JP3672668B2 - 麺皮食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、春巻やギョウザなどの麺皮を使用した油揚げ用または焼き上げ用の食品およびそれに用いる麺皮に関する。より詳細には、本発明は、具材を麺皮で包んだ麺皮食品を油で揚げたり焼いたりして調理した後に長い時間が経過しても、皮の状態が、揚げた直後または焼いた直後と同じようにパリパリとした良好な食感を保つことができ、また麺皮で具材を包んでから、冷蔵温度や常温に長い時間置いておいても、麺皮のだれや変形、麺皮の皿や容器などへの付着、麺皮同士の付着などが生じにくくて、具材を包んだ直後と同じような良好な形状を有する保形性に優れる、油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品、その製造方法、およびそれに用いる麺皮に関する。
【0002】
【従来の技術】
食生活の多様化、簡便化などに伴って、材料の用意や下ごしらえなどをすることなく、購入してそのまま単に油で揚げたり、焼いたり、蒸したり、煮たりするだけで、簡単に喫食可能になるインスタント食品が汎用されている。そのようなインスタント食品の代表例の一つとして、具材を麺皮で包んでから冷凍状態、冷蔵状態、場合によっては常温状態で流通・販売される春巻、ギョウザ、シュウマイなどの麺皮食品が、比較的ボリュウームもあっておかずになり易く、子供から大人まで共通して好まれるところから、広く用いられている。
【0003】
冷凍状態、冷蔵状態、また場合によっては常温状態で流通・販売されている上記した麺皮食品のうち、春巻、揚げギョウザ、揚げシュウマイ、揚げワンタンなどでは油揚げした直後は麺皮がパリパリとした良好な歯ごたえを呈し、また焼ギョウザなどでも焼いた直後は皮がパリパリとして良好な食感を有しているが、時間が経過すると、麺皮が柔らかくなって、その独特のパリパリとした良好な歯ごたえが失われて、食感が大幅に低下する。しかしながら、従来は、油揚げ後または焼いた後に時間が経過したときに、油揚げ直後または焼いた直後のようなパリパリとした良好な食感が保たれ得る麺皮食品は殆ど知られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、油で揚げるか、焼いた後に時間が経過しても、揚げた直後や焼いた直後と同じようなパリパリとした良好な歯ごたえを有する皮の状態を保ち得る油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品、その製造方法およびそのための麺皮を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らが検討を重ねたところ、麺皮の片面の50%以上の面積部分に油脂層、特に水分含量10〜20重量%の油脂からなる油脂層を形成したものを用いて、その油脂層を形成した面を内側にして具材を包むと、それにより得られる麺皮食品は、油で揚げたり、焼いたりした後に時間が経過しても、油揚げした直後や焼いた直後と同じようにパリパリとした良好な歯ごたえの有する皮の状態を保ち得ることを見出し本発明を完成した。
【0006】
したがって、本発明は、麺皮の片面の50%以上の面積部分に水分含量10〜20重量%の油脂からなる油脂層を形成してある麺皮を用い、該油脂層を形成した面を内側にして具材を包んであることを特徴とする油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品である。
そして、本発明は、麺皮の片面の50%以上の面積部分に水分含量10〜20重量%の固形状または半固形状の油脂からなる油脂層を形成する工程、および該油脂層を形成した面を内側にして具材を包む工程を少なくとも有していることを特徴とする油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品の製造方法である。
さらに、本発明は、片面の50%以上の面積部分に水分含量10〜20重量%の油脂からなる油脂層を有することを特徴とする油揚げ用または焼き上げ用の麺皮である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品としては、春巻、揚げギョウザ、揚げシュウマイ、揚げワンタンなどのような油で揚げて喫食される麺皮食品、焼ギョウザのような焼いて(焼き上げて)喫食される麺皮食品を挙げることができる。したがって、本発明の麺皮は、油で揚げて喫食されるか又は焼き上げて喫食される前記した麺皮食品の製造に用いられる麺皮をいう。
そのうちでも、本発明は、通常殆どの場合に油揚げして喫食される春巻、その製造方法および春巻用皮に対して特に適している。
【0008】
本発明で用いる麺皮は生の麺皮であっても、場合によっては一部α化してあってもよい。
また、本発明では、油脂層を形成する前の麺皮の製造法、麺皮の製造に用いられる原料の種類や配合組成、麺皮の厚さや寸法などは特に制限されず、従来から知られている麺皮のいずれもが使用できる。
【0009】
麺皮表面への油脂層の形成に当たっては、水分含量10〜20重量%である動物油脂;植物油脂;それらの硬化油脂;前記の油脂類の混合物などのいずれもが使用できる。また、麺皮表面への油脂層の形成は、固形状または半固形状の油脂のいずれを用いて行ってもよい。本発明では、水分含量が10〜20重量%である固形状または半固形状の油脂を用いて麺皮表面に油脂層を形成すると、麺皮食品を油揚げまたは焼いたあとに時間が経過しても、皮がパリパリとして状態を一層良好に保ち得るので好ましく、そのような油脂の代表例としては、バター、マーガリンなどを挙げることができる。
なお、本発明でいう油脂の水分含量は、下記の実施例で記載する方法で測定したときの値をいう。
【0010】
麺皮表面への油脂層の形成方法としては、油脂が麺皮の内部にまで過度に浸透せず麺皮の表面に薄い油脂の層を形成させ得る方法であればいずれでもよく特に制限されない。そのうちでも、バター、マーガリンなどの固形油脂または半固形油脂を用いる場合は、油脂を完全に溶かさずに、固形状、半固形状またはペースト状を保ちながら油脂を麺皮にそのまま直接擦り付けるようにしながら、油脂の薄い層を麺皮表面に形成するようにするのがよく、それによって油脂層を形成した麺皮を用いて具材を包んで得られる麺皮食品を、油で揚げたり、焼いたりした後に時間が経過しても、皮のパリパリした食感が良好に保たれる。
しかしながら、常温で液状の油脂を用いる場合は、勿論、液状の油脂をそのまま麺皮表面に塗って油脂層を形成させればよい。
【0011】
そして、油脂層を麺皮の片面のみに形成する。油脂層を麺皮の両面に形成すると、麺皮による具材の包み込み作業、すなわち麺皮食品の成形作業が行いにくくなったり、包み込み後(成形後)に麺皮食品の形が崩れ易くなったりするので、好ましくない。
【0012】
麺皮の片面に油脂層を形成するに当たっては、麺皮の片面の50%以上の面積部分に油脂層を設ける。
すなわち、ギョウザ、シュウマイ、ワンタンのような皮が比較的小さなものでは、皮の片面の全体に油脂層を設けるか、または皮の周縁部分を除いて皮の中央部分(50%以上の面積部分)に油脂層を設けるようにするのがよい。特にギョウザおよびワンタンの場合は、皮に具材を載せた後に皮の周縁部分で皮同士を付着させて口を閉じる成形法が一般に採用されているので、皮の中央部分にのみ油脂層を形成しておいて皮の周縁部分に油脂層を形成しないでおく方が、具材の包み込み作業(成形作業)が円滑に行われ易くなって好ましい。
【0013】
また、春巻の場合は、春巻用の皮の片面の全体に油脂層を形成しても、または片面の50%以上の面積部分にあたる一部に油脂層を形成してもよい。一部に形成する場合は、春巻用の皮をその一つの対角線に沿って2つの三角形部分に分け、一方の三角形部分にのみ油脂層を形成し、油脂層を形成していない三角形部分に具材を載せてから、常法にしたがって巻き込みおよび折り畳みを行って春巻の成形を行っても、油脂層を春巻用の皮の片面の全体に形成した場合と、同じ効果が奏される。
【0014】
麺皮食品で用いる具材の内容や量などは何ら制限されず、麺皮食品の種類、麺皮の大きさなどに応じて適宜選択することができる。
また、麺皮による具材の包み込み方法(すなわち麺皮食品の成形方法)も何ら制限されず、麺皮食品の種類などに応じて、従来から知られている方法で行えばよく、人手により行っても、機械により自動的に行っても、または人手と機械を併用して行ってもよい。
【0015】
上記した方法で製造される本発明の麺皮食品は、そのまま或いは調理後に常温、冷蔵状態、または冷凍状態で保存、流通、販売することができる。そして、そのような本発明の麺皮食品を、麺皮食品の種類などに応じて、油で揚げるか、焼くことによって喫食可能な状態にすることができる。上記したように本発明の麺皮食品は、油で揚げたり、焼いたりした後に長い時間が経過しても、油揚げ直後または焼いた直後と同じように皮がパリパリとして良好な食感を保ち得るが、その理由としては、麺皮の片面に形成した油脂層が具材に含まれる水分に対する遮断膜として作用してり、また春巻では多層状に巻き付けた皮と皮との間に油脂層に起因する隙間ができることによりものではないかと推定される。
【0016】
【実施例】
以下に実施例により本発明について具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の実施例において、特にことわらない限り%は重量%を示す。また以下の実施例において、麺皮表面への油脂層の形成に用いた油脂の水分含量は次の方法により求めた。
【0017】
油脂の水分含量の測定:
油脂10gを採取して、105℃で3時間乾燥処理を行ったときの油脂の重量(W)(g)を測定し、下記の数式により油脂の水分含量を求める。
【0018】
【数1】
油脂の水分含量(%)={(10−W)/10}×100
【0019】
《実施例 1》
(1)春巻用の皮の製造:
(i)準強力粉500g、水500gおよび食塩5gを混合して、生地温度が10℃前後になるように低速で3分間および高速で10分間混捏して流動性の春巻用の生地を調製した。
(ii)上記(i)で得られた生地を温度5℃の冷蔵庫中に15時間保管してねかしを行った。
(iii)上記(ii)でねかしを行った生地をドラム式春巻皮焼成機を用いて175℃で40秒間焼成して生地を一部α化した後、16cm×16cmの大きさ(厚さ0.8mm)に切断して、春巻用の皮(約8g/1枚)を製造した。
【0020】
(2)具材の調製:
(i)細切り豚肉500g、細切りたけのこ75g、細切り戻し椎茸50g、細切りニンジン30g、ショウガみじん切り6gおよび長ネギみじん切り15gをサラダ油で炒めた。
(ii)次いで、上記(i)で炒めた具材に、濃口醤油50g、砂糖17.5g、清酒25g、ゴマ油5g、コショウ0.5gおよびうまみ調味料2.5gを加えて味付けした後、水溶きカタクリ粉(カタクリ粉20gを水50gで溶いたもの)を加えてとろみをつけて、室温に放冷した。
【0021】
(3)春巻の製造:
(i)上記(1)で製造した春巻用の皮の片面の全体に、下記の表2に示す種類の油脂を下記の表2に示す油脂温度で、春巻の皮1枚当たり約2gの塗布量で塗布して油脂層を形成した後、上記(2)で調製した具材を春巻用の皮1枚当たり約18gに割合で皮に載せ、常法にしたがって具材を皮で包み込んで成形を行った。
(ii)上記(1)で製造した春巻用の皮の片面に、油脂層を形成することなく、上記2で調製した具材を春巻の皮1枚当たり約18gに割合で皮に載せ、常法にしたがって具材を皮で包み込んで成形を行った。
(iii)上記(i)または(ii)で得られたものを、−20℃に急速凍結して、冷凍春巻を製造した。
【0022】
(4)春巻の品質評価:
(i)上記3で得られた冷凍春巻を10日後に冷凍庫より取り出して、凍結したままの状態で175℃に熱したサラダ油で5分間揚げて、春巻(油揚げ春巻)を製造した。
(ii)上記(i)で得られた油揚げ後の春巻の食感を、油揚げ直後、油揚げ3時間後(18℃)、および油揚げ5時間後(18℃)に5名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがって評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0023】
【表1】
[油揚げした春巻の食感の評価基準]
5点:皮が非常にパリパリしていて、極めて良好な食感である
4点:皮がパリパリしていて、良好な食感である
3点:パリパリした箇所が皮に部分的に残っており、ほぼ良好な食感である
2点:皮がしんなりしていて、食感がやや不良である
1点:皮が非常にしんなりしており、食感が極めて不良である
【0024】
【表2】
【0025】
上記の表2の結果から、春巻の皮の片面に油脂層を形成した後、その油脂層を形成した面を内側にして具材を包んで得られた実験番号1〜9の春巻は、いずれも、油揚げ後3時間経っても皮がパリパリとした食感がそのまま保たれているか、または少なくとも残っている。特に、水分含量が15%であるバターまたはマーガリンを完全に溶かさずにペースト状で春巻の皮に塗布した実験番号2および4の場合には、油揚げ後3時間経っても油揚げ直後と同じように、非常にパリパリとしていて極めて良好な食感が保たれており、油揚げ後5時間を経た時点でもそのようなパリパリとした食感がほぼ同様に保たれていて、一層良好な結果が得られている。
【0026】
《実施例 2》
(1)実施例1の(1)と同様にして、春巻用の生地を調製した。
(2)実施例1の(2)と同様にして、春巻用の具材を調製した。
(3)実施例1で用いたバターおよびマーガリンを、80℃に溶融加熱して水分を飛ばして、下記の表3に示すように、水分含量が5%および10%のバターおよびマーガリンをそれぞれ調製した。
(4)実施例1で用いたバターおよびマーガリンを80℃に溶融加熱し、それに水を加えて撹拌して、水分含量が20%および30%のバターおよびマーガリンをそれぞれ調製した。
(5)上記(1)で製造した春巻用の皮の片面の全体に、下記の表3に示すように、水分を飛ばすかまたは加える前のバターおよびマーガリン、並びに上記(3)または(4)で調製したバターまたはマーガリンを、油脂温度10℃で、春巻の皮1枚当たり約2gの塗布量で塗布して油脂層を形成した後、上記(2)で調製した具材を春巻の皮1枚当たり約18gに割合で皮に載せ、常法にしたがって具材を皮で包み込んで成形を行った。
(6)上記(5)で得られたものを、−20℃に急速凍結して、冷凍春巻を製造した。
(7)上記(6)で得られた冷凍春巻を10日後に冷凍庫より取り出して、凍結したままの状態で175℃に熱したサラダ油で5分間揚げて、春巻(油揚げ春巻)を製造した後、得られた油揚げ後の春巻の食感を、油揚げ直後、油揚げ3時間後(18℃)、および油揚げ5時間後(18℃)に5名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示した評価基準にしたがって評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0027】
【表3】
【0028】
上記の表3の結果から、水分含量が10〜20%である油脂(バターまたはマーガリン)を用いて油脂を溶かさずにペースト状で春巻の皮の片面に油脂層を形成した場合には、油揚げ後3時間経っても油揚げ直後と同じような非常にパリパリとして極めて良好な食感が保たれており、油揚げ後5時間を経た時点でもそのようなパリパリとして食感がほぼ同様に保たれていて、一層良好な結果が得られることがわかる。
【0029】
《実施例 3》
(1)実施例1の実験番号2において、バターを春巻用の皮の片面の全体に塗る代わりに、春巻用の皮の片面の一方の対角線で仕切られた一方の三角形部分に塗り、バターを塗らない残りの三角形部分に具材を載せて具材を皮で包み込む以外は実施例1の実験番号2と全く同様にして、冷凍春巻を製造した。
(2)上記(1)で得られた冷凍春巻を10日後に冷凍庫より取り出して、凍結したままの状態で175℃に熱したサラダ油で5分間揚げて、春巻(油揚げ春巻)を製造した後、得られた油揚げ後の春巻の食感を、油揚げ直後、油揚げ3時間後(18℃)、および油揚げ5時間後(18℃)に5名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示した評価基準にしたがって評価してもらい、その平均値を採ったところ、実施例1の実験番号2の場合と同様に、油揚げ後3時間経っても油揚げ直後と同じような非常にパリパリとして極めて良好な食感が保たれており、油揚げ後5時間を経た時点でもそのようなパリパリとして食感がほぼ同様に保たれていて、極めて良好な結果が得られた。
【0030】
《実施例 4》
(1)ギョウザ用の皮の製造:
(i)準強力粉100g、水35gおよび食塩1gを混合して、高速で3分間および低速で10分間混捏してギョウザ用の生地を調製した。
(ii) 上記(i)で得られた生地を温度5℃の冷蔵庫中に1時間保管してねかしを行った。
(iii)上記(ii)でねかしを行った生地を圧延して、厚さ約0.6mm、直径約80mmのギョウザ用の皮を製造した。
【0031】
(2)具材の調製:
(i)豚挽肉200g、キャベツみじん切り20g、ニラみじん切り20g、ニンニクみじん切り4g、ショウガみじん切り3g、食塩1g、コショウ1g、ゴマ油5g、うまみ調味料1g、濃口醤油5gおよび砂糖3gを加えてよく練り合わせてギョウザ用の具材を調製した。
【0032】
(3)ギョウザの製造:
(i)上記(1)で製造したギョウザ用の皮の片面の全体に、下記の表5に示す種類の油脂を下記の表5に示す油脂温度で、ギョウザ用の皮1枚当たり約1gの塗布量で塗布して油脂層を形成した後、上記(2)で調製した具材をギョウザ用の皮1枚当たり約18gに割合で皮に載せ、常法にしたがって具材を皮で包み込んで成形を行った。
(ii)上記(1)で製造したギョウザ用の皮の片面に、油脂層を形成することなく、上記2で調製した具材をギョウザ用の皮1枚当たり約18gに割合で皮に載せ、常法にしたがって具材を皮で包み込んで成形を行った。
(iii)上記(i)または(ii)で得られたものを皿に載せて、ラップで覆って5℃の冷蔵庫に5時間保存した。
【0033】
(4)ギョウザの品質の評価:
上記(3)の(iii)で5時間冷蔵保存したギョウザを冷蔵庫より取り出して、温度約170℃に熱したフライパンを用いて常法にしたがって焼き上げて、その焼き上げ直後、焼き上げた後3時間経過後および焼き上げた後5時間経過後の食感を下記の表4に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0034】
【表4】
ギョウザの品質の評価基準
5点:皮の焼き面が非常にパリパリしていて、極めて良好な食感である
4点:皮の焼き面がパリパリしていて、良好な食感である
3点:皮の焼き面が多少パリパリしており、ほぼ良好な食感である
2点:皮の焼き面がしんなりしていて、食感がやや不良である
1点:皮の焼き面が非常にしんなりしており、食感が極めて不良である
【0035】
【表5】
【0036】
上記の表5の結果にみるように、ギョウザ用の皮の片面に油脂層を形成した後、その油脂層を形成した面を内側にして具材を包んで得られた実験番号21〜29のギョウザを焼き上げたものでは、焼き上げ後に3時間経っても皮の焼き面がパリパリとした食感がそのまま保たれているか、または少なくとも残っている。
特に、水分含量が15%であるバターまたはマーガリンを完全に溶かさずにペースト状でギョウザの皮に塗布した実験番号22および24の場合には、焼き上げ後3時間経っても焼き上げ直後と同じように、非常にパリパリとしていて極めて良好な食感が保たれており、焼き上げ後5時間を経た時点でもそのようなパリパリとした食感がほぼ同様に保たれていて、一層良好な結果が得られることがわかる。
【0037】
【発明の効果】
本発明による場合は、具材を麺皮で包んだ麺皮食品を油で揚げるか、焼いて調理した後に長い時間が経過しても、皮の状態が、揚げた直後、または焼いた直後と同じようにパリパリとした良好な食感を有する、油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品を得ることができる。
Claims (3)
- 麺皮の片面の50%以上の面積部分に水分含量10〜20重量%の油脂からなる油脂層を形成してある麺皮を用い、該油脂層を形成した面を内側にして具材を包んであることを特徴とする油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品。
- 麺皮の片面の50%以上の面積部分に水分含量10〜20重量%の固形状または半固形状の油脂からなる油脂層を形成する工程、および該油脂層を形成した面を内側にして具材を包む工程を少なくとも有していることを特徴とする油揚げ用または焼き上げ用の麺皮食品の製造方法。
- 片面の50%以上の面積部分に水分含量10〜20重量%の油脂からなる油脂層を有することを特徴とする油揚げ用または焼き上げ用の麺皮。
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