JP3663033B2 - Mrヘッドを用いた磁気ディスク装置及び同装置における再生信号処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクからのデータ再生にMR(Magnet Resistive)ヘッドを用いた磁気ディスク装置及び同装置における再生信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ディスク装置(ハードディスク装置)では、記録媒体としてのディスクへのデータ記録及びディスクからのデータ再生に用いられるヘッドは、MIG(Metal In Gap)ヘッドと薄膜ヘッドとが主流であった。
【0003】
ところが近年は、磁気ディスク装置の高記録密度化(高容量化)を実現するために、MRヘッド(磁気抵抗効果型ヘッド)と呼ばれる読み出し(再生)専用ヘッドを採用した磁気ディスク装置が増加してきている。
【0004】
このMRヘッドを用いた磁気ディスク装置では、ディスク上に何らかの要因で発生した傷や突起、ディスク上に付着した異物に、MRヘッドの素子自体、或いはMR素子の近傍のスライダの一部が衝突することに起因する、MRヘッド特有の現象がある。即ち、MRヘッドがディスク上の傷や突起、或いは異物に衝突すると、MR素子が急激に温度上昇して、磁気抵抗再生性能が一時的に著しく変化することがあり、そのような場合に、図6に示すように再生波形のDC変動として現れるという現象である。このような現象はサーマルアスペリティ(TA)と呼ばれ、TA発生時の再生波形がリードデータエラー(バーストエラー)の要因となるため、問題となっている。
【0005】
ところで、磁気ディスク装置では、従来よりインタフェースコントローラ回路部分にエラーコレクション機能を持たせている。このため、比較的短い時間のバーストエラー(即ち比較的少ないエラーバイト数)であれば当該エラーコレクション機能により訂正することが可能である。
【0006】
そこで、TAが発生したとしても、その際の再生波形の低周波成分(低域成分)をハイパスフィルタ(Highi Pass Filter :HPF)により図7に示すように除去する磁気ディスク装置が、本出願人により特願平8−60964号で提案されている。このような磁気ディスク装置(以下、先願発明に係る磁気ディスク装置と称する)においては、TAが発生したとしても、HPFによる再生波形の低周波成分の除去機能により、エラーバイト数を極力少なくして、エラーコレクション機能による訂正が可能となる。
【0007】
図8は、この先願発明に係る磁気ディスク装置の再生信号処理回路部を中心とするブロック構成を示す。この図8の例では、ディスク81からMRヘッド82により読み取られた信号(再生信号)を増幅するプリアンプ83と、当該プリアンプ83により増幅された再生信号からデータを抽出する機能を有するR/W(リード/ライト)チャネルIC(リード/ライト回路)85との接続間に、HPF84が挿入配置された構成となっている。ここで、HPF84は、コンデンサC1,C2と、R/WチャネルIC85内の(プリアンプ83の出力信号を一定の振幅になるように増幅する)自動利得制御(Automatic Gain Controll :AGC)アンプ851の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinとの直列回路から構成される。
【0008】
このような構成では、TAが発生してMRヘッド82により読み取られた再生信号の波形(再生波形)がDC的に変化しても、その低域成分をHPF84により除去することができる。ここで、DC成分をできるだけ短時間で減少させるには、HPF84のカットオフ周波数fc をできるだけ上げた方がよい。
【0009】
しかし、fc を上げ過ぎると、低域の位相特性の変化を招く。特に、ヘッドの位置決め制御等のために用いられるサーボデータエリアに記録されたサーボデータ信号は、ユーザデータエリアに記録された通常のデータ信号(ユーザデータ信号)に比べて、記録周波数が1/5程度低いことから、当該サーボデータ信号の位相特性の劣化を考慮してHPF84のfc を設定しなければならない。したがって、TA発生に対してマージンのあるHPF84のfc 設定を行うことは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、MRヘッドを搭載した先願発明に係る磁気ディスク装置では、プリアンプ(初段アンプ)とR/WチャネルICとの接続間にハイパスフィルタ(HPF)を挿入して、MRヘッドで読み取られてプリアンプで増幅された全ての再生信号を対象に、その低域成分を除去することで、サーマルアスペリティ(TA)の発生に起因する再生波形のDC変動を短時間で低減するようにしている。
【0011】
しかし、上記の再生信号には、通常のデータ信号(ユーザデータ信号)に比べて記録周波数が1/5程度低いサーボデータ信号も含まれていることから、低域成分除去に伴うサーボデータ信号の位相特性の劣化も考慮しながらハイパスフィルタのカットオフ周波数を設定しなければならず、サーマルアスペリティに対して十分に効果のあるハイパスフィルタのカットオフ周波数を設定することができないという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、サーボデータの再生時とユーザデータの再生時とでハイパスフィルタのカットオフ周波数を切り替えることで、低域成分除去に伴うサーボデータ信号の位相特性の劣化を防ぐと共に、サーマルアスペリティに対して十分に効果のあるカットオフ周波数を設定できる磁気ディスク装置及び同装置における再生信号処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、MRヘッドによりディスクから読み取られて再生された再生信号を処理する再生信号処理回路部に、上記再生信号の低域成分を除去するための、カットオフ周波数の切り替えが可能なハイパスフィルタ(HPF)を設けると共に、上記HPFのカットオフ周波数をサーボデータの再生時とユーザデータの再生時とで切り替える切り替え手段であって、ユーザデータの再生時にはサーボデータの再生時より上記カットオフ周波数を高い値に切り替え設定する切り替え手段を設けたことを特徴とする。ここで、切り替え手段による切り替えのタイミング信号には、サーボゲート信号を用いればよい。
【0014】
このような構成においては、ユーザデータの再生時には、HPFのカットオフ周波数を高く設定することで、たとえサーマルアスペリティ(TA)が発生してMRヘッドにより読み取られた再生信号の波形(再生波形)がDC的に変化したとしても、その低域成分(DC変動分)をHPFにより短時間で吸収できるようになるため、エラーバイト数を減少させ、エラーコレクション機能による訂正が可能となる。また、サーボデータの再生時には、HPFのカットオフ周波数をユーザデータの再生時より低く設定することで、ユーザデータより記録周波数が低いサーボデータの位相特性の劣化を防ぐことができる。ここで、サーボデータの再生時とユーザデータの再生時のHPFのカットオフ周波数の比率は、サーボデータの記録周波数とユーザデータの記録周波数の比率(例えば1/5程度)に一致させるとよい。また、ユーザデータの再生時のHPFのカットオフ周波数はユーザデータの記録周波数の1/100以上にするとよい。
【0015】
また、HPFはコンデンサと抵抗の直列回路から構成されることから、当該HPFのカットオフ周波数を切り替え可能とするには、コンデンサの容量、または抵抗が、(サーボデータ再生時とユーザデータ再生時とで)切り替え手段により切り替え設定可能なようにすればよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の再生信号処理回路部を中心とするブロック構成図である。
【0017】
同図において、1は記録媒体としてのディスク、2はディスク1に磁気的に記録されているデータを読み取って再生するMR素子使用のヘッドであるMRヘッドである。ディスク1の各トラックには、図2に示すように、ヘッドの位置決め制御等に用いられるサーボデータが記録された複数(例えば50個程度)のサーボデータエリア111が各トラックに渡って中心から放射状に等間隔で配置されている。サーボデータエリア111は、信号の振幅を安定化するために用いられる一定の周波数のデータ(サーボAGCパターン)が記録されたAGC安定化エリア、イレーズとサーボエリア識別用の固有のサーボ識別パターンとセクタ番号(サーボセクタ番号)を示すセクタデータが記録されたセクタデータエリア、シリンダ番号を示すシリンダデータ(シリンダコード)が記録されたシリンダデータエリア、及び当該シリンダデータの示すシリンダ内の位置誤差を波形の振幅で示すためのバーストパターンが記録されたバーストエリア等、周知のエリアを有する。サーボデータエリア111間は複数のデータセクタが設定されるユーザデータエリア112となっている。
【0018】
MRヘッド2は、例えばフレキシブルプリント配線板(FPC)に実装されたヘッドIC3と接続されている。このヘッドIC3は、MRヘッド2で読み取られた再生信号を増幅するプリアンプ(初段アンプ)31を有する。
【0019】
プリアンプ31の出力はHPF(ハイパスフィルタ)4を介してR/WチャネルIC(リード/ライト回路)5(内の次に述べるAGCアンプ51の入力)と接続されている。
【0020】
R/WチャネルIC5は、HPF4を介して入力されるプリアンプ31の出力信号(再生信号)からデータを抽出する機能を有しており、当該再生信号を一定の振幅に増幅するAGCアンプ51と、AGCアンプ51から出力される再生信号に含まれる高域信号の周波数特性を制御するアクティブフィルタ52と、当該再生信号のピークを検出する微分アンプ53と、この微分アンプ53で検出されたピーク位置でパルス化されたパルス列を生成する、つまり再生信号をディジタル信号に変換するパルス生成回路54とを備えている。
【0021】
HPF4は、コンデンサC1,C2と、R/WチャネルIC5内のAGCアンプ51の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinとの直列回路を有している。HPF4はまた、入力抵抗(入力インピーダンス)Rinに並列に接続された、抵抗R1とスイッチSW1との直列回路を有している。
【0022】
R/WチャネルIC5内のパルス生成回路54の出力にはサーボデータエリア検出回路6が接続されている。このサーボデータエリア検出回路6は、パルス生成回路54からのパルス列をもとに、ディスク1上のサーボデータエリア111の区間を識別して、サーボデータ信号の再生期間だけ第1の論理状態(真)となり、それ以外の期間(ユーザデータ信号の再生期間)は上記第1の論理状態が反転された第2の論理状態(偽)となるサーボデータエリア検出信号61を出力する。このサーボデータエリア検出信号61は一般にサーボゲート(サーボゲート信号)と称され、サーボデータ中のバーストデータを抽出するためのタイミング信号等の生成に用いられるものであるが、本実施形態ではスイッチSW1のオン/オフ制御にも用いている。ここでは、信号61が第1の論理状態の場合、即ちサーボデータ信号の再生期間は、スイッチSW1はオフされ、信号61が第2の論理状態の場合、即ちユーザデータ信号の再生期間は、スイッチSW1はオンされる。
【0023】
次に、図1の構成の動作を説明する。
まず、ディスク1に磁気的に記録された情報はMRヘッド2により読み取られて電気信号に再生され、その再生信号はプリアンプ31により増幅される。もし、MRヘッド2による再生時にサーマルアスペリティ(TA)が発生すると、プリアンプ31から増幅出力される再生信号の波形(再生波形)は、図6に示したようにDC的に変動する。
【0024】
そこで、図1の構成においては、このプリアンプ31から増幅出力される再生信号がDC的に変動していたとしても、当該再生信号の低域成分を図7に示したように除去して、エラーバイト数を極力少なくして、磁気ディスク装置(のインタフェースコントローラ回路)が有するエラーコレクション機能による訂正が可能なように、プリアンプ31とR/WチャネルIC5(内のAGCアンプ51)との接続間に、HPF4が挿入配置された構成を適用している。
【0025】
さて、上記の再生信号には、ディスク1のユーザデータエリア112から再生されるユーザデータ信号の他に、サーボデータエリア111から再生されるサーボデータ信号も含まれている。サーボデータエリア111に記録されるサーボデータの記録周波数は、ユーザデータエリア112に記録されるユーザデータ(通常のデータ)の記録周波数に比べて低く、例えば1/5程度である。したがって磁気ディスク装置の再生信号処理回路部では、非常に帯域の広いフィルタ回路が必要となる。
【0026】
しかし、HPF4のカットオフ周波数fc を低く設定すると、TAが発生した場合には、そのTA発生によって生じた低域の周波数成分がHPF4を通過してしまうため、エラーバイト数が多くなり、上記のエラーコレクション機能による訂正が困難となる。
【0027】
これに対し、HPF4のカットオフ周波数fc を高く設定すると、TAが発生したとしても、低域の周波数成分を短時間で除去できるため、エラーバイト数を減少できるものの、再生信号の低域の位相特性が劣化し、サーボデータの変換性能が悪化する。
【0028】
そこで本実施形態では、前記した図1に示す構成のHPF4を用いると共に、即ちR/WチャネルIC5内のAGCアンプ51の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinに並列に、抵抗R1とスイッチSW1との直列回路が挿入接続されたHPF4を用いると共に、サーボデータエリア検出回路6からのサーボデータエリア検出信号61の状態に応じてスイッチSW1をオン/オフして抵抗R1の接続/切離しを行うことで、HPF4のカットオフ周波数fc を、ユーザデータ再生時とサーボデータ再生時とで切り替えるようにしている。以下、HPF4のカットオフ周波数fc の切り替えについて詳述する。
【0029】
まず、プリアンプ31により増幅されたMRヘッド2からの再生信号はHPF4を介してR/WチャネルIC5に導かれ、AGCアンプ51により一定の振幅に増幅される。アクティブフィルタ52では、AGCアンプ51から増幅出力される再生信号に含まれる高域信号の周波数特性を制御する。即ちアクティブフィルタ52では、AGCアンプ51からの再生信号から所定帯域外の周波数をカットする共に信号の帯域をブーストする。このアクティブフィルタ52から出力される再生信号はデータ抽出のために例えばFIR(Finite Impulse Response :有限インパルスレスポンス)フィルタ(図示せず)に導かれると共に、微分アンプ53に導かれる。微分アンプ53は、アクティブフィルタ52から出力される再生信号のピークを検出する。パルス生成回路54は、微分アンプ53の出力を一定レベルで2値化(パルス化)することで、微分アンプ53で検出されたピーク位置に対応したパルス列を生成する。
【0030】
サーボデータエリア検出回路6は、パルス生成回路54からのパルス列からサーボデータエリア111の識別用のサーボ識別パターンを検出することで、図3に示すように、(次の)サーボデータエリア111の区間に対応する期間だけ第1の論理状態(真)となるサーボデータエリア検出信号61を出力する。したがって信号61は、サーボデータエリア111以外の区間、即ちユーザデータエリア112の区間に対応する期間は(第1の論理状態が反転された)第2の論理状態(偽)となる。
【0031】
HPF4内のスイッチSW1は、サーボデータエリア検出回路6からのサーボデータエリア検出信号61の状態により制御され、信号61が第1の論理状態(真)の期間はオフとなり、第2の論理状態(偽)の期間はオンとなる。
【0032】
スイッチSW1がオンの場合、HPF4は、AGCアンプ51の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinと抵抗R1との並列回路に、コンデンサC1,C2が直列接続された構成となり、その抵抗値(即ちRinとR1との並列回路の抵抗値)RはRinR1/(Rin+R1)となる。一方、スイッチSW1がオフの場合、HPF4は、AGCアンプ51の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinに、コンデンサC1,C2が直列接続された構成となり、その抵抗値RはRinとなる。
【0033】
一般に、コンデンサCと抵抗Rとの直列回路からなるHPFのカットオフ周波数fc は、1/(2πCR)で表される。したがって、スイッチSW1がオフの場合、即ちサーボデータの再生時のカットオフ周波数fc をfc1 、スイッチSW1がオンの場合、即ちユーザデータの再生時のカットオフ周波数fc をfc2とすると、fc1,fc2はそれぞれ次のようになる。但し、C=C1C2/(C1+C2)である。
【0034】
fc1=1/(2πCRin)
fc2=(Rin+R1)/(2πCRinR1)
明らかなようにfc1<fc2であり、サーボデータの再生時のカットオフ周波数fc1はユーザデータの再生時のカットオフ周波数fc2より小さな値に設定されることになる。即ち本実施形態においては、HPF4中に入力抵抗(入力インピーダンス)Rinと並列に挿入された抵抗R1の接続/切離しを、スイッチSW1によりユーザデータ再生時とサーボデータ再生時とで切り替えることで、サーボデータ再生時には、HPF4のカットオフ周波数fc (=fc1)を、サーボデータの再生信号の低域の位相特性が劣化しないように低めに設定し、ユーザデータ再生時には、HPF4のカットオフ周波数fc (=fc2)を、たとえTAが発生してもユーザデータの再生信号の低域成分を短時間で除去してエラーバイト数を極力減らしエラーコレクション機能で訂正可能なように高めに設定することができる。
【0035】
このように、サーボデータ再生時とユーザデータ再生時とでカットオフ周波数fc が切り替えられる場合のHPF4の特性(周波数−ゲイン特性)を図4に示す。
【0036】
なお、fc1,fc2の比率は、サーボデータの記録周波数がユーザデータの記録周波数の1/5程度であることから、fc1,fc2についてもfc1/fc2をほぼ1/5とすればよい。また、fc2については、(ユーザデータエリア112における)ユーザデータの記録周波数の1/100以上に設定するとよい。
【0037】
以上は、HPFのカットオフ周波数fc をサーボデータ再生時とユーザデータ再生時とで切り替えるのに、抵抗(R1)の接続/切離し、即ち抵抗値の切り替えを利用した場合について説明したが、例えばコンデンサの接続/切離し、即ち容量の切り替えを利用することも可能である。
[第2の実施形態]
そこで、HPFの容量を切り替えることでカットオフ周波数fc をサーボデータ再生時とユーザデータ再生時とで切り替えるようにした第2の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図5は本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスク装置の再生信号処理回路部を中心とするブロック構成図である。
図5の構成が図1の構成と異なる点は、図1中のHPF4に代えてHPF14を用い、当該HPF14の容量を切り替えることでカットオフ周波数fc をサーボデータ再生時とユーザデータ再生時とで切り替え可能なようにしたことである。そのためHPF14は、コンデンサC1,C2と、R/WチャネルIC5内のAGCアンプ51の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinとの直列回路に加えて、コンデンサC1に並列に接続された、コンデンサC3とスイッチSW2との直列回路と、コンデンサC2に並列に接続された、コンデンサC4とスイッチSW3との直列回路とを有している。スイッチSW2,SW3は、サーボデータエリア検出回路6からのサーボデータエリア検出信号61に応じてオン/オフ制御されるようになっており、本実施形態では、信号61が第1の論理状態の場合、即ちサーボデータ信号の再生期間は、スイッチSW2,SW3はオンされ、信号61が第2の論理状態の場合、即ちユーザデータ信号の再生期間は、スイッチSW2,SW3はオフされる。
【0039】
以上の構成において、サーボデータの再生期間は、サーボデータエリア検出回路6から第1の論理状態(真)のサーボデータエリア検出信号61が出力される。このように信号61が第1の論理状態(真)にある期間は、スイッチSW2,SW3がオンされる。スイッチSW2,SW3がオンの場合、HPF4は、コンデンサC1,C3の並列回路と、AGCアンプ51の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinと、コンデンサC2,C4の並列回路とが直列接続された構成となり、その容量Cは、(C1+C3)(C2+C4)/(C1+C2+C3+C4)となる。
【0040】
一方、ユーザデータの再生期間は、サーボデータエリア検出回路6からのサーボデータエリア検出信号61は第2の論理状態(偽)となる。このように信号61が第2の論理状態(偽)にある期間は、スイッチSW2,SW3がオフされる。スイッチSW2,SW3がオフの場合、HPF4は、コンデンサC1と、AGCアンプ51の入力抵抗(入力インピーダンス)Rinと、コンデンサC2とが直列接続された構成となり、その容量Cは、C1C2/(C1+C2)となる。
【0041】
したがって、スイッチSW2,SW2がオンの場合、即ちサーボデータの再生時のカットオフ周波数fc をfc1 、スイッチSW2,SW3がオフの場合、即ちユーザデータの再生時のカットオフ周波数fc をfc2とすると、fc1,fc2はそれぞれ次のようになる。
【0042】
fc1=(C1+C2+C3+C4)/{2π(C1+C3)(C2+C4)Rin}
fc2=(C1+C2)/(2πC1C2Rin)
明らかなようにfc1<fc2であり、サーボデータの再生時のカットオフ周波数fc1はユーザデータの再生時のカットオフ周波数fc2より小さな値に設定されることになる。即ち本実施形態においては、HPF4中にコンデンサC1,C2とそれぞれ並列に挿入されたコンデンサC3,C4の接続/切離しを、スイッチSW2,SW3によりサーボデータ再生時とユーザデータ再生時とで切り替えることで、サーボデータ再生時には、HPF4のカットオフ周波数fc (=fc1)を、サーボデータの再生信号の低域の位相特性が劣化しないように低めに設定し、ユーザデータ再生時には、HPF4のカットオフ周波数fc (=fc2)を、たとえTAが発生してもユーザデータの再生信号の低域成分を短時間で除去してエラーバイト数を極力減らしエラーコレクション機能で訂正可能なように高めに設定することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、MRヘッドによりディスクから読み取られて再生された再生信号を処理する再生信号処理回路部に、上記再生信号の低域成分を除去するための、カットオフ周波数の切り替えが可能なハイパスフィルタを設け、サーボデータの再生時とユーザデータの再生時とで当該ハイパスフィルタのカットオフ周波数を切り替えるようにしたので、低域成分除去に伴うサーボデータ信号の位相特性の劣化を防ぐと共に、サーマルアスペリティに対して十分に効果のあるカットオフ周波数を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の再生信号処理回路部を中心とするブロック構成図。
【図2】図1中のディスク1の代表的なフォーマット例を示す概念図。
【図3】ディスク1上のサーボデータエリア111及びユーザデータエリア112とサーボデータエリア検出信号61との関係を示す図。
【図4】サーボデータ再生時とユーザデータ再生時とでカットオフ周波数fc が切り替えられる場合のHPF4の特性(周波数−ゲイン特性)を示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスク装置の再生信号処理回路部を中心とするブロック構成図。
【図6】TA発生時の再生波形の一例を示す図。
【図7】TA発生時の再生波形の低域成分がHPFで除去された様子を示す図。
【図8】TA発生時の再生波形の低域成分を除去するためのHPFを有する先願発明に係る磁気ディスク装置の再生信号処理回路部を中心とするブロック構成図。
【符号の説明】
1…ディスク
2…MRヘッド
3…ヘッドIC
4…HPF(ハイパスフィルタ)
5…R/WチャネルIC
6…サーボデータエリア検出回路
31…プリアンプ
51…AGCアンプ51
111…サーボデータエリア
112…ユーザデータエリア
Rin…入力抵抗(入力インピーダンス)
R1…抵抗
C1〜C4…コンデンサ
SW1〜SW3…スイッチ(切り替え手段)
Claims (4)
- サーボデータが記録された複数のサーボデータエリアが各トラックに渡って中心から放射状に等間隔で配置されると共に、各サーボデータエリア間はユーザデータが前記サーボデータより高い記録周波数で記録されるユーザデータエリアとなっているディスクを備え、当該ディスクに記録された磁気情報の再生にMRヘッドを用いた磁気ディスク装置において、
前記MRヘッドにより前記ディスクから読み取られて再生された再生信号を処理する再生信号処理回路部に設けられた、前記再生信号の低域成分を除去するための、カットオフ周波数を第1のカットオフ周波数と当該第1のカットオフ周波数より高い第2のカットオフ周波数との間で切り替えることが可能なハイパスフィルタであって、前記第1のカットオフ周波数と前記第2のカットオフ周波数との比率が前記サーボデータの記録周波数と前記ユーザデータの記録周波数の比率にほぼ一致するように設定されたハイパスフィルタと、
前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数をサーボデータの再生時とユーザデータの再生時とで切り替える切り替え手段であって、前記サーボデータの再生時には前記カットオフ周波数を前記第1のカットオフ周波数に切り替え設定し、前記ユーザデータの再生時には前記カットオフ周波数を前記第1のカットオフ周波数より高い前記第2のカットオフ周波数に切り替え設定する切り替え手段とを具備することを特徴とする磁気ディスク装置。 - 前記ハイパスフィルタの前記カットオフ周波数は、当該フィルタの抵抗の切り替えにより切り替えられることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
- 前記ハイパスフィルタの前記カットオフ周波数は、当該フィルタの容量の切り替えにより切り替えられることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
- サーボデータが記録された複数のサーボデータエリアが各トラックに渡って中心から放射状に等間隔で配置されると共に、各サーボデータエリア間はユーザデータが前記サーボデータより高い記録周波数で記録されるユーザデータエリアとなっているディスクを備え、当該ディスクに記録された磁気情報の再生にMRヘッドを用いた磁気ディスク装置における再生信号処理方法であって、
前記MRヘッドにより前記ディスクから読み取られて再生された再生信号をハイパスフィルタに通してその低域成分を除去するために、サーボデータの再生時とユーザデータの再生時とで前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数を、第1のカットオフ周波数と当該第1のカットオフ周波数より高い第2のカットオフ周波数との比率が前記サーボデータの記録周波数と前記ユーザデータの記録周波数の比率にほぼ一致する、当該第1のカットオフ周波数と当該第2のカットオフ周波数との間で切り替えるようにし、前記サーボデータの再生時には前記カットオフ周波数を前記第1のカットオフ周波数に切り替え設定し、前記ユーザデータの再生時には前記カットオフ周波数を前記第1のカットオフ周波数より高い前記第2のカットオフ周波数に切り替え設定するようにしたことを特徴とする再生信号処理方法。
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