JP3648693B2 - 水力エレベータ式魚道装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遡上魚を搬送容器で、河川に構築した河川横断構造物の上流側に移送し、または、下降魚を下流側に移送するもので、前記搬送容器を河川横断構造物の高低差に応じてほぼ垂直に昇降させるようにした水力エレベータ式魚道装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川に河川横断構造物を設けることによって水流が途切れたり、水位差の大きい段差ができたりして、遡上魚や、下降魚の移動が妨げられるので、魚道装置の付設により魚の遡上、下降ができるようにされている。魚を遡上、下降させるのに無動力で行えるものには、敷地面積を利用した階段式魚道がある。これは上流と下流を結ぶ魚道の水路に順次隔壁を配置したものであり、河川の水位差を複数の隔壁により分割して魚が飛越できるようにし、遡上を図るようにしている。
【0003】
また、魚を収容させるボックスをワイヤーで吊るして下流から上流に移動できるように索道を利用したものもある。また、水位差の大きい河川横断構造物では魚を収容させるボックスを電動機によって垂直方向に移動させるようにしたエレベータ式の魚道装置が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水位差の大きい河川横断構造物において、無動力の魚道装置、すなわち、階段式魚道を付設しようとすると、広い敷地面積を必要とする問題が発生する。また、索道を利用して魚を収容させるボックスを移動させる場合は、ボックスの姿勢を上昇時と下降時とで同じ状態にさせ、遡上魚、下降魚を収容して移送することができるが、移送用駆動装置は省略することはできない。
【0005】
本発明は、魚道を垂直型にして設置面積を小さくし、駆動装置を使用せずに魚の遡上、下降を支援するようにした水力エレベータ式魚道装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、上下水位差を形成する河川横断構造物の直下流に、該河川横断構造物の上流側に連絡する上部ブロックと、この上部ブロックと連絡され鉛直方向に延びる中間部ブロックと、この中間部ブロックに連絡され前記河川横断構造物の下流側に連絡される下部ブロックとを結合して骨組みされた架構を設け、前記上部ブロックと前記河川横断構造物の上流側とが連絡される部位に、前記河川横断構造物の上流側の流水を貯溜する誘導槽を設け、前記架構の内部に、魚を上昇させるための上昇通路と魚を下降させるための下降通路とを設け、前記上昇通路及び下降通路内に沿って設けた環状の案内軌条にエンドレスの連結部材を回転自在に設け、該連結部材を、流水の上下水位差により前記環状の案内軌条に沿って回転させる回転手段を設け、前記連結部材に、筒体内部の中央に床板を配置して、該床板の両側に該床板が底部となる箱状の容器を形成した搬送容器を、その端部開口が前記連結部材の移動方向に向くように、間隔を空けて複数個取付け、前記上部ブロックに、前記搬送容器が反転して回転する位置の下方に、前記誘導槽に連絡する移送用シュートを設けると共に、前記誘導槽の流水を前記下降通路内に間欠的に送り込む閉塞弁を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記下部ブロックに、前記河川横断構造物の下流側に延設した貯水水路を設けると共に、前記連結部材の案内軌条を前記貯水水路に沿って設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した発明において、前記貯水水路の最下流端の延長線上に誘導水路を設けると共に呼び水管を配し、該誘導水路と前記貯水水路のそれぞれの床面を繋ぐ底部閉塞板を、該底部閉塞板の前記誘導水路と連結している側を軸として回動自在に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した発明において、前記架構内の前記上昇通路及び下降通路を鋼管製の主柱で枠組みして構成し、該主柱の上部を前記河川横断構造物の上流側に連通させ、前記主柱の下部を前記貯水水路の下方で護岸に囲まれた流水用貯水槽、および前記呼び水管に連絡させたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
ダム、堰に設ける魚道装置は、固定式の魚道装置のほか、遡上期に取付け、他の時期には取り外すものがあり、本装置は既存のダムに組み付け、取り外しが容易にできる構造である。また、新たに取付ける設置スペースの余裕はあまりないので場所を取らないものが良く、垂直型は好適である。また、その都度、維持費を多く必要としないように、地形を利用し水位差を駆動力に変えるようにした。また、本装置では遡上魚と下降魚とを対象にし、搬送容器にそれぞれの機能を持たせるようにした。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。魚の遡上を可能にする越流堰や魚道水路の隔壁は水位差がわずかであるが、図1ないし図3に示すように、水路1を遮断する河川横断構造物(以下、ダムと言う)2の水位差が大きいものには、一例としてエレベータ式魚道装置3が使用される。このエレベータ式魚道装置3を構成する架構は、上流側水路に連絡する上部ブロック4、ほぼ鉛直な構造の中間部ブロック5および、下流側に延びた貯水水路7を構成する下部ブロック6に分割され、各ブロックの端部のフランジ8を合わせボルト結合して一体にしたものである。そして、この架構内を搬送容器9が環状に移動して昇降され遡上魚・降下魚を移送するようになっている。
【0012】
魚道装置3はダム2の直下流に隣接して設けられ、上部ブロック4はダム2の上部に連絡している。ダム2の下流水路に沿った護岸には、図3に示すように凹部が形成され貯水水路7が収納されている。そして、下部ブロック6の下流は下流水路に合流する。
【0013】
図2に示すように、ダム2はその上部にコンクリート壁を開口した貫通水路10を設け、上流側開口に制水ゲート11を設けている。貫通水路10の下流口には上部ブロック4の上流側端に臨んで誘導槽12が設けられ、この誘導槽12の一画に土砂溜り13が形成され、土砂溜り13には鋼製または木製ブロックの角落しゲート14が備えられている。
【0014】
図1、図3に示すように、下部ブロック6を収納した護岸の下流側にアンカー15が架設され、アンカー15から垂下した吊り棒16は下部ブロック6の下流側部に長さ調節自在に連結されている。したがって、中間部ブロック5の下端のフランジ8と連結する箇所を調整し、吊り棒16の長さを調整することで下部ブロック6の傾斜および、姿勢を設定できる。
【0015】
架構内部は複数の搬送容器9が間隔をあけてエンドレスの一対のローラチェン(連結部材)17にその側面を連結されており、鋼管、形鋼等で製作された架構は各ブロックに分割され、上部ブロック4にはローラチェン17を支持する円弧状(図面上、円弧角は180度以上)の案内軌条18が左右両側に設けられ、下部ブロック6の貯水水路7の下流側端にも円弧状(略半円)の案内軌条18が設けられている。また、中間部ブロック5に並設された上昇・下降通路19,20に、それぞれローラチェン17を支持する案内軌条18が内蔵されている。
【0016】
搬送容器9は図4ないし図6に示すように、角筒体の内部中央に底部となる床板21を配設し、上昇時には床板21を介して上方に位置する1次室(容器)22とその裏側で床板21を介して下方に位置する2次室(容器)23とを形成している。1次室22の上辺22aは内側から外側にかけてカム面となるように曲線状に形成され、内部内側はシュート面22bが形成されている。2次室23は内側と外側の側面が蛇腹状部材24で構成され、ヒンジ24aを介して床板21と連結されている。また、他の向かい合っている側面間には連結棒23aが張り渡されている。また、1次室22,2次室23とも側面は鋼板等で製作され、露出部分はゴムが被覆され、連結棒23aもゴム被覆される。図7に示すように、搬送容器9の両側面中央部はローラチェン17を連結するように突出され、この部分が案内軌条18によって両側から支持され、軌条間の外側には塞水板25が張られて水密にされている。
【0017】
上部ブロック4には図2,図3に示すように、横方向の誘導槽12に向け移送用シュート26が傾斜して設けられている。また、上端、側面および各ブロックに防鳥網27(図1参照)が取付けられている。
【0018】
図8ないし図12に示すように、搬送容器9が反転し、かつ、上流の流水が上部ブロック4に流れ込む位置に、閉塞弁28が設けられている。閉塞弁28は水路を横断する軸29を有し、軸29の下流側に突出した倒伏動作部28aは凸状の上面両側に複数個の案内ローラ30を並列に取付けており、軸29を支持する台形の傾斜面によって倒伏角度が決められ、傾斜面の端部に倒伏動作部28a先端と当接するストッパ31が取付けられている。この台形の傾斜面、側面にはカバー32が覆ってあり、降下魚の回り込みによる侵入を防ぐものである。カバー32はスポンジ、ゴム、発泡スチロールで製作し魚に損傷を与えないようにする。
【0019】
また、倒伏動作部28aとは反対に上流側に突出した起立動作部28bはかぎ型に形成され、その中間部の面に金網33を掛け渡した開口部34を形成しており、回転時に水が開口部34から流通することで水の抵抗を少なくしている。また、先部にはウエイト35を装着すると共に、先部の甲部分は鋼板を張ってほぼ円弧状のカム形状にされている。甲部分には傾斜して設けた移動スクリーン案内溝36の内部を摺動する移動スクリーン37の下端部が接触されている。なお、かぎ型の先端に当接する台形下端にはストッパ38が取付けられ、この近傍に堆砂・排砂管39が設けられている。
【0020】
図4に示すように、架構の中間部ブロック5は鋼管による主柱T1,T2,T3,T4とその間に張った鋼板(図7参照)とで構成し、主柱T3,T4が上昇通路19を形成し、主柱T1,T2が下降通路20を形成している。上流の水は主柱T1,T2の間を流下するか、通水管40,防塵用スクリーン41を介して余水吐水槽42に流入し、主柱T4を流下する。通水管40は余水吐水槽42へ水が流入しない場合でも流下するように流入口は適宜高さに設置される。主柱T1にはその高さの中間部から下方に向けて等間隔に孔43が明けられている。孔43は孔位置における静水頭による流出量を同量とするように直径を変えても良い。主柱T1に流入した水は排水管44を通り下部ブロック6の流水用貯水槽45、あるいは補給水管46を通って貯水水路7に流下する。また、主柱T4に流入した水は呼び水管47、水力を利用した回転手段Pに流下する。したがって、主柱T4の鋼管径は回転手段Pに必要量の水を供給するため、構造上の必要強度を得るための径よりも大きくする場合がある。なお、符号48は流量調整弁である。
このほか、搬送容器9によって汲み上げられた水は移送用シュート26に落とされ、誘導槽12に流される。
【0021】
次に、下部ブロック6を図1ないし図3を参照して説明する。
吊り棒16に支持された下部ブロック6は、貯水水路7の下方に護岸に囲われて流水用貯水槽45を形成し、貯水水路7の下流側底板には流水用貯水槽45と連通する湧水用孔7a(図2参照)が明けられている。また、貯水水路7の下流端は円弧状の案内軌条18によりローラチェン17が摺動して搬送容器9が回転移動するようになっており、搬送容器9の通り道の間隔(開口)を空け貯水水路7の延長上に誘導水路49が設けられている。また、呼び水管47は貯水水路7、誘導水路49に沿って両側に配設され、誘導水路49の先端位置から水を散水させるようになっている。
【0022】
貯水水路7と誘導水路49との間の開口は、底部閉塞板50で塞がれ両底面が連絡されている。
底部閉塞板50はヒンジを介して誘導水路49の底部上流端に取付けられ、先端にウエイト51を設けて常に開口を塞ぐように倒れ勝手になっている。この底部閉塞板50には水抜き孔50aが明けられ、底部閉塞板50が回動したときの水の抵抗を少なくしている。また、貯水水路7の上流側底面は傾斜されて流水用吐き口52が形成され、流水用貯水槽45と連通されている。
【0023】
ここでローラチェン17の緩みを取る構造について説明する。中間部ブロック5の最上部フランジ8をベースにして、上部ブロック4の下側フランジ8に設けた押しボルトを回転させることにより上部ブロック4を浮かせ、調整管をその空間部に挿入し、各々のフランジ8,8、調整管にボルトを貫通させて締め付けることにより両フランジ8,8を固着し、ローラチェン17に引っ張り力を与えるようにする。
【0024】
次に、図13ないし図15を参照して回転手段Pを説明する。
主柱T4の下部に導水管53を連結して回転手段Pである水車(水車回転部54)に水を流入させ、水車回転部54は吐出管55および排水樋56を接続し、排水樋56の先端を流水用貯水槽45に向けている。また、水車回転部54は羽根軸をスラスト軸受57に支持して減速機58の軸に連結させ、減速機58の出力軸はジョイント59を介して伝動軸60に連結されている。なお、減速機58は遠心ブレーキ、手動操作機能を有する。
また、図14に示すように、貯水水路7の側壁には回転軸61が設けられ、伝動軸60および回転軸61に固着したスプロケット62,63にチェン64を掛け渡し、回転軸61に固着した大スプロケット65を搬送容器9に連結されているローラチェン17と係合させている。なお、導水管53には流量調整弁66が設けられている。
【0025】
回転手段Pに水車を利用することのほか、図16、図17に示すように流水通路中にポンプ67を取付け、ポンプ67から回転力を得るようにしても良い。
【0026】
次に、魚道装置3の稼働について説明する。
まず、魚道装置3の搬送容器9を移動させるための初期状態においては、閉塞弁28は倒伏動作部28aが起立して水路を閉じているので、図4に示すように、流水は通水管40および余水吐水槽42を通って流下する。そこで、図13、図14に示すように、導水管53を通って水車に流水が供給され、羽根軸の回転は減速機58を介して伝動軸60に伝わり、チェン64を介して貯水水路7に取付けた回転軸61が回転し、回転軸61に取付けた大スプロケット65が回転して、搬送容器9を固着したローラチェン17を案内軌条18内で摺動させ搬送容器9を移動させる。
【0027】
また、貯水水路7の勾配は、遡上魚、あるいは下流水位に合わせて、下部ブロック6と中間部ブロック5とのフランジ8の結合部にライナー板を挿入して位置調整すると共に、吊り棒16の長さを決め適正な位置にする。
また、排水管44に流入された流水は流水用貯水槽45に流入し、余剰な流水の勢いによって流水用吐き口52および湧水用孔7aから貯水水路7に流水が流れ込む。
【0028】
次に、遡上魚を対象とした魚道装置3の作用を説明する。
遡上魚は、図2に示すように、誘導水路49の両側の呼び水管47からの放水と、流水用吐き口52からの流水および湧水用孔7aからの湧水とによって、下流水路から誘導水路49、貯水水路7に誘導され、上流に向かってくることになる。底部閉塞板50より下方に位置していた搬送容器9は、T1,T2間を流下する水力と回転手段Pによる作動力(水力)とにより、底部閉塞板50を押し上げて貯水水路7に移動し(図1参照)、貯水水路7の下流側から上流側に移動して遡上魚を捕獲収容する。貯水水路7上流側では、補給水管46からの補給水を受けて搬送容器9内を満杯にし、この状態で垂直上昇させる。搬送容器9が垂直に上昇しているときは防鳥網27によって遡上魚の安全性を確保している。なお、補給水管46からの放水は遡上魚に有効に作用する。
【0029】
上部ブロック4ではローラチェン17の摺動により、搬送容器9が反転して内部の遡上魚を汲み上げた流水ごとシュート面22bから下方の移送用シュート26に落下させ、移送用シュート26を滑らせて遡上魚を誘導槽12に放出することになり、遡上魚は貫通水路10を通ってダム上流側の水路に放流される。
【0030】
貯水水路7の水流の微速は、自然の流れに近い環境を作り出すことができ、またその時間を長く保持するために有効である。また、貯水水路7に2つの搬送容器9が位置するとその間では水流が不自然になるので、搬送容器9間の間隔を長く取り、有用な水流を作り出している。
【0031】
次に、降下魚を支援する作用を図8ないし図11を参照して説明する。移動スクリーン37はその下端を閉塞弁28の起立動作部28bの甲部分に接触させているので、流水は移動スクリーン37を越えて閉塞弁28の起立した倒伏動作部28aに達している。搬送容器9が反転して下降し、倒伏動作部28aに接触すると容器カム面(上辺22a)と案内ローラ30によって倒伏動作部28aと搬送容器9は滑らかに互いの軌道上を下降する。このとき、図10に示すように、起立動作部28bの甲部分が上昇し移動スクリーン37が上方移動して流水を阻止すると共に下降魚を上流側に逃がさないようにしている。そして、倒伏動作部28aが回転下降することにより水路に隙間を生じ、その間から下降魚が落下することになり、下方に位置した搬送容器9に下降魚が収容される。
【0032】
さらに、図11に示すように、倒伏動作部28aの案内ローラ30が搬送容器9の側面を摺動するようになると蛇腹状部材24が搬送容器9と下降通路20との隙間を閉じ、流水を効率よく搬送容器9に収容する。また、起立動作部28bに接している移動スクリーン37は、甲部分が上方移動回転することにより上方に押し上げられて上流水路を閉塞して流下する水を少なくし、これに伴い搬送容器9の落下に衝動をあまり与えないようにさせている。また、図10において、下降通路20を降下中の搬送容器9にさらに流水が落下して来た場合など、主柱T1の孔43から余分な水が流出するので、ローラチェン17の回転速度が不均一になることはない。
【0033】
なお、閉塞弁28が閉塞不能になった場合、下降通路20内の搬送容器9に過大の水流が掛かり、移動速度が急激に速くなるが、遠心ブレーキによって保護されている。
【0034】
以上説明したように、遡上魚および、降下魚の搬送のための搬送容器の移動駆動源を河川横断構造物の上下水位差を水力に変換することができたので、維持、管理費を安くすることができる。また、遡上魚を誘導するための呼び水や流下水、湧水は上流側の水を主柱T1,T4を利用して配管するので、構造が簡素になって架構外観がすっきりし、かつ、構造強度を向上させている。
【0035】
また、エレベータ式魚道装置3を構成する架構は上中下のブロック4、5、6に分割されているので現地での組み立て、据え付けが簡単であり、したがって移設して使用する場合も、分解、組み立て、据え付けが容易で経費も安くなる。また、従来技術に比べ、外形の構造は垂直に立ち上がって上下水位差を消化するので、装置の占める平面スペースは小さくなり、固定式コンクリート製魚道のように水平方向に延伸される魚道のような土木施設費は不要となる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したものであるので、水流の落差を利用した水力を使用するので、機械的動力およびそのメンテナンスは不要となり、水を流す配管は架構の鋼管を利用するので設備費が安くなり、外観がすっきりするという利点がある。また、複数の搬送容器を十分に間隔を明けて取付け、水力による回転手段を設けたことにより貯水水路の水流を微速に設定することができ、呼び水や湧水と併せ遡上魚の誘導が効果的である。
また、搬送容器が反転したときにも下降魚を収容することができ、また、下降魚と一緒に収容される水は閉塞弁によって間欠的に流下させられるので、搬送容器の速度が継続して速くなることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例の水力エレベータ式魚道装置を示す側断面図である。
【図2】図1に示す装置の平面図である。
【図3】図1に示す装置の正面図である。
【図4】図1に示す魚道装置の水流系を説明する模式図である。
【図5】図4に示す搬送容器を中間部ブロック内に位置させた側面図である。
【図6】図4に示す搬送容器の上面図である。
【図7】図5に示す中間部ブロック内の搬送容器を示す断面図である。
【図8】実施例の上部ブロックの断面図である。
【図9】図8に示す上部ブロックのA−A矢視断面図である。
【図10】図8に示す上部ブロックの断面図である。
【図11】図8に示す上部ブロックの断面図である。
【図12】図11に示すB矢印方向の正面図である。
【図13】実施例の水車式回転手段を示す平面図である。
【図14】実施例の水車式回転手段の伝達系を示す側面図である。
【図15】図13に示す水車式回転手段の側面図である。
【図16】実施例のポンプ式回転手段を示す側面図である。
【図17】図16に示すポンプ式回転手段の平面図である。
【符号の説明】
2 河川横断構造物
7 貯水水路
9 搬送容器
12 誘導槽
17 連結部材
18 案内軌条
19 上昇通路
20 下降通路
21 床板
26 移送用シュート
28 閉塞弁
45 流水用貯水槽
47 呼び水管
49 誘導水路
50 底部閉塞板
T1,T2,T3,T4 主柱
P 回転手段
Claims (4)
- 上下水位差を形成する河川横断構造物の直下流に、該河川横断構造物の上流側に連絡する上部ブロックと、この上部ブロックと連絡され鉛直方向に延びる中間部ブロックと、この中間部ブロックに連絡され前記河川横断構造物の下流側に連絡される下部ブロックとを結合して骨組みされた架構を設け、
前記上部ブロックと前記河川横断構造物の上流側とが連絡される部位に、前記河川横断構造物の上流側の流水を貯溜する誘導槽を設け、
前記架構の内部に、魚を上昇させるための上昇通路と魚を下降させるための下降通路とを設け、
前記上昇通路及び下降通路内に沿って設けた環状の案内軌条にエンドレスの連結部材を回転自在に設け、
該連結部材を、流水の上下水位差により前記環状の案内軌条に沿って回転させる回転手段を設け、
前記連結部材に、筒体内部の中央に床板を配置して、該床板の両側に該床板が底部となる箱状の容器を形成した搬送容器を、その端部開口が前記連結部材の移動方向に向くように、間隔を空けて複数個取付け、
前記上部ブロックに、前記搬送容器が反転して回転する位置の下方に、前記誘導槽に連絡する移送用シュートを設けると共に、前記誘導槽の流水を前記下降通路内に間欠的に送り込む閉塞弁を設けたことを特徴とする水力エレベータ式魚道装置。 - 前記下部ブロックに、前記河川横断構造物の下流側に延設した貯水水路を設けると共に、前記連結部材の案内軌条を前記貯水水路に沿って設けたことを特徴とする請求項1記載の水力エレベータ式魚道装置。
- 前記貯水水路の最下流端の延長線上に誘導水路を設けると共に呼び水管を配し、該誘導水路と前記貯水水路のそれぞれの床面を繋ぐ底部閉塞板を、該底部閉塞板の前記誘導水路と連結している側を軸として回動自在に設けたことを特徴とする請求項2記載の水力エレベータ式魚道装置。
- 前記架構内の前記上昇通路及び下降通路を鋼管製の主柱で枠組みして構成し、該主柱の上部を前記河川横断構造物の上流側に連通させ、前記主柱の下部を前記貯水水路の下方で護岸に囲まれた流水用貯水槽、および前記呼び水管に連絡させたことを特徴とする請求項3記載の水力エレベータ式魚道装置。
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