JPH11182340A - ポリケトン樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー - Google Patents

ポリケトン樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー

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JPH11182340A
JPH11182340A JP35582897A JP35582897A JPH11182340A JP H11182340 A JPH11182340 A JP H11182340A JP 35582897 A JP35582897 A JP 35582897A JP 35582897 A JP35582897 A JP 35582897A JP H11182340 A JPH11182340 A JP H11182340A
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JP
Japan
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cylinder head
head cover
polyketone resin
polyketone
automobile cylinder
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Application number
JP35582897A
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English (en)
Inventor
Hideki Matsumoto
英樹 松本
Koji Yamauchi
幸二 山内
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F7/00Casings, e.g. crankcases or frames
    • F02F7/006Camshaft or pushrod housings

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性、寸法安定性に優れ、かつ耐塩化カル
シウム性に優れた自動車シリンダーヘッドカバーを提供
する。 【解決手段】一般式(1)と(2)で表される繰り返し
単位からなるポリケトン共重合体であって、y/xが
0.01〜0.10であることを特徴とするポリケトン
樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー。 【化1】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)そ
れぞれのモル%を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車シリンダー
ヘッドカバーに関するものであり、さらに詳しくは、高
温においても高い強度、剛性、寸法安定性を保持し、塩
化カルシウムなどの薬品との接触下においても優れた耐
久性を有するポリケトン樹脂からなる自動車シリンダー
ヘッドカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車部品、特にエンジンルーム内の部
品が金属からプラスチックに徐々に代替されてきている
ことはよく知られていることである。これはプラスチッ
クが金属に比べて軽量であり、製品のデザインの自由度
が大きく、しかも元々複数の部品を一体成形することに
より、生産性の向上が計れることが主な理由である。エ
ンジンルーム内部品の代表的なものの一つにシリンダー
ヘッドカバーがあり、この部品もプラスチック化が進
み、現在は主にガラス繊維強化ナイロン66が用いられ
ており、また、ナイロン66とさらに炭素数の多いナイ
ロンとの混合物からなるシリンダーヘッドカバーも知ら
れている(特開昭63−28903号公報)。
【0003】しかし、最近の自動車エンジンルーム内の
部品増と密集化、そしてエンジンの高出力化などに伴
い、シリンダーヘッドカバーも運転中に従来より一層高
温にさらされるようになってきており、本質的に吸水性
で、吸水により剛性低下や寸法変化、塩化カルシウムな
どの薬品によるクラックの発生などを引き起こすナイロ
ン樹脂製シリンダーヘッドカバーでは、かかる高温で特
にこの問題が顕在化するため、十分な耐久性が得られ難
くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、高温
下においても高い機械的強度、寸法安定性等を保持し、
更に高温での塩化カルシウムなどの薬品に対する耐久性
等の優れた自動車シリンダーヘッドカバーを得ることを
課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、一般式(1)と(2)で表される繰
り返し単位からなるポリケトン共重合体であって、y/
xが0.01〜0.10であることを特徴とするポリケ
トン樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー。
【0006】
【化2】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)そ
れぞれのモル%を表す。]
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明のポリケトン樹脂か
らなる自動車シリンダーヘッドカバーについて具体的に
説明する。
【0008】本発明で用いるポリケトン共重合体とは、
下記一般式(1)と(2)で表される繰り返し単位から
なる構造を有するものである。
【0009】
【化3】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)そ
れぞれのモル%を表す。] ここで、得られるポリケトン樹脂の機械特性、衝撃強度
の面で、y/xは0.01〜0.10であり、好ましく
は0.03〜0.10、特に好ましくは0.05〜0.
10以下である。
【0010】また、本発明のポリケトン共重合体の分子
量は特に制限はないが、通常、標準細管粘度測定装置
で、m−クレゾール中、60℃で測定したポリマーの極
限粘度数(LVN)は、0.5〜10.0dl/gのも
のを使用することができ、好ましくは0.8〜4.0d
l/g、特に好ましくは1.5〜2.0dl/gであ
る。
【0011】このようなポリケトン共重合体の融点は1
75℃〜300℃であり、好ましくは210℃〜270
℃である。
【0012】このようなポリケトンの製造方法は、特に
制限はないが、通常、一酸化炭素とエチレンおよびプロ
ピレンとを、パラジウム化合物、pKaが約6以下(1
8℃の水溶液中で測定)のハロゲン化水素酸でない酸の
アニオンおよび燐二座配位子から生成する触媒組成物の
存在下で接触させるものである。
【0013】ここでパラジウム化合物としては、パラジ
ウムを含有する化合物であれば特に制限はないが、例え
ば、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトネート
を使用することができる。またこれらの化合物は、炭素
上に担持させたもの、あるいはイオン交換体、例えばス
ルホン酸基を含むイオン交換体に結合させたものも使用
することができる。
【0014】パラジウム化合物の使用量は特に制限はな
いが、通常重合すべきモノマー総モル数に対して、10
-8〜10-1モルであることが好ましい。
【0015】pKaが約6以下(18℃の水溶液中で測
定)のハロゲン化水素酸でない酸のアニオンの具体例と
して、スルホン酸のアニオン、例えば、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸、ならびにカルボン酸、例えば、トリクロロ酢
酸、ジフロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢
酸、ジフルオロプロピオン酸、酢酸、酒石酸および2,
5−ジヒドロキシ安息香酸、その他塩酸、フッ化水素
酸、臭化水素酸等からなるアニオンが挙げられる。これ
らの中で、特にp−トルエンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸からなるアニオンが好ましく使用することができ
る。
【0016】pKaが6以下の酸のアニオンの量はパラ
ジウム化合物中、パラジウム金属1g原子当たり、0.
5〜200当量、特に1.0〜100当量が好ましい。
【0017】また2座配位子の構造は特に制限はない
が、通常1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパ
ン、1,3−ビス[ジ(2−メトキシフェニル)ホスフ
ィノ]プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ブタン、2,3−ジメチル−1,4−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(メチル−フェ
ニル−ホスフィノ)ペンタン、1,4−ビス(ジシクロ
ヘキシルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ナフチル
ホスフィノ)ペンタン、1,3−ビス(ジp−トリルホ
スフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジ−p−メトキシ
フェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(フェニ
ルホスフィノ)エテン、2,3−ビス(フェニルホスフ
ィノ)−2−オキサプロパン、2−メチル−2−(メチ
ルジフェニルホスフィノ)−1,3−ビス(ジフェニル
ホスフィノ)プロパン、0,0'−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)ベンゼン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ナフタレン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)シクロヘキサン、2,2−ジメチル−4,5−ビス
(ジフェニルホスフィノ)ジオキソランおよび
【化4】 等が挙げられるが、好ましくは1,3−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス[ジ(2−メト
キシフェニル)ホスフィノ]プロパンである。
【0018】このような二座配位子の使用量は特に制限
はないが、通常、パラジウム化合物1モル当たり、0.
1〜10モル使用することができ、好ましくは0.2〜
5モル、特に好ましくは0.33〜3モルである。
【0019】重合は、実質的に反応希釈剤を含まない気
相中、またはアルカノール(例えばメタノールまたはエ
タノール)などの反応希釈剤を含む液相中で行うことが
できる。反応剤は重合条件において、触媒組成物の存在
下、反応容器中で振盪または撹拌するなどの常法により
接触させことができる。好適な反応温度は20〜150
℃、好ましくは50〜135℃である。典型的な反応圧
力は1〜100バールであり、10〜100バールが好
ましい。反応後ポリマーをデカンテーションまたは濾過
により回収することができる。ポリマー生成物は触媒組
成物残さを含んでいてもよいが、所望ならば、溶媒また
は残さに対して選択的な錯化剤によって処理することに
より除去する。
【0020】本発明において、ポリケトン樹脂の機械強
度その他の特性を付与するために使用される繊維状およ
び/または非繊維状充填材としては、特に限定されるも
のではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填
材を使用することができる。具体的には例えば、ガラス
繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊
維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香
族ポリアミドなどの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊
維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、
シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロック
ウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウ
ムウィスカー、ホウ酸アルミウィスカー、窒化ケイ素ウ
ィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填材、ガラスビ
ーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、二硫
化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜
鉛、ポリ燐酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒
状あるいは板状の充填材が挙げられる。
【0021】上記充填材中、ガラス繊維が好ましく使用
される。ガラス繊維種類は、一般に樹脂強化用に用いら
れるものなら特に限定はなく、例えば、長繊維タイプや
短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバ
ーなどから選択して用いることができる。また、上記充
填材は2種以上を併用して使用することもできる。な
お、本発明に使用する上記の充填材はその表面を公知の
カップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チ
タネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤
で処理して用いることができる。
【0022】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0023】上記充填材の添加量は、ポリケトン樹脂1
00重量部に対して10〜300重量部であり、好まし
くは10〜250重量部、より好ましくは20〜150
重量部である。
【0024】また、本発明の自動車シリンダーヘッドカ
バーは、ガラス転移温度が20℃以下のエラストマーを
添加すると衝撃特性および高温高湿下における自動車シ
リンダーヘッドカバーの劣化による機械強度の低下を改
善することができる。
【0025】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
ーであれば特に制限はないが、オレフィン系エラストマ
ー、ナイロン系エラストマー、ポリエステル系エラスト
マー、ポリエステルポリエーテル系エラストマー、ポリ
エステルポリエステル系エラストマー、ポリエステルポ
リアミド系エラストマーなどが好ましく、さらに好まし
くはポリエステルポリエーテル系エラストマー、オレフ
ィン系エラストマー、特に好ましくはオレフィン系エラ
ストマーである。このようなオレフィン系エラストマー
の具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エ
チレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/
共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重
合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メ
タクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル
/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/
メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エ
チレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイ
ミド共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサ
ジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共
重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジ
エン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピ
レン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ブタジエン/ス
チレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレ
ン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体を水素添加
した後、無水マレイン酸をグラフト化して得られるスチ
レン・エチレン/ブチレン・スチレン−g−無水マレイ
ン酸ブロック共重合体、スチレン/イソプレン−g−無
水マレイン酸ブロック共重合体、エチレン/アクリル酸
アイオノマー、エチレン/メタクリル酸アイオノマー、
エチレン/イタコン酸アイオノマーなどを挙げることが
でき、これらは各々単独あるいは混合物の形で用いるこ
とができる。
【0026】また、このようなオレフィン系エラストマ
ーは、ポリケトン樹脂との相溶性を向上させることを目
的として、ポリマー分子中あるいはポリマー末端に水酸
基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸
金属塩基、カルボン酸無水物基、イミド基などの内、少
なくとも一種の官能基が化学的に結合した変性ポリオレ
フィンエラストマーを使用することもできる。
【0027】本発明においてガラス転移温度が20℃以
下のエラストマーの添加量は、ポリケトン樹脂100重
量部に対して、通常、1〜100重量部であり、好まし
くは3〜90重量部、さらに好ましくは5〜80重量部
である。
【0028】なかでもエラストマーを比較的少量使用す
る場合、例えば50重量部以下、好ましくは30重量部
以下、特に好ましくは20重量部以下の場合には、樹脂
組成物中のエラストマーは、マトリックスとしてのポリ
ケトン樹脂中に分散相として存在する。本発明の組成物
によって得られた成形品がより優れた衝撃強度を保有す
るには、微分散していることが望ましい。樹脂組成物中
の混合状態を評価する方法の一つとして分散相の粒径を
評価尺度とする方法があるが、本発明の樹脂組成物にエ
ラストマーを配合する場合、エラストマー部分の分散相
の平均粒径が、20ミクロン以下が好ましく、さらに好
ましくは10ミクロン以下である。
【0029】また、本発明の自動車シリンダーヘッドカ
バーの耐衝撃性、耐加水分解性の向上を目的としてエポ
キシ化合物を配合することができる。
【0030】このようなエポキシ化合物としては、エポ
キシ基を分子中含有するエポキシ化合物であれば特に制
限はないが、モノエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、
トリエポキシ化合物が好ましく、特にジエポキシ化合物
を好ましく使用することができる。このようなジエポキ
シ化合物としては、具体的に下記一般式(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、
(10)で表されるジエポキシ化合物を使用することが
できる。
【0031】
【化5】 (nは1以上の整数を表す。) このようなエポキシ化合物の添加量はポリケトン樹脂1
00重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ま
しくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.2〜
1重量部である。また本発明のポリケトン樹脂は、結晶
核剤を添加すると機械的特性が向上する。
【0032】本発明の結晶核剤としては、ポリケトン樹
脂の結晶化を促進する化合物であれば特に制限はない
が、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、クレーや無機
カルボン酸塩、無機スルホン酸塩、炭酸塩、有機カルボ
ン酸塩、有機スルホン酸塩などが好ましく使用され、こ
れらの中で、タルク、マイカ、カオリンが特に好ましく
使用することができる。
【0033】本発明の結晶核剤の添加量は、通常、ポリ
ケトン樹脂100重量部に対して0.01〜20重量
部、好ましくは0.02〜15重量部、さらに好ましく
は0.03〜10重量部である。
【0034】さらに、本発明のポリケトン樹脂からなる
自動車シリンダーヘッドカバーには、本発明の目的を損
なわない範囲でヒンダードフェノール系、リン系、イオ
ウ系酸化防止剤などの酸化防止剤や熱安定剤、紫外線吸
収剤(例えばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾト
リアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤
(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフ
エステル、ステアリルアルコール、ステラアマイドおよ
びエチレンワックスなど)、着色防止剤(亜リン酸塩、
次亜リン酸塩など)、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、お
よび染料・顔料を含む着色剤(硫化カドミウム、フタロ
シアニンなど)などの通常の添加剤を1種以上添加する
ことができる。
【0035】また、本発明の樹脂組成物は、通常公知の
方法で製造される。例えば、ポリケトン、充填材および
その他の必要な添加剤を予備混合して、またはせずに押
出機などに供給して、230℃〜280℃の温度範囲に
おいて十分溶融混練することにより調製される。この場
合、例えば”ユニメルト”タイプのスクリューを備えた
単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混
練機などを用いることができ、特にアスペクト比をコン
トロールすることから、スクリューにニーディングエレ
メントを数個挿入あるいは未挿入にすることにより使用
することが好ましい。本発明の自動車シリンダーヘッド
カバーは上記のポリケトン樹脂あるいはポリケトン樹脂
組成物を射出成形することにより容易に得ることができ
る。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0037】なお、実施例および比較実施例に記載され
ている諸特性は以下の方法で測定した。
【0038】・アイゾッド衝撃強度:ASTM−D25
6 ・耐塩化カルシウム性:引張ダンベルを射出成形によっ
て成形し、これを98℃の温水中に24時間浸した後、
110℃の熱風オーブン中に放置し、1時間放置し、成
形品のクラックの発生の有無を観察した。
【0039】 ○;クラック発生なし ×;クラック発生あり ・寸法安定性:フィルムゲートを有する80×80×3
mmの角板を射出成形し、この角板成形品の樹脂流れ方
向の成形収縮率を測定した。 参考例1 ポリケトンの製造 触媒組成物として、酢酸パラジウム0.1mmol、
1,3−ビス[(ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィ
ノ]プロパン0.15mmolおよびトリフロロ酢酸2
mmolを秤量し、250mlの耐圧オートクレーブ
に、投入した。その後、一酸化炭素でオートクレーブ内
を置換し、20バールの圧力のエチレン、1.4バール
のプロピレンおよび30バールの圧力の一酸化炭素をオ
ートクレーブ内に投入し、90℃、1時間反応させた。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、オートクレ
ーブ内のポリマーを取り出した。収率[ポリマー重量/
Pd(g)/時間は3500g/g/hであった。得ら
れたポリマーをm−クレゾールと少量の重水素化ジメチ
ルスルホキシドに90℃に加熱し溶解させ、90MHz
1H−NMRより、x、yのモル比を測定したところ、
仕込量とほぼ同じy/x=0.072のポリマー、融点
221℃、m−クレゾール中、60℃で測定したLVN
は1.8dl/gであった。
【0040】実施例で使用した熱可塑性ポリアミドおよ
びその他の添加剤は下記の通りである。 ・ナイロン66:アミランCM3001(東レ(株)
製)を使用した。
【0041】・ガラス繊維:"CS3PE941S"(日
東紡績社製)を使用した。
【0042】・ガラス転移温度20℃以下のエラストマ
ー:グリシジルメタクリレート変性共重合ポリエチレン
(”ボンドファースト”EPX−6、住友化学社製)を
使用した。
【0043】実施例1〜2、比較例1〜2 表1に示した配合処方により、各種樹脂100重量部、
ガラス繊維30重量部をヘンシェルミキサーでドライブ
レンドした後、260℃のシリンダー温度に設定したス
クリュー式単軸押出機により溶融混練後ペレタイズし
た。得られたペレットを熱風乾燥後、シリンダー温度2
60℃、金型温度80℃に設定した住友ネスタール射出
成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)
製)に供し、各成形品を射出成形して得た。
【0044】実施例1では、充填剤としてガラス繊維
を、また実施例2では、ガラス繊維の他に、さらにガラ
ス転移温度20℃以下のエラストマー:グリシジルメタ
クリレート変性共重合ポリエチレンをポリケトン100
重量部に対して、20重量部配合した。
【0045】なお、得られた樹脂組成物中エラストマー
の分散粒径を測定するため、評価用試験片をウルトラミ
クロトームを用いて薄片を切り出し、これを光学顕微鏡
(透過光)および透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影
し、この顕微鏡写真から無作為に選んだ個体数100個
の平均値を測定した。その結果、樹脂組成物中のエラス
トマーの分散粒径は1.6μm以下と極めて微分散して
いた。
【表1】 実施例1〜2、比較例1〜2から、本発明のポリケトン
樹脂組成物は耐衝撃性、寸法安定性に優れ、かつ耐塩化
カルシウム性試験においてクラックの発生は認められ
ず、自動車シリンダーヘッドカバーとして好適なもので
あった。またエラストマーの配合により耐衝撃性が向上
することがわかる。
【0046】一方、ナイロン樹脂では、耐塩化カルシウ
ム性試験においてクラックの発生が認められ、耐塩化カ
ルシウム性に劣ることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明の自動車シリンダーヘッドカバー
は高い機械的強度を保持し、さらに寸法安定性に優れ、
とりわけ耐塩化カルシウム性に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 73/00 21:00) (C08L 73/00 23:00)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)と(2)で表される繰り返し
    単位からなるポリケトン共重合体であって、y/xが
    0.01〜0.10であることを特徴とするポリケトン
    樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー。 【化1】 [x、yは、ポリマー中の一般式(1)および(2)そ
    れぞれのモル%を表す。]
  2. 【請求項2】y/xが、0.05〜0.10であること
    を特徴とする請求項1に記載のポリケトン樹脂からなる
    自動車シリンダーヘッドカバー。
  3. 【請求項3】ポリケトン樹脂100重量部に対して、繊
    維状および/または非繊維状充填材10〜300重量部
    を配合してなる請求項1または2に記載のポリケトン樹
    脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー。
  4. 【請求項4】ポリケトン樹脂100重量部に対して、ガ
    ラス転移温度が20℃以下のエラストマーを配合してな
    る請求項1〜3いずれかに記載のポリケトン樹脂からな
    る自動車シリンダーヘッドカバー。
  5. 【請求項5】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
    ーがオレフィン系エラストマーである請求項4記載のポ
    リケトン樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー。
  6. 【請求項6】ポリケトン樹脂マトリックス相中に、ガラ
    ス転移温度20℃以下のエラストマーからなる分散相が
    存在し、かかる分散相の平均粒径が20ミクロン以下で
    ある請求項4または5記載のポリケトン樹脂からなる自
    動車シリンダーヘッドカバー。
JP35582897A 1997-12-24 1997-12-24 ポリケトン樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー Pending JPH11182340A (ja)

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JP35582897A JPH11182340A (ja) 1997-12-24 1997-12-24 ポリケトン樹脂からなる自動車シリンダーヘッドカバー

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