JP3937498B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的物性、耐ストレスクラック性に優れた高耐熱の熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド樹脂およびその変性物、ポリブチレンテレフタレート等に代表されるエンジニアリングプラスチックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABSなどの汎用プラスチックスに比べ耐熱性や強度に優れる特徴を有しているため、自動車部品、家電、OA機器、精密機器、電気、電子部品等に広く使用されている。
しかし、各々の用途に要求される性能の中には単一の樹脂材料では対応できないものも多い。そこで、高衝撃性と高剛性の様に、相反する物性を共に満足するような成形材料を得るために、異種樹脂をブレンドあるいはポリマーアロイ化することによって目的とする物性を得る技術が広く知られている。
一般に、異なる樹脂同士は非相溶である場合が多いため、単純に溶融混練すると両者は海島構造が乱れた粗大な相分離構造を形成し、目的とする物性が得られないことが多い。そこで、島相になる樹脂成分の微分散化を達成するために、相溶化剤を用いることが行われる。
この相溶化剤は、相溶化される2種または3種以上の樹脂の各々に親和性があったり、化学的に反応するなどの機能を有する化合物もしくは高分子量体であって、異なる樹脂の界面を安定化させ島相の微分散化に寄与する。
【0003】
例えば、特開昭56−26913号公報には、ポリフェニレンオキシド樹脂とポリアミドのポリマーアロイを製造する際にカルボン酸基、酸無水物基等の極性基を有する化合物を混合することにより、ポリフェニレンオキシド樹脂の耐熱性を維持しつつその耐衝撃性や耐溶剤性の著しく向上した組成物が得られることが開示されている。
また、特開昭61−120855号公報には、ポリフェニレンオキシド樹脂とポリアミド、およびゴムを配合したポリマーアロイに対してシラン誘導体を含有させることにより、耐衝撃性や引張伸び率が著しく向上することが開示されている。
また、特開昭56−115355号公報にはポリアセタール、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチック1種以上に対し無水マレイン酸で変性したスチレン−ブタジエンブロック共重合体を配合することにより、耐衝撃性の著しく改良された組成物が得られることが開示されている。
また、特開昭59−58052号公報には、ポリフェニレンスルフィド樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂のポリマーアロイに対しエポキシ樹脂を配合することにより、曲げ強度、耐衝撃性や耐加水分解性が改善されることが開示されている。
また、耐熱性が要求されるような用途では耐熱性の高いものの組み合わせによるポリマーアロイ化が望まれるので、特開昭59−164360号公報においてポリフェニレンスルフィド樹脂とポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリエーテルケトン、熱可塑性ポリイミドというような比較的高耐熱の樹脂同士によるポリマーアロイ化も検討されている。この公報には上記ポリマーアロイを製造する際にエポキシ樹脂を配合した組成物は、曲げ強度や耐衝撃性がエポキシ樹脂を配合しない組成物にくらべて著しく向上することが開示されている。
しかし、このような高耐熱の樹脂を成分とするポリマーアロイを製造し、得られたポリマーアロイ組成物を成形加工する際には、300℃を超えるような加工温度が必要になることがある。そのため相溶化剤として配合した化合物や高分子量体がポリマーアロイの製造中や得られた組成物の成形加工時に熱劣化をおこし、相溶化剤としての機能が阻害されたり、組成物の物性を低下させるなどの不都合が生じることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は自動車、航空機等の部品、産業用機器、家電製品、OA機器、電気、電子部品等へ好適に用いることのできる高強度、高耐熱で耐ストレスクラック性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高耐熱の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイを製造する際に、特定の構造を有するポリエステルを1〜100重量部添加することにより、上記目的が達成されることを見い出し本発明に到達した。すなわち、本発明は、次のとおりである。
(1)ポリエーテルケトンと液晶ポリエステル、ポリフェニレンサルファイドと液晶ポリエステル、ポリエーテルイミドと液晶ポリエステル、ポリカーボネートと液晶ポリエステル、および、ポリエーテルサルホンと液晶ポリステルからなる群から選ばれる2種の熱可塑性樹脂(該2種の熱可塑性樹脂はいずれも、DSC(示差熱量計)を用いて求めたガラス転移温度が50℃以上および/または荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃以上である100重量部に対して、下記の構造を有するポリエステルを0.1〜100重量部添加してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。

【0006】
【化2】
Figure 0003937498
(式中、Xは−SO 2 −であり、1 は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、pは0〜4の整数、mおよびnは1〜4の整数である。同一または異なる核上の複数の各R1 は相互に異なっていてもよい。また各pは相互に異なっていてもよい。)で表される繰返し単位からなり、式
【0007】
【数2】
Figure 0003937498
を満足する関係を有するポリエステル。
(2)少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が150℃以上である(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(3)液晶ポリエステルが式Iで表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むものである(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、DSCを用いてASTM D3418に準拠して測定したガラス転移温度が50℃以上および/またはASTM D648に準拠して測定した荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃以上となるものである。ガラス転移温度が50℃未満または荷重たわみ温度が70℃未満の樹脂を用いた場合、本発明の目的とする高耐熱のエンジニアリングプラスチック材料とはならないために好ましくない。このような熱可塑性樹脂としては、これらの中でも、ポリエーテルケトンと液晶ポリエステル、ポリフェニレンサルファイドと液晶ポリエステル、ポリエーテルイミドと液晶ポリエステル、ポリカーボネートと液晶ポリエステル、および、ポリエーテルサルホンと液晶ポリステルからなる群から選ばれる2種の熱可塑性樹脂の組み合わせが用いられる。少なくとも1種類の熱可塑性樹脂は、ASTM D648に準拠して測定した荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が150℃以上であることがより好ましい。このような熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、単純な溶融混練によって相溶しないものである。本発明において、2種の熱可塑性樹脂を組合せる場合、各熱可塑性樹脂の割合は各1〜99重量%が好ましい。さらに、1種の熱可塑性樹脂が液晶ポリエステルで、その割合が10〜40重量%であり、他の1種以上の熱可塑性樹脂の割合が60〜90重量%である組合せが好ましい。
【0009】
本発明で用いられる特定の構造を有するポリエステルは、上記の繰返し単位I、IIおよびIIIからなり、上記数式を満足するものである。(I)が95mol%を越えるものは、溶融しない結晶部分が多く、組成物の製造中に該ポリエステルと熱可塑性樹脂が分散しなくなるので好ましくない。また(II)/(III)<0.9あるいは(II)/(III)>1.1であるものは、ポリエステルの製造時に充分な高分子量体が得られないので好ましくない。(II)におけるXは−SO 2 −である。また、繰返し単位Iは0≦(I)≦80(mol%)であることがより好ましい。本発明で用いられる特定の構造を有するポリエステルの製造方法は、例えばアルカリ水溶液に溶解したビスフェノール成分とハロゲン化炭化水素などの有機溶媒に溶解したテレフタル酸クロライドおよび/またはイソフタル酸クロライドおよびパラヒドロキシ安息香酸クロライドを触媒の存在下で重合させる方法、アセチル化したビスフェノール成分とパラヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸および/またはイソフタル酸を高温で酢酸を脱離させつつ重合させる方法、ビスフェノール成分とパラヒドロキシ安息香酸フェニルエステルおよびテレフタル酸および/またはイソフタル酸のフェニルエステルを高温でフェノールを脱離させつつ重合させる方法、さらにこのようにして得られたポリエステルを固相重合する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
本発明で用いられる特定の構造を有するポリエステルは、(株)島津製作所製の高化式フローテスター CFT−500型で4℃/分の昇温速度で加熱溶融されて荷重100kg/cm2 下で内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出されたときの溶融粘度が48000ポイズを示す温度が150℃〜450℃のものであることが好ましく、280℃〜400℃のものであることがより好ましい。溶融粘度が48000ポイズを示す温度が150℃より低いものを配合した場合、該ポリエステルの分子量が低いために組成物の製造中や得られた組成物の成形加工時に熱劣化をおこすので好ましくない。また、溶融粘度が48000ポイズを示す温度が450℃を超えるものを配合した場合、該ポリエステルの溶融粘度が高いため組成物の製造中に該ポリエステルと熱可塑性樹脂が分散しなくなるので好ましくない。
【0011】
本発明で用いられる特定の構造を有するポリエステルの添加量は、DSCを用いてASTM D3418に準拠して測定したガラス転移温度が50℃以上および/またはASTM D648に準拠して測定した荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃以上である、2種または3種以上の熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部であり、1〜20重量部であることがより好ましい。添加量が0.1重量部より少ない場合、得られる組成物の島相になる樹脂成分は微分散化されず、目的とする物性向上は達成されない。また、100重量部より多く添加してもそれ以上物性は向上せず、用いる熱可塑性樹脂の特徴が大きく損なわれるので好ましくない。
【0012】
さらに本発明においては、必要に応じてガラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウムウイスカーなどの繊維状あるいは針状の補強材、タルク、マイカ、クレー、ガラスビーズなどの無機充填材、フッ素樹脂などや金属石鹸類などの離型改良剤、染料、顔料などの着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
また、少量のガラス転移温度が50℃より低いか、あるいは荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃より低い熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂などや少量の熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂、少量のゴム成分などの一種または二種以上を添加することもできる。
本発明の樹脂組成物を得るための原材料の配合手段は特に限定されない。DSCを用いてASTM D3418に準拠して測定したガラス転移温度が50℃以上および/またはASTM D648に準拠して測定した荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃以上である、2種または3種以上の熱可塑性樹脂、上記繰返し単位I、IIおよびIIIからなるポリエステル、必要に応じてガラス繊維などの補強剤や無機充填剤、離型改良剤、熱安定剤などをヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて混合した後、押出機を用いて溶融混練することが一般的である。そのときの溶融混練法としては、全ての原材料を一括して混合した後で押出機へフィードしてもかまわないし、必要に応じてガラス繊維などの補強材や無機充填材などの原材料を、樹脂を主体とする原材料とは別にフィードしてもかまわない。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値の測定、および耐ストレスクラック性の評価は、次の方法で行った。
(1)引張強度、降伏伸び:
熱可塑性樹脂成形材料から、射出成形機を用いてASTM4号ダンベル試験片を成形し、ASTM D638に準拠して測定した。
(2)曲げ弾性率:
熱可塑性樹脂成形材料から、射出成形機を用いて長さ127mm、幅12.7mm、厚み6.4mmの試験片を成形し、ASTM D790に準拠して測定した。
(3)アイゾット衝撃値:
熱可塑性樹脂成形材料から、射出成形機を用いて長さ63mm、幅12.7mm、厚み6.4mmの試験片を成形し、ASTM D256に準拠して測定した。
(4)耐ストレスクラック性:
熱可塑性樹脂成形材料から、射出成形機を用いて長さ127mm、幅12.7mm、厚み6.4mmの試験片を成形した。この試験片を三点曲げで一定の応力をかけて中心部に溶剤を塗布後、破断に至るまでの時間を測定した。この破断に至るまでの時間は長いほど耐ストレスクラック性に優れることを示す。
【0014】
参考例1
いかり型撹拌翼を有する重合槽にパラヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルホン、テレフタル酸を60:20:20のモル比で仕込んだ。これにヒドロキシ基に対し、1.1倍当量の無水酢酸を加え系内を窒素置換しながら10分間撹拌した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら反応温度を150℃とし、3時間アセチル化反応を行った後、副生する酢酸を留去しながら1℃/分の昇温速度で320℃まで昇温し、320℃で15分間重縮合を行った。得られた重合体を重合槽から取り出し冷却した後、粉砕機(ホソカワミクロン(株)製 ロートプレックスR16/8)で平均粒径1mm以下の粒子とし、さらに常圧窒素雰囲気下で260℃の処理温度で4時間固相重合を行い、ポリエステル1を得た。
このポリエステルの、(株)島津製作所製の高化式フローテスター CFT−500型で4℃/分の昇温速度で加熱溶融されて荷重100kg/cm2 下で内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出されたときの溶融粘度が48000ポイズを示す温度は、386℃であった。
【0015】
参考例2
参考例1と同様にして得られた重合体を重合槽から取り出し冷却した後、粉砕機(ホソカワミクロン(株)製、商品名ロートプレックスR16/8)で平均粒径1mm以下の粒子とし、さらに常圧窒素雰囲気下で220℃の処理温度で4時間固相重合を行い、ポリエステル2を得た。
このポリエステルの、(株)島津製作所製の高化式フローテスター CFT−500型で4℃/分の昇温速度で加熱溶融されて荷重100kg/cm2 下で内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出されたときの溶融粘度が48000ポイズを示す温度は、310℃であった。
【0016】
参考例3
パラヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルホン、テレフタル酸、イソフタル酸を20:40:30:10のモル比で仕込む以外、参考例1と同様にして重合体を得た。得られた重合体を重合槽から取り出し冷却した後、粉砕機(ホソカワミクロン(株)製、商品名ロートプレックスR16/8)で平均粒径1mm以下の粒子とし、さらに常圧窒素雰囲気下で220℃の処理温度で4時間固相重合を行い、ポリエステル3を得た。
このポリエステルの、(株)島津製作所製の高化式フローテスター CFT−500型で4℃/分の昇温速度で加熱溶融されて荷重100kg/cm2 下で内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出されたときの溶融粘度が48000ポイズを示す温度は、315℃であった。
【0017】
実施例1〜3、比較例1
熱可塑性樹脂として、ポリエーテルサルホン(住友化学工業(株)製、商品名スミカエクセルPES 5200P)80重量部、液晶ポリエステル(住友化学工業(株)製、商品名スミカスーパーLCP E4000)20重量部、参考例1で重合したポリエステルを表1に示す組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)を用いて、シリンダー温度340℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜3)を得た。なお、スミカエクセルPES 5200P単体のガラス転移温度は225℃、荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は215℃であり、スミカスーパーLCP E4000単体の荷重たわみ温度は335℃であった。同様にして参考例1で重合したポリエステルを含まない熱可塑性樹脂組成物(比較例1)を得た。このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE)を用いてシリンダー温度380℃、金型温度150℃で、上述のように試験片を成形し、表1に示す引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値の測定、および耐ストレスクラック性の評価を行った。
表1によって、本発明の特定の構造を有するポリエステルを含む組成物(実施例1〜3)は、該ポリエステルを含まない組成物(比較例1)に比べ、引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃値が向上し、耐ストレスクラック性に優れていることがわかる。
【0018】
【表1】
Figure 0003937498
【0019】
実施例4〜7、比較例2〜5
熱可塑性樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(ヴィクトレックス社製、商品名VICTREX PEEK 450P)、ポリフェニレンサルファイド樹脂((株) トープレン製、商品名TOHPREN T−4) 、ポリエーテルイミド樹脂(ゼネラル・エレクトリック社製、商品名ULTEM 1000)、ポリカーボネート樹脂(住友ダウ( 株) 製、商品名カリバー 200−3)、液晶ポリエステル樹脂(住友化学工業(株)製、商品名スミカスーパーLCP E6000)、参考例2または3で重合したポリエステルを表2に示す組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)を用いてシリンダー温度330〜350℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物(実施例4〜7)を得た。なお、ポリエーテルエーテルケトン樹脂単体のガラス転移温度は143℃、荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は152℃、ポリフェニレンサルファイド樹脂単体のガラス転移温度は85℃、荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は105℃、ポリエーテルイミド樹脂単体のガラス転移温度は217℃、荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は200℃、ポリカーボネート樹脂単体のガラス転移温度は145℃、荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は141℃、液晶ポリエステル樹脂(スミカスーパーLCP E6000)単体の荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は230℃であった。同様にして参考例で重合したポリエステルを含まない熱可塑性樹脂組成物比較例2〜5)を得た。このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE)を用いてシリンダー温度330〜380℃、金型温度120〜180℃で、上述のように試験片を成形し、表2に示す引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃値の測定を行った。
表2によって、本発明の特定の構造を有するポリエステルを含む組成物(実施例4〜7)は、該ポリエステルを含まない組成物(比較例2〜5)に比べ、引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃値等の機械的物性が向上していることがわかる。
【0020】
【表2】
Figure 0003937498
【0021】
実施例8,9、比較例6,7
熱可塑性樹脂として、ポリエーテルサルホン樹脂(住友化学工業(株)製、商品名スミカエクセルPES 3600P)、液晶ポリエステル樹脂(住友化学工業(株)製、商品名スミカスーパーLCP E6000)、参考例2で重合したポリエステル、およびガラス繊維(旭ファイバーグラス( 株) 製、商品名 CS03JPX1)を表1に示す組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)を用いて、シリンダー温度340℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物(実施例8,9)を得た。なお、スミカエクセルPES3600P単体のガラス転移温度は225℃、荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)は 215℃であった。同様にして参考例2で重合したポリエステルを含まない熱可塑性樹脂組成物(比較例6,7)を得た。このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製PS40E5ASE)を用いてシリンダー温度350℃、金型温度150℃で、上述のように試験片を成形し、表3に示す引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値の測定を行った。
表3によって、本発明の特定の構造を有するポリエステルを含む組成物(実施例8,9)は、該ポリエステルを含まない組成物(比較例6,7)に比べ、引張強度、降伏伸び、曲げ弾性率、およびアイゾット衝撃値等の機械的物性が向上していることがわかる。
【0022】
【表3】
Figure 0003937498
【0023】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、高強度、高耐熱で耐ストレスクラック性に優れており、自動車、航空機等の部品、産業用機器、家電製品、OA機器、電気、電子部品等の用途に極めて有用なものである。

Claims (3)

  1. ポリエーテルケトンと液晶ポリエステル、ポリフェニレンサルファイドと液晶ポリエステル、ポリエーテルイミドと液晶ポリエステル、ポリカーボネートと液晶ポリエステル、および、ポリエーテルサルホンと液晶ポリステルからなる群から選ばれる2種の熱可塑性樹脂の組合せ(該2種の熱可塑性樹脂はいずれも、DSC(示差熱量計)を用いて求めたガラス転移温度が50℃以上および/または荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が70℃以上である100重量部に対して、下記の構造を有するポリエステルを0.1〜100重量部添加してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。

    Figure 0003937498
    (式中、Xは−SO2−であり、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、pは0〜4の整数、mおよびnは1〜4の整数である。同一または異なる核上の複数の各R1 は相互に異なっていてもよい。また各pは相互に異なっていてもよい。)で表される繰返し単位からなり、式
    Figure 0003937498
    を満足する関係を有するポリエステル。
  2. 少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度(1.82Mpa荷重)が150℃以上である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 液晶ポリエステルが式Iで表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むものである請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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