JP3670376B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中においてカメラを破壊から防ぎ、撮影者の安全を確保するカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラのような携帯用の機器は持ち運んでいるうちに海や川に落としたり、また水中での使用が可能であるものは水圧によって外装が変形し、破損したりして機器内部が浸水する場合がある。このような浸水が起こった場合、カメラ内部の電気回路が破壊される可能性がある。
【0003】
図11(a)はカメラの一般的な外観を示す図であり、図11(b)はカメラの断面部の構成を示す図である。カメラ2の前面には、撮影レンズ120が設けられている。この撮影レンズ120は撮影時のピント合わせ動作により繰り出し量を変化させるものであり、浸水が起こりうる部位であるため、水中対応可能なものはその前面をパネル122で覆っている。
【0004】
その他、カメラの外装部材には、表示用の液晶を覗くための窓124やストロボ用のパネル部90が設けられている。これらの窓124やパネル部90の継ぎ目からは、外装カバ−の継ぎ目126と同様に、浸水が起こりうる。また、レリ−ズスイッチ128、モード切替えスイッチ130も可動部材なので、浸水が起こりうる部位である。
【0005】
また、カメラ2内には図11(b)に示すように、フィルムや撮像素子などの像記憶手段132、電気回路12用の基板や電池22、メカ部材134などが配置されている。これらのうち、水によってダメージを受けやすいのは電気回路12の部分である。
【0006】
すなわち、図11に示すようなカメラにおいて、図11(b)の矢印のように水圧がかかると、カメラ2内部には部品の隙間などに通常空気が満たされているため、その部分が変形し、外装の継ぎ目やスイッチ等の可動部から浸水が起こりうる。カメラ2の内部が浸水すると、電気回路12は水中のイオン成分により思わぬ部品間が短絡して、かかってはならない所に電圧がかかってしまい、回路が壊れて正しく制御されなくなり、思わぬ事故につながるおそれがある。特に高電圧をかけてキセノン放電管を発光させるストロボ回路等の高電圧は、周囲の回路を破壊するおそれがある。
【0007】
こうした事故を回避する技術としては、特開平3−239233号公報に記載されているように二つの導体間に水が侵入したとき警告を出したり、特開平3−196130号公報に記載されているように熱伝導率の高い結露部材を内蔵し、電気回路に結露をおこりにくくする技術が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平3−239233号公報に記載された技術は、表面張力を利用して耐水圧限界を警告するものであり、浸水時の安全対策については述べられていない。さらに、穴の中に水が入るかどうかで水圧を検出するため、一度この穴に水が入ってしまうとその水を取り出すのが困難であり、耐水圧限界を越えない深さに戻っても警告を出しつづけ、警告が意味をなさないものとなってしまう。
【0009】
また、上記特開平3−196130号公報に記載された技術は、水中での浸水対策ではなく防水仕様のカメラの結露問題に関する対策であり、大量の水がカメラ内に入り込んだときのことは考慮されていない。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、防水機能のないカメラの水没時や耐水圧限界以上に深い水中にて水中カメラが使用されたときに、カメラ内の浸水によって起こりうる電気回路の破壊を防止するカメラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカメラは、電源用電池と、上記電源用電池の電圧を昇圧してコンデンサへ電荷を充電し、この電荷でキセノン放電管の発光制御を行うストロボ回路と、カメラ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、上記水圧検知手段の出力から所定以上の水圧を検出すると、上記ストロボ回路に上記キセノン放電管の発光を行わせて上記コンデンサの電荷を放電した後、上記ストロボ回路の充電動作を禁止するとともにレリーズスイッチの受付を禁止して撮影が出来ないようにする手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のカメラは、電源用電池と、上記電源用電池の電圧を昇圧してコンデンサへ電荷を充電し、この電荷でキセノン放電管の発光制御を行うストロボ回路と、カメラ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、上記水圧検知手段が所定のレベル1の水圧を検知すると上記ストロボ回路に上記キセノン放電管を小発光させることで警告動作を行い、上記水圧検知手段が上記レベル1より大きいレベル2の水圧を検知すると上記ストロボ回路に上記キセノン放電管をフル発光させることで上記コンデンサの電荷を放電し、このフル発光後は上記ストロボ回路の充電動作を禁止するとともにレリーズスイッチの受付を禁止して撮影が出来ないようにする手段と、を具備することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のカメラは、電源用電池と、放電発光管を有するストロボ発光回路と、このストロボ発光回路の動作に必要な電圧を上記電源用電池の電圧から作り出す昇圧回路と、カメラ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、この水圧検知手段の出力を判定する判定手段と、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記ストロボ発光回路の発光を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の理解を容易にするために、本発明に係るカメラの概念について説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るカメラの概念的な構成を示すブロック図である。
【0017】
カメラ2に設けられた、水圧を検知する水圧検知部4は放電及び通電禁止指示する連動制御部6に接続される。さらに、この連動制御部6は、放電を行う放電部8と通電禁止を行う通電禁止部10とを並列に介して、昇圧回路等を有する電気回路12に接続される。
【0018】
このように構成されたカメラにおいては、カメラ2の外周部に設けられた水圧検知部4が所定の水圧より大きな水圧を検知すると、検知信号を連動制御部6に送信する。この検知信号を受け取った連動制御部6は、放電部8により高電圧状態の電気回路12に蓄積された電荷を放電させ、さらに通電禁止部10により電気回路12が再度昇圧動作を行うことを禁止させる。
【0019】
これにより、電気回路への不用意な高電圧印加によるダメージを、カメラ内部が浸水する前に未然に防止することができる。
【0020】
次に、本発明に係る第1の実施の形態のカメラについて説明する。
【0021】
図2は、第1の実施の形態のカメラの構成を示す図である。
【0022】
カメラ2内のストロボ回路20では、電池22の電源電圧をトランス等からなる昇圧回路24を用いて300[V]付近にまで昇圧し、このエネルギをコンデンサ26に蓄える。キセノン放電管(以下、Xe管と記す)28は、トリガ回路30にて高電圧がかけられてガラス管(放電管)内のガスがイオン化されることにより、上記コンデンサ26に蓄えられた電荷を放電させて発光を行う。
【0023】
スイッチ部32はIGBTやサイリスタなどからなり、コンデンサ26とXe管28の間の放電経路を接続/遮断制御する。この制御により、Xe管28の発光形式を切替えることができる。
【0024】
このように電池22の電池電圧はストロボ回路20の昇圧、放電動作のために安定しておらず、不安定である。そこで、上記電池22の電池電圧は、電源安定化用のコンデンサ34を含むフィルタ回路36により電圧を安定化された後、ワンチップマイコン等からなる演算制御回路(以下、CPUと記す)38に入力される。
【0025】
このCPU38はカメラ全体のシ−ケンスを制御するものであり、レリ−ズスイッチ40やモ−ド切替えスイッチ42の操作状態に従って、測距部44や測光部46を動作させる。さらに、CPU38はこれら測距部44や測光部46によって得られた被写体情報に基づいて、シャッタ等からなる撮影部48やピント合せ部50を制御し、撮影シ−ケンスやストロボの充電、発光シ−ケンスを実行させる。さらに、CPU38はアナログ/ディジタル(A/D)変換器等からなる充電検出部52の出力をモニタしながら、ストロボ回路20の充電動作を制御する。
【0026】
また、このカメラが水中に存在するときには、水圧を検出する圧力スイッチ(SW)54の出力にしたがって、CPU38は禁止部56を制御し、ストロボ回路20内の昇圧回路24の昇圧動作を実行または禁止させる。上記圧力スイッチ54としては、例えば図3(a),(b)に示す、次のようなものが知られている。この圧力スイッチ54は、2つの電極60,62の間に微小な空洞部を有するゴム状の弾性体64が挟持されたものであり、この弾性体64のなかには導電性のボ−ル66が散在されている。
【0027】
このような圧力スイッチ54では、図3(a)に示したように圧力が電極60,62間を圧縮するようにかかっていないときには、各導電性のボール66は互いに離れているので、電極間の抵抗をテスタ68で計ると高抵抗値を示す。しかし、図3(b)に示したように圧力が電極間を圧縮するようにかかると、各導性のボール66が接近し接触抵抗が小さくなるので、テスタ68は低抵抗値を示す。
【0028】
そこで、この圧力スイッチ54を、図3(c)に示すように、カメラ2の外装の接続部70に配置すると、水圧がかかったときは水圧がかからないときに比べて電極60,62間の抵抗値が小さくなる。この抵抗値を検出することにより、圧力スイッチ54を水圧センサとして利用することができる。ここで、カメラ2の外装の隙間に配置されたゴム製のパッキン72、すなわち、Oリングは水圧がかかると外装の隙間で圧縮され、外装に密着するため防水効果を発揮する。
【0029】
上記昇圧回路24としては、図4に示すようにトランス74に発振動作するトランジスタ76,78、ダイオード80、抵抗82,84等からなる回路が知られている。禁止部56は、この発振回路を構成するトランジスタ78にベース電流を流さないようにするスイッチ手段、例えば、トランジスタ86などで構成すればよい。昇圧回路の動作を禁止するときには、CPU38がトランジスタ86をオンするように制御すればよい。
【0030】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、第1の実施の形態のカメラの動作について説明する。
【0031】
まず、CPU38は圧力スイッチ54が所定の圧力以上の水圧を検知したか否かを判定する(ステップS1)。所定の圧力以上の水圧を検知したときは、ストロボ用のコンデンサ26の充電電圧がXe管28の発光可能電圧に達しているか否か、すなわち、コンデンサ26の充電が完了したか否かを判定する(ステップS2)。充電が完了していないときは、CPU38は昇圧回路24によりコンデンサ26を充電させる(ステップS6)。
【0032】
そして、充電が完了したとき、すなわち、発光可能電圧になったとき、CPU38はXe管28を所定の発光パターンで発光させ(ステップS3)、撮影者に耐水圧限界に近いことを認知させると共に、ストロボ回路20などの高電圧回路の高電圧をディスチャージする。
【0033】
次に、上記発光が終了すると、通常の動作フローにおいては再充電が行われるが、ここでは禁止部56を働かせ、再充電を行わないようにする(ステップS4)。さらに、電気回路の誤動作を防止するために、レリーズ釦(レリーズスイッチ40)の受け付けを禁止してレリーズロック状態にし(ステップS5)、本動作を終了する。このような浸水の可能性のある状況下で電気回路を不用意に動作させると、想定した回路だけでなく、流れてはならない部分にまで電流が流れて、熱を発生したりして事故につながるおそれがあるからである。
【0034】
また、上記ステップS1にて圧力スイッチ54が所定の圧力以上の水圧を検知していないときは、CPU38は次のような通常の撮影シーケンスを行う。CPU38はカメラを作動状態にするメインスイッチ(モード切替えスイッチ16に含まれる)がオンしているか否かを判定する(ステップS10)。メインスイッチがオンしていないときは、上記ステップS1へ戻り、ステップS1以降の処理を繰り返す。一方、メインスイッチがオンしているときは、昇圧回路24によりストロボ用のコンデンサ26の充電を行う(ステップS11)。
【0035】
次に、CPU38はレリ−ズ釦(レリーズスイッチ40)がオンしたか否かを判定する(ステップS12)。レリ−ズ釦がオンしていないときは、上記ステップS1へ戻り、ステップS1以降の処理を繰り返す。レリ−ズ釦がオンしているときは、CPU38は測光部46により測光を実行させて被写体の明るさを求める(ステップS13)。さらに、測距部44により測距を実行させて、被写体の距離情報を求める(ステップS14)。続いて、CPU38は求めた上記距離情報をもとにピント合せ距離を算出し、ピント合せ部50を制御して撮影部48内の撮影レンズのピント合せを行う(ステップS15)。
【0036】
続いて、CPU38は測光結果やフィルムの感度情報より、撮影時のストロボ発光が必要か否かを判定する(ステップS16)。ストロボ発光を必要としないときは、そのまま撮影を実行させ(ステップS17)、上記ステップS1へ戻り、ステップS1以降の処理を繰り返す。一方、ストロボ発光を必要とするとき、すなわち、ストロボ発光を伴う撮影を実行するときは、被写体が人間である場合に網膜からの反射光が記録され人間の目が赤く写ってしまう、いわゆる赤目現象を防ぐため、ここでは小刻みなプリ発光を行い(ステップS18)、被写体の瞳孔を小さくしてから本発光及び撮影を実行させる(ステップS19)。その後、本動作を終了して、上記ステップS1へ戻り、ステップS1以降の処理を繰り返す。
【0037】
図6(a)に上記ステップS18,S19におけるストロボ発光が必要なときのプリ発光と撮影時の様子を、図6(b)にステップS3における水圧検知時の警告用ストロボ発光の様子を比較して示す。図6(a)に示す撮影時には10[μsec]の発光を数回繰り返し(プリ発光)、被写体である人間の瞳孔縮動を待って(10[msec])、本発光を行う。この本発光では、発光時間が距離や背景の明るさを加味して制御される。
【0038】
一方、図6(b)に示す水圧検出時には10[μsec]の小発光を二回、そしてストロボ用のコンデンサ26のエネルギをすべて使いきるためにフル発光を一回、一秒おきの制御で行う。なお、最初から一回だけのフル発光を行っても良いが、これではただ故障しただけに思われる可能性があるので、CPU38が正しく制御していることを示すために、このような発光パターンとした。この発光パターンは変更可能だが、最後はフル発光しないとコンデンサ26に蓄積された電荷が抜けきれなくなってしまう。
【0039】
以上説明したように本第1の実施の形態によれば、撮影者が気づかないうちに耐水圧限界より深い水深まで水中カメラを持っていき、カメラを壊してしまうことを防ぐことができる。
【0040】
次に、本発明に係る第2の実施の形態のカメラについて説明する。
【0041】
この第2の実施の形態のカメラの構成は、上記第1の実施の形態において、CPUの動作制御のみが異なり、その他の構成については第1の実施の形態と同様であるため、ここに編入するものとしその説明は省略する。
【0042】
図7に示すフローチャートを用いて、第2の実施の形態のカメラの動作について説明する。この第2の実施の形態では、ステップS21,S22にて水圧レベルを三段階に検出できるようにしたものであり、構成的には図2に示した圧力スイッチ54の出力レベルをCPU38により三段階に判定できるようにする。
【0043】
まず、CPU38は、圧力スイッチ54により検知された水圧レベルがレベル1に達したか否かを判定する(ステップS21)。水圧レベルがレベル1に達していないときは、図5に示したフローチャート中のステップS10へ移行し、上記第1の実施の形態と同様にステップS10〜ステップS19にて通常の撮影シーケンスを行う。
【0044】
一方、上記ステップS21にて水圧レベルがレベル1に達しているときは、さらにCPU38は圧力スイッチ54により検知された水圧レベルがレベル2に達したか否かを判定する(ステップS22)。水圧レベルがレベル2に達していないとき、すなわち、水圧レベルがレベル1より大きくレベル2より小さいときは、昇圧回路24によりストロボ用のコンデンサ26の充電を行う(ステップS27)。そして、ストロボ小発光による警告動作を行い、危険水深が近いことを撮影者に認知させる(ステップS28)。その後、上記ステップS1へ戻り、ステップS1以降の処理を繰り返す。
【0045】
また、上記ステップS22にて、圧力スイッチ54により検知された水圧レベルがレベル2に達しているときは、CPU38は危険水深に達したと判断する。そして、昇圧回路24によりストロボ用のコンデンサ26の充電を行う(ステップS23)。続いて、ストロボ回路20に蓄えていたエネルギをフル発光により消費する(ステップS24)。
【0046】
次に、上記発光が終了すると、通常の動作フローにおいては再充電が行われるが、ここでは禁止部56を働かせ、再充電は行わないようにする(ステップS25)。さらに、電気回路の誤動作を防止するために、レリーズ釦(レリーズスイッチ40)の受け付けを禁止し、レリーズロック状態にして撮影ができないようにする(ステップS26)。このような浸水の可能性のある状況下で電気回路を不用意に動作させると、想定した回路だけでなく、流れてはならない部分にまで電流が流れて、熱を発生したりして誤動作や事故につながるおそれがあるからである。その後、本動作を終了する。
【0047】
なお、上記フローチャート中ではステップS22を処理してから充電を行い警告動作を行っているが、これに限るわけではなく、ステップS21をYESに分岐した時点で充電,警告動作を行っても良い。このようなストロボ小発光による警告動作が始まったとき、図8に示すように撮影者がレベル1の水深より浅い水深へ浮上すれば、また水中撮影が続けられる。
【0048】
以上説明したように本第2の実施の形態によれば、危険水深であることを警告する発光パターンを切り替えたので、撮影者が危険水深になる前に浮上することにより、安全かつ確実な水中写真撮影を楽しむことができる。
【0049】
次に、本発明に係る第3の実施の形態のカメラについて説明する。
【0050】
上記第1,2の実施の形態では、専ら電気回路の制御によって各禁止動作を制御してきたが、実際にカメラ内が浸水してしまうと電気回路間の導通が始まり、正しい動作が行われるかどうかが保証できなくなる。そこで、この第3の実施の形態では機械的に回路動作を禁止して安全性を高めている。
【0051】
図9(a)は第3の実施の形態のカメラの構成を示す当該カメラの断面図であり、図9(b)はその一部を拡大したものである。
【0052】
カメラ2の外装部に設けられたストロボ光を投射するためのパネル部90の奥には、Xe管28とストロボ用の反射傘28aが配置されている。また、この外装部には強度の異なる弾性体92,94が設けられており、水圧がかかると、この弾性体92,94は変形してカメラ内部に押し込まれるようになっている。
【0053】
まず、弾性体92が変形すると、ストロボ用のコンデンサ26の両端の電極に、高耐圧のセメント抵抗96の各電極が連動部材98によって押し付けられる。すると、コンデンサ26に蓄えられていた電荷のディスチャージ及び充電禁止が行われる。これによって、最も危険な高電圧が対策される。
【0054】
さらに、水深が深くなり水圧が増加すると、弾性体94が変形して連動部材100を動かし、くさび型部材102を電池22の電極と電気回路に設けられた電池用接点104の間に食い込ませる。これによって、電気的な導通をエネルギ供給源である電池22からはばみ、電気回路の動作を停止させることにより、想定した回路だけでなく、流れてはならない部分にまで電流が流れて、熱を発生したりして誤動作や事故が起こるのを対策している。
【0055】
なお、一度所定レベル以上の水圧がかかるとカメラ内部が浸水している可能性が高いので、水圧がかからなくなっても、くさび型部材102は電池22と電池用接点104の間に食い込んだままにする。これにより、カメラ内部に水をためたまま電気回路が再起動して、感電や発熱などにより事故が発生しないようにする。
【0056】
また、電気回路を壁面108などで囲って水から隔離するようにすれば、さらに効果的である。また、図10(a),(b)に示すように、回路基板110の上から防水作用のあるシリコン樹脂112などを被せて、電気回路を構成する部品に水が接触することがないように密閉してもよい。
【0057】
以上説明したように本第3の実施の形態によれば、カメラ内部の浸水時における電気回路の短絡等により、信頼性が失われる電気回路の動作及びエネルギ供給を機械的に禁止したので、より安全かつ故障しにくい耐水性のあるカメラを簡単な構成にて提供できる。
【0058】
上述したように上記実施の形態によれば、防水機能のない機器の水没時や耐水圧限界以上に深い水中での機器が使用されたとき、機器内への浸水によって発生する電子回路の破壊等を最小限に抑えることができる。
【0059】
以下詳述した如き本発明の実施態様によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0060】
(1) 電源用電池と、
この電源用電池から供給される電源により電気的に制御される電気回路と、
カメラ本体が水没したことを検知する水没検知手段と、
この水没検知手段の検出結果に基づいて、上記電源用電池から上記電気回路への電源供給を禁止する禁止手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【0061】
(2) 電源用電池と、
電気回路と、
この電気回路の動作に必要な電圧を上記電源用電池の電圧から作り出す昇圧回路と、
カメラホ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、
この水圧検知手段の出力を判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果に基づいて、上記昇圧回路の動作を禁止する禁止手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【0062】
(3) 上記電気回路は、放電発光管を有するストロボ発光回路であり、上記判定手段の判定結果に基づいて、該ストロボ発光回路の発光を制御するものであることを特徴とする上記(2)に記載のカメラ。
【0063】
(4) 電源用電池と、
この電源用電池の電圧を昇圧して充電される充電手段と、
カメラ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、
この水圧検知手段の出力を判定する判定手段と、
この判定手段の出力結果に基づいて、上記充電手段に充電された電圧を放電する放電手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【0064】
(5) 上記充電手段は、ストロボ発光回路におけるメインコンデンサであることを特徴とする上記(4)に記載のカメラ。
【0065】
(6) 電源用電池と、
この電源用電池の電圧を昇圧する昇圧手段と、
この昇圧手段により昇圧された電圧が充電される充電手段と、
カメラ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、
この水圧検知手段の出力を判定する判定手段と、
この判定手段の出力結果に基づいて、上記昇圧手段の動作を禁止する禁止手段と、
上記判定手段の出力結果に基づいて、上記充電手段に充電された電圧を放電する放電手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、防水機能のないカメラの水没時や耐水圧限界以上に深い水中にて水中カメラが使用されときに、カメラ内の浸水によって起こりうる電気回路の破壊等を防止するカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラの概念的な構成を示すブロック図である。
【図2】第1,2の実施の形態のカメラの構成を示す図である。
【図3】圧力スイッチの構成を示す図である。
【図4】昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図5】第1の実施の形態のカメラの動作を示すフローチャートである。
【図6】ストロボ発光が必要なときのプリ発光及び撮影時の様子と、水圧検知時の警告用ストロボ発光の様子を示す図である。
【図7】第2の実施の形態のカメラの動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態のカメラの動作を説明するための図である。
【図9】第3の実施の形態のカメラの構成を示す図である。
【図10】電気回路をシリコン樹脂にて被い、防水する一例を示す図である。
【図11】カメラの一般的な構成を示す図である。
【符号の説明】
2 カメラ
4 水圧検知部
6 連動制御部
8 放電部
10 通電禁止部
12 電気回路
20 ストロボ回路
22 電池
24 昇圧回路
26 コンデンサ
28 キセノン放電管(Xe管)
30 トリガ回路
32 スイッチ部
34 コンデンサ
36 フィルタ回路
38 演算制御回路(CPU)
40 レリ−ズスイッチ
42 モ−ド切替えスイッチ
44 測距部
46 測光部
48 撮影部
50 ピント合せ部
52 充電検出部
54 圧力スイッチ(SW)
56 禁止部
60,62 電極
64 弾性体
66 ボ−ル
68 テスタ
70 外装の接続部
72 パッキン
Claims (2)
- 電源用電池と、
上記電源用電池の電圧を昇圧してコンデンサへ電荷を充電し、この電荷でキセノン放電管の発光制御を行うストロボ回路と、
カメラ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、
上記水圧検知手段の出力から所定以上の水圧を検出すると、上記ストロボ回路に上記キセノン放電管の発光を行わせて上記コンデンサの電荷を放電した後、上記ストロボ回路の充電動作を禁止するとともにレリーズスイッチの受付を禁止して撮影が出来ないようにする手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 電源用電池と、
上記電源用電池の電圧を昇圧してコンデンサへ電荷を充電し、この電荷でキセノン放電管の発光制御を行うストロボ回路と、
カメラ本体に加わる水圧を検知する水圧検知手段と、
上記水圧検知手段が所定のレベル1の水圧を検知すると上記ストロボ回路に上記キセノン放電管を小発光させることで警告動作を行い、上記水圧検知手段が上記レベル1より大きいレベル2の水圧を検知すると上記ストロボ回路に上記キセノン放電管をフル発光させることで上記コンデンサの電荷を放電し、このフル発光後は上記ストロボ回路の充電動作を禁止するとともにレリーズスイッチの受付を禁止して撮影が出来ないようにする手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP00516496A JP3670376B2 (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | カメラ |
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