JP3670106B2 - 液体注出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体注出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体注出容器として、空気に触れると変質し易い内容物を収納するために、注出後の容器体に外気の侵入を防止する措置が採られたものが使用されている。例えば、チューブ容器の様に可撓性の胴部を有する容器体を備え、その胴部を圧搾することにより内容液を口頚部より注出するが、注出後は胴部が収納液の減少に伴ってその内容積を減少する如く変形するため、外気が口頚部より逆流しない様に構成したものがある。また、この様な容器に図4に示す如き吐出弁50を設けて、更に確実な容器体内への外気の侵入を防いだもの等が知られている。この吐出弁50は、容器体口頚部51内下部に嵌合させた嵌合基部52内面より、ヒンジ部53を介して開閉可能に弁板54を突設し、この弁板54により口頚部51下端開口部を開閉可能に閉塞したものであり、口頚部51先端には、中央に注出用口55を穿設した注出栓56を嵌着固定させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の容器では、その吐出弁の構造上弁板54上方にどうしても液溜まり部分57が生じ、この液溜まり部分の液が外気と接触して収納液の性質によっては固化したり、変色したりする虞がある。この様な現象が生じると液の注出に支障を来したり、使用者に内容物の不良を誤解されたりする不都合を生じる。
本発明容器は上記した点に鑑み、液注出後に容器体胴部内と連通する流出路内の液が外気と接触することを防止でき、液の変色や固化の虞のない優れた液体注出容器を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、圧搾可能で且つ収納液の減少に伴う内容積の減少維持が可能な胴部4より内部に流出路aを有する口頚部5を起立してなる容器体2と、上記流出路a上端開口部を閉塞して固定した下端開口の筒状をなすとともに、上方へ突出する半球面板状の頂板部6にスリットbを穿設し、且つ、外周下端部から外方へ突設したフランジ9外周縁より上方へ係止突条部 10 を立設した弾性弁部材3とを備え、該弾性弁部材3は枠材7を介して口頚部5に嵌着固定してなり、上記枠材7は、上記フランジ9上面に下端部を当接させて弁部材周壁8外周に嵌合させるとともに、容器体口頚部5内面上部に突設したフランジ 14 上面にフランジ9を圧接させ、且つ、上記係止突条部 10 を口頚部5との間に挟持した支持筒部 11 と、該支持筒部外周より外方へ延設したフランジ状頂板 12 周縁部より垂設するとともに、口頚部5外周上端部に凹凸係合手段を介して嵌合させた嵌合筒部 13 とから構成した。
第2の手段として、圧搾可能で且つ収納液の減少に伴う内容積の減少維持が可能な胴部4より内部に流出路aを有する口頚部5を起立してなる容器体2と、上記流出路a上端開口部を閉塞して固定した下端開口の筒状をなすとともに、上方へ突出する半球面板状の頂板部6にスリットbを穿設し、且つ、外周下端部から外方へ突設したフランジ9外周縁より上方へ係止突条部 10 を立設した弾性弁部材3とを備え、該弾性弁部材3は第一枠材 7A 及び第二枠材 7B の二つの枠材を介して上記口頚部5に嵌着固定してなり、上記第一枠材 7A は、上記フランジ9上面に下端部を当接させて弁部材周壁8外周に嵌合させた支持筒部 11a と、該支持筒部 11a 外面より外方へ延設したフランジ状頂板 12a 周縁部より嵌合筒部 13a を垂設して構成し、上記第二枠材 7B は、断面逆L字状をなす環状で、その水平板部上面を弾性弁部材3のフランジ9下面に圧接させた状態でその外周縁を第一枠材 7A の嵌合筒部 13a 内面に嵌着固定してなり、上記第二枠材 7B の垂直筒部を口頚部5内面に液密に嵌合させるとともに、第一枠材 7A の嵌合筒部 13a 下部を口頚部5外周の上端部に凹凸係合手段を介して嵌合させた。
第3の手段として、前記第2の手段に於いて、上記容器体口頚部5外周に回り止め用の縦突条を周方向複数突設するとともに、上記嵌合筒部 13b を縦長に形成してその内面にも上記縦突条と係合する回り止め用の縦突条を設けた。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
図面に示す如く、本発明の液体注出容器1は、容器体2と、弁部材3とを備えている。
【0006】
容器体2は、圧搾可能な胴部4上端縁より内部に流出路aを有する口頚部5起立して構成している。この容器体2の胴部4は、内容物の減少に伴ってその内容積を減少する如く変形した状態で維持されるもので、基本的には可撓性で弾力性の少ない合成樹脂等により形成される。またその胴部形状も、下端を扁平状に閉塞したチューブ状のもの、或いは筒状胴部のもの等種々採用できる。
【0007】
上記弁部材3は、エラストマー等の弾力性のある材質により形成されたもので、上記流出路a上端開口部を閉塞して固定した下端開口の筒状をなすとともに、頂板部6を上方へ突出する半球面板状に形成し、且つ、該頂板部6にスリットbを穿設して構成している。
この弁部材3は、容器体胴部4の圧搾による加圧液により、その頂板部6がスリットbを拡げる如く弾性変形し、また、胴部4の圧搾を解除した際に、自身の弾性復元力により即座にスリットbを閉じる如く作用し、容器体2内の液を外部へ一方的に吐出する吐出弁の働きをする。
【0008】
図1に示す実施例では、弁部材3に嵌着固定した枠材7を介して容器体口頚部5に弁部材3を嵌着固定させている。
本実施例に於ける弁部材3は、円筒状周壁8上端縁より上方へ突出する半球面板状の頂板部6を延設するとともに、周壁8外周下端部より外方へフランジ9を突設し、このフランジ9外周縁より上方へ係止突条部10を立設して構成している。
【0009】
また枠材7は、弁部材周壁8外周に嵌合させるとともに、その下端部を上記フランジ上面に当接させた支持筒部11外面より外方へフランジ状頂板12を延設し、該頂板12周縁部より容器体口頚部5外周上端部に凹凸係合手段を介して上方への抜け出しを不能に嵌合させる嵌合筒部13を垂設して構成している。
【0010】
そして、嵌合筒部13を容器体口頚部5外周上端部に抜け出し不能に嵌合させるとともに、口頚部5内面上部に突設したフランジ14上面に上記フランジ9を圧接させて弁部材3を容器体2に固定させている。
本実施例ではまた、口頚部5外周下部に螺筒を螺着させて着脱自在にキャップ15を装着させている。
【0011】
図2示す実施例では、上記実施例と基本的に略同様構成の弁部材3の周縁部に第一枠材7A及び第二枠材7Bの二つの枠材を嵌着固定し、各枠材を介して弁部材3を口頚部5に固定している。
【0012】
上記第一枠材7Aは、その下端部を上記フランジ9上面に当接させて弁部材周壁8外周に嵌合させた支持筒部11a 外面より外方へフランジ状頂板12a を延設し、該頂板周縁部より容器体口頚部5外周上端部に凹凸係合手段を介して上方への抜け出しを不能に嵌合させる嵌合筒部13a を垂設して構成している。また、第二枠材7Bは、断面逆L字状をなす環状で、その水平板部上面を弁部材3のフランジ9下面に圧接させた状態でその外周縁を第一枠材7Aの嵌合筒部13a 内面に嵌着固定している。
そして、容器体口頚部上方よりその第二枠材7Bの垂直筒部を口頚部内面に液密嵌合させるとともに、第一枠材の嵌合筒部下部を口頚部外周上端部に抜け出し不能に嵌合させて弁部材3を容器体2に固定している。
【0013】
図3に示す実施例も図1の実施例と基本的に略同様の弁部材3を用い、また、図2の実施例と類似構成の支持筒部11b ,頂板12b ,嵌合筒部13b を備えた第一枠材及び図2の実施例と類似構成の第二枠材7Bを弁部材3の周縁部に嵌着固定し、各枠材を介して弁部材3を容器体口頚部5に嵌着固定させている。
【0014】
本実施例では、容器体口頚部5外周にキャップ螺着用の螺子を施さずに回り止め用の縦突条を周方向複数突設し、また、嵌合筒部13b を縦長に形成してその内面にも上記縦突条と係合する回り止め用の縦突条を設け、口頚部外面全体に亘って嵌合筒部13b を嵌着固定し、その外面にキャップ螺着用の螺条を設けている。
上記の如く構成した容器を使用するに当たっては、容器体胴部4を圧搾することにより収納液が加圧され、加圧液がスリットbを押し開く如く弁部材3の頂板部6を変形させて外部へ注出される。容器体胴部4の圧搾を解除すると、弁部材3はその弾性復元力で即座にスリットbを閉じる如く元の状態に復元し、容器体内外が遮断される。この際、弁部材頂板上面に万一若干の残液があっても、それを拭き取ってしまえば良く、少なくとも従来容器の如き流出路内に外気と接触する液溜まり部分が生じることがないため、容器体内の液は外気と完全に遮断され、固化や変色の虞はない。また、胴部4は容器体内の液の減少に伴って凹んだ状態で維持される。
尚、上記各部材は主として合成樹脂により形成し、必要に応じてエラストマー等を併用することも可能である。
【0015】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明液体注出容器は、上方へ突出する半球面板状の頂板を有し、該頂板にスリットを穿設してなる弾性弁部材を容器体口頚部に設けたので、液注出後の容器体内と連通する部分の流出路内に外気と接触する部分がなく、その結果、液の固化,変色を生じる虞がなく、注出不良や内容物の変質の誤解を生じる虞はない。
また、弁部材を被覆するキャップを嵌めておかなくても、外気の遮断は充分行えるため、キャップを外した状態にしておいて使用することもでき、その場合には一々キャップの着脱がないため、より使勝手が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明液体注出容器の一実施例を示す要部半断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す要部半断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施例を示す要部半断面図である。
【図4】従来容器の注出口部分の部分断面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…弁部材,4…胴部,5…口頚部,6…頂板部,a…流出路,b…スリット
Claims (3)
- 圧搾可能で且つ収納液の減少に伴う内容積の減少維持が可能な胴部4より内部に流出路aを有する口頚部5を起立してなる容器体2と、上記流出路a上端開口部を閉塞して固定した下端開口の筒状をなすとともに、上方へ突出する半球面板状の頂板部6にスリットbを穿設し、且つ、外周下端部から外方へ突設したフランジ9外周縁より上方へ係止突条部 10 を立設した弾性弁部材3とを備え、該弾性弁部材3は枠材7を介して口頚部5に嵌着固定してなり、上記枠材7は、上記フランジ9上面に下端部を当接させて弁部材周壁8外周に嵌合させるとともに、容器体口頚部5内面上部に突設したフランジ 14 上面にフランジ9を圧接させ、且つ、上記係止突条部 10 を口頚部5との間に挟持した支持筒部 11 と、該支持筒部外周より外方へ延設したフランジ状頂板 12 周縁部より垂設するとともに、口頚部5外周上端部に凹凸係合手段を介して嵌合させた嵌合筒部 13 とから構成したことを特徴とする液体注出容器。
- 圧搾可能で且つ収納液の減少に伴う内容積の減少維持が可能な胴部4より内部に流出路aを有する口頚部5を起立してなる容器体2と、上記流出路a上端開口部を閉塞して固定した下端開口の筒状をなすとともに、上方へ突出する半球面板状の頂板部6にスリットbを穿設し、且つ、外周下端部から外方へ突設したフランジ9外周縁より上方へ係止突条部 10 を立設した弾性弁部材3とを備え、該弾性弁部材3は第一枠材 7A 及び第二枠材 7B の二つの枠材を介して上記口頚部5に嵌着固定してなり、上記第一枠材 7A は、上記フランジ9上面に下端部を当接させて弁部材周壁8外周に嵌合させた支持筒部 11a と、該支持筒部 11a 外面より外方へ延設したフランジ状頂板 12a 周縁部より嵌合筒部 13a を垂設して構成し、上記第二枠材 7B は、断面逆L字状をなす環状で、その水平板部上面を弾性弁部材3のフランジ9下面に圧接させた状態でその外周縁を第一枠材 7A の嵌合筒部 13a 内面に嵌着固定してなり、上記第二枠材 7B の垂直筒部を口頚部5内面に液密に嵌合させるとともに、第一枠材 7A の嵌合筒部 13a 下部を口頚部5外周の上端部に凹凸係合手段を介して嵌合させたことを特徴とする液体注出容器。
- 上記容器体口頚部5外周に回り止め用の縦突条を周方向複数突設するとともに、上記嵌合筒部 13b を縦長に形成してその内面にも上記縦突条と係合する回り止め用の縦突条を設けてなる請求項2記載の液体注出容器。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09843597A JP3670106B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 液体注出容器 |
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Family Applications (1)
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JP09843597A Expired - Lifetime JP3670106B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 液体注出容器 |
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