有した方形の水平レール20を固
定し、上記水平レール20に抜き差し可能に取り付けら
れる上段自転車搭載レール30は、断面略U字状でその
両上端に外方に折り曲げたフランジ部31,31を連設
して構成し、上記上段自転車搭載レール30は、水平レ
ール20の後端部位に設けた一対の車輪体1,1の上
に、前記フランジ部31,31が載るようになし、該上
段自転車搭載レール30が抜き差し方向に移動可能で、
さらに車輪体1,1を中心軸として回動可能な状態にし
て、該水平レール20上に搭載し、さらに、上記上段自
転車搭載レール30の先端には、水平レール20の上面
部23,23の間の欠部より該水平レール20内に出入
自在となしたアーム41の一端を枢着し、このアーム4
1の他端には、該上段自転車搭載レール30の先端先方
に位置し水平レール20内に案内されて転動する車輪体
42を回転自在に取り付け、この車輪42の車軸42a
には上部を水平レール20の上方に突出する縦方向アー
ム43の下端を枢着し、この縦方向アーム43の上端部
と上段自転車搭載レール30の先端部とをロッドが縮退
することで密閉収納した流体が圧縮される緩衝シリンダ
体44で連結し、さらに、上段自転車搭載レール30の
先端と縦方向アーム43の途中部位は、該縦方向アーム
43が倒れるのを防ぐと共に、上段自転車搭載レール3
0を水平レール20より最も引き出してその後端側を最
下方に位置するように回動した際に、緩衝シリンダ体4
4と上段自転車搭載レール30との交差角度L1が18
0度以上となるようにするリンク体45で連結してなる
技術的手段を講じたものである。
【0007】それ故、本発明二段式駐輪装置は、高所に
設けた水平レール20に保持される上段自転車搭載レー
ル30に自転車を乗せることで上下二段に自転車を駐輪
できる作用を呈するのは従来の二段式駐輪装置と同じ作
用であるが、緩衝シリンダ体44を設けたので、自転車
を下ろす際は、上段自転車搭載レール30の後端を下方
に回動させると先端側上方に回動し、該緩衝シリンダ体
44を縮退して、荷重を流体の圧縮力に変換して吸収し
て、緩衝作用を呈し、上段の自転車を下げる途中で手を
離しても急激な落下を抑止する作用を呈する。
【0008】また、逆に、自転車を持ち上げる際は、荷
重の一部を該緩衝シリンダ体44に蓄積された流体圧が
負担し、小さな力で自転車を持ち上げられるように作用
する。なお、上段自転車搭載レール30の後端が下方に
回動している場合、緩衝シリンダ体44に蓄積された流
体圧は該上段自転車搭載レール30の後端を上方に持ち
上げるように作用するが、本発明では、上段自転車搭載
レール30の後端側を最下方に位置するように回動した
際に、緩衝シリンダ体44と上段自転車搭載レール30
との交差角度L1が180度以上となるように、リンク
体45で設定してあるので、上段自転車搭載レール30
の後端側を最下方に位置させた際は該緩衝シリンダ体4
4に蓄積された流体圧は該上段自転車搭載レール30の
後端側さらに下方に向けて付勢するように作用し、この
上段自転車搭載レール30上に自転車を搭載していない
場合でも、該上段自転車搭載レール30の後端側が自然
に上方に持ち上がるのを防ぐように作用する。
【0009】従って、前記で上段自転車搭載レール30
上に搭載した自転車を持ち上げる際は、緩衝シリンダ体
44に蓄積された流体圧が荷重の一部を負担するとして
いるが、該上段自転車搭載レール30の後端が最も下方
に下がっている際は、荷重の負担は無く、逆に荷重に流
体圧の一部が加算されるように作用するが、手動で該上
段自転車搭載レール30の後端を持ち上げ、緩衝シリン
ダ体44と上段自転車搭載レール30との交差角度L1
が180度以下となると加重の一部を流体圧で負担する
ように作用するものである。
【0010】次に、請求項2の発明は、駐輪スペースS
に複数本の柱体10,10,10・・・を並置立設し、
該柱体10,10,10・・・の下部側方には下段自転
車前輪支承レール51を固定して設け、この下段自転車
前輪支承レール51の後端には、縦軸53によって下段
自転車後輪支承レール52の先端部を枢着して連結し、
該下段自転車後輪支承レール52の後端下面には車輪3
を取り付け、上記の各柱体10,10,10・・・の上
部には、底面部21と、両側面部22,22と、該両側
面部22,22の上端より内側に折り曲げた上面部2
3,23とで、断面形状が上面部中央に所定幅の欠部を
有した方形の水平レール20を夫々固定し、上記各水平
レール20に抜き差し可能に取り付けられる上段自転車
搭載レール30は、断面略U字状でその両上端に外方に
折り曲げたフランジ部31,31を連設して構成し、上
記の上段自転車搭載レール30は、水平レール20の後
端部位に設けた一対の車輪体1,1の上に、前記フラン
ジ部31,31が載るようになし、該上段自転車搭載レ
ール30が抜き差し方向に移動可能で、さらに車輪体
1,1を中心軸として回動可能な状態にして、該水平レ
ール20上に搭載し、上記水平レール20と上段自転車
搭載レール30との相互の長さ関係は、該上段自転車搭
載レール30の先端を水平レール20の最も奥まで差し
込んだ状態で、前記車輪体1,1が上段自転車搭載レー
ル30の長手方向中央より後方に位置するように設定
し、さらに、該上段自転車搭載レール30の先端部位に
は水平レール20よりの抜け落ちを防止するストッパー
となるエンドプレート36を取り付け、さらに、上記上
段自転車搭載レール30の先端には、水平レール20の
上面部23,23の間の欠部より該水平レール20内に
出入自在となしたアーム41の一端を枢着し、このアー
ム41の他端には、該上段自転車搭載レール30の先端
先方に位置し水平レール20内に案内されて転動する車
輪体42を回転自在に取り付け、この車輪42の車軸4
2aには上部を水平レール20の上方に突出する縦方向
アーム43の下端を枢着し、この縦方向アーム43の上
端部と上段自転車搭載レール30の先端部とをロッドが
縮退することで密閉収納した流体が圧縮される緩衝シリ
ンダ体44で連結し、さらに、上段自転車搭載レール3
0の先端と縦方向アーム43の途中部位は、該縦方向ア
ーム43が倒れるのを防ぐと共に、上段自転車搭載レー
ル30を水平レール20より最も引き出してその後端側
を最下方に位置するように回動した際に、緩衝シリンダ
体44と上段自転車搭載レール30との交差角度L1が
180度以上となるようにするリンク体45で連結して
なる技術的手段を講じたものである。
【0011】それ故、本発明二段式駐輪装置は、上記請
求項1の作用に加え、柱体10,10,10・・・の下
部側方に下段自転車前輪支承レール51を固定して設
け、この下段自転車前輪支承レール51の後端には、縦
軸53によって下段自転車後輪支承レール52の先端部
を枢着して連結し、該下段自転車後輪支承レール52の
後端下面には車輪3を取り付けてなるので、下段に駐輪
した自転車は、その後部を左右に回動移動することがで
き、下段に駐輪した自転車が上段自転車搭載レール30
の後端側を下方に下げる際の支障となる場所からずらす
ことができる作用を呈する。なお、下段駐輪自転車の後
部に下げた上段自転車搭載レール30の後端側が接触し
ないように、該下段駐輪自転車の後部位置をずらせるよ
うになしたことで、該上段自転車搭載レール30の傾斜
角度を急激とすることができ、駐車スペースの経済化を
はかることができる作用を呈する。
【0012】また、本発明は、水平レール20と上段自
転車搭載レール30との相互の長さ関係を、該上段自転
車搭載レール30の先端を水平レール20の最も奥まで
差し込んだ状態で、前記車輪体1,1が上段自転車搭載
レール30の長手方向中央より後方に位置するように設
定してあるので、この状態で該上段自転車搭載レール3
0の重心は自転車を搭載するか否かを問わず車輪体1,
1より先端側に位置して、自然に上段自転車搭載レール
30のこ右端側が下方に下がることを防ぐ作用を呈する
ものである。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図中、10が柱体で、この柱体10は
駐車スペースSに、複数本が列状に並べて立設(図1及
び図2の奥手前方向に並べられる。)される。なお、複
数本並置される該柱体10,10,10・・・は、図2
に示すように、一本おきにその高さを高いものと低いも
のとを交互に並べることで並置間隔を狭めることができ
る。すなわち、自転車の最も幅がある場所はハンドル部
位であるので、このハンドルの高さを並置する隣りの自
転車とで高さを変えることで、自転車をハンドルの幅よ
り狭い間隔で並置できるようになるものである。
【0014】そして、上記柱体10の上部に、底面部2
1と、両側面部22,22と、該両側面部22,22の
上端より内側に折り曲げた上面部23,23とで、断面
形状が上面部中央に所定幅の欠部を有した方形(図4参
照)の水平レール20を固定してある。この水平レール
20は、後記する上段自転車搭載レール30の先端側
(図1及び図2の左側)を差し込んで、この上段自転車
搭載レール30を略水平状に保持するためと、引き出し
た該上段自転車搭載レール30の先端側をこの水平レー
ル20の後端部位で係止し、該上段自転車搭載レール3
0の後端側(図1及び図2の右側)を駐車スペースSの
床面に接するように傾斜(図1及び図2に細線で示すよ
うに)して保持するために使用される。
【0015】そして、上記水平レール20に抜き差し可
能に取り付けられる上段自転車搭載レール30は、断面
略U字状でその両上端に外方に折り曲げたフランジ部3
1,31を連設して構成してある。すなわち、この上段
自転車搭載レール30は図4乃至図6に示す断面形状と
なっており、U字状部に自転車の車輪を入れて該自転車
を保持するようになしてある。なお、図5ではこの上段
自転車搭載レール30はU字状の上部に幅を広げた立壁
部32,32を連設して、この立壁部32,32の上端
に外方に折り曲げたフランジ部31,31を連設してあ
るが、該高段自転車搭載レール30の下部はスポーツ用
自転車等のタイヤ幅が狭いものを保持し、上部はタイヤ
幅の広い通常の自転車を保持するようになしてある。ま
た、図6は、前記フランジ部31,31の形成を、別途
型鋼を溶接止めして形成した例で、断面U字状の上段自
転車搭載レール30の両外側に断面略コの字状の型鋼3
0a,30a(みぞ型鋼)をその開口部を外側に向けて
溶接止めしたものである。なお、この断面略コの字状型
鋼30a,30a(みぞ型鋼)に代え、山型鋼(アング
ル)を使用してもよいのは無論である。
【0016】なお、上記上段自転車搭載レール30の先
端側と後端側とには、自転車の車輪の転倒とを防ぎ、該
上段自転車搭載レール30の長手方向への車輪の脱落を
防ぐ車輪保持枠32,33を設けてあるが、この車輪保
持枠32,33は従来公知なものを使用すればよい。ま
た、該上段自転車搭載レール30の後部にはハンドル3
4と接地用足片35とを設けてあるが、このハンドル3
4と接地用足片35も従来公知なものが使用できる。
【0017】そして、上記の上段自転車搭載レール30
は、水平レール20の後端部位に設けた一対の車輪体
1,1の上に、前記フランジ部31,31が載るように
なし、該上段自転車搭載レール30が抜き差し方向に移
動可能で、さらに車輪体1,1を中心軸として回動可能
な状態にして、該水平レール20上に搭載してある。す
なわち、水平レール20の後端部位には一対の車輪体
1,1が設けられ、この車輪体1,1の上に、上段自転
車搭載レール30のフランジ部31,31が載るように
なしてあり、水平状態となした上段自転車搭載レール3
0は、該車輪体1,1が回転することで、固定した水平
レール20に対して抜き差し方向に移動可能となしてあ
る。また、水平レール20より引き出した上段自転車搭
載レール30は、上記車輪体1,1を回転中心軸とし
て、その後端側を下方に回動できるようになしてある。
なお、この上段自転車搭載レール30が水平レール20
より抜け落ちないように、該上段自転車搭載レール30
の先端部位にはストッパーとなるエンドプレート36
(図3参照)を取り付けておくとよい。
【0018】上記上段自転車搭載レール30の先端に
は、水平レール20の上面部23,23の間の欠部より
該水平レール20内に出入自在となしたアーム41の一
端を枢着し、このアーム41の他端には、該上段自転車
搭載レール30の先端先方に位置し水平レール20内に
案内されて転動する車輪体42を回転自在に取り付け、
この車輪42の車軸42aには上部を水平レール20の
上方に突出する縦方向アーム43の下端を枢着し、この
縦方向アーム43の上端部と上段自転車搭載レール30
の先端部とをロッドが縮退することで密閉収納した流体
が圧縮される緩衝シリンダ体44で連結してある。上記
車輪体42は図4に最も明らかに示すように、水平レー
ル20内を転動移動はするが、この水平レール20より
外方には出られないようになし、上段自転車搭載レール
30の後端が下方に回動すると、その先端側は、図3に
矢印P1で示すように上方側に回動して、縦方向アーム
43の上端との距離を縮めるようになっている。
【0019】しかし、上段自転車搭載レール30の先端
側が上方に向けて回動しても、縦方向アーム43が自由
に倒れると、上記上段自転車搭載レール30の先端側と
縦方向アーム43の上端との距離は所定の距離を保つこ
とができるようになってしまう。そこで本発明では、上
段自転車搭載レール30の先端と縦方向アーム43の途
中部位は、該縦方向アーム43が倒れるのを防ぐと共
に、上段自転車搭載レール30を水平レール20より最
も引き出してその後端側を最下方に位置するように回動
した際に、緩衝シリンダ体44と上段自転車搭載レール
30との交差角度L1が180度以上となるようにする
リンク体45で連結してなる。すなわち、上段自転車搭
載レール30の先端側には、アーム41とリンク体45
とで縦方向アーム体43が枢着保持されてなり、上段自
転車搭載レール30の先端側が上方に向けて回動して
も、該縦方向アーム体43はその下端を車輪体42で水
平レール20内に保持し、傾斜角度は所定範囲に規制さ
れるようになし、上段自転車搭載レール30の先端側が
上方に向けて回動する際は、縦方向アーム43の上端と
の距離を縮め、すなわち、緩衝シリンダ体44のロッド
を該緩衝シリンダ体44内に収納した流体の流体圧を高
めつつ縮退するようになしてある。
【0020】そして、上記リンク体45は、上段自転車
搭載レール30を水平レール20より最も引き出してそ
の後端側を最下方に位置するように回動した際に、緩衝
シリンダ体44と上段自転車搭載レール30との交差角
度L1が180度以上となるようになしてある。もっと
も、このリンク体45のみによって、この交差角度L1
の設定はできないが、アーム41とリンク体45と縦方
向アーム体43と緩衝シリンダ体44との夫々の取り付
け位置関係でこの交差角度L1の設定が調整できるもの
である。
【0021】従って、本発明は図1図示状態から、載っ
ている自転車を下ろすには、先ず、ハンドル34を手に
して、上段自転車搭載レール30を矢印P2方向に引き
出す。すると、引き出し当初は上段自転車搭載レール3
0の重心が水平レール20の上にあるので、該上段自転
車搭載レール30は車輪体1,1と車輪42とが転動し
て、ほぼ水平方向に引き出される。そして、ある程度の
距離引き出すと、重心が水平レール20の上から外れ
て、その後方に移動するので、該高段自転車搭載レール
30は後端側が下方に回動する力が加わる。そして、荷
重による上記高段自転車搭載レール30の後端側が下方
に回動する力は、この高段自転車搭載レール30の先端
側が上方に回動して、緩衝シリンダ体44を縮退させる
ことになり、この緩衝シリンダ体44の緩衝作用で上記
高段自転車搭載レール30の後端側が下方に回動する速
度はゆっくりと行われる。
【0022】そして、上記高段自転車搭載レール30の
後端側が駐車スペースSの床面等に接したら自転車を傾
斜状となっている高段自転車搭載レール30の上より下
ろすことができるものである。そして、自転車が下ろさ
れると、荷重が小さくなるので、緩衝シリンダ体44内
で圧縮された流体圧でこの高段自転車搭載レール30の
後端は持ち上げられようになるが、本発明では、高段自
転車搭載レール30の後端側が駐車スペースSの床面等
に接した状態では、この力が反対方向に作用し、ハンド
ル34より手を離しても該高段自転車搭載レール30は
自然には持ち上がらないようになしてある。
【0023】すなわち、本発明は、リンク体45によっ
て、上段自転車搭載レール30を水平レール20より最
も引き出してその後端側を最下方に位置するように回動
した際に、緩衝シリンダ体44と上段自転車搭載レール
30との交差角度L1が180度以上となるようにして
あるので、図1に細線で示した状態では該緩衝シリンダ
体44は、高段自転車搭載レール30の後端側をさらに
床面等に押しつける方向に作用している。
【0024】次に、自転車を上段に駐輪するには、水平
レール20より引き出して傾斜させた上段自転車搭載レ
ール30上に自転車を載せる。そして、ハンドル34を
手にして該高段自転車搭載レール30の後端側を持ち上
げる。すると、当初は自転車等の荷重と前記緩衝シリン
ダ体44の押圧力が加わるので重たいが、多少持ち上げ
て、緩衝シリンダ体44と上段自転車搭載レール30と
の交差角度L1が180度以下になると、今度は緩衝シ
リンダ体44が高段自転車搭載レール30の後方を持ち
上げようとするので軽く自転車が載った高段自転車搭載
レール30を略水平状態まで持ち上げられる。そして、
この上段自転車搭載レール30を略水平状態までもちあ
げたら、前記した図1の矢印Pとは反対方向に該高段自
転車搭載レール30を差し込んで自転車の高段への駐輪
が完了するものである。
【0025】次に、請求項2の発明は、駐輪スペースS
に複数本の柱体10,10,10・・・を並置立設し、
該柱体10,10,10・・・の下部側方には下段自転
車前輪支承レール51を固定して設け、この下段自転車
前輪支承レール51の後端には、縦軸53によって下段
自転車後輪支承レール52の先端部を枢着して連結し、
該下段自転車後輪支承レール52の後端下面には車輪3
を取り付けてなる。すなわち、下段の駐輪も整列駐輪す
ることが駐車スペースを有効に利用でき、さらには、上
段の駐輪の上げ下ろしに下段に注進した自転車が邪魔に
ならないようになしたものである。
【0026】そして、本発明では、下段は一台の自転車
を、下段自転車前輪支承レール51と下段自転車後輪支
承レール52とで支承するようになしてある。この下段
自転車前輪支承レール51と下段自転車後輪支承レール
52とは、前記した高段自転車搭載レール30と同様に
断面形状を略U字状に構成したものが使用される。そし
て、該下段自転車前輪支承レール51は隣り合うものを
交互に高さを変えて狭い間隔で並べられるようになすと
よいのは。前記水平レール20と同じであるが、本実施
例の下段自転車前輪支承レール51は前端側に車輪保持
枠32,33を設けると共に、後方が多少上方に傾斜す
るように固定して、保持した自転車が自然には後進方向
に移動しないようになしてある。
【0027】そして、この下段自転車前輪支承レール5
1と別体に構成された下段自転車後輪支承レール52
は、下段自転車前輪支承レール51の後端に縦軸53に
よって枢着して連結し、該下段自転車後輪支承レール5
2の後端下面には車輪3を取り付けて、該下段自転車後
輪支承レール52は縦軸53を中心軸として駐車スペー
スSの床面等の上を回動可能となしてある。図示例で
は、図7に最も明らかに示すように、下段自転車後輪支
承レール52の前端に連結片54を突設し、この連結片
54の前端と下段自転車前輪支承レール51の後端とを
縦軸53で枢着してなる。なお、この連結片54には球
体をスプリング等で貫出方向に付勢した係止ピン体55
が取り付けられ、適宜固定部位にはこの係止ピン体55
が係入する係入凹部を55aを設け、下段自転車前輪支
承レール51と下段自転車後輪支承レール52とを同一
直線状に係止することができるようになしてある。な
お、この係止ピン体55の詳細は図示していないが、実
施例では、連結片54の下面に取り付けられ、球体を下
方に向けて付勢してある。そして、下段自転車前輪支承
レール51の後端からは固定アーム54bが前記連結片
54の下方に位置するように突設してあり、この固定ア
ーム54bに係入凹部を55aを設けてなる。
【0028】従って、本発明では下段自転車後輪支承レ
ール52を回動することで、並んだ自転車の間に空間を
確保することができ、この空間に人が入って自転車の出
し入れを行ったり、この空間に上段の自転車を下ろすよ
うになすことができるものである。
【0029】そして、上記の各柱体10,10,10・
・・の上部には、底面部21と、両側面部22,22
と、該両側面部22,22の上端より内側に折り曲げた
上面部23,23とで、断面形状が上面部中央に所定幅
の欠部を有した方形の水平レール20を夫々固定し、上
記各水平レール20に抜き差し可能に取り付けられる上
段自転車搭載レール30は、断面略U字状でその両上端
に外方に折り曲げたフランジ部31,31を連設して構
成し、上記の上段自転車搭載レール30は、水平レール
20の後端部位に設けた一対の車輪体1,1の上に、前
記フランジ部31,31が載るようになし、該上段自転
車搭載レール30が抜き差し方向に移動可能で、さらに
車輪体1,1を中心軸として回動可能な状態にして、該
水平レール20上に搭載してあるのは請求項1の構成と
同じである。
【0030】そして、本発明は、上記水平レール20と
上段自転車搭載レール30との相互の長さ関係は、該上
段自転車搭載レール30の先端を水平レール20の最も
奥まで差し込んだ状態で、前記車輪体1,1が上段自転
車搭載レール30の長手方向中央より後方に位置するよ
うに設定し、さらに、該上段自転車搭載レール30の先
端部位には水平レール20よりの抜け落ちを防止するス
トッパーとなるエンドプレート36を取り付けてある。
すなわち、高段自転車搭載レール30は自然には下降し
ないようにする必要性がある。前記緩衝シリンダ体44
を設けることでも、高段自転車搭載レール30の後端が
自然と下がるのを防ぐことができ、また、図示例では水
平レール20に差し込んだ高段自転車搭載レール30は
前端側が多少下がるように傾斜させることで該高段自転
車搭載レール30の後端が自然と下がるのを防ぐように
なしてある。しかし、より確実にこの機能を確保するた
め、本発明では水平レール20と上段自転車搭載レール
30との相互の長さ関係は、該上段自転車搭載レール3
0の先端を水平レール20の最も奥まで差し込んだ状態
で、前記車輪体1,1が上段自転車搭載レール30の長
手方向中央より後方に位置するように設定してなる。
【0031】なお、上記エンドプレート36の配設は、
万が一、上段自転車搭載レール30が抜け落ちるのを防
ぐためのものであるが、実際には、使用者が該高段自転
車搭載レール30を最後まで引き抜いたことを、このエ
ンドプレート36に車輪体1,1が衝突することで知
り、操作性が向上するものである。
【0032】さらに、上記上段自転車搭載レール30の
先端には、水平レール20の上面部23,23の間の欠
部より該水平レール20内に出入自在となしたアーム4
1の一端を枢着し、このアーム41の他端には、該上段
自転車搭載レール30の先端先方に位置し水平レール2
0内に案内されて転動する車輪体42を回転自在に取り
付け、この車輪42の車軸42aには上部を水平レール
20の上方に突出する縦方向アーム43の下端を枢着
し、この縦方向アーム43の上端部と上段自転車搭載レ
ール30の先端部とをロッドが縮退することで密閉収納
した流体が圧縮される緩衝シリンダ体44で連結し、さ
らに、上段自転車搭載レール30の先端と縦方向アーム
43の途中部位は、該縦方向アーム43が倒れるのを防
ぐと共に、上段自転車搭載レール30を水平レール20
より最も引き出してその後端側を最下方に位置するよう
に回動した際に、緩衝シリンダ体44と上段自転車搭載
レール30との交差角度L1が180度以上となるよう
にするリンク体45で連結してなるのは請求項1と同じ
構成である。
【0033】
【発明の効果】本発明請求項1及び請求項2の発明によ
れば、自転車を下ろす際は、緩衝シリンダ体44で急撃
の落下を抑え、持ち上げる場合は該緩衝シリンダ体44
で荷重の一部を負担して軽く持ち上げられる二段式駐輪
装置を提供できるものである。
【0034】また、本発明は、上段自転車搭載レール3
0の後端側を最下方に位置するように回動した際に、緩
衝シリンダ体44と上段自転車搭載レール30との交差
角度L1が180度以上となるように、リンク体45で
設定してあるので、上段自転車搭載レール30の後端側
を最下方に位置させた際は該緩衝シリンダ体44に蓄積
された流体圧は該上段自転車搭載レール30の後端側さ
らに下方に向けて付勢するように作用し、手を離しても
該上段自転車搭載レール30の後端側が自然には上昇し
ない二段式駐輪装置を提供できるものである。
【0035】特に、請求項2の発明は上記効果に加え、
水平レール20と上段自転車搭載レール30との相互の
長さ関係は、該上段自転車搭載レール30の先端を水平
レール20の最も奥まで差し込んだ状態で、前記車輪体
1,1が上段自転車搭載レール30の長手方向中央より
後方に位置するように設定してなるので、地震等で思わ
ぬ外力が加わっても上段自転車搭載レール30の自然落
下を防止できる二段式駐輪装置を提供できるものであ
る。
【0036】また、本発明はエンドプレート36を設け
たので、万が一にも、上段自転車搭載レール30が抜け
落ちるのを防ぎ、また、使用者が該高段自転車搭載レー
ル30を最後まで引き抜いたことを、このエンドプレー
ト36に車輪体1,1が衝突することで知り、操作性が
向上する二段式駐輪装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、一部省略正面図であ
る。
【図2】図1の詳細正面図である。
【図3】本発明に使用される緩衝シリンダ体部の要部正
面図である。
【図4】本発明に使用される水平レール部位の要部縦断
面図である。
【図5】本発明に使用される上段自転車搭載レールの、
別の実施例縦断面図である。
【図6】本発明に使用される上段自転車搭載レールの、
さらに別の実施例縦断面図である。
【図7】下段の自転車車輪保持レール部の連結部平面図
である。
【符号の説明】
1 車輪体 3 車輪 10 柱体 20 水平レール 21 底面部 22 側面部 23 上面部 30 上段自転車搭載レール 31 フランジ部 36 エンドプレート 41 アーム 42 車輪 42a 車軸 43 縦方向アーム 44 緩衝シリンダ体 45 リンク体 51 下段自転車前輪支承レール 52 下段自転車後輪支承レール 53 縦軸 L1 交差角度 S 駐輪スペース

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱体(10)の上部に、底面部(21)
    と、両側面部(22,22)と、該両側面部(22,2
    2)の上端より内側に折り曲げた上面部(23,23)
    とで、断面形状が上面部中央に所定幅の欠部を有した方
    形の水平レール(20)を固定し、 上記水平レール(20)に抜き差し可能に取り付けられ
    る上段自転車搭載レール(30)は、断面略U字状でそ
    の両上端に外方に折り曲げたフランジ部(31,31)
    を連設して構成し、 上記上段自転車搭載レール(30)は、水平レール(2
    0)の後端部位に設けた一対の車輪体(1,1)の上
    に、前記フランジ部(31,31)が載るようになし、
    該上段自転車搭載レール(30)が抜き差し方向に移動
    可能で、さらに車輪体(1,1)を中心軸として回動可
    能な状態にして、該水平レール(20)上に搭載し、 さらに、上記上段自転車搭載レール(30)の先端に
    は、水平レール(20)の上面部(23,23)の間の
    欠部より該水平レール(20)内に出入自在となしたア
    ーム(41)の一端を枢着し、このアーム(41)の他
    端には、該上段自転車搭載レール(30)の先端先方に
    位置し水平レール(20)内に案内されて転動する車輪
    体(42)を回転自在に取り付け、この車輪(42)の
    車軸(42a)には上部を水平レール(20)の上方に
    突出する縦方向アーム(43)の下端を枢着し、この縦
    方向アーム(43)の上端部と上段自転車搭載レール
    (30)の先端部とをロッドが縮退することで密閉収納
    した流体が圧縮される緩衝シリンダ体(44)で連結
    し、 さらに、上段自転車搭載レール(30)の先端と縦方向
    アーム(43)の途中部位は、該縦方向アーム(43)
    が倒れるのを防ぐと共に、上段自転車搭載レール(3
    0)を水平レール(20)より最も引き出してその後端
    側を最下方に位置するように回動した際に、緩衝シリン
    ダ体(44)と上段自転車搭載レール(30)との交差
    角度(L1)が180度以上となるようにするリンク体
    (45)で連結してなる二段式駐輪装置。
  2. 【請求項2】 駐輪スペース(S)に複数本の柱体(1
    0,10,10・・・)を並置立設し、該柱体(10,
    10,10・・・)の下部側方には下段自転車前輪支承
    レール(51)を固定して設け、この下段自転車前輪支
    承レール(51)の後端には、縦軸(53)によって下
    段自転車後輪支承レール(52)の先端部を枢着して連
    結し、該下段自転車後輪支承レール(52)の後端下面
    には車輪(3)を取り付け、 上記の各柱体(10,10,10・・・)の上部には、
    底面部(21)と、両側面部(22,22)と、該両側
    面部(22,22)の上端より内側に折り曲げた上面部
    (23,23)とで、断面形状が上面部中央に所定幅の
    欠部を有した方形の水平レール(20)を夫々固定し、 上記各水平レール(20)に抜き差し可能に取り付けら
    れる上段自転車搭載レール(30)は、断面略U字状で
    その両上端に外方に折り曲げたフランジ部(31,3
    1)を連設して構成し、 上記の上段自転車搭載レール(30)は、水平レール
    (20)の後端部位に設けた一対の車輪体(1,1)の
    上に、前記フランジ部(31,31)が載るようにな
    し、該上段自転車搭載レール(30)が抜き差し方向に
    移動可能で、さらに車輪体(1,1)を中心軸として回
    動可能な状態にして、該水平レール(20)上に搭載
    し、上記水平レール(20)と上段自転車搭載レール
    (30)との相互の長さ関係は、該上段自転車搭載レー
    ル(30)の先端を水平レール(20)の最も奥まで差
    し込んだ状態で、前記車輪体(1,1)が上段自転車搭
    載レール(30)の長手方向中央より後方に位置するよ
    うに設定し、さらに、該上段自転車搭載レール(30)
    の先端部位には水平レール(20)よりの抜け落ちを防
    止するストッパーとなるエンドプレート(36)を取り
    付け、 さらに、上記上段自転車搭載レール(30)の先端に
    は、水平レール(20)の上面部(23,23)の間の
    欠部より該水平レール(20)内に出入自在となしたア
    ーム(41)の一端を枢着し、このアーム(41)の他
    端には、該上段自転車搭載レール(30)の先端先方に
    位置し水平レール(20)内に案内されて転動する車輪
    体(42)を回転自在に取り付け、この車輪(42)の
    車軸(42a)には上部を水平レール(20)の上方に
    突出する縦方向アーム(43)の下端を枢着し、この縦
    方向アーム(43)の上端部と上段自転車搭載レール
    (30)の先端部とをロッドが縮退することで密閉収納
    した流体が圧縮される緩衝シリンダ体(44)で連結
    し、 さらに、上段自転車搭載レール(30)の先端と縦方向
    アーム(43)の途中部位は、該縦方向アーム(43)
    が倒れるのを防ぐと共に、上段自転車搭載レール(3
    0)を水平レール(20)より最も引き出してその後端
    側を最下方に位置するように回動した際に、緩衝シリン
    ダ体(44)と上段自転車搭載レール(30)との交差
    角度(L1)が180度以上となるようにするリンク体
    (45)で連結してなる二段式駐輪装置。
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