JPH10215762A - 油漬け食材、該製法およびこれを用いた加工食品 - Google Patents

油漬け食材、該製法およびこれを用いた加工食品

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JPH10215762A
JPH10215762A JP4007197A JP4007197A JPH10215762A JP H10215762 A JPH10215762 A JP H10215762A JP 4007197 A JP4007197 A JP 4007197A JP 4007197 A JP4007197 A JP 4007197A JP H10215762 A JPH10215762 A JP H10215762A
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清美 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品原材料の好ましい風味、食感、色調等を
変化させず、十分に発揮させ、かつ生臭さ等の不快な風
味を改善させ得る油漬け食材、その製造方法、および前
記油漬け食材を利用した加工食品を提供する。 【解決手段】 魚介類、野菜類、食肉類等の食品原材料
/食用油脂=1/1〜20/1(重量比)を60〜10
0℃に加熱し、脱水率が食品原材料の保有水分の10〜
70重量%になるまで脱水してなる油漬け食材。これを
さらに冷蔵、冷凍またはレトルト処理して得られる油漬
け食材。前記油漬け食材を用いて調理したチャーハン、
パスタ等の加工食品。これをさらに冷蔵、冷凍またはレ
トルト処理して得られる加工食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品原材料と食用
油脂とを用い、特定の処理を施してなる油漬け食材、そ
の製造法、および前記食材を利用した加工食品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、魚介類、野菜類または食肉類と
いった食品原材料(以下、具材ということがある)を調
理するには、煮る、焼く、炒める、蒸す等の加熱処理を
施す。前記食品原材料を食用油脂や水や調味液とともに
缶詰やレトルト製品に加工したものが知られ、また、佃
煮の類のように食品原材料を調味料やスパイスを配合し
た液体とともに長時間加熱処理して煮込み、具材に風味
付け、味付けした食品も公知である。
【0003】これらのうち、食品原材料と食用油脂とを
用いて調理したものの例として、マグロ肉(シーチキ
ン)等の魚介類の油漬け缶詰あるいはレトルト製品があ
る。これは、具材の魚介類の可食部分を生のまま、ある
いは予め加熱処理したものにサラダ油等を加え、所定の
容器に入れ、密封し、加熱処理してなるものである。こ
のようないわゆる油漬け食材は、そのまま食用に供され
るか、または他の食品原材料とともに調理される。
【0004】ところが、生の新鮮な食品原材料を単に食
用油脂とともに缶詰やレトルト製品に加工したものは、
加熱処理時およびその後の時間の経過とともに具材から
水分が遊離し、それが具材と共存した状態になるため、
風味や食感が損なわれる。また、この油漬け食材を使用
して例えば炒め物調理をすると、油の飛びはねを生じ
る。一方、食品原材料を予め加熱処理しておけば、前記
離水現象はある程度は抑制できるものの、具材からその
食品原材料特有の風味が消失し、パサついた食感にな
り、結果として食品原材料の特徴を十分に引き出せない
油漬け食材になってしまうという欠点がある。
【0005】なお、食品原材料と食用油脂とを加熱処理
して食品原材料に含まれる風味成分を食用油脂に移行せ
しめてなる風味油や香味油も公知であるが、これらは前
記処理後の食用油脂を製品とし食品原材料を残渣として
廃棄するものであり、経済的ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる実情に鑑み、本
発明では、食品原材料が本来もつ好ましい風味、食感、
色調等を変化させず、十分に発揮させ、かつ生臭さ等の
好ましくない風味を改善させ得る油漬け食材、その製造
方法、および前記油漬け食材を利用した加工食品を提供
することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、食品原材料と食用油脂とを以下に述べるような
特定の処理に供することによって前記目的を達成できる
ことを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】すなわち、本発明の第1は、食品原材料と
食用油脂とを加熱処理および脱水処理してなる油漬け食
材である。ここに、食品原材料は魚介類、野菜類および
食肉類からなる群より選ばれる1種または2種以上であ
ること、また食用油脂は動物性油脂および/または植物
性油脂であることが望ましく、かかる食品原材料と食用
油脂との重量比率は食品原材料/食用油脂=1/1〜2
0/1であることが好ましく、加熱処理時の食品原材料
と食用油脂との混合物の温度は60〜100℃がよく、
脱水処理時の脱水率が食品原材料の保有水分の10〜7
0重量%となるように調整されているものがよい。ま
た、本発明の油漬け食材は、チルド製品(冷蔵製品)、
冷凍製品、缶詰製品またはレトルト製品の態様を採用す
ることができる。
【0009】本発明の第2は、食品原材料と食用油脂と
を混合し、該混合物を60〜100℃に加熱し脱水処理
して脱水率を食品原材料の保有水分の10〜70重量%
に調整することを特徴とする油漬け食材の製造法であ
る。ここで、食品原材料および食用油脂の種類、配合比
率は前記第1の発明において述べたものが望ましく、ま
た、油漬け食材の態様も前記第1の発明の場合と同様で
ある。
【0010】本発明の第3は、食品原材料と食用油脂と
を加熱処理および脱水処理してなる油漬け食材を用いて
なる加工食品である。この加工食品としてはチャーハ
ン、パスタまたはピラフが好ましく、また、冷蔵処理、
冷凍処理またはレトルト処理されたものをも対象にす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】第1の発明である油漬け食材は、
食品原材料と食用油脂とを加熱処理および脱水処理して
なるものであり、食品原材料である具材と食用油脂とが
共存した状態にあるものをいう。
【0012】食品原材料としては惣菜の原材料とするも
のが適し、イワシ、サケ、サンマ、マグロ、アサリ、ホ
タテ、カニ、エビ等の魚介類、ニンジン、タマネギ、ネ
ギ、ジャガイモ、サツマイモ、キャベツ、ガーリック、
ダイコン、ホウレンソウ、シイタケ、タケノコ、ピーマ
ン等の野菜類、牛肉、豚肉、鶏肉等の食肉類が好適であ
り、このほかコンブ、ワカメ等を例示できる。本発明で
は、これらの1種または任意の2種以上を組み合わせて
使用できる。
【0013】食用油脂は、動物性油脂および/または植
物性油脂を使用できる。動物性油脂として牛脂、ラー
ド、チキンオイル、魚油等を例示でき、植物性油脂とし
て大豆油、菜種油、サフラワー油、ヒマワリ油、コーン
油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、落花生油、パーム油
等を例示できる。本発明ではこれらの単一油もしくは混
合油を使用でき、また前記動植物油脂を分別、水素添加
あるいはエステル交換処理した加工油脂類も単独でまた
は混合して用いることができる。食品原材料の風味を生
かす観点からは、無味無臭の植物性油脂類が好ましい。
【0014】本発明では、食品原材料と食用油脂との重
量比率は食品原材料/食用油脂=1/1〜20/1であ
ることが好ましく、さらに好ましくは3/1〜10/1
である。20/1の比率を超えて食品原材料が多すぎる
と、食品原材料の好ましい風味や旨みが食用油脂によっ
て引き出されにくくなり、好ましくない生臭さが最終製
品に残存するようになる。逆に、1/1の比率を外れて
食品原材料が少なすぎると、食品原材料から引き出され
る風味や旨みが食用油脂で希釈されすぎるため、共存す
る具材の風味や食感が低下する傾向が大きくなる。
【0015】本発明の油漬け食材は、前記の食品原材料
と食用油脂とを混合し、必要に応じて両者を接触させた
状態で0.5〜3時間保持して食用油脂に食品原材料を
浸漬させた後、この混合物を加熱処理および脱水処理し
てなるものである。加熱処理および脱水処理は別々の工
程で行ってもよいが、1工程で同時に処理するのが簡便
である。なお、減圧状態で脱水処理すると風味成分の減
少を招く。加熱処理時の食品原材料と食用油脂との混合
物の温度を60〜100℃、より好ましくは80〜10
0℃に設定し、食品原材料を加熱調理するとともに食品
原材料の保有水分の10〜70重量%、より好ましくは
20〜50重量%を除去する。このようにして、本発明
の目的とする油漬け食材を得ることができる。脱水率が
10重量%より少ないと食品原材料の好ましい風味や旨
みが十分に引き出されない。一方、脱水率が70重量%
より多いと食品原材料が本来もつ食感、色調、風味等が
失われ、パサついた食感や変色を生じる。
【0016】本発明の油漬け食材は種々の態様を採り得
る。すなわち、調製した油漬け食材をそのまま常温で使
用または保存したり、適当な容器に充填して冷蔵処理し
てチルド製品にしたり、あるいは冷凍処理して冷凍製品
に仕上げることができる。また、缶詰製品やレトルト製
品にすることも可能である。
【0017】本発明の油漬け食材は、食用油脂とともに
加熱され適度に脱水された食品原材料の具材が食用油脂
と共存している状態にある為、具材は調味料や香辛料を
使用しなくても食品原材料の生臭さ等の好ましくない風
味を消失し、食品原材料が本来有する好ましい風味や食
感等を保持している。また、食用油脂には食品原材料か
らの好ましい風味(加熱変性成分を含有すると推定され
る)が移行しており、かかる油漬け食材は種々の加工食
品や料理を調理する際に有用なものである。
【0018】第2の発明である本発明の油漬け食材の製
造法は、食品原材料と食用油脂とを混合し、該混合物を
60〜100℃に加熱し脱水処理して脱水率を食品原材
料の保有水分の10〜70重量%に調整することを特徴
とするものである。
【0019】食品原材料および食用油脂の種類、配合比
率、浸漬時間等は前記(第1の発明)と同じである。加
熱処理と脱水処理とは別の工程で行ってもよいが、1工
程で同時処理するのが簡便であり、脱水処理は常圧また
は減圧で行えるが、風味成分の損失を防止するためには
常圧状態ないしはゆるやかな減圧状態で脱水処理するこ
とが望ましい。したがって、加熱処理時の食品原材料と
食用油脂との混合物の温度は60〜100℃、より好ま
しくは80〜100℃に設定するのがよい。60℃未満
では脱水操作に長時間を必要とし、100℃超過では食
品原材料の風味成分の加熱変性が激しくなり、本来の風
味が損なわれることがある。なお攪拌操作は適宜に行っ
てよい。食品原材料の本来の保有水分量の10〜70重
量%、より好ましくは20〜50重量%を除去すること
により、本発明の油漬け食材を製造することができる。
脱水率が前記範囲を外れると本発明の所望の効果が得ら
れにくくなる理由は第1の発明で述べたとおりである。
【0020】第3の発明は、前述(第1の発明)の油漬
け食材を用いてなる加工食品に係るものである。本発明
の油漬け食材は食品原材料と食用油脂とを加熱処理およ
び脱水処理してなるものであり、その態様として、製造
したままのもののほか常法によりチルド製品、冷凍製
品、缶詰製品あるいはレトルト製品に仕上げることがで
きる。したがって、これらのいずれかを他の食品原材料
とともに使用して加工食品を製造できる。例えば、エビ
や野菜をミックスした本発明の油漬け食材をフライパン
に入れ、加熱しながら米飯を加え、調味料で味をととの
えればチャーハンを調理できる。この加熱調理時には、
新たに食用油脂を加える必要がなく、このままでも食材
(具材)の焦げつきや油の飛びはねを十分に防止するこ
とができる。加工食品としては種々のものを対象とする
ことができ、チャーハン、パスタ、ピラフ、炊き込み御
飯、スープ、ハンバーグ、ミートボール、つみれ、コロ
ッケ、フライ、カレー、シチュー、グラタン、ドリア、
サンドイッチ、餃子、焼売、焼きそば、天ぷら、丼物、
寿司、ソース、ドレッシング、サラダ、デザート等を例
示できる。また、調理した加工食品はさらに冷蔵処理し
てチルド製品、冷凍処理して冷凍製品にすることがで
き、缶詰製品やレトルト製品に仕上げてもさしつかえな
い。
【0021】
【実施例】
実施例1、2 解凍したホタテ貝柱100kg(含水率75重量%)と
菜種油20kgとを攪拌式加熱装置に投入し、混合物の
温度を85〜100℃に設定して1.5時間ゆるやかに
攪拌した。このときホタテ貝柱の水分30kg(当初保
有水分の40重量%に相当)が蒸発して減少していた。
これを放冷し、本発明の油漬け食材(試作品1)を得
た。また、この油漬け食材60gをレトルト用袋に充填
した後、2.0kg/cm2 、120℃、12分間の条
件で加熱殺菌処理して本発明のレトルト製品の形態の油
漬け食材(試作品2)を得た。
【0022】実施例3、4 解凍したホタテ貝柱40kg、ベニザケ切り身20k
g、アサリむき身20kgおよびマッシュルーム(スラ
イスしたもの)20kgとオリーブ油31kgとを攪拌
式加熱装置に投入し、混合物をゆるやかに攪拌しながら
85〜100℃で1時間加熱した。このとき具材の水分
25kg(当初の具材中の全保有水分の31重量%に相
当)が蒸発して減少していた。これを放冷して本発明の
油漬け食材(試作品3)を得た。また、この油漬け食材
50gをレトルト用袋に充填し、実施例2(試作品2の
製造例)と同様の条件(ただし10分間)で加熱殺菌処
理して本発明のレトルト製品の形態の油漬け食材(試作
品4)を得た。
【0023】実施例5、6 牛薄切り肉40kg、グリーンピース20kg、人参
(5mm角)20kgおよびコーン20kgと大豆油2
5kgとを攪拌式加熱装置に投入し、混合物をゆるやか
に攪拌しながら65〜100℃で1.5時間加熱した。
このとき具材の水分25kg(当初の具材中の全保有水
分の33重量%に相当)が蒸発して減少していた。これ
を放冷して本発明の油漬け食材(試作品5)を得た。ま
た、この油漬け食材1kgをポリエチレン製袋に入れ、
−20℃まで冷却して本発明の冷凍製品の形態の油漬け
食材(試作品6)を得た。
【0024】実施例7、8 牛挽き肉(含水率70重量%)100kgとコーン油5
kgとを攪拌式加熱装置に投入し、混合物をゆるやかに
攪拌しながら70〜90℃で45分間加熱した。このと
き具材の水分10kg(当初保有水分の14重量%に相
当)が蒸発して減少していた。これを放冷して本発明の
油漬け食材(試作品7)を得た。また、この油漬け食材
2kgをポリプロピレン製袋に入れ、−20℃まで冷却
して本発明の冷凍製品の形態の油漬け食材(試作品8)
を得た。
【0025】実施例9、10 ズワイガニのほぐし身(含水率83重量%)100kg
と菜種油40kgとを攪拌式加熱装置に投入し、混合物
を時々かきまぜ80〜100℃で2.5時間加熱した。
このとき具材の水分50kg(当初保有水分の60重量
%に相当)が蒸発して減少していた。これを放冷して本
発明の油漬け食材(試作品9)を得た。また、この油漬
け食材1kgをポリエチレン製袋に入れ、4℃まで冷却
して本発明の冷蔵製品の形態の油漬け食材(試作品1
0)を得た。
【0026】比較例1、2−1および2−2 実施例1、2で用いたホタテ貝柱100gと菜種油20
gとをレトルト用袋に充填し、実施例2と同条件で加熱
殺菌処理して比較品1を得た。また別に、前記ホタテ貝
柱200gのみを実施例1と同様に85〜100℃で約
1.5時間加熱し、脱水量が60g(当初保有水分の4
0重量%に相当)に達したのち放冷して比較品2−1を
得た。さらに、この乾燥ホタテ貝柱(比較品2−1)の
半分量をレトルト用袋に充填し、実施例2と同様に加熱
殺菌処理して比較品2−2を得た。
【0027】(評価)試作品1および2、比較品1、2
−1および2−2の各風味、食感等について、パネラー
20名により比較評価した。なお、試作品1、比較品1
および2−1は製造直後のもの、試作品2および比較品
2−2は1ヵ月間保存後加温したものを用いた。評価
は、具材の好ましい風味や旨みが濃縮され強い:3、ふ
つう:2、弱い:1とし、また、生臭い不快な風味が強
い:3、ふつう:2、弱い:1とし、各々の平均値で比
較した。この結果を表1に示す。同表から、本発明の油
漬け食材は具材の好ましい風味や旨みが濃縮され強く、
また生臭い不快な風味がほとんど感じられないことが明
らかになった。
【0028】
【表1】 注)表中数値は評点の平均値。
【0029】比較例3−1、3−2 ホタテ貝柱(含水率85重量%)200gと菜種油40
gとを実施例1と同様に処理し、脱水率が当初保有水分
の8重量%になった時点で放冷して比較品3−1を得
た。さらに、この半分量をレトルト用袋に充填し、実施
例2と同様に処理して比較品3−2を得た。比較品3−
1、3−2と試作品1、2との風味評価を前記同様に行
ったところ、本比較品はいずれも具材の好ましい風味や
旨みがやや弱く、生臭さが若干残っているとの結果であ
った。
【0030】比較例4−1、4−2 実施例1、2で用いたホタテ貝柱200gと菜種油40
gとを用い、実施例1と同様に処理し、脱水率が当初保
有水分の75重量%になった時点で放冷して比較品4−
1を得た。さらに、この半分量をレトルト用袋に充填
し、実施例2と同様に処理して比較品4−2を得た。比
較品4−1、4−2と試作品1、2との風味評価を前記
同様に行ったところ、本比較品はいずれも具材の好まし
い風味は強いものの具材の食感(弾力性など)が少な
く、やや硬くパサついた食感であり、また色調も若干濃
く変色しているとの結果であった。
【0031】なお、試作品3〜10についても同様に風
味評価したところ、いずれも具材の好ましい風味や旨み
が十分に引き出されて強く、生臭さはなく、また食感や
色調も好ましいものであった。
【0032】実施例11、12 実施例1で得た本発明の油漬け食材(試作品1)を用い
てチャーハンをつくった。フライパンに試作品1の60
gと米飯200gとを入れ軽く炒め、ついで長ネギ30
g、しいたけ10gおよびピーマン10gの各みじん切
り、さらにスクランブルエッグ状の鶏卵1個分、食塩2
gを加え、これらを混ぜ炒めてチャーハンをつくった
(実施例11)。また、試作品1を実施例2で得た試作
品2(1袋:60g)に代えること以外は同様にしてチ
ャーハンをつくった(実施例12)。
【0033】実施例13、14 実施例3で得た本発明の油漬け食材(試作品3)を用い
てパスタ料理をつくった。まずフライパンに試作品3の
50gを入れて軽く炒め、ついで予め茹でておいたパス
タ180gを加えて炒め、さらに食塩2.5gおよびコ
ショウ少々を加え軽く炒めてパスタ料理をつくった(実
施例13)。また、試作品3を実施例4で得た試作品4
(1袋:50g)に代えること以外は同様にしてパスタ
料理をつくった(実施例14)。
【0034】比較例5 実施例2で得たレトルト製品の形態の油漬け食材(試作
品2、1袋:60g)は、食品原材料としてのホタテ貝
柱66.7gおよび菜種油13.3gからなるものであ
るから、実施例12において試作品2の1袋に代えて前
記重量のホタテ貝柱および菜種油を用いて同様にチャー
ハンをつくった。
【0035】実施例11、12および比較例5で得た各
チャーハンを前記同様にパネラーで風味評価したとこ
ろ、実施例11、12でつくったものは比較例5でつく
ったものに比べてホタテ貝柱の好ましい風味や旨みが強
く、生臭い不快な風味は全くなかった。比較例5のもの
は生臭さが指摘された。また、チャーハンの調理時に、
比較例5の場合にはフライパンにホタテ貝柱と菜種油と
を入れた際に油の飛びはねが多かったが、実施例11、
12の場合には油の飛びはねはなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、食品原材料の好ましい
風味、食感、色調等を変化させず、十分に発揮させ、か
つ生臭さ等の不快な風味を改善させ得る油漬け食材を提
供できる。該油漬け食材は簡便な方法で製造でき、これ
を用いて加工食品を調理する際に新たに食用油脂を用い
る必要がなく、焦げつきが防止され、油の飛びはねがな
く、簡単に、食品原材料の風味が十分に生かされた加工
食品や料理ができる。また、前記油漬け食材および加工
食品は冷蔵製品、冷凍製品あるいはレトルト製品等とし
て利用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23B 7/04 A23L 1/10 E A23L 1/01 1/16 E 1/10 1/325 A 1/16 3/36 A 1/325 Z 3/36 A23B 4/00 C 4/04 501G

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品原材料と食用油脂とを加熱処理およ
    び脱水処理してなる油漬け食材。
  2. 【請求項2】 食品原材料が魚介類、野菜類および食肉
    類からなる群より選ばれる1種または2種以上である請
    求項1に記載の油漬け食材。
  3. 【請求項3】 食用油脂が動植物性油脂である請求項1
    に記載の油漬け食材。
  4. 【請求項4】 食品原材料と食用油脂との重量比率が食
    品原材料/食用油脂=1/1〜20/1である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の油漬け食材。
  5. 【請求項5】 加熱処理時の温度が60〜100℃であ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の油漬け食材。
  6. 【請求項6】 脱水処理時の脱水率が食品原材料の保有
    水分の10〜70重量%である請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の油漬け食材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の油
    漬け食材がさらに冷蔵処理、冷凍処理またはレトルト処
    理されてなる前記油漬け食材。
  8. 【請求項8】 食品原材料と食用油脂とを混合し、60
    〜100℃に加熱し脱水処理して脱水率を食品原材料の
    保有水分の10〜70重量%に調整することを特徴とす
    る油漬け食材の製造法。
  9. 【請求項9】 食品原材料と食用油脂とを加熱処理およ
    び脱水処理してなる油漬け食材を用いてなる加工食品。
  10. 【請求項10】 チャーハン、パスタまたはピラフであ
    る請求項9に記載の加工食品。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の加工食品
    がさらに冷蔵処理、冷凍処理またはレトルト処理されて
    なる前記加工食品。
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Cited By (4)

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