JP3661302B2 - 磁性体組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性、成形性、磁気特性に優れた磁性体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にボンド磁石と呼ばれる磁性体組成物は、バインダー樹脂中に磁性体を分散させたもの、あるいは磁性体をバインダー樹脂で結着させたものである。これらのような磁性体組成物は、焼結磁石に比べて軽量であり、成形加工の自由度が大きく、また割れや欠けが生じにくいという利点を有しているが、焼結磁石に比べて磁気特性や耐熱性が劣るため、用途の範囲が限られる問題があった。例えばバインダー樹脂として現在広く用いられているポリアミド樹脂は融点180℃程度であり、200℃以上の耐熱性を要求する産業機器用途に用いることはできない。またポリアミド樹脂は吸水による寸法変化も大きいため、精密機器用途としても信頼性に劣る。
そこで近年、耐熱性、耐水性、および耐薬品性などに優れるポリフェニレンスルフィドをバインダー樹脂とする磁性体組成物が開発され、自動車分野、電気電子分野、産業機械分野など広い範囲の用途に用いられている。ところが、磁性体組成物は、充填される磁性体が高充填となるため、成形する際溶融流動性が悪く成形性に劣り、また磁気特性や強度にも低下する問題があった。このため、軟化剤などを添加して流動性を改良することが一般に行われているが、熱変形温度が下がり、耐熱性が低下する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題である成形性や磁気特性を改善しつつ、耐熱性も維持された磁性体組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂1〜50重量%および(b)ポリアリーレンスルフィド樹脂50〜99重量%からなる樹脂成分ならびに(c)磁性体を含有し、当該樹脂成分が1〜50重量%、(c)磁性体が99〜50重量%の範囲で含有されていることを特徴とする磁性体組成物を提供するものである。
【0005】
(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂
本発明に用いられる熱可塑性ノルボルネン樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有するものである。例えば、この熱可塑性樹脂としては、一般式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を含むものである。
【0006】
一般式I
Figure 0003661302
【0007】
一般式II
Figure 0003661302
【0008】
一般式III
Figure 0003661302
【0009】
一般式IV
Figure 0003661302
【0010】
(式中、A、B、CおよびDは、水素原子または1価の有機基を示す。)
本発明において使用することのできるノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂などを挙げることができる。
この熱可塑性樹脂の具体例としては、下記一般式(V)で表される少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデセンと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体を挙げることができる。
【0011】
一般式V
Figure 0003661302
【0012】
(式中A〜Dは、前記に同じ。) 前記一般式(V)で表されるテトラシクロドデセン誘導体において、A、B、CおよびDのうちに極性基を含むことが、磁性体や他の熱可塑性樹脂との相溶性、および耐熱性の点から好ましい。さらに、この極性基が−(CH2 n COOR3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で表される基であることが、得られる水添重合体が高いガラス転移温度を有するものとなるので好ましい。特に、この−(CH2 n COOR3 で表される基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されることが好ましい。前記一般式において、R1 は炭素数1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好ましい 。
【0013】
さらに、−(CH2 n COOR3で表される基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換基として結合されている一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]ドデカ−8−エンが好ましい。
これらのテトラシクロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記載された方法によって、メタセシス重合、水素添加され、本発明に使用される熱可塑性樹脂とすることができる。
【0014】
本発明において、上記水添重合体は、クロロホルム中、30℃で測定される固有粘度([η]inh)が0.3〜1.5dl/gの範囲であることが望ましい。[η]inhが上記範囲にあることによって、得られる磁性体組成物の成形加工
性、耐熱性、機械的特性のバランスが良好となる。
また、前記水添重合体のガラス転移温度(Tg)は100℃〜250℃の範囲であることが好ましく、特に120〜200℃の範囲であることが好ましい。100℃未満では該樹脂組成物からなる成形品の耐熱性が劣る。また、Tgが250℃を超えるものは、成形温度が高くなり樹脂が焼けて着色するなど良質な成形品を得ることが難しくなる。
また、水添重合体の水素添加率は、60MHz、 1H−NMRで測定した値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れる。
【0015】
なお、本発明において、ノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂として使用される水添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%であることが好ましい。
(b)ポリアリーレンスルフィド樹脂
本発明に用いられるポリアリーレンスルフィド樹脂は、主とする構成単位が一般式:−Ar−S−(式中、Arは2価の芳香族基を表わし、Sはイオウ原子である)で表される重合体である。このポリアリーレン基を構成する2価の芳香族基としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、4,4’−ビフェニレン基、p,p’−ビベンジル基、およびこれらの核置換基などが代表例として挙げられる。これらのうちでは核置換基のp−フェニレン基を有するポリ−p−フェニレンスルフィドが成形加工性の点で好ましい。
本発明においてポリアリーレンスルフィド樹脂は、上記構成単位を1分子中に少なくとも70モル%以上含有していることが必要である。この主成分が70モル%未満であると、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の結晶性が低下したり、転移温度が低かったり、成形品の物性が悪いなど好ましくない結果を生じる。また、本発明においてポリアリーレンスルフィド樹脂は1分子中に30モル%未満であれば、3価以上の結合手を有する芳香族基、例えば1,2,4−結合フェニレン核や脂肪族基、ヘテロ原子含有基などを含んでいてもさしつかえない。さらに、ポリアリーレンスルフィド樹脂としては直鎖が他のもの、および架橋型のものをそれぞれ単独に、あるいは目的に応じて混合して用いることも可能である。例えば、射出成形時に発生する成形品のバリを小さくするためには、架橋型のポリアリーレンスルフィド樹脂を用いるとよい。一方、金型から取り出した成形品の成形収縮の異方性(材料の流動方向とそれに垂直な方向で、成形品寸法の対金型寸法比で定義される収縮率が異なること)を小さくするためには、直鎖型のポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることが望ましい。さらに、ポリアリーレンスルフィド樹脂として、変性ポリアリーレンスルフィドおよび/または変性ポリアリーレンスルフィド樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂の混合物を用いることもできる。この変性ポリアリーレンスルフィドとしては、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、ビニル基、(メタ)アクリル基、メルカプト基などの官能基で変性された樹脂を使用することができるが、特にエポキシ基変性ポリアリーレンスルフィド樹脂および/またはアミノ化変性ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましい。これらの官能基は、(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂中のエステル基と反応してポリアリーレンスルフィド樹脂とノルボルネン系樹脂のブロック共重合体を形成することにより、両者の相溶性が高まり、得られる樹脂組成物の物性を向上させるとともに、ポリアリーレンスルフィド樹脂の欠点である物性、成形性の異方性を小さくすることができる。
【0016】
上記ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法としては、ジハロゲン化芳香族化合物とジオール芳香族化合物またはモノハロゲン化芳香族チオールの縮合反応あるいはジハロゲン化芳香族化合物と、硫化アルカリあるいは水硫化アルカリとアルカリまたは硫化水素とアルカリ化合物からの脱塩縮合反応を利用する方法などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。なお、これらポリアリーレンスルフィド樹脂の粘度は、強度と成形性とのバランスから、温度300℃、歪速度1,000sec-1において、100〜100,000poiseであることが好ましい。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂の混合には、相溶性を高めるために、相溶化剤を用いることができる。このような相溶化剤の使用割合は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂の合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量部である。相溶化剤の例としては特開平6−306287号公報第5頁左欄第31行〜第5頁右欄第44行に記載されている、オレフィン単位とカルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基およびエポキシ基から選ばれた少なくとも1種のビニル化合物からなるビニル系(共)重合体よりなる多層構造を有する重合体を挙げることができる。
【0017】
(c)磁性体
本発明の磁性体組成物に配合される磁性体は、MO・6Fe23(MはCa、Ba、Sr、Mg、Zn、Pbのうちの1種または2種以上)で表されるフェライト系;RCo5、R2Co17、R(CoCuFeM)Z(RはSm、Ce、Pr、Nd、Tb、Yなどの希土類のうちの1種または2種以上の組み合わせ、MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W、Mnなどの周期表のIV族、V族、VI族、VII族に属する元素の1種または2種以上の組み合わせ、Zは5〜9)およびR214B(RはSm、Ce、Pr、Nd、Tb、Yなどの希土類のうちの1種または2種以上、Tは遷移金属、Bはホウ素)で表される希土類系;
FeAlNiCo系、FeCrCo系などの鋳造系などの磁性体である。これら磁性体は1種でもよく、また2種以上を組み合わせたものであってもよい。
本発明において磁性体は粉末であることが好ましく、その粒径は0.1〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0018】
本発明において、(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂と(b)ポリアリーレンスルフィド樹脂との重量比((a)/(b))は使用する用途が200℃以上の耐熱性が要求される場合は(a)/(b)=1/99〜50/50、特に好ましくは(a)/(b)=1/99〜30/70であることが好ましい。上記範囲より(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂の量が少ないと樹脂成分と磁性体との相溶性が劣り、磁気特性の良好な磁性体組成物が得られにくい。
本発明の磁性体組成物の各成分の組成は、(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂と(b)ポリアリーレンスルフィド樹脂からなる樹脂成分が1〜50重量%、(c)磁性体99〜50重量%の範囲で含有される。
また、(c)磁性体の含有量が上記範囲より少ないと磁気特性が劣り、過剰であると樹脂のバインダーとしての効果が弱くなり、成形性や強度に劣ったものとなる。
【0019】
本発明の磁性体組成物には、必要に応じ、本発明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5ートリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5,5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス (4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトを添加することができる。
【0020】
また、上記の磁性体組成物には、上記のような酸化防止剤の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレ−ト、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ジヒドロキシ−4’−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エラストマーなどを添加することができる。また、成形性、加工性を向上させる目的で可塑剤、軟化剤などの添加剤を添加することもできる。このような可塑剤や軟化剤の例としてはC5系樹脂、C9系樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは前記樹脂の水素添加物などの炭化水素樹脂などを挙げることができる。
本発明の磁性体組成物は、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの混合機を用い、(a)〜(c)成分、必要に応じてその他上記の各種添加剤を混合することによって得られる。
【0021】
本発明の磁性体組成物の製造方法の例を示すと、ミキサーで各成分を混合した後、押出機を用い、240〜360℃で溶融混練して造粒物を得る方法、さらに簡便な方法としては、各成分を直接、成形機で溶融混練してペレットを得る方法などが挙げられる。また、二軸押出機を用いて樹脂成分混練りした後、磁性体を後添加してペレットを作成する方法がある。樹脂成分と磁性体を混練する際、樹脂成分はペレット状でもよいし粉末状でもよいが、粉末状の樹脂のほうが、より磁性体との分散性が良く、得られる磁性体組成物の強度が向上するので好ましい。また、磁性体はそのまま上記樹脂成分と混合、混練できるが、あらかじめシランカップリング剤、チタンカップリング剤などで表面処理していてもよい。
本発明の磁性体組成物は、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法などの公知の方法によって所望の成形品に成形することができる。
本発明の磁性体組成物は、ラジオ、VTR、スピーカ、TV、VD、CD等の民生用電子機器;冷蔵庫、冷暖房機器、電池式電気器具、理容機器、調理器などの電気機器;複写機、プリンタ、タイプライター、ワープロ、金銭登録機などの事務用機器;電話機、ファクシミリ、無線通信装置、レーダ装置などの通信機器;磁気ディスク装置、磁気テープ装置、印刷装置、ディスプレイ装置などの電子計算機;一般計器、特殊計器、開閉器、センサー類などの計測/制御装置;産業用ロボット、油圧機械、電磁機械、金属加工機械などの機械装置;時計、カメラ、ミシン、映写機などの精密機器;自動車・航空機などの電装品、計器、電気部品、エアコン装置、センサーなどの輸送機械;各種医療用測定器、診断装置、医療用機器、歯科用機器などの医療機器;各種理化学機器;農業用機器;漁業用機器;娯楽用機器;楽器などの広範な用途に使用することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中の各種の測定は、次のとおりである。
固有粘度(η inh
溶媒にクロロホルムを使用し、0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定した。
水素添加率
水素添加単独重合体の場合には、60MHz、 1H−NMRで測定した。
耐熱性(ビカット軟化温度)
JIS K7206に準じ、1/8”の厚みの試験片を用いて、荷重1kgf、昇温速度50℃/時間で測定した。
成形加工性(MFR)
JIS K7210に準じて、316℃×5kgfの条件下でメルトフローレート(MFR)を測定した。
耐衝撃性(アイゾット衝撃強度)
試験片(1/4”×1/2”×5/2”、ノッチなし)を用いて、ASTM D790に準じて、アイゾットインパクト(Izod Imp)を測定した。
磁気特性(最大エネルギー積(BH) max
JIS C 2501に従って求めた。
【0023】
参考例(熱可塑性ノルボルネン系樹脂の製造法)
窒素ガスで置換した反応容器内に、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを500g、1,2−ジクロロエタン2000ml、分子量調節剤である1−ヘキセン3.8g、触媒として六塩化タングステンの濃度0.05モル/リットルのクロロベンゼン溶液91.6ml、パラアルデヒドの濃度0.1モル/リットルの1,2−ジクロロエタン溶液68.7ml、トリイソブチルアルミニウムの濃度0.5モル/リットルのトルエン溶液37mlとを加え、60℃で10時間反応させることにより、固有粘度[η]inhが0.56dl/g(クロロホルム中、30℃、濃度0.5g/dl)の重合体450gを得た。この重合体を9000mlのテトラヒドロフランに溶解し、高圧反応器に仕込み、水添触媒としてパラジウム濃度が5%のパラジウム−アルミナ触媒45gを加え、水素ガスを圧力が100kg/c になるように仕込んで、150℃で5時間水添反応させた。水添反応後、触媒をろ別し、溶液を塩酸性の大過剰量のメタノール中に注いで、水添率100%のノルボルネン系樹脂(a)を得た。
【0024】
実施例1
直鎖型ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂(M2088、東レ(株)製)14部、参考例で得られたノルボルネン系樹脂(a)6部、およびサマリウムコバルト系磁性粉末80部を2軸押出機を用いて310℃で溶融混練してペレット化し、300℃で射出成形して物性測定用の試験片を得た。この試験片について、耐熱性、成形加工性、耐衝撃性を測定評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で用いたPPS樹脂12部、参考例で得られたノルボルネン系樹脂(a)8部、およびサマリウムコバルト系磁性粉末80部とした他は実施例1と同様に溶融混練し、射出成形して得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1で用いたPPS樹脂14部、参考例で得られたノルボルネン系樹脂(a)6部、およびバリウムフェライト系磁性粉末80部とした他は実施例1と同様に溶融混練し、射出成形して得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いたPPS樹脂20部、サマリウムコバルト系磁性粉末80部を実施例1と同様に溶融混練し、射出成形して得られた試験片について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003661302
表1から明らかなように実施例1〜3の組成物は、耐熱性と成形性、耐衝撃性とのバランスが良好なものである。
【0026】
実施例4
実施例1で用いたPPS樹脂14部、参考例で得られたノルボルネン系樹脂(a)6部、およびバリウムフェライト系磁性粉末80部とした他は実施例1と同様に溶融混練し、射出成形して得られた試験片について、耐熱性を評価したところ278℃であった。次に磁気特性を評価したところ、最大エネルギー積(BH)max が2.4であった。
比較例2
実施例1で用いたPPS樹脂20部、バリウムフェライト系磁性粉末80部を実施例1と同様に溶融混練し、射出成形して得られた試験片について、実施例4と同様に耐熱性を評価したところ288℃であった。磁気特性を評価したところ最大エネルギー積(BH)max が1.4であり磁気特性に劣ったものであった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の磁性体組成物は、従来の磁性体組成物の問題であった成形性や磁気特性が改善され、しかも耐熱性も実用的なレベルに維持されたものであり、実用的に極めて価値のあるものである。

Claims (1)

  1. (a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂1〜50重量%および(b)ポリアリーレンスルフィド樹脂50〜99重量%からなる樹脂成分ならびに(c)磁性体を含有し、当該樹脂成分が1〜50重量%、(c)磁性体が99〜50重量%の範囲で含有されていることを特徴とする磁性体組成物。
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