JPH11181273A - ポリケトン樹脂からなる自動車ウォーターポンプ関連部品 - Google Patents

ポリケトン樹脂からなる自動車ウォーターポンプ関連部品

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JPH11181273A
JPH11181273A JP35582797A JP35582797A JPH11181273A JP H11181273 A JPH11181273 A JP H11181273A JP 35582797 A JP35582797 A JP 35582797A JP 35582797 A JP35582797 A JP 35582797A JP H11181273 A JPH11181273 A JP H11181273A
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JP
Japan
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parts
water pump
polyketone
weight
polyketone resin
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JP35582797A
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English (en)
Inventor
Koji Yamauchi
幸二 山内
Akinori Shikamata
昭紀 鹿又
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い機械的強度を保持し、さらに耐熱性、寸法
安定性と良好な耐不凍液性を備えたポリケトン樹脂から
なるウォーターポンプ関連部品を提供する。 【解決手段】一般式(1)と(2)で表される繰り返し
単位からなるポリケトン共重合体であって、y/xが
0.01〜0.10であることを特徴とするポリケトン
樹脂からなる自動車ウォーターポンプ関連部品。 【化1】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)そ
れぞれのモル%を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジン冷
却系ウォーターポンプ関連部品用途に好適な樹脂および
樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、冷却用液体として
用いられるロングライフクーラント(以下LLCと略
す)との接触においても優れた耐久性を有する自動車ウ
ォーターポンプ関連部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車部品、特にエンジンルーム内の部
品が金属からプラスチックに徐々に代替されてきている
ことは良く知られていることである。これはプラスチッ
クが金属に比べて軽量であり、製品のデザインの自由度
が大きく、しかも、元々複数の部品を一体成形すること
により、生産性の向上が計れることが主な理由である。
エンジンルーム内部品の代表的なものの一つにウォータ
ーポンプがあり、このウォーターポンプの関連部品とし
て、ウォーターポンプハウジング、インペラ、ウォータ
ーインレット、ウォーターアウトレットなどがあるが、
これらは従来、主にアルミニウム製であった。これはポ
ンプ内を流れる冷却用液体として用いられるLLC溶液
と高温で長時間接触するという極めて厳しい使用条件に
耐え得るプラスチック材料がなかなか見つからないため
である。このウォーターポンプ関連部品をプラスチック
に代替して、軽量化や生産性の向上を計ろうとする試み
もなされているが、LLC溶液との接触下においても優
れた機械的性質を保持する素材は見つかっていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、LL
C溶液との高温、長時間での接触下においても高い機械
的強度を保持し、さらに耐熱性、寸法安定性等の優れた
自動車ウォーターポンプ関連部品用に適したプラスチッ
ク材料およびそれを成形してなる自動車ウォーターポン
プ関連部品の取得を課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(1)と
(2)で表わされる繰り返し単位からなるポリケトン共
重合体であって、y/xが0.01〜0.10であるこ
とを特徴とするポリケトン樹脂からなる自動車ウォータ
ーポンプ関連部品である。
【0006】
【化2】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)の
モル%を表す。]
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明のポリケトン樹脂か
らなる自動車用ウォーターポンプ関連部品について具体
的に説明する。
【0008】本発明で用いるポリケトン共重合体とは、
下記一般式(1)と(2)で表される繰り返し単位から
なる構造を有するものである。
【0009】
【化3】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)そ
れぞれのモル%を表す。]ここで、得られるポリケトン
樹脂の機械特性、衝撃強度の面で、y/xは0.01〜
0.10であり、好ましくは0.03〜0.10、特に
好ましくは0.05〜0.10である。
【0010】また、本発明のポリケトン共重合体の分子
量は特に制限はないが、通常、標準細管粘度測定装置
で、m−クレゾール中、60℃で測定したポリマーの極
限粘度数(LVN)は、0.5〜10.0dl/gのも
のを使用することができ、好ましくは0.8〜4.0d
l/g、特に好ましくは1.5〜2.0dl/gであ
る。
【0011】このようなポリケトン共重合体の融点は1
75℃〜300℃であり、好ましくは210℃〜270
℃である。
【0012】このようなポリケトンの製造方法は、特に
制限はないが、通常、一酸化炭素とエチレンおよびプロ
ピレンとを、パラジウム化合物、pKaが約6以下(1
8℃の水溶液中で測定)のハロゲン化水素酸でない酸の
アニオンおよび燐二座配位子から生成する触媒組成物の
存在下で接触させるものである。
【0013】ここでパラジウム化合物としては、パラジ
ウムを含有する化合物であれば特に制限はないが、例え
ば、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトネート
を使用することができる。またこれらの化合物は、炭素
上に担持させたものあるいはイオン交換体、例えばスル
ホン酸基を含むイオン交換体に結合させたものも使用す
ることができる。
【0014】パラジウム化合物の使用量は特に制限はな
いが、通常、重合すべきモノマー総モル数に対して、1
-8〜10-1モルであることが好ましい。
【0015】pKaが約6以下(18℃の水溶液中で測
定)のハロゲン化水素酸でない酸のアニオンの具体例と
して、スルホン酸のアニオン、例えば、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸、ならびにカルボン酸、例えば、トリクロロ酢
酸、ジフロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢
酸、ジフルオロプロピオン酸、酢酸、酒石酸および2,
5−ジヒドロキシ安息香酸、その他塩酸、フッ化水素
酸、臭化水素酸等からなるアニオンが挙げられる。これ
らの中で、特にp−トルエンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸からなるアニオンが好ましく使用することができ
る。
【0016】pKaが6以下の酸のアニオンの量はパラ
ジウム化合物中、パラジウム金属1g原子当たり、0.
5〜200当量、特に1.0〜100当量が好ましい。
【0017】また2座配位子の構造は特に制限はない
が、通常1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパ
ン、1,3−ビス[ジ(2−メトキシフェニル)ホスフ
ィノ]プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ブタン、2,3−ジメチル−1,4−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(メチル−フェ
ニル−ホスフィノ)ペンタン、1,4−ビス(ジシクロ
ヘキシルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ナフチル
ホスフィノ)ペンタン、1,3−ビス(ジp−トリルホ
スフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジ−p−メトキシ
フェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(フェニ
ルホスフィノ)エテン、2,3−ビス(フェニルホスフ
ィノ)−2−オキサプロパン、2−メチル,2−(メチ
ルジフェニルホスフィノ)−1,3−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)プロパン、0,0'−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)ベンゼン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ナフタレン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)シクロヘキサン、2,2−ジメチル−4,5−ビス
(ジフェニルホスフィノ)ジオキソランおよび
【化4】 等が挙げられるが、好ましくは1,3−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス[ジ(2−メト
キシフェニル)ホスフィノ]プロパンである。
【0018】このような二座配位子の使用量は特に制限
はないが、通常、パラジウム化合物1モル当たり、0.
1〜10モル使用することができ、好ましくは0.2〜
5モル、特に好ましくは0.33〜3モルである。
【0019】重合は、実質的に反応希釈剤を含まない気
相中、またはアルカノール(例えばメタノールまたはエ
タノール)などの反応希釈剤を含む液相中で行うことが
できる。反応剤は重合条件において、触媒組成物の存在
下、反応容器中で振盪または撹拌するなどの常法により
接触させことができる。好適な反応温度は20〜150
℃、好ましくは50〜135℃である。典型的な反応圧
力は1〜100バールであり、10〜100バールが好
ましい。反応後ポリマーをデカンテーションまたは濾過
により回収することができる。ポリマー生成物は触媒組
成物残さを含んでいてもよいが、所望ならば、溶媒また
は残さに対して選択的な錯化剤によって処理することに
より除去する。
【0020】本発明においてポリケトン樹脂の機械強度
その他の特性を付与するために使用される繊維状および
/または非繊維状充填材としては、特に限定されるもの
ではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填剤
を使用することができる。具体的には、例えば、ガラス
繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊
維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香
族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミッ
ク繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊
維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロ
ックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バ
リウムウィスカー、ほう酸アルミウィスカー、窒化ケイ
素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填剤、ガラ
スビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、
二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化
亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉
状、粒状あるいは板状の充填剤が挙げられる。上記充填
剤中、ガラス繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の
種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定
はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップ
ドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用い
ることができる。また、上記の充填剤は2種以上を併用
して使用することもできる。なお、本発明に使用する上
記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例え
ば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いること
もできる。
【0021】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0022】上記充填材の添加量はポリケトン樹脂10
0重量部に対して10〜300重量部であり、好ましく
は10〜250重量部、より好ましくは20〜150重
量部である。
【0023】また、本発明のウォーターポンプ関連部品
はガラス転移温度が20℃以下のエラストマーを添加す
ると衝撃特性および耐LLC性を改善することができ
る。
【0024】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
ーであれば特に制限はないが、オレフィン系エラストマ
ー、ナイロン系エラストマー、ポリエステル系エラスト
マー、ポリエステルポリエーテル系エラストマー、ポリ
エステルポリエステル系エラストマー、ポリエステルポ
リアミド系エラストマーなどが好ましく、さらに好まし
くはポリエステルポリエーテル系エラストマー、オレフ
ィン系エラストマー、特に好ましくはオレフィン系エラ
ストマーである。このようなオレフィン系エラストマー
の具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エ
チレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/
共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重
合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メ
タクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル
/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/
メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エ
チレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイ
ミド共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサ
ジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共
重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジ
エン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピ
レン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ブタジエン/ス
チレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレ
ン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体を水素添加
した後、無水マレイン酸をグラフト化して得られるスチ
レン・エチレン/ブチレン・スチレン−g−無水マレイ
ン酸ブロック共重合体、スチレン/イソプレン−g−無
水マレイン酸ブロック共重合体、エチレン/アクリル酸
アイオノマー、エチレン/メタクリル酸アイオノマー、
エチレン/イタコン酸アイオノマーなどを挙げることが
でき、これらは各々単独あるいは混合物の形で用いるこ
とができる。
【0025】またこのようなオレフィン系エラストマー
は、ポリケトン樹脂との相溶性を向上させることを目的
として、さらにポリマー分子中あるいはポリマー末端に
水酸基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボ
ン酸金属塩基、カルボン酸無水物基、イミド基等の内、
少なくとも一種類の官能基が化学的に結合したポリオレ
フィンエラストマーを使用することもできる。
【0026】あるいはこれらのオレフィン系エラストマ
ーはポリケトンとの相溶性を向上させるために、溶融混
練時にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチ
ルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタル酸お
よびこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸水素メチ
ル、イタコン酸水素メチル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメ
チル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコ
ン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン
−2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−(2,2,
1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マ
レイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イ
タコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどを添
加することにより、オレフィン系エラストマーやポリケ
トンを化学的に変性することもできる。
【0027】本発明においてガラス転移温度が20℃以
下のエラストマーの添加量は、ポリケトン樹脂100重
量部に対して、通常、5〜100重量部であり、好まし
くは10〜60重量部、さらに好ましくは15〜40重
量部である。
【0028】なかでもエラストマーを比較的少量使用す
る場合、樹脂組成物中のエラストマーは、マトリックス
としてのポリケトン樹脂中に分散相として存在する。本
発明の組成物によって得られた成形品がより優れた衝撃
強度を保有するには、微分散していることが望ましい。
樹脂組成物中の混合状態を評価する方法の一つとして分
散相の粒径を評価尺度とする方法があるが、本発明の樹
脂組成物にエラストマーを配合する場合、エラストマー
部分の分散平均はエラストマーの長径が20ミクロン以
下が好ましく、さらに好ましくは10ミクロン以下であ
る。
【0029】また本発明の自動車ウォーターポンプ部品
には耐加水分解性、耐LLC性の向上を目的としてエポ
キシ化合物を配合することができる。
【0030】このようなエポキシ化合物としてはエポキ
シ基を分子中に含有するエポキシ化合物であれば特に制
限はないが、モノエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、
トリエポキシ化合物が好ましく、特にジエポキシ化合物
を好ましく使用することができる。このようなジエポキ
シ化合物としては、具体的に下記一般式(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、
(10)で表されるジエポキシ化合物を使用することが
できる。
【0031】
【化5】 (nは1以上の整数を表す。) このようなエポキシ化合物の添加量はポリケトン樹脂1
00重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ま
しくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.2〜
1重量部である。
【0032】また、本発明のポリケトン樹脂は、結晶核
剤を添加すると機械的特性や自動車ウォーターポンプ部
品に成形加工する際の寸法精度が著しく向上する。
【0033】本発明の結晶核剤としては、ポリケトン樹
脂の結晶化を促進する化合物であれば特に制限はない
が、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、クレーや無機
カルボン酸塩、無機スルホン酸塩、炭酸塩、有機カルボ
ン酸塩、有機スルホン酸塩などが好ましく使用され、こ
れらの中で、タルク、マイカ、カオリンが特に好ましく
使用することができる。
【0034】本発明の結晶核剤の添加量は、通常、ポリ
ケトン樹脂100重量部に対して0.01〜20重量
部、好ましくは0.02〜15重量部、さらに好ましく
は0.03〜10重量部である。
【0035】さらに、本発明の自動車用ウォーターポン
プ関連部品には、本発明の目的を損なわない範囲でヒン
ダードフェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤など
の酸化防止剤や熱安定剤、紫外線吸収剤(例えばレゾル
シノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾ
フェノンなど)、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸
塩など)、可塑剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、およ
び染料・顔料を含む着色剤(硫化カドミウム、フタロシ
アニンなど)などの通常の添加剤を1種以上添加するこ
とができる。また、本発明の樹脂組成物は通常公知の方
法で製造される。例えば、ポリケトン樹脂、充填材およ
びその他の必要な添加剤を予備混合して、またはせずに
押出機などに供給して、230℃〜280℃の温度範囲
において十分溶融混練することにより調製される。この
場合、例えば”ユニメルト”タイプのスクリューを備え
た単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの
混練機などを用いることができ、特にアスペクト比をコ
ントロールすることから、スクリューにニーディングエ
レメントを数個挿入、あるいは挿入しないことにより使
用することが好ましい。本発明の自動車用ウォーターポ
ンプ部品は上記のポリケトン樹脂あるいはポリケトン樹
脂組成物を射出成形することにより容易に得ることがで
きる。
【0036】また、本発明の自動車用ウォーターポンプ
関連部品とは、主としてウォーターポンプハウジング、
インペラ、ウォーターインレット、ウォーターアウトレ
ットなどを総称するものである。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0038】なお、実施例および比較例の中で述べられ
る試験片の引張強度、曲げ強度、アイゾッド衝撃強度、
耐LLC性、寸法安定性などは各々次の方法に従って測
定した。
【0039】<評価項目> ・引張強度:ASTM−D638 ・アイゾッド衝撃強度:ASTM−D256 ・耐LLC性:LLC50%水溶液中で、引張ダンベル
片を130℃/500時間処理した後の引張強度を測定
し、強度保持率=処理後の引張強度/処理前の引張強度
×100(%)より強度保持率を算出し、耐LLC性の
目安とした。
【0040】・寸法安定性:フィルムゲートを有する8
0×80×3mmの角板を射出成形し、この角板成形品
の樹脂流れ方向(//)および垂直方向(⊥)の成形収
縮率を測定し、その差を算出して寸法安定性の目安とし
た。
【0041】参考例1 ポリケトンの製造 触媒組成物として、酢酸パラジウム0.1mmol、
1,3−ビス[(ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィ
ノ]プロパン0.15mmolおよびトリフロロ酢酸2
mmolを秤量し、250mlの耐圧オートクレーブ
に、投入した。その後、一酸化炭素でオートクレーブ内
を置換し、20バールの圧力のエチレン、1.4バール
のプロピレンおよび30バールの圧力の一酸化炭素をオ
ートクレーブ内に投入し、90℃、1時間反応させた。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、オートクレ
ーブ内のポリマーを取り出した。収率[ポリマー重量/
Pd(g)/時間は3500g/g/hであった。得ら
れたポリマーをm−クレゾールと少量の重水素化ジメチ
ルスルホキシドに90℃に加熱し溶解させ、90MHz
1H−NMRより、x、yのモル比を測定したところ、
仕込量とほぼ同じy/x=0.072のポリマー、融点
221℃、m−クレゾール中、60℃で測定したLVN
は1.8dl/gであった。
【0042】実施例で使用した熱可塑性ポリエステル樹
脂、熱可塑性ポリアミドおよびその他の添加剤は下記の
通りである。
【0043】・ポリブチレンテレフタレート(PB
T):東レPBT1100s(東レ(株)製)を使用し
た。
【0044】・ナイロン66:アミランCM3001
(東レ(株)製)を使用した。
【0045】・ガラス転移温度20℃以下のエラストマ
ー:グリシジルメタクリレート変性共重合ポリエチレン
(”ボンドファースト”EPX−6、住友化学社製)を
使用した。
【0046】・エポキシ化合物:下記一般式(3)で表
されるジエポキシ化合物を使用した。
【0047】
【化6】 ・結晶核剤:タルク("LMS−300"、富士タルク社
製)を使用した。
【0048】実施例1〜4、比較実施例1〜5 表1に示した配合処方により、各種樹脂100重量部、
ガラス繊維30重量部をヘンシェルミキサーでドライブ
レンドした後、260℃のシリンダー温度に設定したス
クリュー式単軸押出機により溶融混練後ペレタイズし
た。得られたペレットを乾燥後、射出成形機を用いて、
シリンダー温度260℃樹脂ペレットを住友ネスタール
射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業
(株)製)に供し、金型温度80℃の条件で各成形品を
射出成形して得た。
【0049】尚、実施例2ではガラス転移温度20℃以
下のエラストマー:グリシジルメタクリレート変性共重
合ポリエチレン(”ボンドファースト”EPX−6、住
友化学社製)をポリケトン100重量部に対して、20
部配合した。
【0050】尚、得られた樹脂組成物中のエラストマー
の分散粒径を測定するため、評価用試験片をウルトラミ
クロトームを用いて、薄片を切り出し、これを光学顕微
鏡(透過光)および透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影
し、この顕微鏡写真から無作為に選んだ個体数100個
の長径を測定し、その平均値を算出した。その結果、樹
脂組成物中のエラストマーの分散粒径は1.5μm以下
と極めて微分散していた。
【0051】また、実施例3では上記一般式(3)で表
されるジエポキシ化合物をポリケトン100重量部に対
して、1重量部配合した。また、実施例4では結晶核
剤:タルク”LMS−300、富士タルク社製)をポリ
ケトン100重量部に対して、0.3重量部配合した。
【0052】結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 実施例1〜4のいずれも耐衝撃性、寸法安定性に優れ、
しかも極めて優れた耐LLC性を有し、自動車ウォータ
ーポンプ関連部品用として好適なものであった。特にエ
ラストマーの配合により耐衝撃特性や耐LLC性が向上
する。またエポキシや結晶核剤の配合でも衝撃強度や耐
LLC性が向上することがわかる。
【0054】一方、ポリケトンの代わりにPBT樹脂を
用いた比較例1では耐LLC性、寸法安定性が劣るもの
であった。さらに比較例2、3に示すようにPBT樹脂
に実施例2、3と同様にエラストマー、エポキシを配合
しても、耐LLC性の向上効果は極めて小さいことがわ
かる。またポリケトンの代わりにN66を用いた比較例
4では耐LLC性が劣るものであり、さらにエラストマ
ーを配合ても、耐LLC性の向上効果は極めて小さいこ
とがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明のポリケトン樹脂からなるウォー
ターポンプ関連部品は、LLCとの高温、長時間での接
触下においても高い機械的強度を保持し、さらに耐熱
性、寸法安定性と良好な耐不凍液性を兼ね備えている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/36 C08K 3/36 5/098 5/098 5/15 5/15 5/42 5/42 7/02 7/02 13/00 13/00 C08L 21/00 C08L 21/00 23/16 23/16 63/00 63/00 A F01P 3/00 F01P 3/00 5/10 5/10 B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)と(2)で表される繰り返し
    単位からなるポリケトン共重合体であって、y/xが
    0.01〜0.10であることを特徴とするポリケトン
    樹脂からなる自動車ウォーターポンプ関連部品。 【化1】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)そ
    れぞれのモル%を表す。]
  2. 【請求項2】y/xが、0.05〜0.10であること
    を特徴とする請求項1に記載のポリケトン樹脂からなる
    自動車ウォーターポンプ関連部品。
  3. 【請求項3】ポリケトン樹脂100重量部に対して、繊
    維状および/または非繊維状充填材10〜300重量部
    を配合してなる請求項1または2に記載のポリケトン樹
    脂からなる自動車ウォーターポンプ関連部品。
  4. 【請求項4】ポリケトン樹脂100重量部に対して、ガ
    ラス転移温度が20℃以下のエラストマーを5〜100
    重量部を配合してなる請求項1〜3いずれかに記載のポ
    リケトン樹脂からなる自動車ウォーターポンプ関連部
    品。
  5. 【請求項5】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
    ーが、オレフィン系エラストマーである請求項4に記載
    のポリケトン樹脂からなる自動車ウォーターポンプ関連
    部品。
  6. 【請求項6】ポリケトン樹脂マトリックス相中に、ガラ
    ス転移温度20℃以下のエラストマーからなる分散相が
    存在し、かかる分散相の平均粒径が20ミクロン以下で
    ある請求項4または5に記載のポリケトン樹脂からなる
    自動車ウォーターポンプ関連部品。
  7. 【請求項7】ポリケトン樹脂100重量部に対し、エポ
    キシ化合物0.01〜5重量部を含有せしめてなる請求
    項1〜6いずれかに記載のポリケトン樹脂からなる自動
    車ウォーターポンプ関連部品。
  8. 【請求項8】ポリケトン樹脂100重量部に対して、結
    晶核剤0.01〜20重量部を含有せしめた請求項1〜
    7いずれかに記載のポリケトン樹脂からなる自動車ウォ
    ーターポンプ関連部品。
  9. 【請求項9】結晶核剤が、タルク、マイカ、カオリン、
    シリカ、クレー、無機カルボン酸塩、無機スルホン酸
    塩、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機スルホン酸塩から
    選ばれる1種または2種以上の混合物である請求項8に
    記載のポリケトン樹脂からなる自動車ウォーターポンプ
    関連部品。
JP35582797A 1997-12-24 1997-12-24 ポリケトン樹脂からなる自動車ウォーターポンプ関連部品 Pending JPH11181273A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160139337A (ko) * 2015-05-27 2016-12-07 주식회사 효성 폴리케톤 폴리머를 포함하는 자동차의 선바이저 리테이너
KR20160139353A (ko) * 2015-05-27 2016-12-07 주식회사 효성 폴리케톤 폴리머를 포함하는 자동차용 슬라이드 가이드
KR20160139332A (ko) * 2015-05-27 2016-12-07 주식회사 효성 차량용 폴리케톤 연료 펌프

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