JPH0659240U - チューブ状容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器内の内容物を無駄なくほとんどすべて利
用できるように内容物の押出し性を向上したチューブ状
容器を提供すること。 【構成】 肩部を有するチューブ状容器において、該肩
部に溝を設けたことを特徴とする内容物押出し性を向上
したチューブ状容器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内容物の押出し性を向上し、容器中に有効に利用されないまま残留 する部分を極力低減させた肩部を有するチューブ状容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

歯磨、食品、化粧品、医薬品、接着剤等の容器として、チューブ状容器が広く 利用されている。このチューブ状容器は、一般にキャップが装着される首部と容 器本体部とそれらの間の円錐状曲面を有する肩部から構成されており、利用にあ たっては周知のとおり首部のキャップをはずし、容器本体部を適宜押して内容物 を首部を通して取り出すというものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

このような容器には、その利用終期において内容物が首部と肩部内に残留した まま取り出しにくくなるという問題点がある。この問題はチューブ状容器材料が 屈曲し易い金属製である場合にはある程度改善できるが、他方では無理な力がか かるためこの際にしばしば容器の破損を見ることがある。一方、チューブ状容器 を可撓性に富むプラスチック製とした場合にはこの容器の破損の問題は解消する ことができるが、プラスチックの弾性により首部に復元力が作用するので押しに くく、かなりの部分が利用されないまま無駄にチューブ状容器内に残留している （図１参照）。

【０００４】 本考案は、こうしたチューブ状容器の構造上の問題点を解決することをその課 題とするものである。すなわち、本考案は、利用終期において容器を破損させる ことなく、内容物を無駄なくそのほとんどを利用できるようその残留量を極力低 減することが可能なチューブ状容器を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案者は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、チューブ状容器の肩部 に溝を設けることが有効であることを知見し、本考案を完成するに至った。

【０００６】 すなわち、本考案は、肩部を有するチューブ状容器において、該肩部に溝を設 けた内容物押出し性を向上したチューブ状容器を要旨とするものである。

【０００７】 上記のように本考案は、チューブ状容器肩部に溝を設けることが重要である。 その他の事項は従来のチューブ状容器と同様であり、その材質も金属製、プラス チック製を問わず、また単層構成でもラミネート構成でもよい。しかし、本考案 の内容物押出し性の向上効果は径の大きいチューブや肩部形状が楕円形のチュー ブの場合により著しい。本考案においてはこの溝の形成によって肩部を屈曲し易 すくして、その内部に残留する内容物を容器を損傷することなく無理なくほとん ど取り出すことができる（図２参照）。

【０００８】 本考案において溝は上記のような作用を奏するものであり、そのような作用が 発現できる限りその形状、配設位置、配設本数に制限はない。

【０００９】

【実施例】

たとえば、溝は図４，５に示されるように肩部の内側、あるいは外側に設ける ことができる。溝の配列も図６に示されるように肩部をその上部から見たときの 円（首部）の中心から放射状に配列したもの、図７に示されるように首部を挾ん で相互に並行に配列したもの等がある。肩部の内側に溝を配設する場合には、そ の溝の配設位置は利用者には見えないので、任意の位置にて屈曲し易すくするた めには、多数本の溝を設けることが好ましい。また、とくに溝を肩部の外側に設 ける場合には、利用者が目視にて溝の配設位置を確認できるので、この場合には 図８，９に示されるように溝の形成本数を最少にすることができる。また、前記 のように肩部の内側に溝を形成する場合においても、容器の外側に目視できるよ うに内部溝位置を示しておけば同様に溝の形成本数を最少化することができる。 しかし、肩部の易屈曲効果は溝を内側に設けた方が大きく、また放射状溝よりも 並行溝の方が大きい。さらに並行溝の場合、平行あるいは平行に近い方がその効 果は大きく、また放射状溝の場合、必ずしも首部の中心を通る必要はないが、中 心を通る方がその効果が大きい。本考案において肩部に設ける溝の深さはおよそ 肩部肉厚の５０〜９０％、好ましくは７０％前後、溝幅は１〜３ｍｍが好ましい 。溝の深さ・幅は、深い程、また広い程易屈曲効果が大きいが、その反面肩部の 機械的強度は損なわれるので、上記の範囲とするのがよい。

【００１０】 本考案のチューブ状容器は、上記の実施例から明らかなように従来の肩部成形 用金型（通常は首部と肩部は一体に成形される）に、所望の溝形状と対応する凸 部を設ける他は従来の製造法によって製造することができる。

【００１１】 無論、成形後の後工程にて溝を設けることもできる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のチューブ状容器は内容物押出し性が向上してお り、そのため内容物をほとんど無駄なく有効利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のチューブ状容器の使用後の断面説明図。

【図２】本考案の並列溝を設けたチューブ状容器の使用
後の断面説明図。

【図３】従来のチューブ状容器の断面説明図。

【図４】本考案のチューブ状容器の実施例を示す断面説
明図。

【図５】本考案のチューブ状容器の他の実施例を示す
図。

【図６】本考案のチューブ状容器肩部における溝配列の
実施例説明図。

【図７】同他の実施例説明図。

【図８】同肩部外側に設けた溝配列の実施例説明図。

【図９】同上他の実施例説明図。

【符号の説明】

１ 内容物 ２ 溝 Ａ 首部 Ｂ 肩部 Ｃ 本体部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 肩部を有するチューブ状容器において、
   該肩部に溝を設けたことを特徴とする内容物押出し性を
   向上したチューブ状容器。
2. 【請求項２】 プラスチックスで形成されてなる請求項
   １記載の肩部を有するチューブ状容器。