JP3668907B2 - 水力エレベータ式魚道装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、河川に構築した河川横断構造物に水位差が充分にある場合に設けられる水力エレベータ式魚道装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川に河川横断構造物を設けることによって遡上魚や、下降魚の移動を妨げることになるので、魚道装置の付設により魚の遡上、下降ができるようにされている。魚を遡上、下降させるのに無動力で行えるものには、敷地面積を利用した階段式魚道がある。これは上流と下流を結ぶ魚道の水路に順次隔壁を配置したものであり、河川の水位差を複数の隔壁により分割して魚が飛越できるようにし、遡上を図るようにしている。
【0003】
また、魚を収容させるボックスをワイヤーで吊るして下流から上流に移動できるように索道を利用したものもある。また、水位差の大きい河川横断構造物では魚を収容させるボックスを昇降機によって垂直に移動させたエレベータ式の魚道装置が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水位差の大きい河川横断構造物において、無動力の魚道装置、すなわち、階段式魚道を付設しようとすると、広い敷地面積を必要とする問題が発生する。また、索道を利用して魚を収容させるボックスを移動させる場合は、ボックスの姿勢を上昇時と下降時とで同じ状態にさせ、遡上魚、下降魚を収容して移送することができるが、移送用駆動装置は省略することはできない。
【0005】
本発明は、魚道を垂直型にして設置面積を小さくし、駆動装置を使用せずに魚の遡上、下降を支援するようにした水力エレベータ式魚道装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、上下水位差を形成する河川横断構造物の直下流に、該河川横断構造物の上流側に連絡する上部ブロックと、この上部ブロックと連絡され略鉛直方向に延びる中間部ブロックと、この中間部ブロックに連絡され前記河川横断構造物の下流側に連絡される下部ブロックとを結合して骨組みされた架構を設け、前記上部ブロック及び前記下部ブロックのそれぞれに設けた案内軌条と、前記中間部ブロックに並設される魚を上昇させるための上昇通路及び魚を下降させるための下降通路に沿って設けた案内軌条とが接続され、これらの案内軌条にエンドレスの連結材を回転自在に設け、該連結材に一端が開口された箱型容器を、前記箱型容器が前記上昇通路に沿って上昇する際にはその一端開口が上方に臨み、前記下降通路に沿って下降する際にはその一端開口が下方に臨むように、一定間隔を置いて複数個固着し、前記箱型容器が前記下降通路に沿って下降する際、前記下降通路を形成する側壁と前記箱型容器の底板とによりほぼ水密状態を構成し、該底板が底部となる水室を設け、前記上部ブロックと前記河川横断構造物の上流側とが連絡される部位に、前記河川横断構造物の上流側の流水を前記水室に流入させる誘導槽を設け、前記箱型容器が前記上部ブロックで反転して回転する位置の下方に、前記誘導槽に連絡する移送用シュートを設けたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記下部ブロックに、前記河川横断構造物の下流側の流水を貯水する貯水水路を設けると共に、前記連結材の前記案内軌条を前記貯水水路に沿って設けたことを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した発明において、前記貯水水路の最下流端の延長線上に誘導水路を設けると共に呼び水管を配し、該誘導水路及び前記貯水水路のそれぞれの床面を繋ぐ底部閉塞板を、該底部閉塞板の前記誘導水路と連結している側を軸として回動自在に設けたことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した発明において、前記中間部ブロック前記上昇通路及び前記下降通路を鋼管製の主柱で枠組みして構成し、該主柱の上部を前記河川横断構造物の上流側に連通させ、前記主柱の下部を前記貯水水路の下方で護岸に囲まれた流水用貯水槽および前記呼び水管に連絡させたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明は上記のように構成したものであり、箱型容器が連結材によって上昇と下降を繰り返し、上昇時には下流側の流水を運び、遡上魚は流水と共に上流に移送される。架構の上流端から下降する箱型容器は、底部が上位置になり開口が下位置になる。したがって、架構の上流端から下降する箱型容器の底部が流水が下降する角筒の上部を閉塞し、上流の水が自由に流下することを防いでいる。そして、箱型容器で上昇してきた遡上魚は、箱型容器が回転して向きを変えるときに上流水路に放される。
次に、下降魚の場合について説明する。上流水路に集まっている下降魚は、箱型容器が下降するに従い水深が深まる側に移動し、流水と共に下方に移送される。そして、箱型容器が下流側に達し角筒から出ると流水と共に降下魚が放されることになる。
【0011】
また、箱型容器は貯水水路を上流側に移動し、その後、架構の下部から上昇することになるが、貯水水路を移動中に、貯水水路に集まった遡上魚を寄せ集めて収容することになる。
【0012】
また、貯水水路の最下流端で箱型容器が回転して向きを変え、上流側に移動するが、誘導水路および底部閉塞板を設け、さらに呼び水管を設けたことにより、箱型容器の回転に影響されず、箱型容器が貯水水路の最下流付近に位置しないときは、貯水水路と誘導水路の床面が底部閉塞板により連絡し、遡上魚が円滑に貯水水路に集魚される。さらに、箱型容器が貯水水路の最下流に位置して回転するときは底部閉塞板を押し上げて回転する。
【0013】
架構の一部に鋼管を使用したことにより、鋼管の内部に上流水路からの流水を流して貯水水路や誘導水路に流下させ、この流水によって遡上魚の遡上本能を刺激する。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。魚の遡上を可能にする越流堰や魚道水路の隔壁は水位差がわずかであるが、図1に示すように、水路1を遮断する河川横断構造物(以下、ダムと言う)2の水位差が大きいものには、一例としてエレベータ式魚道装置3が使用されるこのエレベータ式魚道装置3は、上流側水路に連絡する上部ブロック4、ほぼ鉛直な構造の中間部ブロック5および、下流側に延びた貯水水路7を構成する下部ブロック6に分割され、各ブロック4、5、6の端部のフランジ8を合わせボルト結合して一体にしたものである。
【0015】
また、図1および図4に示すように、ダム2の上部には貫通水路9および制水ゲート10が設けられ、貫通水路9の下流口と上部ブロック4の上流側端との間に誘導槽11および土砂溜り12が設けられ、土砂溜り12には鋼製または木製ブロックの角落しゲート13,13aが備えられている。ここで云う誘導槽11と土砂溜り12は同じものであるが、上流側を土砂溜り12とし、本装置の側面側に延びた水路を誘導槽11としている。また、図1および図5に示すように、下部ブロック6を構成する貯水水路7の下流側上方にアンカー14が架設され、アンカー14から垂下した吊り棒15が下部ブロック6に長さ調節自在に連結され、下部ブロック6の傾斜および、姿勢を保持している。
【0016】
各ブロック4、5、6を構成する架構は鋼管、形鋼等で製作され、図2および図3に示すように、内部にエンドレスの一対のローラチェン(連結材)16が回転自在に作動するように、上部ブロック4に円弧状(図面上、円弧角は180度以上)の案内軌条17が左右両側に設けられている。また、下部ブロック6の貯水水路7の下流側端にも円弧状(略半円)の案内軌条18が設けられている。そして、中間部ブロック5に並設された上昇・下降通路19,20に、それぞれローラチェン16を案内するための案内軌条21が内蔵されており、上記の案内軌条17,18と接続されている。
【0017】
そして、ローラチェン16には魚類を収容する箱型容器22が一定間隔で複数個取付けられ、上昇時には箱型容器22の開口は上方に向けられる。また、図15に示すように、箱型容器22の降下姿勢のときに、底板23に取付けた水密ゴム24と、案内軌条21からの漏水を防ぐために案内軌条21の外側に設けた塞水板25とで水密を保持し、側壁も塞水板25で構成して中間部ブロック5に水室26を形成させている。ただし、下降時における水室26の水密性は後述する水の流れにより完全でなくても良い。また、箱型容器22が上流端に位置したときに水を放流する側の箱型容器22の側面は傾斜して作られている。なお、箱型容器22が上昇するときに鳥に狙われないように回りの隙間を防鳥網27で覆っている(図2及び図11参照)。
【0018】
上部ブロック4では、図4ないし図7に示すように、上昇してきた箱型容器22が、円弧状の案内軌条17(図2参照)の周上を移動しながら漸次回転する。そして、上部ブロック4には、箱型容器22から放流される魚を受けて横方向の誘導槽11に向けて滑らせる移送用シュート28が傾斜して設けられている。また、誘導槽11の底面には、図2、図6、図9に示すように、流量調整弁29を備えた呼び水用配管30が取付けられ、土砂溜り12付近の底面からは流量調整弁31を備えた注水用配管32が取付けられている。また、箱型容器22が反転する位置ではその両側にスクリーン33を介して余水吐用貯水槽34が取付けられ、ここに余水吐用配管35が設けられている。
【0019】
また、図1及び図2に示すように、上部ブロック4のフランジ8の延長線上の床面には、箱型容器22の搬送速度を一定値以上にならぬよう安全装置として速度制御装置36が付設されている。速度制御装置36は図12に示すように、上昇側のローラチェン16に係合して回転するチェンホイール37を備え、この軸にカップリングを介して変速機38が連結され、変速機38の出力軸に遠心ブレーキ39が取付けられている。これはローラチェン16の回転速度が速くなると遠心ブレーキ39の負荷が大きくなり、ローラチェン16の回転速度が抑えられるようになっている。通常、一定速度に落ち着くことになる。
【0020】
ところで、架構の中間部ブロック5は上昇側と下降側とでそれぞれ4本の鋼管を鉛直に設けて主柱とし、各主柱の間には補強部材を組み込ませている。そして、図8、図9、図10に示すように、注水用配管32(図2参照)下降通路20の上流側の一対の主柱T1に接続され、余水吐用配管35は上昇通路19の上流側の一対の主柱T3に接続され、また、呼び水用配管30は上昇通路19の下流側の一対の主柱T4に接続されている。下降通路20の下流側の一対の主柱T2のうち、誘導槽11側は上部は降下魚の窒息を防ぐための抜水用に利用され、流量調整弁40を備えた抜水用配管41によって、主柱T2の上部と水室26となる側面とを連通させている。また、図10および図14に示すように、一対の主柱T2の下部に流量調整弁40aを備えた排水管41aが接続され、排水管41aは下方に延び開口している。
【0021】
また、図14に示すように、下降通路20の下流側の一対の主柱T2のうち、もう一方の側にはその中間部に内部の水室26と連通する抜水用孔42が複数個穿設され、また、下降通路20の上流側の一対の主柱T1に注水用孔43が穿設され、これら抜水用孔42と注水用孔43は同じ高さ位置に設けられている(図13参照)。抜水用孔42および注水用孔43は数グループm1,m2,m3,・・に分割し、各グループ毎の孔(42,43)p1,p2,・・の直径を変えている。これは孔位置における静水頭による流出量をおよそ各グループ共に同量とするためである。さらに、主柱T1の下部には、図3、図10に示すように、流量調整弁44を介して貯水用配管45が接続され、貯水用配管45の先端は流水用貯水槽46に向けて開口されている。
【0022】
ローラチェン16の緩みを取る構造は、中間部ブロック5の最上部フランジ8をベースに上部ブロック4の下側フランジ8に設けた押しボルトを回転させることにより上部ブロック4を浮かせ、調整管をその空間部に挿入し、上下フランジ8,8、調整管にボルトを貫通させて締め付けることにより上下のフランジ8,8を固着し、ローラチェン16に引っ張り力を与える。
【0023】
図3,図4に示すように、下部ブロック6の貯水水路7の底板の下方は流水用貯水槽46を構成し、貯水水路7の下流側底部には湧水用孔7aが明けられている。貯水水路7の下流端は円弧状の案内軌条18によりローラチェン16が摺動して箱型容器22が回転移動するようになっており、貯水水路7の延長上に誘導水路47が設けられ、貯水水路7の底面と誘導水路47底面は底部閉塞板48で連絡されている。底部閉塞板48はヒンジを介して誘導水路47の底面に回動自在に取付けられ、先端にウエイト49を設けて常に倒れ勝手になっている。この底部閉塞板48には水抜き孔48aが明けられ、底部閉塞板48が回動したときの水の抵抗を少なくしている。また、貯水水路7の上流側底面は傾斜されて流水用吐き口50が形成され、ここからも流水用貯水槽46の水が流下される。
【0024】
また、図4に示すように、貯水水路7の両側には呼び水管51が配設され、誘導水路47の先端位置から水を散水させるようになっている(図16参照)。余水吐を流下させている主柱T3は下部において流量調整弁52を介して補給水用配管53が接続され、流水用貯水槽46、貯水水路7に流れるようにされている。主柱T4の下部は流量調整弁54を介して呼び水管51に接続されている。
【0025】
次に、魚道装置3の稼働について説明する。
まず、魚道装置3を作動させるときは、箱型容器22や下降側の水室26内に水が入ってないので、図2に示す流量調整弁31を開き、主柱(配管)T1に注水する。主柱T1の注水用孔43から中間部ブロック5に介在する箱型容器22間の空間に流水が充水され、時間の経過と共に水重は増加し、水重が搬送系統における走行抵抗より大幅に増大することで、搬送系統は始動し慣性力と共に上流側からの流水も誘導槽11の端部から流下して水室26の中に充水され、下降側の箱型容器22が降下し始め、ローラチェン16が回転をすることになる。
【0026】
一定の動きが出た後は流量調節弁31を閉め、水室26への充水を中止する。充水がなくても箱型容器22の移動と共に上流の流水が、箱型容器22が逆さまになってその底面が水室26の底面になった中間部ブロック5の下降通路20に流れ込み、ローラチェン16の可動力を保持し続ける。
ローラチェン16を停止させるには、制水ゲート10を閉めきり本設備への流水供給をやめれば良い。または、図4,図11に示す角落しゲート13aに数分割された木材、鋼材等のゲートを順次落とし込んでゆけば流水は遮断できる。しばらくすれば、主柱T1,T2に形成した複数の抜水用孔42および注水用孔43から排水管41aおよび貯水用配管45を通って水室26の水が抜けることになる。
【0027】
ローラチェン16の回転速度は排水管41aから流れる水量によって速度を小さくすることができ、回転速度は速度制御装置36によって一定速度以上にならないように抑制されている。
【0028】
下部ブロック6においては、ローラチェン16は下流側に曲がって貯水水路7に沿って移動する。貯水水路7の勾配は、下部ブロック6と中間部ブロック5とのフランジ8の結合時にライナー板を挿入して位置調整すると共に、吊り棒15の長さ調節を行って決め、下流水位に合わせて魚道勾配を適正な位置にする。
【0029】
遡上魚は誘導水路47の両側の呼び水管51からの放水と、流水用貯水槽46の湧水用孔7aからの湧水と流水用吐き口50からの流水によって、貯水水路7に誘導される。一定時間経過後、底部閉塞板48より下方に位置していた箱型容器22は底部閉塞板48を押し上げて貯水水路7に移動することにより、貯水水路7の下流側は箱型容器22で閉塞される。したがって、既に前進している箱型容器22と後続する箱型容器22間に滞溜する魚群を後続する箱型容器22で完全に捕捉し遡上魚を確実に上流側に搬送することができる。また、箱型容器22が垂直に移動する前に湾曲部を通過する際、箱型容器22内の水が不足するが、補給水用配管53で補水できる。箱型容器22が垂直に上昇しているときは防鳥網27によって遡上魚の安全性を確保している。
【0030】
上部ブロック4の位置においては、箱型容器22を回転させて遡上魚を放出させ、移送用シュート28を滑らせて誘導槽11に入れ遡上できるようにさせている。
【0031】
降下魚は上部ブロック4の下降側に集まり、水流にしたがって中間部ブロック5の水室26に滞溜する。水室26の底面は箱型容器22の底部が共用され、箱型容器22の下降と共に、水室26が下方に移動し下部ブロック6において降下魚は放流される。中間部ブロック5においては、箱型容器22、22間に魚が閉じ込められることになり、呼吸確保のため、水室26の水を抜水用配管41を通して主柱T2に流し、空気層の部分を作りだしている。
【0032】
以上説明したように、遡上魚および、降下魚の搬送のための箱型容器22の移動駆動源を河川横断構造物の上下水位差に相当する水重により得たので、維持、管理費を安くすることができる。また、遡上魚を誘導するための呼び水や流下水、湧水は上流側の水を各主柱T1,T2,・・を利用して配管するので、構造が簡素になって架構外観がすっきりし、かつ、構造強度を向上させている。
【0033】
また、エレベータ式魚道装置3を構成する架構は上中下のブロック4、5、6に分割されているので現地での組み立て、据え付けが簡単であり、したがって移設して使用する場合も、分解、組み立て、据え付けが容易で経費も安くなる。
また、従来技術に比べ、外形の構造は垂直に立ち上がって上下水位差を消化するので、装置の占める平面スペースは小さくなり、固定式コンクリート製魚道のように水平方向に延伸される魚道のような土木施設費は不要となる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したものであるので、エレベータ式魚道装置は水流の落差を利用した水力を使用するので、動力のメンテナンスは不要となり、水を流す配管は架構の鋼管を利用するので設備費が安くなり、外観がすっきりするという利点がある。また、呼び水や湧水を利用するので遡上魚の誘導が効果的である。
また、遡上魚を搬送する箱型容器が降下するときに上下が反対になってその底部が上位置にくる。これによって、架構内に水室ができ、水室の底面が降下することで下降魚を下流に移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施例の水力エレベータ式魚道装置を示す側断面図である。
【図2】 図1に示す装置の上部拡大図である。
【図3】 図1に示す装置の下部拡大図である。
【図4】 図1に示す水力エレベータ式魚道装置の平面図である。
【図5】 図1に示す水力エレベータ式魚道装置の正面図である。
【図6】 図5に示す水力エレベータ式魚道装置の拡大図である。
【図7】 実施例の誘導槽および架構の上面図である。
【図8】 実施例の中間部ブロックの上部の配管を示す平面図である。
【図9】 実施例の中間部ブロックの主要な配管を示す平面図である。
【図10】 実施例の中間部ブロックの下部の配管を示す平面図である。
【図11】 実施例の上部ブロックの側面図である。
【図12】 実施例の上部ブロックの速度制御装置を示す上面図である。
【図13】 実施例の中間部ブロックの下降通路の平面図である。
【図14】 実施例の中間部ブロックの下降通路の主柱を示す側面図である。
【図15】 実施例の中間部ブロックの下降通路の断面図である。
【図16】 実施例の中間部・下部ブロックの周辺を示す正面図である。
【符号の説明】
2 河川横断構造物
3 エレベータ式魚道装置
4 上部ブロック
5 中間部ブロック
6 下部ブロック
7 貯水水路
11 誘導槽
16 連結材
17、18、21 案内軌条
19 上昇通路
20 下降通路
22 箱型容器
23 底板
26 水室
28 移送用シュート
46 流水用貯水槽
47 誘導水路
48 底部閉塞板
51 呼び水管
T1,T2,T3,T4 主柱

Claims (4)

  1. 上下水位差を形成する河川横断構造物の直下流に、該河川横断構造物の上流側に連絡する上部ブロックと、この上部ブロックと連絡され略鉛直方向に延びる中間部ブロックと、この中間部ブロックに連絡され前記河川横断構造物の下流側に連絡される下部ブロックとを結合して骨組みされた架構を設け、
    前記上部ブロック及び前記下部ブロックのそれぞれに設けた案内軌条と、前記中間部ブロックに並設される魚を上昇させるための上昇通路及び魚を下降させるための下降通路に沿って設けた案内軌条とが接続され、これらの案内軌条にエンドレスの連結材を回転自在に設け、
    該連結材に一端が開口された箱型容器を、前記箱型容器が前記上昇通路に沿って上昇する際にはその一端開口が上方に臨み、前記下降通路に沿って下降する際にはその一端開口が下方に臨むように、一定間隔を置いて複数個固着し、
    前記箱型容器が前記下降通路に沿って下降する際、前記下降通路を形成する側壁と前記箱型容器の底板とによりほぼ水密状態を構成し、該底板が底部となる水室を設け、
    前記上部ブロックと前記河川横断構造物の上流側とが連絡される部位に、前記河川横断構造物の上流側の流水を前記水室に流入させる誘導槽を設け、
    前記箱型容器が前記上部ブロックで反転して回転する位置の下方に、前記誘導槽に連絡する移送用シュートを設けたことを特徴とする水力エレベータ式魚道装置。
  2. 前記下部ブロックに、前記河川横断構造物の下流側の流水を貯水する貯水水路を設けると共に、前記連結材の前記案内軌条を前記貯水水路に沿って設けたことを特徴とする請求項1記載の水力エレベータ式魚道装置。
  3. 前記貯水水路の最下流端の延長線上に誘導水路を設けると共に呼び水管を配し、該誘導水路及び前記貯水水路のそれぞれの床面を繋ぐ底部閉塞板を、該底部閉塞板の前記誘導水路と連結している側を軸として回動自在に設けたことを特徴とする請求項2記載の水力エレベータ式魚道装置。
  4. 前記中間部ブロック前記上昇通路及び前記下降通路を鋼管製の主柱で枠組みして構成し、該主柱の上部を前記河川横断構造物の上流側に連通させ、前記主柱の下部を前記貯水水路の下方で護岸に囲まれた流水用貯水槽および前記呼び水管に連絡させたことを特徴とする請求項記載の水力エレベータ式魚道装置。
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