JP2581919B2 - 電子レンジ加熱調理用冷凍フライ食品の製造法 - Google Patents

電子レンジ加熱調理用冷凍フライ食品の製造法

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JP2581919B2
JP2581919B2 JP62110341A JP11034187A JP2581919B2 JP 2581919 B2 JP2581919 B2 JP 2581919B2 JP 62110341 A JP62110341 A JP 62110341A JP 11034187 A JP11034187 A JP 11034187A JP 2581919 B2 JP2581919 B2 JP 2581919B2
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正彦 椎名
秀男 大島
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Nitto Flour Milling Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、味付飯をフライにして冷凍し、電子レンジ
で加熱するだけで食べられるようにした冷凍フライ食品
の製造法に関する。
「従来技術およびその問題点」 従来、例えばピラフ等の味付飯をひと口で食べられる
大きさに握り、これにバッターとパン粉をつけて油ちょ
うしたライスコロッケが知られている。このライスコロ
ッケは、油ちょうによる風味付けと、味付飯による調味
付けと、米飯のあっさりとした風味とがマッチして、良
好な味覚を有している。また、他のおかず等を揃えなく
ても、そのまま手軽に食べることができるので、短時間
のうちにすませる必要が多い朝食、間食などとしても適
している。
しかしながら、このライスコロッケは、味付飯を作
り、油ちょうするというめんどうな作業が伴なうため、
家庭において手軽に作れないという問題点があった。
また、特開昭58−36355号には、米を適宜手段で調理
米飯とし、グリセリン脂肪酸エステルを添加し、耐熱性
トレイに充填して冷凍し、これをオーブンまたは電子レ
ンジで加熱処理する調理米飯の処理方法が示されてい
る。この調理米飯は、オーブンや電子レンジで加熱処理
するだけで食べられるので、調理の手間が省け、手軽に
食べられる利点がある。
しかしながら、この調理米飯では、冷凍処理あるいは
加熱処理に際して、米飯がばらけてしまうことを防止す
るため、耐熱性トレイ等に米飯を充填しなければなら
ず、製品コストが高くなると共に、製品形状がかさばっ
たものとなるという問題点があった。
そこで、本発明者らは、ライスをコロッケ状に成形
し、衣材を付けて油ちょうしたもの(以下、これをライ
スコロッケと略称する)を冷凍して電子レンジで加熱す
るだけで食べるようにすることを考えついた。
しかしながら、ライスコロッケを単に冷凍しただけで
は、これを電子レンジなどに入れて加熱したとき、衣が
ふやけてしまい、サクッとした良好な食感が得られない
という問題点があった。
「発明の目的」 本発明の目的は、家庭において電子レンジで加熱する
だけでライスコロッケを食べることができ、しかも、衣
がふやけることなく、サクッとした良好な食感が得られ
るようにした電子レンジ加熱調理用冷凍フライ食品の製
造法を提供することにある。
「発明の構成」 本発明による電子レンジ加熱調理用冷凍フライ食品の
製造法は、米に各種の味付け材料を加えて炊飯し、味付
飯を作る炊飯工程と、この味付飯を所定形状に成形する
成形工程と、成形された味付飯に衣材を付着させて油ち
ょうするフライ工程と、得られたフライを冷凍する冷凍
工程とを含み、前記炊飯前の米または前記炊飯後の飯中
に、乳化剤および/または油脂を添加し、前記成形工程
で、厚さ3cm以下に成形することを特徴とする。
なお、本発明において、電子レンジ加熱調理用冷凍フ
ライ食品とは、油ちょうずみの冷凍フライ食品であっ
て、電子レンジで加熱するだけで、食べられるようにし
た食品を意味する。
したがって、本発明によって得られる冷凍フライ食品
は、電子レンジで加熱するだけで手軽に食べることがで
きる。この場合、味付飯に乳化剤および/または油脂を
添加するだけで、米飯がべたつかずフックラとした状態
となり、ライスコロッケとして適した食感が得られる。
また、厚さ3cm以下に成形して冷凍するので、電子レン
ジによる加熱の際に、短時間で中心部まで加熱され、加
熱時間が短くてすむと共に、味付飯の水分の蒸発が抑え
られるので、衣がふやけてしまうことなく、サクッとし
た良好な食感が得られる。さらに、衣材をつけてフライ
とするので、衣材によって味付飯が保形され、取扱いが
便利となり、食べやすい形状、大きさとすることができ
る。
次に、本発明を好ましい態様を挙げてさらに詳しく説
明する。
味付飯の原料としては、米の他に、タマネギ、ニンジ
ン、ピーマン、グリンピース等の野菜類、牛肉、豚肉、
鳥肉等の肉類、エビ、イカ、貝、魚肉等の魚介類、塩、
コショウ、しょうゆ、酒、カレー粉等の調味料など、所
望とする味付けに応じて各種のものが使用される。炊飯
は、米を水洗して適量の水に浸漬させ、これに上記各種
材料を加えて、炊飯器に入れて炊くことにって行なうこ
とができる。この場合、水として液体スープなどの調味
液を用いることもできる。また、炊飯器を用いることな
く、米や上記各種材料を蒸煮器などに入れて蒸煮しても
よい。なお、上記において、野菜類、肉類、魚介類など
の種物は、予め適宜の大きさに切断し、油でいためるな
どの加熱処理を施してから、米に加えることが好まし
い。
本発明においては、上記炊飯前の米または炊飯後の飯
中に、乳化剤および/または油脂を添加する。炊飯前の
米に添加する場合は、例えば炊水中に添加すればよく、
炊飯後の飯に添加する場合は、例えば飯のほぐし段階で
添加すればよい。これにより、米飯がべたつかずフック
ラとした状態となり、フライ食品に適したものとするこ
とができる。乳化剤および/または油脂の添加は、炊飯
の前後のどちらでもよいが、炊飯の際の炊水中に添加す
るのが好ましい。炊飯後の飯のほぐし段階では、乳化剤
および/または油脂が米飯に均一にまざりにくくなる傾
向がある。乳化剤と油脂は、どちらを加えてもよく、あ
るいは両方を加えてもよいが、乳化剤の方がより良好な
食感が得られる。乳化剤としては、例えばグリセリン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、レシチンなどから選ばれた一種または二種
以上が使用される。また、油脂としては、サラダ油、バ
ター、マーガリンなど、各種の食用油脂が使用される。
こうして味付飯を作った後、所定形状に成形する。こ
の場合、形状は、三角形、四角形、円形などのいずれの
形状であってもよい。また、本発明においては、成形物
の厚さを3cm以下とする。厚さが3cmを超えると、冷凍し
た後の加熱処理において、内部まで熱が通りにくくな
り、加熱に長時間を要するため、米飯の水分が多量蒸発
し、衣がふやけて良好な食感が得られなくなる。
次に、成形された味付飯に衣材を付着させて油ちょう
する。衣材の付着は、例えば、表面にバッターをつけ、
パン粉をつけることによって行なわれる。バッターとし
ては小麦粉、澱粉等を水に溶かしたもの、卵をといたも
のなど、公知のものが使用でき、パン粉としては市販の
ものが使用できる。油ちょうは、好ましくは温度170〜1
80℃の油中に、1〜6分間程度浸漬することによって行
なわれる。このように衣材を付けてフライとすることに
より、トレイ等を用いることなく味付飯の形状が保形さ
れ、取扱いが便利となり、また、食べやすい製品とする
ことができる。
次に、こうして得られた味付飯のフライを冷凍する。
この場合、冷凍温度は、特に限定されないが、−20℃以
下が好ましく、例えば−30〜−40℃のエアブラストによ
る冷凍などが好適である。勿論、通常の冷凍庫を用いて
もよく、あるいは液体窒素などによる冷凍を行なっても
よい。こうして、本発明による冷凍フライ食品を得るこ
とができる。
この冷凍フライ食品は、消費者が家庭において、例え
ば電子レンジで加温することにより、そのまますぐに食
べることができる。したがって、朝食、間食などとし
て、短時間のうちに食事をすませたい場合に、とても便
利なものである。また、油ちょうによる風味付けと、味
付飯による調味付けと、米飯のあっさりとした風味とが
マッチして、良好な味覚を有する食品を提供することが
できる。
「発明の実施例」 実施例1 下記の原料および手順によって、味付飯(エビピラ
フ)を作った。
米 480g バター 13g サラダオイル 13g タマネギ 180g ニンジン 70g エビ 100g 液体スープ 480g 食塩 5g コショウ 少々 グリンピース 少々 ショ糖脂肪酸エステル 0.96g 米480gを2度洗い、30分間ざるに上げて水を切る。
バターとサラダオイルでタマネギ、ニンジンをいた
め、すき透ってきたらエビを入れていためる。
に、のよく水を切った米を加えていため、液体ス
ープ480g、ショ糖脂肪酸エステル0.96gを加えてかきま
ぜる。
を炊飯器に移し、食塩5g、コショウ少量を入れてか
きまぜた後、炊く。
最後に、バターでいためたグリンピースを加えてかき
まぜる。
こうして得られたエビピラフを、長さ5cm、直径2cm、
3cm、4cm、5cmの各種の円筒状に成形した。
そして、各成形物の表面に、小麦粉および澱粉を水に
溶かしたバッターを付け、さらにパン粉をつけて、175
℃で2分間油ちょうしてライスコロッケとした。
このライスコロッケを、エアブラスト冷凍機(−30
℃)で1時間急速凍結した後、通常の冷凍機(−18℃)
で1日以上保存した。
こうして得られたそれぞれの冷凍フライ食品を、電子
レンジ(500W)で5〜8分間加熱し、衣の状態を観察し
た。なお、中心部まで加熱されるように、直径に応じて
電子レンジによる加熱時間を変えるようにした。この結
果を第1表に示す。
実施例2 実施例1の原料配合で、乳化剤を添加せず、あるいは
乳化剤の種類を変えて、実施例1と同様な手順で冷凍フ
ライ食品を作った。
各サンプルは、次のようである。
サンプルA:乳化剤添加なし サンプルB:グルセリン脂肪酸エステル(商品名「エマル
ジーMM−100」、理研ビタミン(株)製)を0.96g添加し
て炊飯を行なう。
サンプンルC:ショ糖脂肪酸エステル(商品名「ショ糖脂
肪酸エステル−1170」、太陽化学(株)製)を0.96g添
加して炊飯を行なう。
サンプルD:ソルビタン脂肪酸エステル(商品名「ソルゲ
ン50パウダー」、第一工業製薬(株)製)を0.96g添加
して炊飯を行なう。
サンプルE:レシチン(商品名「サンソフトL−3C」、太
陽化学(株)製)を0.96g添加して炊飯を行なう。
サンプルF:グリセリン脂肪酸エステル:ショ糖脂肪酸エ
ステル=1:1(上記と同じ)に混合したものを0.96g添加
して炊飯を行なう。
こうして炊飯された後のエビピラフの米飯の状態、お
よび成形の容易さ、さらに得られたライスコロッケの米
飯の食感について、それぞれ評価を行なった。この結果
を第2表に示す。
実施例3 実施例1の原料配合で、乳化剤を添加せず、あるいは
乳化剤の種類を変えて、下記の手順で味付飯(エビピラ
フ)を作った。
米480gを2度洗い、30分間ざるに上げて水を切る。
バターとサラダオイルでタマネギ、ニンジンをいた
め、すき透ってきたらエビを入れていためる。
に、のよく水を切った米を加えていため、液体ス
ープ480g、ショ糖脂肪酸エステル0.96gを加えてかきま
ぜる。
を炊飯器に移し、食塩5g、コショウ少量を入れてか
きまぜた後、炊く。
最後に、バターでいためたグリンピースと、下記の乳
化剤とを加えてよくかきまわす。
添加される乳化剤は、各サンプルによって、次のよう
に変えて行なった。
サンプルA:乳化剤添加なし サンプルB:グルセリン脂肪酸エステル(商品名「エマル
ジーMM−100」、理研ビタミン(株)製)を炊飯後に0.9
6g添加する。
サンプンルC:ショ糖脂肪酸エステル(商品名「ショ糖脂
肪酸エステル−1170」、太陽化学(株)製)を炊飯後に
0.96g添加する。
サンプルD:ソルビタン脂肪酸エステル(商品名「ソルゲ
ン50パウダー」、第一工業製薬(株)製)を炊飯後に0.
96g添加する。
サンプルE:レシチン(商品名「サンソフトL−3C」、太
陽化学(株)製)を炊飯後に0.96g添加する。
サンプルF:グリセリン脂肪酸エステル:ショ糖脂肪酸エ
ステル=1:1(上記と同じ)に混合したものを炊飯後に
0.96g添加する。
こうして得られたエビピラフの米飯の状態、および成
形の容易さ、さらにこのエビピラフを用いて実施例1と
同様に製造したライスコロッケの米飯の食感について、
それぞれ評価を行なった。この結果を第3表に示す。
実施例4 下記の原料および手順によって、味付飯(カレーピラ
フ)を作った。
米 480g 液体スープ 480g 酒 30g 食塩 5g カレー粉 7.5g タマネギ 100g ニンジン 80g シーフード 100g ショ糖脂肪酸エステル 0.96g バター 26g 米480gを2度洗い、液体スープに30分間つける。
に酒、食塩、カレー粉、タマネギ、ニンジン、シー
フード、ショ糖脂肪酸エステルを入れてまぜ、バターを
上にのせて炊く。
こうして得られたカレーピラフを長さ3cm、直径2cmの
円筒状に成形した。
次に、サンプルAは、実施例1と同様にして、バッタ
ーおよびパン粉を付けて油ちょうし、得られたライスコ
ロッケを冷凍した。そして、1日間冷凍保存した後、取
出して電子レンジに入れ、5分間加熱処理した。
また、サンプルBは、成形物にバッターおよび油脂入
りパン粉を付けた後、油ちょうせずに、そのまま冷凍し
た。そして、1日間冷凍保存した後、取出して電子レン
ジに入れ、5分間加熱処理した。
こうして加熱調理された後のサンプルA、Bの衣およ
び具の状態を評価した。この結果を第4表に示す。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明によれば、味付飯を作
り、これを成形して衣材を付け、油ちょうしてフライに
した後、冷凍するようにしたので、電子レンジで加熱処
理するだけで、手軽に食べることができる。また、衣材
を付けて油ちょうし、フライとしてから冷凍するので、
衣材によって保形性が得られ、取扱いが便利となると共
に、食べやすい食品となる。さらに、味付飯に乳化剤お
よび/または油脂を添加するので、米飯がべたつかず、
フックラとした状態となり、ライスコロッケとして適し
た食感が得られる。さらにまた、厚さ3cm以下に成形し
て冷凍するので、電子レンジ等による加熱の際に、短時
間で中心部まで加熱され、加熱時間が短くてすむと共
に、味付飯の水分の蒸発が抑えられるので、衣がふやけ
てしまうことなく、サクッとした良好な食感が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−66454(JP,A) 特開 昭53−66453(JP,A) 特開 昭54−44047(JP,A) 特開 昭56−48861(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】米に各種の味付け材料を加えて炊飯し、味
    付飯を作る炊飯工程と、この味付飯を所定形状に成形す
    る成形工程と、成形された味付飯に衣材を付着させて油
    ちょうするフライ工程と、得られたフライを冷凍する冷
    凍工程とを含み、前記炊飯前の米または前記炊飯後の飯
    中に、乳化剤および/または油脂を添加し、前記成形工
    程で、厚さ3cm以下に成形することを特徴とする電子レ
    ンジ加熱調理用冷凍フライ食品の製造法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記乳化
    剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
    ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンよりなる
    群から選ばれた少なくとも一種を使用する電子レンジ加
    熱調理用冷凍フライ食品の製造法。
JP62110341A 1987-05-06 1987-05-06 電子レンジ加熱調理用冷凍フライ食品の製造法 Expired - Lifetime JP2581919B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5366453A (en) * 1976-11-19 1978-06-13 Riken Vitamin Oil Co Ltd Production of convenient food based on rice
JPS5366454A (en) * 1976-11-19 1978-06-13 Riken Vitamin Oil Co Ltd Production of convenient food based on rice
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