JPH1077381A - 磁性体組成物 - Google Patents

磁性体組成物

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JPH1077381A
JPH1077381A JP25235996A JP25235996A JPH1077381A JP H1077381 A JPH1077381 A JP H1077381A JP 25235996 A JP25235996 A JP 25235996A JP 25235996 A JP25235996 A JP 25235996A JP H1077381 A JPH1077381 A JP H1077381A
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信一郎 膳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、成形性、磁気特性に優れた磁性体組
成物を得る。 【構成】(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂1〜100
重量%および(b)(a)成分以外の熱可塑性樹脂0〜
99重量%からなる樹脂成分ならびに(c)磁性体を含
有することを特徴とする磁性体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、成形性、磁
気特性に優れた磁性体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にボンド磁石と呼ばれる磁性体組成
物は、バインダー樹脂中に磁性体を分散させたもの、あ
るいは磁性体をバインダー樹脂で結着させたものであ
る。これらのような磁性体組成物は、焼結磁石に比べて
軽量であり、成形加工の自由度が大きく、また割れや欠
けが生じにくいという利点を有しているが、焼結磁石に
比べて磁気特性や耐熱性が劣るため、用途の範囲が限ら
れる問題があった。例えばバインダー樹脂として現在広
く用いられているポリアミド樹脂は融点180℃程度で
あり、200℃以上の耐熱性を要求する産業機器用途に
用いることはできない。またポリアミド樹脂は吸水によ
る寸法変化も大きいため、精密機器用途としても信頼性
に劣る。そこで近年、耐熱性、耐水性、および耐薬品性
などに優れるポリフェニレンスルフィドをバインダー樹
脂とする磁性体組成物が開発され、自動車分野、電気電
子分野、産業機械分野など広い範囲の用途に用いられて
いる。ところが、磁性体組成物は、充填される磁性体が
高充填となるため、成形する際溶融流動性が悪く成形性
に劣り、また磁気特性や強度にも低下する問題があっ
た。このため、軟化剤などを添加して流動性を改良する
ことが一般に行われているが、熱変形温度が下がり、耐
熱性が低下する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題で
ある成形性や磁気特性を改善しつつ、耐熱性も維持され
た磁性体組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)熱可塑
性ノルボルネン系樹脂1〜100重量%および(b)
(a)成分以外の熱可塑性樹脂0〜99重量%からなる
樹脂成分ならびに(c)磁性体を含有することを特徴と
する磁性体組成物を提供するものである。
【0005】(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂 本発明に用いられる熱可塑性ノルボルネン樹脂は、その
繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有するものであ
る。例えば、この熱可塑性樹脂としては、一般式(I)
〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を含むものであ
る。
【0006】一般式I
【0007】一般式II
【0008】一般式III
【0009】一般式IV
【0010】 (式中、A、B、CおよびDは、水素原
子または1価の有機基を示す。) 本発明において使用することのできるノルボルナン骨格
を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特開昭60−1
68708号公報、特開昭62−252406号公報、
特開昭62−252407号公報、特開平2−1334
13号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭
63−264626号公報、特開平1−240517号
公報、特公昭57−8815号公報などに記載されてい
る樹脂などを挙げることができる。この熱可塑性樹脂の
具体例としては、下記一般式(V)で表される少なくと
も1種のテトラシクロドデセン誘導体または該テトラシ
クロドデセンと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタ
セシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる
水添重合体を挙げることができる。
【0011】一般式V
【0012】(式中A〜Dは、前記に同じ。) 前記一般式(V)で表されるテトラシクロドデセン誘導
体において、A、B、CおよびDのうちに極性基を含む
ことが、磁性体や他の熱可塑性樹脂との相溶性、および
耐熱性の点から好ましい。さらに、この極性基が−(C
2 n COOR3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の
炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で表される基
であることが、得られる水添重合体が高いガラス転移温
度を有するものとなるので好ましい。特に、この−(C
2 n COOR3 で表される基は、一般式(V)のテ
トラシクロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有さ
れることが好ましい。前記一般式において、R1 は炭素
数1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほ
ど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ま
しいが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバラ
ンスの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭
素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好まし
く、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基である
ことが好ましい 。
【0013】さらに、−(CH2 n COOR3で表さ
れる基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10の
炭化水素基が置換基として結合されている一般式(V)
のテトラシクロドデセン誘導体は、吸湿性を低下させる
ので好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチ
ル基である一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体
は、その合成が容易な点で好ましい。具体的には、8−
メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 7,10]ドデカ−8−エンが好ましい。
これらのテトラシクロドデセン誘導体、あるいはこれと
共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例えば特開
平4−77520号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁
右下欄第6行に記載された方法によって、メタセシス重
合、水素添加され、本発明に使用される熱可塑性樹脂と
することができる。
【0014】本発明において、上記水添重合体は、クロ
ロホルム中、30℃で測定される固有粘度([η]in
h)が0.3〜1.5dl/gの範囲であることが望ま
しい。[η]inhが上記範囲にあることによって、得ら
れる磁性体組成物の成形加工性、耐熱性、機械的特性の
バランスが良好となる。また、前記水添重合体のガラス
転移温度(Tg)は100℃〜250℃の範囲であるこ
とが好ましく、特に120〜200℃の範囲であること
が好ましい。100℃未満では該樹脂組成物からなる成
形品の耐熱性が劣る。また、Tgが250℃を超えるも
のは、成形温度が高くなり樹脂が焼けて着色するなど良
質な成形品を得ることが難しくなる。また、水添重合体
の水素添加率は、60MHz、 1H−NMRで測定した
値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好まし
くは98%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光
に対する安定性が優れる。
【0015】なお、本発明において、ノルボルナン骨格
を有する熱可塑性樹脂として使用される水添重合体は、
該水添重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下で
あることが好ましく、さらに1重量%であることが好ま
しい。 (b)(a)成分以外の熱可塑性樹脂 本発明に用いられる(a)以外の熱可塑性樹脂は、ポリ
エーテルエーテルケトン樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、液晶ポ
リマーなどの連続使用温度100℃以上の耐熱性の熱可
塑性樹脂である。これらの中ではポリアリーレンスルフ
ィド樹脂が、耐熱性、難燃性、寸法安定性に優れている
ため好ましい。本発明に用いられるポリアリーレンスル
フィド樹脂は、主とする構成単位が一般式:−Ar−S
−(式中、Arは2価の芳香族基を表わし、Sはイオウ
原子である)で表される重合体である。このポリアリー
レン基を構成する2価の芳香族基としては、p−フェニ
レン基、m−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、
4,4’−ビフェニレン基、p,p’−ビベンジル基、
およびこれらの核置換基などが代表例として挙げられ
る。これらのうちでは核置換基のp−フェニレン基を有
するポリ−p−フェニレンスルフィドが成形加工性の点
で好ましい。本発明においてポリアリーレンスルフィド
樹脂は、上記構成単位を1分子中に少なくとも70モル
%以上含有していることが必要である。この主成分が7
0モル%未満であると、得られるポリアリーレンスルフ
ィド樹脂の結晶性が低下したり、転移温度が低かった
り、成形品の物性が悪いなど好ましくない結果を生じ
る。また、本発明においてポリアリーレンスルフィド樹
脂は1分子中に30モル%未満であれば、3価以上の結
合手を有する芳香族基、例えば1,2,4−結合フェニ
レン核や脂肪族基、ヘテロ原子含有基などを含んでいて
もさしつかえない。さらに、ポリアリーレンスルフィド
樹脂としては直鎖が他のもの、および架橋型のものをそ
れぞれ単独に、あるいは目的に応じて混合して用いるこ
とも可能である。例えば、射出成形時に発生する成形品
のバリを小さくするためには、架橋型のポリアリーレン
スルフィド樹脂を用いるとよい。一方、金型から取り出
した成形品の成形収縮の異方性(材料の流動方向とそれ
に垂直な方向で、成形品寸法の対金型寸法比で定義され
る収縮率が異なること)を小さくするためには、直鎖型
のポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることが望まし
い。さらに、ポリアリーレンスルフィド樹脂として、変
性ポリアリーレンスルフィドおよび/または変性ポリア
リーレンスルフィド樹脂とポリアリーレンスルフィド樹
脂の混合物を用いることもできる。この変性ポリアリー
レンスルフィドとしては、エポキシ基、アミノ基、カル
ボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、ビニル基、
(メタ)アクリル基、メルカプト基などの官能基で変性
された樹脂を使用することができるが、特にエポキシ基
変性ポリアリーレンスルフィド樹脂および/またはアミ
ノ化変性ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましい。こ
れらの官能基は、(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂中
のエステル基と反応してポリアリーレンスルフィド樹脂
とノルボルネン系樹脂のブロック共重合体を形成するこ
とにより、両者の相溶性が高まり、得られる樹脂組成物
の物性を向上させるとともに、ポリアリーレンスルフィ
ド樹脂の欠点である物性、成形性の異方性を小さくする
ことができる。
【0016】上記ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造
する方法としては、ジハロゲン化芳香族化合物とジオー
ル芳香族化合物またはモノハロゲン化芳香族チオールの
縮合反応あるいはジハロゲン化芳香族化合物と、硫化ア
ルカリあるいは水硫化アルカリとアルカリまたは硫化水
素とアルカリ化合物からの脱塩縮合反応を利用する方法
などを例示することができるが、これらに限定されるも
のではない。なお、これらポリアリーレンスルフィド樹
脂の粘度は、強度と成形性とのバランスから、温度30
0℃、歪速度1,000sec-1において、100〜1
00,000poiseであることが好ましい。熱可塑
性ノルボルネン系樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂
の混合には、相溶性を高めるために、相溶化剤を用いる
ことができる。このような相溶化剤の使用割合は、熱可
塑性ノルボルネン系樹脂とポリアリーレンスルフィド樹
脂の合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量
部である。相溶化剤の例としては特開平6−30628
7号公報第5頁左欄第31行〜第5頁右欄第44行に記
載されている、オレフィン単位とカルボキシル基、酸無
水物基、オキサゾリン基およびエポキシ基から選ばれた
少なくとも1種のビニル化合物からなるビニル系(共)
重合体よりなる多層構造を有する重合体を挙げることが
できる。
【0017】(c)磁性体 本発明の磁性体組成物に配合される磁性体は、MO・6
Fe23(MはCa、Ba、Sr、Mg、Zn、Pbの
うちの1種または2種以上)で表されるフェライト系;
RCo5、R2Co17、R(CoCuFeM)Z(RはS
m、Ce、Pr、Nd、Tb、Yなどの希土類のうちの
1種または2種以上の組み合わせ、MはTi、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W、Mnなどの周期
表のIV族、V族、VI族、VII族に属する元素の1種また
は2種以上の組み合わせ、Zは5〜9)およびR214
B(RはSm、Ce、Pr、Nd、Tb、Yなどの希土
類のうちの1種または2種以上、Tは遷移金属、Bはホ
ウ素)で表される希土類系;FeAlNiCo系、Fe
CrCo系などの鋳造系などの磁性体である。これら磁
性体は1種でもよく、また2種以上を組み合わせたもの
であってもよい。本発明において磁性体は粉末であるこ
とが好ましく、その粒径は0.1〜100μmの範囲で
あることが好ましい。
【0018】本発明において、(a)熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂と(b)(a)以外の熱可塑性樹脂との重量
比((a)/(b))は1/99〜100/0の範囲で
あるが、使用する用途が200℃以上の耐熱性が要求さ
れる場合は(a)/(b)=1/99〜50/50、特
に好ましくは(a)/(b)=1/99〜30/70で
あることが好ましい。上記範囲より(a)熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂の量が少ないと樹脂成分と磁性体との相
溶性が劣り、磁気特性の良好な磁性体組成物が得られに
くい。本発明の磁性体組成物の各成分の組成は、(a)
熱可塑性ノルボルネン系樹脂と(b)(a)成分以外の
熱可塑性樹脂からなる樹脂成分が1〜50重量%、
(c)磁性体99〜50重量%の範囲で含有されている
ことが好ましい。また、(c)磁性体の含有量が上記範
囲より少ないと磁気特性が劣り、過剰であると樹脂のバ
インダーとしての効果が弱くなり、成形性や強度に劣っ
たものとなる。
【0019】本発明の磁性体組成物には、必要に応じ、
本発明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、例え
ば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,
5’−ジメチルフェニルメタン、テトラキス[メチレン
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5ートリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル−ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,
2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’
−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジ
メチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチ
ル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5,5]
ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイ
ト、2,2−メチレンビス (4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)オクチルホスファイトを添加することができ
る。
【0020】また、上記の磁性体組成物には、上記のよ
うな酸化防止剤の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、例
えばp−t−ブチルフェニルサリシレ−ト、2,2’−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−(2’−ジヒドロキシ−
4’−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;
安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エラスト
マーなどを添加することができる。また、成形性、加工
性を向上させる目的で可塑剤、軟化剤などの添加剤を添
加することもできる。このような可塑剤や軟化剤の例と
してはC5系樹脂、C9系樹脂、C5系/C9系混合樹脂、
シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物
の重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族系化合
物の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビ
ニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは前
記樹脂の水素添加物などの炭化水素樹脂などを挙げるこ
とができる。本発明の磁性体組成物は、単軸押出機、多
軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシング
ロールなどの混合機を用い、(a)〜(c)成分、必要
に応じてその他上記の各種添加剤を混合することによっ
て得られる。
【0021】本発明の磁性体組成物の製造方法の例を示
すと、ミキサーで各成分を混合した後、押出機を用い、
240〜360℃で溶融混練して造粒物を得る方法、さ
らに簡便な方法としては、各成分を直接、成形機で溶融
混練してペレットを得る方法などが挙げられる。また、
二軸押出機を用いて樹脂成分混練りした後、磁性体を後
添加してペレットを作成する方法がある。樹脂成分と磁
性体を混練する際、樹脂成分はペレット状でもよいし粉
末状でもよいが、粉末状の樹脂のほうが、より磁性体と
の分散性が良く、得られる磁性体組成物の強度が向上す
るので好ましい。また、磁性体はそのまま上記樹脂成分
と混合、混練できるが、あらかじめシランカップリング
剤、チタンカップリング剤などで表面処理していてもよ
い。本発明の磁性体組成物は、射出成形法、押出成形
法、圧縮成形法などの公知の方法によって所望の成形品
に成形することができる。本発明の磁性体組成物は、ラ
ジオ、VTR、スピーカ、TV、VD、CD等の民生用
電子機器;冷蔵庫、冷暖房機器、電池式電気器具、理容
機器、調理器などの電気機器;複写機、プリンタ、タイ
プライター、ワープロ、金銭登録機などの事務用機器;
電話機、ファクシミリ、無線通信装置、レーダ装置など
の通信機器;磁気ディスク装置、磁気テープ装置、印刷
装置、ディスプレイ装置などの電子計算機;一般計器、
特殊計器、開閉器、センサー類などの計測/制御装置;
産業用ロボット、油圧機械、電磁機械、金属加工機械な
どの機械装置;時計、カメラ、ミシン、映写機などの精
密機器;自動車・航空機などの電装品、計器、電気部
品、エアコン装置、センサーなどの輸送機械;各種医療
用測定器、診断装置、医療用機器、歯科用機器などの医
療機器;各種理化学機器;農業用機器;漁業用機器;娯
楽用機器;楽器などの広範な用途に使用することができ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
い限り重量基準である。また、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。固有粘度(ηinh) 溶媒にクロロホルムを使用し、0.5g/dlの重合体
濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定し
た。水素添加率 水素添加単独重合体の場合には、60MHz、 1H−N
MRで測定した。耐熱性(ビカット軟化温度) JIS K7206に準じ、1/8”の厚みの試験片を
用いて、荷重1kgf、昇温速度50℃/時間で測定し
た。成形加工性(MFR) JIS K7210に準じて、316℃×5kgfの条
件下でメルトフローレート(MFR)を測定した。耐衝撃性(アイゾット衝撃強度) 試験片(1/4”×1/2”×5/2”、ノッチなし)
を用いて、ASTM D790に準じて、アイゾットイ
ンパクト(Izod Imp)を測定した。磁気特性(最大エネルギー積(BH)max) JIS C 2501に従って求めた。
【0023】参考例(熱可塑性ノルボルネン系樹脂の製
造法) 窒素ガスで置換した反応容器内に、8−メチル−8−メ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンを500g、1,2−ジクロロ
エタン2000ml、分子量調節剤である1−ヘキセン
3.8g、触媒として六塩化タングステンの濃度0.0
5モル/リットルのクロロベンゼン溶液91.6ml、
パラアルデヒドの濃度0.1モル/リットルの1,2−
ジクロロエタン溶液68.7ml、トリイソブチルアル
ミニウムの濃度0.5モル/リットルのトルエン溶液3
7mlとを加え、60℃で10時間反応させることによ
り、固有粘度[η]inhが0.56dl/g(クロロホ
ルム中、30℃、濃度0.5g/dl)の重合体450
gを得た。この重合体を9000mlのテトラヒドロフ
ランに溶解し、高圧反応器に仕込み、水添触媒としてパ
ラジウム濃度が5%のパラジウム−アルミナ触媒45g
を加え、水素ガスを圧力が100kg/c■になるよう
に仕込んで、150℃で5時間水添反応させた。水添反
応後、触媒をろ別し、溶液を塩酸性の大過剰量のメタノ
ール中に注いで、水添率100%のノルボルネン系樹脂
(a)を得た。
【0024】実施例1 直鎖型ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂(M2
088、東レ(株)製)14部、参考例で得られたノル
ボルネン系樹脂(a)6部、およびサマリウムコバルト
系磁性粉末80部を2軸押出機を用いて310℃で溶融
混練してペレット化し、300℃で射出成形して物性測
定用の試験片を得た。この試験片について、耐熱性、成
形加工性、耐衝撃性を測定評価した。評価結果を表1に
示す。 実施例2 実施例1で用いたPPS樹脂12部、参考例で得られた
ノルボルネン系樹脂(a)8部、およびサマリウムコバ
ルト系磁性粉末80部とした他は実施例1と同様に溶融
混練し、射出成形して得られた試験片について、実施例
1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。 実施例3 実施例1で用いたPPS樹脂14部、参考例で得られた
ノルボルネン系樹脂(a)6部、およびバリウムフェラ
イト系磁性粉末80部とした他は実施例1と同様に溶融
混練し、射出成形して得られた試験片について、実施例
1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。 比較例1 実施例1で用いたPPS樹脂20部、サマリウムコバル
ト系磁性粉末80部を実施例1と同様に溶融混練し、射
出成形して得られた試験片について、実施例1と同様の
評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0025】
【表1】 表1から明らかなように実施例1〜3の組成物は、耐熱
性と成形性、耐衝撃性とのバランスが良好なものであ
る。
【0026】実施例4 実施例1で用いたPPS樹脂14部、参考例で得られた
ノルボルネン系樹脂(a)6部、およびバリウムフェラ
イト系磁性粉末80部とした他は実施例1と同様に溶融
混練し、射出成形して得られた試験片について、耐熱性
を評価したところ278℃であった。次に磁気特性を評
価したところ、最大エネルギー積(BH)max が2.4
であった。 比較例2 実施例1で用いたPPS樹脂20部、バリウムフェライ
ト系磁性粉末80部を実施例1と同様に溶融混練し、射
出成形して得られた試験片について、実施例4と同様に
耐熱性を評価したところ288℃であった。磁気特性を
評価したところ最大エネルギー積(BH)max が1.4
であり磁気特性に劣ったものであった。
【0027】
【発明の効果】本発明の磁性体組成物は、従来の磁性体
組成物の問題であった成形性や磁気特性が改善され、し
かも耐熱性も実用的なレベルに維持されたものであり、
実用的に極めて価値のあるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂1〜1
    00重量%および(b)(a)成分以外の熱可塑性樹脂
    0〜99重量%からなる樹脂成分ならびに(c)磁性体
    を含有することを特徴とする磁性体組成物。
  2. 【請求項2】(b)(a)成分以外の熱可塑性樹脂が、
    ポリアリーレンスルフィドであることを特徴とする請求
    項1に記載の磁性体組成物。
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